ギアッコ 少年 と マメ |しょうねん||まめ Ghiacco-Boy and Mame

ギアッコ 少年 と マメ |しょうねん||まめ

むかし むかし 、 ギアッコ と いう 、 一人ぼっち の 男の子 が い ました 。 |||||ひとり ぼっち||おとこのこ||| ギアッコ は ひとにぎり の マメ を 持って いて 、 毎日 一 粒 づつ 食べ ました 。 ||||まめ||もって||まいにち|ひと|つぶ||たべ| でも とうとう 、 あと 一 つ で みんな なくなって しまう 時 が やってきた のです 。 |||ひと||||||じ|||の です ギアッコ は 、 たった 一 つ 残った マメ を ポケット に しまって 、 テクテク と 歩いて 行き ました 。 |||ひと||のこった|まめ||ぽけっと|||てくてく||あるいて|いき| 日 が くれる 頃 、 ギアッコ は クワ の 木 の 下 に ある 小さな 家 に たどり着き ました 。 ひ|||ころ|||くわ||き||した|||ちいさな|いえ||たどりつき| トン 、 トン 、 トン 。 とん|とん|とん ギアッコ が 戸 を 叩く と 、 腰 の まがった お じいさん が 出て き ました 。 ||と||たたく||こし||||||でて|| 「 何の 用 だ ね ？ なんの|よう|| 」 「 あの 、 ぼく 、 お 父さん も お 母さん も い ない んです 。 |||とうさん|||かあさん||||ん です この マメ が 、 一 つ しか ない んです 」 と 、 ギアッコ は 言い ました 。 |まめ||ひと||||ん です||||いい| 「 おお 、 それ は かわいそうに 。 では 、 これ を お 食べ 」 　 腰 の まがった お じいさん は クワ の 実 を 四 つ くれて 、 ギアッコ を だんろ の そば に 寝かせ ました 。 ||||たべ|こし||||||くわ||み||よっ|||||||||ねかせ|

夜中 に なり ました 。 よなか||| コロコロコロ 。 ギアッコ の ポケット から 、 マメ が 転がり 落ち ました 。 ||ぽけっと||まめ||ころがり|おち| パクリ 。 ネコ が 、 その マメ を 食べ ました 。 ねこ|||まめ||たべ| ギアッコ は 目 を 覚まして 、 「 ねえ ねえ 、 お じいさん 。 ||め||さまして|||| お じいさん の ネコ が 、 ぼく の マメ を 食べちゃ った よ 」 と 、 泣き 出し ました 。 |||ねこ||||まめ||たべちゃ||||なき|だし| 「 おや 、 それ は 悪かった 。 |||わるかった では 、 その ネコ を 持って いっ ておくれ 。 ||ねこ||もって|| わし は 、 ドロボウネコ は きらいだ から ね 」 　 ギアッコ は ネコ を かかえて 、 スタスタ と 歩いて いき ました 。 |||||||||ねこ|||すたすた||あるいて|| 日 が くれる 頃 、 ギアッコ は クルミ の 木 の 下 に ある 小さな 家 に 着き ました 。 ひ|||ころ|||くるみ||き||した|||ちいさな|いえ||つき| トン 、 トン 、 トン 。 とん|とん|とん ギアッコ が 戸 を 叩く と 、 しらが の お じいさん が 出て き ました 。 ||と||たたく|||||||でて|| 「 何の 用 だ ね ？ なんの|よう|| 」 「 あの 、 ぼく 、 お 父さん も お 母さん も い ない んです 。 |||とうさん|||かあさん||||ん です マメ を 食べた ネコ しか 持って い ない んです 」 と 、 ギアッコ が 言い ました 。 まめ||たべた|ねこ||もって|||ん です||||いい| 「 おお 、 かわいそうに 。 では 、 これ を お 食べ 」 　 しらが の お じいさん は クルミ の 実 を 三 つ くれて 、 ギアッコ と ネコ を イヌ 小屋 に 寝かせ ました 。 ||||たべ||||||くるみ||み||みっ|||||ねこ||いぬ|こや||ねかせ|

夜中 に なり ました 。 よなか||| ムシャ 、 ムシャ 、 ムシャ 。 イヌ が ネコ を 、 食べて しまい ました 。 いぬ||ねこ||たべて|| ギアッコ は 目 を 覚まして 、 「 ねえ ねえ 、 お じいさん 。 ||め||さまして|||| お じいさん の イヌ が 、 ぼく の ネコ を 食べちゃ った よ 」 と 、 泣き 出し ました 。 |||いぬ||||ねこ||たべちゃ||||なき|だし| 「 おや 、 それ は 悪かった 。 |||わるかった では 、 その イヌ を 持って いっ ておくれ 。 ||いぬ||もって|| わし は 、 よくばり イヌ は きらいだ から な 」 　 ギアッコ は イヌ を つれて 、 ズンズン と 歩いて いき ました 。 |||いぬ|||||||いぬ|||||あるいて|| 日 が くれる 頃 、 ギアッコ は イチジク の 木 の 下 に ある 小さな 家 に 着き ました 。 ひ|||ころ|||いちじく||き||した|||ちいさな|いえ||つき| トン 、 トン 、 トン 。 とん|とん|とん ギアッコ が 戸 を 叩く と 、 しわ だらけ の お じいさん が 出て き ました 。 ||と||たたく||||||||でて|| 「 何の 用 だ ね ？ なんの|よう|| 」 「 あの 、 ぼく 、 お 父さん も お 母さん も い ない んです 。 |||とうさん|||かあさん||||ん です マメ を 食べた ネコ を 食べた イヌ しか 持って い ない んです 」 と 、 ギアッコ が 言い ました 。 まめ||たべた|ねこ||たべた|いぬ||もって|||ん です||||いい| 「 おお 、 かわいそうに 。 では 、 これ を お 食べ 」 　 しわ だらけ の お じいさん は イチジク を 二 つ くれて 、 ギアッコ と イヌ を ブタ 小屋 に 寝かせ ました 。 ||||たべ|||||||いちじく||ふた|||||いぬ||ぶた|こや||ねかせ|

夜中 に なり ました 。 よなか||| ゴクリッ 。 ブタ が 、 イヌ を 飲み 込み ました 。 ぶた||いぬ||のみ|こみ| ギアッコ は 目 を 覚まして 、 「 ねえ ねえ 、 お じいさん 。 ||め||さまして|||| お じいさん の ブタ が 、 ぼく の イヌ を 食べちゃ った よ 」 と 、 泣き 出し ました 。 |||ぶた||||いぬ||たべちゃ||||なき|だし| 「 おや 、 それ は 悪かった 。 |||わるかった では 、 その ブタ を 持って いっ ておくれ 。 ||ぶた||もって|| わし は 、 そんな 食いしん坊の ブタ は 大きらいだ 」 　 ギアッコ は ブタ を つれて 、 ドンドン と 歩いて いき ました 。 |||くいしんぼうの|ぶた||だいきらいだ|||ぶた|||どんどん||あるいて|| そして 日 が くれる 頃 、 ギアッコ は クリ の 木 の 下 に ある 小さな 家 に 着き ました 。 |ひ|||ころ|||くり||き||した|||ちいさな|いえ||つき| トン 、 トン 、 トン 。 とん|とん|とん ギアッコ が 戸 を 叩く と 、 ヨボヨボ の お じいさん が 出て き ました 。 ||と||たたく|||||||でて|| 「 何の 用 だ ね ？ なんの|よう|| 」 「 あの 、 ぼく 、 お 父さん も お 母さん も い ない んです 。 |||とうさん|||かあさん||||ん です マメ を 食べた ネコ を 食べた イヌ を 食べた ブタ しか 持って い ない んです 」 「 おお 、 かわいそうに 。 まめ||たべた|ねこ||たべた|いぬ||たべた|ぶた||もって|||ん です|| では 、 これ を お 食べ 」 　 ヨボヨボ の お じいさん は クリ を 一 つ くれて 、 ギアッコ と ブタ を ウマ 小屋 に 寝かせ ました 。 ||||たべ||||||くり||ひと|||||ぶた|||こや||ねかせ|

夜中 に なり ました 。 よなか||| ガッ 、 ガッ 、 ガッ 。 ウマ が 、 ブタ を 食べ ました 。 ||ぶた||たべ| ギアッコ は 目 を 覚まして 、 「 ねえ ねえ 、 お じいさん 。 ||め||さまして|||| お じいさん の ウマ が 、 ぼく の ブタ を 食べちゃ った よ 」 と 、 泣き 出し ました 。 |||||||ぶた||たべちゃ||||なき|だし| 「 おや 、 それ は 悪かった 。 |||わるかった では 、 その ウマ を つれて いっ ておくれ 。 わし は 、 ろくでなし の ウマ なんか 大きらいだ 」 　 ギアッコ は ウマ に またがって 、 パカパカ すすみ ました 。 ||||||だいきらいだ|||||||| 日 が くれる 頃 、 ギアッコ は お 城 に 着き ました 。 ひ|||ころ||||しろ||つき| ドン 、 ドン 、 ドン 。 ギアッコ が 門 を 叩く と 、 お 城 の 中 から 、 「 だれ だっ ！ ||もん||たたく|||しろ||なか||| 」 と 、 声 が し ました 。 |こえ||| 「 あの 、 ギアッコ です 。 ぼく 、 お 父さん も お 母さん も い ない んです 。 ||とうさん|||かあさん||||ん です マメ を 食べた ネコ を 食べた イヌ を 食べた ブタ を 食べた ウマ しか 持って い ない んです 」 「 ワッハッハッハ 」 　 門番 が 、 吹き出し ました 。 まめ||たべた|ねこ||たべた|いぬ||たべた|ぶた||たべた|||もって|||ん です||もんばん||ふきだし| 「 王さま に 、 お 伝え しよう 」 「 ワッハッハッハ 」 　 王さま も 聞いて 、 大きな 口 を 開けて 笑い ました 。 おうさま|||つたえ|||おうさま||きいて|おおきな|くち||あけて|わらい| 「 何 だ と ？ なん|| ウマ を 食べた ブタ を 食べた イヌ を 食べた ネコ を 食べた マメ だ と 。 ||たべた|ぶた||たべた|いぬ||たべた|ねこ||たべた|まめ|| こりゃ 、 おもしろい 」 「 あのう 、 王さま 」 と 、 ギアッコ が 言い ました 。 ||あの う|おうさま||||いい| 「 その 反対です 。 |はんたい です マメ を 食べた ネコ を 食べた イヌ を 食べた ブタ を 食べた ウマ です よ 」 「 ワッハッハッハ 」 　 王さま は 、 お腹 を かかえて 笑い ました 。 まめ||たべた|ねこ||たべた|いぬ||たべた|ぶた||たべた|||||おうさま||おなか|||わらい| 「 おっと 、 間違えた か 。 |まちがえた| ウマ を 食べた マメ だった な 。 ||たべた|まめ|| いい や 、 マメ を 食べた ウマ だ 。 ||まめ||たべた|| おや 、 また 違っ たわい 。 ||ちがっ|たわ い ワッハッハッハ 」 　 王さま が 笑う と 、 大臣 も 、 お きさき も 、 お姫さま も 、 召使い も 、 料理 番 も 、 だれ も かれ も 笑い ました 。 |おうさま||わらう||だいじん|||||おひめさま||めしつかい||りょうり|ばん||||||わらい| オホホホ ・・・、 ウフフフ ・・・、 エヘヘヘ ・・・、 アハハハ ・・・。 すると お 城 の てっぺん に ある 鐘 ( か ね ) が 、 体 を ゆすって カランカラン と なり ました 。 ||しろ|||||かね||||からだ|||||| そして 、 国 中 の 人 が 笑い 出し ました 。 |くに|なか||じん||わらい|だし| 「 ギアッコ よ 。 毎日 、 わし に 話して 聞か せて くれ ない か 。 まいにち|||はなして|きか|||| ウマ を 食べた マメ の 話 。 ||たべた|まめ||はなし ・・・ いや 、 その マメ を 食べた ウマ だ 。 ||まめ||たべた|| ・・・ おっと 、 違った 。 |ちがった マメ を 食べた ネコ を 食べた イヌ を 食べた ブタ 食べた ウマ の 話 だ 。 まめ||たべた|ねこ||たべた|いぬ||たべた|ぶた|たべた|||はなし| ハッハッハッハ 。 何度 聞いて も 、 おもしろい 。 なんど|きいて|| ギアッコ よ 、 わし の と なり に 座って おくれ 」 　 ギアッコ は 金 の かんむり を 頭 に 乗せて 、 王さま の となり の いす に 座り ました 。 |||||||すわって||||きむ||||あたま||のせて|おうさま||||||すわり| そして 毎日 毎日 、 マメ を 食べた ネコ を 食べた イヌ を 食べた ブタ を 食べた ウマ の 話 を して 、 国 中 の 人 が 楽しく 暮らし ました 。 |まいにち|まいにち|まめ||たべた|ねこ||たべた|いぬ||たべた|ぶた||たべた|||はなし|||くに|なか||じん||たのしく|くらし|

おしまい