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1 - Harry Potter, 9.2 真 夜中 の 決闘

9.2 真 夜中 の 決闘

「 まさか 」

夕食 時 だった 。 マクゴナガル 先生 に 連れられて グラウンド を 離れて から 何 が あった か 、 ハリ - は ロン に 話して 聞か せた 。 ロン は ステーキ ・ キドニーパイ を 口 に 入れよう と した ところ だった が 、 そんな こと は すっかり 忘れて 叫んだ 。

「 シーカー だって ? だけど 一 年生 は 絶対 ダメだ と …… なら 、 君 は 最 年少 の 寮 代表 選手 だ よ 。 ここ 何 年 来 かな ……」

「…… 百 年 ぶり だって 。 ウッド が そう 言って た よ 」

ハリー は パイ を 掻き 込む ように 食べて いた 。 大 興奮 の 午後 だった ので 、 ひどく お腹 が 空いて いた 。

あまりに 驚いて 、 感動 して 、 ロン は ただ ボーッ と ハリー を 見つめる ばかりだった 。

「 来週 から 練習 が 始まる んだ 。 でも 誰 に も 言う な よ 。 ウッド は 秘密に して おきたい んだって 」 その 時 、 双子 の ウィーズリー が ホール に 入って きて 、 ハリー を 見つける と 足早に やってきた 。 「 すごい な 」 ジョージ が 低い 声 で 言った 。 「 ウッド から 聞いた よ 。 僕たち も 選手 だ ── ビーター だ 」

「 今年 の クィディッチ ・ カップ は いただき だ ぜ 」 と フレッド が 言った 。 「 チャーリー が い なく なって から 、 一 度 も 取って ない んだ よ 。 だけど 今年 は 抜群 の チーム に なり そうだ 。 ハリー 、 君 は よっぽど すごい んだ ね 。 ウッド と きたら 小躍り して た ぜ 」

「 じゃあ な 、 僕たち 行か なくちゃ 。 リー ・ ジョーダン が 学校 を 出る 秘密の 抜け道 を 見つけた って 言う んだ 」 「 それって 僕たち が 最初の 週 に 見つけ ち まった やつ だ と 思う けど ね 。 きっと 『 お べん ちゃ ら の グレゴリー 』 の 銅像 の 裏 に ある ヤツ さ 。 じゃ 、 また な 」

フレッド と ジョージ が 消える やいなや 、 会いたく も ない 顔 が 現れた 。 クラップ と ゴイル を 従えた マルフォイ だ 。

「 ポッター 、 最後 の 食事 かい ? マグル の ところ に 帰る 汽車 に いつ 乗る ん だい ? 」 「 地上 で は やけに 元気だ ね 。 小さな お 友達 も いる し ね 」

ハリー は 冷ややかに 言った 。 クラップ も ゴイル も どう 見た って 小さく は ない が 、 上座 の テーブル に は 先生 が ズラリ と 座って いる ので 、 二 人 と も 握り拳 を ボキボキ 鳴らし 、 にらみつける こと しか でき なかった 。 「 僕 一 人 で いつ だって 相手 に なろう じゃ ない か 。 ご 所望 なら 今夜 だって いい 。 魔法使い の 決闘 だ 。 杖 だけ だ ── 相手 に は 触れ ない 。 どうし たんだい ? 魔法使い の 決闘 なんて 開いた こと も ない んじゃ ない の ? 」 マルフォイ が 言った 。

「 もちろん ある さ 。 僕 が 介添人 を する 。 お前 の は 誰 だい ? 」 ロン が 口 を はさんだ 。

マルフォイ は クラップ と ゴイル の 大き さ を 比べる ように 二 人 を 見た 。

「 クラップ だ 。 真 夜中 で いいね ? トロフィー 室 に しよう 。 いつも 鍵 が 開いて る んで ね 」

マルフォイ が い なく なる と 、 二 人 は 顔 を 見合わせた 。

「 魔法使い の 決闘 って 何 だい ? 君 が 僕 の 介添人 って どういう こと ? 」 「 介添人 って いう の は 、 君 が 死んだら かわり に 僕 が 戦う と いう 意味 さ 」 すっかり 冷めて しまった 食べ かけ の パイ を ようやく 口 に 入れ ながら 、 ロン は 気軽に 言った 。 ハリー の 顔色 が 変わった の を 見て 、 ロン は あわてて つけ加えた 。

「 死ぬ の は 、 本当の 魔法使い 同士 の 本格 的な 決闘 の 場合 だけ だ よ 。 君 と マルフォイ だったら せいぜい 火花 を ぶつけ合う 程度 だ よ 。 二 人 と も 、 まだ 相手 に 本当の ダメージ を 与える ような 魔法 なんて 使え ない 。 マルフォイ は きっと 君 が 断る と 思って いた んだ よ 」

「 もし 僕 が 杖 を 振って も 何も 起こら なかったら ? 」 「 杖 なんか 捨てちゃ え 。 鼻 に パンチ を 食らわ せろ 」 ロン の 意見 だ 。

「 ちょっと 、 失礼 」

二 人 が 見上げる と 、 今度 は ハーマイオニー ・ グレンジャー だった 。

「 まったく 、 ここ じゃ 落ち着いて 食べる こと も でき ない んです か ね ? 」 と ロン が 言う 。

ハーマイオニー は ロン を 無視 して 、 ハリー に 話しかけた 。

「 聞く つもり は なかった んだ けど 、 あなた と マルフォイ の 話 が 聞こえちゃった の ……」 「 聞く つもり が あった んじゃ ない の 」 ロン が つぶやいた 。 「…… 夜 、 校 内 を ウロウロ する の は 絶対 ダメ 。 もし 捕まったら グリフィンドール が 何 点 減点 さ れる か 考えて よ 。 それ に 捕まる に 決まって る わ 。 まったく なんて 自分勝手な の 」

「 まったく 大き なお 世話 だよ 」 ハリー が 言い返した 。

「 バイバイ 」 ロン が とどめ を 刺した 。

いずれ に して も 、「 終わり よければ すべて よし 」 の 一 日 に は なら なかった な と 考え ながら 、 ハリー は その 夜 遅く 、 ベッド に 横 に なり 、 ディーン と シェーマス の 寝息 を 聞いて いた ( ネビル は まだ 医務 室 から 帰って きて いない )。 ロン は 夕食 後 つききり で ハリー に 知恵 を つけて くれた 。

「 呪い を 防ぐ 方法 は 忘れちゃった から 、 もし 呪い を かけられたら 身 を かわせ 」 など など 。 フィルチ や ミセス ・ ノリス に 見つかる 恐れ も 大いに あった 。 同じ 日 に 二 度 も 校則 を 破る なんて 、 あぶない 運 試し だ と いう 気 が した 。 しかし 、 せ せら 笑う ような マルフォイ の 顔 が 暗闇 の 中 に 浮かび上がって くる ── 今 こそ マルフォイ を 一 対 一 で やっつける また と ない チャンス だ 。 逃して なる もの か 。

「 十一 時 半 だ 。 そろそろ 行く か 」 ロン が ささやいた 。

二 人 は パジャマ の 上 に ガウン を 引っ掛け 、 杖 を 手 に 、 寝室 を はって 横切り 、 塔 の らせん 階段 を 下り 、 グリフィンドール の 談話 室 に 下りて きた 。 暖炉 に は まだ わずかに 残り 火 が 燃え 、 ひじ かけ 椅子 が 弓なり の 黒い 影 に 見えた 。 出口 の 肖像 画 の 穴 に 入ろう と した 時 、 一 番 近く の 椅子 から 声 が した 。

「 ハリー 、 まさか あなた が こんな こと する と は 思わ なかった わ 」

ランプ が ポッ と 現れた 。 ハーマイオニー だ 。 ピンク の ガウン を 着て しかめ 面 を して いる 。

「 また 君 か ! ベッド に 戻れ よ ! 」 ロン が カンカン に なって 言った 。

「 本当 は あんた の お 兄さん に 言おう か と 思った の よ 。 パーシー に 。 監督 生 だ から 、 絶対 に 止め させる わ 」 ハーマイオニー は 容赦 なく 言った 。

ハリー は ここ まで お節介 な の が 世の中 に いる なんて 信じられ なかった 。 「 行く ぞ 」 と ロン に 声 を かける と 、 ハリー は 「 太った 婦人 の 肖像 画 」 を 押し 開け 、 その 穴 を 乗り越えた 。

そんな こと で あきらめる ハーマイオニー で は ない 。 ロン に 続いて 肖像 画 の 穴 を 乗り越え 、 二 人 に 向かって 怒った アヒル の ように 、 ガーガー 言い 続けた 。

「 グリフィンドール が どう なる か 気 に なら ない の ? 自分 の こと ばっかり 気 に して 。 スリザリン が 寮 杯 を 取る なんて 私 は いや よ 。 私 が 変身 呪文 を 知って た おかげ で マクゴナガル 先生 が くださった 点数 を 、 あなた たち が ご破算 に する んだ わ 」

「 あっち へ 行け よ 」 「 いい わ 。 ちゃん と 忠告 しました から ね 。 明日 家 に 帰る 汽車 の 中 で 私 の 言った こと を 思い出す でしょう よ 。 あなた たち は 本当に ……」

本当に 何 な の か 、 その あと は 聞け ず じまい だった 。 ハーマイオニー が 中 に 戻ろう と 後ろ を 向く と 、 肖像 画 が なかった 。 太った 婦人 は 夜 の お出かけ で 、 ハーマイオニー は グリフィンドール 塔 から 締め出されて しまった のだ 。 「 さあ 、 どうして くれる の ? 」 ハーマイオニー は けたたましい 声 で 問い詰めた 。

「 知った こと か 」 と ロン が 言った 。 「 僕たち は もう 行か なき や 。 遅れちゃ うよ 」

廊下 の 入口 に さえ たどり着か ない うち に 、 ハーマイオニー が 追いついた 。

「 一緒に 行く わ 」

「 ダメ 。 来る な よ 」

「 ここ に 突っ立って フィルチ に 捕まる の を 待って ろ って いう の ? 二 人 と も 見つかったら 、 私 、 フィルチ に 本当の こと を 言う わ 。 私 は あなた たち を 止めよう と したって 。 あなた たち 、 わたし の 証人 に なる の よ 」

「 君 、 相当 の 神経 して る ぜ ……」 ロン が 大声 を 出した 。

「 シッ 。 二 人 と も 静かに 。 なんか 聞こえる ぞ 」

ハリー が 短く 言った 。 喚 ぎ 回って いる ような 音 だ 。

「 ミセス ・ ノリス か ? 」 暗がり を 透かし 見 ながら 、 ロン が ヒソヒソ 声 で 言った 。 ミセス ・ ノリス で は ない 。 ネビル だった 。 床 に 丸まって グッスリ と 眠って いた が 、 三 人 が 忍び寄る と ビクッ と 目 を 覚ました 。

「 ああ よかった ! 見つけて くれて 。 もう 何 時間 も ここ に いる んだ よ 。 ベッド に 行こう と したら 新しい 合言葉 を 忘れちゃった んだ 」 「 小さい 声 で 話せ よ 、 ネビル 。 合言葉 は 『 豚 の 鼻 』 だ けど 、 今 は 役 に 立ちゃ し ない 。 太った 婦人 は どっか へ 行っち まった 」 「 腕 の 具合 は どう ? 」 と ハリー が 問い た 。

「 大丈夫 。 マダム ・ ポンフリー が あっという間 に 治して くれた よ 」

「 よかった ね ── 悪い けど 、 ネビル 、 僕たち は これ から 行く ところ が ある んだ 。 また 後 で ね 」

「 そんな 、 置いて いか ないで ! 」 ネビル は あわてて 立ちあがった 。

「 ここ に 一 人 で いる の は いやだ よ 。 『 血みどろ 男爵 』 が もう 二 度 も ここ を 通った んだ よ 」

口 ン は 腕 時計 に 目 を やり 、 それ から ものすごい 顔 で ネビル と ハーマイオニー を にらんだ 。

「 もし 君 たち の せい で 、 僕たち が 捕まる ような こと に なったら 、 クィレル が 言って た 『 悪霊 の 呪い 』 を 覚えて 君 たち に かける まで は 、 僕 、 絶対 に 許さ ない 」

ハーマイオニー は 口 を 開き かけた 。 「 悪霊 の 呪い 」 の 使い 方 を きっちり ロン に 教えよう と した の かも しれ ない 。 でも ハリー は シーッ と 黙ら せ 、 目配せ で みんな に 進め と 言った 。

高 窓 から の 月 の 光 が 廊下 に 縞 模様 を 作って いた 。 その 中 を 四 人 は すばやく 移動 した 。 曲がり角 に 来る たび 、 ハリー は フィルチ か ミセス ・ ノリス に 出くわす ような 気 が した が 、 出会わ ず に すんだ の は ラッキーだった 。 大急ぎで 四 階 へ の 階段 を 上がり 、 抜き足差し足 で トロフィー 室 に 向かった 。

マルフォイ も クラップ も まだ 来て い なかった 。 トロフィー 棚 の ガラス が ところどころ 月 の 光 を 受けて キラキラ と 輝き 、 カップ 、 盾 、 賞 杯 、 像 など が 、 暗がり の 中 で 時々 瞬く ように 金銀 に きらめいた 。

四 人 は 部屋 の 両端 に ある ドア から 目 を 離さ ない ように し ながら 、 壁 を 伝って 歩いた 。 マルフォイ が 飛びこんで きて 不意打ち を 食らわす かも しれ ない と 、 ハリー は 杖 を 取りだした 。 数 分 の 時間 な のに 長く 感じられる 。 「 遅い な 、 たぶん 怖気づいた んだ よ 」 と ロン が ささやいた 。

その 時 、 隣 の 部屋 で 物音 が して 、 四 人 は 飛び上がった 。 ハリー が 杖 を 振り上げよう と した 時 、 誰 か の 声 が 聞こえた ── マルフォイ で は ない 。

「 いい 子 だ 。 しっかり 嗅ぐ んだ ぞ 。 隅 の 方 に 潜んで いる かも しれ ない から な 」

フィルチ が ミセス ・ ノリス に 話しかけて いる 。 心臓 が 凍る 思い で 、 ハリー は メチャメチャに 三 人 を 手招き し 、 急いで 自分 に ついてくる よう 合図 した 。 四 人 は 昔 を 立て ず に 、 フィルチ の 声 と は 反対 側 の ドア へ と 急いだ 。 ネビル の 服 が 曲り角 から ヒョイ と 消えた とたん 、 間一髪 、 フィルチ が トロフィー 室 に 入って くる の が 聞こえた 。

「 どこか この へんに いる ぞ 。 隠れて いる に 違いない 」 フィルチ が ブツブツ 言う 声 が する 。

「 こっち だ よ ! 」 ハリー が 他の 三 人 に 耳打ち した 。 鎧 が たくさん 飾って ある 長い 回廊 を 、 四 人 は 石 の ように こわばって は い 進んだ 。 フィルチ が どんどん 近づいて 来る の が わかる 。 ネビル が 恐怖 の あまり 突然 悲鳴 を 上げ 、 やみくもに 走り出した ── つまずいて ロン の 腰 に 抱きつき 、 二 人 揃って まともに 鎧 に ぶつかって 倒れ込んだ 。

ガラガラ ガッシャーン 、 城 中 の 人 を 起こして しまい そうな すさまじい 音 が した 。

「 逃げろ ! 」 ハリー が 声 を 張り上げ 、 四 人 は 回廊 を 疾走 した 。 フィルチ が 追いかけて くる か どう か 振り向き も せ ず ── 全速力 で ドア を 通り 、 次 から 次 へ と 廊下 を かけ抜け 、 今 どこ な の か 、 どこ へ 向かって いる か 、 先頭 を 走って いる ハリー に も 全然 わから ない ── タペストリー の 裂け目 から 隠れた 抜け道 を 見つけ 、 矢 の ように そこ を 抜け 、 出て きた ところ が 「 妖精 の 魔法 」 の 教室 の 近く だった 。 そこ は トロフィー 室 から だいぶ 離れて いる こと が わかって いた 。

「 フィルチ を 巻いた と 思う よ 」

冷たい 壁 に 寄りかかり 、 額 の 汗 を 拭い ながら ハリー は 息 を はずま せて いた 。 ネビル は 体 を 二 つ 折り に して ゼイゼイ 咳き込んで いた 。

「 だから ── そう ── 言った じゃ ない 」

ハーマイオニー は 胸 を 押さえて 、 あえぎあえぎ 言った 。

「 グリフィンドール 塔 に 戻ら なくちゃ 、 できる だけ 早く 」 と ロン 。

「 マルフォイ に はめられた の よ 。 ハリー 、 あなた も わかって る んでしょう ? はじめ から 来る 気 なんか なかった んだ わ ── マルフォイ が 告げ口 した の よ ね 。 だ から フィルチ は 誰 か が トロフィー 室 に 来るって 知って た の よ 」 ハリー も たぶん そう だ と 思った が 、 ハーマイオニー の 前 で は そう だ と 言い たく なかった 。 「 行こう 」

そう は 問屋 が おろさ なかった 。 ほんの 十 歩 と 進ま ない うち に 、 ドア の 取っ手 が ガチャガチャ 鳴り 、 教室 から 何 か が 飛びだして きた 。

ピーブズ だ 。 四 人 を 見る と 歓声 を 上げた 。

「 黙れ 、 ピーブズ …… お 願い だ から ── じゃ ない と 僕たち 退学 に なっちゃ う 」

ピーブズ は ケラケラ 笑って いる 。

「 真 夜中 に フラフラ して る の かい ? 一 年生 ちゃん 。 チッ 、 チッ 、 チッ 、 悪い 子 、 悪い 子 、 捕まる ぞ 」

「 黙って て くれたら 捕まら ず に すむ よ 。 お 願い だ 。 ピーブズ 」

「 フィルチ に 言おう 。 言わ なくちゃ 。 君 たち の ため に なる こと だ もの ね 」

ピーブズ は 聖人 君子 の ような 声 を 出した が 、 目 は 意地 悪く 光って いた 。

「 ど いて くれよ 」

と ロン が 怒鳴って ピーブズ を 払いのけよう と した ── これ が 大 間違い だった 。

「 生徒 が ベッド から 抜け出した ! ──「 妖精 の 魔法 」 教室 の 廊下 に いる ぞ ! 」 ピーブズ は 大声 で 叫んだ 。 ピーブズ の 下 を すり抜け 、 四 人 は 命からがら 逃げ出した 。 廊下 の 突き当たり で ドア に ぶち当たった ── 鍵 が 掛かって いる 。

「 もう ダメだ ! 」 と ロン が うめいた 。 みんな で ドア を 押した が どうにも なら ない 。

「 おしまい だ ! 一 巻 の 終わり だ ! 」 足音 が 聞こえた 。 ピーブズ の 声 を 聞きつけ 、 フィルチ が 全速力 で 走って くる 。

「 ちょっと ど いて 」

ハーマイオニー は 押し殺した ような 声 で そう 言う と 、 ハリー の 杖 を ひったくり 、 鍵 を 杖 で 軽く 叩き 、 つぶやいた 。

「 アロホモラ ! 」 カチッ と 鍵 が 開き 、 ドア が パッと 開いた ── 四 人 は 折り重なって なだれ込み 、 いそいで ドア を 閉めた 。 みんな ドア に 耳 を ピッタリ つけて 、 耳 を 澄ました 。

「 どっち に 行った ? 早く 言え 、 ピーブズ 」 フィルチ の 声 だ 。

「『 どうぞ 』 と 言い な 」

「 ゴチャゴチャ 言う な 。 さあ 連中 は どっち に 行った ? 」 「 どうぞ と 言わ ない な ー ら 、 な ー んに も 言わ ない よ 」 ピーブズ は いつも の 変な 抑揚 の ある カン に さわる 声 で 言った 。

「 しかたがない ──── どうぞ 」

「 な ー んに も ! は は は 。 言った だろう 。 『 どうぞ 』 と 言わ なけりゃ 『 な ー んに も 』 言わ ないって 。 はっは の は ー だ ! 」 ピーブズ が ヒューッ と 消える 音 と 、 フィルチ が 怒り狂って 悪態 を つく 声 が 聞こえた 。 「 フィルチ は この ドア に 鍵 が 掛かって る と 思って る 。 もう オーケー だ ── ネビル 、 離して くれよ ! 」 ハリー が ヒソヒソ 声 で 言った 。 ネビル は さっき から ハリー の ガウン の 袖 を 引っ張って いた のだ 。

「 え ? なに ? 」 ハリー は 振り返った ── そして はっきり と 見た 。 「 なに 」 を 。 しばらく の 間 、 ハリー は 自分 が 悪夢 に うなされて いる に 違いない と 思った ── あんまり だ 。 今日 は もう 、 嫌というほど いろいろ あった のに 。

そこ は ハリー が 思って いた ような 部屋 で は なく 、 廊下 だった 。 しかも 四 階 の 『 禁じられた 廊下 』 だ 。 今 こそ 、 なぜ 立ち入り 禁止 な の か 納得 した 。

四 人 が 真 正面 に 見た の は 、 怪獣 の ような 犬 の 目だった ── 床 から 天井 まで の 空間 全部 が その 犬 で 埋まって いる 。 頭 が 三 つ 。 血走った 三 組 の ギョロ 目 。 三 つ の 鼻 が それぞれ の 方向 に ヒクヒク 、 ピクピク して いる 。 三 つ の 口 から 黄色い 牙 を むきだし 、 その 間 から ヌメヌメ と した 縄 の ように 、 ダラリ と よだれ が 垂れ下がって いた 。

怪物 犬 は じっと 立った まま 、 その 六 つ の 目 全部 で ハリー たち を じっと 見て いる 。 まだ 四 人 の 命 が あった の は 、 ハリー たち が 急に 現れた ので 怪物 犬 が フイ を 突かれて 戸惑った から だ 。 もう その 戸惑い も 消えた らしい 。 雷 の ような うなり 声 が 間違い なく そう 言って いる 。

ハリー は ドア の 取っ手 を まさぐった ── フィルチ か 死 か ── フィルチ の 方 が ましだ 。

四 人 は さっき と は 反対 方向 に 倒れこんだ 。 ハリー は ドア を 後ろ で バタン と 閉め 、 みんな 飛ぶ ように さっき 来た 廊下 を 走った 。 フィルチ の 姿 は ない 。 急いで 別の 場所 を 探し に いって いる らしい 。 そんな こと は もう どうでも よかった ── とにかく あの 怪獣 犬 から 少し でも 遠く に 離れたい 一 心 だ 。 かけ に かけ 続けて 、 やっと 七 階 の 太った 婦人 の 肖像 画 まで たどり着いた 。

「 まあ いったい どこ に 行って た の ? 」 ガウン は 肩 から ズレ 落ち そうだ し 、 顔 は 紅潮 して 汗だく だし 、 婦人 は その 様子 を 見て 驚いた 。 「 何でもない よ ── 豚 の 鼻 、 豚 の 鼻 」

息 も 絶え絶えに ハリー が そう 言う と 、 肖像 画 が パッと 前 に 開いた 。 四 人 は やっと の 思い で 談話 室 に 入り 、 ワナワナ 震え ながら ひじ かけ 椅子 に へたりこんだ 。 口 が きける ように なる まで に しばらく かかった 。 ネビル と きたら 二度と 口 が きけ ない んじゃ ない か と さえ 思えた 。

「 あんな 怪物 を 学校 の 中 に 閉じ込めて おく なんて 、 連中 は いったい 何 を 考えて いる んだろう 」

やっと ロン が 口 を 開いた 。 「 世の中 に 運動 不足 の 犬 が いる と したら 、 まさに あの 犬 だ ね 」

ハーマイオニー は 息 も 不機嫌 さ も 同時に 戻って きた 。

「 あなた たち 、 どこ に 目 を つけて る の ? 」 ハーマイオニー が つっかかる ように 言った 。

「 あの 犬 が 何の 上 に 立って た か 、 見 なかった の ? 」 「 床 の 上 じゃ ない ? 」 ハリー が 一応 意見 を 述べた 。 「 僕 、 足 なんか 見て なかった 。 頭 を 三 つ 見る だけ で 精一杯 だった よ 」

ハーマイオニー は 立ち上がって みんな を にらみつけた 。

「 ちがう 。 床 じゃ ない 。 仕掛け 扉 の 上 に 立って た の よ 。 何 か を 守って る の に 違いない わ 」

「 あなた たち 、 さぞかし ご 満足 でしょう よ 。 もしかしたら みんな 殺されて た かも しれ ない のに ── もっと 悪い こと に 、 退学 に なった かも しれ ない の よ 。 で は 、 みなさん 、 お さしつかえ なければ 、 休ま せて いただく わ 」

ロン は ポカン と 口 を あけて ハーマイオニー を 見送った 。

「 お さしつかえ なんか ある わけな いよ な 。 あれ じゃ 、 まるで 僕たち が あいつ を 引っ張り込んだ みたいに 聞こえる じゃ ない か 、 ねえ ? 」 ハーマイオニー の 言った こと が ハリー に は 別の 意味 で ひっかかった 。 ベッド に 入って から それ を 考えて いた 。 犬 が 何 か を 守って いる …… ハグリッド が 何て 言ったっけ ? 「 グリンゴッツ は 何 か を 隠す に は 世界 で 一 番 安全な 場所 だ ── たぶん ホグワーツ 以外 で は ……」

七一三 番 金庫 から 持ってきた あの 汚い 小さな 包み が 、 今 どこ に ある の か 、 ハリー は それ が わかった ような 気 が した 。

9.2 真 夜中 の 決闘 まこと|よなか||けっとう 9.2 Mitternachtsduell 9.2 Midnight duel 9.2 Duel de minuit 9.2 Pojedynek o północy 9.2 Duelo da meia-noite 9.2 Midnattsduell 9.2 午夜决斗 9.2 午夜決鬥

「 まさか 」 "No way."

夕食 時 だった 。 ゆうしょく|じ| It was dinner time. マクゴナガル 先生 に 連れられて グラウンド を 離れて から 何 が あった か 、 ハリ - は ロン に 話して 聞か せた 。 |せんせい||つれ られて|ぐらうんど||はなれて||なん||||はり||||はなして|きか| Hari told Ron what had happened since he left the ground with Dr. McGonagall. 哈利和榮恩談論了自從麥教授帶他離開校園以來發生的事情。 ロン は ステーキ ・ キドニーパイ を 口 に 入れよう と した ところ だった が 、 そんな こと は すっかり 忘れて 叫んだ 。 ||すてーき|||くち||いれよう||||||||||わすれて|さけんだ Ron was about to put a steak and kidney pie in his mouth, but he completely forgot about it and shouted.

「 シーカー だって ? "The Seeker"? だけど 一 年生 は 絶対 ダメだ と …… なら 、 君 は 最 年少 の 寮 代表 選手 だ よ 。 |ひと|ねんせい||ぜったい|だめだ|||きみ||さい|ねんしょう||りょう|だいひょう|せんしゅ|| However, if the first grader is absolutely useless ... Then, you are the youngest dormitory representative player. ここ 何 年 来 かな ……」 |なん|とし|らい| How many years have you been here ... "

「…… 百 年 ぶり だって 。 ひゃく|とし|| "... It's been 100 years since then. ウッド が そう 言って た よ 」 |||いって|| That's what Wood said."

ハリー は パイ を 掻き 込む ように 食べて いた 。 ||ぱい||かき|こむ||たべて| Harry was munching on his pie. 大 興奮 の 午後 だった ので 、 ひどく お腹 が 空いて いた 。 だい|こうふん||ごご||||おなか||あいて| It was a very exciting afternoon, so I was very hungry.

あまりに 驚いて 、 感動 して 、 ロン は ただ ボーッ と ハリー を 見つめる ばかりだった 。 |おどろいて|かんどう|||||ぼーっ||||みつめる| Too surprised and impressed, Ron just stared at Harry.

「 来週 から 練習 が 始まる んだ 。 らいしゅう||れんしゅう||はじまる| "Practice will start next week. でも 誰 に も 言う な よ 。 |だれ|||いう|| But don't tell anyone. ウッド は 秘密に して おきたい んだって 」  その 時 、 双子 の ウィーズリー が ホール に 入って きて 、 ハリー を 見つける と 足早に やってきた 。 ||ひみつに||おき たい|ん だって||じ|ふたご||||ほーる||はいって||||みつける||あしばやに| Wood wants to keep it a secret.” Then the Weasley twins walked into the hall, spotting Harry and scurrying over. 「 すごい な 」 ジョージ が 低い 声 で 言った 。 ||じょーじ||ひくい|こえ||いった 「 ウッド から 聞いた よ 。 ||きいた| "I heard from Wood. 僕たち も 選手 だ ── ビーター だ 」 ぼくたち||せんしゅ||| We're players. We're beaters.

「 今年 の クィディッチ ・ カップ は いただき だ ぜ 」 と フレッド が 言った 。 ことし|||かっぷ||||||||いった "I'm grateful for this year's Quidditch Cup," Fred said. 「 チャーリー が い なく なって から 、 一 度 も 取って ない んだ よ 。 ||||||ひと|たび||とって||| "I haven't taken it since Charlie was gone. だけど 今年 は 抜群 の チーム に なり そうだ 。 |ことし||ばつぐん||ちーむ|||そう だ But this year it looks like it will be an outstanding team. ハリー 、 君 は よっぽど すごい んだ ね 。 |きみ||||| Harry, you're so amazing. ウッド と きたら 小躍り して た ぜ 」 |||こおどり||| When I came to see Wood, I was dancing."

「 じゃあ な 、 僕たち 行か なくちゃ 。 ||ぼくたち|いか| "Well then, we have to go. リー ・ ジョーダン が 学校 を 出る 秘密の 抜け道 を 見つけた って 言う んだ 」 「 それって 僕たち が 最初の 週 に 見つけ ち まった やつ だ と 思う けど ね 。 |||がっこう||でる|ひみつの|ぬけみち||みつけた||いう||それ って|ぼくたち||さいしょの|しゅう||みつけ||||||おもう|| Lee Jordan says he found a secret loophole out of school. "" I think that's the one we found in the first week. きっと 『 お べん ちゃ ら の グレゴリー 』 の 銅像 の 裏 に ある ヤツ さ 。 ||||||||どうぞう||うら|||やつ| I'm sure it's the guy behind the bronze statue in "Obenchara's Gregory". じゃ 、 また な 」 See you later. "

フレッド と ジョージ が 消える やいなや 、 会いたく も ない 顔 が 現れた 。 ||じょーじ||きえる||あい たく|||かお||あらわれた As soon as Fred and George disappeared, a face that I didn't want to meet appeared. クラップ と ゴイル を 従えた マルフォイ だ 。 ||||したがえた|| Malfoy with Crapp and Goyle.

「 ポッター 、 最後 の 食事 かい ? |さいご||しょくじ| "Potter, is it your last meal? マグル の ところ に 帰る 汽車 に いつ 乗る ん だい ? ||||かえる|きしゃ|||のる|| When do you get on the train back to Muggle? 」 「 地上 で は やけに 元気だ ね 。 ちじょう||||げんきだ| "I'm fine on the ground. 小さな お 友達 も いる し ね 」 ちいさな||ともだち|||| I also have small friends. "

ハリー は 冷ややかに 言った 。 ||ひややかに|いった Harry said coldly. クラップ も ゴイル も どう 見た って 小さく は ない が 、 上座 の テーブル に は 先生 が ズラリ と 座って いる ので 、 二 人 と も 握り拳 を ボキボキ 鳴らし 、 にらみつける こと しか でき なかった 。 |||||みた||ちいさく||||かみざ||てーぶる|||せんせい||ずらり||すわって|||ふた|じん|||にぎりこぶし|||ならし||||| Neither Clap nor Goyle are small at first glance, but the teacher was sitting on the table in the upper seat, so both of them could only squeak and glare at their fists. 「 僕 一 人 で いつ だって 相手 に なろう じゃ ない か 。 ぼく|ひと|じん||||あいて||||| "I'm not the only one who will always be the other person. ご 所望 なら 今夜 だって いい 。 |しょもう||こんや|| If you want, it's okay tonight. 魔法使い の 決闘 だ 。 まほうつかい||けっとう| It's a witch duel. 杖 だけ だ ── 相手 に は 触れ ない 。 つえ|||あいて|||ふれ| It's just a wand ── Don't touch the other person. どうし たんだい ? どう し| what's up ? 魔法使い の 決闘 なんて 開いた こと も ない んじゃ ない の ? まほうつかい||けっとう||あいた|||||| Isn't the duel of the wizard never opened? 」 マルフォイ が 言った 。 ||いった

「 もちろん ある さ 。 "Of course there is. 僕 が 介添人 を する 。 ぼく||かい そえ じん|| I will be my assistant. 僕 が 介 添 人 を する 。 お前 の は 誰 だい ? おまえ|||だれ| Who are you? 」 ロン が 口 を はさんだ 。 ||くち|| Ron caught his mouth.

マルフォイ は クラップ と ゴイル の 大き さ を 比べる ように 二 人 を 見た 。 ||||||おおき|||くらべる||ふた|じん||みた Malfoy looked at them as if they were comparing the sizes of Clap and Goyle.

「 クラップ だ 。 真 夜中 で いいね ? まこと|よなか|| Midnight, okay? トロフィー 室 に しよう 。 とろふぃー|しつ|| Let's make it a trophy room. いつも 鍵 が 開いて る んで ね 」 |かぎ||あいて||| The key is always open. "

マルフォイ が い なく なる と 、 二 人 は 顔 を 見合わせた 。 ||||||ふた|じん||かお||みあわせた The two looked at each other when Malfoy was gone.

「 魔法使い の 決闘 って 何 だい ? まほうつかい||けっとう||なん| "What is the duel of the wizard? 君 が 僕 の 介添人 って どういう こと ? きみ||ぼく||かい そえ じん||| What do you mean you're my caretaker? 」 「 介添人 って いう の は 、 君 が 死んだら かわり に 僕 が 戦う と いう 意味 さ 」 すっかり 冷めて しまった 食べ かけ の パイ を ようやく 口 に 入れ ながら 、 ロン は 気軽に 言った 。 かい そえ じん|||||きみ||しんだら|||ぼく||たたかう|||いみ|||さめて||たべ|||ぱい|||くち||いれ||||きがるに|いった 'By maid, I mean when you die, I'll fight for you,' said Ron casually, finally putting the cold, half-eaten pie into his mouth. ハリー の 顔色 が 変わった の を 見て 、 ロン は あわてて つけ加えた 。 ||かおいろ||かわった|||みて||||つけくわえた Seeing the change in Harry's complexion, Ron added hastily.

「 死ぬ の は 、 本当の 魔法使い 同士 の 本格 的な 決闘 の 場合 だけ だ よ 。 しぬ|||ほんとうの|まほうつかい|どうし||ほんかく|てきな|けっとう||ばあい||| "You will die only in a full-scale duel between real wizards. 君 と マルフォイ だったら せいぜい 火花 を ぶつけ合う 程度 だ よ 。 きみ|||||ひばな||ぶつけあう|ていど|| If you and Malfoy, at best, you'll hit each other with sparks. 二 人 と も 、 まだ 相手 に 本当の ダメージ を 与える ような 魔法 なんて 使え ない 。 ふた|じん||||あいて||ほんとうの|だめーじ||あたえる||まほう||つかえ| Neither of them can use magic that would do real damage to the other person yet. マルフォイ は きっと 君 が 断る と 思って いた んだ よ 」 |||きみ||ことわる||おもって||| I'm sure Malfoy knew you would say no."

「 もし 僕 が 杖 を 振って も 何も 起こら なかったら ? |ぼく||つえ||ふって||なにも|おこら| "What if I waved my wand and nothing happened?" 」 「 杖 なんか 捨てちゃ え 。 つえ||すてちゃ| "Don't throw away the cane." 鼻 に パンチ を 食らわ せろ 」 ロン の 意見 だ 。 はな||ぱんち||くらわ||||いけん| Punch your nose. "Ron's opinion.

「 ちょっと 、 失礼 」 |しつれい "Excuse me. Excuse me."

二 人 が 見上げる と 、 今度 は ハーマイオニー ・ グレンジャー だった 。 ふた|じん||みあげる||こんど|||| When they looked up, they were Hermione Granger.

「 まったく 、 ここ じゃ 落ち着いて 食べる こと も でき ない んです か ね ? |||おちついて|たべる||||||| "Isn't it possible to eat calmly here at all? 」 と ロン が 言う 。 |||いう

ハーマイオニー は ロン を 無視 して 、 ハリー に 話しかけた 。 ||||むし||||はなしかけた Hermione ignored Ron and spoke to Harry.

「 聞く つもり は なかった んだ けど 、 あなた と マルフォイ の 話 が 聞こえちゃった の ……」 「 聞く つもり が あった んじゃ ない の 」 ロン が つぶやいた 。 きく||||||||||はなし||きこえちゃ った||きく||||||||| "I didn't mean to hear it, but I heard you and Malfoy ..." "I didn't mean to hear it," Ron muttered. 「…… 夜 、 校 内 を ウロウロ する の は 絶対 ダメ 。 よ|こう|うち||うろうろ||||ぜったい|だめ "... It's absolutely no good to wander around the school at night. もし 捕まったら グリフィンドール が 何 点 減点 さ れる か 考えて よ 。 |つかまったら|||なん|てん|げんてん||||かんがえて| Think how many points Gryffindor would lose if he was caught. それ に 捕まる に 決まって る わ 。 ||つかまる||きまって|| I'm supposed to get caught in it. まったく なんて 自分勝手な の 」 ||じぶんかってな| How selfish it is. "

「 まったく 大き なお 世話 だよ 」 ハリー が 言い返した 。 |おおき||せわ|だ よ|||いいかえした "It's a big deal," Harry replied.

「 バイバイ 」 ロン が とどめ を 刺した 。 |||||さした "Bye-bye," Ron delivered the finishing blow.

いずれ に して も 、「 終わり よければ すべて よし 」 の 一 日 に は なら なかった な と 考え ながら 、 ハリー は その 夜 遅く 、 ベッド に 横 に なり 、 ディーン と シェーマス の 寝息 を 聞いて いた ( ネビル は まだ 医務 室 から 帰って きて いない )。 ||||おわり|||||ひと|ひ|||||||かんがえ|||||よ|おそく|べっど||よこ|||||||ねいき||きいて|||||いむ|しつ||かえって|| Harry lay in bed listening to Dean and Seamus breathing late that night, thinking it wouldn't have been an "all's well that ended well" day anyway. (He hasn't come back from the infirmary yet.) ロン は 夕食 後 つききり で ハリー に 知恵 を つけて くれた 。 ||ゆうしょく|あと|||||ちえ||| Ron was able to give Harry wisdom after dinner.

「 呪い を 防ぐ 方法 は 忘れちゃった から 、 もし 呪い を かけられたら 身 を かわせ 」 など など 。 まじない||ふせぐ|ほうほう||わすれちゃ った|||まじない||かけ られたら|み|||| "I forgot how to prevent the curse, so if I get a curse, I'll move myself." フィルチ や ミセス ・ ノリス に 見つかる 恐れ も 大いに あった 。 |||||みつかる|おそれ||おおいに| There was a great deal of fear of being found in Filch and Mrs. Norris. 同じ 日 に 二 度 も 校則 を 破る なんて 、 あぶない 運 試し だ と いう 気 が した 。 おなじ|ひ||ふた|たび||こうそく||やぶる|||うん|ためし||||き|| I felt that breaking the school rules twice on the same day was a dangerous luck test. 同じ 日 に 二 度 も 校則 を 破る なんて 、 あぶない 運 試し だ と いう 気 が した 。 しかし 、 せ せら 笑う ような マルフォイ の 顔 が 暗闇 の 中 に 浮かび上がって くる ── 今 こそ マルフォイ を 一 対 一 で やっつける また と ない チャンス だ 。 |||わらう||||かお||くらやみ||なか||うかびあがって||いま||||ひと|たい|ひと||||||ちゃんす| However, the laughing face of Malfoy emerges in the darkness ── Now is the unique opportunity to defeat Malfoy on a one-on-one basis. 逃して なる もの か 。 のがして||| Is it something you miss?

「 十一 時 半 だ 。 じゅういち|じ|はん| It's 11:30. そろそろ 行く か 」 ロン が ささやいた 。 |いく|||| I'd better get going." Ron whispered.

二 人 は パジャマ の 上 に ガウン を 引っ掛け 、 杖 を 手 に 、 寝室 を はって 横切り 、 塔 の らせん 階段 を 下り 、 グリフィンドール の 談話 室 に 下りて きた 。 ふた|じん||ぱじゃま||うえ||がうん||ひっかけ|つえ||て||しんしつ|||よこぎり|とう|||かいだん||くだり|||だんわ|しつ||おりて| With their gowns hooked over their pajamas and wands in hand, they crept across the bedroom, down the spiral staircase of the tower, and down into the Gryffindor common room. 暖炉 に は まだ わずかに 残り 火 が 燃え 、 ひじ かけ 椅子 が 弓なり の 黒い 影 に 見えた 。 だんろ|||||のこり|ひ||もえ|||いす||ゆみなり||くろい|かげ||みえた The fireplace was still glowing with faint embers, and the armchairs looked like arched black shadows. 出口 の 肖像 画 の 穴 に 入ろう と した 時 、 一 番 近く の 椅子 から 声 が した 。 でぐち||しょうぞう|が||あな||はいろう|||じ|ひと|ばん|ちかく||いす||こえ|| As I tried to enter the hole in the portrait at the exit, I heard a voice from the chair closest to me.

「 ハリー 、 まさか あなた が こんな こと する と は 思わ なかった わ 」 |||||||||おもわ|| "Harry, I never thought you would do this."

ランプ が ポッ と 現れた 。 らんぷ||||あらわれた A lamp popped up. ハーマイオニー だ 。 ピンク の ガウン を 着て しかめ 面 を して いる 。 ぴんく||がうん||きて||おもて||| He is wearing a pink gown and frowning.

「 また 君 か ! |きみ| "You again! ベッド に 戻れ よ ! べっど||もどれ| 」 ロン が カンカン に なって 言った 。 ||かんかん|||いった

「 本当 は あんた の お 兄さん に 言おう か と 思った の よ 。 ほんとう|||||にいさん||いおう|||おもった|| "I really thought I'd tell your brother. パーシー に 。 監督 生 だ から 、 絶対 に 止め させる わ 」 ハーマイオニー は 容赦 なく 言った 。 かんとく|せい|||ぜったい||とどめ|さ せる||||ようしゃ||いった You're a prefect, so I'm going to make sure you stop,' said Hermione relentlessly.

ハリー は ここ まで お節介 な の が 世の中 に いる なんて 信じられ なかった 。 ||||おせち かい||||よのなか||||しんじ られ| Harry couldn't believe that there was such a mess in the world. 「 行く ぞ 」 と ロン に 声 を かける と 、 ハリー は 「 太った 婦人 の 肖像 画 」 を 押し 開け 、 その 穴 を 乗り越えた 。 いく|||||こえ||||||ふとった|ふじん||しょうぞう|が||おし|あけ||あな||のりこえた "Let's go," he said to Ron, and Harry pushed through the Fat Lady Portrait and climbed over the hole.

そんな こと で あきらめる ハーマイオニー で は ない 。 It's not Hermione who gives up because of that. ロン に 続いて 肖像 画 の 穴 を 乗り越え 、 二 人 に 向かって 怒った アヒル の ように 、 ガーガー 言い 続けた 。 ||つづいて|しょうぞう|が||あな||のりこえ|ふた|じん||むかって|いかった|あひる||||いい|つづけた Following Ron, he overcame the hole in the portrait and continued to say Garger, like a duck angry at them.

「 グリフィンドール が どう なる か 気 に なら ない の ? |||||き|||| "Don't you care what happens to Gryffindor? 自分 の こと ばっかり 気 に して 。 じぶん||||き|| Just care about yourself. スリザリン が 寮 杯 を 取る なんて 私 は いや よ 。 ||りょう|さかずき||とる||わたくし||| I don't want Slytherin to take the dorm cup. 私 が 変身 呪文 を 知って た おかげ で マクゴナガル 先生 が くださった 点数 を 、 あなた たち が ご破算 に する んだ わ 」 わたくし||へんしん|じゅもん||しって|||||せんせい|||てんすう|||||ごはさん|||| Thanks to my knowledge of the makeover spell, you guys will break the score given by Dr. McGonagall. "

「 あっち へ 行け よ 」 「 いい わ 。 あっ ち||いけ||| "Go over there." "Okay. ちゃん と 忠告 しました から ね 。 ||ちゅうこく|し ました|| I gave you proper advice. 明日 家 に 帰る 汽車 の 中 で 私 の 言った こと を 思い出す でしょう よ 。 あした|いえ||かえる|きしゃ||なか||わたくし||いった|||おもいだす|| You'll remember what I said on the train home tomorrow. あなた たち は 本当に ……」 |||ほんとうに You guys are really ......"

本当に 何 な の か 、 その あと は 聞け ず じまい だった 。 ほんとうに|なん|||||||きけ||| I couldn't ask what it really was after that. ハーマイオニー が 中 に 戻ろう と 後ろ を 向く と 、 肖像 画 が なかった 。 ||なか||もどろう||うしろ||むく||しょうぞう|が|| When Hermione turned to the back to get back in, there was no portrait. 太った 婦人 は 夜 の お出かけ で 、 ハーマイオニー は グリフィンドール 塔 から 締め出されて しまった のだ 。 ふとった|ふじん||よ||おでかけ|||||とう||しめださ れて|| The fat lady went out at night, and Hermione was locked out of the Gryffindor Tower. 「 さあ 、 どうして くれる の ? "Why do you do it now? 」 ハーマイオニー は けたたましい 声 で 問い詰めた 。 |||こえ||といつめた Hermione asked in a raspy voice.

「 知った こと か 」 と ロン が 言った 。 しった||||||いった "Did you know?" Ron said. 「 僕たち は もう 行か なき や 。 ぼくたち|||いか|| "We're not going anymore. 遅れちゃ うよ 」 おくれちゃ| I'll be late. "

廊下 の 入口 に さえ たどり着か ない うち に 、 ハーマイオニー が 追いついた 。 ろうか||いりぐち|||たどりつか||||||おいついた Hermione caught up before she even reached the entrance to the corridor.

「 一緒に 行く わ 」 いっしょに|いく| "I'll go with you."

「 ダメ 。 だめ 来る な よ 」 くる|| don't come

「 ここ に 突っ立って フィルチ に 捕まる の を 待って ろ って いう の ? ||つったって|||つかまる|||まって|||| "You want me to stand here and wait for Filch to catch me? 二 人 と も 見つかったら 、 私 、 フィルチ に 本当の こと を 言う わ 。 ふた|じん|||みつかったら|わたくし|||ほんとうの|||いう| If I find both of them, I'll tell Filch the truth. 私 は あなた たち を 止めよう と したって 。 わたくし|||||とどめよう|| I tried to stop you. あなた たち 、 わたし の 証人 に なる の よ 」 ||||しょうにん|||| You guys will be my witnesses. "

「 君 、 相当 の 神経 して る ぜ ……」 ロン が 大声 を 出した 。 きみ|そうとう||しんけい||||||おおごえ||だした "You're pretty nervous ..." Ron shouted.

「 シッ 。 二 人 と も 静かに 。 ふた|じん|||しずかに Be quiet, both of you. なんか 聞こえる ぞ 」 |きこえる| I can hear something."

ハリー が 短く 言った 。 ||みじかく|いった Harry briefly said. 喚 ぎ 回って いる ような 音 だ 。 かん||まわって|||おと| It sounds like it's screaming.

「 ミセス ・ ノリス か ? 」 暗がり を 透かし 見 ながら 、 ロン が ヒソヒソ 声 で 言った 。 くらがり||すかし|み||||ひそひそ|こえ||いった Ron said in a whispering voice, looking through the darkness. ミセス ・ ノリス で は ない 。 ネビル だった 。 It was Neville. 床 に 丸まって グッスリ と 眠って いた が 、 三 人 が 忍び寄る と ビクッ と 目 を 覚ました 。 とこ||まるまって|ぐっすり||ねむって|||みっ|じん||しのびよる||||め||さました I was curled up on the floor and slept, but when the three sneaked up, I woke up.

「 ああ よかった ! "Oh good! 見つけて くれて 。 みつけて| Please find me. もう 何 時間 も ここ に いる んだ よ 。 |なん|じかん|||||| I've been here for hours now. ベッド に 行こう と したら 新しい 合言葉 を 忘れちゃった んだ 」 「 小さい 声 で 話せ よ 、 ネビル 。 べっど||いこう|||あたらしい|あいことば||わすれちゃ った||ちいさい|こえ||はなせ|| I forgot my new password when I went to bed." "Keep it quiet, Neville. 合言葉 は 『 豚 の 鼻 』 だ けど 、 今 は 役 に 立ちゃ し ない 。 あいことば||ぶた||はな|||いま||やく||たちゃ|| The slogan is "Pig's Nose", but it's useless now. 太った 婦人 は どっか へ 行っち まった 」 「 腕 の 具合 は どう ? ふとった|ふじん||ど っか||ぎょう っち||うで||ぐあい|| Where's the fat lady gone?" "How's your arm? 」 と ハリー が 問い た 。 |||とい| Harry asked.

「 大丈夫 。 だいじょうぶ マダム ・ ポンフリー が あっという間 に 治して くれた よ 」 |||あっというま||なおして||

「 よかった ね ── 悪い けど 、 ネビル 、 僕たち は これ から 行く ところ が ある んだ 。 ||わるい|||ぼくたち||||いく|||| "I'm glad ── I'm sorry, Neville, we have a place to go from now on. また 後 で ね 」 |あと|| see you later "

「 そんな 、 置いて いか ないで ! |おいて|| "That's right, don't leave it! 」 ネビル は あわてて 立ちあがった 。 |||たちあがった Neville rushed to his feet.

「 ここ に 一 人 で いる の は いやだ よ 。 ||ひと|じん|||||| "I don't like being here alone. 『 血みどろ 男爵 』 が もう 二 度 も ここ を 通った んだ よ 」 ちみどろ|だんしゃく|||ふた|たび||||かよった|| "The Bloody Baron" has passed here again. "

口 ン は 腕 時計 に 目 を やり 、 それ から ものすごい 顔 で ネビル と ハーマイオニー を にらんだ 。 くち|||うで|とけい||め||||||かお|||||| Mouth looked at his arm watch, and then gazed at Neville and Hermione with a terrifying face.

「 もし 君 たち の せい で 、 僕たち が 捕まる ような こと に なったら 、 クィレル が 言って た 『 悪霊 の 呪い 』 を 覚えて 君 たち に かける まで は 、 僕 、 絶対 に 許さ ない 」 |きみ|||||ぼくたち||つかまる|||||||いって||あくりょう||まじない||おぼえて|きみ||||||ぼく|ぜったい||ゆるさ| "If you guys make us get caught, I will never forgive you until you remember the'curse of the evil spirits' that Quirel said."

ハーマイオニー は 口 を 開き かけた 。 ||くち||あき| Hermione opened her mouth. 「 悪霊 の 呪い 」 の 使い 方 を きっちり ロン に 教えよう と した の かも しれ ない 。 あくりょう||まじない||つかい|かた|||||おしえよう|||||| Perhaps he tried to teach Ron exactly how to use the "Curse of the Evil Spirit." でも ハリー は シーッ と 黙ら せ 、 目配せ で みんな に 進め と 言った 。 |||||だまら||めくばせ||||すすめ||いった But Harry hissed and gave everyone a wink to move on.

高 窓 から の 月 の 光 が 廊下 に 縞 模様 を 作って いた 。 たか|まど|||つき||ひかり||ろうか||しま|もよう||つくって| The moonlight from the high windows was creating stripes in the hallway. その 中 を 四 人 は すばやく 移動 した 。 |なか||よっ|じん|||いどう| The four moved quickly through it. 曲がり角 に 来る たび 、 ハリー は フィルチ か ミセス ・ ノリス に 出くわす ような 気 が した が 、 出会わ ず に すんだ の は ラッキーだった 。 まがりかど||くる|||||||||でくわす||き||||であわ||||||らっきーだった Harry had a feeling he was going to run into Filch or Mrs. Norris at every turn, but he was lucky he didn't. 大急ぎで 四 階 へ の 階段 を 上がり 、 抜き足差し足 で トロフィー 室 に 向かった 。 おおいそぎで|よっ|かい|||かいだん||あがり|ぬき あし さし あし||とろふぃー|しつ||むかった I hurried up the stairs to the 4th floor and headed straight for the trophy room.

マルフォイ も クラップ も まだ 来て い なかった 。 |||||きて|| Neither Malfoy nor Crapp had come yet. トロフィー 棚 の ガラス が ところどころ 月 の 光 を 受けて キラキラ と 輝き 、 カップ 、 盾 、 賞 杯 、 像 など が 、 暗がり の 中 で 時々 瞬く ように 金銀 に きらめいた 。 とろふぃー|たな||がらす|||つき||ひかり||うけて|きらきら||かがやき|かっぷ|たて|しょう|さかずき|ぞう|||くらがり||なか||ときどき|またたく||きんぎん|| The glass on the trophy shelves shimmered in places in the light of the moon, and cups, shields, prize cups, statues, etc. shimmered in gold and silver from time to time in the dark.

四 人 は 部屋 の 両端 に ある ドア から 目 を 離さ ない ように し ながら 、 壁 を 伝って 歩いた 。 よっ|じん||へや||りょうたん|||どあ||め||はなさ|||||かべ||つたって|あるいた The four walked along the walls, keeping their eyes on the doors on either side of the room. マルフォイ が 飛びこんで きて 不意打ち を 食らわす かも しれ ない と 、 ハリー は 杖 を 取りだした 。 ||とびこんで||ふいうち||くらわす|||||||つえ||とりだした Harry took out his wand in case Malfoy jumped in and caught him off guard. 数 分 の 時間 な のに 長く 感じられる 。 すう|ぶん||じかん|||ながく|かんじ られる It feels long even though it's only a few minutes. 「 遅い な 、 たぶん 怖気づいた んだ よ 」 と ロン が ささやいた 。 おそい|||おじけづいた|||||| "You're late, maybe you're scared," whispered Ron.

その 時 、 隣 の 部屋 で 物音 が して 、 四 人 は 飛び上がった 。 |じ|となり||へや||ものおと|||よっ|じん||とびあがった At that time, there was a noise in the next room, and the four jumped up. ハリー が 杖 を 振り上げよう と した 時 、 誰 か の 声 が 聞こえた ── マルフォイ で は ない 。 ||つえ||ふりあげよう|||じ|だれ|||こえ||きこえた|||| As Harry was about to raise his wand, he heard someone's voice—not Malfoy.

「 いい 子 だ 。 |こ| " good kid . しっかり 嗅ぐ んだ ぞ 。 |かぐ|| Smell it well. 隅 の 方 に 潜んで いる かも しれ ない から な 」 すみ||かた||ひそんで|||||| It might be lurking in the corner."

フィルチ が ミセス ・ ノリス に 話しかけて いる 。 |||||はなしかけて| Filch is speaking to Mrs. Norris. 心臓 が 凍る 思い で 、 ハリー は メチャメチャに 三 人 を 手招き し 、 急いで 自分 に ついてくる よう 合図 した 。 しんぞう||こおる|おもい||||めちゃめちゃに|みっ|じん||てまねき||いそいで|じぶん||||あいず| With his heart frozen, Harry beckoned three people to a mess and signaled him to follow him in a hurry. 四 人 は 昔 を 立て ず に 、 フィルチ の 声 と は 反対 側 の ドア へ と 急いだ 。 よっ|じん||むかし||たて|||||こえ|||はんたい|がわ||どあ|||いそいだ Instead of standing up in the old days, the four rushed to the door on the opposite side of Filch's voice. ネビル の 服 が 曲り角 から ヒョイ と 消えた とたん 、 間一髪 、 フィルチ が トロフィー 室 に 入って くる の が 聞こえた 。 ||ふく||まがりかど||||きえた||かんいっぱつ|||とろふぃー|しつ||はいって||||きこえた Just as Neville's clothes flopped around the corner, Filch was heard coming into the trophy room just in the nick of time.

「 どこか この へんに いる ぞ 。 どこ か|||| "I'm somewhere else. 隠れて いる に 違いない 」 フィルチ が ブツブツ 言う 声 が する 。 かくれて|||ちがいない|||ぶつぶつ|いう|こえ|| He must be hiding," Filch mutters.

「 こっち だ よ ! "This way! 」 ハリー が 他の 三 人 に 耳打ち した 。 ||たの|みっ|じん||みみうち| ' Harry whispered to the other three. 鎧 が たくさん 飾って ある 長い 回廊 を 、 四 人 は 石 の ように こわばって は い 進んだ 。 よろい|||かざって||ながい|かいろう||よっ|じん||いし||||||すすんだ The four men stiffened like stones in a long corridor full of armor. フィルチ が どんどん 近づいて 来る の が わかる 。 |||ちかづいて|くる||| I can see Filch getting closer and closer. ネビル が 恐怖 の あまり 突然 悲鳴 を 上げ 、 やみくもに 走り出した ── つまずいて ロン の 腰 に 抱きつき 、 二 人 揃って まともに 鎧 に ぶつかって 倒れ込んだ 。 ||きょうふ|||とつぜん|ひめい||あげ||はしりだした||||こし||だきつき|ふた|じん|そろって||よろい|||たおれこんだ Neville suddenly screamed in terror and ran blindly—stumbling and hugging Ron's waist, and they both fell squarely against the armor.

ガラガラ ガッシャーン 、 城 中 の 人 を 起こして しまい そうな すさまじい 音 が した 。 ||しろ|なか||じん||おこして||そう な||おと|| Rattle Gashern, there was a terrible noise that was likely to wake up the people in the castle.

「 逃げろ ! にげろ " Run away ! 」 ハリー が 声 を 張り上げ 、 四 人 は 回廊 を 疾走 した 。 ||こえ||はりあげ|よっ|じん||かいろう||しっそう| Harry raised his voice and the four sprinted through the corridor. フィルチ が 追いかけて くる か どう か 振り向き も せ ず ── 全速力 で ドア を 通り 、 次 から 次 へ と 廊下 を かけ抜け 、 今 どこ な の か 、 どこ へ 向かって いる か 、 先頭 を 走って いる ハリー に も 全然 わから ない ── タペストリー の 裂け目 から 隠れた 抜け道 を 見つけ 、 矢 の ように そこ を 抜け 、 出て きた ところ が 「 妖精 の 魔法 」 の 教室 の 近く だった 。 ||おいかけて|||||ふりむき||||ぜんそくりょく||どあ||とおり|つぎ||つぎ|||ろうか||かけぬけ|いま|||||||むかって|||せんとう||はしって|||||ぜんぜん|||||さけめ||かくれた|ぬけみち||みつけ|や|||||ぬけ|でて||||ようせい||まほう||きょうしつ||ちかく| Whether Filch is chasing or not, without turning around ── at full speed, through the door, through the corridor one after another, to Harry, who is at the forefront of where he is and where he is heading. I don't know at all ── I found a hidden loophole in the rift of the evening pastry, passed through it like an arrow, and came out near the classroom of "Fairy Magic". そこ は トロフィー 室 から だいぶ 離れて いる こと が わかって いた 。 ||とろふぃー|しつ|||はなれて||||| I knew it was a long way from the trophy room.

「 フィルチ を 巻いた と 思う よ 」 ||まいた||おもう| "I think I wrapped Filch."

冷たい 壁 に 寄りかかり 、 額 の 汗 を 拭い ながら ハリー は 息 を はずま せて いた 。 つめたい|かべ||よりかかり|がく||あせ||ぬぐい||||いき|||| Harry was holding his breath as he leaned against the cold wall and wiped the sweat off his forehead. ネビル は 体 を 二 つ 折り に して ゼイゼイ 咳き込んで いた 。 ||からだ||ふた||おり||||せきこんで| Neville folded his body in half and was coughing.

「 だから ── そう ── 言った じゃ ない 」 ||いった|| "That's why ── yes ── I didn't say that."

ハーマイオニー は 胸 を 押さえて 、 あえぎあえぎ 言った 。 ||むね||おさえて||いった Hermione held her chest down and gasped.

「 グリフィンドール 塔 に 戻ら なくちゃ 、 できる だけ 早く 」 と ロン 。 |とう||もどら||||はやく|| "We have to get back to Gryffindor Tower as soon as possible," said Ron.

「 マルフォイ に はめられた の よ 。 ||はめ られた|| "I was fitted in Malfoy. ハリー 、 あなた も わかって る んでしょう ? Harry, do you know that too? はじめ から 来る 気 なんか なかった んだ わ ── マルフォイ が 告げ口 した の よ ね 。 ||くる|き|||||||つげぐち|||| I didn't feel like coming from the beginning ── Malfoy told me, didn't he? だ から フィルチ は 誰 か が トロフィー 室 に 来るって 知って た の よ 」  ハリー も たぶん そう だ と 思った が 、 ハーマイオニー の 前 で は そう だ と 言い たく なかった 。 ||||だれ|||とろふぃー|しつ||くる って|しって||||||||||おもった||||ぜん||||||いい|| So Filch knew someone was coming to the trophy room. ”Harry thought maybe, but I didn't want to say so in front of Hermione. 「 行こう 」 いこう

そう は 問屋 が おろさ なかった 。 ||とんや||| That wasn't the wholesaler. ほんの 十 歩 と 進ま ない うち に 、 ドア の 取っ手 が ガチャガチャ 鳴り 、 教室 から 何 か が 飛びだして きた 。 |じゅう|ふ||すすま||||どあ||とって|||なり|きょうしつ||なん|||とびだして| Before I could make it just ten steps, the door handle rang and something jumped out of the classroom.

ピーブズ だ 。 四 人 を 見る と 歓声 を 上げた 。 よっ|じん||みる||かんせい||あげた When he saw the four, he cheered.

「 黙れ 、 ピーブズ …… お 願い だ から ── じゃ ない と 僕たち 退学 に なっちゃ う 」 だまれ|||ねがい||||||ぼくたち|たいがく||| "Shut up, Peeves ... because it's a wish ── otherwise we'll drop out."

ピーブズ は ケラケラ 笑って いる 。 |||わらって| Peeves is giggling.

「 真 夜中 に フラフラ して る の かい ? まこと|よなか||ふらふら|||| "Are you dizzy in the middle of the night? 一 年生 ちゃん 。 ひと|ねんせい| チッ 、 チッ 、 チッ 、 悪い 子 、 悪い 子 、 捕まる ぞ 」 |||わるい|こ|わるい|こ|つかまる| Tsk, tsk, tsk, tsk, bad boy, bad boy, they're gonna get you.

「 黙って て くれたら 捕まら ず に すむ よ 。 だまって|||つかまら|||| "If you keep quiet, I won't get caught. お 願い だ 。 |ねがい| Please. ピーブズ 」 Peeves "

「 フィルチ に 言おう 。 ||いおう "Let's say to Filch. 言わ なくちゃ 。 いわ| I have to say. 君 たち の ため に なる こと だ もの ね 」 きみ||||||||| It ’s just for you guys. ”

ピーブズ は 聖人 君子 の ような 声 を 出した が 、 目 は 意地 悪く 光って いた 。 ||せいじん|くんし|||こえ||だした||め||いじ|わるく|ひかって| Peeves made a voice like a saint prince, but his eyes were shining nasty.

「 ど いて くれよ 」 "Come on."

と ロン が 怒鳴って ピーブズ を 払いのけよう と した ── これ が 大 間違い だった 。 |||どなって|||はらいのけよう|||||だい|まちがい| yelled Ron, trying to brush Peeves away—that was a big mistake.

「 生徒 が ベッド から 抜け出した ! せいと||べっど||ぬけだした "Student got out of bed! ──「 妖精 の 魔法 」 教室 の 廊下 に いる ぞ ! ようせい||まほう|きょうしつ||ろうか||| ── You're in the corridor of the "Fairy Magic" classroom! 」 ピーブズ は 大声 で 叫んだ 。 ||おおごえ||さけんだ ピーブズ の 下 を すり抜け 、 四 人 は 命からがら 逃げ出した 。 ||した||すりぬけ|よっ|じん||いのちからがら|にげだした The four of them slipped under Peeves and escaped with their lives. 廊下 の 突き当たり で ドア に ぶち当たった ── 鍵 が 掛かって いる 。 ろうか||つきあたり||どあ||ぶちあたった|かぎ||かかって| I hit the door at the end of the corridor ── it's locked.

「 もう ダメだ ! |だめだ " I can not continue ! 」 と ロン が うめいた 。 groaned Ron. みんな で ドア を 押した が どうにも なら ない 。 ||どあ||おした|||| We all pushed the door, but nothing happened.

「 おしまい だ ! "It's over! 一 巻 の 終わり だ ! ひと|かん||おわり| It's the end of the first volume! 」 足音 が 聞こえた 。 あしおと||きこえた I heard footsteps. ピーブズ の 声 を 聞きつけ 、 フィルチ が 全速力 で 走って くる 。 ||こえ||ききつけ|||ぜんそくりょく||はしって|

「 ちょっと ど いて 」 "A little bit"

ハーマイオニー は 押し殺した ような 声 で そう 言う と 、 ハリー の 杖 を ひったくり 、 鍵 を 杖 で 軽く 叩き 、 つぶやいた 。 ||おしころした||こえ|||いう||||つえ|||かぎ||つえ||かるく|たたき| Hermione said in a murderous voice, snatching Harry's wand, tapping the key with the wand, and muttering.

「 アロホモラ ! Alohomora ! 」 カチッ と 鍵 が 開き 、 ドア が パッと 開いた ── 四 人 は 折り重なって なだれ込み 、 いそいで ドア を 閉めた 。 ||かぎ||あき|どあ||ぱっと|あいた|よっ|じん||おりかさなって|なだれこみ||どあ||しめた The lock clicked open and the door flew open—the four of them piled on top of each other and hurriedly closed the door. みんな ドア に 耳 を ピッタリ つけて 、 耳 を 澄ました 。 |どあ||みみ||ぴったり||みみ||すました Everyone put their ears to the door and listened carefully.

「 どっち に 行った ? ||おこなった "Which one did you go to? 早く 言え 、 ピーブズ 」 フィルチ の 声 だ 。 はやく|いえ||||こえ| Speak quickly, Peeves," said Filch.

「『 どうぞ 』 と 言い な 」 ||いい| "Don't say 'go ahead'."

「 ゴチャゴチャ 言う な 。 |いう| "Don't mess up. さあ 連中 は どっち に 行った ? |れんちゅう||||おこなった 」 「 どうぞ と 言わ ない な ー ら 、 な ー んに も 言わ ない よ 」 ||いわ|||-|||-|||いわ|| "Don't say please, don't say anything." ピーブズ は いつも の 変な 抑揚 の ある カン に さわる 声 で 言った 。 ||||へんな|よくよう|||かん|||こえ||いった Peeves said in a voice touching Kang, who always had a strange intonation.

「 しかたがない ──── どうぞ 」 "I have no choice. ──── Go ahead."

「 な ー んに も ! |-|| "Never! は は は 。 言った だろう 。 いった| I would have said 『 どうぞ 』 と 言わ なけりゃ 『 な ー んに も 』 言わ ないって 。 ||いわ|||-|||いわ|ない って If you don't say "please", don't say "never". はっは の は ー だ ! はっ は|||-| Haha no ha! 」 ピーブズ が ヒューッ と 消える 音 と 、 フィルチ が 怒り狂って 悪態 を つく 声 が 聞こえた 。 ||||きえる|おと||||いかりくるって|あくたい|||こえ||きこえた I heard the sounds of Peeves disappearing and the voice of Filch angry and cursing. 「 フィルチ は この ドア に 鍵 が 掛かって る と 思って る 。 |||どあ||かぎ||かかって|||おもって| "Filch thinks this door is locked. もう オーケー だ ── ネビル 、 離して くれよ ! |おーけー|||はなして| It's okay - Neville, let me go! 」 ハリー が ヒソヒソ 声 で 言った 。 ||ひそひそ|こえ||いった ネビル は さっき から ハリー の ガウン の 袖 を 引っ張って いた のだ 。 ||||||がうん||そで||ひっぱって|| Neville had been pulling on the sleeves of Harry's gown from a while ago.

「 え ? なに ? 」 ハリー は 振り返った ── そして はっきり と 見た 。 ||ふりかえった||||みた Harry looked back ── and saw it clearly. 「 なに 」 を 。 しばらく の 間 、 ハリー は 自分 が 悪夢 に うなされて いる に 違いない と 思った ── あんまり だ 。 ||あいだ|||じぶん||あくむ|||||ちがいない||おもった|| For a while, Harry thought he must have had a nightmare ── not much. 今日 は もう 、 嫌というほど いろいろ あった のに 。 きょう|||いやというほど||| There have been so many things today that I hate it.

そこ は ハリー が 思って いた ような 部屋 で は なく 、 廊下 だった 。 ||||おもって|||へや||||ろうか| It wasn't the room Harry thought it was, it was a hallway. しかも 四 階 の 『 禁じられた 廊下 』 だ 。 |よっ|かい||きんじ られた|ろうか| Moreover, it was a "forbidden hallway" on the fourth floor. 今 こそ 、 なぜ 立ち入り 禁止 な の か 納得 した 。 いま|||たちいり|きんし||||なっとく| Now is the time to understand why it is off limits.

四 人 が 真 正面 に 見た の は 、 怪獣 の ような 犬 の 目だった ── 床 から 天井 まで の 空間 全部 が その 犬 で 埋まって いる 。 よっ|じん||まこと|しょうめん||みた|||かいじゅう|||いぬ||めだった|とこ||てんじょう|||くうかん|ぜんぶ|||いぬ||うずまって| What the four people saw head-on was the eyes of a monster-like dog ── the entire floor-to-ceiling space was filled with the dog. 頭 が 三 つ 。 あたま||みっ| Three heads. 血走った 三 組 の ギョロ 目 。 ちばしった|みっ|くみ|||め Three pairs of bloodshot goggles. 三 つ の 鼻 が それぞれ の 方向 に ヒクヒク 、 ピクピク して いる 。 みっ|||はな||||ほうこう||||| Three noses twitching and twitching in different directions. 三 つ の 口 から 黄色い 牙 を むきだし 、 その 間 から ヌメヌメ と した 縄 の ように 、 ダラリ と よだれ が 垂れ下がって いた 。 みっ|||くち||きいろい|きば||||あいだ|||||なわ|||||||たれさがって| The yellow fangs were exposed from the three mouths, and between them, like a slimy rope, dripping and drooling hung down.

怪物 犬 は じっと 立った まま 、 その 六 つ の 目 全部 で ハリー たち を じっと 見て いる 。 かいぶつ|いぬ|||たった|||むっ|||め|ぜんぶ||||||みて| The monster dog stood still, staring at Harry and the others with all six eyes. まだ 四 人 の 命 が あった の は 、 ハリー たち が 急に 現れた ので 怪物 犬 が フイ を 突かれて 戸惑った から だ 。 |よっ|じん||いのち||||||||きゅうに|あらわれた||かいぶつ|いぬ||||つか れて|とまどった|| There were still four lives because Harry and his friends suddenly appeared and the monster dog was confused by being stabbed by Hui. もう その 戸惑い も 消えた らしい 。 ||とまどい||きえた| It seems that the confusion has disappeared. 雷 の ような うなり 声 が 間違い なく そう 言って いる 。 かみなり||||こえ||まちがい|||いって| A thunderous growl definitely says so.

ハリー は ドア の 取っ手 を まさぐった ── フィルチ か 死 か ── フィルチ の 方 が ましだ 。 ||どあ||とって|||||し||||かた|| Harry fumbles with the door handle.

四 人 は さっき と は 反対 方向 に 倒れこんだ 。 よっ|じん|||||はんたい|ほうこう||たおれこんだ The four fell in the opposite direction. ハリー は ドア を 後ろ で バタン と 閉め 、 みんな 飛ぶ ように さっき 来た 廊下 を 走った 。 ||どあ||うしろ||||しめ||とぶ|||きた|ろうか||はしった Harry slammed the door behind and ran down the hallway where everyone flew. フィルチ の 姿 は ない 。 ||すがた|| Filch is nowhere to be seen. 急いで 別の 場所 を 探し に いって いる らしい 。 いそいで|べつの|ばしょ||さがし|||| It seems that he is in a hurry to find another place. そんな こと は もう どうでも よかった ── とにかく あの 怪獣 犬 から 少し でも 遠く に 離れたい 一 心 だ 。 ||||||||かいじゅう|いぬ||すこし||とおく||はなれ たい|ひと|こころ| I didn't care about that anymore ── Anyway, I just want to get away from that monster dog as far as possible. かけ に かけ 続けて 、 やっと 七 階 の 太った 婦人 の 肖像 画 まで たどり着いた 。 |||つづけて||なな|かい||ふとった|ふじん||しょうぞう|が||たどりついた After running on and on, I finally reached the fat lady's portrait on the seventh floor.

「 まあ いったい どこ に 行って た の ? ||||おこなって|| "Well, where did you go? 」 ガウン は 肩 から ズレ 落ち そうだ し 、 顔 は 紅潮 して 汗だく だし 、 婦人 は その 様子 を 見て 驚いた 。 がうん||かた||ずれ|おち|そう だ||かお||こうちょう||あせだく||ふじん|||ようす||みて|おどろいた The gown was about to slip off her shoulders, her face was flushed and sweaty, and the lady was surprised to see it. 「 何でもない よ ── 豚 の 鼻 、 豚 の 鼻 」 なんでもない||ぶた||はな|ぶた||はな "It's nothing. Pig snout, pig snout."

息 も 絶え絶えに ハリー が そう 言う と 、 肖像 画 が パッと 前 に 開いた 。 いき||たえだえに||||いう||しょうぞう|が||ぱっと|ぜん||あいた Harry breathlessly said, and the portrait popped open in front of him. 四 人 は やっと の 思い で 談話 室 に 入り 、 ワナワナ 震え ながら ひじ かけ 椅子 に へたりこんだ 。 よっ|じん||||おもい||だんわ|しつ||はいり||ふるえ||||いす|| The four of them finally made it into the common room and slumped into the armchairs, shivering. 口 が きける ように なる まで に しばらく かかった 。 くち|||||||| It took me a while before I could speak. ネビル と きたら 二度と 口 が きけ ない んじゃ ない か と さえ 思えた 。 |||にどと|くち|||||||||おもえた I even thought that I would never be able to speak when I came to Neville.

「 あんな 怪物 を 学校 の 中 に 閉じ込めて おく なんて 、 連中 は いったい 何 を 考えて いる んだろう 」 |かいぶつ||がっこう||なか||とじこめて|||れんちゅう|||なん||かんがえて|| "What are they thinking about keeping such a monster in school?"

やっと ロン が 口 を 開いた 。 |||くち||あいた Finally Ron opened his mouth. 「 世の中 に 運動 不足 の 犬 が いる と したら 、 まさに あの 犬 だ ね 」 よのなか||うんどう|ふそく||いぬ|||||||いぬ|| "If there is a dog in the world that is under-exercised, that is exactly what it is."

ハーマイオニー は 息 も 不機嫌 さ も 同時に 戻って きた 。 ||いき||ふきげん|||どうじに|もどって| Hermione was breathless and sullen at the same time.

「 あなた たち 、 どこ に 目 を つけて る の ? ||||め|||| "Where are you guys looking? 」 ハーマイオニー が つっかかる ように 言った 。 ||||いった ' said Hermione sternly.

「 あの 犬 が 何の 上 に 立って た か 、 見 なかった の ? |いぬ||なんの|うえ||たって|||み|| "Didn't you see what that dog was standing on? 」 「 床 の 上 じゃ ない ? とこ||うえ|| "Isn't it on the floor?" 」 ハリー が 一応 意見 を 述べた 。 ||いちおう|いけん||のべた Harry gave his opinion. 「 僕 、 足 なんか 見て なかった 。 ぼく|あし||みて| "I didn't even look at my feet. 頭 を 三 つ 見る だけ で 精一杯 だった よ 」 あたま||みっ||みる|||せいいっぱい|| Just looking at three of my heads was all I could do. "

ハーマイオニー は 立ち上がって みんな を にらみつけた 。 ||たちあがって||| Hermione stood up and glared at everyone.

「 ちがう 。 " Wrong . 床 じゃ ない 。 とこ|| Not the floor. 仕掛け 扉 の 上 に 立って た の よ 。 しかけ|とびら||うえ||たって||| I was standing on the gimmick door. 何 か を 守って る の に 違いない わ 」 なん|||まもって||||ちがいない| He must be protecting something."

「 あなた たち 、 さぞかし ご 満足 でしょう よ 。 ||||まんぞく|| "You guys are very happy. もしかしたら みんな 殺されて た かも しれ ない のに ── もっと 悪い こと に 、 退学 に なった かも しれ ない の よ 。 ||ころさ れて|||||||わるい|||たいがく||||||| Perhaps everyone was killed, but worse, they may have dropped out. で は 、 みなさん 、 お さしつかえ なければ 、 休ま せて いただく わ 」 ||||||やすま||| Well, everyone, if you don't mind, I'll take a rest. "

ロン は ポカン と 口 を あけて ハーマイオニー を 見送った 。 ||||くち|||||みおくった Ron opened his mouth with Pokan and saw off Hermione.

「 お さしつかえ なんか ある わけな いよ な 。 "There is no such thing as a mess. あれ じゃ 、 まるで 僕たち が あいつ を 引っ張り込んだ みたいに 聞こえる じゃ ない か 、 ねえ ? |||ぼくたち||||ひっぱりこんだ||きこえる|||| Well then, it sounds like we pulled him in, hey? 」 ハーマイオニー の 言った こと が ハリー に は 別の 意味 で ひっかかった 。 ||いった||||||べつの|いみ|| What Hermione said caught Harry in a different way. ベッド に 入って から それ を 考えて いた 。 べっど||はいって||||かんがえて| I was thinking about it after I got into bed. 犬 が 何 か を 守って いる …… ハグリッド が 何て 言ったっけ ? いぬ||なん|||まもって||||なんて|いった っけ A dog guarding something... what did Hagrid say? 「 グリンゴッツ は 何 か を 隠す に は 世界 で 一 番 安全な 場所 だ ── たぶん ホグワーツ 以外 で は ……」 ||なん|||かくす|||せかい||ひと|ばん|あんぜんな|ばしょ||||いがい|| Gringotts is the safest place in the world to hide something, except maybe at Hogwarts. ......

七一三 番 金庫 から 持ってきた あの 汚い 小さな 包み が 、 今 どこ に ある の か 、 ハリー は それ が わかった ような 気 が した 。 しちかずみ|ばん|きんこ||もってきた||きたない|ちいさな|つつみ||いま||||||||||||き|| Harry seemed to know where that dirty little package from Vault 713 was now.