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2 - Harry Potter, 11.1.2 決闘クラブ - The Dueling Club

11.1.2 決闘 クラブ - The Dueling Club

目 も 眩む ような 紅 の 閃光 が 走った か と 思う と 、 ロックハート は 舞台 から 吹っ飛び 、 後ろ向き に 宙 を 飛び 、 壁 に 激突 し 、 壁 伝い に ズルズル と 滑り落ちて 、 床 に 無 様 に 大 の 字 に なった 。

マルフォイ や 数 人 の スリザリン 生 が 歓声 を あげた 。 ハーマイオニー は 爪先 立ち で ピョンピョ ン 跳ね ながら 、 顔 を 手 で 覆い 、 指 の 間 から 「 先生 、 大丈夫 かしら ?」 と 悲痚 な 声 を あげた 。

「 知る もんか !」 ハリー と ロン が 声 を そろえて 答えた 。

ロック ハート は フラフラ 立ち上がった 。

帽子 は 吹っ飛び 、 カール した 髪 が 逆 立って いた 。

「 さあ 、 みんな わかった でしょう ね !」 よろめき ながら 壇上 に 戻った ロック ハート が 言った 。

「 あれ が 、『 武装 解除 の 術 』 です ―― ご覧 の 通り 、 私 は 杖 を 失った わけです ―― あぁ 、 ミ ス ・ ブラウン 、 ありがとう 。 スネイプ 先生 、 たしかに 、 生徒 に あの 術 を 見せよう と した の は 、 すばらしい お 考え です 。 しかし 、 遠慮 なく 一言 申し上げれば 、 先生 が 何 を なき ろうと し たかが 、 あまりに も 見え透いて いました ね 。 それ を 止めよう と 思えば 、 いとも 簡単だった で しょう 。 しかし 、 生徒 に 見せた 方 が 、 教育 的に よい と 思い まして ね ......」

スネイプ は 殺気 だって いた 。 ロック ハート も それ に 気づいた らしく 、 こう 言った 。

「 模範 演技 は これ で 十 分 ! これ から みなさん の ところ へ 下りて いって 、 二 人 ずつ 組 に しま す 。 スネイプ 先生 、 お 手伝い 願えます か ......」 二 人 は 生徒 の 群れ に 入り 、 二 人 ずつ 組ま せた 。 ロック ハート は 、 ネビル と ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッテリー と を 組ま せた 。

スネイプ は 、 最初に ハリー と ロン の ところ に やってきた 。

「 どうやら 、 名 コンビ も お 別れ の とき が 来た ようだ な 」 スネイプ が 薄 笑い を 浮かべた 。

「 ウィーズリー 、 君 は フィネガン と 組み たまえ 。 ポッター は ――」

ハリー は 思わず ハーマイオニー の 方 に 寄って 行った 。

「 そう はいかん 」 スネイプ は 冷笑 した 。

「 マルフォイ 君 、 来た まえ 。 か の 有名な ポッター を 、 君 が どう 捌 く の か 拝見 しよう 。 それ に 、 君 、 ミス ・ グレンジャー ―― 君 は ミス ・ ブルストロード と 組み たまえ 」

マルフォイ は ニヤニヤ し ながら 気取って やってきた 。 その 後ろ を 歩いて きた 女子 スリザリン 生 を 見て 、 ハリー は 「 鬼 婆 と の オツ な 休暇 」 に あった 挿絵 を 思い出した 。 大柄で 四角張って いて 、 がっちり した 顎 が 戦闘 的に 突き出して いる 。

ハーマイオニー は かすかに 会釈 した が 、 むこう は 会釈 を 返さ なかった 。

「 相手 と 向き合って ! そして 礼 !」 壇上 に 戻った ロック ハート が 号令 を かけた 。

ハリー と マルフォイ は 、 互いに 日 を そらさ ず 、 わずかに 頭 を 傾げた だけ だった 。

「 杖 を 構えて !」 ロックハート が 声 を 張り上げた 。

「 私 が 三 つ 数えたら 、 相手 の 武器 を 取り上げる 術 を かけ なさい ―― 武器 を 取り上げる だけ で すよ ―― みなさん が 事故 を 起こす の は 嫌です から ね 。 一 ―― 二 ―― 三 ――」

ハリー は 杖 を 肩 の 上 に 振り上げた 。 が 、 マルフォイ は 「 二 」 で すでに 術 を 始めて いた 。 呪文 は 強烈に 効いて 、 ハリー は 、 まるで 頭 を フライパン で 殴ら れた ような 気 が した 。

ハリー は よろけた が 、 他 は どこ も やられて いない 。 間髪を入れず 、 ハリー は 杖 を まっすぐに マルフォイ に 向け 、「 リクタスセンブラ < 笑い 続けよ >」 と 叫んだ 。 銀色 の 閃光 が マルフォイ の 腹 に 命中 し 、 マルフォイ は 体 を く の 字 に 曲げて 、 ゼーゼー 言った 。 「 武器 を 取り上げる だけ だ と 言った のに !」

ロック ハート が 慌てて 、 戦闘 まった だ 中 の 生徒 の 頭越し に 叫んだ 。 マルフォイ が 膝 を ついて 座り込んだ 。

ハリー が かけた の は 「 くすぐり の 術 」 で 、 マルフォイ は 笑い転げて 動く こと さえ でき ない 。

相手 が 座り込んで いる 間 に 術 を かける の は スポーツマン 精神 に 反する ―― そんな 気 が して 、 ハリー は 一瞬 ためらった 。

これ が まちがい だった 。 息 も 継げ ない まま 、 マルフォイ は 杖 を ハリー の 膝 に 向け 、 声 を 詰ま ら せて 「 タラントアレグラ !< 踊れ >」 と 言った 。 次の 瞬間 、 ハリー の 両足 が ピクビク 動き 、 勝手に クイック ・ ステップ を 踏み出した 。 「 やめ なさい ! ストップ !」 ロックハート は 叫んだ が 、 スネイプ が 乗り出した 。

「 フィニート ・ インカンターテム !< 呪文 よ 終われ >」 と スネイプ が 叫ぶ と 、 ハリー の 足 は 踊 る の を やめ 、 マルフォイ は 笑う の を やめた 。 そして 二 人 と も 、 やっと 周囲 を 見る こと が できた 。 緑 が かった 煙 が 、 あたり 中 に 霧 の ように 漂って いた 。

ネビル も ジャスティン も 、 ハーハー 言い ながら 床 に 横たわり 、 ロン は 蒼白な 顔 を した シュー マス を 抱きかかえて 、 折れた 杖 が しでかした 何 か を 謝って いた 。

ハーマイオニー と ミリ セント ・ ブルストロード は まだ 動いて いた 。

ミリ セント が ハーマイオニー に ヘッド ロック を かけ 、 ハーマイオニー は 痚 み で ヒーヒー 叫 い ていた 。

二 人 の 杖 は 床 に 打ち捨てられた まま だった 。 ハリー は 飛び込んで ミリ セント を 引き離した 。 彼女 の 方 が ハリー より 、 ずっと 図体 が 大きかった ので 、 一筋縄 で は 行か なかった 。

目 に 涙 を 浮かべ ながら 「 ありがとう 」 と 言い ハーマイオニー は 、 ハリー の 背中 に しがみつ い て 隠れた 。

「 なんと 、 なんと 」 ロック ハート は 生徒 の 群れ の 中 を すばやく 動き ながら 、 決闘 の 結末 を 見 て 回った 。

「 マクミラン 。 立ち上がって ......。 気 を つけて ゆっくり ......、 ミス ・ フォー セット 。 しっか り 押さえて い なさい 。 鼻血 は すぐ 止まる から 。 ブート ...」

「 むしろ 、 非 友好 的な 術 の 防ぎ 方 を お 教え する 方 が いい ようです ね 」

大広間 の 真ん中 に 面くらって 突っ立った まま 、 ロックハート が 言った 。

ロック ハート は スネイプ を チラリ と 見た が 、 暗い 目 が ギラッ と 光った と 思う と 、 スネイプ は プイ と 顔 を そむけた 。

「 さて 、 誰 か 進んで モデル に なる 組 は あります か ?―― ロングボトム と フィンチ ・ フレッチ リー 、 どう です か ?」 「 ロック ハート 先生 、 それ は まずい 」 性 悪 な 大 コウモリ を 思わ せる スネイプ が 、 サーッ と 進 み 出た 。 「 ロングボトム は 、 簡単 極まりない 呪文 で さえ 惨事 を 引き起こす 。 フィンチ ・ フレッテリー の 残骸 を 、 マッチ 箱 に 入れて 医務 室 に 運び込む の が オチ でしょう な 」 ネビル の ピンク 色 の 丸 顔 が ますます ピンク に なった 。

「 マルフォイ と ポッター は どう かね ?」 スネイプ は 口元 を 歪めて 笑った 。

「 それ は 名案 !」

ロック ハート は 、 ハリー と マルフォイ に 大広間 の 真ん中 に 来る よう 手招き した 。

他の 生徒 たち は 下がって 二 人 の ため に 空間 を 空けた 。

「 さあ 、 ハリー 。 ドラコ が 君 に 杖 を 向けたら 、 こういうふうに し なさい 」

ロック ハート は 自分 の 杖 を 振り上げ 、 何やら 複雑に くねくね さ せた あげく 、 杖 を 取り 落とし た 。

「 オットット ―― 私 の 杖 は ちょっと 張り切り 過ぎた ようです ね 」 と 言い ながら 、 ロックハー ト が 急いで 杖 を 拾い上げる の を 、 スネイプ は 、 嘲る ような 笑い を 浮かべて 見て いた 。

スネイプ は マルフォイ の 方 に 近づいて 、 かがみ 込み 、 マルフォイ の 耳 に 何事 か を ささや い た 。

マルフォイ も 嘲る ように ニヤリ と した 。 ハリー は 不安 げ に ロック ハート を 見上げた 。 「 先生 、 その 防衛 技 と か を 、 もう 一 度 見せて くださいません か ?」 「 怖く なった の か ?」 マルフォイ は 、 ロックハート に 聞こえ ない ように 低い 声 で 言った 。 「 そっち の こと だろう 」

ハリー も 唇 を 動かさ ず に 言った 。

ロック ハート は 、 陽気に ハリー の 肩 を ボン と 叩き 、

「 ハリー 、 私 が やった ように やる んだ よく 」 と 言った 。

「 え ! 杖 を 落とす んです か ?」 ロックハート は 聞いて も い なかった 。

「 一 ―― 二 ―― 三 ―― それ !」 と 号令 が かかった 。

マルフォイ は すばやく 杖 を 振り上げ 、「 サーペンソーティア !< ヘビ 出 で よ >」 と 大声 で 怒 鳴った 。 マルフォイ の 杖 の 先 が 炸裂 した 。 その先 から 、 長い 黒 ヘビ が 二 ヨロニョロ と 出て きた の を 見 て 、 ハリー は ぎょっと した 。

ヘビ は 二 人 の 間 の 床 に ドスン と 落ち 、 鎌 首 を もたげて 攻撃 の 態勢 を 取った 。 周り の 生徒 は 悲 鳴 を あげ 、 サーッ と あと ず きり して 、 そこ だけ が 広く 空いた 。

「 動く な 、 ポッター 」 スネイプ が 悠々と 言った 。

ハリー が 身動き も でき ず 、 怒った ヘビ と 、 目 を 見合わせて 立ちすくんで いる 光景 を 、 スネイ プ が 楽しんで いる の が はっきり わかる 。

「 我 輩 が 追い払って やろう ......」

「 私 に お 任せ あれ !」 ロックハート が 叫んだ 。 ヘビ に 向かって 杖 を 振り回す と 、 バーン と 大 きな 音 が して 、 ヘビ は 消え去る どころ か 二 、 三 メートル 宙 を 飛び 、 ビシャッ と 大きな 音 を た て て 、 また 床 に 落ちて きた 。

挑発 さ れ 、 怒り狂って シュー シュー と 、 ヘビ は ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー め が け て 滑り 寄り 、 再び 鎌 首 を もたげ 、 牙 を むき 出して 攻撃 の 構え を 取った 。

ハリー は 、 何 が 自分 を 駆りたてた の か わから なかった し 、 何 か を 決心 した の か どう か さえ 意 識 が なかった 。 ただ 、 まるで 自分 の 足 に キャスター が ついた ように 、 体 が 前 に 進んで 行った こと 、 そして 、 ヘビ に 向かって バカ みたいに 叫んだ こと だけ は わかって いた 。

「『 手 を 出す な 。 去れ !』」

すると 、 不思議な こと に ―― 説明 の しょうがない のだ が ―― ヘビ は 、 まるで 庭 の 水 撒き 用 の 太い ホース の ように おとなしく なり 、 床 に 平たく 丸まり 、 従順に ハリー を 見上げた 。 ハリー は 、 恐怖 が スーツ と 体 から 抜け落ちて いく の を 感じた 。

もう ヘビ は 誰 も 襲わ ない と わかって いた 。 だが 、 なぜ そう 思った の か 、 ハリー に は 説明 でき なかった 。

ハリー は ジャスティン を 見て ニッコリ した 。 ジャスティン は 、 きっと ホッと した 顔 を して い る か 、 不思議 そうな 顔 か 、 あるいは 、 感謝 の 泰 情 を 見せる だろう と 思って いた ―― まさか 、 怒った 顔 、 恐怖 の 表情 を して いる と は 、 思い も よら なかった 。

「 いったい 、 何 を 悪ふざけ して る んだ !」 ジャスティン が 叫んだ 。

ハリー が 何 か 言う 前 に 、 ジャスティン は くるり と 背 を 向け 、 怒って 大広間 から 出て 行って し まった 。

スネイプ が 進み 出て 杖 を 振り 、 ヘビ は 、 ポッ と 黒い 煙 を 上げて 消え去った 。

スネイプ も 、 ハリー が 思って も み なかった ような 、 鋭く 探る ような 目つき で こちら を 見て い る 。

ハリー は その 目つき が いやだった 。 その 上 、 周り 中 が ヒソヒソ と 、 何やら 不吉な 話 を して い る のに ハリー は ぼんやり 気づいて いた 。

その とき 、 誰 か が 後ろ から ハリー の 袖 を 引いた 。

「 さあ 、 来て 」 ロン の 声 だ 。

「 行こう ―― さあ 、 来て ......」 ハリー の 耳 に ささやいた 。

ロン が ハリー を ホール の 外 へ と 連れ出した 。 ハーマイオニー も 急いで ついてきた 。

三 人 が ドア を 通り抜ける とき 、 人垣 が 割れ 、 両側 に サッと 引いた 。

まるで 病気 でも 移さ れる の が 怖い と でも いう か の ようだった 。 ハリー に は 何 が なんだか さっぱり わから ない 。 ロン も ハーマイオニー も 何も 説明 して は くれ なかった 。 人気 の ない グリフィンドール の 談話 室 まで ハリー を 延々 引っ張って きて 、 ロン は ハリー を 肘 掛 椅子 に 座ら せ 、 初めて 口 を きい た 。

「 君 は パーセルマウス な んだ 。 どうして 僕たち に 話して くれ なかった の !」 「 僕 が なん だって ?」 「 パーセルマウス だ よ !」 ロン が 繰り返した 。 「 君 は ヘビ と 話 が できる んだ !」 「 そうだ よ 」 ハリー が 忚 えた 。

「 でも 、 今度 で 二 度 目 だ よ 。 一 度 、 動物 園 で 偶然 、 大 ニシキヘビ を いとこ の ダドリー に けし かけた ―― 話せば 長い けど ―― その ヘビ が 、 ブラジル なんか 一 度 も 見た こと が ないって 僕 に 話しかけて 、 僕 が 、 そんな つもり は なかった のに 、 その ヘビ を 逃がして やった ような 結果 に なった んだ 。 自分 が 魔法使い だって わかる 前 だった けど ......」

「 大 ニシキヘビ が 、 君 に 一 度 も ブラジル に 行った こと が ないって 話した の !」 ロン が 力なく 繰り返した 。 「 それ が どうかした の ? ここ に は そんな こと できる 人 、 掃いて 捨てる ほど いる だろう に 」

「 それ が 、 いない んだ 」 ロン が 言った 。 「 そんな 能力 は ざらに は 持って いない 。 ハリー 、 まずい よ 」

「 何 が まずい ん だい ?」 ハリー は かなり 腹 が 立った 。

「 みんな 、 どうかした んじゃ ない か ! 考えて も みて よ 。 もし 僕 が 、 ジャスティン を 襲う なって ヘビ に 言わ なけりゃ ――」 「 へえ 。 君 は そう 言った の かい ?」 「 どういう 意味 ? 君 たち あの 場 に いたし ...... 僕 の 言う こと を 聞いた じゃ ない か 」 「 僕 、 君 が パーセルタング を 話す の は 聞いた 。 つまり 蛇 語 だ 」 ロン が 言った 。

「 君 が 何 を 話した か 、 他の 人 に は わかりゃ し ない んだ よ 。 ジャスティン が パニック した の も わかる な 。 君ったら 、 まるで ヘビ を そそのかして る ような 感じ だった 。 あれ に は ゾッと した よ 」

ハリー は まじまじ と ロン を 見た 。

「 僕 が 違う 言葉 を しゃべったって ? だけど ―― 僕 、 気 が つか なかった ―― 自分 が 話せるって こと さえ 知ら ない のに 、 どうして そんな 言葉 が 話せる ん だい ?」 ロン は 首 を 振った 。 ロン も ハーマイオニー も 通夜 の 客 の ような 顔 を して いた 。 ハリー は 、 いったい 何 が そんなに 悪い こと な の か 理解 でき なかった 。

「 あの ヘビ が 、 ジャスティン の 首 を 食いちぎる の を 止めた のに 、 いったい 何 が 悪い の か 教え て くれ ない か ? ジャスティン が 、『 首 無し 狩 』 に 参加 する は めに なら ず に すんだ んだ よ 。 ど う いう やり 方 で 止めた か なんて 、 問題 に なる の ?」

「 問題 に なる の よ 」 ハーマイオニー が やっと ヒソヒソ 声 で 話し出した 。

「 どうして か と いう と 、 サラザール ・ スリザリン は 、 ヘビ と 話 が できる こと で 有名だった か ら な の 。 だ から スリザリン 寮 の シンボル が ヘビ でしょう 」

ハリー は ポカン と 口 を 開けた 。

「 そう な んだ 。 今度 は 学校 中 が 君 の こと を 、 スリザリン の 曾々 々々 孫 だ と か なんとか 言い出 す だろう な ......」 ロン が 言った 。

「 だけど 、 僕 は 違う 」 ハリー は 、 言いよう の ない 恐怖 に 駆られた 。

「 それ は 証明 し にくい こと ね 」 ハーマイオニー が 言った 。

「 スリザリン は 千 年 ほど 前 に 生きて いた んだ から 、 あなた だ と いう 可能 性 も あり うる の よ 」

11.1.2 決闘 クラブ - The Dueling Club けっとう|くらぶ|the|dueling|club 11.1.2 Duellierclub - Der Duellierclub 11.1.2 The Dueling Club 11.1.2 Dueling Club - Le Dueling Club 11.1.2 Klub pojedynków - Klub pojedynków 11.1.2 Dueling Club - Duelingklubben

目 も 眩む ような 紅 の 閃光 が 走った か と 思う と 、 ロックハート は 舞台 から 吹っ飛び 、 後ろ向き に 宙 を 飛び 、 壁 に 激突 し 、 壁 伝い に ズルズル と 滑り落ちて 、 床 に 無 様 に 大 の 字 に なった 。 め||くらむ||くれない||せんこう||はしった|||おもう||||ぶたい||ふっとび|うしろむき||ちゅう||とび|かべ||げきとつ||かべ|つたい||ずるずる||すべりおちて|とこ||む|さま||だい||あざ|| When I wondered if a dazzling crimson flash ran, Rockheart blew off the stage, flew backwards in the air, slammed into the wall, slipped down the wall, and slipped down to the floor. It became a letter.

マルフォイ や 数 人 の スリザリン 生 が 歓声 を あげた 。 ||すう|じん|||せい||かんせい|| ハーマイオニー は 爪先 立ち で ピョンピョ ン 跳ね ながら 、 顔 を 手 で 覆い 、 指 の 間 から 「 先生 、 大丈夫 かしら ?」 と 悲痚 な 声 を あげた 。 ||つまさき|たち||||はね||かお||て||おおい|ゆび||あいだ||せんせい|だいじょうぶ|||ひ痚||こえ||

「 知る もんか !」 ハリー と ロン が 声 を そろえて 答えた 。 しる||||||こえ|||こたえた "Do you know!" Harry and Ron answered in unison.

ロック ハート は フラフラ 立ち上がった 。 ろっく|はーと||ふらふら|たちあがった

帽子 は 吹っ飛び 、 カール した 髪 が 逆 立って いた 。 ぼうし||ふっとび|||かみ||ぎゃく|たって| The hat was blown off and the curled hair was standing upright.

「 さあ 、 みんな わかった でしょう ね !」 よろめき ながら 壇上 に 戻った ロック ハート が 言った 。 |||||||だんじょう||もどった|ろっく|はーと||いった

「 あれ が 、『 武装 解除 の 術 』 です ―― ご覧 の 通り 、 私 は 杖 を 失った わけです ―― あぁ 、 ミ ス ・ ブラウン 、 ありがとう 。 ||ぶそう|かいじょ||じゅつ||ごらん||とおり|わたくし||つえ||うしなった|||||| スネイプ 先生 、 たしかに 、 生徒 に あの 術 を 見せよう と した の は 、 すばらしい お 考え です 。 |せんせい||せいと|||じゅつ||みせよう|||||||かんがえ| Snape-sensei, it's certainly a great idea to try to show the technique to the students. しかし 、 遠慮 なく 一言 申し上げれば 、 先生 が 何 を なき ろうと し たかが 、 あまりに も 見え透いて いました ね 。 |えんりょ||いちげん|もうしあげれば|せんせい||なん||||||||みえすいて|い ました| But don't hesitate to say that it was too clear what the teacher was trying to do. それ を 止めよう と 思えば 、 いとも 簡単だった で しょう 。 ||とどめよう||おもえば||かんたんだった|| If you wanted to stop it, it would have been easy. しかし 、 生徒 に 見せた 方 が 、 教育 的に よい と 思い まして ね ......」 |せいと||みせた|かた||きょういく|てきに|||おもい|| However, I thought it would be better for education to show it to the students ... "

スネイプ は 殺気 だって いた 。 ||さっき|| Snape was murderous. ロック ハート も それ に 気づいた らしく 、 こう 言った 。 ろっく|はーと||||きづいた|||いった Rock Heart seems to have noticed it, too.

「 模範 演技 は これ で 十 分 ! これ から みなさん の ところ へ 下りて いって 、 二 人 ずつ 組 に しま す 。 もはん|えんぎ||||じゅう|ぶん|||||||おりて||ふた|じん||くみ||| "This is enough for the model performance! From now on, I will go down to you and make a pair of two people. スネイプ 先生 、 お 手伝い 願えます か ......」  二 人 は 生徒 の 群れ に 入り 、 二 人 ずつ 組ま せた 。 |せんせい||てつだい|ねがえ ます||ふた|じん||せいと||むれ||はいり|ふた|じん||くま| ロック ハート は 、 ネビル と ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッテリー と を 組ま せた 。 ろっく|はーと|||||||||くま|

スネイプ は 、 最初に ハリー と ロン の ところ に やってきた 。 ||さいしょに||||||| Snape first came to Harry and Ron.

「 どうやら 、 名 コンビ も お 別れ の とき が 来た ようだ な 」 スネイプ が 薄 笑い を 浮かべた 。 |な|こんび|||わかれ||||きた|||||うす|わらい||うかべた "It looks like it's time to say goodbye to the famous duo." Snape smiled.

「 ウィーズリー 、 君 は フィネガン と 組み たまえ 。 |きみ||||くみ| ポッター は ――」

ハリー は 思わず ハーマイオニー の 方 に 寄って 行った 。 ||おもわず|||かた||よって|おこなった Harry instinctively stopped by Hermione.

「 そう はいかん 」 スネイプ は 冷笑 した 。 ||||れいしょう| "Yes, yes," Snape sneers.

「 マルフォイ 君 、 来た まえ 。 |きみ|きた| Malfoy, come here. か の 有名な ポッター を 、 君 が どう 捌 く の か 拝見 しよう 。 ||ゆうめいな|||きみ|||はち||||はいけん| Let's see how you handle this famous potter. それ に 、 君 、 ミス ・ グレンジャー ―― 君 は ミス ・ ブルストロード と 組み たまえ 」 ||きみ|みす||きみ||みす|||くみ|

マルフォイ は ニヤニヤ し ながら 気取って やってきた 。 |||||きどって| Malfoy came with a grin. その 後ろ を 歩いて きた 女子 スリザリン 生 を 見て 、 ハリー は 「 鬼 婆 と の オツ な 休暇 」 に あった 挿絵 を 思い出した 。 |うしろ||あるいて||じょし||せい||みて|||おに|ばあ|||||きゅうか|||さしえ||おもいだした Seeing the female Slytherin student walking behind her, Harry remembered the illustration in "A Hot Vacation with the Demon Auntie." 大柄で 四角張って いて 、 がっちり した 顎 が 戦闘 的に 突き出して いる 。 おおがらで|しかくばって||||あご||せんとう|てきに|つきだして| It is large and square, with a solid chin protruding combatively.

ハーマイオニー は かすかに 会釈 した が 、 むこう は 会釈 を 返さ なかった 。 |||えしゃく|||||えしゃく||かえさ| Hermione gave a faint nod, but the other side did not return the nod.

「 相手 と 向き合って ! そして 礼 !」 壇上 に 戻った ロック ハート が 号令 を かけた 。 あいて||むきあって||れい|だんじょう||もどった|ろっく|はーと||ごうれい|| "Face the other person! And thank you!" Lockhart, who returned to the stage, issued a command.

ハリー と マルフォイ は 、 互いに 日 を そらさ ず 、 わずかに 頭 を 傾げた だけ だった 。 ||||たがいに|ひ|||||あたま||かしげた|| Harry and Malfoy did not distract each other, only slightly tilted their heads.

「 杖 を 構えて !」 ロックハート が 声 を 張り上げた 。 つえ||かまえて|||こえ||はりあげた “Segure uma bengala!” Lockhart levantou a voz.

「 私 が 三 つ 数えたら 、 相手 の 武器 を 取り上げる 術 を かけ なさい ―― 武器 を 取り上げる だけ で すよ ―― みなさん が 事故 を 起こす の は 嫌です から ね 。 わたくし||みっ||かぞえたら|あいて||ぶき||とりあげる|じゅつ||||ぶき||とりあげる||||||じこ||おこす|||いやです|| 一 ―― 二 ―― 三 ――」 ひと|ふた|みっ

ハリー は 杖 を 肩 の 上 に 振り上げた 。 ||つえ||かた||うえ||ふりあげた が 、 マルフォイ は 「 二 」 で すでに 術 を 始めて いた 。 |||ふた|||じゅつ||はじめて| 呪文 は 強烈に 効いて 、 ハリー は 、 まるで 頭 を フライパン で 殴ら れた ような 気 が した 。 じゅもん||きょうれつに|きいて||||あたま||ふらいぱん||なぐら|||き|| The spell worked so intensely that Harry felt as if his head had been beaten with a frying pan.

ハリー は よろけた が 、 他 は どこ も やられて いない 。 ||||た||||| Harry staggered, but nothing else was done. 間髪を入れず 、 ハリー は 杖 を まっすぐに マルフォイ に 向け 、「 リクタスセンブラ < 笑い 続けよ >」 と 叫んだ 。 かんはつをいれず|||つえ|||||むけ||わらい|つづけよ||さけんだ 銀色 の 閃光 が マルフォイ の 腹 に 命中 し 、 マルフォイ は 体 を く の 字 に 曲げて 、 ゼーゼー 言った 。 ぎんいろ||せんこう||||はら||めいちゅう||||からだ||||あざ||まげて||いった A silver flash hit Malfoy's belly, and Malfoy bent his body into a dogleg, and said Zeesee. 「 武器 を 取り上げる だけ だ と 言った のに !」 ぶき||とりあげる||||いった|

ロック ハート が 慌てて 、 戦闘 まった だ 中 の 生徒 の 頭越し に 叫んだ 。 ろっく|はーと||あわてて|せんとう|||なか||せいと||あたまごし||さけんだ Lockhart hurriedly shouted over the head of the student in the middle of the battle. マルフォイ が 膝 を ついて 座り込んだ 。 ||ひざ|||すわりこんだ Malfoy sat down on his knees.

ハリー が かけた の は 「 くすぐり の 術 」 で 、 マルフォイ は 笑い転げて 動く こと さえ でき ない 。 |||||||じゅつ||||わらいころげて|うごく|||| Harry did "tickling", and Malfoy couldn't even laugh and move.

相手 が 座り込んで いる 間 に 術 を かける の は スポーツマン 精神 に 反する ―― そんな 気 が して 、 ハリー は 一瞬 ためらった 。 あいて||すわりこんで||あいだ||じゅつ|||||すぽーつまん|せいしん||はんする||き|||||いっしゅん| It's against the spirit of a sportsman to perform an operation while the other person is sitting down--that's why Harry hesitated for a moment.

これ が まちがい だった 。 息 も 継げ ない まま 、 マルフォイ は 杖 を ハリー の 膝 に 向け 、 声 を 詰ま ら せて 「 タラントアレグラ !< 踊れ >」 と 言った 。 いき||つげ|||||つえ||||ひざ||むけ|こえ||つま||||おどれ||いった 次の 瞬間 、 ハリー の 両足 が ピクビク 動き 、 勝手に クイック ・ ステップ を 踏み出した 。 つぎの|しゅんかん|||りょうあし|||うごき|かってに||すてっぷ||ふみだした At the next moment, Harry's feet fluttered and took a quick step on his own. 「 やめ なさい ! ストップ !」 ロックハート は 叫んだ が 、 スネイプ が 乗り出した 。 ||すとっぷ|||さけんだ||||のりだした "Stop! Stop!" Lockhart shouted, but Snape embarked.

「 フィニート ・ インカンターテム !< 呪文 よ 終われ >」 と スネイプ が 叫ぶ と 、 ハリー の 足 は 踊 る の を やめ 、 マルフォイ は 笑う の を やめた 。 ||じゅもん||おわれ||||さけぶ||||あし||おどり|||||||わらう||| Finite Incantatem! < Harry's feet stopped dancing and Malfoy stopped laughing as Snape shouted, "Finite Incantatem! そして 二 人 と も 、 やっと 周囲 を 見る こと が できた 。 |ふた|じん||||しゅうい||みる||| Finally, they could both see their surroundings. 緑 が かった 煙 が 、 あたり 中 に 霧 の ように 漂って いた 。 みどり|||けむり|||なか||きり|||ただよって| Greenish smoke was drifting around like a mist.

ネビル も ジャスティン も 、 ハーハー 言い ながら 床 に 横たわり 、 ロン は 蒼白な 顔 を した シュー マス を 抱きかかえて 、 折れた 杖 が しでかした 何 か を 謝って いた 。 |||||いい||とこ||よこたわり|||そうはくな|かお|||しゅー|ます||だきかかえて|おれた|つえ|||なん|||あやまって| Both Neville and Justin lay on the floor, saying Haha, and Ron apologized for something that the broken wand had done, holding a pale-faced shoemouth.

ハーマイオニー と ミリ セント ・ ブルストロード は まだ 動いて いた 。 ||みり|せんと||||うごいて| Hermione and Millicent Brust Road were still in motion.

ミリ セント が ハーマイオニー に ヘッド ロック を かけ 、 ハーマイオニー は 痚 み で ヒーヒー 叫 い ていた 。 みり|せんと||||へっど|ろっく|||||||||さけ|| Millicent put a headlock on Hermione, and Hermione was screaming with itching.

二 人 の 杖 は 床 に 打ち捨てられた まま だった 。 ふた|じん||つえ||とこ||うちすて られた|| As duas bengalas ficaram abandonadas no chão. ハリー は 飛び込んで ミリ セント を 引き離した 。 ||とびこんで|みり|せんと||ひきはなした Harry jumped in and pulled Millicent apart. 彼女 の 方 が ハリー より 、 ずっと 図体 が 大きかった ので 、 一筋縄 で は 行か なかった 。 かのじょ||かた|||||ずうたい||おおきかった||ひとすじなわ|||いか| She was much bigger than Harry, so I couldn't go straight.

目 に 涙 を 浮かべ ながら 「 ありがとう 」 と 言い ハーマイオニー は 、 ハリー の 背中 に しがみつ い て 隠れた 。 め||なみだ||うかべ||||いい|||||せなか|||||かくれた With tears in her eyes, she says, "Thank you." Hermione clings to Harry's back and hides.

「 なんと 、 なんと 」 ロック ハート は 生徒 の 群れ の 中 を すばやく 動き ながら 、 決闘 の 結末 を 見 て 回った 。 ||ろっく|はーと||せいと||むれ||なか|||うごき||けっとう||けつまつ||み||まわった Lockhart moved quickly through the crowd of students to see how the duel would end.

「 マクミラン 。 まくみらん 立ち上がって ......。 たちあがって 気 を つけて ゆっくり ......、 ミス ・ フォー セット 。 き||||みす|ふぉー|せっと Take care and take your time ...... Miss Fawcett. しっか り 押さえて い なさい 。 ||おさえて|| Hold it firmly. 鼻血 は すぐ 止まる から 。 はなぢ|||とまる| ブート ...」 Boot ..."

「 むしろ 、 非 友好 的な 術 の 防ぎ 方 を お 教え する 方 が いい ようです ね 」 |ひ|ゆうこう|てきな|じゅつ||ふせぎ|かた|||おしえ||かた|||| "Rather, it seems to me that it would be better to teach you how to prevent unfriendly techniques."

大広間 の 真ん中 に 面くらって 突っ立った まま 、 ロックハート が 言った 。 おおひろま||まんなか||めんくらって|つったった||||いった Lockhart said, standing there in the middle of the hall, looking at him.

ロック ハート は スネイプ を チラリ と 見た が 、 暗い 目 が ギラッ と 光った と 思う と 、 スネイプ は プイ と 顔 を そむけた 。 ろっく|はーと||||ちらり||みた||くらい|め||||ひかった||おもう||||||かお|| Lockhart glanced at Snape, but his dark eyes flashed and he turned his head away.

「 さて 、 誰 か 進んで モデル に なる 組 は あります か ?―― ロングボトム と フィンチ ・ フレッチ リー 、 どう です か ?」 「 ロック ハート 先生 、 それ は まずい 」 性 悪 な 大 コウモリ を 思わ せる スネイプ が 、 サーッ と 進 み 出た 。 |だれ||すすんで|もでる|||くみ||あり ます||||||||||ろっく|はーと|せんせい||||せい|あく||だい|こうもり||おもわ||||||すすむ||でた "Well, is there a pair that is willing to be a model?-Long bottom and Finch Fletch Lee, what about?" "Mr. Rockhart, that's bad." Snape reminiscent of a bad-looking flying fox, I started to move forward. 「 ロングボトム は 、 簡単 極まりない 呪文 で さえ 惨事 を 引き起こす 。 ||かんたん|きわまりない|じゅもん|||さんじ||ひきおこす Longbottom wreaks havoc even with the simplest of spells. フィンチ ・ フレッテリー の 残骸 を 、 マッチ 箱 に 入れて 医務 室 に 運び込む の が オチ でしょう な 」 ネビル の ピンク 色 の 丸 顔 が ますます ピンク に なった 。 |||ざんがい||まっち|はこ||いれて|いむ|しつ||はこびこむ|||おち|||||ぴんく|いろ||まる|かお|||ぴんく|| I'm sure they'll be taking what's left of Finch Fletchery to the infirmary in a matchbox," said Neville, his pink round face growing pinker and pinker.

「 マルフォイ と ポッター は どう かね ?」 スネイプ は 口元 を 歪めて 笑った 。 ||||||||くちもと||ゆがめて|わらった

「 それ は 名案 !」 ||めいあん

ロック ハート は 、 ハリー と マルフォイ に 大広間 の 真ん中 に 来る よう 手招き した 。 ろっく|はーと||||||おおひろま||まんなか||くる||てまねき| Lockhart beckoned Harry and Malfoy to come to the center of the great hall.

他の 生徒 たち は 下がって 二 人 の ため に 空間 を 空けた 。 たの|せいと|||さがって|ふた|じん||||くうかん||あけた The other students went down and made space for them.

「 さあ 、 ハリー 。 ドラコ が 君 に 杖 を 向けたら 、 こういうふうに し なさい 」 ||きみ||つえ||むけたら||| If Draco points his wand at you, do it like this. "

ロック ハート は 自分 の 杖 を 振り上げ 、 何やら 複雑に くねくね さ せた あげく 、 杖 を 取り 落とし た 。 ろっく|はーと||じぶん||つえ||ふりあげ|なにやら|ふくざつに|||||つえ||とり|おとし| Lockhart swung his wand up, twisted it in a complicated way, and dropped it.

「 オットット ―― 私 の 杖 は ちょっと 張り切り 過ぎた ようです ね 」 と 言い ながら 、 ロックハー ト が 急いで 杖 を 拾い上げる の を 、 スネイプ は 、 嘲る ような 笑い を 浮かべて 見て いた 。 |わたくし||つえ|||はりきり|すぎた||||いい|||||いそいで|つえ||ひろいあげる|||||あざける||わらい||うかべて|みて| "Ottotto-my wand seems a little over-tensioned," he said, while Snape watched Rockhard pick up the wand in a hurry, with a mocking laugh.

スネイプ は マルフォイ の 方 に 近づいて 、 かがみ 込み 、 マルフォイ の 耳 に 何事 か を ささや い た 。 ||||かた||ちかづいて||こみ|||みみ||なにごと||||| Snape approached Malfoy, bent down, and whispered something into Malfoy's ear.

マルフォイ も 嘲る ように ニヤリ と した 。 ||あざける|||| ハリー は 不安 げ に ロック ハート を 見上げた 。 ||ふあん|||ろっく|はーと||みあげた 「 先生 、 その 防衛 技 と か を 、 もう 一 度 見せて くださいません か ?」 「 怖く なった の か ?」 マルフォイ は 、 ロックハート に 聞こえ ない ように 低い 声 で 言った 。 せんせい||ぼうえい|わざ|||||ひと|たび|みせて|ください ませ ん||こわく||||||||きこえ|||ひくい|こえ||いった "Sensei, can you show me that defense technique again?" "Are you getting scared?" Malfoy said in a low voice so Lockhart wouldn't hear. 「 そっち の こと だろう 」 "I think that's what you meant."

ハリー も 唇 を 動かさ ず に 言った 。 ||くちびる||うごかさ|||いった Harry also said without moving his lips.

ロック ハート は 、 陽気に ハリー の 肩 を ボン と 叩き 、 ろっく|はーと||ようきに|||かた||ぼん||たたき

「 ハリー 、 私 が やった ように やる んだ よく 」 と 言った 。 |わたくし||||||||いった "Harry, do it the way I did, well," he said.

「 え ! 杖 を 落とす んです か ?」 ロックハート は 聞いて も い なかった 。 |つえ||おとす|||||きいて|||

「 一 ―― 二 ―― 三 ―― それ !」 と 号令 が かかった 。 ひと|ふた|みっ|||ごうれい||

マルフォイ は すばやく 杖 を 振り上げ 、「 サーペンソーティア !< ヘビ 出 で よ >」 と 大声 で 怒 鳴った 。 |||つえ||ふりあげ||へび|だ||||おおごえ||いか|なった Malfoy quickly raised his wand and shouted, "Serpensortia! <Snake out! マルフォイ の 杖 の 先 が 炸裂 した 。 ||つえ||さき||さくれつ| The tip of Malfoy's wand exploded. その先 から 、 長い 黒 ヘビ が 二 ヨロニョロ と 出て きた の を 見 て 、 ハリー は ぎょっと した 。 そのさき||ながい|くろ|へび||ふた|||でて||||み|||||

ヘビ は 二 人 の 間 の 床 に ドスン と 落ち 、 鎌 首 を もたげて 攻撃 の 態勢 を 取った 。 へび||ふた|じん||あいだ||とこ||どすん||おち|かま|くび|||こうげき||たいせい||とった The snake slammed onto the floor between the two and was poised to attack with a sickle neck. 周り の 生徒 は 悲 鳴 を あげ 、 サーッ と あと ず きり して 、 そこ だけ が 広く 空いた 。 まわり||せいと||ひ|な||||||||||||ひろく|あいた The students around me screamed and screamed, and only there was wide open space.

「 動く な 、 ポッター 」 スネイプ が 悠々と 言った 。 うごく|||||ゆうゆうと|いった

ハリー が 身動き も でき ず 、 怒った ヘビ と 、 目 を 見合わせて 立ちすくんで いる 光景 を 、 スネイ プ が 楽しんで いる の が はっきり わかる 。 ||みうごき||||いかった|へび||め||みあわせて|たちすくんで||こうけい|||||たのしんで||||| It is clear that Snape enjoys the sight of Harry standing there, unable to move, with his eyes fixed on the angry snake.

「 我 輩 が 追い払って やろう ......」 われ|やから||おいはらって| "Let's get rid of me ..."

「 私 に お 任せ あれ !」 ロックハート が 叫んだ 。 わたくし|||まかせ||||さけんだ "Leave it to me!" Lockhart shouted. ヘビ に 向かって 杖 を 振り回す と 、 バーン と 大 きな 音 が して 、 ヘビ は 消え去る どころ か 二 、 三 メートル 宙 を 飛び 、 ビシャッ と 大きな 音 を た て て 、 また 床 に 落ちて きた 。 へび||むかって|つえ||ふりまわす||||だい||おと|||へび||きえさる|||ふた|みっ|めーとる|ちゅう||とび|||おおきな|おと||||||とこ||おちて| Swinging the wand towards the snake made a loud bang, and instead of disappearing, the snake flew a few meters in the air, making a loud noise and then falling to the floor.

挑発 さ れ 、 怒り狂って シュー シュー と 、 ヘビ は ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー め が け て 滑り 寄り 、 再び 鎌 首 を もたげ 、 牙 を むき 出して 攻撃 の 構え を 取った 。 ちょうはつ|||いかりくるって|しゅー|しゅー||へび|||||||||すべり|より|ふたたび|かま|くび|||きば|||だして|こうげき||かまえ||とった Provoked, angry and angry, the snake slipped towards Justin Finch-Fletchley, again raised his sickle neck, stripped his fangs and prepared for an attack.

ハリー は 、 何 が 自分 を 駆りたてた の か わから なかった し 、 何 か を 決心 した の か どう か さえ 意 識 が なかった 。 ||なん||じぶん||かりたてた||||||なん|||けっしん|||||||い|しき|| Harry didn't know what drove him, or even decided what he had decided to do. ただ 、 まるで 自分 の 足 に キャスター が ついた ように 、 体 が 前 に 進んで 行った こと 、 そして 、 ヘビ に 向かって バカ みたいに 叫んだ こと だけ は わかって いた 。 ||じぶん||あし||きゃすたー||||からだ||ぜん||すすんで|おこなった|||へび||むかって|ばか||さけんだ||||| I just knew that my body had moved forward, as if I had casters on my feet, and that I screamed like a fool at the snake.

「『 手 を 出す な 。 て||だす| "" Do not touch . 去れ !』」 され

すると 、 不思議な こと に ―― 説明 の しょうがない のだ が ―― ヘビ は 、 まるで 庭 の 水 撒き 用 の 太い ホース の ように おとなしく なり 、 床 に 平たく 丸まり 、 従順に ハリー を 見上げた 。 |ふしぎな|||せつめい|||||へび|||にわ||すい|まき|よう||ふとい|ほーす|||||とこ||ひらたく|まるまり|じゅうじゅんに|||みあげた Then, strangely-there was no explanation for it-the snake became calm, like a thick hose for watering the garden, curled flat on the floor, and looked up at Harry obediently. ハリー は 、 恐怖 が スーツ と 体 から 抜け落ちて いく の を 感じた 。 ||きょうふ||すーつ||からだ||ぬけおちて||||かんじた Harry felt the horror slipping out of his suit and body.

もう ヘビ は 誰 も 襲わ ない と わかって いた 。 |へび||だれ||おそわ|||| He knew that no one would attack snakes anymore. だが 、 なぜ そう 思った の か 、 ハリー に は 説明 でき なかった 。 |||おもった||||||せつめい||

ハリー は ジャスティン を 見て ニッコリ した 。 ||||みて|にっこり| Harry smiled at Justin. ジャスティン は 、 きっと ホッと した 顔 を して い る か 、 不思議 そうな 顔 か 、 あるいは 、 感謝 の 泰 情 を 見せる だろう と 思って いた ―― まさか 、 怒った 顔 、 恐怖 の 表情 を して いる と は 、 思い も よら なかった 。 |||ほっと||かお||||||ふしぎ|そう な|かお|||かんしゃ||ひろし|じょう||みせる|||おもって|||いかった|かお|きょうふ||ひょうじょう||||||おもい||| Justin was wondering if he had a relieved face, a mysterious face, or a feeling of gratitude--no way, an angry face, a horrified expression. I didn't expect it.

「 いったい 、 何 を 悪ふざけ して る んだ !」 ジャスティン が 叫んだ 。 |なん||わるふざけ||||||さけんだ

ハリー が 何 か 言う 前 に 、 ジャスティン は くるり と 背 を 向け 、 怒って 大広間 から 出て 行って し まった 。 ||なん||いう|ぜん||||||せ||むけ|いかって|おおひろま||でて|おこなって|| Before Harry could say anything, Justin turned around and angrily walked out of the hall.

スネイプ が 進み 出て 杖 を 振り 、 ヘビ は 、 ポッ と 黒い 煙 を 上げて 消え去った 。 ||すすみ|でて|つえ||ふり|へび||||くろい|けむり||あげて|きえさった

スネイプ も 、 ハリー が 思って も み なかった ような 、 鋭く 探る ような 目つき で こちら を 見て い る 。 ||||おもって|||||するどく|さぐる||めつき||||みて|| Snape is also looking at this with a sharp-eyed look that Harry never thought of.

ハリー は その 目つき が いやだった 。 |||めつき|| Harry did not like the look in his eyes. その 上 、 周り 中 が ヒソヒソ と 、 何やら 不吉な 話 を して い る のに ハリー は ぼんやり 気づいて いた 。 |うえ|まわり|なか||ひそひそ||なにやら|ふきつな|はなし|||||||||きづいて| Moreover, Harry was vaguely aware that everyone around him was whispering about something ominous.

その とき 、 誰 か が 後ろ から ハリー の 袖 を 引いた 。 ||だれ|||うしろ||||そで||ひいた

「 さあ 、 来て 」 ロン の 声 だ 。 |きて|||こえ|

「 行こう ―― さあ 、 来て ......」 ハリー の 耳 に ささやいた 。 いこう||きて|||みみ|| Let's go -- come on, come on. ...... I whispered into Harry's ear.

ロン が ハリー を ホール の 外 へ と 連れ出した 。 ||||ほーる||がい|||つれだした ハーマイオニー も 急いで ついてきた 。 ||いそいで|

三 人 が ドア を 通り抜ける とき 、 人垣 が 割れ 、 両側 に サッと 引いた 。 みっ|じん||どあ||とおりぬける||ひとがき||われ|りょうがわ||さっと|ひいた As the three of them walked through the door, the crowd broke and pulled to both sides.

まるで 病気 でも 移さ れる の が 怖い と でも いう か の ようだった 。 |びょうき||うつさ||||こわい|||||| It was as if I was afraid to be transferred even if I was ill. ハリー に は 何 が なんだか さっぱり わから ない 。 |||なん||||| Harry has no idea what it is. ロン も ハーマイオニー も 何も 説明 して は くれ なかった 。 ||||なにも|せつめい|||| 人気 の ない グリフィンドール の 談話 室 まで ハリー を 延々 引っ張って きて 、 ロン は ハリー を 肘 掛 椅子 に 座ら せ 、 初めて 口 を きい た 。 にんき|||||だんわ|しつ||||えんえん|ひっぱって||||||ひじ|かかり|いす||すわら||はじめて|くち||| Pulling Harry endlessly to the unpopular Gryffindor's lounge, Ron sat Harry in an armchair and spoke for the first time.

「 君 は パーセルマウス な んだ 。 きみ|||| "You are a parcel mouse. どうして 僕たち に 話して くれ なかった の !」 「 僕 が なん だって ?」 「 パーセルマウス だ よ !」 ロン が 繰り返した 。 |ぼくたち||はなして||||ぼく|||||||||くりかえした 「 君 は ヘビ と 話 が できる んだ !」 「 そうだ よ 」 ハリー が 忚 えた 。 きみ||へび||はなし||||そう だ|||||

「 でも 、 今度 で 二 度 目 だ よ 。 |こんど||ふた|たび|め|| "But this is the second time. 一 度 、 動物 園 で 偶然 、 大 ニシキヘビ を いとこ の ダドリー に けし かけた ―― 話せば 長い けど ―― その ヘビ が 、 ブラジル なんか 一 度 も 見た こと が ないって 僕 に 話しかけて 、 僕 が 、 そんな つもり は なかった のに 、 その ヘビ を 逃がして やった ような 結果 に なった んだ 。 ひと|たび|どうぶつ|えん||ぐうぜん|だい|||||||||はなせば|ながい|||へび||ぶらじる||ひと|たび||みた|||ない って|ぼく||はなしかけて|ぼく||||||||へび||にがして|||けっか||| 自分 が 魔法使い だって わかる 前 だった けど ......」 じぶん||まほうつかい|||ぜん|| That was before I knew I was a wizard. ......"

「 大 ニシキヘビ が 、 君 に 一 度 も ブラジル に 行った こと が ないって 話した の !」 ロン が 力なく 繰り返した 。 だい|||きみ||ひと|たび||ぶらじる||おこなった|||ない って|はなした||||ちからなく|くりかえした "The big python told you that he had never been to Brazil!" Ron repeated without help. 「 それ が どうかした の ? ここ に は そんな こと できる 人 、 掃いて 捨てる ほど いる だろう に 」 ||||||||||じん|はいて|すてる|||| "What's wrong with that? There are probably enough people here to sweep and throw away."

「 それ が 、 いない んだ 」 ロン が 言った 。 ||||||いった 「 そんな 能力 は ざらに は 持って いない 。 |のうりょく||||もって| "I don't have that kind of ability. ハリー 、 まずい よ 」

「 何 が まずい ん だい ?」 ハリー は かなり 腹 が 立った 。 なん||||||||はら||たった

「 みんな 、 どうかした んじゃ ない か ! 考えて も みて よ 。 |||||かんがえて||| What is wrong with you people? Think about it. もし 僕 が 、 ジャスティン を 襲う なって ヘビ に 言わ なけりゃ ――」 「 へえ 。 |ぼく||||おそう||へび||いわ|| If I had to tell the snake to attack Justin-- "" Hey. 君 は そう 言った の かい ?」 「 どういう 意味 ? 君 たち あの 場 に いたし ...... 僕 の 言う こと を 聞いた じゃ ない か 」 「 僕 、 君 が パーセルタング を 話す の は 聞いた 。 きみ|||いった||||いみ|きみ|||じょう|||ぼく||いう|||きいた||||ぼく|きみ||||はなす|||きいた Did you say that? "" What do you mean? You guys were there ... Didn't you hear what I said? "" I heard you speak Parcel tongue. つまり 蛇 語 だ 」 ロン が 言った 。 |へび|ご||||いった

「 君 が 何 を 話した か 、 他の 人 に は わかりゃ し ない んだ よ 。 きみ||なん||はなした||たの|じん||||||| "No one else knows what you said. ジャスティン が パニック した の も わかる な 。 ||ぱにっく||||| I can understand Justin's panic. 君ったら 、 まるで ヘビ を そそのかして る ような 感じ だった 。 きみ ったら||へび|||||かんじ| You felt like you were tempting a snake. あれ に は ゾッと した よ 」 |||ぞっと|| I was horrified at that. "

ハリー は まじまじ と ロン を 見た 。 ||||||みた

「 僕 が 違う 言葉 を しゃべったって ? だけど ―― 僕 、 気 が つか なかった ―― 自分 が 話せるって こと さえ 知ら ない のに 、 どうして そんな 言葉 が 話せる ん だい ?」  ロン は 首 を 振った 。 ぼく||ちがう|ことば||しゃべった って||ぼく|き||||じぶん||はなせる って|||しら|||||ことば||はなせる|||||くび||ふった "Did I speak a different language? But-I didn't realize it-I didn't even know I could speak, why can I speak such a word?" Ron shook his head. ロン も ハーマイオニー も 通夜 の 客 の ような 顔 を して いた 。 ||||つや||きゃく|||かお||| ハリー は 、 いったい 何 が そんなに 悪い こと な の か 理解 でき なかった 。 |||なん|||わるい|||||りかい|| Harry could not understand what was so bad about it.

「 あの ヘビ が 、 ジャスティン の 首 を 食いちぎる の を 止めた のに 、 いったい 何 が 悪い の か 教え て くれ ない か ? ジャスティン が 、『 首 無し 狩 』 に 参加 する は めに なら ず に すんだ んだ よ 。 |へび||||くび||くいちぎる|||とどめた|||なん||わるい|||おしえ|||||||くび|なし|か||さんか||||||||| "That snake stopped eating Justin's neck, but can you tell me what's wrong? Justin didn't want to participate in'Neckless Hunting'. That's right. ど う いう やり 方 で 止めた か なんて 、 問題 に なる の ?」 ||||かた||とどめた|||もんだい||| Is it a problem how to stop it? "

「 問題 に なる の よ 」 ハーマイオニー が やっと ヒソヒソ 声 で 話し出した 。 もんだい||||||||ひそひそ|こえ||はなしだした "It's going to be a problem," Hermione finally spoke in a whispering voice.

「 どうして か と いう と 、 サラザール ・ スリザリン は 、 ヘビ と 話 が できる こと で 有名だった か ら な の 。 ||||||||へび||はなし|||||ゆうめいだった|||| "Why is Salazar Slytherin famous for being able to talk to snakes? だ から スリザリン 寮 の シンボル が ヘビ でしょう 」 |||りょう||しんぼる||へび| That's why the Slytherin dormitory symbol is a snake."

ハリー は ポカン と 口 を 開けた 。 ||||くち||あけた

「 そう な んだ 。 I see. 今度 は 学校 中 が 君 の こと を 、 スリザリン の 曾々 々々 孫 だ と か なんとか 言い出 す だろう な ......」 ロン が 言った 。 こんど||がっこう|なか||きみ||||||そ々||まご|||||いいだ||||||いった

「 だけど 、 僕 は 違う 」 ハリー は 、 言いよう の ない 恐怖 に 駆られた 。 |ぼく||ちがう|||いいよう|||きょうふ||かられた "But I'm not." Harry was driven by an indescribable horror.

「 それ は 証明 し にくい こと ね 」 ハーマイオニー が 言った 。 ||しょうめい|||||||いった "It's hard to prove," Hermione said.

「 スリザリン は 千 年 ほど 前 に 生きて いた んだ から 、 あなた だ と いう 可能 性 も あり うる の よ 」 ||せん|とし||ぜん||いきて||||||||かのう|せい||||| "Since Slytherin lived about a thousand years ago, it could be you."