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ヴァイオレット・エヴァーガーデン, Violet Evergarden Episode 6

Violet Evergarden Episode 6

( カイル ) おい リオン 見て みろ よ

大陸 中 から 来た 女 たち が こっち に 向かって くる ぜ

( リオン ) ただ の 代筆 屋 だ ろ ?

( カイル ) ああ 自動 手記 人形 な

客 の ため だけ に 美しい 言葉 を 書き出して くれる

美しい 女 たち だ

( リオン ) フンッ 美しく 飾る の は

金持ち と の 結婚 を 夢見る 女 が なる 職業 だ から だ と 聞いた が な

( リオン ) 請わ れれば 世界 の どこ へ でも 出向き ―

代筆 と いう 技 を 売り 歩く 女 たち

その ドール と いう 職業 を ―

俺 は 最初 訳 も 分から ず 嫌悪 し ―

そして いらだつ 自分 に 戸惑って いた

♪~

~♪

( ブルー ベル ) ヴァイオレット

( イベリス ) 久しぶり ね 元気 して た ?

( ヴァイオレット ) ブルーベル さん イベリス さん

ルクリア

( ルクリア ) ヴァイオレット

ドロッセル 王国 の 王女 様 の 代筆 ステキ だった わ

( イベリス ) ホント

私 も 記事 読んだ わ よ

あなた が 知り合い なんて 鼻 が 高い わ

どうした の ?

( ヴァイオレット ) いえ ありがとう ございます

大丈夫 ? ちょっと 元気 が ない みたいだ けど

ヴァイオレット

( ルベリエ ) えー 皆様

私 は この ユースティティア 天文 台

シェヘル 天文 本部 の 課長 ルベリエ と 申し ます

( ドール たち ) お初 に お目にかかり ます 旦那 様

( 職員 たち の どよめき )

( せきばらい )

( ルベリエ ) この シェヘル 天文 本部 は ―

ご覧 の ように 古今東西 の 天文 に 関する 書物 を 集めた ―

図書 館 を 併設 して おり ます

我が 写本 課 の 職員 は

本 1 冊 1 冊 の 状態 を 日々 保ち

もし 朽ちる もの が あれば

そこ に 記さ れた 記録 を 写し取って 保存 する と いう

とても 重要な 仕事 を 担って おり ます

まあ それ だけ であれば ―

写本 課 の 人員 だけ で 事 足りた のです が

先月 当方 に 大変 貴重な

けれど 非常に 保存 状態 の 悪い 書物 が

大量に 運び込ま れ ました

中 に は 一 度 ページ を めくれば 崩れて しまう ような もの まで ―

含ま れて おり ました

自動 手記 人形 の 皆様 80 名

我が 写本 課 の 職員 80 名

双方 1 名 ずつ が ペア と なり 解読 と 代筆 を 担当 いたし ます

期間 は 2 週間

失う こと の 許さ れ ない 貴重な 記録 を 後 の 世代 に 残す ため ―

皆様 どうか よろしく お 願い いたし ます

( ルベリエ ) えー 次

カイル ・ ゼーニヒ

フジミ 郵便 局 イベリス ・ コノウエ 様

よろしく お 願い し ます 旦那 様

あっ ああ … よろしく

( ルベリエ ) 次 リオン ・ ステファノティス

CH 郵便 社 ―

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン 様

( ヴァイオレット ) お初 に お目にかかり ます

お 客 様 が お 望み なら どこ でも 駆けつけ ます

自動 手記 人形 サービス

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン です

あっ ああ …

旦那 様 ?

どうした かね ? リオン 君

あっ ああ …

いえ 別に

次 …

( ドア が 開く 音 )

いい ! 座って ろ

( ヴァイオレット ) 失礼 いたし ました

( リオン ) いい

では 手始め に

共通 古典 語 で 書か れた この 本 から だ

400 年 前 に 観測 さ れた アリー 彗星 ( すいせい ) に ついて の 記述 から 入る

アリー 彗星 ?

( リオン ) そうだ

この アリー 彗星 は

ちょうど 200 年 周期 で 巡って くる 彗星 な んだ

まもなく ここ シャヘル 天文 台 でも 観測 さ れる 予定 だ

了解 し ました

( リオン ) で は 始める ( ヴァイオレット ) はい

言って おく が 俺 は 解読 が 速い

記述 が 追いつか ない よう なら お前 は 無用の 長 物 と …

ハッ !

心得て おり ます

あっ …

な … なら お 手並み 拝見 だ

“ 暗き 天 より 出 ( い ) で し その 光 の 矢 ”

“ 長き 尾 を 引き て 聖 バルバロッサ の 首 を 刈り き ―”

“ 故 アリアドナ 占星術 師 いわ く ―”

“ 光 の 矢 不吉 の 前触れ なり ”

“ その 輝く 光 の 過ぎ し あと 疫病 蔓延 ( まんえん ) し ―”

“ 王 の 崩御 が 国 を 揺るがす ”

“ 聖 バルバロッサ も また 同じく 光 の 矢 に 射 ぬか れて ―”

“ その 魂 と 躯 ( むくろ ) を 引き 剥がさ れ しか …”

“ 光 の 矢 の 出現 は ―”

“ アリアドナ の 言葉 に よら ば 過去 に も あり ”

“ 光 の 矢 の ゆえん は 妖精 国 の 王 ―”

“ ラインハルト の 嫁 取り と も いい ”

“ この 光 に 際して 死 せる 高貴なる 者 ”

“ 女 は ラインハルト の 側 妃 ( そく ひ ) に ”

“ 男 は 祝福 の 宴 ( うた げ ) の 貢ぎ物 と さ れる なり ”

ん っ …

あっ …

“ されば その 別離 は 悲劇 に あら ず ”

“ 永遠の 刻 ( とき ) 流れる 妖精 の 国 にて 新たな 器 を 授かり て ―”

“ その 魂 は 未来 永 劫 ( えい ごう ) 守ら れる が 故 に …”

旦那 様 どうぞ お 続け ください

う … うむ どうやら ついてこ られる ようだ な

“ されど 高貴なる 者 の 死 は 民 を 騒が しむ ”

“ 光 の 矢 走る 姿 を 見る 者 は 奇 行 多し …”

( ベル の 音 )

今日 は ここ まで だ

( ヴァイオレット )144 枚

旦那 様

予定 の およそ 3 日 分 の 仕事 量 です

すばらしい お 仕事 ぶり です

あっ そう

( ルベリエ ) 本日 の 進行 は 皆さん 非常に 順調です

最大 で 3 日 分 進んだ ペア も おり ます

この 調子 で ぜひ 明日 から の 作業 も 頑張って ください

( リオン ) なあ ―

何で あれ だけ の 代筆 を こなして ―

そんなに 元気な んだ ?

( ヴァイオレット ) 代筆 は ―

移動 に 比べれば さほど 疲労 する こと は あり ませ ん

私 たち ドール は いつでも どこ でも

お 客 様 の お 望み であれば 駆けつける の が 仕事 です

1 年 の ほとんど は 旅行 かばん を 手 に

あらゆる 交通 手段 で 移動 し ます

何で そんな 大変な 仕事 を して る んだ よ

私 に 与え られた 役目 だ から です

最初 は 任務 だ と 思って おり ました

ですが いろいろな お 客 様 の もと で その 思い を 紡ぐ

そして ―

時に このような 古い 書物 を 書いた 方 の 考え を 受け取って ―

それ を 書き記す と いう の は

とても 特別で …

すばらしい こと だ と 思える ように なり ました

そう だ な

( ヴァイオレット ) 果たして ―

私 は そのような すばらしい 仕事 に ふさわしい のでしょう か ?

あっ …

( ヴァイオレット ) 何 が おっしゃり たい のでしょう か ?

( 職員 ) リオン が パートナー で かわいそう だって こと だ よ

あいつ 鼻持ち なら ない 性格 だ ろ ?

( 職員 ) シャヘル の 寄付 が なけりゃ ―

ここ で 働く こと も でき ない 孤児 だった んだ

( 職員 ) 君 みたいに ステキな 女性 あいつ に は もったいない

だから 仕事 が 終わったら 僕たち の 所 へ

( ヴァイオレット ) 私 も 孤児 です それ に ―

( ヴァイオレット ) 私 も 孤児 です それ に ―

( リオン ) あっ …

( リオン ) あっ …

私 は 皆様 が おっしゃる ような ろくな 生き 方 も して おり ませ ん

文字 を 覚えた の も ここ 数 年 です

もし 生まれ や 育ち で ―

会話 を する 相手 が 限ら れる のでしたら ―

私 に は 関わら ない ほう が よい か と 思い ます

( 職員 ) いや 君 は 違う よ なあ ?

( 職員 ) そう さ あいつ の 母親 なんて …

( ヴァイオレット ) 私 は 親 の 顔 も 知り ませ ん

あっ …

( 職員 ) 君 リオン が パートナー だ から かばって る んだ ろ ?

いいえ 事実 を 言って いる だけ です

( 職員 たち ) あっ …

( 職員 ) 行こう 話 が 通じ ない よ

( ヴァイオレット ) 旦那 様 目当て の 本 は 見つかり ました か ?

( リオン ) あった

( ヴァイオレット ) 怒って いる のです か ?

え ? 怒って ない

こういう 顔 な んだ

( ヴァイオレット ) 私 は ―

無表情だ と よく 言わ れ ます

こういう 顔 です

少し 似て い ます ね

う っ …

( カイル ) そし たら 彼女 何て 言った と 思う ?

“ あなた 可愛い わ ね ” だって

く ー !

こりゃ 観測 に 誘う しか ないだ ろ !

おい 聞いて る か ? リオン ?

お互い 頑張ろう ぜ

あの 子 が 帰る 4 日 後 まで に

( リオン ) 昼食 の 時間 だ ぞ

どうして みんな と 一緒に 食べ ない んだ ?

( ヴァイオレット ) 習性 です

え ?

( ヴァイオレット ) 食べて いる とき と 寝て いる とき と いう の は ―

無防備です

敵 へ の 反応 が 遅れ ます

( リオン ) 敵 ?

( ヴァイオレット ) 私 は 昔 軍人 でした ので

( リオン ) 軍人 ?

おかしい でしょう か ?

お … おかしい !

だって どこ から 見て も ただ の 女 だ ろ

ただ の ?

ああ

ただ の 女 だ よ

見 たく ない か ?

200 年 周期 だ から 生きて る うち に もう 見る 機会 は ない ぞ

あっ アリー 彗星 だ

初日 の 写本 で 触れて あった 彗星 です ね

そう だ

見 たく ない か ?

と … とてつもなく 美しい んだ ぞ !

はい 見て みたいです

( リオン ) そう か !

なら 3 日 後 の 夜 2 時 に 宿舎 の 前 に 誘い に 行く

待って ろ

( カイル の くしゃみ )

( リオン ) ここ に 座れ

アリー 彗星 だ

彗星 の 尾 が 一 番 キレイ に 見える の が ―

日の出 前 の 東 の 空 だ

( ヴァイオレット ) 旦那 様 ( リオン ) いい

遠慮 する な

スープ も 飲んで ろ

( ヴァイオレット ) 旦那 様 は お 優しい のです ね

( リオン ) バカ を 言え ! 俺 は 優しく なんて ない

それ に 女 は 苦手だ 冷たく して いる

あっ ああ …

覚えて る か ? 図書 館 で いろいろ 言わ れた の

はい

あいつ ら の 言って いた こと は 本当だ

俺 の こと も 家 の こと も

俺 の 母親 は 流れ 者 の 旅 芸人 だった

いろんな 所 に 巡業 して ―

踊り や 歌 自分 の 才 を 披露 する

あの 人 は そうして この 街 の 男 に 恋 を して

子供 を 産んだ

それ が 俺 だ

今 思えば 幸せな いい 家族 だった と 思う

だが ある 日 父 が 帰って こ なく なった

シャヘル の 文献 収集 を 担当 して いた 父 は ―

大陸 中 を 回って 貴重な 書物 を 集めて いた

危険な 場所 へ 行く こと も 少なく ない 仕事 だった んだ

そして ある 仕事 の さなか ―

パッタリ と 消息 が 途絶えた

それ から 2 年 が 経ち 捜索 も 打ち切ら れる こと に なって …

( リオン ) お 母さん !

( リオン の 母 ) リオン !

待って て ね リオン

きっと 父さん と 一緒に 帰って くる から

( リオン ) イヤだ ! 行か ないで !

お 母さん ! お 母さん !

お 母さん

( リオン ) 誰 より も 父 を 愛して いた のだ から ―

当然の 選択 だった のだろう

だが 置いて いく 俺 の こと は 考えて は くれ なかった の か

その とき 俺 は 学んだ んだ

恋愛 と いう の は ―

人 を そんなふうな バカに おとしめて しまう

だから 俺 は …

( ヴァイオレット ) 旦那 様 は お 母 様 の こと が ―

とても 大切だった のです ね

そっち は どう な んだ ?

私 に は 血 の つながった 家族 は おり ませ ん

ただ …

ずっと 庇護 ( ひご ) して くださった 方 は おり ました

今 は 離ればなれです が …

その 人 と 離れて 寂しく ない の か ?

( ヴァイオレット ) “ 寂しい ” と いう の が どんな 気持ち な の か ―

私 に は 理解 でき ない のです

どういう 気持ち な の か は 分かって も ―

それ が 自分 に 生じて いる の か が 分かり ませ ん

本気で 言って る の か ?

( ヴァイオレット ) 私 は ウソ は つけ ませ ん

じゃあ その 人 の こと を 思い出す こと は ない か ?

( ヴァイオレット ) いつも ―

思い出し ます

( リオン ) 会え ない 日 が 続く と 胸 が グッと 重く なったり し ない か ?

( ヴァイオレット ) なり ます

( リオン ) ハハッ

それ が 寂し いって こと だ よ

それ が “ 寂しい ”?

私 は あの 方 と 離れて 寂しい と 感じて いた

あっ …

なあ もし 俺 と の 契約 期間 中 に その 人 が ―

危険な 状況 に 陥って いる って 聞か さ れたら どう する ?

行って も 助け られる か どう か 分から ない

それ でも そい つ の 所 へ 行く か ?

悪い 困ら せた な

( ヴァイオレット ) いいえ そう で は あり ませ ん

その 問い に は 選択肢 が なく ―

旦那 様 に どう 謝罪 しよう か と …

私 に とって あの 方 の 存在 は まるで 世界 そのもの で

それ が なくなる くらい なら 私 が 死んだ ほう が いい のです

いや 驚いた

お前 そういう こと 言わ な そうな のに

( ヴァイオレット ) そう な のでしょう か ?

それ じゃあ まるで …

まるで …

ハッ ! そう か

( リオン ) お前 そ いつ の こと 愛して …

( リオン ) お前 そ いつ の こと 愛して …

( ヴァイオレット ) 旦那 様

あの 彗星 尾 が 長く なって いる 気 が し ます

ん ?

( リオン ) あっ !

( リオン ) ヴァイオレット ! どう だ ? 見て る か ?

( ヴァイオレット ) はい 初めて 間近に 星 を 見 ました

星 じゃ ない ! 彗星 だ

俺 たち は もう 二度と あれ に 出会う こと は でき ない

人生 で たった 一 度 きり の 出会い な んだ

はい 見て い ます

すばらしい です

( ヴァイオレット ) “ その 別離 は 悲劇 に あら ず ”

“ 永遠の 刻 流れる 妖精 の 国 にて 新たな 器 を 授かり て ―”

“ その 魂 は 未来 永 劫 守ら れる が 故 に …”

( ルベリエ ) 皆様 ありがとう ございました

( 職員 ) ありがとう ( 職員 ) 気 を つけて な

お 世話に なり ました ー !

また 来 いよ

( ヴァイオレット ) 旦那 様 短い 間 でした が お 世話に なり ました

( リオン ) ああ

ヴァイオレット

はい

俺 は …

俺 は 今 写本 課 に いる が

本当 は 父さん と 同じ 文献 収集 を やって み たかった んだ

ここ で 待って いれば いつか 母 が 父 を ―

連れて 帰って くる んじゃ ない か って 期待 して

こんな 年 に なる まで 閉じこもり 続けた

ここ は それ が 可能だった し ―

俺 は それ を 望んで た

( 鐘 の 音 )

でも 今 決めた

俺 も お前 と 同じ ように 大陸 中 を 回る

危険な 目 に 遭う かも しれ ない

命 を 落とす かも しれ ない

でも … でも 俺 は その道 を 選ぼう と 思う

はい

( リオン ) そし たら いつか きっと ―

どこ か の 星空 の 下 で 会う こと が ある かも しれ ない

同じ 旅人 同士 だ

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン !

はい

う っ

くっ …

う っ …

その とき は また 一緒に 星 を 見て くれる か ?

なあ ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン !

( リオン ) 旅先 で 再び 彼女 と 会える 可能 性 は ―

どの くらい ある のだろう か ?

もう 一 度 あの 彗星 を 見上げる ほど の 確率 だろう か ?

それ でも 俺 は もう ためらう こと は ない だろう

閉じ込め られて いた 扉 の 向こう に 歩き だす 勇気 を ―

彼女 が くれた のだ から

( リオン ) いつか きっと …

♪~

~♪


Violet Evergarden Episode 6 violet|evergarden|episode Violet Evergarden Episode 6

( カイル ) おい リオン 見て みろ よ |||みて||

大陸 中 から 来た 女 たち が こっち に 向かって くる ぜ たいりく|なか||きた|おんな|||||むかって||

( リオン ) ただ の 代筆 屋 だ ろ ? |||だいひつ|や||

( カイル ) ああ 自動 手記 人形 な ||じどう|しゅき|にんぎょう|

客 の ため だけ に 美しい 言葉 を 書き出して くれる きゃく|||||うつくしい|ことば||かきだして|

美しい 女 たち だ うつくしい|おんな||

( リオン ) フンッ   美しく 飾る の は ||うつくしく|かざる||

金持ち と の 結婚 を 夢見る 女 が なる 職業 だ から だ と 聞いた が な かねもち|||けっこん||ゆめみる|おんな|||しょくぎょう|||||きいた||

( リオン ) 請わ れれば 世界 の どこ へ でも 出向き ― |こわ||せかい|||||でむき

代筆 と いう 技 を 売り 歩く 女 たち だいひつ|||わざ||うり|あるく|おんな|

その ドール と いう 職業 を ― |どーる|||しょくぎょう|

俺 は 最初 訳 も 分から ず 嫌悪 し ― おれ||さいしょ|やく||わから||けんお|

そして いらだつ 自分 に 戸惑って いた ||じぶん||とまどって|

♪~

~♪

( ブルー ベル ) ヴァイオレット ぶるー|べる|

( イベリス ) 久しぶり ね 元気 して た ? |ひさしぶり||げんき||

( ヴァイオレット ) ブルーベル さん イベリス さん

ルクリア

( ルクリア ) ヴァイオレット

ドロッセル 王国 の 王女 様 の 代筆 ステキ だった わ |おうこく||おうじょ|さま||だいひつ|すてき||

( イベリス ) ホント |ほんと

私 も 記事 読んだ わ よ わたくし||きじ|よんだ||

あなた が 知り合い なんて 鼻 が 高い わ ||しりあい||はな||たかい|

どうした の ?

( ヴァイオレット ) いえ ありがとう ございます

大丈夫 ? ちょっと 元気 が ない みたいだ けど だいじょうぶ||げんき||||

ヴァイオレット

( ルベリエ ) えー 皆様 ||みなさま

私 は この ユースティティア 天文 台 わたくし||||てんもん|だい

シェヘル 天文 本部 の 課長 ルベリエ と 申し ます |てんもん|ほんぶ||かちょう|||もうし|

( ドール たち ) お初 に お目にかかり ます 旦那 様 どーる||おはつ||おめにかかり||だんな|さま

( 職員 たち の どよめき ) しょくいん|||

( せきばらい )

( ルベリエ ) この シェヘル 天文 本部 は ― |||てんもん|ほんぶ|

ご覧 の ように 古今東西 の 天文 に 関する 書物 を 集めた ― ごらん|||ここんとうざい||てんもん||かんする|しょもつ||あつめた

図書 館 を 併設 して おり ます としょ|かん||へいせつ|||

我が 写本 課 の 職員 は わが|しゃほん|か||しょくいん|

本 1 冊 1 冊 の 状態 を 日々 保ち ほん|さつ|さつ||じょうたい||ひび|たもち

もし 朽ちる もの が あれば |くちる|||

そこ に 記さ れた 記録 を 写し取って 保存 する と いう ||しるさ||きろく||うつしとって|ほぞん|||

とても 重要な 仕事 を 担って おり ます |じゅうような|しごと||になって||

まあ それ だけ であれば ―

写本 課 の 人員 だけ で 事 足りた のです が しゃほん|か||じんいん|||こと|たりた||

先月 当方 に 大変 貴重な せんげつ|とうほう||たいへん|きちょうな

けれど 非常に 保存 状態 の 悪い 書物 が |ひじょうに|ほぞん|じょうたい||わるい|しょもつ|

大量に 運び込ま れ ました たいりょうに|はこびこま||

中 に は 一 度 ページ を めくれば 崩れて しまう ような もの まで ― なか|||ひと|たび|ぺーじ|||くずれて||||

含ま れて おり ました ふくま|||

自動 手記 人形 の 皆様 80 名 じどう|しゅき|にんぎょう||みなさま|な

我が 写本 課 の 職員 80 名 わが|しゃほん|か||しょくいん|な

双方 1 名 ずつ が ペア と なり 解読 と 代筆 を 担当 いたし ます そうほう|な|||ぺあ|||かいどく||だいひつ||たんとう||

期間 は 2 週間 きかん||しゅうかん

失う こと の 許さ れ ない 貴重な 記録 を 後 の 世代 に 残す ため ― うしなう|||ゆるさ|||きちょうな|きろく||あと||せだい||のこす|

皆様 どうか よろしく お 願い いたし ます みなさま||||ねがい||

( ルベリエ ) えー 次 ||つぎ

カイル ・ ゼーニヒ

フジミ 郵便 局 イベリス ・ コノウエ 様 |ゆうびん|きょく|||さま

よろしく お 願い し ます 旦那 様 ||ねがい|||だんな|さま

あっ ああ … よろしく

( ルベリエ ) 次 リオン ・ ステファノティス |つぎ||

CH 郵便 社 ― ch|ゆうびん|しゃ

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン 様 ||さま

( ヴァイオレット ) お初 に お目にかかり ます |おはつ||おめにかかり|

お 客 様 が お 望み なら どこ でも 駆けつけ ます |きゃく|さま|||のぞみ||||かけつけ|

自動 手記 人形 サービス じどう|しゅき|にんぎょう|さーびす

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン です

あっ ああ …

旦那 様 ? だんな|さま

どうした かね ? リオン 君 |||きみ

あっ ああ …

いえ 別に |べつに

次 … つぎ

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

いい ! 座って ろ |すわって|

( ヴァイオレット ) 失礼 いたし ました |しつれい||

( リオン ) いい

では 手始め に |てはじめ|

共通 古典 語 で 書か れた この 本 から だ きょうつう|こてん|ご||かか|||ほん||

400 年 前 に 観測 さ れた アリー 彗星 ( すいせい ) に ついて の 記述 から 入る とし|ぜん||かんそく||||すいせい|||||きじゅつ||はいる

アリー 彗星 ? |すいせい

( リオン ) そうだ |そう だ

この アリー 彗星 は ||すいせい|

ちょうど 200 年 周期 で 巡って くる 彗星 な んだ |とし|しゅうき||めぐって||すいせい||

まもなく ここ シャヘル 天文 台 でも 観測 さ れる 予定 だ |||てんもん|だい||かんそく|||よてい|

了解 し ました りょうかい||

( リオン ) で は 始める ( ヴァイオレット ) はい |||はじめる||

言って おく が 俺 は 解読 が 速い いって|||おれ||かいどく||はやい

記述 が 追いつか ない よう なら お前 は 無用の 長 物 と … きじゅつ||おいつか||||おまえ||むようの|ちょう|ぶつ|

ハッ !

心得て おり ます こころえて||

あっ …

な … なら お 手並み 拝見 だ |||てなみ|はいけん|

“ 暗き 天 より 出 ( い ) で し その 光 の 矢 ” くらき|てん||だ|||||ひかり||や

“ 長き 尾 を 引き て 聖 バルバロッサ の 首 を 刈り き ―” ながき|お||ひき||せい|||くび||かり|

“ 故 アリアドナ 占星術 師 いわ く ―” こ||せんせいじゅつ|し||

“ 光 の 矢 不吉 の 前触れ なり ” ひかり||や|ふきつ||まえぶれ|

“ その 輝く 光 の 過ぎ し あと 疫病 蔓延 ( まんえん ) し ―” |かがやく|ひかり||すぎ|||えきびょう|まんえん||

“ 王 の 崩御 が 国 を 揺るがす ” おう||ほうぎょ||くに||ゆるがす

“ 聖 バルバロッサ も また 同じく 光 の 矢 に 射 ぬか れて ―” せい||||おなじく|ひかり||や||い||

“ その 魂 と 躯 ( むくろ ) を 引き 剥がさ れ しか …” |たましい||く|||ひき|はがさ||

“ 光 の 矢 の 出現 は ―” ひかり||や||しゅつげん|

“ アリアドナ の 言葉 に よら ば 過去 に も あり ” ||ことば||||かこ|||

“ 光 の 矢 の ゆえん は 妖精 国 の 王 ―” ひかり||や||||ようせい|くに||おう

“ ラインハルト の 嫁 取り と も いい ” ||よめ|とり|||

“ この 光 に 際して 死 せる 高貴なる 者 ” |ひかり||さいして|し||こうきなる|もの

“ 女 は ラインハルト の 側 妃 ( そく ひ ) に ” おんな||||がわ|きさき|||

“ 男 は 祝福 の 宴 ( うた げ ) の 貢ぎ物 と さ れる なり ” おとこ||しゅくふく||えん||||みつぎもの||||

ん っ …

あっ …

“ されば その 別離 は 悲劇 に あら ず ” ||べつり||ひげき|||

“ 永遠の 刻 ( とき ) 流れる 妖精 の 国 にて 新たな 器 を 授かり て ―” えいえんの|きざ||ながれる|ようせい||くに||あらたな|うつわ||さずかり|

“ その 魂 は 未来 永 劫 ( えい ごう ) 守ら れる が 故 に …” |たましい||みらい|なが|ごう|||まもら|||こ|

旦那 様 どうぞ お 続け ください だんな|さま|||つづけ|

う … うむ どうやら ついてこ られる ようだ な

“ されど 高貴なる 者 の 死 は 民 を 騒が しむ ” |こうきなる|もの||し||たみ||さわが|

“ 光 の 矢 走る 姿 を 見る 者 は 奇 行 多し …” ひかり||や|はしる|すがた||みる|もの||き|ぎょう|おおし

( ベル の 音 ) べる||おと

今日 は ここ まで だ きょう||||

( ヴァイオレット )144 枚 |まい

旦那 様 だんな|さま

予定 の およそ 3 日 分 の 仕事 量 です よてい|||ひ|ぶん||しごと|りょう|

すばらしい お 仕事 ぶり です ||しごと||

あっ そう

( ルベリエ ) 本日 の 進行 は 皆さん 非常に 順調です |ほんじつ||しんこう||みなさん|ひじょうに|じゅんちょうです

最大 で 3 日 分 進んだ ペア も おり ます さいだい||ひ|ぶん|すすんだ|ぺあ|||

この 調子 で ぜひ 明日 から の 作業 も 頑張って ください |ちょうし|||あした|||さぎょう||がんばって|

( リオン ) なあ ―

何で あれ だけ の 代筆 を こなして ― なんで||||だいひつ||

そんなに 元気な んだ ? |げんきな|

( ヴァイオレット ) 代筆 は ― |だいひつ|

移動 に 比べれば さほど 疲労 する こと は あり ませ ん いどう||くらべれば||ひろう||||||

私 たち ドール は いつでも どこ でも わたくし||どーる||||

お 客 様 の お 望み であれば 駆けつける の が 仕事 です |きゃく|さま|||のぞみ||かけつける|||しごと|

1 年 の ほとんど は 旅行 かばん を 手 に とし||||りょこう|||て|

あらゆる 交通 手段 で 移動 し ます |こうつう|しゅだん||いどう||

何で そんな 大変な 仕事 を して る んだ よ なんで||たいへんな|しごと|||||

私 に 与え られた 役目 だ から です わたくし||あたえ||やくめ|||

最初 は 任務 だ と 思って おり ました さいしょ||にんむ|||おもって||

ですが いろいろな お 客 様 の もと で その 思い を 紡ぐ |||きゃく|さま|||||おもい||つむぐ

そして ―

時に このような 古い 書物 を 書いた 方 の 考え を 受け取って ― ときに||ふるい|しょもつ||かいた|かた||かんがえ||うけとって

それ を 書き記す と いう の は ||かきしるす||||

とても 特別で … |とくべつで

すばらしい こと だ と 思える ように なり ました ||||おもえる|||

そう だ な

( ヴァイオレット ) 果たして ― |はたして

私 は そのような すばらしい 仕事 に ふさわしい のでしょう か ? わたくし||||しごと||||

あっ …

( ヴァイオレット ) 何 が おっしゃり たい のでしょう か ? |なん|||||

( 職員 ) リオン が パートナー で かわいそう だって こと だ よ しょくいん|||ぱーとなー||||||

あいつ 鼻持ち なら ない 性格 だ ろ ? |はなもち|||せいかく||

( 職員 ) シャヘル の 寄付 が なけりゃ ― しょくいん|||きふ||

ここ で 働く こと も でき ない 孤児 だった んだ ||はたらく|||||こじ||

( 職員 ) 君 みたいに ステキな 女性 あいつ に は もったいない しょくいん|きみ||すてきな|じょせい||||

だから 仕事 が 終わったら 僕たち の 所 へ |しごと||おわったら|ぼくたち||しょ|

( ヴァイオレット ) 私 も 孤児 です   それ に ― |わたくし||こじ|||

( ヴァイオレット ) 私 も 孤児 です   それ に ― |わたくし||こじ|||

( リオン ) あっ …

( リオン ) あっ …

私 は 皆様 が おっしゃる ような ろくな 生き 方 も して おり ませ ん わたくし||みなさま|||||いき|かた|||||

文字 を 覚えた の も ここ 数 年 です もじ||おぼえた||||すう|とし|

もし 生まれ や 育ち で ― |うまれ||そだち|

会話 を する 相手 が 限ら れる のでしたら ― かいわ|||あいて||かぎら||

私 に は 関わら ない ほう が よい か と 思い ます わたくし|||かかわら|||||||おもい|

( 職員 ) いや 君 は 違う よ   なあ ? しょくいん||きみ||ちがう||

( 職員 ) そう さ   あいつ の 母親 なんて … しょくいん|||||ははおや|

( ヴァイオレット ) 私 は 親 の 顔 も 知り ませ ん |わたくし||おや||かお||しり||

あっ …

( 職員 ) 君 リオン が パートナー だ から かばって る んだ ろ ? しょくいん|きみ|||ぱーとなー||||||

いいえ 事実 を 言って いる だけ です |じじつ||いって|||

( 職員 たち ) あっ … しょくいん||

( 職員 ) 行こう   話 が 通じ ない よ しょくいん|いこう|はなし||つうじ||

( ヴァイオレット ) 旦那 様 目当て の 本 は 見つかり ました か ? |だんな|さま|めあて||ほん||みつかり||

( リオン ) あった

( ヴァイオレット ) 怒って いる のです か ? |いかって|||

え ? 怒って ない |いかって|

こういう 顔 な んだ |かお||

( ヴァイオレット ) 私 は ― |わたくし|

無表情だ と よく 言わ れ ます むひょうじょうだ|||いわ||

こういう 顔 です |かお|

少し 似て い ます ね すこし|にて|||

う っ …

( カイル ) そし たら 彼女 何て 言った と 思う ? |||かのじょ|なんて|いった||おもう

“ あなた 可愛い わ ね ” だって |かわいい|||

く ー ! |-

こりゃ 観測 に 誘う しか ないだ ろ ! |かんそく||さそう|||

おい 聞いて る か ? リオン ? |きいて|||

お互い 頑張ろう ぜ おたがい|がんばろう|

あの 子 が 帰る 4 日 後 まで に |こ||かえる|ひ|あと||

( リオン ) 昼食 の 時間 だ ぞ |ちゅうしょく||じかん||

どうして みんな と 一緒に 食べ ない んだ ? |||いっしょに|たべ||

( ヴァイオレット ) 習性 です |しゅうせい|

え ?

( ヴァイオレット ) 食べて いる とき と 寝て いる とき と いう の は ― |たべて||||ねて||||||

無防備です むぼうびです

敵 へ の 反応 が 遅れ ます てき|||はんのう||おくれ|

( リオン ) 敵 ? |てき

( ヴァイオレット ) 私 は 昔 軍人 でした ので |わたくし||むかし|ぐんじん||

( リオン ) 軍人 ? |ぐんじん

おかしい でしょう か ?

お … おかしい !

だって どこ から 見て も ただ の 女 だ ろ |||みて||||おんな||

ただ の ?

ああ

ただ の 女 だ よ ||おんな||

見 たく ない か ? み|||

200 年 周期 だ から 生きて る うち に もう 見る 機会 は ない ぞ とし|しゅうき|||いきて|||||みる|きかい|||

あっ アリー 彗星 だ ||すいせい|

初日 の 写本 で 触れて あった 彗星 です ね しょにち||しゃほん||ふれて||すいせい||

そう だ

見 たく ない か ? み|||

と … とてつもなく 美しい んだ ぞ ! ||うつくしい||

はい 見て みたいです |みて|

( リオン ) そう か !

なら 3 日 後 の 夜 2 時 に 宿舎 の 前 に 誘い に 行く |ひ|あと||よ|じ||しゅくしゃ||ぜん||さそい||いく

待って ろ まって|

( カイル の くしゃみ )

( リオン ) ここ に 座れ |||すわれ

アリー 彗星 だ |すいせい|

彗星 の 尾 が 一 番 キレイ に 見える の が ― すいせい||お||ひと|ばん|||みえる||

日の出 前 の 東 の 空 だ ひので|ぜん||ひがし||から|

( ヴァイオレット ) 旦那 様 ( リオン ) いい |だんな|さま||

遠慮 する な えんりょ||

スープ も 飲んで ろ すーぷ||のんで|

( ヴァイオレット ) 旦那 様 は お 優しい のです ね |だんな|さま|||やさしい||

( リオン ) バカ を 言え ! 俺 は 優しく なんて ない |ばか||いえ|おれ||やさしく||

それ に 女 は 苦手だ 冷たく して いる ||おんな||にがてだ|つめたく||

あっ ああ …

覚えて る か ? 図書 館 で いろいろ 言わ れた の おぼえて|||としょ|かん|||いわ||

はい

あいつ ら の 言って いた こと は 本当だ |||いって||||ほんとうだ

俺 の こと も 家 の こと も おれ||||いえ|||

俺 の 母親 は 流れ 者 の 旅 芸人 だった おれ||ははおや||ながれ|もの||たび|げいにん|

いろんな 所 に 巡業 して ― |しょ||じゅんぎょう|

踊り や 歌 自分 の 才 を 披露 する おどり||うた|じぶん||さい||ひろう|

あの 人 は そうして この 街 の 男 に 恋 を して |じん||||がい||おとこ||こい||

子供 を 産んだ こども||うんだ

それ が 俺 だ ||おれ|

今 思えば 幸せな いい 家族 だった と 思う いま|おもえば|しあわせな||かぞく|||おもう

だが ある 日 父 が 帰って こ なく なった ||ひ|ちち||かえって|||

シャヘル の 文献 収集 を 担当 して いた 父 は ― ||ぶんけん|しゅうしゅう||たんとう|||ちち|

大陸 中 を 回って 貴重な 書物 を 集めて いた たいりく|なか||まわって|きちょうな|しょもつ||あつめて|

危険な 場所 へ 行く こと も 少なく ない 仕事 だった んだ きけんな|ばしょ||いく|||すくなく||しごと||

そして ある 仕事 の さなか ― ||しごと||

パッタリ と 消息 が 途絶えた ぱったり||しょうそく||とだえた

それ から 2 年 が 経ち 捜索 も 打ち切ら れる こと に なって … ||とし||たち|そうさく||うちきら||||

( リオン ) お 母さん ! ||かあさん

( リオン の 母 ) リオン ! ||はは|

待って て ね リオン まって|||

きっと 父さん と 一緒に 帰って くる から |とうさん||いっしょに|かえって||

( リオン ) イヤだ ! 行か ないで ! |いやだ|いか|

お 母さん ! お 母さん ! |かあさん||かあさん

お 母さん |かあさん

( リオン ) 誰 より も 父 を 愛して いた のだ から ― |だれ|||ちち||あいして|||

当然の 選択 だった のだろう とうぜんの|せんたく||

だが 置いて いく 俺 の こと は 考えて は くれ なかった の か |おいて||おれ||||かんがえて|||||

その とき 俺 は 学んだ んだ ||おれ||まなんだ|

恋愛 と いう の は ― れんあい||||

人 を そんなふうな バカに おとしめて しまう じん|||ばかに||

だから 俺 は … |おれ|

( ヴァイオレット ) 旦那 様 は お 母 様 の こと が ― |だんな|さま|||はは|さま|||

とても 大切だった のです ね |たいせつだった||

そっち は どう な んだ ?

私 に は 血 の つながった 家族 は おり ませ ん わたくし|||ち|||かぞく||||

ただ …

ずっと 庇護 ( ひご ) して くださった 方 は おり ました |ひご||||かた|||

今 は 離ればなれです が … いま||はなればなれです|

その 人 と 離れて 寂しく ない の か ? |じん||はなれて|さびしく|||

( ヴァイオレット ) “ 寂しい ” と いう の が どんな 気持ち な の か ― |さびしい||||||きもち|||

私 に は 理解 でき ない のです わたくし|||りかい|||

どういう 気持ち な の か は 分かって も ― |きもち|||||わかって|

それ が 自分 に 生じて いる の か が 分かり ませ ん ||じぶん||しょうじて|||||わかり||

本気で 言って る の か ? ほんきで|いって|||

( ヴァイオレット ) 私 は ウソ は つけ ませ ん |わたくし||うそ||||

じゃあ その 人 の こと を 思い出す こと は ない か ? ||じん||||おもいだす||||

( ヴァイオレット ) いつも ―

思い出し ます おもいだし|

( リオン ) 会え ない 日 が 続く と 胸 が グッと 重く なったり し ない か ? |あえ||ひ||つづく||むね||ぐっと|おもく||||

( ヴァイオレット ) なり ます

( リオン ) ハハッ

それ が 寂し いって こと だ よ ||さびし||||

それ が “ 寂しい ”? ||さびしい

私 は あの 方 と 離れて 寂しい と 感じて いた わたくし|||かた||はなれて|さびしい||かんじて|

あっ …

なあ もし 俺 と の 契約 期間 中 に その 人 が ― ||おれ|||けいやく|きかん|なか|||じん|

危険な 状況 に 陥って いる って 聞か さ れたら どう する ? きけんな|じょうきょう||おちいって|||きか||||

行って も 助け られる か どう か 分から ない おこなって||たすけ|||||わから|

それ でも そい つ の 所 へ 行く か ? |||||しょ||いく|

悪い   困ら せた な わるい|こまら||

( ヴァイオレット ) いいえ そう で は あり ませ ん

その 問い に は 選択肢 が なく ― |とい|||せんたくし||

旦那 様 に どう 謝罪 しよう か と … だんな|さま|||しゃざい|||

私 に とって あの 方 の 存在 は まるで 世界 そのもの で わたくし||||かた||そんざい|||せかい|その もの|

それ が なくなる くらい なら 私 が 死んだ ほう が いい のです |||||わたくし||しんだ||||

いや 驚いた |おどろいた

お前 そういう こと 言わ な そうな のに おまえ|||いわ||そう な|

( ヴァイオレット ) そう な のでしょう か ?

それ じゃあ まるで …

まるで …

ハッ ! そう か

( リオン ) お前 そ いつ の こと 愛して … |おまえ|||||あいして

( リオン ) お前 そ いつ の こと 愛して … |おまえ|||||あいして

( ヴァイオレット ) 旦那 様 |だんな|さま

あの 彗星 尾 が 長く なって いる 気 が し ます |すいせい|お||ながく|||き|||

ん ?

( リオン ) あっ !

( リオン ) ヴァイオレット ! どう だ ? 見て る か ? ||||みて||

( ヴァイオレット ) はい 初めて 間近に 星 を 見 ました ||はじめて|まぢかに|ほし||み|

星 じゃ ない ! 彗星 だ ほし|||すいせい|

俺 たち は もう 二度と あれ に 出会う こと は でき ない おれ||||にどと|||であう||||

人生 で たった 一 度 きり の 出会い な んだ じんせい|||ひと|たび|||であい||

はい 見て い ます |みて||

すばらしい です

( ヴァイオレット ) “ その 別離 は 悲劇 に あら ず ” ||べつり||ひげき|||

“ 永遠の 刻 流れる 妖精 の 国 にて 新たな 器 を 授かり て ―” えいえんの|きざ|ながれる|ようせい||くに||あらたな|うつわ||さずかり|

“ その 魂 は 未来 永 劫 守ら れる が 故 に …” |たましい||みらい|なが|ごう|まもら|||こ|

( ルベリエ ) 皆様 ありがとう ございました |みなさま||

( 職員 ) ありがとう ( 職員 ) 気 を つけて な しょくいん||しょくいん|き|||

お 世話に なり ました ー ! |せわに|||-

また 来 いよ |らい|

( ヴァイオレット ) 旦那 様 短い 間 でした が お 世話に なり ました |だんな|さま|みじかい|あいだ||||せわに||

( リオン ) ああ

ヴァイオレット

はい

俺 は … おれ|

俺 は 今 写本 課 に いる が おれ||いま|しゃほん|か|||

本当 は 父さん と 同じ 文献 収集 を やって み たかった んだ ほんとう||とうさん||おなじ|ぶんけん|しゅうしゅう|||||

ここ で 待って いれば いつか 母 が 父 を ― ||まって|||はは||ちち|

連れて 帰って くる んじゃ ない か って 期待 して つれて|かえって||||||きたい|

こんな 年 に なる まで 閉じこもり 続けた |とし||||とじこもり|つづけた

ここ は それ が 可能だった し ― ||||かのうだった|

俺 は それ を 望んで た おれ||||のぞんで|

( 鐘 の 音 ) かね||おと

でも 今 決めた |いま|きめた

俺 も お前 と 同じ ように 大陸 中 を 回る おれ||おまえ||おなじ||たいりく|なか||まわる

危険な 目 に 遭う かも しれ ない きけんな|め||あう|||

命 を 落とす かも しれ ない いのち||おとす|||

でも … でも 俺 は その道 を 選ぼう と 思う ||おれ||そのみち||えらぼう||おもう

はい

( リオン ) そし たら いつか きっと ―

どこ か の 星空 の 下 で 会う こと が ある かも しれ ない |||ほしぞら||した||あう||||||

同じ 旅人 同士 だ おなじ|たびびと|どうし|

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン !

はい

う っ

くっ …

う っ …

その とき は また 一緒に 星 を 見て くれる か ? ||||いっしょに|ほし||みて||

なあ ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン !

( リオン ) 旅先 で 再び 彼女 と 会える 可能 性 は ― |たびさき||ふたたび|かのじょ||あえる|かのう|せい|

どの くらい ある のだろう か ?

もう 一 度 あの 彗星 を 見上げる ほど の 確率 だろう か ? |ひと|たび||すいせい||みあげる|||かくりつ||

それ でも 俺 は もう ためらう こと は ない だろう ||おれ|||||||

閉じ込め られて いた 扉 の 向こう に 歩き だす 勇気 を ― とじこめ|||とびら||むこう||あるき||ゆうき|

彼女 が くれた のだ から かのじょ||||

( リオン ) いつか きっと …

♪~

~♪