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Samurai Champloo, サムライチャンプルー 第二話 百鬼夜行

サムライチャンプルー 第 二 話 百 鬼 夜行

♪~

~♪

( 足音 )

( 佐々木 竜二 郎 ( さ さ きり ゅ うじ ろう ) ) 毒 を 制す に は 毒 が 一 番 だ よ なあ

( 門番 ) しかし 鬼 若 丸 ( お にわか まる ) は 刑 を 待つ 身

外 に 出せ ば 何 を しでかす か …

う う っ …

( 竜二 郎 ) この 無 ( ね ) え 手 が ほ ざ く ん だ よ

あいつ ら を ぶ っ 殺し て くれ って なあ

( 戸 が 開く 音 )

よ お 鬼 若 丸 俺 は その 面 ( つら ) が 好き な ん だ よ

ケダモノ 以下 の お前 の 面 が よ

お前 と 俺 は 似た 者 どうし さ

いや 兄弟 かも しれ ねえ な

だから よ 一緒 に やっつけ に 行 こ う ぜ

お前 を いじめ た や つら を よ

( トンビ の 鳴き声 )

( フウ ) いい ? 隠し事 は なし だ から ね

ヘソクリ から 何 から 洗いざらい 出す ん だ から ね

せ ー の っ

( フウ ) ウソ これ だけ ?

( ムゲン ) て め え 隠し持って ん じゃ ねえ か ?

( ジン ) お前 こそ その ドングリ は 何 だ

ちょっと 私 と の 約束 忘れ た ん じゃ ない でしょ う ね ?

斬り 合い は 禁止 です

つ ー か よ そもそも 聞き たい と 思って た ん だ が よ

( フウ ) え ?

ヒマワリ の 侍 と は 何者 だ

それ は …

そもそも ヒマワリ って 何 だ よ

ちょっと 待った

知ら ん の か ?

花 よ 花

どんな 匂い な ん だ よ

ほか に 手がかり は ?

似顔絵 と か よ

ここ に 来 た 根拠 は ?

あー ! も お っ

( おなか が 鳴る 音 )

とりあえず 何 か 食べよ う

( トンビ の 鳴き声 )

( セミ の 鳴き声 )

( フウ ) じゃ ー ん 上 州 名物 焼き まんじゅう

さて 問題 です

これ を 3 人 で 分ける と 1 人 何 個 食べ られる でしょう か

2 人 斬 って 1 人 で 食う

ああ … っと

あんた ねえ

( フウ ) あっ

( トンビ の 鳴き声 )

( フウ ) コラー !

( ムゲン ) て め え この トンビ 野郎 !

トンビ に 油揚げ と は この こと か

( 村人 1 ) 何 だって ?

じゃあ その 行方 知れ ず の 連中 は 鬼 に 襲わ れ たって の か

( 村人 2 ) ああ そういう ウワサ だ

( 犬山 ( い ぬ やま ) ) お っか ない 話 です ねえ

おいおい あんた お 侍 だ ろ ?

は … ああ

そう だ あんた が その 鬼 を 退治 し て くれよ

そう だ そうだ

と … とんでもない

私 は そんな …

( 犬 の 吠 ( ほ ) え 声 )

わ あ あっ 脅かさ ない で ください よ

ハハハハッ こりゃ 頼りない 侍 も あった もん だ

しかし ウワサ が 本当 なら その 連中 は 今ごろ …

( ムゲン ) 取って 食わ れ ち まっ てる だ ろ う なあ

おい その だんご

( ムゲン ) 話 は 聞い た ぜ

何 なら 俺 が 鬼 退治 して やろ う か ?

( 2 人 ) お ?

( 2 人 ) おお っ !

( 村人 1 ) いや あ すごい ね あんた

大した 腕 だ あ

きっと 名 の ある 道場 か 何 か の 出 な ん だ ろ ?

まっ そんな とこ だ

( フウ ) ちょっと お !

何 が 鬼 退治 よ

桃 太郎 に でも なった つもり ?

私 と の 約束 ちゃん と 守って よ ね

まあまあ そんなに 怒 ん ない で

あんた も 一緒 に どう だい

いや 羨ま し い です な 腕 に 自信 の ある 方 は

いや あ 私 など 侍 と は 名 ばかり でし て

プハアッ

おいしい !

何 ? この 水

いや あ いい 飲み っぷり

あー ? ああ …

おいおい

( 主人 ) あの ー まさか これ から 峠 越え で ?

そう だ けど

お よし なさい すぐに も 日 が 暮れ て しまい ます よ

しかし 宿 代 も まま なら ぬ 身 ゆえ

そう そう それ なら ちょうど よい 所 が あり ます よ

この先 の 湯治 場 近く に 掘っ立て小屋 が ある ん です よ

明日 発 ( た ) たれ て は どう です か ?

( ムゲン ) ハア … のんき に 寝 や がって

犯す ぞ コラ

( ジン ) さっき の 主人 ( ムゲン ) あ ?

いや 考え すぎ か

ん ?

( 竜二 郎 ) お 疲れ さ ん

なかなか 上出来 だ

じゃ … じゃあ 私 は これ で

お 前 殺し と くわ

は …

う う っ …

( 蛍 ( ほたる ) ) あり が と 助かった わ

( ムゲン ) タダ と は 言って ねえ ぜ

お いくら ?

いくら 出す ?

じゃ 俺 は ヤボ 用 で

( ジン ) 女 か …

なんで 俺 を 呼 ん だ ?

ヤボ な こと 聞く じゃ ない か

そう いく つ も ある わけ じゃ ない

( ムゲン ) ずいぶん 話 が 早 ( はえ ) え な

( 蛍 ) べつに 純情 ぶる つもり も ない さ

今夜 は 楽し も う じゃ ない か

短い ん だ よ

( 引き戸 が 開く 音 )

( 竜二 郎 ) よ お

はっ …

お 目覚め に は まだ 早い ぜ

( フウ ) う っ …

( 犬山 ) おや これ は これ は

( ジン ) これ は 先ほど の 茶屋 の …

( 犬山 ) 蛍 が どうして 光る か ご存じ です か ?

オス と メス が 呼び 合う ため … N な ん です が

時々 ね オス と オス も 呼び 合って しまう らしい です よ

失礼 する

( 犬山 ) そうそう 実は 私 心当たり が あり まし て ね

侍 です よ ほら

あの 娘 が 話し て た ヒマワリ の

( 猿 橋 ( さる は し ) ) 佐々木 竜二 郎 !

関東 取締 出 役 だ

( 木地 ( きじ ) ) 佐々木 竜二 郎

貴 様 を 召し捕る !

神妙 に いたせ !

… った く ご 苦労 な こった ぜ

なあ 鬼 若

また お前 を いじめ に 来 た ぜ

( 鬼 若 丸 ) う う

何 だ こいつ は

かまわ ぬ 一緒 に たたき 斬れ

この … バケ モン が あ !

う う …

は … う う !

( 猿 橋 ) ぐ ああ …

ハハハハッ

く … 来る なあ

この バケ モン !

う う お おお !

( 木地 ) う わ あ ああ !

( 鬼 若 丸 ) 怖がる な

えっ …

( 鬼 若 丸 ) みんな 俺 の 顔 怖 がる

醜い と 言う

俺 の こと バケ モノ と 言って 嫌う

でも 俺 の 顔 こうして れ ば 見え ない

( 鬼 若 丸 ) み … 見る な

怖く ない よ

でも … すごく 悲しい 目 を し てる

( 鬼 若 丸 ) 俺 バケ モノ 言わ れ た

殺さ れ そう だった

俺 … 俺 自分 が 分から なく なった

俺 たくさん の 人 殺し た

俺 …

独りぼっち

あっ 蛍 だ

あっ

やつ に 招待 状 出し て き た ぜ

鬼 若 早速 宴 ( うた げ ) の 準備 だ

( ムゲン ) う っ !

て め え 何 を 吸わ せ や がった

フフッ どう だい ? 気分 は

ヒトヨタケ さ

猛毒 に なっちゃ う って 話 だ よ

誰 の 差し金 だ

手元 が 狂って ブスリ と いく 前 に 答えろ よ

フッ 片腕 の 男 さ

解毒 剤 も そい つ が 持って る

それ より …

( ムゲン ) 何 だ

あんた の 連れ の 娘 今ごろ …

クソ

( ジン ) どこ まで 行く ?

( 犬山 ) もう すぐ です

( ムゲン ) クソ

( 犬山 ) ハア …

殺し屋 です

分かって る よ

( 犬山 ) 言 っと き ます が あなた に は 何 の 恨み も あり ませ ん

殺し は ただ の お 仕事 です から

( 荒い 息 )

う っ …

野郎

( ジン ) 誰 に 頼ま れ た ?

では そろそろ 始め ま しょ う か

ほほ う

これ は これ は ウワサ どおり だ

久しぶり です よ これほど の 使い 手 は

ようやく 鬼 退治 も できる って わけ だ

野郎 ・・・

( フウ ) ムゲン !

( 竜二 郎 ) やっと 来 や がった か

この 腕 を 斬った こと 後悔 さ して やる ぜ

腕 ?

おいおい 頼む よ

この 腕 忘れ た と は 言わ せ ねえ ぜ

( ムゲン ) 悪 ( わり ) い 誰 だ っけ ?

て … て め え !

( 犬山 ) なるほど 想像 以上 だ

確かに 道場 で なら 私 は あなた に 勝て ない かも しれ ない

ですが …

どう し まし た

道場 と は 勝手 が 違い ます か ?

う う おお !

クソ … 力 が 入ら ねえ

ムゲン

どう し た ? そろそろ 毒 が 回って き た か

欲しい か この 解毒 剤 さあ

一晩 中 苦し ん だ あげく に あの世 行き な ん だ よ

て め え の 命 も あと 一晩 って こと さ ハハハッ

( ムゲン ) ん ぬ わ あっ

だ あ !

( 鬼 若 丸 ) う う ー っ

う う っ …

う う …

う う う …

俺 醜い

顔 見る な

う わ ああ !

ムゲン !

( 竜二 郎 ) まだ だ ! 鬼 若 まだ 殺す な よ

じっくり いた ぶって 殺す ん だ から よ お

( 犬山 ) いやいや

私 も 久しぶり に 楽しま せ て もらい まし た

しかし 残業 は やら ない 主義 なんで ね

そろそろ 終わら せ て いただき ます

( 竜二 郎 ) オラオラ

どう だ 苦しい か ?

楽 に は 死な せ ねえ から よ お

もっと 苦しみ や がれ

この アマ !

あ あっ

上等 だ

て め え から 先 に あの世 へ 送って やる ぜ

あんた それ でも 人間 な の ?

は あ ?

ハッハ こりゃ おも しれ え や

俺 は な 人 の 心 なんて とっくに 売 っ ぱら っ ち まって ん だ よ

楽しい ん だ よ

俺 の 苦し み を な みんな に 分け て やり て え ん だ よ

それ が 平等 って もん だ ろ ?

て め え も 死ね や あ !

ぐ あっ

う … あ あっ

鬼 若 …

て め え …

う お おお !

やめ て !

もう やめ て !

あれ …

なんて こった

雇い主 が 死 ん で しまった

( ジン ) なに ?

つまり あなた を 殺す 理由 が なくなった って こと です

しかた あり ませ ん から ねえ

では

あなた と は また どこ か で 会う でしょ う

そんな 気 が し ます

( フウ ) どうして 私 を 守って くれ た の ?

どうして ?

お前 …

俺 を … 怖がら なかった

俺 … 独りぼっち じゃ ない

♪~

~♪


サムライチャンプルー 第 二 話 百 鬼 夜行 |だい|ふた|はなし|ひゃく|おに|やこう Samurai Champloo Episode 2: Night Parade of One Hundred Demons

♪~

~♪

( 足音 ) あしおと

( 佐々木 竜二 郎 ( さ さ きり ゅ うじ ろう ) ) 毒 を 制す に は 毒 が 一 番 だ よ なあ ささき|りゅうじ|ろう|||||||どく||せいす|||どく||ひと|ばん|||

( 門番 ) しかし 鬼 若 丸 ( お にわか まる ) は 刑 を 待つ 身 もんばん||おに|わか|まる|||||けい||まつ|み (But Oniwakamaru awaits his sentence.

外 に 出せ ば 何 を しでかす か … がい||だせ||なん||| What will I do if I go out there?

う う っ …

( 竜二 郎 ) この 無 ( ね ) え 手 が ほ ざ く ん だ よ りゅうじ|ろう||む|||て|||||||

あいつ ら を ぶ っ 殺し て くれ って なあ |||||ころし||||

( 戸 が 開く 音 ) と||あく|おと

よ お 鬼 若 丸 俺 は その 面 ( つら ) が 好き な ん だ よ ||おに|わか|まる|おれ|||おもて|||すき||||

ケダモノ 以下 の お前 の 面 が よ |いか||おまえ||おもて||

お前 と 俺 は 似た 者 どうし さ おまえ||おれ||にた|もの|どう し|

いや 兄弟 かも しれ ねえ な |きょうだい||||

だから よ 一緒 に やっつけ に 行 こ う ぜ ||いっしょ||||ぎょう|||

お前 を いじめ た や つら を よ おまえ|||||||

( トンビ の 鳴き声 ) とんび||なきごえ

( フウ ) いい ? 隠し事 は なし だ から ね ||かくしごと|||||

ヘソクリ から 何 から 洗いざらい 出す ん だ から ね ||なん||あらいざらい|だす||||

せ ー の っ |-||

( フウ ) ウソ これ だけ ? |うそ||

( ムゲン ) て め え 隠し持って ん じゃ ねえ か ? ||||かくしもって||||

( ジン ) お前 こそ その ドングリ は 何 だ |おまえ|||どんぐり||なん|

ちょっと 私 と の 約束 忘れ た ん じゃ ない でしょ う ね ? |わたくし|||やくそく|わすれ|||||||

斬り 合い は 禁止 です きり|あい||きんし|

つ ー か よ そもそも 聞き たい と 思って た ん だ が よ |-||||きき|||おもって|||||

( フウ ) え ?

ヒマワリ の 侍 と は 何者 だ ひまわり||さむらい|||なにもの|

それ は …

そもそも ヒマワリ って 何 だ よ |ひまわり||なん||

ちょっと 待った |まった

知ら ん の か ? しら|||

花 よ 花 か||か

どんな 匂い な ん だ よ |におい||||

ほか に 手がかり は ? ||てがかり|

似顔絵 と か よ にがおえ|||

ここ に 来 た 根拠 は ? ||らい||こんきょ|

あー ! も お っ

( おなか が 鳴る 音 ) ||なる|おと

とりあえず 何 か 食べよ う |なん||たべよ|

( トンビ の 鳴き声 ) とんび||なきごえ

( セミ の 鳴き声 ) せみ||なきごえ

( フウ ) じゃ ー ん 上 州 名物 焼き まんじゅう ||-||うえ|しゅう|めいぶつ|やき|

さて 問題 です |もんだい|

これ を 3 人 で 分ける と 1 人 何 個 食べ られる でしょう か ||じん||わける||じん|なん|こ|たべ|||

2 人 斬 って 1 人 で 食う じん|き||じん||くう

ああ … っと

あんた ねえ

( フウ ) あっ

( トンビ の 鳴き声 ) とんび||なきごえ

( フウ ) コラー !

( ムゲン ) て め え この トンビ 野郎 ! |||||とんび|やろう

トンビ に 油揚げ と は この こと か とんび||あぶらあげ|||||

( 村人 1 ) 何 だって ? むらびと|なん|

じゃあ その 行方 知れ ず の 連中 は 鬼 に 襲わ れ たって の か ||ゆくえ|しれ|||れんちゅう||おに||おそわ||||

( 村人 2 ) ああ そういう ウワサ だ むらびと||||

( 犬山 ( い ぬ やま ) ) お っか ない 話 です ねえ いぬやま|||||||はなし||

おいおい あんた お 侍 だ ろ ? |||さむらい||

は … ああ

そう だ あんた が その 鬼 を 退治 し て くれよ |||||おに||たいじ|||

そう だ そうだ ||そう だ

と … とんでもない

私 は そんな … わたくし||

( 犬 の 吠 ( ほ ) え 声 ) いぬ||ばい|||こえ

わ あ あっ 脅かさ ない で ください よ |||おびやかさ||||

ハハハハッ こりゃ 頼りない 侍 も あった もん だ ||たよりない|さむらい||||

しかし ウワサ が 本当 なら その 連中 は 今ごろ … |||ほんとう|||れんちゅう||いまごろ

( ムゲン ) 取って 食わ れ ち まっ てる だ ろ う なあ |とって|くわ||||||||

おい その だんご

( ムゲン ) 話 は 聞い た ぜ |はなし||ききい||

何 なら 俺 が 鬼 退治 して やろ う か ? なん||おれ||おに|たいじ||||

( 2 人 ) お ? じん|

( 2 人 ) おお っ ! じん||

( 村人 1 ) いや あ すごい ね あんた むらびと|||||

大した 腕 だ あ たいした|うで||

きっと 名 の ある 道場 か 何 か の 出 な ん だ ろ ? |な|||どうじょう||なん|||だ||||

まっ そんな とこ だ

( フウ ) ちょっと お !

何 が 鬼 退治 よ なん||おに|たいじ|

桃 太郎 に でも なった つもり ? もも|たろう||||

私 と の 約束 ちゃん と 守って よ ね わたくし|||やくそく|||まもって||

まあまあ そんなに 怒 ん ない で ||いか|||

あんた も 一緒 に どう だい ||いっしょ|||

いや 羨ま し い です な 腕 に 自信 の ある 方 は |うらやま|||||うで||じしん|||かた|

いや あ 私 など 侍 と は 名 ばかり でし て ||わたくし||さむらい|||な|||

プハアッ

おいしい !

何 ? この 水 なん||すい

いや あ いい 飲み っぷり |||のみ|

あー ? ああ …

おいおい

( 主人 ) あの ー まさか これ から 峠 越え で ? あるじ||-||||とうげ|こえ|

そう だ けど

お よし なさい すぐに も 日 が 暮れ て しまい ます よ |||||ひ||くれ||||

しかし 宿 代 も まま なら ぬ 身 ゆえ |やど|だい|||||み|

そう そう それ なら ちょうど よい 所 が あり ます よ ||||||しょ||||

この先 の 湯治 場 近く に 掘っ立て小屋 が ある ん です よ このさき||とうじ|じょう|ちかく||ほったてごや|||||

明日 発 ( た ) たれ て は どう です か ? あした|はつ|||||||

( ムゲン ) ハア … のんき に 寝 や がって ||||ね||

犯す ぞ コラ おかす||

( ジン ) さっき の 主人 ( ムゲン ) あ ? |||あるじ||

いや 考え すぎ か |かんがえ||

ん ?

( 竜二 郎 ) お 疲れ さ ん りゅうじ|ろう||つかれ||

なかなか 上出来 だ |じょうでき|

じゃ … じゃあ 私 は これ で ||わたくし|||

お 前 殺し と くわ |ぜん|ころし||

は …

う う っ …

( 蛍 ( ほたる ) ) あり が と 助かった わ ほたる|||||たすかった|

( ムゲン ) タダ と は 言って ねえ ぜ |ただ|||いって||

お いくら ?

いくら 出す ? |だす

じゃ 俺 は ヤボ 用 で |おれ|||よう|

( ジン ) 女 か … |おんな|

なんで 俺 を 呼 ん だ ? |おれ||よ||

ヤボ な こと 聞く じゃ ない か |||きく|||

そう いく つ も ある わけ じゃ ない

( ムゲン ) ずいぶん 話 が 早 ( はえ ) え な ||はなし||はや|||

( 蛍 ) べつに 純情 ぶる つもり も ない さ ほたる||じゅんじょう|||||

今夜 は 楽し も う じゃ ない か こんや||たのし|||||

短い ん だ よ みじかい|||

( 引き戸 が 開く 音 ) ひきど||あく|おと

( 竜二 郎 ) よ お りゅうじ|ろう||

はっ …

お 目覚め に は まだ 早い ぜ |めざめ||||はやい|

( フウ ) う っ …

( 犬山 ) おや これ は これ は いぬやま|||||

( ジン ) これ は 先ほど の 茶屋 の … |||さきほど||ちゃや|

( 犬山 ) 蛍 が どうして 光る か ご存じ です か ? いぬやま|ほたる|||ひかる||ごぞんじ||

オス と メス が 呼び 合う ため …\ N な ん です が おす||めす||よび|あう||||||

時々 ね オス と オス も 呼び 合って しまう らしい です よ ときどき||おす||おす||よび|あって||||

失礼 する しつれい|

( 犬山 ) そうそう 実は 私 心当たり が あり まし て ね いぬやま|そう そう|じつは|わたくし|こころあたり|||||

侍 です よ ほら さむらい|||

あの 娘 が 話し て た ヒマワリ の |むすめ||はなし|||ひまわり|

( 猿 橋 ( さる は し ) ) 佐々木 竜二 郎 ! さる|きょう||||ささき|りゅうじ|ろう

関東 取締 出 役 だ かんとう|とりしまり|だ|やく|

( 木地 ( きじ ) ) 佐々木 竜二 郎 きじ||ささき|りゅうじ|ろう

貴 様 を 召し捕る ! とうと|さま||めしとる

神妙 に いたせ ! しんみょう||

… った く ご 苦労 な こった ぜ |||くろう|||

なあ 鬼 若 |おに|わか

また お前 を いじめ に 来 た ぜ |おまえ||||らい||

( 鬼 若 丸 ) う う おに|わか|まる||

何 だ こいつ は なん|||

かまわ ぬ 一緒 に たたき 斬れ ||いっしょ|||きれ

この … バケ モン が あ ! ||もん||

う う …

は … う う !

( 猿 橋 ) ぐ ああ … さる|きょう||

ハハハハッ

く … 来る なあ |くる|

この バケ モン ! ||もん

う う お おお !

( 木地 ) う わ あ ああ ! きじ||||

( 鬼 若 丸 ) 怖がる な おに|わか|まる|こわがる|

えっ …

( 鬼 若 丸 ) みんな 俺 の 顔 怖 がる おに|わか|まる||おれ||かお|こわ|

醜い と 言う みにくい||いう

俺 の こと バケ モノ と 言って 嫌う おれ||||もの||いって|きらう

でも 俺 の 顔 こうして れ ば 見え ない |おれ||かお||||みえ|

( 鬼 若 丸 ) み … 見る な おに|わか|まる||みる|

怖く ない よ こわく||

でも … すごく 悲しい 目 を し てる ||かなしい|め|||

( 鬼 若 丸 ) 俺 バケ モノ 言わ れ た おに|わか|まる|おれ||もの|いわ||

殺さ れ そう だった ころさ|||

俺 … 俺 自分 が 分から なく なった おれ|おれ|じぶん||わから||

俺 たくさん の 人 殺し た おれ|||じん|ころし|

俺 … おれ

独りぼっち ひとりぼっち

あっ 蛍 だ |ほたる|

あっ

やつ に 招待 状 出し て き た ぜ ||しょうたい|じょう|だし||||

鬼 若 早速 宴 ( うた げ ) の 準備 だ おに|わか|さっそく|えん||||じゅんび|

( ムゲン ) う っ !

て め え 何 を 吸わ せ や がった |||なん||すわ|||

フフッ どう だい ? 気分 は |||きぶん|

ヒトヨタケ さ

猛毒 に なっちゃ う って 話 だ よ もうどく|||||はなし||

誰 の 差し金 だ だれ||さしがね|

手元 が 狂って ブスリ と いく 前 に 答えろ よ てもと||くるって||||ぜん||こたえろ|

フッ 片腕 の 男 さ |かたうで||おとこ|

解毒 剤 も そい つ が 持って る げどく|ざい|||||もって|

それ より …

( ムゲン ) 何 だ |なん|

あんた の 連れ の 娘 今ごろ … ||つれ||むすめ|いまごろ

クソ くそ

( ジン ) どこ まで 行く ? |||いく

( 犬山 ) もう すぐ です いぬやま|||

( ムゲン ) クソ |くそ

( 犬山 ) ハア … いぬやま|

殺し屋 です ころしや|

分かって る よ わかって||

( 犬山 ) 言 っと き ます が あなた に は 何 の 恨み も あり ませ ん いぬやま|げん||||||||なん||うらみ||||

殺し は ただ の お 仕事 です から ころし|||||しごと||

( 荒い 息 ) あらい|いき

う っ …

野郎 やろう

( ジン ) 誰 に 頼ま れ た ? |だれ||たのま||

では そろそろ 始め ま しょ う か ||はじめ||||

ほほ う

これ は これ は ウワサ どおり だ

久しぶり です よ これほど の 使い 手 は ひさしぶり|||||つかい|て|

ようやく 鬼 退治 も できる って わけ だ |おに|たいじ|||||

野郎 ・・・ やろう

( フウ ) ムゲン !

( 竜二 郎 ) やっと 来 や がった か りゅうじ|ろう||らい|||

この 腕 を 斬った こと 後悔 さ して やる ぜ |うで||きった||こうかい||||

腕 ? うで

おいおい 頼む よ |たのむ|

この 腕 忘れ た と は 言わ せ ねえ ぜ |うで|わすれ||||いわ|||

( ムゲン ) 悪 ( わり ) い 誰 だ っけ ? |あく|||だれ||

て … て め え !

( 犬山 ) なるほど 想像 以上 だ いぬやま||そうぞう|いじょう|

確かに 道場 で なら 私 は あなた に 勝て ない かも しれ ない たしかに|どうじょう|||わたくし||||かて||||

ですが …

どう し まし た

道場 と は 勝手 が 違い ます か ? どうじょう|||かって||ちがい||

う う おお !

クソ … 力 が 入ら ねえ くそ|ちから||はいら|

ムゲン

どう し た ? そろそろ 毒 が 回って き た か ||||どく||まわって|||

欲しい か この 解毒 剤 さあ ほしい|||げどく|ざい|

一晩 中 苦し ん だ あげく に あの世 行き な ん だ よ ひとばん|なか|にがし|||||あのよ|いき||||

て め え の 命 も あと 一晩 って こと さ ハハハッ ||||いのち|||ひとばん||||

( ムゲン ) ん ぬ わ あっ

だ あ !

( 鬼 若 丸 ) う う ー っ おに|わか|まる|||-|

う う っ …

う う …

う う う …

俺 醜い おれ|みにくい

顔 見る な かお|みる|

う わ ああ !

ムゲン !

( 竜二 郎 ) まだ だ ! 鬼 若 まだ 殺す な よ りゅうじ|ろう|||おに|わか||ころす||

じっくり いた ぶって 殺す ん だ から よ お |||ころす|||||

( 犬山 ) いやいや いぬやま|

私 も 久しぶり に 楽しま せ て もらい まし た わたくし||ひさしぶり||たのしま|||||

しかし 残業 は やら ない 主義 なんで ね |ざんぎょう||||しゅぎ||

そろそろ 終わら せ て いただき ます |おわら||||

( 竜二 郎 ) オラオラ りゅうじ|ろう|

どう だ 苦しい か ? ||くるしい|

楽 に は 死な せ ねえ から よ お がく|||しな|||||

もっと 苦しみ や がれ |くるしみ||

この アマ ! |あま

あ あっ

上等 だ じょうとう|

て め え から 先 に あの世 へ 送って やる ぜ ||||さき||あのよ||おくって||

あんた それ でも 人間 な の ? |||にんげん||

は あ ?

ハッハ こりゃ おも しれ え や

俺 は な 人 の 心 なんて とっくに 売 っ ぱら っ ち まって ん だ よ おれ|||じん||こころ|||う||||||||

楽しい ん だ よ たのしい|||

俺 の 苦し み を な みんな に 分け て やり て え ん だ よ おれ||にがし||||||わけ|||||||

それ が 平等 って もん だ ろ ? ||びょうどう||||

て め え も 死ね や あ ! ||||しね||

ぐ あっ

う … あ あっ

鬼 若 … おに|わか

て め え …

う お おお !

やめ て !

もう やめ て !

あれ …

なんて こった

雇い主 が 死 ん で しまった やといぬし||し|||

( ジン ) なに ?

つまり あなた を 殺す 理由 が なくなった って こと です |||ころす|りゆう|||||

しかた あり ませ ん から ねえ

では

あなた と は また どこ か で 会う でしょ う |||||||あう||

そんな 気 が し ます |き|||

( フウ ) どうして 私 を 守って くれ た の ? ||わたくし||まもって|||

どうして ?

お前 … おまえ

俺 を … 怖がら なかった おれ||こわがら|

俺 … 独りぼっち じゃ ない おれ|ひとりぼっち||

♪~

~♪