001 .がちょう の たんじょうび -新美南吉
ある お ひゃくしょう や の うらにわ に あひる や 、がちょう や 、もるもっと や 、うさぎ や 、いたち など が すんで おりました 。
さて 、ある ひ の こと がちょう の たんじょうび という ので 、みんな は がちょう の ところ へ ごちそう に まねかれて いきました 。
これで 、いたち さえ よんで くれば 、みんな お きゃく が そろう わけです が 、さて 、いたち は どう しましょう 。
みんな は いたち は けっして わるもの で は ない こと を しって おりました 。 けれど 、いたち に は たった ひとつ 、よく ない くせ が ありました 。 それ は おおぜい の まえ で は 、いう こと が できない ような くせ で ありました 。 なにかと もうします と 、ほか でも ありません 、おおきな はげしい おなら を する こと で あります 。
しかし 、いたち だけ を よばない と いたち は きっと おこる に ちがい ありません 。
そこで 、うさぎ が いたち の ところ へ つかい に やって いきました 。
「きょう は がちょう さん の たんじょうび です から おでかけ ください 」
「あ 、そう です か 」
「ところで 、いたちさん 、ひとつ おねがい が ある のです が 」
「なん ですか 」
「あの 、すみません が 、きょう だけ は おなら を しないで ください 」
いたち は はずかしくて 、かお を まっかに しました 。 そして 、
「ええ 、けっして しません 」
と こたえました 。
そこで いたち は やって いきました 。
いろいろな ごちそう が でました 。 おから や 、にんじん の しっぽ や 、うり の かわ や 、おぞうすい や 。
みんな は たらふく たべました 。 いたち も ごちそう に なりました 。
みんな は いい ぐあい だ と おもって いました 。 いたち が おなら を し なかった から で あります 。
しかし 、とうとう 、たいへんな こと が おこりました 。 いたち が とつぜん ひっくりかえって 、きぜつ してしまった のです 。
さあ 、たいへん 。 さっそく 、 もる もっと の お いしゃ が 、 いたち の ぽん ぽこ に ふくれた おなか を しんさつ しました 。
「 みなさん 」 と もる もっと は 、 しんぱい そうに して いる みんな の かお を みまわして い いました 。 「 これ は 、 いたち さん が 、 お なら を したい の を あまり がまん して いた ので こんな こと に なった の です 。 これ を なおす に は 、いたち さん に おもいきり おなら を させる より しかた は ありません 」
やれやれ 。 みんな の もの は ためいき を して かお を みあわせました 。 そして やっぱり いたち は よぶ んじゃなかった と おもいました 。