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1 - Harry Potter, 17.3 二 つ の 顔 を 持つ 男

17.3 二 つ の 顔 を 持つ 男

その 夜 は グッスリ 寝た ので 、 ハリー は ほとんど 回復 した ように 感じた 。

「 パーティー に 出たい んです けど 。 行って も いい でしょう か 」

山 の ような 菓子 の 箱 を 片づけて いる マダム ・ ポンフリー に ハリー は 頼んだ 。

「 ダンブルドア 先生 が 行か せて あげる ように と おっしゃいました 」 マダム ・ ポンフリー は 鼻 を フン と 鳴らした 。 ダンブルドア 先生 は パーティー の 危険 性 を ご存知 ない と でも 言い た げ だった 。

「 ああ それ から 、 また 面会 の 人 が 来てます よ 」 「 うれしい なぁ 。 誰 ? 」 ハリー の 言葉 が 終わら ない うち に 、 ハグリッド が ドア から 体 を 斜めに して 入って きた 。 部屋 の 中 で は 、 ハグリッド は いつも 場違いな ほど 大きく 見える 。 ハリー の 隣 に 座って チラッ と 顔 を 見る なり 、 ハグリッド は オン オン と 泣き出して しまった 。

「 みんな …… 俺 の …… バカな …… しくじり の せい だ ! 」 手 で 顔 を おおい 、 しゃくり上げた 。 「 悪い やつら に 、 フラッフィー を 出し抜く 方法 を しゃべ くって しもう た 。 俺 が ヤツ に 話した んだ ! ヤツ は これ だけ は 知ら ん かった のに 、 しゃべ くって しも うた ! あんた は 死ぬ とこ だった ! たかが ドラゴン の 卵 の せい で 。 もう 酒 は やら ん ! 俺 なんか 、 つまみ出されて 、 マグル と して 生きろ と 言われて も しょうがない ! 」 悲しみ と 後悔 に 体 を 振るわ せ 、 ハグリッド の あご ひげ に 大粒の 涙 が ポロポロ と 流れ 落ちて いる 。 「 ハグリッド ! 」 ハリー は その 姿 に 驚いて 呼びかけた 。 「 ハグリッド 。 あいつ は どうせ 見つけ出して いた よ 。 相手 は ヴォルデモート だ もん 。 ハグリッド が 何も 言わ なく たって 、 どうせ 見つけて いた さ 」

「 おまえ さん は 死ぬ とこ だった んだ 」 と ハグリッド が しゃくり上げた 。

「 それ に 、 その 名前 を 言う な 」

「 ヴォルデモート 」

ハリー は 大声 で 怒鳴った 。 ハグリッド は 驚いて 泣きやんだ 。

「 僕 は 彼 に 会った し 、 あいつ を 名前 で 呼ぶ んだ 。 さあ 、 ハグリッド 。 元気 を 出して 。 僕たち 、『 石 』 は 守った んだ 。 もう なくなって しまった から 、 あいつ は 『 石 』 を 使う こと は でき ない よ 。 さあ 、 蛙 チョコレート を 食べて 。 山ほど ある から ……」

ハグリッド は 手の甲 で グイッ と 鼻 を 拭った 。

「 お ぉ 、 それ で 思い出した 。 俺 も プレゼント が ある んだ 」

「 イタチ ・ サンドイッチ じゃ ない だろう ね 」

と ハリー が 心配 そうに 言う と 、 やっと ハグリッド が クスッ と 笑った 。

「 いん や 。 これ を 作る んで 、 きのう ダンブルドア 先生 が 俺 に 休み を くれた 。 あの 方 に 首 に されて 当然な のに …… とにかく 、 はい 、 これ 」 こぎれいな 皮 表紙 の 本 の ようだった 。 いったい なんだろう と ハリー が 開けて みる と 、 そこ に は 魔法使い の 写真 が ギッシリ と 貼って あった 。 どの ページ でも ハリー に 笑い かけ 、 手 を 振って いる 。 お 父さん 、 お母さん だ 。 「 あんた の ご 両親 の 学友 たち に ふくろう を 送って 、 写真 を 集めた んだ 。 だって お前 さん は 一 枚 も 持って いない し …… 気 に 入った か ? 」 ハリー は 言葉 が 出 なかった 。 でも ハグリッド に は よく わかった 。

その 夜 ハリー は 一 人 で 学年 度 末 パーティー に 行った 。 マダム ・ ポンフリー が もう 一 度 最終 診察 を する と うるさかった ので 、 大広間 に 着いた 時 に は もう 広間 は いっぱいだった 。 スリザリン が 七 年 連続 で 寮 対抗 杯 を 獲得 した お 祝い に 、 広間 は グリーン と シルバー の スリザリン ・ カラー で 飾られて いた 。 スリザリン の ヘビ を 描いた 巨大な 横断 幕 が 、 ハイテーブル の 後ろ の 壁 を おおって いた 。

ハリー が 入って いく と 突然 シーン と なり 、 その後 全員 が いっせいに 大声 で 話し はじめた 。 ハリー は グリフィンドール の テーブル で 、 ロン と ハーマイオニー の 間 に 座り 、 みんな が ハリー を 見よう と 立ち上がって いる の を 無視 しよう と した 。

運 良く ダンブルドア が すぐ 後 に 現れ 、 ガヤガヤ 声 が 静かに なった 。

「 また 一 年 が 過ぎた ! 」 ダンブルドア が ほがらかに 言った 。 「 一同 、 ごちそう に かぶり つく 前 に 、 老 いぼ れ の たわごと を お 聞き 願おう 。 何という 一 年 だったろう 。 君 たち の 頭 も 以前 に 比べて 少し 何 か が 詰まって いれば いい のじゃ が …… 新 学年 を 迎える 前 に 君 たち の 頭 が きれいさっぱり 空っぽに なる 夏 休み が やってくる 。

それでは ここ で 寮 対抗 杯 の 表彰 を 行う こと に なっと る 。 点数 は 次の とおり じ や 。 四 位 グリフィンドール 三一二 点 。 三 位 ハッフルパフ 三五二 点 。 レイプンタロー は 四二六 点 。 そして スリザリン 四七二 点 」

スリザリン の テーブル から 嵐 の ような 歓声 と 足 を 踏み鳴らす 音 が 上がった 。 ドラコ ・ マルフォイ が ゴブレット で テーブル を 叩いて いる の が 見えた 。 胸 の 悪く なる ような 光景 だった 。

「 よし 、 よし 、 スリザリン 。 よく やった 。 しかし 、 つい 最近 の 出来事 も 勘定 に 入れ なくて は なる まいて 」 と ダンブルドア が 言った 。

部屋 全体 が シーン と なった 。 スリザリン 寮生 の 笑い が 少し 消えた 。

「 えへん 」

ダンブルドア が 咳払い を した 。

「 かけ込み の 点数 を いくつか 与えよう 。 えー と 、 そうそう …… まず 最初 は 、 ロナルド ・ ウィーズリー 君 」

ロン の 顔 が 赤く なった 。 まるで ひどく 日焼け した 赤 かぶ みたいだった 。

「 この 何 年間 か 、 ホグワーツ で 見る こと が でき なかった ような 、 最高の チェス ・ ゲーム を 見せて くれた こと を 称え 、 グリフィンドール に 五十 点 を 与える 」

グリフィンドール の 歓声 は 、 魔法 を かけられた 天井 を 吹き飛ばし かね ない くらい だった 。 頭上 の 星 が ダラダラ 揺れた ようだ 。

「 僕 の 兄弟 さ ! 二 番 下 の 弟 だ よ 。 マクゴナガル の 巨大 チェス を 破った んだ 」 パーシー が 他の 監督 生 に こう 言う の が 聞こえて きた 。 広間 は やっと 静かに なった 。

「 次に …… ハーマイオニー ・ グレンジャー 嬢 に …… 火 に 囲ま れ ながら 、 冷静な 論理 を 用いて 対処 した こと を 称え 、 グリフィンドール に 五十 点 を 与える 」

ハーマイオニー は 腕 に 顔 を 埋めた 。 きっと うれし泣き して いる に 違いない と ハリー は 思った 。

グリフィンドール の 寮生 が 、 テーブル の あちこち で 我 を 忘れて 狂喜 して いる …… 一〇〇 点 も 増えた 。

「 三 番 目 は ハリー ・ ポッター 君 ……」

部屋 中 が 水 を 打った ように シーン と なった 。

「…… その 完璧な 精神 力 と 、 並はずれた 勇気 を 称え 、 グリフィンドール に 六十 点 を 与える 」

耳 を つんざく 大騒音 だった 。 声 が かすれる ほど 叫び ながら 足し算 が できた 人 が いた なら 、 グリフィンドール が 四七二 点 に なった こと が わかったろう …… スリザリン と 全く 同点 だ 。 寮 杯 は 引き分け だ …… ダンブルドア が ハリー に もう 一 点 多く 与えて くれたら よかった のに 。

ダンブルドア が 手 を 上げた 。 広間 の 中 が 少しずつ 静かに なった 。

「 勇気 に も いろいろ ある 」

ダンブルドア は ほほえんだ 。

「 敵 に 立ち向かって いく の に も 大いなる 勇気 が いる 。 しかし 、 味方 の 友人 に 立ち向かって いく の に も 同じ くらい 勇気 が 必要 じゃ 。 そこ で 、 わし は ネビル ・ ロングボトム 君 に 十 点 を 与えたい 」 大広間 の 外 に 誰か いたら 爆発 が 起こった 、 と 思った かも しれ ない 。 それほど 大きな 歓声 が グリフィンドール の テーブル から 湧き上がった 。 ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー は 立ち上がって 叫び 、 歓声 を 上げた 。 ネビル は 驚いて 青白く なった が 、 みんな に 抱きつか れ 、 人 に 埋もれて 姿 が 見え なく なった 。 ネビル は 、 これ まで グリフィンドール の ため に 一 点 も 稼いだ こと は なかった 。 ハリー は 歓声 を 上げ ながら ロン の 脇腹 を つついて マルフォイ を 指さした 。 マルフォイ は 、「 金縛り の 術 」 を かけられた より も もっと 、 驚き 、 恐れおののいた 顔 を して いた 。 レイブンクロー も ハッフルパフ も 、 スリザリン が トップ から 滑り落ちた こと を 祝って 、 喝采 に 加わって いた 。 嵐 の ような 喝采 の 中 で 、 ダンブルドア が 声 を 掛り 上げた 。

「 したがって 、 飾りつけ を ちょいと 変え ねば なら ん のう 」

ダンブルドア が 手 を たたいた 。 次の 瞬間 グリーン の 垂れ幕 が 真 紅 に 、 銀色 が 金色 に 変わった 。

巨大な スリザリン の ヘビ が 消えて グリフィンドール の そびえ 立つ ような ライオン が 現れた 。

スネイプ が 苦々し げ な 作り 笑い で マクゴナガル 教授 と 握手 を して いた 。 スネイプ の 目 が ハリー を とらえた 。 スネイプ の 自分 に 対する 感情 が 、 まったく 変わって いない の が ハリー に は すぐ わかった が 、 気 に なら なかった 。 来年 は また これ まで と 変わら ない 毎日 が 戻って くる だけ の 話 だ 。

── ホグワーツ らしい 「 正常な 」 毎日 が 。

その 夜 は ハリー に とって 、 今 まで で 一 番 素晴らしい 夜 だった 。 クィディッチ に 勝った 時 より も 、 クリスマス より も 、 野生 の トロール を やっつけた 時 より も 素敵 だった ……。 今夜 の こと は ずーっと 忘れ ない だろう 。

ハリー は 試験 の 結果 が まだ 出て いない こと を ほとんど 忘れて いた が 、 結果 が 発表 さ れた 。 驚いた こと に 、 ハリー も ロン も よい 成績 だった 。 もちろん ハーマイオニー は 学年 で トップ だった 。 ネビル は スレスレ だった が 、 薬草 学 の 成績 が よくて 魔法 薬 の どん底 の 成績 を 補って いた 。

意地悪な ばかり か バカな ゴイル が 退 校 に なれば いい のに と 、 みんな が 期待 して いた が 、 彼 も パス した 。 残念だった が 、 ロン に 言わ せれば 、 人生 って そう いい こと ばかり で は ない 。 そして 、 あっという間 に 洋服 だ ん す は 空 に なり 、 旅行 かばん は いっぱいに なった 。 ネビル の ヒキガエル は トイレ の 隅 に 隠れて いる ところ を 見つかって しまった 。 「 休暇 中 魔法 を 使わ ない ように 」 と いう 注意 書 が 全 生徒 に 配ら れた 。 (「 こんな 注意 書 、 配る の を 忘れりゃ いい の にって 、 いつも 思う んだ 」 と フレッド ・ ウィーズリー が 悲し そうに 言った ) ハグリッド が 湖 を 渡る 船 に 生徒 たち を 乗せ 、 そして 全員 ホグワーツ 特急 に 乗り込んだ 。 しゃべったり 笑ったり して いる うち に 、 車窓 の 田園 の 緑 が 濃く なり 、 こぎれいに なって いった 。 バーティー ・ ボッツ の 百 味 ビーンズ を 食べて いる うち に 、 汽車 は マグル の 町 々 を 通り過ぎた 。 みんな は 魔法 の マント を 脱ぎ、 上着 と コート に 着替えた。 そして キングズ ・ クロス 駅 の 9 3/4 番 線 ホーム に 到着 した 。

プラット フォーム を 出る の に 少し 時間 が かかった 。 年寄り の しわくちゃ な 駅員 が 改札口 に 立って いて 、 ゲート から 数人 ずつ バラバラ に 外 に 送り出して いた 。 堅い 壁 の 中 から 、 いっぺんに たくさんの 生徒 が 飛び出す と 、 マグル が びっくり する から だ 。

「 夏 休み に 二 人 と も 家 に 泊まり に きて よ 。 ふくろう 便 を 送る よ 」 と ロン が 言った 。

「 ありがとう 。 僕 も 楽しみに 待って いられる ような もの が 何 か なくちゃ ……」 と ハリー が 言った 。 人 の 波 に 押さ れ ながら 三 人 は ゲート へ 、 マグル の 世界 へ と 進んで いった 。 何 人 か が 声 を かけて いく 。

「 ハリー 、 バイバイ 」

「 また ね 。 ポッター 」

「 今 だ に 有名 人 だ ね 」 と ロン が ハリー に 向かって ニヤッ と した 。

「 これ から 帰る ところ で は 違う よ 」 と ハリー 。

ハリー と ロン と ハーマイオニー は 一緒に 改札口 を 出た 。

「 まあ 、 彼 だ わ 。 ねえ 、 ママ 、 見て 」

ロン の 妹 の ジニー ・ ウィーズリー だった 。 が 、 指さして いる の は ロン で は なかった 。

「 ハリー ・ ポッター よ 。 ママ 、 見て ! 私 、 見える わ 」

と ジニー は 金切り声 を あげた 。

「 ジニー 、 お 黙り 。 指さす なんて 失礼 です よ 」

ウィーズリー おばさん が 三 人 に 笑い かけた 。

「 忙しい 一 年 だった ? 」 「 ええ 、 とても 。 お 菓子 と セーター 、 ありがとう ございました 。 ウィーズリー おばさん 」

と ハリー が 答えた 。

「 まあ 、 どう いたし まして 」

「 準備 は いい か 」

バーノン おじさん だった 。 相変わらず 赤ら顔 で 、 相変わらず 口 ひげ を はやし 、 相変わらず ハリー の こと を 普通で ない と 腹 を 立てて いる ようだった 。 そもそも 普通の 人 で あふれて いる 駅 で 、 ふくろう の 鳥 籠 を ぶら下げて いる なんて 、 どんな 神経 を して る んだ と 怒って いる 。 その 後ろ に は ペチュニア おばさん と ダドリー が 、 ハリー の 姿 を 見る の さえ も 恐ろしい と いう 様子 で 立って いた 。

「 ハリー の ご 家族 です ね 」 と ウィーズリー おばさん が 言った 。

「 まあ 、 そう と も 言える でしょう 」 と バーノン おじさん は 言う と 「 小僧 、 さっさと しろ 。 お前 の ため に 一 日 を つぶす わけに は いかん 」 と 、 とっとと 歩いて いって しまった 。

ハリー は 少し の 間 、 ロン や ハーマイオニー と 最後 の 挨拶 を 交わした 。

「 じゃあ 夏 休み に 会おう 」

「 楽しい 夏 休み …… あの …… そうなれば いい けど 」

ハーマイオニー は 、 あんな 嫌な 人間 が いる なんて 、 と ショック を 受けて 、 バーノン おじさん の 後 姿 を 不安 げ に 見送り ながら 言った 。

「 もちろん さ 」

ハリー が 、 うれし そうに 顔 中 ほころばせて いる ので 、 二 人 は 驚いた 。

「 僕たち が 家 で 魔法 を 使っちゃ いけない こと を 、 あの 連中 は 知ら ない んだ 。 この 夏 休み は 、 ダドリー と 大いに 楽しく やれる さ ……」

17.3 二 つ の 顔 を 持つ 男 ふた|||かお||もつ|おとこ 17.3 Der Mann mit den zwei Gesichtern 17.3 A man with two faces 17.3 L'homme aux deux visages 17.3 De man met twee gezichten 17.3 Człowiek o dwóch twarzach 17.3 O homem com duas caras 17.3 Человек с двумя лицами 17.3 Mannen med två ansikten 17.3 Людина з двома обличчями 17.3 有兩張臉的人

その 夜 は グッスリ 寝た ので 、 ハリー は ほとんど 回復 した ように 感じた 。 |よ||ぐっすり|ねた|||||かいふく|||かんじた Harry felt almost recovered as he slept so well that night.

「 パーティー に 出たい んです けど 。 ぱーてぃー||で たい|| "I want to go to a party. 行って も いい でしょう か 」 おこなって|||| May I go?"

山 の ような 菓子 の 箱 を 片づけて いる マダム ・ ポンフリー に ハリー は 頼んだ 。 やま|||かし||はこ||かたづけて|||||||たのんだ Harry asked Madam Pomfrey, who was clearing out a mountain of boxes of sweets.

「 ダンブルドア 先生 が 行か せて あげる ように と おっしゃいました 」  マダム ・ ポンフリー は 鼻 を フン と 鳴らした 。 |せんせい||いか|||||おっしゃい ました||||はな||ふん||ならした "Mr. Dumbledore told me to let him go." Madame Pomfrey snorted. ダンブルドア 先生 は パーティー の 危険 性 を ご存知 ない と でも 言い た げ だった 。 |せんせい||ぱーてぃー||きけん|せい||ごぞんじ||||いい||| Dr. Dumbledore said he didn't know the dangers of the party.

「 ああ それ から 、 また 面会 の 人 が 来てます よ 」 「 うれしい なぁ 。 ||||めんかい||じん||きて ます||| "Oh, then there are more people to visit." "I'm glad. 誰 ? だれ Who ? 」 ハリー の 言葉 が 終わら ない うち に 、 ハグリッド が ドア から 体 を 斜めに して 入って きた 。 ||ことば||おわら||||||どあ||からだ||ななめに||はいって| Before Harry's words were over, Hagrid came in at an angle from the door. 部屋 の 中 で は 、 ハグリッド は いつも 場違いな ほど 大きく 見える 。 へや||なか||||||ばちがいな||おおきく|みえる In the room, Hagrid always looks out of place. ハリー の 隣 に 座って チラッ と 顔 を 見る なり 、 ハグリッド は オン オン と 泣き出して しまった 。 ||となり||すわって|||かお||みる||||おん|おん||なきだして| As soon as he sat next to Harry and glanced at his face, Hagrid burst into tears.

「 みんな …… 俺 の …… バカな …… しくじり の せい だ ! |おれ||ばかな|||| "Everyone ... my ... stupid ... it's because of the mess! 」 手 で 顔 を おおい 、 しゃくり上げた 。 て||かお|||しゃくりあげた I covered my face with my hands and lifted it up. 「 悪い やつら に 、 フラッフィー を 出し抜く 方法 を しゃべ くって しもう た 。 わるい|やつ ら||||だしぬく|ほうほう||||| "I've talked to the bad guys how to get the fluffy out. 俺 が ヤツ に 話した んだ ! おれ||やつ||はなした| I talked to him! ヤツ は これ だけ は 知ら ん かった のに 、 しゃべ くって しも うた ! やつ|||||しら||||||| He didn't know this much, but he talked and sang! あんた は 死ぬ とこ だった ! ||しぬ|| You were about to die! たかが ドラゴン の 卵 の せい で 。 |||たまご||| Because of the dragon's egg. もう 酒 は やら ん ! |さけ||| I don't drink anymore! 俺 なんか 、 つまみ出されて 、 マグル と して 生きろ と 言われて も しょうがない ! おれ||つまみださ れて||||いきろ||いわ れて|| I can't help being picked up and told to live as a muggle! 」 悲しみ と 後悔 に 体 を 振るわ せ 、 ハグリッド の あご ひげ に 大粒の 涙 が ポロポロ と 流れ 落ちて いる 。 かなしみ||こうかい||からだ||ふるわ|||||||おおつぶの|なみだ||ぽろぽろ||ながれ|おちて| Shaking his body in sorrow and regret, large tears dripping down Hagrid's beard. 「 ハグリッド ! 」 ハリー は その 姿 に 驚いて 呼びかけた 。 |||すがた||おどろいて|よびかけた Harry was surprised at the appearance and called out. 「 ハグリッド 。 Hagrid. あいつ は どうせ 見つけ出して いた よ 。 |||みつけだして|| He had found it anyway. 相手 は ヴォルデモート だ もん 。 あいて|||| The other party is Lord Voldemort. ハグリッド が 何も 言わ なく たって 、 どうせ 見つけて いた さ 」 ||なにも|いわ||||みつけて|| Hagrid didn't say anything, he just found it. "

「 おまえ さん は 死ぬ とこ だった んだ 」 と ハグリッド が しゃくり上げた 。 |||しぬ|||||||しゃくりあげた "You were about to die," Hagrid said.

「 それ に 、 その 名前 を 言う な 」 |||なまえ||いう| "And don't say that name."

「 ヴォルデモート 」

ハリー は 大声 で 怒鳴った 。 ||おおごえ||どなった Harry yelled out. ハグリッド は 驚いて 泣きやんだ 。 ||おどろいて|なきやんだ Hagrid was surprised and stopped crying.

「 僕 は 彼 に 会った し 、 あいつ を 名前 で 呼ぶ んだ 。 ぼく||かれ||あった||||なまえ||よぶ| "I met him and I call him by name. さあ 、 ハグリッド 。 元気 を 出して 。 げんき||だして Cheer up. 僕たち 、『 石 』 は 守った んだ 。 ぼくたち|いし||まもった| もう なくなって しまった から 、 あいつ は 『 石 』 を 使う こと は でき ない よ 。 ||||||いし||つかう||||| さあ 、 蛙 チョコレート を 食べて 。 |かえる|ちょこれーと||たべて Come on, eat the frog chocolate. 山ほど ある から ……」 やまほど||

ハグリッド は 手の甲 で グイッ と 鼻 を 拭った 。 ||てのこう||||はな||ぬぐった Hagrid wiped his nose with the back of his hand.

「 お ぉ 、 それ で 思い出した 。 ||||おもいだした "Oh, that reminds me. 俺 も プレゼント が ある んだ 」 おれ||ぷれぜんと|||

「 イタチ ・ サンドイッチ じゃ ない だろう ね 」 いたち|さんどいっち|||| "Itachi-It's not a sandwich, isn't it?"

と ハリー が 心配 そうに 言う と 、 やっと ハグリッド が クスッ と 笑った 。 |||しんぱい|そう に|いう|||||||わらった Harry worried, and Hagrid finally laughed.

「 いん や 。 "No. これ を 作る んで 、 きのう ダンブルドア 先生 が 俺 に 休み を くれた 。 ||つくる||||せんせい||おれ||やすみ|| To make this, Professor Dumbledore took a day off from me yesterday. あの 方 に 首 に されて 当然な のに …… とにかく 、 はい 、 これ 」  こぎれいな 皮 表紙 の 本 の ようだった 。 |かた||くび||さ れて|とうぜんな||||||かわ|ひょうし||ほん|| It was natural for him to be fired on his neck ... Anyway, yes, this was like a neat leather-covered book. いったい なんだろう と ハリー が 開けて みる と 、 そこ に は 魔法使い の 写真 が ギッシリ と 貼って あった 。 |||||あけて||||||まほうつかい||しゃしん||ぎっしり||はって| When Harry opened it, he found a photo of a witch stuck on it. どの ページ でも ハリー に 笑い かけ 、 手 を 振って いる 。 |ぺーじ||||わらい||て||ふって| Every page is laughing and waving at Harry. お 父さん 、 お母さん だ 。 |とうさん|お かあさん| 「 あんた の ご 両親 の 学友 たち に ふくろう を 送って 、 写真 を 集めた んだ 。 |||りょうしん||がくゆう|||||おくって|しゃしん||あつめた| "I sent an owl to your parents' schoolmates and collected their pictures. だって お前 さん は 一 枚 も 持って いない し …… 気 に 入った か ? |おまえ|||ひと|まい||もって|||き||はいった| Because you don't have a single one ... Did you like it? 」 ハリー は 言葉 が 出 なかった 。 ||ことば||だ| でも ハグリッド に は よく わかった 。 But Hagrid knew all too well.

その 夜 ハリー は 一 人 で 学年 度 末 パーティー に 行った 。 |よ|||ひと|じん||がくねん|たび|すえ|ぱーてぃー||おこなった Harry went to the end of the school year party that night. マダム ・ ポンフリー が もう 一 度 最終 診察 を する と うるさかった ので 、 大広間 に 着いた 時 に は もう 広間 は いっぱいだった 。 ||||ひと|たび|さいしゅう|しんさつ||||||おおひろま||ついた|じ||||ひろま|| It was noisy when Madame Pomfrey had another final visit, so by the time he arrived at the hall, the hall was already full. スリザリン が 七 年 連続 で 寮 対抗 杯 を 獲得 した お 祝い に 、 広間 は グリーン と シルバー の スリザリン ・ カラー で 飾られて いた 。 ||なな|とし|れんぞく||りょう|たいこう|さかずき||かくとく|||いわい||ひろま||ぐりーん|||||からー||かざら れて| The hall was decorated in the Slytherin colors of green and silver in celebration of Slytherin winning the House Cup for the seventh year in a row. スリザリン の ヘビ を 描いた 巨大な 横断 幕 が 、 ハイテーブル の 後ろ の 壁 を おおって いた 。 ||へび||えがいた|きょだいな|おうだん|まく||||うしろ||かべ||| A huge banner depicting a Slytherin snake covered the wall behind the high table.

ハリー が 入って いく と 突然 シーン と なり 、 その後 全員 が いっせいに 大声 で 話し はじめた 。 ||はいって|||とつぜん|しーん|||そのご|ぜんいん|||おおごえ||はなし| As Harry came in, it suddenly became a scene, and then everyone started talking loudly all at once. ハリー は グリフィンドール の テーブル で 、 ロン と ハーマイオニー の 間 に 座り 、 みんな が ハリー を 見よう と 立ち上がって いる の を 無視 しよう と した 。 ||||てーぶる||||||あいだ||すわり|||||みよう||たちあがって||||むし||| Harry sat at Gryffindor's table between Ron and Hermione, trying to ignore everyone standing up to see Harry.

運 良く ダンブルドア が すぐ 後 に 現れ 、 ガヤガヤ 声 が 静かに なった 。 うん|よく||||あと||あらわれ|がやがや|こえ||しずかに| As luck would have it, Dumbledore appeared shortly after and the gurgling quieted down.

「 また 一 年 が 過ぎた ! |ひと|とし||すぎた Another year has passed! 」 ダンブルドア が ほがらかに 言った 。 |||いった 「 一同 、 ごちそう に かぶり つく 前 に 、 老 いぼ れ の たわごと を お 聞き 願おう 。 いちどう|||||ぜん||ろう|||||||きき|ねがおう "Let's all hear the old wart shit before we get into the feast. 何という 一 年 だったろう 。 なんという|ひと|とし| What a year it was! 君 たち の 頭 も 以前 に 比べて 少し 何 か が 詰まって いれば いい のじゃ が …… 新 学年 を 迎える 前 に 君 たち の 頭 が きれいさっぱり 空っぽに なる 夏 休み が やってくる 。 きみ|||あたま||いぜん||くらべて|すこし|なん|||つまって|||||しん|がくねん||むかえる|ぜん||きみ|||あたま|||からっぽに||なつ|やすみ|| It would be nice if your heads were a little more clogged than before ... Before the new school year, your heads will be clean and empty during the summer vacation.

それでは ここ で 寮 対抗 杯 の 表彰 を 行う こと に なっと る 。 |||りょう|たいこう|さかずき||ひょうしょう||おこなう|||な っと| Then, we will give awards for the dormitory competition cup here. 点数 は 次の とおり じ や 。 てんすう||つぎの||| The points are as follows. 四 位 グリフィンドール 三一二 点 。 よっ|くらい||さんいちに|てん Fourth place Gryffindor 312 points. 三 位 ハッフルパフ 三五二 点 。 みっ|くらい||さんごに|てん レイプンタロー は 四二六 点 。 ||しにろく|てん Rapeintalo scored 426 points . そして スリザリン 四七二 点 」 ||ししちに|てん

スリザリン の テーブル から 嵐 の ような 歓声 と 足 を 踏み鳴らす 音 が 上がった 。 ||てーぶる||あらし|||かんせい||あし||ふみならす|おと||あがった There was a storm of cheering and stomping from the Slytherin table. ドラコ ・ マルフォイ が ゴブレット で テーブル を 叩いて いる の が 見えた 。 |||||てーぶる||たたいて||||みえた I saw Draco Malfoy hitting the table with a goblet. 胸 の 悪く なる ような 光景 だった 。 むね||わるく|||こうけい| It was a terrifying sight.

「 よし 、 よし 、 スリザリン 。 よく やった 。 Well done. しかし 、 つい 最近 の 出来事 も 勘定 に 入れ なくて は なる まいて 」 と ダンブルドア が 言った 。 ||さいきん||できごと||かんじょう||いれ||||||||いった But the most recent events must also be accounted for, "Dumbledore said.

部屋 全体 が シーン と なった 。 へや|ぜんたい||しーん|| The whole room became a scene. スリザリン 寮生 の 笑い が 少し 消えた 。 |りょうせい||わらい||すこし|きえた

「 えへん 」 え へん

ダンブルドア が 咳払い を した 。 ||せきばらい||

「 かけ込み の 点数 を いくつか 与えよう 。 かけこみ||てんすう||いく つ か|あたえよう "I'll give you a few points for running. えー と 、 そうそう …… まず 最初 は 、 ロナルド ・ ウィーズリー 君 」 ||そう そう||さいしょ||||きみ

ロン の 顔 が 赤く なった 。 ||かお||あかく| まるで ひどく 日焼け した 赤 かぶ みたいだった 。 ||ひやけ||あか|| It was like a badly tanned red turnip.

「 この 何 年間 か 、 ホグワーツ で 見る こと が でき なかった ような 、 最高の チェス ・ ゲーム を 見せて くれた こと を 称え 、 グリフィンドール に 五十 点 を 与える 」 |なん|ねんかん||||みる||||||さいこうの||げーむ||みせて||||たたえ|||ごじゅう|てん||あたえる "Fifty points to Gryffindor for showing me the best chess game I've seen at Hogwarts in years."

グリフィンドール の 歓声 は 、 魔法 を かけられた 天井 を 吹き飛ばし かね ない くらい だった 。 ||かんせい||まほう||かけ られた|てんじょう||ふきとばし|||| Gryffindor's cheers were enough to blow off the magical ceiling. 頭上 の 星 が ダラダラ 揺れた ようだ 。 ずじょう||ほし||だらだら|ゆれた| The stars above seem to sway.

「 僕 の 兄弟 さ ! ぼく||きょうだい| "My brother! 二 番 下 の 弟 だ よ 。 ふた|ばん|した||おとうと|| He's the second younger brother. マクゴナガル の 巨大 チェス を 破った んだ 」 パーシー が 他の 監督 生 に こう 言う の が 聞こえて きた 。 ||きょだい|||やぶった||||たの|かんとく|せい|||いう|||きこえて| I broke McGonagall's giant chess. ”I heard Percy telling other directors: 広間 は やっと 静かに なった 。 ひろま|||しずかに| The hall finally became quiet.

「 次に …… ハーマイオニー ・ グレンジャー 嬢 に …… 火 に 囲ま れ ながら 、 冷静な 論理 を 用いて 対処 した こと を 称え 、 グリフィンドール に 五十 点 を 与える 」 つぎに|||じょう||ひ||かこま|||れいせいな|ろんり||もちいて|たいしょ||||たたえ|||ごじゅう|てん||あたえる "Next... to Miss Hermione Granger... fifty points in Gryffindor for using cool logic while surrounded by fire."

ハーマイオニー は 腕 に 顔 を 埋めた 。 ||うで||かお||うずめた Hermione buried her face in her arm. きっと うれし泣き して いる に 違いない と ハリー は 思った 。 |うれしなき||||ちがいない||||おもった Harry thought he must have been crying with joy.

グリフィンドール の 寮生 が 、 テーブル の あちこち で 我 を 忘れて 狂喜 して いる …… 一〇〇 点 も 増えた 。 ||りょうせい||てーぶる||||われ||わすれて|きょうき|||ひと|てん||ふえた Gryffindor's dormitory students are crazy about forgetting me around the table .... 100 points have increased.

「 三 番 目 は ハリー ・ ポッター 君 ……」 みっ|ばん|め||||きみ

部屋 中 が 水 を 打った ように シーン と なった 。 へや|なか||すい||うった||しーん|| It became a scene as if the whole room was hit by water.

「…… その 完璧な 精神 力 と 、 並はずれた 勇気 を 称え 、 グリフィンドール に 六十 点 を 与える 」 |かんぺきな|せいしん|ちから||なみはずれた|ゆうき||たたえ|||ろくじゅう|てん||あたえる "...sixty points to Gryffindor for his perfect mental strength and extraordinary courage."

耳 を つんざく 大騒音 だった 。 みみ|||だい そうおん| The noise was deafening. 声 が かすれる ほど 叫び ながら 足し算 が できた 人 が いた なら 、 グリフィンドール が 四七二 点 に なった こと が わかったろう …… スリザリン と 全く 同点 だ 。 こえ||||さけび||たしざん|||じん||||||ししちに|てん||||||||まったく|どうてん| If anyone could have hoarsely screamed and added up, they would have found Gryffindor to have scored 472... exactly the same score as Slytherin. 寮 杯 は 引き分け だ …… ダンブルドア が ハリー に もう 一 点 多く 与えて くれたら よかった のに 。 りょう|さかずき||ひきわけ|||||||ひと|てん|おおく|あたえて||| The Dorm Cup is a tie. ...... It would have been nice if Dumbledore had given Harry one more point.

ダンブルドア が 手 を 上げた 。 ||て||あげた 広間 の 中 が 少しずつ 静かに なった 。 ひろま||なか||すこしずつ|しずかに|

「 勇気 に も いろいろ ある 」 ゆうき|||| "There are many things in courage."

ダンブルドア は ほほえんだ 。

「 敵 に 立ち向かって いく の に も 大いなる 勇気 が いる 。 てき||たちむかって|||||おおいなる|ゆうき|| It takes great courage to face the enemy. しかし 、 味方 の 友人 に 立ち向かって いく の に も 同じ くらい 勇気 が 必要 じゃ 。 |みかた||ゆうじん||たちむかって|||||おなじ||ゆうき||ひつよう| However, it takes just as much courage to confront a friend on your side. そこ で 、 わし は ネビル ・ ロングボトム 君 に 十 点 を 与えたい 」  大広間 の 外 に 誰か いたら 爆発 が 起こった 、 と 思った かも しれ ない 。 ||||||きみ||じゅう|てん||あたえ たい|おおひろま||がい||だれ か||ばくはつ||おこった||おもった||| So I'd like to give Neville Longbottom a ten." Anyone outside the great hall might have thought there was an explosion. それほど 大きな 歓声 が グリフィンドール の テーブル から 湧き上がった 。 |おおきな|かんせい||||てーぶる||わきあがった Such a loud cheer erupted from the Gryffindor table. ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー は 立ち上がって 叫び 、 歓声 を 上げた 。 ||||たちあがって|さけび|かんせい||あげた Harry, Ron, and Hermione stood up and shouted and cheered. ネビル は 驚いて 青白く なった が 、 みんな に 抱きつか れ 、 人 に 埋もれて 姿 が 見え なく なった 。 ||おどろいて|あおじろく|||||だきつか||じん||うずもれて|すがた||みえ|| Neville was startled and pale, but everyone hugged him and he disappeared into the crowd. ネビル は 、 これ まで グリフィンドール の ため に 一 点 も 稼いだ こと は なかった 。 ||||||||ひと|てん||かせいだ||| Neville had never earned a single point for Gryffindor. ハリー は 歓声 を 上げ ながら ロン の 脇腹 を つついて マルフォイ を 指さした 。 ||かんせい||あげ||||わきばら|||||ゆびさした Harry cheered, poking Ron's flank and pointing at Malfoy. マルフォイ は 、「 金縛り の 術 」 を かけられた より も もっと 、 驚き 、 恐れおののいた 顔 を して いた 。 ||かなしばり||じゅつ||かけ られた||||おどろき|おそれおののいた|かお||| Malfoy looked more surprised and horrified than he had been put under the spell of the Paralyze. レイブンクロー も ハッフルパフ も 、 スリザリン が トップ から 滑り落ちた こと を 祝って 、 喝采 に 加わって いた 。 ||||||とっぷ||すべりおちた|||いわって|かっさい||くわわって| Both Raven Claw and Hufflepuff joined the cheers to celebrate Slytherin slipping off the top. 嵐 の ような 喝采 の 中 で 、 ダンブルドア が 声 を 掛り 上げた 。 あらし|||かっさい||なか||||こえ||かかり|あげた Dumbledore called out to the thunderous applause.

「 したがって 、 飾りつけ を ちょいと 変え ねば なら ん のう 」 |かざりつけ|||かえ|||| "Therefore, we have to change the decorations a bit."

ダンブルドア が 手 を たたいた 。 ||て|| 次の 瞬間 グリーン の 垂れ幕 が 真 紅 に 、 銀色 が 金色 に 変わった 。 つぎの|しゅんかん|ぐりーん||たれまく||まこと|くれない||ぎんいろ||きんいろ||かわった The next moment, the green banner turned crimson and the silver turned gold.

巨大な スリザリン の ヘビ が 消えて グリフィンドール の そびえ 立つ ような ライオン が 現れた 。 きょだいな|||へび||きえて||||たつ||らいおん||あらわれた The giant Slytherin serpent vanished to reveal the towering lion of Gryffindor.

スネイプ が 苦々し げ な 作り 笑い で マクゴナガル 教授 と 握手 を して いた 。 ||にがにがし|||つくり|わらい|||きょうじゅ||あくしゅ||| Snape shook hands with Professor McGonagall with a bittersweet laugh. スネイプ の 目 が ハリー を とらえた 。 ||め|||| Snape's eyes caught Harry. スネイプ の 自分 に 対する 感情 が 、 まったく 変わって いない の が ハリー に は すぐ わかった が 、 気 に なら なかった 。 ||じぶん||たいする|かんじょう|||かわって||||||||||き||| Harry could see right away that Snape's feelings for him hadn't changed at all, but he didn't care. 来年 は また これ まで と 変わら ない 毎日 が 戻って くる だけ の 話 だ 。 らいねん||||||かわら||まいにち||もどって||||はなし| Next year will be the same as before, and every day will just come back.

── ホグワーツ らしい 「 正常な 」 毎日 が 。 ||せいじょうな|まいにち| ── A “normal” day like Hogwarts.

その 夜 は ハリー に とって 、 今 まで で 一 番 素晴らしい 夜 だった 。 |よ|||||いま|||ひと|ばん|すばらしい|よ| That night was Harry's best night yet. クィディッチ に 勝った 時 より も 、 クリスマス より も 、 野生 の トロール を やっつけた 時 より も 素敵 だった ……。 ||かった|じ|||くりすます|||やせい|||||じ|||すてき| 今夜 の こと は ずーっと 忘れ ない だろう 。 こんや|||||わすれ|| I will never forget what happened tonight.

ハリー は 試験 の 結果 が まだ 出て いない こと を ほとんど 忘れて いた が 、 結果 が 発表 さ れた 。 ||しけん||けっか|||でて|||||わすれて|||けっか||はっぴょう|| Harry had almost forgotten that the results of the exam were not yet out, but the results had been announced. 驚いた こと に 、 ハリー も ロン も よい 成績 だった 。 おどろいた||||||||せいせき| To my surprise, Harry and Ron both received good grades. もちろん ハーマイオニー は 学年 で トップ だった 。 |||がくねん||とっぷ| ネビル は スレスレ だった が 、 薬草 学 の 成績 が よくて 魔法 薬 の どん底 の 成績 を 補って いた 。 |||||やくそう|まな||せいせき|||まほう|くすり||どんぞこ||せいせき||おぎなって| Neville was thrilling, but his herbal studies were good and made up for the bottom of herbal medicine.

意地悪な ばかり か バカな ゴイル が 退 校 に なれば いい のに と 、 みんな が 期待 して いた が 、 彼 も パス した 。 いじわるな|||ばかな|||しりぞ|こう||||||||きたい||||かれ||ぱす| Everyone was hoping that the mean and stupid Goyle would get kicked out, but he passed. 残念だった が 、 ロン に 言わ せれば 、 人生 って そう いい こと ばかり で は ない 。 ざんねんだった||||いわ||じんせい|||||||| It's unfortunate, but if you ask Ron, life isn't all that good. そして 、 あっという間 に 洋服 だ ん す は 空 に なり 、 旅行 かばん は いっぱいに なった 。 |あっというま||ようふく|||||から|||りょこう|||| Then, in a blink of an eye, the clothes were empty and the luggage was full. ネビル の ヒキガエル は トイレ の 隅 に 隠れて いる ところ を 見つかって しまった 。 ||ひきがえる||といれ||すみ||かくれて||||みつかって| Neville's toad was found hiding in the corner of the toilet. 「 休暇 中 魔法 を 使わ ない ように 」 と いう 注意 書 が 全 生徒 に 配ら れた 。 きゅうか|なか|まほう||つかわ|||||ちゅうい|しょ||ぜん|せいと||くばら| A cautionary note was distributed to all students stating, "Do not use magic during the holidays." (「 こんな 注意 書 、 配る の を 忘れりゃ いい の にって 、 いつも 思う んだ 」 と フレッド ・ ウィーズリー が 悲し そうに 言った )  ハグリッド が 湖 を 渡る 船 に 生徒 たち を 乗せ 、 そして 全員 ホグワーツ 特急 に 乗り込んだ 。 |ちゅうい|しょ|くばる|||わすれりゃ|||に って||おもう||||||かなし|そう に|いった|||こ||わたる|せん||せいと|||のせ||ぜんいん||とっきゅう||のりこんだ (“I always wish I had forgotten to hand out these notices,” Fred Weasley said sadly.) Hagrid put the students on a boat across the lake, and they all boarded the Hogwarts Express. boarded. しゃべったり 笑ったり して いる うち に 、 車窓 の 田園 の 緑 が 濃く なり 、 こぎれいに なって いった 。 |わらったり|||||しゃそう||でんえん||みどり||こく|||| As we chatted and laughed, the greenery of the countryside outside the train window grew darker and cleaner. バーティー ・ ボッツ の 百 味 ビーンズ を 食べて いる うち に 、 汽車 は マグル の 町 々 を 通り過ぎた 。 |||ひゃく|あじ|||たべて||||きしゃ||||まち|||とおりすぎた While eating Bertie Bot's Hyakumi Beans, the train passed through the towns of Muggle. みんな は 魔法 の マント を 脱ぎ、 上着 と コート に 着替えた。 ||まほう||まんと||ぬぎ|うわぎ||こーと||きがえた Everyone got drunk with the beast's cloak, Ka and Coat. そして キングズ ・ クロス 駅 の 9 3/4 番 線 ホーム に 到着 した 。 ||くろす|えき||ばん|せん|ほーむ||とうちゃく| And we arrived at Platform 93/4 at King's Cross Station.

プラット フォーム を 出る の に 少し 時間 が かかった 。 ぷらっと|ふぉーむ||でる|||すこし|じかん|| It took me a while to get out of the platform. 年寄り の しわくちゃ な 駅員 が 改札口 に 立って いて 、 ゲート から 数人 ずつ バラバラ に 外 に 送り出して いた 。 としより||しわ くちゃ||えきいん||かいさつぐち||たって||げーと||すう り||ばらばら||がい||おくりだして| An elderly, crumpled station employee was standing at the ticket gate, sending several people out of the gate in pieces. 堅い 壁 の 中 から 、 いっぺんに たくさんの 生徒 が 飛び出す と 、 マグル が びっくり する から だ 。 かたい|かべ||なか||||せいと||とびだす||||||| Muggles are frightened by the number of students bursting out of the solid walls at once.

「 夏 休み に 二 人 と も 家 に 泊まり に きて よ 。 なつ|やすみ||ふた|じん|||いえ||とまり||| "Both of you should come and stay at my house during summer vacation. ふくろう 便 を 送る よ 」 と ロン が 言った 。 |びん||おくる|||||いった I'll send an owl,' said Ron.

「 ありがとう 。 僕 も 楽しみに 待って いられる ような もの が 何 か なくちゃ ……」 と ハリー が 言った 。 ぼく||たのしみに|まって|いら れる||||なん||||||いった I have to have something that I can look forward to ... "said Harry. 人 の 波 に 押さ れ ながら 三 人 は ゲート へ 、 マグル の 世界 へ と 進んで いった 。 じん||なみ||おさ|||みっ|じん||げーと||||せかい|||すすんで| Pushed by a wave of people, the three made their way to the gate, into the Muggle world. 何 人 か が 声 を かけて いく 。 なん|じん|||こえ||| Some people call out.

「 ハリー 、 バイバイ 」

「 また ね 。 ポッター 」

「 今 だ に 有名 人 だ ね 」 と ロン が ハリー に 向かって ニヤッ と した 。 いま|||ゆうめい|じん||||||||むかって||| "You're still a celebrity," Ron grinned at Harry.

「 これ から 帰る ところ で は 違う よ 」 と ハリー 。 ||かえる||||ちがう||| "It's different when I'm coming home," said Harry.

ハリー と ロン と ハーマイオニー は 一緒に 改札口 を 出た 。 ||||||いっしょに|かいさつぐち||でた

「 まあ 、 彼 だ わ 。 |かれ|| "Well, it's him. ねえ 、 ママ 、 見て 」 |まま|みて

ロン の 妹 の ジニー ・ ウィーズリー だった 。 ||いもうと|||| が 、 指さして いる の は ロン で は なかった 。 |ゆびさして||||||| But it wasn't Ron pointing.

「 ハリー ・ ポッター よ 。 ママ 、 見て ! まま|みて 私 、 見える わ 」 わたくし|みえる| I can see it."

と ジニー は 金切り声 を あげた 。 |||かなきりごえ|| Ginny screamed.

「 ジニー 、 お 黙り 。 ||だまり 指さす なんて 失礼 です よ 」 ゆびさす||しつれい|| It's rude to point."

ウィーズリー おばさん が 三 人 に 笑い かけた 。 |||みっ|じん||わらい| Mrs. Weasley smiled at them.

「 忙しい 一 年 だった ? いそがしい|ひと|とし| "Have you had a busy year? 」 「 ええ 、 とても 。 お 菓子 と セーター 、 ありがとう ございました 。 |かし||せーたー|| Thank you for the sweets and sweaters. ウィーズリー おばさん 」 Aunt Weasley "

と ハリー が 答えた 。 |||こたえた Harry answered.

「 まあ 、 どう いたし まして 」 "Well, thank you."

「 準備 は いい か 」 じゅんび||| " Are you ready "

バーノン おじさん だった 。 It was Uncle Vernon. 相変わらず 赤ら顔 で 、 相変わらず 口 ひげ を はやし 、 相変わらず ハリー の こと を 普通で ない と 腹 を 立てて いる ようだった 。 あいかわらず|あからがお||あいかわらず|くち||||あいかわらず|||||ふつうで|||はら||たてて|| He was still red-faced, still with his mustache, and still seemed angry at Harry for being unusual. そもそも 普通の 人 で あふれて いる 駅 で 、 ふくろう の 鳥 籠 を ぶら下げて いる なんて 、 どんな 神経 を して る んだ と 怒って いる 。 |ふつうの|じん||||えき||||ちょう|かご||ぶらさげて||||しんけい||||||いかって| I'm angry at what kind of nerves I have when I'm hanging an owl bird cage at a station full of ordinary people. その 後ろ に は ペチュニア おばさん と ダドリー が 、 ハリー の 姿 を 見る の さえ も 恐ろしい と いう 様子 で 立って いた 。 |うしろ||||||||||すがた||みる||||おそろしい|||ようす||たって| Behind them stood Aunt Petunia and Dudley, who seemed scary to even see Harry.

「 ハリー の ご 家族 です ね 」 と ウィーズリー おばさん が 言った 。 |||かぞく|||||||いった "It's Harry's family," said Aunt Weasley.

「 まあ 、 そう と も 言える でしょう 」 と バーノン おじさん は 言う と 「 小僧 、 さっさと しろ 。 ||||いえる||||||いう||こぞう|| "Well, that's true," said Uncle Vernon. お前 の ため に 一 日 を つぶす わけに は いかん 」 と 、 とっとと 歩いて いって しまった 。 おまえ||||ひと|ひ||||||||あるいて|| I can't kill the day for you. "

ハリー は 少し の 間 、 ロン や ハーマイオニー と 最後 の 挨拶 を 交わした 。 ||すこし||あいだ|||||さいご||あいさつ||かわした Harry exchanged a few questions with Ron and Hermione in the final greetings.

「 じゃあ 夏 休み に 会おう 」 |なつ|やすみ||あおう "Then we'll see each other during summer break."

「 楽しい 夏 休み …… あの …… そうなれば いい けど 」 たのしい|なつ|やすみ||そう なれば|| "A fun summer vacation ... that ... I hope that happens."

ハーマイオニー は 、 あんな 嫌な 人間 が いる なんて 、 と ショック を 受けて 、 バーノン おじさん の 後 姿 を 不安 げ に 見送り ながら 言った 。 |||いやな|にんげん|||||しょっく||うけて||||あと|すがた||ふあん|||みおくり||いった Hermione was shocked that there was such an unpleasant human being, and said with anxiety about the rear view of Uncle Vernon.

「 もちろん さ 」 "Of course."

ハリー が 、 うれし そうに 顔 中 ほころばせて いる ので 、 二 人 は 驚いた 。 |||そう に|かお|なか||||ふた|じん||おどろいた The two were surprised as Harry was joyfully fluttering all over his face.

「 僕たち が 家 で 魔法 を 使っちゃ いけない こと を 、 あの 連中 は 知ら ない んだ 。 ぼくたち||いえ||まほう||つかっちゃ|||||れんちゅう||しら|| "They don't know we can't use magic at home. この 夏 休み は 、 ダドリー と 大いに 楽しく やれる さ ……」 |なつ|やすみ||||おおいに|たのしく|| I'm going to have a lot of fun with Dudley this summer vacation..."