病気 の お 見舞い
病気 の お 見舞い
むかし むかし 、 吉 四六 さん と 言う 、 とても ゆかいな 人 が い ました 。
ある 時 、 庄屋 ( しょうや ) さん が 風邪 を ひいて しまい ました 。
「 庄屋 さん は 口うるさい から 、 見舞い ( みまい ) に 行って おか ん と 、 後 で 何 を 言わ れる か 分から ん から な 」 村人 たち は 次々 と 見舞い に 出かけ ました が 、 ひねくれ 者 の 吉 四六 さん は 、 みんな が 見舞い を 終えた 後 に 、 一 人 で 出かけ ました 。
「 庄屋 さん 、 お 加減 は いかがでしょう か ?
」 「 何 じゃ い 、 今頃 。
村 の 者 が みんな 早く 見舞い に 来て くれた と いう のに 、 お前 は 一体 、 今頃 まで 何 を して おった ?
何 を さておいて も 見舞い に 駆けつける の が 、 礼儀 と いう もの で は ない か 」 庄屋 さん は 、 プリプリ と 文句 を 言い ました 。
「 いえ 、 実は 、 庄屋 さん に もし もの事 が あって は いけない と 、 お 医者 さん を 呼び に 行った のです 。
あいにく 、 お 医者 さん は 出かけて おり ました ので 、 また 帰り に 寄って 頼んで き ます 」 すると 庄屋 さん は 、 たちまち 機嫌 を 治して 、 「 そう か 、 そう か 。
さすが は 吉 四六 さん じゃ 。
よく 気 が 利く 。
さっき は 叱ったり して 悪かった な 。
お 医者 さん に は 、 もう 大丈夫だ から と 言って くれ まい か 」 と 、 吉 四六 さん を 、 酒 や ごちそう で もてなし ました 。
ところが 何 日 かする と 、 庄屋 さん の 風邪 が ぶり返した と いう ので 、 村 の みんな が また 、 ぞろぞろ と 見舞い に 出かけ ました 。
吉 四六 さん が 一番 最後に 見舞い に 行く と 、 庄屋 さん は 息 も たえだえに 、 「 ああ 、 よく 来て くれた 。
今度 も 気 を 利か せて 、 お 医者 さま を 呼んで 来て くれた か ?
」 と 、 吉 四六 さん の 手 を 取り ました 。
ところが 吉 四六 さん は 、 首 を 横 に 振って 言い ました 。
「 いやいや 。
どうも 、 今度 ばかり は 助かり そう も ない と 思って 、 お 寺 の お 坊さん を 呼び に 行ったり 、 お 葬式 ( そう しき ) の 棺 ( かん ) おけ やら 、 お 通夜 の 後 に 出す 料理 の 材料 の 手配 を して 来 ました 。
それ で すっかり 、 遅く なり ました 」 吉 四六 さん の 、 あまり の 手回し の 良 さ に 、 庄屋 さん は カンカンに 怒り ました 。
「 この 馬鹿 者 !
わし は 、 まだまだ 死な ん ぞ !
気 を 利か す に も 、 ほど が ある わ !
」 この 怒った 勢い で 、 庄屋 さん の 病気 は すっかり 治って しまった そうです 。
おしまい
病気 の お 見舞い
びょうき|||みまい
病気 の お 見舞い
びょうき|||みまい
Illness sympathy
疾病同情
むかし むかし 、 吉 四六 さん と 言う 、 とても ゆかいな 人 が い ました 。
||きち|しろく|||いう|||じん|||
ある 時 、 庄屋 ( しょうや ) さん が 風邪 を ひいて しまい ました 。
|じ|しょうや||||かぜ||||
「 庄屋 さん は 口うるさい から 、 見舞い ( みまい ) に 行って おか ん と 、 後 で 何 を 言わ れる か 分から ん から な 」 村人 たち は 次々 と 見舞い に 出かけ ました が 、 ひねくれ 者 の 吉 四六 さん は 、 みんな が 見舞い を 終えた 後 に 、 一 人 で 出かけ ました 。
しょうや|||くちうるさい||みまい|||おこなって||||あと||なん||いわ|||わから||||むらびと|||つぎつぎ||みまい||でかけ||||もの||きち|しろく|||||みまい||おえた|あと||ひと|じん||でかけ|
「 庄屋 さん 、 お 加減 は いかがでしょう か ?
しょうや|||かげん|||
」 「 何 じゃ い 、 今頃 。
なん|||いまごろ
村 の 者 が みんな 早く 見舞い に 来て くれた と いう のに 、 お前 は 一体 、 今頃 まで 何 を して おった ?
むら||もの|||はやく|みまい||きて|||||おまえ||いったい|いまごろ||なん|||
何 を さておいて も 見舞い に 駆けつける の が 、 礼儀 と いう もの で は ない か 」 庄屋 さん は 、 プリプリ と 文句 を 言い ました 。
なん||||みまい||かけつける|||れいぎ||||||||しょうや|||||もんく||いい|
反正衝上去同情不是禮貌嗎?”莊哉先生抱怨道。
「 いえ 、 実は 、 庄屋 さん に もし もの事 が あって は いけない と 、 お 医者 さん を 呼び に 行った のです 。
|じつは|しょうや||||ものごと|||||||いしゃ|||よび||おこなった|
あいにく 、 お 医者 さん は 出かけて おり ました ので 、 また 帰り に 寄って 頼んで き ます 」 すると 庄屋 さん は 、 たちまち 機嫌 を 治して 、 「 そう か 、 そう か 。
||いしゃ|||でかけて|||||かえり||よって|たのんで||||しょうや||||きげん||なおして||||
さすが は 吉 四六 さん じゃ 。
||きち|しろく||
よく 気 が 利く 。
|き||きく
さっき は 叱ったり して 悪かった な 。
||しかったり||わるかった|
お 医者 さん に は 、 もう 大丈夫だ から と 言って くれ まい か 」 と 、 吉 四六 さん を 、 酒 や ごちそう で もてなし ました 。
|いしゃ|||||だいじょうぶだ|||いって|||||きち|しろく|||さけ|||||
ところが 何 日 かする と 、 庄屋 さん の 風邪 が ぶり返した と いう ので 、 村 の みんな が また 、 ぞろぞろ と 見舞い に 出かけ ました 。
|なん|ひ|||しょうや|||かぜ||ぶりかえした||||むら|||||||みまい||でかけ|
吉 四六 さん が 一番 最後に 見舞い に 行く と 、 庄屋 さん は 息 も たえだえに 、 「 ああ 、 よく 来て くれた 。
きち|しろく|||ひと ばん|さいごに|みまい||いく||しょうや|||いき|||||きて|
今度 も 気 を 利か せて 、 お 医者 さま を 呼んで 来て くれた か ?
こんど||き||きか|||いしゃ|||よんで|きて||
」 と 、 吉 四六 さん の 手 を 取り ました 。
|きち|しろく|||て||とり|
ところが 吉 四六 さん は 、 首 を 横 に 振って 言い ました 。
|きち|しろく|||くび||よこ||ふって|いい|
「 いやいや 。
どうも 、 今度 ばかり は 助かり そう も ない と 思って 、 お 寺 の お 坊さん を 呼び に 行ったり 、 お 葬式 ( そう しき ) の 棺 ( かん ) おけ やら 、 お 通夜 の 後 に 出す 料理 の 材料 の 手配 を して 来 ました 。
|こんど|||たすかり|||||おもって||てら|||ぼうさん||よび||おこなったり||そうしき||||ひつぎ|||||つや||あと||だす|りょうり||ざいりょう||てはい|||らい|
それ で すっかり 、 遅く なり ました 」 吉 四六 さん の 、 あまり の 手回し の 良 さ に 、 庄屋 さん は カンカンに 怒り ました 。
|||おそく|||きち|しろく|||||てまわし||よ|||しょうや|||かんかん に|いかり|
「 この 馬鹿 者 !
|ばか|もの
わし は 、 まだまだ 死な ん ぞ !
|||しな||
気 を 利か す に も 、 ほど が ある わ !
き||きか|||||||
」 この 怒った 勢い で 、 庄屋 さん の 病気 は すっかり 治って しまった そうです 。
|いかった|いきおい||しょうや|||びょうき|||なおって||そう です
おしまい