Ginga Eiyuu Densetsu (Legend of the Galactic Heroes ) Episode 103 (2)
具体 的 に どう する か は もう 少し 様子 を 見 ない と
それにしても 地球 に は 僕 の 心 を 引く もの は 何も なかった
あそこ に ある の は 過去 で あって
未来 で は ない と 思った
未来 が 存在 する 場所 は 地球 で は なく て …
3 月 14 日 カイザー ・ ラインハルト は
25 歳 の 誕生 日 を 迎え た
カイザー の 誕生 日 は 帝国 に とって 重要 な 祝日 で あり
軍 の 将兵 に は 休暇 と 一 時 金 が 下 賜 さ れ た
さすが に カイザー の 体調 を 考慮 し て
園遊会 は 中止 さ れ た が
アンネローゼ から リンデン ウォール フラワー
イチョウ を 描 い た 高名 な 画家 の 絵 が 贈ら れ た
これ は それぞれ 夫婦 愛
愛情 の 絆 長寿 を 意味 する 植物 で
アンネローゼ の 弟 夫妻 に 対する
心遣い が 伺わ れ た
ラインハルト が 病床 から 離れ た ころ
一層 病状 を 悪化 さ せ て いる 病人 も いる
お前 が それほど 感傷 的 な 女 だ と は 思わ なかった な
何 の こと ? エルフリーデ と いう 女 の こと だ
わざわざ ロイエンタール の 死に目 に
会わ せ て やった そう じゃ ない か
あの 女 は 今 どこ に いる の だ
さあ どこ か しら ね
あんた が 焦る 理由 は 分かって いる わ
健康 に 自信 が なく なって き た もの ね
だからといって 今 一部 の 流通 や
通信 を 混乱 さ せ た ところ で
どんな 効果 が ある の かしら
航路 局 の 件 は 完全 に 失敗 だった し
切り札 が なく て も 勝負 し なけりゃ なら ん 時 が ある ん だ
今年 が その 時 だ
お前 は どう 思って いる か 知ら ん が
確か に あんた は 衰弱 し てる わ ね
そんな 陳腐 な セリフ を 吐く 人間 じゃ なかった のに
表現 力 が 乏しく なった わ
以前 は もう 少し 気 の 利 い た こと が
言 え た 人 な の に ね
もう 何 年 に なる かしら
あの ころ は 2 人 と も まだ 若かった
あなた は 自治 領 主 府 の いち 書記 官
私 は 歌 と 踊り の 才能 だけ で
社会 の 上部 に よじ登る つもり だった
ルパート を 売った よう に 俺 も 売る つもり か
ルパート は 彼 なり に 正面 から 戦って 死 ん だ わ
あんた は どう かしら カイザー ・ ラインハルト と
正面 から 戦う 気 が ある の ?
あんた が 死 ん だ 後 あんた が
カイザー ・ ラインハルト に 対し て どう 振る舞った か
戦った の か それとも 足 を すく お う と し た だけ か
他人 が 決め て くれる わ
そして あんた は その 評価 に 抗議 する こと も でき ない の よ
3 月 20 日 オーベル シュタイン ら が
惑星 ハイネ セン に 到着 する
俺 は 死ぬ こと など 少し も 怖く ない
だが オーベル シュタイン の 巻き添え に なる の は ご免 被る
奴 と 同行 し て ヴァルハラ へ 行く こと に でも なったら
俺 は 奴 を ワルキューレ の 車 から 突き落とし て やる から な
閣下 お 声 が 大き すぎ ます
ビッテンフェルト 家 に は 代々 の 家訓 が ある
「 他人 を 褒める 時 は 大きな 声 で 」
「 けなす 時 は より 大きな 声 で 」 と いう の だ
俺 は その 家訓 を 守って いる だけ だ
分かり まし た 分かり まし た から
ハクション ハクション
オーベル シュタイン は そのまま ロイエンタール が 使用 し て い た
総督 府 へ 向かった が ビッテンフェルト と ミュラー は
それぞれ 空港 近く の ホテル に
仮 司令 部 を 置き 軍務 尚 書 と 同行 し なかった
オーベル シュタイン の ほう でも 特に 両 提督 の 同行 を 求め なかった
彼 が 早急 に 手 を つけよ う と し て い た 問題 は
両 提督 の 作戦 指揮 能力 を
必要 と する 類 の もの で は なかった から で ある
翌 21 日 から ハイネ セン は
急激 で 苛烈 な 変化 に さらさ れ た
軍務 尚 書 直属 の 陸 戦 部隊 が 出動 し て
いわゆる 危険 人物 を 強引 に 連行 し 始め た の で ある
かつて 同盟 政府 の 人 的 資源 委員 長 を 務め た ホアン ・ ルイ
ヤン ・ ウェン リー 元帥 の 司令 部 で
参謀 長 の 要 職 に あった ムライ 中将
旧 同盟 軍 で 第 二 艦隊 第 一 艦隊 の
司令 官 を 歴任 し た パエッタ 中将
国立 自治 大学 の 元 学長 で
歴代 政権 の ブレーン を 務め た オリベイラ 博士 など
5000 名 を 超える 人々 が 一挙に 収監 さ れ て しまった
およそ 自由 惑星 同盟 で 重要 な 公 職 に あった 者 は
根こそぎ 捕らわれ た こと に なる
これ が 世に いう 「 オ ー ベルシュタイン の 草刈り 」 で ある
オーベル シュタイン は 何 を 考え て いる の か
俺 に は さっぱり 理解 でき ん
卿 に は 分かる か ? いや 分かり ませ ん
俺 が 思う に だ 民主 共和 主義 者 と か いう 奴 ら に は
言い たい こと を 言わ せ て おけ ば いい の さ
どうせ 口 で 言って いる こと の 1 パーセント も
実行 できる わけ で は ない から な
政治 犯 や 思想 犯 を 獄 に 下 せ ば
その 分 一般 刑事 犯 の 収監 能力 が 低下 し ます
かえって この 惑星 の 治安 を 損なう 恐れ も ある でしょ う な
まったく だ 力 で 押さえつける だけ で
治安 維持 が できる と 考え て いる と すれ ば
オーベル シュタイン も 存外 に 芸 が ない と いう もの だ
しかし 治安 維持 に 関し て は
我々 に 異議 を 唱える 権限 も あり ませ ん
ここ は イゼルローン 要塞 の 攻略 準備 に
専念 する こと に し ま しょ う
ワー レン 提督 も 今日 に も ガン ダルヴァ 星 域 から
到着 さ れ ます し
そう だ な だ が まさか オーベル シュタイン の やつ
実戦 に まで 口 を 出す つもり で は ある まい な
それ は 何 と も
戦い に なったら 俺 は 俺 の やり 方 で やら せ て もらう ぞ
オーベル シュタイン の 指図 は 受けん
こう し て 3 月 の 末 に 至る まで
軍務 尚 書 と 3 人 の 艦隊 司令 官 は
同じ 惑星 上 に あり ながら ほとんど 顔 を 合わせる こと も なく
互い の 責務 を 果たし て い た
その 三 提督 が そろって オ ー ベルシュタイン の もと を 訪れ た の は
4 月 1 日 午前 の こと で ある
軍務 尚 書 に 伺い たい こと が ある
伺 お う ビッテンフェルト 提督
ただし 手短 に かつ 理論 的 に 願い たい
では 単 刀 直入 に 伺 お う
我が 軍 の 内外 に 流れる 噂 に よれ ば
軍務 尚 書 が 多数 の 政治 犯 思想 犯 を 収監 する 理由 は
奴 ら を 人質 に し て イゼルローン 軍 に
開 城 を 迫る ため だ と いう
戦力 に 勝る 我 が 軍 が
その よう な 卑劣 な 手段 に 訴える と は 信じ たく は ない が
この 際 軍務 尚 書 ご 自身 の 口 から
真偽 の ほど を 伺い たい いかに
噂 に 基づ い て 批判 さ れる と は 心外 だ
では 事実 で は ない の だ な
そう は 言って おら ん
すると やはり 人質 の 生命 を 盾 に し て
イゼルローン の 開 城 を 求める と おっしゃる の か
軍事 的 ロマン 主義 者 の 血生臭い 夢想 は
この 際 無益 だ
百万 の 将兵 の 生命 を 新た に 損なう より
1 万 たら ず の 政治 犯 を 無血 開 城 の 具 に する ほう が
いくらか でも マシ な 選択 と 信じる 次第 で ある
常勝 不敗 の 帝国 軍 の 名誉 は どう なる か
名誉 ? イゼルローン ごとき
俺 の 艦隊 だけ でも 落とし て み せる
まして ミュラー も ワー レン も いる 4 万 隻 の 大軍 だ
その よう な 姑息 な 手段 を 用い ず と も
実力 を もって イゼルローン を 開 城 さ せ 得る こと
万 に 一 つ も 疑い ない
実績 なき 者 の 大言壮語 を 戦略 の 基幹 に 据える わけ に は いか ぬ
もはや 武力 のみ で 事態 の 解決 を 図る 段階 で は ない
実績 が ない だ と !
カイザー ・ ラインハルト 陛下 の 御 もと に あって
幾 度 も 戦場 を 往来 し 陛下 の 御 ため に
雄 敵 を ことごとく 倒し て き た 我ら だ
何 を もって 実績 なし と 放言 する か
卿 ら の 実績 と やら は よく 承知 し て いる
卿 ら 3 名 合わせ て ヤン ・ ウェン リー 1 人 に
幾 度 勝利 の 美 酒 を 飲ま せる に 至った か
私 だけ で なく 敵 軍 も …
貴 様 !
提督 よせ
よせ
閣下
ミュラー 提督 はっ
ビッテンフェルト 提督 が 謹慎 し て いる 間
シュワルツ ・ ラン ツェン レイター の 指揮 監督 は
卿 に 委ねる よろしい な
お 言葉 です が 軍務 尚 書 小 官 は ともかく
シュワルツ ・ ラン ツェン レイター の 将兵 が 承知 し ます まい
彼ら に とって 司令 官 と は
ビッテンフェルト 提督 ただ 1 人 の はず です から
これ は ミュラー 提督 らしから ぬ 不 見識 だ
シュワルツ ・ ラン ツェン レイター は 帝国 軍 の いち 部隊
ビッテンフェルト 提督 の 私 兵 で は ある まい
軍務 尚 書 は ご 自信 を お 持ち の よう だ が
人質 を 盾 に 開 城 を 迫る よう な 手段 を
誇り 高い カイザー が ご 承知 に なる でしょ う か
我ら に 艦隊 を 率い させ この 地 まで 派遣 なさった からに は
カイザー の 御 意 は 堂々 たる 正面 決戦 に ある こと
明らか で は あり ませ ん か
軍務 尚 書 は あえて それ を 無視 なさる と ?
その カイザー の 誇り が
イゼルローン 回廊 に 数 百万 将兵 の 白骨 を
朽ち させる 結果 を 生 ん だ
一昨年 ヤン ・ ウェン リー が ハイネ セン を 脱し て
イゼルローン に 寄った 時 この 策 を 用い て い れ ば
数 百万 の 人命 が 損なわ れ ず に 済 ん だ の だ
帝国 は カイザー の 私物 で は なく
帝国 軍 は カイザー の 私 兵 で は ない
カイザー が 個人 的 な 誇り の ため に
将兵 を 無為 に 死な せ て よい と いう 法 が どこ に ある
それでは ゴールデン バウム 王朝 の 時代 と
何ら 変わら ぬ で は ない か
軍務 尚 書 の 主張 は 恐らく 正しい
だが その 正し さ ゆえ に
人々 の 憎悪 を 買う こと に なる だ ろ う
私 は 皇帝 陛下 の 代理人 と し て 卿 ら を 指揮 する
勅命 に よって で ある 異存 が ある なら
カイザー に 対し て 言 上 す べき で あ ろ う
完全 な 正論 だ
だが 先 に 痛烈 に カイザー 批判 を 口 に し
その 舌 の 根 も 乾か ぬ うち に
今度 は カイザー の 名 を 借り て 自己 の 立場 を 強化 し た と
取れ なく も ない
いや 間違い なく 三 提督 は そう 取った に 違いない
これ は …
要件 は 済 ん だ お 三方 に 引き取って い た だけ
フェルナー 少将 はっ
この よう に し て 惑星 ハイネ セン の 状況 は
誰 も 想像 し ない 方向 へ と 進んで いった
オーベル シュタイン と 3 名 の 上級 大将 の 間 に 生じ た 対立 は
カイザー ・ ラインハルト に 深刻 な 命題 を 突きつけ た
正々堂々 と 戦って 百万 人 の 血 を 流す こと と
最小 限 の 犠牲 で 平和 と 統一 を 実現 する こと の
どちら が 歴史 に 貢献 する か
ユリアン も また この 問い に 答え なく て は なら なかった が
次回 銀河 英雄 伝説 第 104 話
「 平和 へ 、 流血 経由 」