( 鳶 一 折紙 ( と び いち おりがみ ) ) う … ぐ っ
( 五 河 士 道 ( いつか しどう ) ) 琴 里 ( ことり ) … なんで …
( 時 崎 狂 三 ( と きさき くるみ ) ) 邪魔 し ない で いただ け ませ ん こと せっかく いい ところ だった のに
♪ ~
( ナレーション ) 精霊 は 人間 で は ない
人間 も また 精霊 で は ない
だが しかし な の に なぜ
五 河 士 道 は 今 混乱 し て い た
~ ♪
( 狂 三 ) ヒヒッ ヒヒヒヒヒッ
でも …
まさか これ で 終わり だ なんて 思って おら れ ませ ん わ よ ね ! ?
( 銃声 )
すばらしい です わ
すばらしい です わ !
さすが は 天使 を 顕 現 化 さ せ た 精霊
高鳴り ます わ
高鳴り ます わ !
( 五 河 琴 里 ) って うっとうしい わ ね
レディー なら 少し は 落ち着き を 持ったら どう ?
では ご 要望 に お 応え し て ―
しとやか に 殺 ( と ) ら せ て いただく と し ま しょ う
刻々 帝 ( ザフキエル ) 七 の 弾 ( ザイン )
( 銃声 )
ダメ だ 琴 里 それ は !
如何 ( いか ) な 力 を 持って いよ う と ―
止め て しまえ ば 意味 は あり ませ ん わ よ
( 銃声 )
それでは ごきげんよう
( 銃声 )
あ …
ウフフ フッ フフッ
ああ ああ 終わって しまい まし た わ
せっかく 見え た 強敵 で し た のに 無情 です わ 無常 です わ
さあ 今度 こそ 士 道 さん の 番 で すわ
私 ( わたくし ) に あ …
( 琴 里 ) まったく 派手 に やって くれ た わ ね
( 狂 三 ) な っ …
私 と し て は あなた が 恐れ おのの い て ―
戦意 を なくし て くれる の が ベスト だ けど …
フンッ 戯れ ない で ください ま しっ !
一 の 弾 ( アレフ ) !
( 銃声 )
( 銃声 )
チッ
( 士 道 ) ぐ はっ う っ
な … 何 す ん だ よっ !
( 琴 里 ) 切り裂け 灼 爛 殲鬼 ( カマ エル ) !
一体 何 な ん です の あなた は !
刻々 帝 ( ザフキエル ) 四 の 弾 ( ダレット ) !
( 銃声 )
( 琴 里 ) あら もう 打ち止め かしら ?
もう 少し 本気 を 出し て くれ て も いい の よ
( 狂 三 ) その 言葉 後悔 さ せ て 差し上げ ます わ
刻々 帝 ( ザフキエル ) !
さ せる かって の
くっ こ これ は …
こ … 琴 里 !
( 狂 三 ) アッハハハハハッ
悪運 尽き まし た わ ねえ
( 士 道 ) う っ くっ
琴 里 大丈夫 な の か
灼 爛 殲鬼 ( カマ エル ) 砲 ( メギド ) !
あ …
私 ( わたくし ) たち !
灰 燼 ( かいじん ) と 化せ 灼 爛 殲鬼 ( カマ エル ) !
( 士 道 ) ぐ っ …
( 琴 里 ) 銃 を 取り なさい
まだ 闘争 は 終わって い ない わ
まだ 戦争 は 終わって い ない わ
さあ もっと 殺し 合い ま しょ う 狂 三
あなた が 望 ん だ 戦い よ
あなた が 望 ん だ 争い よ
もう 銃口 を 向け られ ない と いう なら 死に なさい
琴 里 ! それ 以上 や ったら 本当 に 死 ん じ まう ぞ
精霊 を 殺さ ず 問題 を 解決 する の が ラタトスク な ん だ ろ う
う っ
おい 琴 里 ! ハッ …
フフ フッ
( 士 道 ) 狂 三 !
士 道 さん …
お 兄ちゃん よけ てっ !
( 琴 里 の 泣き声 )
あ … お 兄ちゃん
お 兄ちゃん お 兄ちゃん
( よし の ん ) ねえ 彼 を 助け たい ?
( 四 糸 乃 ( よしの ) ) 先生 お 願い し ます …
よし よし 任せ て おき た まえ !
あ …
あっ …
おはよう ございます …
あ …
な っ !
十 香 ( と おか ) まで
( 夜 刀 神 ( や と が み ) 十 香 ) シドー きなこ パン …
俺 どう し て ここ に …
( 村雨 令 音 ( むらさめ れい ね ) ) や あ 目覚め た ね シン
いや あ ビックリ し た よ
士 道 君 いっき なり 目 を 覚ます から
ごめんなさい 驚か せ て …
いや 大丈夫 だ
令 音 さん 俺 一体 なんで …
昨日 時 崎 狂 三 と の 交戦 の あと 気絶 し た 君 を ここ に 搬入 し て ね
ん … そう だ あれ から どう なった ん です か ?
十 香 は 眠って る だけ です よ ね
琴 里 は ? あの 姿 は 一体 ?
あと 折紙 は ?
落ち着き たまえ シン
真 那 ( ま な ) は 無事 な ん です よ ね ?
それ に 狂 三 あいつ も 生き てる ん です よ ね ?
学校 の みんな も !
ん っ ん ん …
よし よし 落ち着 い た かい
( 士 道 ) ハッ ハアッ …
安心 し た まえ 皆 無事 だ
私 の 知る かぎり 死者 は 出 て い ない
鳶 一 折紙 と 崇 宮 ( たかみ や ) 真 那 は NAST 隊員 に 回収 さ れ て いった
多分 自衛 隊 天宮 ( てん ぐう ) 病院 に 搬送 さ れ た の だ ろ う
狂 三 は 隙 を つい て 逃げ た よ
十 香 は 見 て の と おり さ
自分 も 傷 を 負って る と いう のに 君 を 看病 する と 言って 聞か なく て ね
疲れ て 眠って しまった だけ だ ろ う
まだ … 終わり じゃ あり ませ ん よ ね
無論 だ よ
琴 里 は どこ です か ?
( 令 音 ) こちら の 音声 は あちら に は 届 い て い ない
ここ から は 君 1 人 だ
( 琴 里 ) あら 士 道 じゃ ない 目 が 覚め た の ね
おう
お前 何者 な ん だ
士 道 の かわいい 妹 よ
( 士 道 ) 自分 で かわいい って 言う か 普通
かわいい でしょ う ?
まあ 否定 は し ねえ けど …
琴 里 お前 は 精霊 な の か ?
( 士 道 ) 琴 里 お前 は 精霊 な の か ?
フンッ 違う って 言ったら 信じ て くれる の かしら ?
ああ お前 が 言う なら 信じる
正気 ? 自分 の 目 より 他人 の 言葉 を 信じる だ なんて
とても 賢明 な 人間 の する こと と は 思え ない けど
かわいい 妹 の 言う こと を 信じ られ なく な っち まっ たら ―
人間 と し て 上等 でも お 兄ちゃん と し ちゃ 終わり だ ろ う
私 は 人間 よ 少なくとも その つもり
でも 観測 装置 の 数値 は 今 ―
私 を 精霊 と 判断 し てる でしょ う
( 士 道 ) どう いう こと だ
私 は 五 河 家 に 生まれ た 人間 それ は 間違い ない わ
でも 5 年 前 私 は 精霊 に なった
ハッ !
正確 に は 精霊 の 力 を 持った 人間
… って 言った ほう が 適当 かも しれ ない
( 士 道 ) そんな こと が … ハッ !
俺 は それ を 知って る ?
何で すって ! ? でも 今 まで 何 も …
違う さっき 眠って る 時 夢 で 見 た ん だ
琴 里 琴 里
お 兄ちゃん 来 ちゃ ダメー !
あー っ
( 琴 里 の 泣き声 )
お 兄ちゃん お 兄ちゃん
( 琴 里 の 泣き声 )
( 琴 里 ) 泣き ながら “ お 兄ちゃん ” 連呼 し て た か どう か は ―
異議 を 唱え たい ところ だ けど …
おおむね 私 の 記憶 の とおり よ
霊 力 を 戻し た 際 に 経路 ( パス ) を 通じ て 流れ込 ん だ の かも しれ ない わ ね
そう か
琴 里 あの 時 何 が あった ん だ ? お前 は どう やって 精霊 に
それ が ほとんど 覚え て ない の よ ね
( 士 道 ) は ?
( 琴 里 ) 漠然 と 何 か が あった 気 は する ん だ けど ―
どう も 思い出 せ ない の よ
精霊 に なった こと は 覚え てる ん だ けど ―
原因 が いまひとつ
( 士 道 ) そんな 重要 な こと 忘れる か ! ?
妹 が 精霊 化 し た こと すら 忘れ て た 兄 に 言わ れ たく ない けど
その とおり ね 自分 の 存在 が ひっくり返る よう な 事件
この 私 が 忘れる はず ない わ
あるいは 2 人 と も 誰 か に 記憶 を 消さ れ た と か …
まあ 可能 性 の 1 つ よ
その あと 私 は ラタトスク に 見いださ れ た
そして 世界 の 裏側 で 起こって いる こと を 知って ―
精霊 を 救い たい と 思った
( 士 道 ) けど あの 大火 災 の あと も 琴 里 は 普通 に 生活 し て た よ な ?
一体 どう やって 精霊 の 力 を …
( 琴 里 ) そこ は 思い出し て ない の ?
士 道 が 私 の 力 を 封印 し た から に 決まって る じゃ ない
えっ 俺 が ?
ええ 昨日 言わ なかった ?
少し の 間 返し て もらう わ よ 士 道
理由 は 分から ない けど 士 道 に は 精霊 の 力 を 封印 する 能 力 が あった の
ラタトスク が 精霊 と の 対話 役 に 選 ん だ の も それ が 理由 よ
( 士 道 ) じゃ 俺 の 再生 能力 は …
もともと 私 の 力 よ
と いう わけ で 士 道 ちょっと ここ に 立ち なさい
( 士 道 ) な … なんで だ よ
いい から !
ぐ はっ
ああ …
私 言った わ よ ね 気 を つけ なさい って
今 の あなた は 簡単 に 死 ん じゃ う って な のに 何 ?
私 が 意識 を 取り戻し て 砲撃 を そらし た から いい よう な も の の …
( 士 道 ) 意識 を 取り戻し た ?
あっ …
やっぱり あの 時 の お前 は …
そう 精霊 の 力 が 戻って から 時折 自分 が 制御 でき なく なる の
無性 に 何 か を 壊し たく なったり 誰 か を 殺し たく なったり …
怖い の よ
自分 が 何 を し て しまう か 分から ない の
もしかしたら 5 年 前 に も 何 か し て しまった の かも しれ ない
それ こそ 誰 か を 殺し て しまって …
( 士 道 ) 琴 里 !
ハッ … 忘れ て らしく ない こと を 言った わ
昨日 は 士 道 が 狂 三 の 前 に 出 て くれ た から ―
正気 に 戻 れ た の かも ね
少し だけ 感謝 し て あげる …
精霊 の 力 は 俺 に 戻ら ない の か ?
十 香 と 違って ほぼ 100 % の 力 を 引き出し ちゃ った から ―
自然 に は 無理 ね 再 封印 する しか ない わ
再 封印 って …
十 香 や 四 糸 乃 に し た と おりよ
私 と デート し て デレ さ せ て そして …
あっ こ … 琴 里 !
大丈夫 か ? ケガ は ?
平気 よ 気 に し ない で …
で でも …
シン 今日 は ここ まで だ あと は 私 に 任せ て くれ ない か
令 音 さん
( 令 音 ) 改めて 話 は する さあ 早く
はい
( 十 香 ) シドー ここ に い た か !
い なく なった から 心配 し た ぞ
大丈夫 か ? どこ か 痛く ない か ?
悪い あと に し て くれ
シドー …
( 令 音 ) あと 2 日 だ
恐らく あと 2 日 しか 琴 里 は 自身 の 霊 力 に 耐え られ ない
( 士 道 ) あ … どう いう こと です ?
( 令 音 ) その 日 を 過ぎ れ ば 琴 里 は もう ―
君 の 知って いる 琴 里 で は なく なって しまう 可能 性 が ある
2 日 後 の 6 月 11 日 君 に は 琴 里 と デート し て もらう
それ が 彼女 を 元 に 戻す 最後 の チャンス に なる だ ろ う
( 受付 係 ) 崇 宮 真 那 さん です か ?
大変 申し訳 あり ませ ん
真 那 さん の ご 面会 は ご 家族 でも お 断り さ せ て いた だい て おり ます
( 士 道 ) えっ そんなに 悪い ん です か ?
すみません 容体 の 説明 も でき ない 規則 に なって おり まし て …
そんな …
( 折紙 ) 士 道
( 士 道 ) 折紙 ?
( 折紙 ) 無事 で よかった 夜 刀 神 十 香 は ?
えっ ああ 十 香 も 無事 だ よ
チッ
えっ ?
( 折紙 ) 何でもない
そう … 崇 宮 真 那 の お 見舞い に 来 た の
ああ で も 断ら れ ち まって
詳しい こと は 言 え ない けど 彼女 の 治療 に は ―
機密 性 の 高い 機材 が 使用 さ れ て いる
一般 病棟 に 移る まで は 誰 の 面会 も 許さ れ て い ない
無理 に 押し入 ろ う と すれ ば 拘束 さ れる
来 た の は それ だけ ?
( 士 道 ) え ?
お 見舞い は 真 那 だけ ?
お … 折紙 の お 見舞い も かね て
そう
( 士 道 ) さ … さ ー て それ じゃ 出直す かな !
折紙 も 病室 に 戻った ほう が いい ぞ
じゃ !
( 床 に 倒れ た 音 ) ( 士 道 ) お …
折紙 大丈夫 か ?
1 人 で 病室 に 戻 れ そう に ない 連れ て いって
( 士 道 ) ええ と …
連れ て いって
( 士 道 ) わ … 分かった よ 歩 け そう か ?
困難
( 士 道 ) じゃあ 車 イス 借り て
車 イス は 好ましく ない 乗り物酔い が 激しい
だったら どう すれ ば …
おんぶ
は ! ?
( 折紙 ) おんぶ
はい
折紙 ちょっと 強く つかまり すぎ じゃ ない か ?
( 折紙 ) そんな こと は ない
西 棟 の 305 号 室 で いい ん だ な
わ っ き ゃっ ! くすぐったい ん だ が
ちょ っ やめ っ …
( 折紙 ) そう
( 士 道 ) お … 折紙 ?
( 折紙 ) スーッ ハアッ ハアッ
( 士 道 ) ちょ っ ちょっと
( 折紙 ) くん くん …
( 士 道 ) お いったら …
( ち ゅ ぱっと いう 音 )
( 士 道 ) ひ っ 何 ! ? 今 何 さ れ てる の ? 俺
それ じゃ 俺 は そろそろ …
むい て
えっ まあ 別に いい けど …
食べ させ て
さすが に それ は できる だ ろ う
過度 の 運動 は 控える よう に 言わ れ てる
ハア …
でき れ ば 口移し …
と う っ !
いっ !
コ … コラ 折紙 や ちょ っ ホント …
折紙 さん やめ っ あっ ひ ゃっ あ あっ …
ひ ぃっ
ごちそうさま
あ … あと は いい よ な それ じゃ 俺 は これ で
( 折紙 ) 検温 を し なけ れ ば なら ない 1 人 で は 困難
過度 の 運動 は 控える よう に …
わ … 分かった よ !
検温 する の に なんで 俺 が 座る ん だ よ
折紙 ! ?
な … 何 してん だ ! ?
時 崎 狂 三 が 転校 し て き た 時 ―
士 道 は 少なから ず 彼女 の 所作 に ドキドキ し て い た
攻 め の 姿勢 が 有効 と 判断 する
う っ …
それ じゃあ 今度 こそ 帰る から な
( 折紙 ) 最後 に 1 つ いい ?
昨日 時 崎 狂 三 と 私 たち が 交戦 し た あ と の こと を 教え て ほしい
空 から もう 1 体 精霊 が 現れ た はず
和装 の よう な 霊 装 を まとった 炎 を 操る 精霊 …
私 は あの 時 時 崎 狂 三 に 気絶 さ せ られ ―
意識 を 失って しまった
どんな 些細 ( ささい ) な こと でも かまわ ない
炎 の 精霊 に つい て ―
気づ い た こと が あったら 教え て ほしい
う っ いや …
俺 も すぐ 気絶 し ち まった から 詳しい こと は …
( 折紙 ) そう …
( 士 道 ) その 精霊 が どう かし た の か ?
5 年 前 天宮 市 南 甲 町 ( なんこう ちょう ) の 住宅 街 に 大火 を 呼び ―
父 と 母 を 私 の 目 の 前 で 焼 い た 精霊
それ が あの 炎 を 操る 精霊
( 士 道 ) な …
( 琴 里 ) お 兄ちゃん !
ずっと ずっと 捜し て き た
ずっと ずっと 捜し 続け て き た
やっと 見つけ た ようやく 見つけ た
殺す 絶対 に 殺す 私 が この 手 で
私 の 5 年 間 は この ため だけ に あった
この 瞬間 の ため に NAST に 入った
この 瞬間 の ため に 顕 現 装置 ( リア ライザ ) を 手 に 入れ た
この 瞬間 の ため に 業 ( ワザ ) を 技能 を 身 に つけ た
すべて は 犯人 を 倒す ため に
すべて は 炎 の 精霊 を 討つ ため に
すべて は イフリート を 殺す ため に …
♪ ~
~ ♪