( 崇 宮 真 那 ( たかみ や ま な ) ) 間一髪 で し た 大事 は ねえ です か ?
( 五 河 士 道 ( いつか しどう ) ) 真 那 ?
ああ … そりゃ 驚き ます よ ね
( 時 崎 狂 三 ( と きさき くるみ ) ) あら あら …
私 ( わたくし ) と 士 道 さん の 逢 瀬 ( おう せ ) を 邪魔 する なんて ―
マナー 違反 が すぎ ませ ん こと ?
話 は あと です 兄 様 すぐ に 終わら せ や がり ます ので
狂 三 !
う っ く ふ …
( 士 道 ) やめろ ! ダメ だ 殺し ちゃ !
け ふ っ フフッ …
やっぱり 士 道 さん は 優しい お方 …
( 剣 が 刺さる 音 )
なんで …
なんで 平然 と し て られる ん だ よ お前 は 今 人 を !
( 真 那 ) 精霊 です 兄 様
それ に 慣れ て いやがり ます から …
♪ ~
( ナレーション ) “ それ ” は すべて の 者 に 与え られ て いる が ―
買う こと は でき ない
~ ♪
鳶 一 ( と び いち ) 一 曹 から ―
いろいろ 聞い て いやがる よう です ね
まあ 今日 の こと は ―
悪い 夢 でも 見 た と 思って 忘れ や がって ください
忘れる な ん てっ
死な ねえ ん です よ
ナイトメア 時 崎 狂 三 は 特別 な 精霊 です
何度 殺し て も どんな 方法 でも ―
この 女 は 何事 も なかった か の よう に ―
また どこ か に 現れ て 人 を 殺し や がる ん です
だから 私 は 殺し 続け て いる ん です
執拗 ( し つよ う ) に 追いかけ て 何度 も 何度 も 何度 も 何度 も …
もう やめ て くれ !
そんな の は 慣れ てる なんて 言わ ない 心 が すり減って る だけ だ
私 に しか でき ねえ こと な ん です
待て 真 那 !
う っ
クソッ !
( 猫 の 鳴き声 )
なんで …
なんで … か …
う っ !
( 五 河 琴 里 ( ことり ) ) 作戦 は 中断 よ フラ クシ ナス で 回収 する わ
士 道 聞こえ てる の ?
あ …
( 夜 刀 神 十 香 ( や とが み と おか ) ) あ … シドー !
シドー どこ へ 行って い た の だ
( 鳶 一 折紙 ( おりがみ ) ) 一体 どう いう こと ?
( 十 香 ) ケガ を し て いる で は ない か !
ひ っ …
ひ っ
す … すま ん 痛かった か ?
いや …
( 士 道 ) ごめん ( 折紙 ・ 十 香 ) シドー
( 士 道 ) 十 香 ?
シドー !
ケガ は 大丈夫 か ?
( 士 道 ) ああ
そう か で は 行く ぞ
え … あっ どう し た ん だ よ
( 十 香 ) “ デエト ” の 続き だ !
きなこ パン を くれ !
フランクフルト !
小 籠 包 ( ショー ロン ポー ) !
ん っ
ど … どう も
( 十 香 ) 次 は あそこ だ ! ( 士 道 ) おい
十 香 俺 あん ま 手持ち が …
心配 無用 だ
令 音 ( れい ね ) が 魔法 の カード を 貸し て くれ た
ブラック か よ
( 十 香 ) 令 音 に 教え て もらった の だ 狂 三 と 真 那 の こと
( 士 道 ) そう か …
俺 は 狂 三 が これ 以上 人 を 殺す の を 止め なきゃ なら ない
( 十 香 ) うん
( 士 道 ) で も どう 向き合え ば いい の か 自信 が ない ん だ …
狂 三 は 精霊 だ けど 十 香 や 四 糸 乃 ( よしの ) と は 違い すぎる
そんな こと は ない ぞ シドー
え ?
狂 三 は 変わら ない
私 と …
私 に は シドー が い て くれ た
シドー が 私 を 救って くれ た
今日 み たい に シドー が 私 を デエト に 誘って くれ て ―
この 世界 の 温かい 部分 を 見せ て くれ た の だ
シドー が い なけ れ ば ―
私 も 狂 三 の よう に なって い た かも しれ ない
私 と 狂 三 に 違い が ある と すれ ば それ は …
そば に 手 を 差し伸べ て くれる 者 が い た か どう か だ
ありがとう 十 香
おかげ で 大事 な こと を 思い 出 せ た
うん もう 怖く は ない か ?
ちょっと は …
大丈夫 だ シドー は 私 が 守る
それ は 心強い な
だ ろ う ?
シドー もう ちょっと だけ こう し て て も いい か ?
( 士 道 ) ああ
( 狂 三 ) あら 士 道 さん ごきげんよう
おはよう
( 亜衣 ( あい ) ) 五 河 士 道
( 麻衣 ( まい ) ) よく も し れ っと 登校 でき た なあ
( 美 衣 ( みい ) ) マジ 引く わ あ !
待って くれ 今 は シドー の 邪魔 を し ない で やって くれ !
( 美 衣 ) マジ 引く わ あ !
( 狂 三 ) で も 少し 驚き まし た わ
てっきり 士 道 さん は ―
今日 お 休み な さ れる と 思って おり まし た ので
( 士 道 ) 狂 三
はい
俺 は お前 を 救う こと に 決め た
おかしな こと を おっしゃい ます の ね
もう お前 に 人 を 殺さ せ ない
もう 真 那 に お前 を 殺さ せ ない
そう です の
士 道 さん
あなた の 言葉 本当 か どう か 確かめ て 差し上げ ます わ
( 真 那 ) ラタトスク 機関
まさか あんな 組織 に あなた と 兄 様 が いやがる と は …
よく 調べ た わ ね 目的 は ?
( 真 那 ) 五 河 士 道 ( 琴 里 ) う っ
( 真 那 ) 武器 も 持た せ ねえ で 兄 様 を 危険 な 精霊 と 会わ せる なんて …
あなた は 妹 失格 です あと の こと は 私 が 引き受け ます
冗談 じゃ ない わ
デウス ・ エクス ・ マキナ 社 み たい な 悪徳 企業 に ―
士 道 を 預けろ って いう の ?
なぜ それ を !
ナメ ない で もら える かしら ?
ラタトスク を 除く ―
世界 中 の 軍 や 警察 に 顕 現 装置 ( リア ライザ ) を 供給 する 軍事 企業
あなた そこ から AST に 出向 し た 社員 な ん でしょ
( チャイム )
ハァ フウッ よし !
( 村雨 ( むらさめ ) 令 音 ) 時 崎 狂 三 の 下校 は まだ 確認 さ れ て い ない
問題 は 彼女 が こちら の 話 を 聞い て くれる か どう か だ が …
あれ 琴 里 は ?
急用 で ね 今回 の ナビゲート は 私 が 務め させ て もらう よ
分かり まし た お 願い し ます
う っ う っ あ …
これ は …
令 音 さん
すぐ に 解析 する
悪徳 企業 と は 聞き 捨て なら ねえ です ね
あそこ は 記憶 を なく し た 私 に 存在 理由 を 与え て くれ や がり まし た
感謝 し て も し き れ ねえ 場所 です
本気 ? あんな こと まで さ れ て
何 の 話 です か ?
ハッ !
崇 宮 真 那 が 口 に し た コップ の 唾液 から ―
いろいろ 調べ て み た
全身 に 過剰 な 魔力 処理 が 施さ れ て いる
恐らく あと 10 年 も 生き られ ない だ ろ う
まさか 知ら ない の ?
( 携帯 電話 の 着信 音 )
私 よ 何 ?
( 神無月 恭平 ( かんなづき きょうへい ) ) 司令 来 禅 ( らい ぜん ) 高校 に ―
すさまじい 霊 波 反応 が …
時 崎 狂 三 の もの です
( 琴 里 ) 何で すって …
( 令 音 ) 広域 結 界
範囲 内 の 人間 を 衰弱 さ せる 類い の もの の よう だ
狂 三 が … どう し て ?
( 十 香 ) シ … シドー
( 士 道 ) 十 香 大丈夫 か !
うむ … だ が どう に も 体 が 重い
なんで 俺 だけ 平気 な ん だ ?
( 令 音 ) 十 香 や 四 糸 乃 の 霊 力 を その 身 に 封印 し て いる 君 は ―
精霊 の 加護 を 受け て いる に 等しい
この 状況 で まとも に 動 ける の は 君 だけ だ
( ノイズ )
( 狂 三 ) 士 道 さん 聞こえ ます か ぁ ?
フッ … 私 ( わたくし ) に ご 用 が ある なら 屋上 まで どうぞ
なるべく 早く い らし て いただ い た ほう が ―
いい と 思い ます わ よ
ヒッ ヒヒヒヒヒッ
十 香 ここ で 休 ん でろ
え …
大丈夫 だ 俺 が 助ける
シドー
( 折紙 ) 識別 AST 鳶 一 折紙
ベーシック ・ リア ライザ 起動 承認
う っ う ああ ああ あ あっ …
う っ
くっ あっ !
( 狂 三 ) よう こそ お 待ち し て おり まし た わ 士 道 さん
( 日下部 燎子 ( くさ かべ りょう こ ) ) 緊急 着 装 を 使った の ね 状況 は ?
( 折紙 ) 非常に 危険 応援 を
ウッフッ …
折紙 さん そんなに 急 い で どちら に 行か れ ます の ?
( 折紙 ) 時 崎 狂 三 …
申し訳ない の です が ここ から 先 へ は 行か せ ませ ん わ
シドー シドー
う っ
う あっ ぐ っ …
1 人 で 行く な シドー
動け 動け
動け ー っ !
これ は … い ける ぞ !
( 銃声 )
誰 だ !
お前 は …
ごきげんよう 十 香 さん
狂 三 … お前 何 を し た ん だ ! ?
ステキ でしょ う ? “ 時 喰 ( とき は ) み の 城 ”
私 ( わたくし ) の 影 を 踏 ん で いる 方 の 時間 を 吸い上げる 結 界 で すわ
時間 を ?
あ … それ は …
これ は 私 ( わたくし ) の 時間 です の
寿命 … と 言い換え て も かまい ませ ん わ
私 ( わたくし ) の 天使 は ―
それはそれは すばらしい 力 を 持って いる の です けど
困った こと に 使う たび に 膨大 な 時間 を 喰 ( く ) ら って いき ます の
だから 時折 こう し て 外 から 補充 し て おり ます の よ
な っ 何 だ と …
( 狂 三 ) 皆さん 哀れ で かわいい 私 ( わたくし ) の 餌
ああ … でも でも 士 道 さん だけ は 特別 です わ
だって
私 ( わたくし ) は あなた と 1 つ に なる ため に
あなた を 直接 食べ て 差し上げる ため に ―
ここ まで 来 た の です も の
俺 が 目的 なら こんな こと する 必要な い だ ろ !
( 狂 三 ) あなた を 食べる 前 に 今 朝方 の 発言 を 取り消し て いただき たく て
私 ( わたくし ) を 救う だ なんて 世 ( よ ) まい 言 ( ごと ) を …
( 士 道 ) あ …
ねえ 士 道 さん
そんな 理由 で こんな こと を する 私 ( わたくし ) は 恐ろしい でしょ う ?
憎い でしょ う ?
慈悲 を かける べき 相手 で は ない こと は 明白 でしょ う ?
だから あの 言葉 を 撤回 し て ください まし
そう し た なら この 結 界 を 解 い て 差し上げ て も かまい ませ ん わ よ
な っ …
キヒヒヒヒッ …
さあ さあ お 早く
手遅れ に なって しまったら 元 も 子 も あり ませ ん わ よ
結 界 を 解 い て くれ
でも お前 の こと は 諦め ない
う … 何 を 言って ます の ?
ああ … あきれ ます わ ね
( サイレン )
この 音 が 何 か は お 分かり に なり ます の よね
空間 震 警報 ! ?
( 警報 音 )
まさか 時 崎 狂 三 が ?
突発 的 災害 の 空間 震 を 意図 的 に 起こ せる と いう の か
キヒッ キヒヒヒッ
さあ さあ どう し ます の ?
今 空間 震 が 起き たら 気 を 失った 生徒 の 皆さん は ―
どう なり ます でしょ う ね
シン 狂 三 の 精神 状態 が 変化 し て いる
まるで 君 を 恐れ て いる か の よう だ
そう か !
狂 三 お前 は 俺 を 食べる の が 目的 って 言って たよ な
なら 空間 震 を 止めろ
さも ない と
俺 は ここ から 落ち て 死 ん で やる ぞ
自分 を 人質 に ?
そんな 脅し や れる もの なら やって ごらん なさい な
ああ
う っ
( 狂 三 ) 信じ られ ませ ん わ
あなた バッカ じゃ あり ませ ん の
これ で はっきり し た 俺 に は 人質 の 価値 が ある ん だ な
空間 震 を 止め て もら お う か ?
ついでに この 結 界 も 消し て もらう
さも ない と 舌 を かん で 死ぬ ぞ !
もう 何 です の ?
よし じゃあ もう 1 つ
まだ あり ます の ?
( 士 道 ) 狂 三 お前 に やり 直す 機会 を 与え させ て くれ ない か ?
まだ それ を … ありがた 迷惑 です わ
そんな こと 分か ん ねえ だ ろ !
お前 だって ―
ごく 当たり前 の 平穏 な 生活 を 好き に なる かも しれ ない
そう じゃ なきゃ 俺 と の デート を 楽し ん だ り でき なかった はず だ
でも そんな こと …
できる ん だ よ 俺 に なら !
あっ …
お前 の 罪 は 一生 かけ て 償わ なきゃ なら ねえ
でも 狂 三 お前 が どんな に 間違って いよ う が ―
俺 が お前 を 救っちゃ いけ ない 理由 に は なら ない !
ハッ … わ 私 ( わたくし ) は …
士 道 さん …
私 ( わたくし ) 本当 に
( 衝撃 音 ) ( 狂 三 ) ウッ !
( 狂 三 ) ダァメ です わ よ そんな 言葉 に 惑わ さ れ ちゃ あ
( 狂 三 ) い … あ … ( 士 道 ) 狂 三 ?
私 ( わたくし ) は …
( 狂 三 ) は いはい 分かり まし た わ もう お やすみ なさい
あ あ …
( 狂 三 ) まったく …
( 士 道 ) な っ … 狂 三 な んで …
( 狂 三 ) この ころ の 私 ( わたくし ) は ―
若 すぎ た かも しれ ませ ん わ ね
もう まだるっこし い の は やめ に し ま しょ う
真 那 !
はい また 危 ねえ ところ で し た ね
( 狂 三 ) ウッヒヒヒッ
いつも ながら さすが で すわ ね
私 ( わたくし ) の 霊 装 を こう も 簡単 に 切り裂く なんて
でも ~
私 ( わたくし ) だけ は 殺さ せ て 差し上げる わけ に は まいり ませ ん わ ねえ
おいで なさい 刻々 帝 ( ザフキエル ) !
四 の 弾 ( ダレット )
( 銃声 )
( 士 道 ) な っ … ( 真 那 ) 大した 回復 能力 です
キヒヒッ 違い ます わ よ 時間 を 戻し た だけ です わ
さあ さあ 始め ま しょ う
上等 です
また いつも の よう に 殺し て やり ます
キヒヒヒヒッ
ま ~ だ 分かり ませ ん の ?
あなた に 私 ( わたくし ) を 殺し きる こと は 絶対 に でき ませ ん わ !
その 喉 から 消し 飛ばし て やり ます !
( 狂 三 ) 一 の 弾 ( アレフ )
( 銃声 )
( 銃声 ) ( 士 道 ) 真 那 !
( 真 那 ) う ぐ っ
七 の 弾 ( ザイン )
( 銃声 ) ( 真 那 ) ムダ で …
真 那 !
( 銃声 )
( 士 道 ) 狂 三 ?
( 真 那 ) ぐ っ ! ( 士 道 ) 真 那 !
( 真 那 ) 兄 様 … 来 ない で ください …
( 十 香 ) シドー ( 折紙 ) 士 道
( 士 道 ) 2 人 と も
あら あら 皆さん お そろい で
狂 三 戦い の 途中 で 逃げる と は !
もう 逃がさ ない
( 十 香 ・ 折紙 ) え ?
まあ 恐ろしい です わ
こんなに も か弱い 私 ( わたくし ) に 大勢 で 襲いかか ろ う だ なんて
でも 私 ( わたくし ) も 今日 は 本気 です の
そう でしょ う ? 私 ( わたくし ) たち
( 士 道 ) 何 だ よ これ は …
( 狂 三 ) これ は 私 ( わたくし ) の 過去
私 ( わたくし ) の 履歴
さまざま な 時間 軸 の 私 ( わたくし ) の 姿 で すわ
分かり まし て ? 私 ( わたくし ) を 殺し き れ ない 理由 が
訳 が 分から ん ぞ !
さあ 終わり に いたし ま しょ う
ぐ っ !
あ あっ !
( 狂 三 ) ウフフ … これ で 心置きなく
そう そう もう 二 度 と 私 ( わたくし ) を たぶらかせ ない よう ―
絶望 を 刻み込 ん で 差し上げ ない と いけ ませ ん わ ね
( サイレン ) ( 士 道 ) お前 まさか !
( 狂 三 ) ウフフ フフッ
今度 こそ きっと たくさん 死 ん で しまい ます わ ねえ
やめろ ー っ !
( 狂 三 ) ヒヒヒヒヒッ ヒャッハハハッ ヒヒヒヒッ
アーッハハハハッ
アーッハハハハッ
( 空間 震 の 音 )
ハッ !
どう いう こと です の ?
知ら なかった ? 空間 震 は ね
発生 と 同時に 同 規模 の 揺らぎ を ぶつける と 相殺 できる の よ
ハッ !
あれ … は …
琴 里 ?
( 琴 里 ) 少し の 間 返し て もらう わ よ 士 道
焦がせ 灼 爛 殲鬼 ( カマ エル ) !
さあ 私 たち の デート を 始め ま しょ う
♪ ~
~ ♪