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コンビニ人間, 10.

10.

月曜日 の 朝 、お店 に 行く と 、シフト表 に 赤い バツ印 が つけられて いて 、白羽 さん の 名前 が 消されて いた 。 急に 休み を とった のか と 思っている と 、時間 に なって 現れた のは 休み の 筈 の 泉 さん だった 。 ・・

「 おはよう ございます ー 。 あ 、店長 、白羽 さん どうかした んですか ? 」・・

夜勤 明け の 店長 が バック ルーム に 入って きた の で 尋ねる と 、 店長 と 泉 さん は 顔 を 見合わせて 、「 ああ …… 白羽 さん ね 」 と 苦笑い を した 。 ・・

「昨日 ちょっと 面談 して ね 。 もう シフト 入れ ない ことに なった 」・・

店長 は こともなげに 言い 、私 は どこか で 、ああ 、やっぱり 、と 思って いた 。 ・・

「 サボり 、 廃棄 の こっそり 食 いまでは まあ 、 駄目だ けど 見逃して た ん だ けど 、 お 客 の 女性 、 ほら 常連 の 、 前 に 日傘 の 忘れ物 取り に 来た人 、 なんか あの人 に ストーカーっぽく なって きて た みたいで さ 、 宅配 便 に 書いて ある 電話 番号 を 写 メ 撮ったり 、 家 の 場所 知ろう と したり して た らしい ん だ よ 。 泉 さん が 気が付いて 、俺 も すぐ ビデオ チェックして さ 。 面談して 、辞めてもらった 」・・

ばか だ なあ 、と 私 は 思った 。 小さな ルール を 破る 店員 は いる が 、ここ まで 酷い 話 は あまり 聞いた こと が ない 。 警察 沙汰 に なら なかった だけ マシ だ と 思った 。 ・・

「あいつ 最初 から おかしかった よ な 。 夕 勤 の 女の子 に も 、店 の 連絡網 勝手に 見て 電話 かけたり 、バックルーム で 待ち構えて 一緒に 帰ろう と したり 。 既婚 者 の 泉 さん に まで 声 かけて さー 。 その 根性 で 仕事 しろっつ ー んだ よ 。 古倉 さん も 嫌だった でしょ ? 」・・

店長 が 言い 、泉 さん が 顔 を しかめる 。 ・・

「ほんと 、気持ち 悪い 。 変態 です よ 、あんな 人 。 店員 が ダメ だったら お 客 様 に まで 。 本当に 最低 。 逮捕 されて ほしい です よ 」・・

「いや 、まだ そこ まで は いって なかった から さ 」・・

「犯罪 です よ 。 犯罪者 。 あんな 人 、さっさと 捕まえて くれれば いい のに 」・・

文句 を 言い ながら も 、店 の 中 には どこか ほっと した 空気 が 流れて いた 。 彼 が いなく なった ことで 、白羽 さん が 来る 前 の 平和な 店 に 戻り 、皆 は 厄介者 が いなく なって せいせい した のか 、奇妙に 明るく 饒舌だった 。 ・・

「正直 、イライラ してた んで 、人手不足 でも いない ほうが いい ですよ ー 」・・

出動 して 話 を 聞いた 菅原 さん が 笑った 。 ・・

「あの 人 ほんとに 最悪 でした よ ね 。 言い訳 が ましく て 、サボってる こと 注意する と なんか いきなり 縄文 時代 の 話 始めたり とか 。 頭 おかしい です よ 」・・

菅原 さん の 言葉 に 、泉 さん が 吹き出した 。 ・・

「そうそう 、あれ 、ほんと 気持ち 悪い 。 何 なんだろう ねー 、意味 不明 。 あんな の 採用 しないで ください よ 、店長 」・・

「いや 、人手 不足 だった から さー 」・・

「あの 年齢 で コンビニ バイト を クビ に なる って 、終わってます よね 。 あの まま の たれ 死んで くれれば いい のに ! 」・・

皆 が 笑い声 を あげ 、私 も 「そう です ね ! 」と 頷き ながら 、私が 異物 に なった ときは こうして 排除 される んだ な 、と 思った 。 ・・

「また 新しい 人 探さ ないと なー 。 募集 かける か 」・・

こうして 、また 一つ 、店 の 細胞 が 入れ替わっていく 。 ・・

いつも より 活気 の ある 朝礼 が 終わり 、レジ に 行こうとする と 、常連 の つえ を ついた 女性客 が 下 の 段 に ある 商品 に 手 を 伸ばして 、転びそうになりながら 腰 を かがめていた 。 ・・

「お客様 、お取りします よ 。 こちらで よろしいですか ? 」 ・・

素早く イチゴジャムを とって お聞きすると 、「ありがとう 」と 女性が 微笑んだ 。 ・・

レジ まで かご を お持ち する と 、女性 は 財布 を 取り出し ながら 、今日 も 呟いた 。 ・・

「本当に 、ここ は 変わらない わ ねえ 」・・

今日 、ここから 一人 消えた んです よ 。 そう 伝える ことは せず 、「ありがとう ございます 」と 言って 、私 は 商品 を スキャン し 始めた 。 ・・

目の前 の 客 の 姿 が 、18 年 前 、最初 に 私 が レジ を 打った 年配 の 女性 の 姿 と 重なる 。 あの 年配 の 女性 も 、つえ を つきながら 毎日 通ってくださっていた が 、いつの間にか 来なくなった 。 身体 が もっと 悪く なって しまった の か 、引っ越して しまった の か 、知る 手段 は 私たち に は ない 。 ・・

けれど 、私 は 確かに あの 日 と 同じ 光景 を 繰り返して いる 。 あれから 6607回、私たちは同じ朝を迎えている。 ・・

ビニール 袋の 中に 、そっと 卵を 入れる 。 昨日 売った のと 同じ 、けれど 違う 卵を 入れる 。 「お客様 」は 、昨日 入れた の と 同じ ビニール に 同じ 箸 を 入れて 同じ 小銭 を 受け取って 、同じ 朝 を 微笑んで いる 。 ・・

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