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神のみぞ知るセカイ II, Kami nomi zo Shiru Sekai II (The World God Only Knows II) Episode 9

( 小鳥 の さえずり )

( 純 ( じゅん ) ) お ~ !

( カーテン を 閉める 音 )

♪ ~

~ ♪

( 男子 生徒 A ) ち い ~ す ( 男子 生徒 B ) う い ~

( 男子 生徒 C ) あ ~ 月曜 たり い ~

( 自転車 の ベル の 音 )

お ~ は よう ござい ま ~ す !

( 純 ) 待ちに待った この 日 が き まし た

何度 も 通った 舞 高 ( まい こう ) へ の 道 も 立場 が 違う と 何だか 新鮮 です

( ブレーキ 音 )

( 純 ) こら 君 たち !

( リョー ) あん ?

( 純 ) 高校 生 に も なって ごみ の ポイ 捨て し ない !

( リョー ) は あ ?

ち っ

もう !

( 純 ) 長瀬 ( ながせ ) 純 21 歳 今日 から 教師 です

( 二階堂 ( に かいどう ) ) よっ 教育 実習 生

あっ 二階堂 先輩

お ~ ひさしぶり です

相変わらず 能 天気 な ヤツ だ

( 校長 ) と いう わけ で ―

今年 も 我が 校 の 卒業 生 が 実習 生 と し て 帰って き まし た

2 週間 の 間 です が 皆さん よろしく お 願い し ます

それでは ひと言 ずつ 挨拶 を

鳴沢 教 大 ( なる さわ きょうだい ) 4 年 長瀬 純 です ご 指導 よろしく お ~ 願い し ます

( 体育 教師 ) おお っ いい ね いい ねぇ

( 男性 教師 A ) こんな 美人 ウチ の 卒業 生 に いたん だ ねぇ

尊敬 する 人 は ジャンボ 鶴 馬 ( つるま ) です

( 体育 教師 ) 鶴 馬 ? ( 女性 教師 ) プロレス の ?

また 懐かしい

( 男性 教師 B ) い … いく つ だ ? あの 子 は

( ため息 )

( 二階堂 ) お前 まだ プロレス 好き な の か ?

はい

( 二階堂 ) しかも 昔 の ( 純 ) はい !

( 純 ) プロレス こそ 夢 や 希望 そして 理想 の 強 さ を 追う スポーツ です

教育 も 同じ だ と 思い ませ ん か ?

( ジャンボ 鶴 馬 ) お ~ !

私 も 高い 理想 を 持って 教師 を し たい と 思って る ん です

お前 の “ お ” が “ お ~ ” に なる の は 鶴 馬 が 好き だ から か ?

えっ ?

な … なって ませ ん よ や だ な ~

ふ う ~ ん

でも まあ 意外 と 元気 そう で 何より だ

( 純 ) “ 意外 ” って 何 です か ? 私 は 昔 から 元気 だけ が 取り柄 です よ

( 二階堂 ) って な 感じ で 私 の 後輩 が 教育 実習 に やって 来 た

しばらく 副 担任 と し て つい て もらう

( 女子 生徒 A ) いつ の 後輩 かな ? ( 女子 生徒 B ) かわいい ね

( 純 ) みんな 良 さ そう な 子 ばっかり

あっ

( 桂 馬 ( け いま ) ) ウフ ウフフ … フフフ …

え … あっ

ほれ 自己 紹介

な … 長瀬 純 です

よろしく お ~ 願い し ます

( 拍手 と 歓声 )

尊敬 する 人 は ジャンボ 鶴 馬 です

( PFP の 操作 音 ) ( ざわめき )

( 二階堂 ) よし 授業 を 始める ぞ

1 時限 目 は 私 だ お前 は 後ろ

う … あ … はい

( PFP の 操作 音 )

ええ !

( 二階堂 ) 13 ページ 開け … って 前 どこ まで やった っけ かな ?

え ? え え ~

この 作品 で の 主人公 は 高等 遊 民 と いって

親 や 兄 の すね を かじって 暮らし て いる

まあ ニート みたい な もん だ な

( 純 ) な … なんで 誰 も 何 も 注意 し ない の ?

授業 中 に ゲーム し てる 子 が いる のに …

あっ も しか して 私 に しか 見え ない 地 縛 霊 ( じ ば くれ い ) ?

そんな わけない よ ね

( チャイム の 音 )

あ ~ あれ は 桂木 ( かつらぎ ) だ

桂木 … 君

まあ 何 だ あいつ は 気 に する な

気 に する な ?

ああ いう ヤツ な ん だ ほっとけ

そんな

ゲーム ぐらい ひと言 注意 し て やめ させ れ ば いい で は ない です か

あっ もしや 注意 する と

フフフ …

キレ たり する 子 な ん です か ~ ?

その ほう が まだ マシ とにかく 離さ ねえ の あいつ は !

( 体育 教師 ) 水泳 の とき も やって ん だ 化け物 ( もん ) だ よ もう !

いいかげん に しろ !

やめろ って 言って ん だ ろ !

ど わ っ

( 純 ) キ … キレ る 手品 師 ?

( 純 ) だ … だ から って あれ じゃ 授業 が 耳 に 入ら ない じゃ ない です か

( 児玉 ( こだま ) ) ホワ ~ ッツ ?

そんな 注意 とっくに し まし た よ !

それ で 授業 頭 に 入る わけ ねえ だ ろ !

ユー アンダ スタ ~ ン ?

じゃあ 授業 と 両立 し てれ ば 問題 ない って わけ です か ?

何 ~ !

どう する ん だ ? テスト 満点 取る か ?

( 桂 馬 ) なるほど

( 児玉 ) それ 以来 全部 100 点 です よ

シ ~ ット ! あいつ いつか 倒す

( 純 ) い … 今 の 問題 児 は 複雑 な の ね

私 の 授業 も “ つま ん ね ~ ” と か 言い や がって

ムカ つく から もう 知ら ん

( 生徒 たち ) おばちゃん ! おば ちゃ ~ ん !

( 純 ) ムカ つく から 知ら ない なんて

それ って 先生 が 生徒 に 負け た って こと じゃ ん

注意 する べき か なぁ

でも 私 たかだか 実習 生 だ し

う うん ! 実習 生 と か 関係ない !

私 が お ~ 説教 し ます !

( 純 ) やる わ やる わ ~ やる わ ~ !

( 男子 生徒 D ) あれ B 組 の 実習 生 じゃ ん

( 男子 生徒 E ) いい ねえ

お ~ !

か … 桂木 く …

( PFP の 操作 音 )

( 純 ) か … 桂木 君 ( 桂 馬 ) ん ?

ゲーム も いい けど もっと 友達 と 遊 ん だ ら ?

( 桂 馬 ) 友達 ?

ハッ

( 桂 馬 ) ん ?

( エルシィ ) どう し まし た ?

さあ な

( 荒い 息 )

( 純 ) び … びっくり し た ~

あの 子 の 目

( 純 ) 本当 に 何 も 現実 に 期待 し て い ない ―

別 世界 から こっち を 見 てる 目 だ

( 純 ) あの 目 が 先生 たち を フォール し て き た の か な

ただ の 問題 児 じゃ ない

( 純 ) だって あんな に 孤独 そう だ もん

そう 孤独 な の よ 寂しい の よ

あの 子 も やり たく て ゲーム を やって る わけ じゃ ない の

( 純 ) 私 が 救って あげ ない と

( 純 ) ジャンボ も 言って た !

人生 は …

人生 は チャレンジ だ !

( 純 ) あの 子 を 真 人間 に する

これ が 私 の 教師 と し て の 最初 の 仕事

そう 私 は 理想 を 貫く わ !

今度 こそ

( 風 の 音 )

( 純 ) え ?

あれ ? 今 の は ?

( チャイム の 音 )

ハッ 5 時限 目

大急ぎ 大急ぎ ~

( 男子 生徒 F ) いや ~ 当たり だった

( 男子 生徒 G ) 隣 の クラス は 男 だって さ

( 男子 生徒 H ) よかった ~ この クラス で 本当 に

( 男子 生徒 F ) 実習 生 いい よ な ~

いい 匂い が する ん だ よ な お 姉さん キャラ って いう か

俺 は やり ます よ ! 2 週間 で 仲良く なっちゃ い ます よ !

( ちひろ ) バ ~ カ あんた ら み たい な の が 相 手 に さ れる わけない でしょ

( 京 ( みやこ ) ) 鏡 見ろ ~

( 3 人 ) うる へ ~ !

( 女子 生徒 たち の 笑い声 )

盛り上がって ます ~

教育 実習 生 って 刺激 的 な 人 たち な ん です ね

フン あんな 半端 な パラメーター の どこ が いい の やら

( 桂 馬 ) 教師 で すら やたら 攻略 が 面倒 な 割 に ―

実り が 少ない ジャンル だ と いう のに ―

( 桂 馬 ) 教師 見習い み たい な 肩書 に 何 の 魅力 が ある って いう ん だ

みんな どう かし てる

教育 実習 生 が 成立 する の は プレーヤー キャラ のみ な の だ よ

エルシィ 君

( チャイム の 音 ) ( エルシィ ) あ ~

チャイム だ 授業 だ お 勉強 ~

( 純 ) 実習 2 日 目 今日 も しっかり やら なきゃ

桂木 君

あの 子 を なんとか し て あげ ない と

ん ?

( 児玉 ) ハリー アップ ! ( 純 ) あっ は いっ

ワン 時限 目 イズ イングリッシュ セイ グッダ ~ イ

グッダ ~ イッ !

( 生徒 たち ) グッダ ~ イ ミスター 児玉

お … お ~ は よう ござい ます 今日 も よろしく お 願い し ます

おはよう ござい ま ~ す ! 長瀬 先生 !

( 児玉 ) う ~

オーライ 授業 始める

( 純 ) せ … “ 先生 ” だって

この 子 たち の 期待 を 裏切っちゃ いけ ない

私 いい 先生 に なら なきゃ !

( 駆け 魂 ( たま ) センサー ) ドロドロ ドロドロ ドロ …

( ざわめき )

( 駆け 魂 センサー ) ドロドロ ドロドロ ドロ …

わ あ !

( 児玉 ) こら ~ ! ( エルシィ ) えっ ?

誰 だ ? アラーム を 鳴らし て いる の は !

ノーバディ ハズ ケータイ テレフォン !

す … すい ませ ~ ん

( 児玉 ) せ ~ め て 英語 で 謝れ ~ セイ ソーリー

そ っ ソーリー

セイ ヒゲ ソーリー

( エルシィ ) ヒゲ ソーリー

セイ ゾウリムシ ~

( エルシィ ) ゾウリムシ ~

( エルシィ ) あ ~ ひどい 目 に ミート し ちゃ い まし た

( 桂 馬 ) で あいつ の データ は ?

あ … はい

( エルシィ ) “ 長瀬 純 21 歳 ”

“ 鳴沢 教 大 4 年生 ”

“ 好き な もの は プロレス バスケ ほか 運動 何でも 大好き ”

だ そう です

ここ しばらく は ―

駆け 魂 に 会わ なく て ほっと し て た のに

( エルシィ ) 昨日 は 反応 が なかった のに

もし かして ―

まだ 入った ばっかり な の かも しれ ませ ん

今 なら まだ 駆け 魂 の レベル が 低い です !

早速 捕まえ ま しょ う 神様 !

( 桂 馬 ) や だ 帰る

( エルシィ ) え え ~ ?

え ~ どう し て 帰る ん です か ~ ?

神様 の 意地悪 いつも 私 と 逆 の 行動 ばっかり !

落ち着け

今 うかつ に あいつ に 会う の は 危険 な ん だ よ

ええ ? なぜ です ?

( 桂 馬 ) いい 言葉 を 教え て やろ う

( 桂 馬 ) 教師 は ギャルゲー 的 セオリー だ と ―

最も 攻略 に 時間 が かかる ジョブ の 1 つ だ

なぜ か わかる か ?

なぜ です か ?

( 桂 馬 ) それ は ヤツ ら の 仕事 が 生徒 と 仲良く する こと だ から だ

( 桂 馬 ) 仲良く なる だけ なら 簡単 だ

しかし そこ から 先 に は なかなか 進め ない

どこ か で 立場 を 対等 に し ない と

さらに 一 度 固まった 親しい 関係 は ―

違う 形 に する のに 大きな パワー が いる

だから 教師 の キャラ の 攻略 は ―

めちゃくちゃ 時間 と イベント が 必要 に なる ん だ

今 必要 な の は 対等 な 関係 で の スタート だ

あいつ の 教え子 に なって しまったら 短期 決着 は ない

と いう わけ で 僕 は もう 学校 で は あいつ に 会わ ない

あっ 私 は どう すれ ば ?

( 桂木 ) 羽衣 で 僕 を 作って 授業 さ せ とけ その 間 に プラン を 練って おく

( エルシィ ) はい !

( 純 ) どこ 行く の ? 桂木 君 ( 桂 馬 ) う っ

( 純 ) まだ 授業 終わって ない よ

( 桂 馬 ) おい なんで 向こう から ?

( 純 ) 途中 で 抜け出 そう なんて よっぽど 学校 が つまらない の ね

( 純 ) 桂木 君

じゃ ~ ん !

先生 と 一緒に 昼 ごはん 食べ ない ?

い … いい よ 別に

( 桂 馬 ) 何 だ それ は ? 学校 内 の イベント は ダメ だ やめろ !

な ~ に ?

う わ ~ !

( 純 ) ねえ 桂木 君

食べよ う よ ! 一緒に

( 桂 馬 ) う … あ … う わ っ

あ あっ 待って !

( 純 ) 逃がさ ない わ 学校 の 楽し さ を 教え て あげ ない と

ハッ ハッ ハッ …

( 衝突 音 ) ( 桂 馬 ) う わ っ

( 純 ) あ あ ~ っ

( 桂 馬 の うめき声 )

( 純 ) う っ う う ご … ごめん ね

大丈夫 ?

は … はい

今日 は 風邪 ひ い た みたい だ から 早く 帰 ろ う か と

風邪 ?

( 桂 馬 ) う う っ

( 純 ) 風邪 の 割 に は 元気 よ ね ?

大丈夫 熱 なんて ない わ よ

( 純 ) う っ えい ( 桂 馬 ) く くっ う う

( 純 ) さあ もう 少し 頑張り ま しょ う

( 純 ) う っ ( 桂 馬 ) ぐ っ

( 桂 馬 ) 僕 に 触る な ~ !

( 純 ) この オム そば パン って 本当 に おいしい よ ね ~

私 も 昔 は ね この オム そば パン の 争奪 戦 に 参加 し て た の よ

でも 今 は なんと 裏 から 買 える ん だ よ

先生 って すごい ね

( 桂 馬 ) なんで 僕 を 狙い撃ち な ん だ ? 何 か し た か ? マズ い こと

とにかく 話す な 向こう を 向く な 情報 を 与え ちゃ いけ ない

( 純 ) 無理 も ない か な 急に 話せ って 言って も ね

ハッ そう だ いい もの 見せ て あげる

( 携帯 電話 の 操作 音 )

( 純 ) ねえ 見 て 見 て

ほら ! ジャンボ 鶴 馬

史上 最強 の レスラー だ よ

生き て たら 今 で も すごい と 思う な

先生 ね プロレス が 大好き な ん だ

今 は 総合 格闘技 の ほう が 人気 な ん だ けど ―

格闘技 は 現実 の 強 さ を 追って る

けど プロレス は 理想 の 強 さ を 追って る ん だ よ かっこいい よ ね ~

リアル より 理想 か

わ あ 桂木 君 が 反応 し た

( 桂 馬 ) う っ ( 純 ) さすが 鶴 馬 さん

( 桂 馬 ) マズ い 返事 し て しまった

( 純 ) 桂木 君 !

いつ でも 話しかけ て ね 先生 力 に なる から

( エルシィ ) え ~ ! 会っちゃ っ た ん です か ? 長瀬 先生 に ?

神様 仲良く なる 天才 です ね

冗談 じゃ ない !

なんで だ ? なんで あいつ 僕 の 所 に 来 た ん だ ?

心配 だった から で は ? 神様 は 問題 児 だ から

え ? 僕 の どこ が 問題 児 な ん だ ?

う う … 自覚 なし

とにかく これ で 僕 は “ 教え子 ” の カテゴリー に 入れ られ て しまった

( 桂 馬 ) まんまと “ 教師 ルート ” に 入 っち まっ た って こと だ

いちばん 避け たい 展開 だった の に このまま じゃ ―

( 桂 馬 ) エンディング は 遠い

♪ ~

~ ♪


( 小鳥 の さえずり )

( 純 ( じゅん ) ) お ~ !

( カーテン を 閉める 音 )

♪ ~

~ ♪

( 男子 生徒 A ) ち い ~ す ( 男子 生徒 B ) う い ~

( 男子 生徒 C ) あ ~ 月曜 たり い ~

( 自転車 の ベル の 音 )

お ~ は よう ござい ま ~ す !

( 純 ) 待ちに待った この 日 が き まし た

何度 も 通った 舞 高 ( まい こう ) へ の 道 も 立場 が 違う と 何だか 新鮮 です

( ブレーキ 音 )

( 純 ) こら 君 たち !

( リョー ) あん ?

( 純 ) 高校 生 に も なって ごみ の ポイ 捨て し ない !

( リョー ) は あ ?

ち っ

もう !

( 純 ) 長瀬 ( ながせ ) 純 21 歳 今日 から 教師 です

( 二階堂 ( に かいどう ) ) よっ 教育 実習 生

あっ 二階堂 先輩

お ~ ひさしぶり です

相変わらず 能 天気 な ヤツ だ

( 校長 ) と いう わけ で ―

今年 も 我が 校 の 卒業 生 が 実習 生 と し て 帰って き まし た

2 週間 の 間 です が 皆さん よろしく お 願い し ます

それでは ひと言 ずつ 挨拶 を

鳴沢 教 大 ( なる さわ きょうだい ) 4 年 長瀬 純 です ご 指導 よろしく お ~ 願い し ます

( 体育 教師 ) おお っ いい ね いい ねぇ

( 男性 教師 A ) こんな 美人 ウチ の 卒業 生 に いたん だ ねぇ

尊敬 する 人 は ジャンボ 鶴 馬 ( つるま ) です

( 体育 教師 ) 鶴 馬 ? ( 女性 教師 ) プロレス の ?

また 懐かしい

( 男性 教師 B ) い … いく つ だ ? あの 子 は

( ため息 )

( 二階堂 ) お前 まだ プロレス 好き な の か ?

はい

( 二階堂 ) しかも 昔 の ( 純 ) はい !

( 純 ) プロレス こそ 夢 や 希望 そして 理想 の 強 さ を 追う スポーツ です

教育 も 同じ だ と 思い ませ ん か ?

( ジャンボ 鶴 馬 ) お ~ !

私 も 高い 理想 を 持って 教師 を し たい と 思って る ん です

お前 の “ お ” が “ お ~ ” に なる の は 鶴 馬 が 好き だ から か ?

えっ ?

な … なって ませ ん よ や だ な ~

ふ う ~ ん

でも まあ 意外 と 元気 そう で 何より だ

( 純 ) “ 意外 ” って 何 です か ? 私 は 昔 から 元気 だけ が 取り柄 です よ

( 二階堂 ) って な 感じ で 私 の 後輩 が 教育 実習 に やって 来 た

しばらく 副 担任 と し て つい て もらう

( 女子 生徒 A ) いつ の 後輩 かな ? ( 女子 生徒 B ) かわいい ね

( 純 ) みんな 良 さ そう な 子 ばっかり

あっ

( 桂 馬 ( け いま ) ) ウフ ウフフ … フフフ …

え … あっ

ほれ 自己 紹介

な … 長瀬 純 です

よろしく お ~ 願い し ます

( 拍手 と 歓声 )

尊敬 する 人 は ジャンボ 鶴 馬 です

( PFP の 操作 音 ) ( ざわめき )

( 二階堂 ) よし 授業 を 始める ぞ

1 時限 目 は 私 だ お前 は 後ろ

う … あ … はい

( PFP の 操作 音 )

ええ !

( 二階堂 ) 13 ページ 開け … って 前 どこ まで やった っけ かな ?

え ? え え ~

この 作品 で の 主人公 は 高等 遊 民 と いって

親 や 兄 の すね を かじって 暮らし て いる

まあ ニート みたい な もん だ な

( 純 ) な … なんで 誰 も 何 も 注意 し ない の ?

授業 中 に ゲーム し てる 子 が いる のに …

あっ も しか して 私 に しか 見え ない 地 縛 霊 ( じ ば くれ い ) ?

そんな わけない よ ね

( チャイム の 音 )

あ ~ あれ は 桂木 ( かつらぎ ) だ

桂木 … 君

まあ 何 だ あいつ は 気 に する な

気 に する な ?

ああ いう ヤツ な ん だ ほっとけ

そんな

ゲーム ぐらい ひと言 注意 し て やめ させ れ ば いい で は ない です か

あっ もしや 注意 する と

フフフ …

キレ たり する 子 な ん です か ~ ?

その ほう が まだ マシ とにかく 離さ ねえ の あいつ は !

( 体育 教師 ) 水泳 の とき も やって ん だ 化け物 ( もん ) だ よ もう !

いいかげん に しろ !

やめろ って 言って ん だ ろ !

ど わ っ

( 純 ) キ … キレ る 手品 師 ?

( 純 ) だ … だ から って あれ じゃ 授業 が 耳 に 入ら ない じゃ ない です か

( 児玉 ( こだま ) ) ホワ ~ ッツ ?

そんな 注意 とっくに し まし た よ !

それ で 授業 頭 に 入る わけ ねえ だ ろ !

ユー アンダ スタ ~ ン ?

じゃあ 授業 と 両立 し てれ ば 問題 ない って わけ です か ?

何 ~ !

どう する ん だ ? テスト 満点 取る か ?

( 桂 馬 ) なるほど

( 児玉 ) それ 以来 全部 100 点 です よ

シ ~ ット ! あいつ いつか 倒す

( 純 ) い … 今 の 問題 児 は 複雑 な の ね

私 の 授業 も “ つま ん ね ~ ” と か 言い や がって

ムカ つく から もう 知ら ん

( 生徒 たち ) おばちゃん ! おば ちゃ ~ ん !

( 純 ) ムカ つく から 知ら ない なんて

それ って 先生 が 生徒 に 負け た って こと じゃ ん

注意 する べき か なぁ

でも 私 たかだか 実習 生 だ し

う うん ! 実習 生 と か 関係ない !

私 が お ~ 説教 し ます !

( 純 ) やる わ やる わ ~ やる わ ~ !

( 男子 生徒 D ) あれ B 組 の 実習 生 じゃ ん

( 男子 生徒 E ) いい ねえ

お ~ !

か … 桂木 く …

( PFP の 操作 音 )

( 純 ) か … 桂木 君 ( 桂 馬 ) ん ?

ゲーム も いい けど もっと 友達 と 遊 ん だ ら ?

( 桂 馬 ) 友達 ?

ハッ

( 桂 馬 ) ん ?

( エルシィ ) どう し まし た ?

さあ な

( 荒い 息 )

( 純 ) び … びっくり し た ~

あの 子 の 目

( 純 ) 本当 に 何 も 現実 に 期待 し て い ない ―

別 世界 から こっち を 見 てる 目 だ

( 純 ) あの 目 が 先生 たち を フォール し て き た の か な

ただ の 問題 児 じゃ ない

( 純 ) だって あんな に 孤独 そう だ もん

そう 孤独 な の よ 寂しい の よ

あの 子 も やり たく て ゲーム を やって る わけ じゃ ない の

( 純 ) 私 が 救って あげ ない と

( 純 ) ジャンボ も 言って た !

人生 は …

人生 は チャレンジ だ !

( 純 ) あの 子 を 真 人間 に する

これ が 私 の 教師 と し て の 最初 の 仕事

そう 私 は 理想 を 貫く わ !

今度 こそ

( 風 の 音 )

( 純 ) え ?

あれ ? 今 の は ?

( チャイム の 音 )

ハッ 5 時限 目

大急ぎ 大急ぎ ~

( 男子 生徒 F ) いや ~ 当たり だった

( 男子 生徒 G ) 隣 の クラス は 男 だって さ

( 男子 生徒 H ) よかった ~ この クラス で 本当 に

( 男子 生徒 F ) 実習 生 いい よ な ~

いい 匂い が する ん だ よ な お 姉さん キャラ って いう か

俺 は やり ます よ ! 2 週間 で 仲良く なっちゃ い ます よ !

( ちひろ ) バ ~ カ あんた ら み たい な の が 相 手 に さ れる わけない でしょ

( 京 ( みやこ ) ) 鏡 見ろ ~

( 3 人 ) うる へ ~ !

( 女子 生徒 たち の 笑い声 )

盛り上がって ます ~

教育 実習 生 って 刺激 的 な 人 たち な ん です ね

フン あんな 半端 な パラメーター の どこ が いい の やら

( 桂 馬 ) 教師 で すら やたら 攻略 が 面倒 な 割 に ―

実り が 少ない ジャンル だ と いう のに ―

( 桂 馬 ) 教師 見習い み たい な 肩書 に 何 の 魅力 が ある って いう ん だ

みんな どう かし てる

教育 実習 生 が 成立 する の は プレーヤー キャラ のみ な の だ よ

エルシィ 君

( チャイム の 音 ) ( エルシィ ) あ ~

チャイム だ 授業 だ お 勉強 ~

( 純 ) 実習 2 日 目 今日 も しっかり やら なきゃ

桂木 君

あの 子 を なんとか し て あげ ない と

ん ?

( 児玉 ) ハリー アップ ! ( 純 ) あっ は いっ

ワン 時限 目 イズ イングリッシュ セイ グッダ ~ イ

グッダ ~ イッ !

( 生徒 たち ) グッダ ~ イ ミスター 児玉

お … お ~ は よう ござい ます 今日 も よろしく お 願い し ます

おはよう ござい ま ~ す ! 長瀬 先生 !

( 児玉 ) う ~

オーライ 授業 始める

( 純 ) せ … “ 先生 ” だって

この 子 たち の 期待 を 裏切っちゃ いけ ない

私 いい 先生 に なら なきゃ !

( 駆け 魂 ( たま ) センサー ) ドロドロ ドロドロ ドロ …

( ざわめき )

( 駆け 魂 センサー ) ドロドロ ドロドロ ドロ …

わ あ !

( 児玉 ) こら ~ ! ( エルシィ ) えっ ?

誰 だ ? アラーム を 鳴らし て いる の は !

ノーバディ ハズ ケータイ テレフォン !

す … すい ませ ~ ん

( 児玉 ) せ ~ め て 英語 で 謝れ ~ セイ ソーリー

そ っ ソーリー

セイ ヒゲ ソーリー

( エルシィ ) ヒゲ ソーリー

セイ ゾウリムシ ~

( エルシィ ) ゾウリムシ ~

( エルシィ ) あ ~ ひどい 目 に ミート し ちゃ い まし た

( 桂 馬 ) で あいつ の データ は ?

あ … はい

( エルシィ ) “ 長瀬 純 21 歳 ”

“ 鳴沢 教 大 4 年生 ”

“ 好き な もの は プロレス バスケ ほか 運動 何でも 大好き ”

だ そう です

ここ しばらく は ―

駆け 魂 に 会わ なく て ほっと し て た のに

( エルシィ ) 昨日 は 反応 が なかった のに

もし かして ―

まだ 入った ばっかり な の かも しれ ませ ん

今 なら まだ 駆け 魂 の レベル が 低い です !

早速 捕まえ ま しょ う 神様 !

( 桂 馬 ) や だ 帰る

( エルシィ ) え え ~ ?

え ~ どう し て 帰る ん です か ~ ?

神様 の 意地悪 いつも 私 と 逆 の 行動 ばっかり !

落ち着け

今 うかつ に あいつ に 会う の は 危険 な ん だ よ

ええ ? なぜ です ?

( 桂 馬 ) いい 言葉 を 教え て やろ う

( 桂 馬 ) 教師 は ギャルゲー 的 セオリー だ と ―

最も 攻略 に 時間 が かかる ジョブ の 1 つ だ

なぜ か わかる か ?

なぜ です か ?

( 桂 馬 ) それ は ヤツ ら の 仕事 が 生徒 と 仲良く する こと だ から だ

( 桂 馬 ) 仲良く なる だけ なら 簡単 だ

しかし そこ から 先 に は なかなか 進め ない

どこ か で 立場 を 対等 に し ない と

さらに 一 度 固まった 親しい 関係 は ―

違う 形 に する のに 大きな パワー が いる

だから 教師 の キャラ の 攻略 は ―

めちゃくちゃ 時間 と イベント が 必要 に なる ん だ

今 必要 な の は 対等 な 関係 で の スタート だ

あいつ の 教え子 に なって しまったら 短期 決着 は ない

と いう わけ で 僕 は もう 学校 で は あいつ に 会わ ない

あっ 私 は どう すれ ば ?

( 桂木 ) 羽衣 で 僕 を 作って 授業 さ せ とけ その 間 に プラン を 練って おく

( エルシィ ) はい !

( 純 ) どこ 行く の ? 桂木 君 ( 桂 馬 ) う っ

( 純 ) まだ 授業 終わって ない よ

( 桂 馬 ) おい なんで 向こう から ?

( 純 ) 途中 で 抜け出 そう なんて よっぽど 学校 が つまらない の ね

( 純 ) 桂木 君

じゃ ~ ん !

先生 と 一緒に 昼 ごはん 食べ ない ?

い … いい よ 別に

( 桂 馬 ) 何 だ それ は ? 学校 内 の イベント は ダメ だ やめろ !

な ~ に ?

う わ ~ !

( 純 ) ねえ 桂木 君

食べよ う よ ! 一緒に

( 桂 馬 ) う … あ … う わ っ

あ あっ 待って !

( 純 ) 逃がさ ない わ 学校 の 楽し さ を 教え て あげ ない と

ハッ ハッ ハッ …

( 衝突 音 ) ( 桂 馬 ) う わ っ

( 純 ) あ あ ~ っ

( 桂 馬 の うめき声 )

( 純 ) う っ う う ご … ごめん ね

大丈夫 ?

は … はい

今日 は 風邪 ひ い た みたい だ から 早く 帰 ろ う か と

風邪 ?

( 桂 馬 ) う う っ

( 純 ) 風邪 の 割 に は 元気 よ ね ?

大丈夫 熱 なんて ない わ よ

( 純 ) う っ えい ( 桂 馬 ) く くっ う う

( 純 ) さあ もう 少し 頑張り ま しょ う

( 純 ) う っ ( 桂 馬 ) ぐ っ

( 桂 馬 ) 僕 に 触る な ~ !

( 純 ) この オム そば パン って 本当 に おいしい よ ね ~

私 も 昔 は ね この オム そば パン の 争奪 戦 に 参加 し て た の よ

でも 今 は なんと 裏 から 買 える ん だ よ

先生 って すごい ね

( 桂 馬 ) なんで 僕 を 狙い撃ち な ん だ ? 何 か し た か ? マズ い こと

とにかく 話す な 向こう を 向く な 情報 を 与え ちゃ いけ ない

( 純 ) 無理 も ない か な 急に 話せ って 言って も ね

ハッ そう だ いい もの 見せ て あげる

( 携帯 電話 の 操作 音 )

( 純 ) ねえ 見 て 見 て

ほら ! ジャンボ 鶴 馬

史上 最強 の レスラー だ よ

生き て たら 今 で も すごい と 思う な

先生 ね プロレス が 大好き な ん だ

今 は 総合 格闘技 の ほう が 人気 な ん だ けど ―

格闘技 は 現実 の 強 さ を 追って る

けど プロレス は 理想 の 強 さ を 追って る ん だ よ かっこいい よ ね ~

リアル より 理想 か

わ あ 桂木 君 が 反応 し た

( 桂 馬 ) う っ ( 純 ) さすが 鶴 馬 さん

( 桂 馬 ) マズ い 返事 し て しまった

( 純 ) 桂木 君 !

いつ でも 話しかけ て ね 先生 力 に なる から

( エルシィ ) え ~ ! 会っちゃ っ た ん です か ? 長瀬 先生 に ?

神様 仲良く なる 天才 です ね

冗談 じゃ ない !

なんで だ ? なんで あいつ 僕 の 所 に 来 た ん だ ?

心配 だった から で は ? 神様 は 問題 児 だ から

え ? 僕 の どこ が 問題 児 な ん だ ?

う う … 自覚 なし

とにかく これ で 僕 は “ 教え子 ” の カテゴリー に 入れ られ て しまった

( 桂 馬 ) まんまと “ 教師 ルート ” に 入 っち まっ た って こと だ

いちばん 避け たい 展開 だった の に このまま じゃ ―

( 桂 馬 ) エンディング は 遠い

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