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神のみぞ知るセカイ 女神篇, Kami nomi zo Shiru Sekai: Megami-hen (The World God Only Knows III) Episode 6

Kami nomi zo Shiru Sekai : Megami -hen (TheWorldGodOnlyKnowsIII) Episode 6

( 栞 ( しおり ) ) 汐宮 ( しお み や ) 栞 です

私 は 今 大きな そして え たい の 知れ ない

怪異 に 取りつかれ て い ます

その 不気味 な 感覚 は 私 の 体中 を 四六時中 支配 し

片 とき も 休ま せる こと は …ない

( 藤井寺 ( ふじ い で ら ) ) 栞 !

小説 舞 校 ( まい こう ) 祭 用 の コピー 本 の 書 け た か ?

も …もう 少し です

もう 少し が 長 ( なげ ) え ぞ

あさって の 朝 までに 書かない と もう 出さない から な ~

(栞 )私 は うすうす 気付い て いる の だ この 怪異 の 正体

これ は 世間 一般 の 男女 が

れ …れ …恋愛 と 呼んでいる 感情

…かも しれ ない

本 の 中 で は 時 に 甘く 時 に 愛らしく 時 に 悲しく 描かれ て きた 恋愛

しかし 私 の それ は その どれ に も 当てはまらない !

私 の 小説 に 介入 し て きた アレ

男 同士 で 組ん ず ほぐれ つし て い た アレ

女装 し て 高 笑い し て い た アレ

そして 私 が ここ に 籠城 し た 時 助けて くれた 人 と

もし かして 同一 人物 ?

それにしても なんて ひどい 話 な の

最初 に 遭遇 する 男性 が あんな …

倒錯 !変態 !女装 男 だ なんて

ど ない せい と 言う の よ !

そして 何より 罪深い の は

あの 男 が 約束 を 守らない 男 って こと

私 の 小説 の 続き を 読み に 来る って 言った のに …

昨日 は ずっと 待って た のに 来 なかった

ただ の 倒錯 変態 男 なら まだしも

約束 を 守ら ない 倒錯 変態 男 は 救い よう が ない わ

そんな 男 と キス し ちゃった の かな

でも この 前 まで 少し も 思い出せ なかった

私 は 人生 の 初めて の キス の ごとき 一大事 を

あっさり 忘れ て しまう アン ポン タン な の だろう か

あっ…

(栞 )また この 子 ?

どこ から 入って くる の か な

( ミネルヴァ ) あっ…

(栞 )どこ の 子 だろう ?

( 桂 馬 ( け いま ) ) や あ ( 栞 ) あっ…

( 栞 ) 汐宮 栞 です

私 は 今 え たい の 知れ ない 怪異 に 取りつかれ て いる の です

出会い の 神様 あんた いっぺん 死ぬれ !

♪~

~ ♪

(栞 )こんな 倒錯 男 の ため に 私 は 悩み

あま つ さえ 小説 の 意見 まで 求めよう と し た の ?

もう 関わらない で おこ う

(桂 馬 )あの …(栞 )ああ …

きみ の 小説 読み に 来た よ

(栞 )お …覚え て て くれた の か

あっ …いやいや 殊勝 な セリフ いくら 言って も

その 格好 で 全部 台なし !

でも …まず は 一応 話 は 聞く わ

私 は 寛容 な 人間 な の

( 栞 ) じょ … 女装 好き な ん です か ?

実は …僕 は ある 事情 で 女 に なら なく て は いけ なく なって

最初 は 作戦 の ため だ と 思って い た 女装 が

だんだん やめ られ なく なって しまった ん だ

思え ば あの 日 …屋上 で 地獄 の 使い が 現れ て 以来

僕 の 日常 は 崩壊 を 始めて いた んだ

常識 と 非常識 の 境界 は とう に ない

このまま 僕 は 現実 の 歯車 の 上 で

ズタズタ に さ れ て しまう の だろう か

(栞 )何 を ぬかし てる の この 男 …

話 を すれ ば する ほど 分から ない

なん なん だろう この 人 は …

(席 を 立つ 音 )あっ …

つまんない 話して ごめん 帰る よ

あっ …あの !

ん ?

悩み の こと は 話し た ほうが 軽く なる って

この 図書館 の 1,347 冊 の 本 に 書いて ありました

もう 少し 話 聞かせて ください

(チャイム )あっ …

帰り ながら で いい ?

(栞 )か …帰り ながら ~ ?

(栞 )外 で は カツラ かぶる ん だ

(桂 馬 )ん ?

こう する と 意外に 気付かれ ない ん だ

(栞 )結構 かわいい

あ …あの 話す なら お 店 の ほう で …

(桂 馬 )歩き ながら で いい よ

でも …あっ !

あ …あそこ 入り ませ ん か ?

(桂 馬 )ラーメン ?

(戸 が 開く 音 )(店員 )らっしゃ~い !

(栞 )私 に は この “へい らっしゃい ”感 の 中

注文 する 勇気 は なかった

でも 今 は 男 の 人 が いる

今日 こそ ネギ ラーメン を 注文 でき そう !

( 桂 馬 ) 食 券 何 頼む ?( 栞 ) あっ…

(栞 )声 を 出さ なくて も 頼める システム が あった と は …

お … おいしい ! 生きて て よかった !

しかし 初めて の 男 の 人 と の 食事 が ラーメン と は …

これ は 乙女 の 風上 に も 置けぬ 所業 で は なかろう か

もっとも 相手 も 男 の 風上 に も 置けぬ 女装 …

あっ…

こんな 不思議 な 人 どんな 本 の 中 に も いなかった

ん ?

あ …あの …

あなた の こと

主役 に し て お 話 書い て いい です か ?

えっ ?

私 …あなた の こと 書き たい ん です !

い …いい けど

(栞 )あ …ありがとう ございます !

あした の 朝 図書館 に 来て ください

書 い て きます から !

(栞 )今 なら …書け そう !

(店員 )ありがとう ございました ~ !

これ で 舞 校 祭 に は 間に合う な

(ハクア )本当 ?

ああ 大丈夫 だ ろう

栞 が 話 を 書き上げ られ ない の は 自分 の ネタ に 自信 が ない から だ

だから 途中 で イヤ に なる

しかし こんな キテレツ な ヤツ が そば に いる

こんな 強力 な ネタ は 他 に ない !

自分 で 言う な

(桂 馬 )これ で 小説 の 完成 を ともに 迎え れ ば

栞 の 好感度 は マックス だ !

いよいよ エンディング が 見え た ぞ !久々

知ら ない わ よ

あ …あの …

も …もう 少し な ん です けど

もう 少し って 白紙 じゃ ねえ か よ !

どう すん です か 栞 先生 ~ !

(栞 )あ …あの あと 1 時間 あれ ば でき たん です けど …

あと 1 時間 で 何 が できる ?どんだけ 超 短編 小説 な ん だ よ !

(桂 馬 )…と は いえ 迷走 し た 跡 は 見受けられる

( 桂 馬 ) 栞 ( 栞 ) 下 の 名前 で 呼ば れ た !

今日 2 人 で ここ で カンヅメ しよ う

(栞 )えっ ?

(桂 馬 )お前 の 話 が 完成 する まで 僕 は ここ を 出ない

そして お前 を 出さ ない

(栞 )えっ ?

(桂 馬 )あした まで に 小説 を 完成 させる んだ いい な !

(栞 )え ~!

(桂 馬 )栞 に は いくら でも 逃避 できる 心 の 広場 が ある

余裕 を 与え たら ダメ だ

だが 追い込み すぎる と 意図的 な タイム アップ

つまり 逃げる 恐れ も ある

それ を 防ぐ ため の カンヅメ だ

(ハクア )で も 締め切り あした でしょ ?

それ くらい で 書ける ように なる かしら

(桂 馬 )書いて もらう ほか ない な 傑作 を

(ハクア )初めて の 小説 で ?簡単 に 言う わ ね

それ 以外 の シナリオ は 僕 の 想定 に ない

まっ頑張ってね私はちょっと出かけてくるわ

どこ 行く ?

地区 長 は 定期的 に 報告会 が ある の

そう か …(くしゃみ )

(ハクア )どう し た の ?

(桂 馬 )おととい 昨日 と 女装 が 続いた から な

足元 が ス ~ス ~し て 冷え た の かも しれない

(ハクア )気 を つけ なさい よ

お前 疲れ も たまって る だろう し 無理 しない で

そもそも お前 ら が 来なきゃ 無理 して ない

ベ ~ !

(桂 馬 )子供 か お前 は !

( ノーラ ) 駆け 魂 ( たま ) 隊 の 中 に

ヴィンテージ が 入り込んでいる という ウワサ ―

知って る ?

(ハクア )確かめ なく ちゃ !

(栞 )なっ …

なんで こんな こと に ?

ん ?

あっ…

(紙 が 破れる 音 )

(栞 )記念 すべき 処女 作 なのに 出だし から 人 マネ なんて 問題外 !

もっと オリジナル で !かつ 面白 そう な 出だし …

宇宙 紀 第 10 RD 10 (いち まる アール ディー じゅう )年

かつて 強力 な 同盟 を 誇った 銀河 恒星 系 の

各 惑星 の 求心力 は 急速 に 衰え

決定 的 な 破壊 が 訪れる こと と なった

宇宙 大 戦争 で ある !

(紙 が 破れる 音 )

(栞 )煮詰まる と 宇宙 戦争 を 始めてしまう のは 私 の 悪い 癖 だ わ

宇宙 は 平和 の まま で いい の

要 は キャラクター な の !

キャラ が 強かったら どんな 出だし でも 関係ない わ

考え て み たら 私 この 人 の こと なんにも 知ら ない

知って る こと と いえ ば 芸能 人 と ウワサ に なり

なお 男子 と も つきあう 女装 男 なんて …

あり え ませ ん 常識 的 に !

ひょっとして 全部 私 の 妄想 な の か な ?

キス し た こと も みんな

でも …

“あんた あたい と キス し た の かい ?”

…なんて 絶対 に 聞け ない !

あっ!

(栞 )な …何 を 考え てる の 私 !

今 は 書く の 急いで 書く の !

こんな 時 は 先人 の 遺産 を 参考 に する の よ

きっと そこ に 手がかり が !

(栞 )あっ 読みふけって しまった 1 時間 半 も たってる

誘惑 に 負けた 書く こと に 集中 集中

女装 って 英語 だ と …

何 を やってる の よ 私 の アホ ~!あっ …

う う …

(栞 )もう 今日 書け なくて も いい かな

だって なんにも 浮かんで こない んだ もん

こんな 状況 で 奇跡的 に 何か ひらめく なんて ありえない

(カシラギ )ご ちゃ ご ちゃ 考え て ない で 書け よ

(栞 )えっ ?

あれ ?

締め切り まで あと 1 日 しか ない ん だ よ

なのに まだ 一 枚 も 書けて ない

栞 が たくさん 本 を 読んで た の は なんの ため だい ?

考え て ない で 早く 書い て おくれよ

(栞 )うるさい な

そもそも あんた が 全然 動い て くれない の が いけない の よ

私 の 物語 の 登場 人物 の くせに !

(カシラギ )僕 の せい だって いう の かい ?

それ は 書く 人 の 能力 な ん じゃ ない か ?

(栞 )うるさい !あんた なんか 埋まれ !

(カシラギ )そもそも 小説 を 書こ う と し た の は 栞 の ほう じゃ ない か

(藤井寺 )栞 は 最近 変わった な (栞 )えっ ?

相変わらず 話さ ん けど 明るい 無口 に なった な

(カシラギ )栞 は 変わった よ

きみ は 本 を 読んでいる だけ で 満足 だった んじゃない の かい ?

小説 を 書い て 誰 に 読んで もらい たかった ん だい ?

(栞 )誰 か の ため なんか じゃ ない

私 は ただ …心 に モヤモヤ が 広がって くる の

あれ 以来 胸 が ずっと ドキドキ し て

何 か し なくちゃ 心 が 体 が 爆発 し そう だった

何 か を せずに は いられなかった の よ !

でも 余計 に モヤモヤ し ちゃった

お 話 を 書く 力 ある か と 思った けど 思い違い だった みたい

(桂 馬 )ごちゃごちゃ 考え て ない で 書け よ

書け ば いい よ

お前 なら 書ける よ 誰 より も 面白い 話

(栞 )か …簡単 に 言わ ない で

(桂 馬 )簡単 だ よ

栞 の こと を 書け ば いい ん だ よ

あっ…

(桂 馬 )世 の 中 に いっぱい 物語 は ある

でも そんな の は どう で も いい ん だ

僕 が 読み たい の は 栞 の 話 さ

図書館 の 中 に ずっと 住んでいる 本 を 愛する 子 の 話

でも 人 づきあい は 不器用 で 図書館 に 立てこもって しまう

(栞 )あっ …

(桂 馬 )そんな 子 の 話 が 読み たい ん だ

(栞 )うっ …

そ …そんな 話 つまらない です !

(桂 馬 )書ける はず だ 栞 が 覚えて いれば …

ハァ ハァ …

(栞 )やっぱり やっぱり いたん だ !

あの 籠城 の 夜 に あの 人 …

いたん だ !

そろそろ 書け そう ?

(栞 )あっ …

あれ ?

か … 桂木 ( かつらぎ ) く ~ ん

あっ…

(鳥 の さえずり )

( 足音 )

(栞 )「私 に つい て 」

「頭 目 の 鍵 と 王 の 谷 の 宝 」面白かった

「果てしなく アバンチュール 」面白かった

「現代 哲学 地図 2 」面白かった 1 より も

「カルチャー 講座 ブレイク ダンス って 簡単 !!」

簡単 じゃ なかった

これ が 今週 私 が 読んだ 本

図書 委員 は いろいろ な 本 が 読める

面白い 本 そう で ない 本

楽しい 本 悲しい 本 優しい 本

あした また 読み たい よう な 本

人気 の ある 本 を 読む の は 好き

だって 本 は 読ま れ る ため に 生まれ て きたん だ から

人気 の ない 本 は 特に 大切 に 読む

どの 本 も 本当 は 面白い の よ

キレイ な 本 は 好き 見ている だけ で 幸せ に なれる

汚れ た 本 も 好き よく 働いた 証拠 だ もの

そんな 本 たち が 暮らし て いる 大きな 家

それ が 図書館

私 の 幸せ の 住みか さまざま な 人 の 知恵

さまざま な 人 の 時間 さまざま な 人 の 思い

それ が 一堂 に 会する 場 こんな ところ は 他 に どこ に も ない

でも 私 に は 仲間 も いる

委員長 の 藤井寺 さん

いつも ガミガミ 言って る けど 本当 は 優しい 人

私 が 図書館 に 立てこもった 時 も 先生 に 言いつけ なかった

忘れ ない

下級 生 の みわ ちゃん は 音楽 好き で いつも いろいろ 教え て くれる

でも カラオケ など と いう 恐ろしい 場所 は

何度 誘わ れよ うと 行か ない から ね

みわ ちゃん の こと が 好き な 上井 ( かみ い ) 君 は 映画 好き

でも 本 も 読んだ ほうがいい わ 図書 委員 なんだ から

今 は 外 で 本 を 読む の も 好き

人 が いる 図書館 も 悪く も ない そう 思える

だって 本 は 人 が 書い て 人 に 伝える もの だ から

本 は 私 の 空気

本 が あれ ば 私 の 世界 は どこまでも 広がる

そして 私 は …

ん …

あっ…

あ …あれ ?

お前 は 女神 か ?

えっ ?知ら ない 人 と は 話さ ない よ

アポロ が ダメ って 言ってた もん

( 桂 馬 ) アポロ ? ( ミネルヴァ ) ひっあっあっ…

あた た …ん ?

か …桂木 君

話 出来た んだ な

あっ …こんな の ただ の 独り言

話 なんて なんにも ない し …あっ …

僕 は 今 まで の 栞 の 話 で これ が 一番 好き だ よ

全部 栞 に しか 書けない 言葉 だ

あっ! あ … あの よ … 読 ん だ の ?

(桂 馬 )うん

( 栞 ) 最後 まで ?( 桂 馬 ) うん

(栞 )読ん じゃ ダメ ~(桂馬 )あっ あっ …

あ …あの 最後 の は 本気 じゃ なく て

だって もう 帰って こない 気 が し た から …

僕 と 栞 の 物語 は まだ 終わらない よ

(栞 )ああ …

( 桂 馬 ) 栞 ( 栞 ) は … はい

(桂 馬 )これ 持って て ほしい ん だ

(栞 )プ …プレゼント ?

よかったら つけ て おい て よ

そ …それ は 分かり まし た けど あの …

(栞 )最後 の 言葉 見たん でしょ う ?キス が その 答え で いい の ?

(桂 馬 )これ から 毎日 ここ に 来て いい ?

栞 に 毎日 会い たい から

えっ…

(栞 )結局 なんにも 言えなかった

私 が 自分 の 気持ち を ツラツラ と 話せる 日 は

恐らく 未来 永 劫 ( えい ごう ) 訪れない で あ ろ う

あっ…

わ …私 ミネルヴァ

( 栞 ) うっ! ( ミネルヴァ ) あっ…

(栞 )こんな おかしな こと が あって も きっと 誰 に も 話せない

でも 今日 …自分 の 言葉 が 見つかった かも しれない

続き 書か なきゃ

♪~

~ ♪

(桂 馬 )発熱 悪寒 せき

この 忙しい 時 に 僕 は 風邪 を ひい て しまった

だが ピンチ を チャンス に 変え て こそ

優れ た ゲーム プレーヤー だ

鉄板 の お 見舞い イベント で

歩美 ( あゆみ ) と ちひろ を 一気に 攻め落とす

( 亮 ( りょう ) ) 大変 だ ね ~

僕 風邪 なんて ひ い た こと ない から

分か ん ない や

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