Ranpo Kitan : Game of Laplace Episode 5
( 中村 ) 何で こんな ことし たんす か 加賀 美 警視 。
( 加賀 美 ) 私 は もう
警視 で は あり ませ ん 。
( 加賀 美 ) 私 の よう な 者 が 警官 と なった とき から
この 結末 は 決まって い た の かも しれ ませ ん 。
( 時子 ) おめでとう !
( 加賀 美 ) < 両親 を 失った 後
私 は 大学 に 通い ながら アルバイト を し て
妹 の 時子 と 2 人 で
寄り添う よう に 暮らし て き まし た >
キャリア 組 で 警察 官 なんて
これ で 兄さん は 安泰 だ 。
( 加賀 美 ) ああ 。 うち の 生活 も 楽 に なる し
お前 の 夢 を 応援 し て や れる な 。
( 時子 ) 兄さん … 。 生活 と か 私 の こと じゃ なく て
もっと 自分 の こと を 喜ば なきゃ 。
はい 。 ( 加賀 美 ) うん ?
兄さん の 就職 祝い 。 大事 に 使って ね 。
( 加賀 美 ) お っ 。
おお … 。
あり が と な 。
フフフ 。
( 加賀 美 ) 本日 より 捜査 一 課 に 配属 と なり まし た
加賀 美 敬 介 です 。 よろしく お 願い し ます 。
( 中村 ) いい よ いい よ 。 そんなに 硬く なら なく って 。
君 の デスク は ここ ね ~ 。 ≪ ( 刑事 ) 警部 殺し です !
( 刑事 ) 分かった 。 現場 は ? ( 刑事 ) 区 役所 通り の 交差 点 です 。
事件 です か ? ( 中村 ) ああ 。
初日 っ から 殺人 事件 と は 加賀 美 ちゃん も 運 が 悪い なぁ 。
加賀 美 ちゃん ? 私 の こと です か ?
( 中村 ) 他 に 誰 が いる ん だい ?
( 加賀 美 ) な … 中村 さん !
< 私 は この 職場 で 警察 官 と し て 人々 を 守る の だ と
強く 誓って い まし た >
♪ ~
≪ ( 戸 の 開く 音 )
≪ ( 時子 ) 兄さん 帰って た の ?
( 加賀 美 ) ああ 。 お前 こそ まだ 起き て た の か ?
コンクール に 出す デザイン を 考え て て 。
兄さん この 頃 ずっと 帰る の 遅い けど
警察 の 仕事 そんなに 大変 な の ?
う ~ ん … そう だ な … 。
( 時子 ) 無理 し て ない ?
( 加賀 美 ) なあ 時子 。
世 の 中 に は 悲しい 事件 が あふれ て いる 。
刑事 に なって それ が よく 分かった 。
誰 か が 悲しむ の を 少し でも 減らし たい ん だ 。
( 時子 ) で も それ で 兄さん が 体 を 壊し たり し たら
私 は 悲しく なる よ 。
心配 性 だ な 。
家族 の こと 心配 する の は 当然 でしょ 。
分かったら 早く 寝 て ください !
( 加賀 美 ) 分かった 分かった 。
時子 お前 も 無理 する な よ 。
( 時子 ) は ~ い 。
強 姦 致死 容疑 で 逮捕 する !
( 中村 ) お 手柄 だった ね ~ 。
いえ 。 これ も 中村 さん の 助け が あった おかげ です !
これ が 初 検挙 か 。 もう 加賀 美 ちゃん は 卒業 かな 。
加賀 美 君 。 ( 加賀 美 ) えっ … 。
はい ! 今後 も いっそう 努力 … 。
[ TEL ] ( バイブレーター の 音 ) ( 加賀 美 ) あっ … 失礼 し ます 。
( 中村 ) お っ 彼女 か 何 か ? ( 加賀 美 ) えっ ? あっ … 。
( 中村 ) うん ? ( 加賀 美 ) 仕事 中 だ ぞ 。
えっ ? ああ … 分かった 。
うん 。 うん それ じゃあ 。
妹 です 。
今日 は 夕飯 を 作って る から 絶対 に 早く 帰って こい と 。
仕方ない やつ です 。
なるほど ね ~ 。
加賀 美 君 の 背後 に 見える 女 の 影 は
妹 さん だった か ~。 ( 加賀 美 ) えっ ?
( 中村 ) じゃあ 女子 署員 たち に
加賀 美 君 は フリー だ って 教え て あ げっか な ~。
狙い 目 だ ぞ って ね 。 ( 加賀 美 ) ちょ っ ! 中村 さん … 。
( 加賀 美 ) 事件 は 日々 起こり
解決 す べき 問題 は 山 の よう に あった 。
しかし 私 は 人 を 守る 仕事 に やりがい を 感じ て い まし た 。
その 意識 に 揺らぎ が 生じ た の は あの 日 から で し た 。
無罪 ?
ああ 。 通り 魔 事件 で 加賀 美 君 が 逮捕 し た やつ 。
ああ あと 無罪 じゃ なく って 不 起訴 ね 。
まあ どっち も 同じ か 。
( 加賀 美 ) そんな … どう し て です か ! ?
大量 の 飲酒 に よる 病的 酩酊 状態 。
故 に 心 神 喪失 で 責任 能力 なし と 考え られる 。
簡単 に 言 や 酔って 正常 な 状態 じゃ なかった から
罪 に 問え ない って こと だ 。
しかし 裁判 で 心 神 喪失 が 認め られる 例 は
非常に まれ な はず … 。
( 中村 ) 裁判 に なれ ば な 。
起訴 前 の 精神 鑑定 で 心 神 喪失 が 疑わ れる とき は
そもそも 起訴 も し ない ん だ よ 。 ( 加賀 美 ) えっ … 。
( 中村 ) 無罪 判決 で 負ける 可能 性 が ある 裁判 は
わざわざ し たく ない って ね 。
裁判 の 勝ち負け は 検事 の 出世 に 響く し なぁ 。
まあ 不 起訴 でも 一応 措置 入院 に は なる けど ね 。
< 措置 入院 など 早 けれ ば 数 カ月 で 退院 です >
< そして その 男 は 再び 殺人 を 犯し まし た >
[ テレビ ] ( キャスタ ー ) 今回 の 事件 は
不 起訴 と なって 釈放 さ れ た 男 の 再 犯 と いう こと です が 。
[ テレビ ] ( 学者 ) この よう な ケース は 決して 少なく は あり ませ ん 。
刑法 39 条 に より 心 神 喪失 で 責任 能力 の ない 犯罪 者 は
罪 に 問え ない ん です 。 [ テレビ ] ( キャスタ ー ) しかし それでは
異常 犯罪 者 が 野放し に なる の で は ?
あっ … どう し た の ? 暗い 顔 し て 。
あっ … 。 ああ 悪い 。
ちょっと 仕事 で 嫌 な こと が あった ん だ 。
まさか 職場 で いじめ られ てる と か ! ?
兄さん って 真面目 過ぎる から からかい やす そう だ し … 。
もし そう だったら 私 が 職場 に 文句 言って あげる !
( 加賀 美 ) 違う 違う !
ハァ … 。
世 の 中 に は 裁か れ ない 悪 が い て
自分 の やって いる こと が 少し 疑問 に 思え て な 。
大丈夫 だ よ !
兄さん は 正しく 一生懸命 頑張って る もの !
時子 … 。 ( 時子 ) むしろ 私 は 駄目 だ なぁ 。
この 前 の デザイン も 全然 評価 さ れ なかった し 。
< 妹 が 人一倍 努力 し て いる こと は
誰 より も 私 が 知って い まし た >
< 毎日 遊び に も 行か ず 大学 の 課題 を 頑張って いる こと も >
< 夜 遅く まで 新しい デザイン を 考え て いる こと も >
今 に 評価 さ れる よう に なる 。
絶対 に 。
あり が と 兄さん 。
こんなに … 。
何 やって ん だ ? ( 加賀 美 ) あっ … 中村 さん 。
( 中村 ) ほれ 。 ( 加賀 美 ) ありがとう ございます 。
犯罪 者 が 不 起訴 に なった 事例 を 調べ て い た ん です 。
思った 以上 に 多い ん です ね 。
殺人 事件 に 限って も
起訴 さ れる の は 毎 年 5 割 前後 。
殺人 犯 の 半分 は 捕まって も すぐ 野放し に な っち まう 。
私 たち は 何 の ため に 捜査 を し て いる ん です か ?
これ が … 正義 です か ?
まあ そう 思う よ ね ~ 。
二十 面 相 って 知って ん だ ろ ?
( 加賀 美 ) ええ 。 去年 世間 を 騒がせ た 犯罪 者 です よ ね ?
( 加賀 美 ) 法 に 寄ら ず 悪 を 裁 い たり し て い た と … 。
そい つ も そんな 思い に 駆られ た の かも なぁ 。
まあ 私 は 好き じゃ ない が ね 。
自分 だけ で 悪 を 認定 し て 裁く って の も 傲慢 だ よ 。
正義 って 言葉 に は 気 を 付けろ 。
< それ から 程なく し て 彼 に 出会い まし た >
うん ?
( 明智 ) 加賀 美 敬 介 だ な ?
探偵 明智 だ 。
それ は 宮 付き の … 。 今後 二十 面 相 や
その 模倣 犯 に 関する 情報 が 入ったら 全て 俺 に も 伝えろ 。
ああ 。 公認 の 探偵 なら 情報 の 共有 は 許可 さ れ て いる が … 。
なぜ 私 な ん だ ?
そう いう 話 なら 上 を 通し て … 。
ここ の 刑事 全員 の プロフィル を 見せ て もらった 。
お前 が 一 番 信用 でき そう だ 。
だが お前 の よう な 人間 こそ 堕 ち やすい 。
のま れる な 。
< 私 は 法 の 正義 を 信じ て い まし た >
< 法 を 無視 し て 悪 を 裁く 二十 面 相 と いう 存在 に
心 を 動かさ れ ながら も
自分 の 仕事 の 正し さ を 信じ 込も う と し まし た >
< いつしか 私 は
警視 と いう 地位 に 就 い て い まし た >
≪ ( 中村 ) これ から は 敬語 を 使わ ね ば なり ませ ん なぁ 。
( 加賀 美 ) よし て ください よ 。 今 まで どおり で いい です 。
上下 関係 を 曖昧 に し たら
組織 と いう もの は 立ち行か なく なり ます 。
上 の 立場 で ある こと に 慣れ て ください 。 加賀 美 警視 。
は あ … 。
< 私 は 仕事 に のめり込む こと で 胸 に 巣くう 疑念 から
目 を そらし て いた だけ だった の です >
( 寝息 )
ハァ … おい 時子 。
こんな 所 で 寝る と 風邪 ひく ぞ 。
( 時子 ) う ~ ん … 次 は … 。
( 加賀 美 ) ん ? ( 時子 ) 次 は … 絶対 に … 。
ああ 。 これ だけ 努力 し てる ん だ 。
きっと 報 わ れる 。
( 加賀 美 ) しかし 人 の 心 を 持た ぬ 犯罪 者 は
あまり に 多く … 。
ここ まで だ 須永 ! ( 中村 ) あ ~ 疲れ た … 。
( 加賀 美 ) 傷害 致死 容疑 で 逮捕 する !
( 須永 ) ぐ っ … ハァ … 。
ヘヘ ヘヘ … 。 ( 加賀 美 ) うん ?
( 須永 ) なあ 俺 は 精神 科 へ 入院 し て た こと が ある ん だ よ 。
ほら あれ だ 心 神 喪失 って やつで 無罪 に なる ん じゃ ねえ か ?
安い もん だ な え ? 人 の 命 って よ 。
な っ … 須永 !
やめ な 。
お前 が 犯罪 者 に な っち まう だ ろ 。
( 加賀 美 ) すみません … 。
( 須永 ) ヘッ 。 ヘヘ ヘヘ … 。
( 綿貫 ) 僕 を 捕まえ て も 意味 ない ん ちゃ う か な 。
何 ? ( 綿貫 ) 僕 心 が 病気 や から
責任 能力 は ない ん や 。
前回 も それ で 不 起訴 に なった し な 。
法 を なめる な よ … 。
何度 も 刑 を 逃れ られる ほど 甘く は ない ぞ !
( 綿貫 ) で も あれ や ん なぁ 。
心神耗弱 と か で 罪 が 軽 ぅ なる ん や 。
僕 金持ち や から 前科 あって も 生き て ける し な 。
殴った な 君 ! ( 加賀 美 ) お前 は … 。
( 中村 ) 加賀 美 警視 ! 落ち着 い て ください !
( 綿貫 ) 君 頭 おかし い ん ちゃ う か ! ?
≪ ( 足音 )
( 中村 ) 少し は 落ち着き まし た か ?
すみません 軽率 で し た … 。
ハァ … こんな とき に 間 が 悪い ん す が
須永 の 方 は 不 起訴 処分 が 決定 し まし た 。
えっ … 。 ( 中村 ) 今後 は
措置 入院 と なる そう です 。
( 加賀 美 ) そう です か … 。
( 中村 ) まあ 気 を 落とさ ん で く だ さい 。
中村 さん は 私 より も
もっと たくさん の 理不尽 を 見 て き た はず です 。
どう し て 平気 で い られ た ん です か ?
まあ こう 思う よう に し た ん です 。
不 起訴 や 無罪 に なる 可能 性 が あって も
逮捕 し ない より は し た 方 が 犯罪 を 減ら せる 。
根絶 は 無理 でも 。
フッ … 私 も こう 見え て 昔 は 熱血 デカ だった ん すよ 。
私 は そこ まで 割り切る こと は でき な さ そう です 。
頑固 っす ね 。
< その ころ に は もう
自分 の 魂 の 先 に ある 闇 が 見え て い た よう な 気 が し ます >
≪ ( 戸 の 開く 音 )
兄さん … 帰って き て た の ?
ああ つい さっき な 。
( 時子 ) 電気 も つけ ない で 。 夕飯 食べ た ?
いや 今日 は … 。
( 時子 ) じゃあ 今 から 作る ね 。 簡単 な もの だ けど 。
( 時子 ) どう ? おいしい ?
( 加賀 美 ) ああ うまい よ 。 ( 時子 ) 最近 兄さん と 一緒に
ご飯 を 食べる こと が 少なく なって た から
寂しかった ん だ 。 ( 加賀 美 ) 子供 だ な 時子 は 。
むっ … 自炊 も でき ない 兄さん に 子供 扱い さ れる なんて 。
あっ そう そう 報告 が ある ん だ 。 ( 加賀 美 ) 何 だ ?
フフッ 。 何と この 間 私 が 作った デザイン が
コンクール で 銀 賞 を 取り まし た !
やった じゃ ない か !
( 時子 ) もう 先生 も 他 の 人 も みんな 驚 い て て 。
よかった な … 本当 に 。
うん 。
( 加賀 美 ) よし ! じゃあ あした は 早く 帰って お 祝い し ない と な 。
ケーキ でも 買って くる か 。
兄さん が 笑って る の 久しぶり に 見 た 気 が する 。
( 男性 ) う ~ ん ちょっと 覚え て ない っす ね … 。
すみません 。 ( 加賀 美 ) そう です か 。 どう も 。
ハァ … 遅く なった な 。
[ TEL ]
はい 加賀 美 です 。
[ TEL ] ( 中村 ) すいません 至急 連絡 が … 。
何 か あった ん です か ? [ TEL ] 入院 中 の 須永 が 脱走 し まし た 。
えっ ! ? [ TEL ] 病院 の 職員 を 1 人 殺し て 。
な っ ! ? [ TEL ] それ で ね
須永 から 警察 に 脅迫 メール が 届 い たんす 。
「 俺 を 捕まえ た 復讐 に 加賀 美 敬 介 の 家族 を 殺す 」 と 。
えっ … 。 [ TEL ] 妹 さん と は 今 ご 一緒 です か ?
あっ … いえ 。 私 は 地 取り を し て い た ので
まだ 帰宅 し て おら ず 妹 は 今 家 に 。
[ TEL ] 一刻 も 早く 帰って あげ て ください 。
は … はい !
[ TEL ] ( 呼び出し 音 )
つながら ない … 。
時子 … 。
( 加賀 美 ) 時子 !
( 中村 ) 妹 さん 発見 さ れ まし た 。
しかし … 損壊 が 激しく … 。
( 加賀 美 ) う っ … くっ … 。
う わ ああ あー っ ! !
う わ ああ あー っ ! !
う っ … あっ … あっ … 。
《 無駄 だった の だ … 》
《 無意味 だった の だ ! 》
《 法 で 人 を 守る こと など でき ない … ! 》
《 そんな もの より も もっと … 》
《 もっと 強い 抑止 力 が … 》
( 加賀 美 ) 長く せ ず 捕まる こと は 分かって い まし た 。
警察 と 明智 君 の 手 が 届く 前 に 一 人 でも 多く … 。
私 は 不眠 不休 で 断罪 を 続け まし た 。
君 が 殺し た 人間 の 中 に 須永 は い なかった 。
殺さ なかった の か ?
はい 。
簡単 に 殺す わけ が ない 。
( 加賀 美 ) 四 肢 を 溶かし 両 目 を つぶし
薬品 漬け に し て わが家 で じっくり 殺し て ます 。
妹 の 最期 と 同じ 姿 で 。
( 加賀 美 ) これ で 話す こと は 全て です 。
さあ 私 を 極刑 に 。
罪人 は 罰 せ られる べき です 。
ハァ … 。
( ドア の 開く 音 ) ( 中村 ) 終了 だ 。
( 警察 官 ) はっ 。
だが 二十 面 相 は 死な ない 。
( ドア の 閉まる 音 )
バカ 野郎 が … 。
お前 は 加賀 美 ちゃん の まま で よかった ん だ よ 。
( 羽柴 ) 加賀 美 さん … 。
♪ ~
♪ ~
あれ や な また 少女 たち を … 。
えっ ! ?
う っ … !
( 男性 ) よく も … 娘 を … 。 ( 綿貫 ) えっ ! ?
( 男性 ) よく も … さち子 を … !
( さち子 の 父 ) 断罪 だ … 断罪 だ !
♪ ~
♪ ~