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火星の記憶 (The Memory of Mars) by Raymond F. Jones, パート14

パート 14

アリス は 彼 と 一緒に デッキ を うろついたり 、ほか の 乗客 の ゲーム を 肩 越し に のぞいたり 、いくつ も ある 望遠 スクリーン で 星 や 星雲 を 見たり して いた 。 その 一 つ を 見ている とき 、彼ら は はじめて 宇宙 空間 に 浮かぶ その 影 を 認めた のだった 。 最初 は 小さく しか 見え なかった が 、黒い 影 は ひとつ の 星 の 前 を 横切り 、その 星 を またたかせた 。 それ が メル の 注意 を 引いた 。 真っ暗な 宇宙 で またたく 星 。

間違い ない と 思って 、彼 は アリス の 注意 を それ に 向け させよう と した 。 「あそこ で なに か 動いて いる ぞ 」その とき まで に 影 は 小さな 黒い 弾丸 の ような 形 に なって いた 。

「 どこ ? なにも 見え ない けど 」

「いま 星 の かたまって いる ところ を 動いて いる 。 見ろ よ 、星 を 隠し ながら 動いて いる じゃないか 」

「別の 宇宙 船 だ わ ! 」と アリス は 叫んだ 。 「どきどき しちゃ うわね ! この 広大な 宇宙 で 別の 宇宙 船 と すれ違う なんて ! あれ 、どっから 来た の かしら 」 「そして どこ に 行く んだろう ね 」

星々 を 横切る 、その ゆっくり した 、正確な 動き を 二人 は 見つめた 。 数 分 後 に 乗務員 が そば を 通った 。 メル は 彼 を 呼び止め 、スクリーン を 指さした 。 「あの 船 は なん なんだい ? 乗務員 は 一目 で その 正体 が わかった ようだった 。 しかし すぐに 答えよう と は し なかった 。 「火星 定期 航路 船 です 」と 彼 は ようやく 言った 。 「もう 少し したら 船 の ドッキング と 乗り換え の アナウンス が あります 」 「 乗り換え ? 」メル は 不思議 そうに 訊いた 。 「乗り換え なんて 聞いて ない ぞ 」

「いいえ 、乗り換える んです 」と 乗務員 は 言った 。 「いま 乗って いる の は ただ の シャトル 便 です 。 われわれ は あの 定期 航路 船 に 移って 、残り の 旅 を する んです 。 切符 を お 求め に なった とき 、説明 が あった はずです よ 」彼 は 急いで その 場 を 離れた 。

切符 を 購入 した とき 、そんな 説明 は なかった と 、メル は 確信 を 持って 言う こと が できた 。 振り返って スクリーン に 戻る と 、黒い 宇宙 船 が マーシャン ・プリンセス 号 と の 接続 針路 に そって どんどん 近づき 、大きく なって いく のが 見えた 。

船 内 放送 が 突然 鳴り響いた 。 「船長 から ご 案内 します 。 乗客 の 皆様 は 全員 、シャトル から 火星 定期 航路 船 へ お 乗り換え の 準備 を なさって ください 。 手 荷物 を お まとめ くださいます よう お 願いします 。 船 倉 の お 荷物 は 皆様 に お渡し する こと なく 、移し替え いたします 。 ご 乗船 いただき 、まことに ありがとう ございました 。 本 船 は 十五 分 後 に 定期 航路 船 と 接続 する 予定 です 」

まわり の ざわめき 声 から メル は ほか の みんな も 驚いて いる こと を 知った 。 しかし 彼ら は 興奮 する だけ で 、疑問 に 思う こと は なかった 。

アリス で すら いま は 興奮 を つのらせて いた 。 ほか の 人々 が 、二人 が 見ている もの に 気づいて 、まわり に 集まってきた 。 「すごく 大きい わ 」と アリス が 小声 で 言った 。 「この 船 より はるかに 」

メル は 移動 して スクリーン の 前 の その 場所 を ほか の 人々 に 譲った 。 巨大な 黒い 宇宙 船 が 近づいて くる と 思う と 、胸騒ぎ は ますます 烈しく なった 。 彼 は 確信 した 、あの 宇宙船 は 真っ黒い 色 を している ぞ 、と 。 スクリーン が 白黒 だ から そう 見える ので は ない のだ 。

なん だって 宇宙 の ど真ん中 で 乗客 を 乗り換え させる のだろう 。 マーシャン ・プリンセス 号 は 充分に 火星 まで 旅 する こと が できる 。 実際 、もう 三 分 の 一 以上 の 航路 を 飛んで きた のだ 。 なぜ そう 感じる の か 、はっきり と は わから ない が 、なにか が おかしい 。 むろん コネモーラ 宇宙 航空 の ような 大 会社 が 五千 人 以上 の 搭乗客 に 不便 を かける ような やり方 は しない だろう 。 胸騒ぎ を 感じる なんて バカげて いる 、と 彼 は 思った 。

しかし 胸騒ぎ は 消え なかった 。

彼 は スクリーン に 群がる 人々 の ところ へ 戻り 、アリス の 腕 を 取って 、その 場 から 連れ出した 。

彼女 は いぶかる ように 彼 を 見た 。 「こんなに わくわく する こと って ない わ 。 わたし 、見て いたい んだ けど 」 「時間 が ない んだ 」と メル は 言った 。 「スーツケース に 入れる もの が たくさん ある だろう 。 下 の 部屋 に 戻ろう 」

「みんな だって 荷物 を まとめ なきゃ ならない の よ 。 急ぐ こと ない わ 」

「船長 は 十五 分 って 言って いた じゃないか 。 どん 尻 に なる の は ごめん だ ぜ 」

アリス は 不承不承 あと を ついて いった 。 彼ら の 部屋 は サロン から かなり 離れて いる 。 部屋 まで たどり着いた とき 、ほとんど 十五 分 が 過ぎて いた 。

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