( 女子 生徒 A ) しかたない よ ~
( 女子 生徒 B ) それ が 現実 って こと で
( 純 ( じゅん ) ) 何 が 現実 よ !
あ あっ
大変 もう こんな 時間 !
( ドア が 開く 音 )
♪ ~
~ ♪
( 男子 生徒 A ) つきあい き れ ない よ な
( ため息 )
( 純 ) なんの なん の こ … これ くらい で へこたれ ない よ
今日 は 元気 に なる ため に 思いっ切り 楽しむ ぞ ~
( 純 ) お ~ !
( 桂 馬 ( け いま ) ) エルシィ 行け
( エルシィ ) はい !
( 桂 馬 ) あっ
( 桂 馬 ) あの バカ … なぜ 羽衣 を 使って 隠れ ない ?
えっ と
A の 8 ブロック の 52 … 52 … 52 …
あれ ?
あの ~ そこ の 席 私 の 席 な ん です けど
僕 も この 席 だ よ
か … 桂木 ( かつらぎ ) 君 !
どう か バレ ませ ん よう に
( 純 ) ホント 同じ チケット
ウッソ ~ こんな いい 席 な の に ―
ダブル ブッキング だ なんて ああ
( 歓声 )
( 観客 ) おい そこ ! 突っ立って ん な よ !
さっさと 座れ !
く う ~
桂木 君 この 席 どうぞ 私 は 空 い てる 席 探す から
う … う わ っ
ええ ?
空席 なんて ない よ 半分 ずつ 座 ろ う
だ … ダメ よ ! 生徒 と 先生 が こんな
誰 か に 見 られ たり し たら …
( リング アナ ) お 待た せ いたし まし た !
まもなく ―
プロ レスリング ノナ
タッグ カーニバル トーナメント ファイナル を 開催 いたし ます
( 純 ) わ あ ~ ( 歓声 )
あっ
そ … そりゃ あ この 席 は すごく いい 席 だ けど ―
でも …
( レスラー の 入場 曲 )
( 歓声 )
( 歓声 )
( リング アナ ) 選手 入場 !
( 歓声 )
う わ ~
わ ~
( リング アナ ) 青 コーナー 秋川 ( あき かわ ) ジュン
ニザワ ミツ ハル ~
( 歓声 )
( リング アナ ) 赤 コーナー E . C . タトゥー カブキ カニ ゾウ !
( 歓声 )
わ あ ~ フフッ
( 純 ) 秋川 は ね この 団体 の 若手 の エース な ん だ
あっ ほら ほら 見 て !
あっ ち の ニザワ あの 人 は ね ―
ジャンボ と 同じ 技 を 使う ん だ よ
( ゴング の 音 )
使った あと “ お ~ ! ” も やる から ちゃんと 見 て て !
楽しみ だ な ~
ハッ よし そこ だ ! いけ ~ !
やった ~ !
( ニザワ ) お ~ !
( 純 ・ 観客 ) お ~ !
( 純 ) お ~ !
( 純 ) う ~ っ ( 桂 馬 ) う ぐ ぐ
あっ … ごめんなさい
ウフフ
あっ 私 の そっち だ
( 観客 たち ) おい 手 だ ~ 足 だ 足 だ !
よし あと もう ちょ い !
( 観客 たち ) よ ~ し いけ いけ いけ ~
( 純 ) アハハ !
わ ~ そこ だ いけ ~ !
( 歓声 )
( 純 ) やっぱり 席 が いい と 迫力 が 違う
後ろ の 席 だ と こう は いか ない わ
でも ―
こんなに ひっつ い て いる の は やっぱり 問題 よ ね
教師 と 生徒 が こんな の
わ あ !
ハァ ハァ
( 純 ) びっくり し た
ハァ …
( 桂 馬 ) 知ら なかった よ
プロレス って 盛り上がる ん だ な
( レフェリー ) ワン ツー スリー !
( ゴング の 音 と 歓声 )
( 秋川 の 雄 たけ び )
( 桂 馬 ) レスラー が 全力 で 技 を ぶつけ合い ―
その 一 挙手 一 投 足 に 観客 が 応え そして 震える
プロレス が 盛り上がる の は みんな の 息 が 合って いる から だ
( 純 ) そう よ
プロレス は リング の 上 だけ じゃ ない
( ゴング の 音 )
( 純 ) 試合 を さばく レフェリー
ファイト !
( 純 ) 選手 を サポート する スタッフ たち
( レスラー A ) う しゃ っ ! ( レスラー B ) う あっ
( 純 ) そして 観客 が 一緒に なって 試合 を 作って いる の よ
みんな が 1 つ に なって
ハッ
なのに なぜ それ が わから ない の ?
私 君 の こと ―
一生懸命 考え てる のに どう し て 応え て くれ ない の ?
( 桂 馬 ) う ぎぎ …
君 の ため に ゲーム 機 まで 買った のに !
高かった のに !
ハァ ハァ
( 純 ) 私 1 人 じゃ 無理 な の よ
みんな で 頑張ら なきゃ いけ ない の よ
( 桂 馬 ) だ から バスケ 部 が 潰れ た の か
( 純 ) ハッ
休部 し た バスケ 部 の キャプテン は お前 の まま だった
お前 の 代 で 潰れ た ん だ
いや 違う か
お前 が 潰し た ん だ
( 純 ) ハッ
な … 何 よ ! あなた 何 か 聞い た の ?
( 桂 馬 ) 何 も
え ?
でも 今 同じ こと が 起こって る 気 が する
また お前 の 理想 に 潰さ れる 連中 が いる かも しれ ない
( バスケ 部員 A ) 純 やり 過ぎ だ よ
( バスケ 部員 B ) もう ついて い け ない わ !
( 純 ) どう し て ?
みんな 強く なり たい って 言って た のに
どう し て 離れ て いって しまう の ?
私 は バスケ 部 の ため に みんな の ため に ―
一生懸命 やって た のに
( 桂 馬 ) お前 本当 に みんな の ため を 思って た の か ?
( 純 ) どう いう 意味 よ ?
あ … あんた なんか に ―
何 が わかる って いう の よ ! 私 の 気持ち も 知ら ない で !
( ざわめき )
神様 ~
( 桂 馬 ) やっと エンディング が 見え た ぞ
( ボール が 弾む 音 )
( チャイム の 音 )
( ちひろ ) ギター って も ほら この クラス だったら 安い よ
( 歩美 ( あゆみ ) ) どれ どれ
ええ ? 全然 安く ない じゃ ん
( エルシィ ) おはよう ござい ま ~ す
( ちひろ ) おう エリー ( 歩美 ) おはよう
( 男子 生徒 B ) そう いえ ば 昨日 ―
長瀬 ( ながせ ) 先生 から 電話 かかって き ちゃ って さ
( 男子 生徒 C ) え ? お前 も ?
( 男子 生徒 D ) 何 だ よ かかって くん の 狙って た くせ に
うん まあ それ は そう な ん だ けど ちょっと しつこく て
( 女子 生徒 C ) 最近 微妙 かも
( 女子 生徒 C ) 長瀬 先生
( 女子 生徒 D ) こない だ の こと も あった し ね
みんな お ~ は よう
ホームルーム の 前 に
先生 から みんな に 提 案 が あり ま ~ す
今年 の 舞 島 ( まいじ ま ) マラソン に みんな で 出 ま しょ う
( 女子 生徒 E ) なんで みんな ?
や だ よ
( 女子 生徒 F ) マジ ?
もう みんな の 分 申し込 ん だ から ね
( 生徒 たち ) え ~
頑張 ろ う お ~ !
これ で みんな 1 つ に な ろ う よ
先生 もう いい よ
えっ ?
こっち も 忙しい し
普通 で いこ う よ 普通 で ドラマ じゃ ねえ ん だ し
そろそろ 重い
( 純 ) “ 重い ”
じゃあ なぜ 相談 し て き た の ? なぜ うれし そう に 話し て き た の ?
( 純 ) どう し て 私 が 悪者 み たい に 言わ れる の よ ?
先生 ?
みんな 勝手 よ ! 勝手 すぎる よ !
( 男子 生徒 B ) 何 だ ありゃ ?
( 女子 生徒 D ) なんで 私ら が 怒ら れる わけ ?
( 女子 生徒 G ) 結構 危ない 先生 だった の ね
でも 本当 の 教師 に なる 前 に ―
現実 に ぶつかって よかった ん じゃ ない ?
( 女子 生徒 D ) フフッ 言 え てる ~
( 桂 馬 ) まったく 長瀬 も よく やる よ
( 椅子 から 立つ 音 )
こんな バグ だらけ の 連中 何 し て も 無駄 な の に さ
今 何 つった ? オタ メガ !
偉 そう に 言 え ん の か ? この クレイジー ゲーマー が !
( 2 人 ) あっ
あれ … オタ メガ は ?
い ねえ
( 男子 生徒 D ) あいつ
どこ 行き や がった ?
どこ だって いい じゃ ん 別に あんな ヤツ
どこ だって いい じゃ ん 別に あんな ヤツ
( エルシィ ) 39 40 41
42 43 44 45 …
( 女子 生徒 H ) ねえ 授業 は ?
( 女子 生徒 I ) 何 か ヤバ く ない ? これ って
( ため息 )
( ドア が 開く 音 )
( 純 ) ハァ
ハァ ハァ ハァ ハァ
みんな 勝手 よ
私 は みんな の ため を 思って やって いる のに
みんな が … みんな さえ 協力 し て くれ たら
( ロッカー が 開く 音 )
う わ ~
( 桂 馬 ) どう し て ここ に 来 た ?
嫌 な 思い出 が ある だけ じゃ ない の か ?
( 純 ) う っ ( 桂 馬 ) う ぐ っ
本当 に 気味 悪い 子 ね !
あんた が そもそも の つまずき だった の よ !
今度 こそ うまく いく はず だった
私 も 大人 に なった し いっぱい 勉強 し た
理想 の 先生 に な れ た の よ !
( 純 ) う う ~
( 桂 馬 ) やっぱり お前 は ―
何 も わかって ない ん だ な
お前 は 昔 と 何 も 変わって ない
や … やめ て やめ て やめ て やめ て !
あ あっ
お前 は 昔 も 今 も 自分 の 理想 を 人 に 押しつけ てる だけ だ
それ じゃ ―
それ じゃ どう すれ ば いい の よ !
( 足音 )
( 純 ) 私 は 頑張る こと しか でき ない で も ―
頑張れ ば 頑張る ほど みんな 離れ て いく
( 純 の すすり泣き )
( 純 ) 私 は … みんな の 力 に なり たい の に
どう し たら いい の よ ? どう し たら ?
( 桂 馬 ) 簡単 だ よ ( 純 ) え ?
もっと 理想 を 押しつけ たら いい !
他人 は 気 に する な
お前 は お前 が 心から 正しい と 思う こと だけ を やる ん だ !
もう 無理 だ よ みんな つい て き て くれ ない
理想 を 前 に する と みんな 不安 に なる
“ 無理 だ できる わけ が ない ” と 逃げ出し て しまう
それ が リアル の 壁 な ん だ でも ―
それ でも お前 は やら なきゃ いけ ない !
どれ だけ 傷 つい て も 孤独 でも お前 は 理想 を 見せ なきゃ いけ ない
ジャンボ 鶴 馬 ( つるま ) の よう に !
( ジャンボ 鶴 馬 ) お ~ !
( 桂 馬 ) なぜ なら お前 は ―
お前 は 教師 だ から
( 純 ) ハッ
( 女子 生徒 J ) 長瀬 先生 ~
ハッ
あっ よかった ~ い たい た ~
あの … 先生 教室 戻 ろ う よ
俺 たち が 悪かった 謝る から さ
あなた たち
あれ ? 桂木 君 ?
♪ ~
あっ
( 純 ) みんな 勝手 よ !
勝手 すぎる よ !
( 桂 馬 ) まったく 長瀬 も よく やる よ
( 椅子 から 立つ 音 )
こんな バグ だらけ の 連中 ―
何 し て も 無駄 な の に さ
( エルシィ ) 42 43 44 45
( エルシィ ) 42 43 44 45
長瀬 先生 全然 戻って こ ない ね
そんなに 落ち込む ほど の こと か ?
499 … 500 !
あの ~ 皆さん !
みんな で 長瀬 先生 を 迎え に 行き ませ ん か ?
( 生徒 たち ) え ~
そう だ みんな 言い過ぎ だった
謝れ
( ちひろ ) よっ 同類 !
行き ま しょ う
私 長瀬 先生 の いる 所 に ―
心当たり あり ます から
( エルシィ ) ちょっと 強引 か と 思い まし た けど ―
みんな 来 て くれ まし た
強引 じゃ ない
え ?
リアル に は 理想 が 足り ない だ が ―
だからこそ ―
( 桂 馬 ) 理想 の 結末 が 必要 な ん だ
~ ♪
みんな ありがとう 私 絶対 いい 先生 に なる ね
( 拍手 )
( エルシィ ) 長瀬 先生 の 教育 実習 も いよいよ 今日 で 終わり です
でも ―
なぜ か 神様 は あの 日 以来 学校 に 来 ませ ん
本当 に お ~ 世話 に なり まし た 先輩
( 二階堂 ( に かいどう ) ) まっ 何 だ 悩 ん だ ら 相談 に 来い
聴 い て やる から
はい 先輩
あ …
もう 会 え ない か と 思った
あ … あの 私 … 君 に 謝り たく て
君 は 孤独 で 冷たい 人 だ と 思って た けど ―
でも …
( 桂 馬 ) 先生 ( 純 ) え ?
また 帰って き て よ
うん !
私 もっと もっと いい 先生 に なって 帰って くる ね !
だから 先生 じゃ ない 私 を 見せる の は ―
もう これ が 最後 だ よ
あれっ そう いえ ば 駆け 魂 ( たま ) は ?
あ ~ っ