百 物語
昔 から 百 物語 を する と 、恐ろしい もの が 現れる と いわれて います 。 百 物語 という の は 、夜中 に みんな で あつまって ろうそく を 百 本 つけます 。 順番 に 怖い 話 を して 、ひとつ の 話 が 終わったら 、ろうそく を 一 本 ずつ 消して いきます 。 百 回目 の 話 が 終わる と 、最後 の ろうそく が 消されて 、あたり は まっくら に なります 。 そこ へ 、恐ろしい もの が 現れる という うわさ が ある のです 。 ある 村 で 、若者 たち が あつまって 「百 物語 」を しよう と いう こと に なりました 。 怖い もの 知らず の 若者 たち は 、最後 に どんな 恐ろしい もの が 現れる の か 、怖さ 半分 、おもしろさ 半分 で 百 物語 を 始めました 。 百 回目 の 話 が おわって 、ろうそく が 吹き消される と 、部屋 は まっくら に なりました 。 すると 、天井 が がたがたっと なって 、なにやら 箱 の ような もの が 、どさっと 落ちて きました 。 若者 たち は 、びっくり しました が 、どうやら それ は 重箱 の ようで す 。 おそるおそる 開けて みる と 、中 に は おいし そうな ぼたもち が たっぷり と 入って います 。 「これ は 、うま そう だ 。 みんな で いただこう 。」 と 、若者たち は あっというまに ぼたもち を たいらげて しまいました 。 「百物語 を して も 、恐ろしい もの なんて 出て こない ぞ 。 それどころか 、おいしい ぼたもち が 現れた じゃないか 。 もう 一回 百物語 を しよう 。 また おいしい もの が 食べられる かも しれない 。」 と 、誰か が 言った ので 、また 次の 日 も 皆 で 百物語 を する こと に なりました 。 また 前 と 同じ よう に 、百 回 め の 話 が 終わって ろうそく を 消した 時 の こと です 。 また もや 天井 が がたがた と なって 、どさっと 何か が 落ちて きました 。 「今度 は 、お茶 も ほしい な 。」 と 、誰か が 言いました 。 しかし 、今度 は 重箱 で は あり ません 。 そこ に は 、ひげ の はえた おじいさん が 片手 に 帳面 、片手 に そろばん を 持って 座って いました 。 そして 、持っている 帳面 を 見て 、そろばん を ぱちぱち と 弾いて から 、みんな を 見回して こう 言いました 。 「 昨日 の 夜 は 、 ここ に いる みんな は ぼたもち を 食べた な ? 今日 は 、その 支払い を して もらおう 。」 確かに 、百 物語 を する と 、恐ろしい もの が 現れる と 、若者たち は ふるえあがった そうです 。
おしまい 。