( 森田 ( もり た ) ) お 嬢 様 私 は もう ついて い け ませ ん
( 桂 馬 ( け いま ) ・ エルシィ ) あ …
( 森田 ) どう か 金持ち の ふり は やめ て ください
( 美 生 ( み お ) ) 私 は 青山 ( あお やま ) 中央 産業 社長 の 娘 よ
この 生き 方 は 変え られ ない わ
( エルシィ ・ 桂 馬 ) あ …
♪ ~
~ ♪
( 森田 ) 現実 を 見つめ て ください
お 嬢 様 は もう 社長 令嬢 で は ない の です よ
パパ は いつも 言って た わ
“ 青山 家 の 誇り を 忘れ ちゃ いけ ない ” って
( 森田 ) その お 父 様 は もう … あ ! あ …
ハッ !
( 森田 ) お 母 様 が 働 い て なんとか 暮ら せ て いる の が 現状 な ん です
なのに どう する ん です か これ
しかたない でしょ う 1 万 円 しか 持って なかった ん だ から
あれ は 4 カ月 分 の お 小遣い で は ない です か
いいかげん 小銭 の 存在 を 認め て ください
パン 100 個 なんて とても 食べ き れ ない し
あっという間 に 傷み ます よ そ したら お 昼 は どう する ん です か
パン が なけ れ ば スイーツ を 食べ れ ば いい の よ
( 森田 ) もう 限界 だ お 暇 を 頂き ます
( 美 生 ) どこ 行く の 森田 あなた 運転手 でしょ
( 森田 ) 私 は 社長 の 運転手 で あなた の で は ない !
( 美 生 ) 待ち なさい ! ( 桂 馬 ) お …
( 美 生 ) え ? あ … あ !
お … お前 は さっき の 告白 庶民 !
お … お前 は さっき の 告白 庶民 !
( エンジン が かかる 音 )
( エンジン が かかる 音 )
フン !
あ ! う う …
ま … また 告白 し に 来 た の ? 庶民 の 分 を わきまえ なさい
( 桂 馬 ) う わ っ ぐ … あ …
ん …
( エルシィ ) 美 生 様 は お 金持ち だ と 思ったら 本当 は 貧乏 だった ん です ね
自分 だけ 逃げ や が って …
( エルシィ ) あ !
すみません
見 られ た … どう しよ う
負ける もん か …
( エルシィ ) やっぱり のぞき見 し て た と 思わ れ ちゃ った でしょ う か
( 桂 馬 ) 100 パーセント イエス
これ は また いきなり 悪い 印象 を 与え ちゃ い まし た ね
いや これ は 大きな 前進 だ
ええ ?
( 桂 馬 ) いい 言葉 を 教え て やる
( 桂 馬 ) パー パー パ パ パー ♪
ピヨピヨピヨ
パーパーパ パッパ パッパ ♪
パパパ パッパ ~ ♪
ラーラ ラーラ ラララ ララララ ラララ ~ ♪
遠 すぎる ~ 2 人 の 秘密 が ~ ♪
ぴっ たん こ ~ ♪
あ …
ぴっ たん こ ~ ♪
( 桂 馬 ) わかった か ? ( エルシィ ) わ あ !
( 桂 馬 ) 美 生 が 貧乏 と いう の は 舞 校 ( まい こう ) の 誰 も 知ら ない
つまり 僕 と 彼女 だけ が 知る 事実 だ
( 桂 馬 ) 2 人 だけ の 秘密 の 共有 これ は 強力 な 絆 に なる
盗み聞き で 聞い た 秘密 でも です か ?
前 に も 言った ろ 悪 印象 と 好 印象 は 変換 可能
どれ も ゲーム の 話 です よ ね
僕 が リアル の 話 し た こと が あった か ?
( エルシィ ) う …
人間 決戦 の 場 に 向かう とき に ―
あえて 慣れ ない 武器 を 持っていく もの だ ろ う か
決め た ぞ !
僕 は 今後 も ゲーム 理論 を 信じ て 戦う いかなる リアル に も だ !
う う ~ 何だか 知ら ない けど 侍 です 神様 !
( 美 生 ) 森田 の ヤツ …
フン 落後 者 め
おっと っと …
( 桂 馬 ) 僕 が お 送り いたし ま しょ う
( 美 生 ) ん ?
お 嬢 様 おはよう ございます
あ あ ~
運転手 不在 を 聞き は せ 参じ まし た
こ … 告白 のぞき 庶民 何 な の よ お前 昨日 から !
しかも 自転車 ?
後部 座席 へ どうぞ
ああ …
庶民 庶民 庶民 !
急 が なけ れ ば 遅刻 し て しまい ます さあ !
乗る わけない でしょ 歩 い て いった ほう が マシ よ !
フン !
わ っ わ あ ~ ああ !
う う … 痛い
あっ ああ パン が …
( 桂 馬 ) その 靴 で は うまく 歩 け ませ ん よ さあ どうぞ 自転車 に …
そんな 貧乏 くさい 乗り物 に 乗る か !
( エルシィ ) あ … あ !
ん … あれ ?
セレブ と し て の 志 を 守る お 嬢 様 の 誇り に 感動 いたし まし た
ぜひ 私 に も お 手伝い さ せ て ください
しかたない わ ね 足 が 痛く て 歩 け ない ん じゃ
出し て
ラジャー ! ん ぐ っ !
( 美 生 ) そんなに 私 の こと が 好き な の ?
私 が 庶民 なんか 相 手 に する わけ ない のに …
まあ 分相応 に 接する なら いい か …
( 自転車 の ベル の 音 )
( 女子 生徒 A ・ B ) ん ?
( 女子 生徒 A ) 青山 さん ? ( 女子 生徒 B ) あれ オタ メガ ?
( 桂 馬 ) ハァ ハァ ハァ … ( 美 生 ) ご 苦労
放 課 後 も お迎え に あがり ます
( 美 生 ) フン
大丈夫 です か 神様
今回 の 攻略 は 意外に 体力 勝負 だ な ハァ …
( 女子 生徒 A ) ねえ ねえ 知って る ?
( 女子 生徒 B ) 青山 さん 運転手 代え た の よ
( 女子 生徒 C ) 誰 だ と 思う ?
( 女子 生徒 D ) え ~ 桂木 ( かつらぎ ) ?
( 女子 生徒 B ) 金持ち の 考える こと は わかん ない わ
( 桂 馬 ) ハァ ハァ ハァ …
ご 苦労
ハァ … いって … らっしゃい … ハァ … ませ
( エルシィ ) 神様 しっかり し て ください !
( 桂 馬 ) ハァ ハァ ハァ …
( 美 生 ) こいつ なかなか 忠実 ね 私 の 家 の こと も 誰 に も 言わ ない し …
どう いう つもり な の
( 桂 馬 ) ハァ ハァ ハァ …
桂木 だらしない わ よ 休 ん で ない で こぎ なさい
( 桂 馬 ) 今日 の 大き さ は ゲーマー の 脚力 を 超え て いる !
用意 し た の は お前 自身 でしょ ?
エルシィ の ヤツ ! むやみ な エスカレート は ―
ゲーム の バランス を 崩す と なぜ 気づか ない
( 美 生 ) 何 ? 動 け ない の ?
なら 私 が 元気 の 出る おまじない を し て あげる わ よ
あ … おまじない ?
( 美 生 ) そう これ で たた い て あげ たら さぞ 力 も 出る でしょ う
う う … なんで そんな ムチ 持って ん だ よ
乗馬 は 淑女 の たしなみ よ
( 桂 馬 の わめき 声 )
ハァ … 直接 攻撃 は 想定 外 だ よ
( 美 生 ) ヘヘッ 捕まえ た ハハ !
( 笑い声 )
( 桂 馬 ) あ … ん ?
帰る わ よ 庶民 の 相手 なんか し て られ ない わ
ん ?
地獄 の 人間 の 私 が 言う の も 変 です が ―
美 生 さん は よく ない と 思い ます
貧乏 な の に 無意味 な 見え を 張って お 金持ち の ふり を 続け た り
社長 令嬢 を 誇って る 割 に は ―
お 父さん に お 線香 ひと つ 上げ て い ませ ん
死者 に は ちゃんと 敬意 を 払う べき です
( 桂 馬 ) 悪魔 が 言う と うさんくさい セリフ だ な
でも な どうやら あいつ は いい ヤツ と いう こと らしい ぞ
ええ ?
と いう か 僕 の 予想 ルート で は その 結論 しか ない
( 桂 馬 ) あの 手 の キャラ の わがまま は てれる 瞬間 の ため の 前 振り だ
告白 …
秘密 …
送り迎え …
そして いけ ない 娘 ( こ ) … イベント は 十 分 だ
あと 何 か 1 つ 彼女 を 縛って いる もの が …
ん ?
( エルシィ の 鼻歌 )
( 桂 馬 ) エルシィ ( エルシィ ) ん ?
エンディング が 見え た ぞ
あ ?
桂木 の ヤツ まさか …
( 桂 馬 ) お 待た せ し まし た お 嬢 様
遅い ! あ …
( 桂 馬 ) さあ お 急ぎ ください
お召し物 も ご 用意 さ せ て いただき まし た ので
ん … どう いう こと ?
桂木 ! 桂木 は どこ ?
( 美 生 ) どう し て あいつ が これ を …
ずっと 無視 し て た のに …
( 桂 馬 ) 美 生 様
ドレス は いかが です か ?
勝手 ながら こちら で 選ば せ て い ただい た もの です が
( 美 生 ) か … かわいい 庶民 に も 衣装 ね
だ … 誰 が パーティー に 連れ て こい って 言った の よ !
( 桂 馬 ) いつも 古 アパート ばかり い て は 息 が 詰まる でしょ う
たま に は 本当 の 金持ち の イベント も 必要 と 思い まし て
わ … 私 は そんな こと 言って ん じゃ ない の !
パーティー の 会場 は あ っち !
ここ は 裏庭 よ ! この す っと こ 運転手 !
いや ~ 僕 踊り と か 自信 ない ので ―
前もって お 嬢 様 に 教え て もら お う か と …
お前 パーティー に 参加 する 気 ? 冗談 でしょ
この 夜会 は 本当 の 金持ち で 上流 の 人間 しか 来 れ ない の よ
私 は 何度 も 来 てる けど
あっ やっぱり いらっしゃった こと が …
当然 よ 何度 も パパ と …
い … いい わ お前 は ここ で 1 人 パーティー を やり なさい よ
客 も ボーイ も シェフ も い ない けど ね
お 飲み物 いかが です か ?
おい その チャラチャラ し た 服 は 何 だ
もっと 地味 な 格好 しろ よ メイド な ん だ から
なんで 私 だけ メイド ? 私 も ドレス が 着 たい です !
楽し も う と す ん な よ !
( 美 生 ) 桂木 !
ダンス 教え て ほしい ん でしょ さあ こっち 来 なさい
庶民 に 与える 時間 なんて ない ん だ から 1 分 で 覚え なさい
無理 言う な ああ …
( 桂 馬 ) ん ? ( 美 生 ) 何 やって ん の 手 を 出し て
( 桂 馬 ) ん ん …
何にも 知ら ない の ? ちゃん と 握って
( 美 生 ) な … 何 よ ( 桂 馬 ) え … いや 別に …
え … 手 ぐらい で 動揺 し ない で よ こんな の ダンス じゃ 普通 な ん だ から
( 桂 馬 ) う … うん わかった よ ( 美 生 ) 始める わ よ
( 美 生 ) 右 右 そこ で 回る
( 桂 馬 ) 上 上 下 下
L R L …
( 美 生 ) 結構 飲み込み 早い じゃ ない
( 桂 馬 ) どう も …
しかし こんな 漫画 み たい な 世界 本当 に ある ん だ な
( 美 生 ) フッ 庶民 的 な 感想 ね
本当 の 上流 階級 は こう な の よ
縁 の ない 世界 だ
私 なんか パパ と 何度 も 踊った こと ある ん だ から
( 桂 馬 ) ん ?
( 男性 A ) これ は 青山 さん の 所 の …
あ …
( 男性 B ) 美 生 さん こんな 所 で 何 を ?
( 男性 C ) いらっしゃって た なら 中 へ どうぞ
( 美 生 ) 別に 来 たかった わけ じゃ … ( 男性 B ) で は また どう し て ?
( 男性 A ) い や ぁ それにしても 青山 社長 は 残念 で し た ね
ああ …
( 男性 A ) 美 生 様 も 今 は お 母 様 ともども アパート 住まい と か …
( 男性 B ) おい 失礼 だ ろ 君 ハハハ …
( 男性 A ) 何 か と 大変 でしょ う
中 に は お 食事 も あり ます ので どうぞ お 好き な だけ …
( 男性 B ) ヘヘヘ … 誰 だ 招待 状 を 送った の
( 男性 A ) ホント に 来 てる と は な
( 男性 C ) ただ 飯 狙い でしょ ハハハ
( 桂 馬 ) もう やめ ませ ん か ( 美 生 ) ハ …
こんな 世界 に い て どう なる ん です ?
うるさい ! 私 は 本当 に 金持ち よ 金持ち な の よ !
お前 だって 手伝う って 言った くせ に !
もう 十分 です よ
お 父 様 も きっと 満足 さ れ て ます よ
あ …
( 桂 馬 ) 死 ん だ お 父さん を 忘れ ない ため に 言わ れ た こと を 守って た ん だ よ ね
だから 社長 令嬢 を 演じ 続け 仏壇 に お 線香 も 上げ なかった
でも 君 は もう 自分 1 人 の 人生 を 歩む べき だ
( 美 生 ) パパ ! パパ !
( 美 生 の 父 ) 美 生 お前 は 少し 大人 に なった
これ から も 青山 家 の 誇り を 忘れ ず に しっかり やって いき なさい
( 美 生 ) わかって る だって 私 は パパ の 娘 だ も の
美 生 …
美 生 …
( 美 生 ) パパ は … パパ は 私 の 心 の 中 で 生き てる
私 が パパ の 教え を 守って いる かぎり パパ は 絶対 に 死な ない !
でも あの とき 君 は 笑って た
いつも 笑わ ない 君 が 生き生き と とても 楽し そう に !
お 父 様 の 教え も もちろん 大事 だ でも …
僕 は 君 の 笑顔 を もっと 見 たい
( 美 生 ) あ …
ハ …
( 桂 馬 ) う ぐ ぐ っ
うわ ー !
( エルシィ ) ああ …
( 美 生 ) お前 は ペテン 師 だ !
私 に 協力 する ふり を し て だまし て た の ね !
お前 が 来 て から パパ が どんどん 小さく なっちゃ う
このまま じゃ パパ が … パパ が ホント に 死 ん じゃ う
ああ …
( 桂 馬 ) それ でも 僕 は … 僕 は 君 の 心 に 住み たい !
僕 が 嫌 なら あの 世界 に 戻れ ば いい !
君 は 選ば なきゃ いけ ない 君 自身 の 意思 で !
これ から の 君 の 生きる 道 を !
パパ …
パパ …
( 美 生 の 父 ) 大きく なった ね 美 生
パパ …
神様 ありがとう ございます
オーエス オーエス
駆け 魂 ( たま ) 勾留 !
( エルシィ ) 神様 の おかげ で もう 2 匹 も 駆け 魂 捕まえ ちゃ い まし た よ
僕 は 早く も ぎりぎり だ よ
( 美 生 ) ちょっと そこ の 庶民 ( 桂 馬 ・ エルシィ ) ん ?
( 美 生 ) 手 を 出し なさい ( 桂 馬 ) え ?
オム そば パン を 買い たい ん だ けど この コイン で 足りる ?
使った こと ない から どれ が どれ だ か わから ない の よ
( 桂 馬 ) 2 個 は 買 える な ( 美 生 ) そう
( エルシィ ) 美 生 さん 小銭 を 認め て ます よ
性格 は あんまり 変わって ない みたい だ けど な
( 美 生 ) じ ー
( 桂 馬 ・ エルシィ ) ん ?
( 美 生 ) ああ ! あわ わ わ …
記憶 が なくなって ちょっと 残念 です ね
意外に 仲良く な れ た か も しれ ませ ん し
いい さ 別に
あいつ は 僕 も お 父さん の こと も 忘れ た ほう が いい
その ほう が 自分 自身 の 人生 を ちゃんと 歩 ける さ
( 美 生 ) う … オム そば パン 2 個 頂く わ !
♪ ~
~ ♪