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Samurai Gourmet, Samurai Gourmet S1:E1 Mid-Day Beer at a Restaurant

Samurai Gourmet S 1:E 1 Mid -Day Beer at a Restaurant

( ナレーション ) 戦乱 の 時代 ―

おの が 腕 ひと つ で 世 を 渡り歩く 漢 ( おとこ ) が いた ―

野 武士 である ―

この 男 は 現代 の 野 武士 …―

では ない

では ない

( 香住 ( かすみ )) ん … ん ~

( 香住 ( かすみ )) ん … ん ~

大変だ !―

う っ ハァハァ …

ああ っ う う … なんで … ハァハァ …

なんで 起こして くん ない んだ よっ

( 静子 ( しず こ )) えー ? 何 ー ?

( 足音 )

だから … なんで 起こして くれ なかった んだ よ

( 静子 ) アハッ 何 言って る の ~―

やっと 朝 寝坊 できる って 喜んで たの あなた じゃ ない

それ じゃ っ 私 は 出かけて き ます

えっ ?

行って き ま ー す ! ( ドア が 閉まる 音 )

何 やって んだ 俺 は …

( ナレーション ) 定年 退職 し ―

サラリーマン と いう 肩書き も ―

会社 の 後ろ盾 も なくなった 1 人 の 男 ―

香住 武 ( たけし ) 60 歳 ―

この 物語 は どこ に でも いる 還暦 男 が ―

野 武士 の 力 を 借りて ―

自由に 食事 を おう歌 する グルメファンタジー である

♪~

( 静子 )〝 ヨガ 教室 に 行く ので ―〞

〝 帰る の は 夕方 に なり ます ―〞

〝 お 昼 は なに か 適当に 食べて 下さい ―〞

“ 庭 の 花 の 水 やり お 願い し ます 静子 ”

“ 庭 の 花 の 水 やり お 願い し ます 静子 ”

( 鼻歌 )

( 鼻歌 )

出かける か

あれ ?

出かける っ つったって どこ 出かけ んだ …

♪~

( 香住 ) この 土地 に 越して きて 15 年 ―

駅 に 通じる この 公園 を 毎日 歩いて いた ―

でも ―

こんなに ゆっくり 歩く の は 初めて だ ―

つい 癖 で 駅 に 来て しまった …―

もう 会社 に 行く 必要 ない のに …

ハッハッハッ …

あれ ?

( 香住 ) 通勤 の とき は 全然 意識 して なかった けど ―

ここ 定食 屋 だった んだ な ―

そう いや ここ 何 年 ずっと 昼 は 社 食 の A 定食 だった ―

もう 社 食 も ない んだ ―

よし やっと 行く 所 が 決まった ―

ここ に 入ろう

( おかみ ) いらっしゃい ませ

( 香住 ) 昭和 っぽい 定食 屋 って 感じ ―

なんだか 懐かしい

( おかみ ) お 好きな 席 どうぞ ー !

( おかみ ) お 冷や どうぞ

( 香住 ) 勤め人 ばっかり だ な

♪~

( 主人 ) あい よ ( おかみ ) はい

はい どうぞ ー ! ハンバーグ もう 少し 待って ね

( 男性 1) お 先 いただき ます っ

♪~

( 主人 ) はい ハンバーグ あがった よ

( おかみ ) は ー い ―

はい すみません どうぞ

ふ ー ん

ん ー よしっ ( 男性 2) ごちそう さん

ありがとう ございました

はい すいません ( 男性 2) おう

( 香住 ) すいません 注文 いい です か ?

は ー い 何 に いたし ましょう ? ( 香住 ) あの

なす ピーマン 豚肉 辛 みそ 炒め 定食

( おかみ ) かしこまり ました

( 香住 ) それ で ごはん 少な めで

( おかみ ) はい ! フフ ( 香住 ) あ それ と ―

きゅうり の ぬか 漬け も

は ー い ! は いはい ( 香住 ) お 願い し ます

( おかみ ) ありがとう ござ いま ー す

( 男性 3) アジフライ

( おかみ ) はい 730 円 です ―

ありがとう ござ いま ー す ( 男性 4) マーボー なす

( おかみ ) はい すいません ちょうど 頂き ます

( 男性 5) から 揚げ ( おかみ ) あ すいません ―

( 男性 5) から 揚げ ( おかみ ) あ すいません ―

( 香住 ) あっ

( 香住 ) あっ

( 香住 ) あっ

ありがとう ございました ー ( 男性 5) ごちそうさま ー

ありがとう ございました ー ( 男性 5) ごちそうさま ー

ありがとう ございました ー ( 男性 5) ごちそうさま ー

( 香住 ) ビール …―

( 香住 ) ビール …―

飲み たい !―

飲み たい ぞ 冷えた ビール !―

いや でも …

( おかみ ) はい すいません ―

ありがとう ございました ー ( 男性 5) ごちそうさま ー

( 香住 ) さすが に 平日 の 昼間 っ から 酒 って の はな …―

ん ? 待てよ ―

平日 も 休日 も 関係ない じゃ ない か ―

俺 は もう サラリーマン じゃ ない んだ ぞ ―

好きに 飲んで いい んだ ―

何 を 気 に する こと が ある

あの すいません

( 香住 ) どうしても 後ろめた さ が …―

水 で いっか …―

38 年 染みついた 勤め人 根性 って の は ―

38 年 染みついた 勤め人 根性 って の は ―

( 香住 ) は ー っ

なかなか 抜け ん な …―

もし 俺 が 野 武士 だったら ―

昼間 っ から 酒 を 飲んで も ―

堂々と して い られる だろう に

♪~

( 香住 ) あれ は 紛れ も なく 野 武士 !―

一体 どういう こと だ ?

( 野 武士 ) おかみ 酒 じゃ ! ( おかみ ) あい よ

( おかみ ) は ー い ー

おう すま ん のう

ああ ー っ

( 武士 1) 昼間 っ から 酒 と は いい気な もん よ

( 武士 2) ああ は 落ちぶれ たく ない

( 武士 1) なあ ( 武士 2) フッ

ああ ー っ

フフフフフッ ハッハッハッハッ …

( 武士 1) 何 が おかしい ?

昼 に 飲む 酒 ほど うまい もん は ない わ

それ が でき ん と は …

雇わ れ 武士 と いう の は つらい の ぉ

( 酒 を すする 音 ) ( 武士 1) この 無礼 者 !―

われら を 愚 弄する と は 許せ ん !

♪~

( 武士 たち ) おお おお …

すま ん すま ん

( 武士 1) お っ …―

おい ! 行け !―

来い !

うん

おかみ ( おかみ ) はい

よう 漬か っと る ( おかみ ) は ~ い ~

ああ っ

ああ ~ うまい !! ああ うまい の ~

( おかみ ) はい ヒレ カツ ね !

( 男性 ) はい ( おかみ ) はい どうぞ

( 男性 ) はい ありがとう

( 香住 ) 俺 は … 幻 を 見て いた の か ?―

いや 違う ―

あれ こそ が 俺 の あるべき 姿 だ

おかみ さん

ビール ! ( おかみ ) は ~ い

( 香住 ) 周り に 何と 思わ れよう が 気 に せ ず ―

流さ れ ず ―

自分 の 思う まま に 生きる ―

これ から の 俺 が 目指す べき は …―

野 武士 の ような 男

( おかみ ) ご ゆっくり どうぞ ( 香住 ) へ へ

は ー 来た ー

( 香住 ) 平日 の 昼 に “ 一 人 ビール ”…―

これ が して み たかった んだ ~

♪~

あ ~ っ

ん ~ まっ

( 香住 ) 定年 して 初めて ―

視界 が 開けた ような 気 が する ―

こりゃ ー クセ に なり そうだ

♪~

( 主人 ) あい よっ ( おかみ ) は ー い ―

お 待た せ し ました ー

なす ピーマン 豚肉 から し みそ 炒め 定食 ―

ごはん 少な め と ぬか 漬け きゅうり です

はい ( おかみ ) フフ

♪~

( 深呼吸 )

いただき ます

く ー っ

♪~

( 香住 ) うまい …

あ ~

( 香住 ) 意外に ちょうど いい かも ―

これ ぐらい 濃い 味 の ほう が ビール に は 合う な ―

昼 ビール って グイグイ いける ―

体 が 元気だ から か

は ぁ ー

( 香住 ) いい あん ばい に 漬かって る

あー っ !

あー っ !

あー っ !

( 香住 ) 冒険 して みる もん だ な

( 香住 ) 冒険 して みる もん だ な

は ぁっ …

は ぁっ …

( 香住 ) これ が 自由 って もの な の か な

( 香住 ) これ が 自由 って もの な の か な

すいません もう 1 本 ください !

( おかみ ) は ー い

( 香住 ) 俺 は やった ぞ ! やった んだ ―

人生 初 の 昼 ビール

( 香住 ) ハッ

ビックリ した ~ ( 静子 ) ど ー こ 行って た の ?

ん あ いや … ちょっと そこら 辺 を

( 静子 ) ふ ~ ん

なんか 顔 赤く ない ~?

え ? ( 静子 ) あー やっぱり 赤い

ん … そう か

いや … 実は きょう 俺 ―

初めて … ( 静子 ) 私 赤く ない ?

え ? ( 静子 ) ウフッ

ランチ ワイン 飲み すぎちゃ った フフフッ ―

あー っ

あいつ に 先 を 越さ れた … は ~…

ん ? どうした の ?

あ いや 何でもない

( 香住 ) 香住 武 60 歳 ―

肩書き は なく なった が ―

俺 の 人生 まだまだ これ から だ

♪~

♪ 君 が 壁 を 白く 塗って いる

♪ ぼく は 外 を 見て いる

♪ 陽 が 沈み かけ てるよ

♪ ウィスキー が 飲み たい な …

♪ ぼく は 何も 何も 出来 ない よ

♪ ただ 君 を 見つめて いる だけ

♪ ぼく は 何も 何も 出来 ない な

♪ ただ 君 を 見つめて いる だけ

♪ ぼく は 何も 何も 出来 ない よ

♪ ただ 君 を 噛み たい だけ なんだ

♪ ぼく は 何も 何も 出来 ない な

♪ ただ 君 を 見つめて いる だけ


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( ナレーション ) 戦乱 の 時代 ― なれーしょん|せんらん||じだい (Narration) The era of war-

おの が 腕 ひと つ で 世 を 渡り歩く 漢 ( おとこ ) が いた ― ||うで||||よ||わたりあるく|かん||| There was a Han (man) who walked around the world with one arm.

野 武士 である ― の|ぶし| No samurai-

この 男 は 現代 の 野 武士 …― |おとこ||げんだい||の|ぶし This man is a modern samurai ...

では ない is not it

では ない is not it

( 香住 ( かすみ )) ん … ん ~ かすみ||| (Kami) Hmm ...

( 香住 ( かすみ )) ん … ん ~ かすみ||| (Kami) Hmm ...

大変だ !― たいへんだ It's hard! ―

う っ ハァハァ … Uhhhh ...

ああ っ う う … なんで … ハァハァ … Oh, my God, why are you...

なんで 起こして くん ない んだ よっ |おこして|||| Why don't you wake me up

( 静子 ( しず こ )) えー ? 何 ー ? しずこ||||なん|-

( 足音 ) あしおと

だから … なんで 起こして くれ なかった んだ よ ||おこして|||| So ... why didn't you wake me up?

( 静子 ) アハッ 何 言って る の ~― しずこ||なん|いって|| (What are you saying~

やっと 朝 寝坊 できる って 喜んで たの あなた じゃ ない |あさ|ねぼう|||よろこんで|||| You're not the one who was so happy to finally get to sleep in.

それ じゃ っ 私 は 出かけて き ます |||わたくし||でかけて|| Well, then, I'm going out.

えっ ?

行って き ま ー す ! ( ドア が 閉まる 音 ) おこなって|||-||どあ||しまる|おと I'm off, see you lateeer ! (The sound of the door closing)

何 やって んだ 俺 は … なん|||おれ| What the hell am I doing...

( ナレーション ) 定年 退職 し ― なれーしょん|ていねん|たいしょく| (Narration) Retired from retirement age-

サラリーマン と いう 肩書き も ― さらりーまん|||かたがき| And his title as a businessman...

会社 の 後ろ盾 も なくなった 1 人 の 男 ― かいしゃ||うしろだて|||じん||おとこ A man who has lost the backing of the company-

香住 武 ( たけし ) 60 歳 ― かすみ|ぶ||さい

この 物語 は どこ に でも いる 還暦 男 が ― |ものがたり||||||かんれき|おとこ|

野 武士 の 力 を 借りて ― の|ぶし||ちから||かりて

自由に 食事 を おう歌 する グルメファンタジー である じゆうに|しょくじ||おうか|||

♪~

( 静子 )〝 ヨガ 教室 に 行く ので ―〞 しずこ|よが|きょうしつ||いく|

〝 帰る の は 夕方 に なり ます ―〞 かえる|||ゆうがた|||

〝 お 昼 は なに か 適当に 食べて 下さい ―〞 |ひる||||てきとうに|たべて|ください

“ 庭 の 花 の 水 やり お 願い し ます 静子 ” にわ||か||すい|||ねがい|||しずこ “Please water the flowers in the garden Shizuko”

“ 庭 の 花 の 水 やり お 願い し ます 静子 ” にわ||か||すい|||ねがい|||しずこ

( 鼻歌 ) はなうた

( 鼻歌 ) はなうた

出かける か でかける| Going out or

あれ ?

出かける っ つったって どこ 出かけ んだ … でかける||||でかけ| Where do you go when you say you're going out?

♪~

( 香住 ) この 土地 に 越して きて 15 年 ― かすみ||とち||こして||とし (Kasumi) It's been 15 years since I moved to this land.

駅 に 通じる この 公園 を 毎日 歩いて いた ― えき||つうじる||こうえん||まいにち|あるいて|

でも ―

こんなに ゆっくり 歩く の は 初めて だ ― ||あるく|||はじめて|

つい 癖 で 駅 に 来て しまった …― |くせ||えき||きて| I just came to the station because of my habit ...

もう 会社 に 行く 必要 ない のに … |かいしゃ||いく|ひつよう||

ハッハッハッ …

あれ ?

( 香住 ) 通勤 の とき は 全然 意識 して なかった けど ― かすみ|つうきん||||ぜんぜん|いしき|||

ここ 定食 屋 だった んだ な ― |ていしょく|や|||

そう いや ここ 何 年 ずっと 昼 は 社 食 の A 定食 だった ― |||なん|とし||ひる||しゃ|しょく||a|ていしょく| No, for many years now, lunch was A set meal, which is a company meal.

もう 社 食 も ない んだ ― |しゃ|しょく|||

よし やっと 行く 所 が 決まった ― ||いく|しょ||きまった

ここ に 入ろう ||はいろう

( おかみ ) いらっしゃい ませ

( 香住 ) 昭和 っぽい 定食 屋 って 感じ ― かすみ|しょうわ||ていしょく|や||かんじ

なんだか 懐かしい |なつかしい

( おかみ ) お 好きな 席 どうぞ ー ! ||すきな|せき||-

( おかみ ) お 冷や どうぞ ||ひや|

( 香住 ) 勤め人 ばっかり だ な かすみ|つとめにん|||

♪~

( 主人 ) あい よ ( おかみ ) はい あるじ||||

はい どうぞ ー ! ハンバーグ もう 少し 待って ね ||-|||すこし|まって|

( 男性 1) お 先 いただき ます っ だんせい||さき|||

♪~

( 主人 ) はい ハンバーグ あがった よ あるじ||||

( おかみ ) は ー い ― ||-|

はい すみません どうぞ

ふ ー ん |-|

ん ー よしっ ( 男性 2) ごちそう さん |-||だんせい||

ありがとう ございました

はい すいません ( 男性 2) おう ||だんせい|

( 香住 ) すいません 注文 いい です か ? かすみ||ちゅうもん|||

は ー い 何 に いたし ましょう ? ( 香住 ) あの |-||なん||||かすみ|

なす ピーマン 豚肉 辛 みそ 炒め 定食 |ぴーまん|ぶたにく|しん||いため|ていしょく

( おかみ ) かしこまり ました

( 香住 ) それ で ごはん 少な めで かすみ||||すくな|

( おかみ ) はい ! フフ ( 香住 ) あ それ と ― |||かすみ|||

きゅうり の ぬか 漬け も |||つけ|

は ー い ! は いはい ( 香住 ) お 願い し ます |-||||かすみ||ねがい||

( おかみ ) ありがとう ござ いま ー す ||||-|

( 男性 3) アジフライ だんせい|

( おかみ ) はい 730 円 です ― ||えん|

ありがとう ござ いま ー す ( 男性 4) マーボー なす |||-||だんせい||

( おかみ ) はい すいません ちょうど 頂き ます ||||いただき|

( 男性 5) から 揚げ ( おかみ ) あ すいません ― だんせい||あげ|||

( 男性 5) から 揚げ ( おかみ ) あ すいません ― だんせい||あげ|||

( 香住 ) あっ かすみ|

( 香住 ) あっ かすみ|

( 香住 ) あっ かすみ|

ありがとう ございました ー ( 男性 5) ごちそうさま ー ||-|だんせい||-

ありがとう ございました ー ( 男性 5) ごちそうさま ー ||-|だんせい||-

ありがとう ございました ー ( 男性 5) ごちそうさま ー ||-|だんせい||-

( 香住 ) ビール …― かすみ|びーる

( 香住 ) ビール …― かすみ|びーる

飲み たい !― のみ|

飲み たい ぞ 冷えた ビール !― のみ|||ひえた|びーる

いや でも …

( おかみ ) はい すいません ―

ありがとう ございました ー ( 男性 5) ごちそうさま ー ||-|だんせい||-

( 香住 ) さすが に 平日 の 昼間 っ から 酒 って の はな …― かすみ|||へいじつ||ひるま|||さけ||| (Kasumi) As expected, drinking alcohol from daytime on weekdays ...-

ん ? 待てよ ― |まてよ

平日 も 休日 も 関係ない じゃ ない か ― へいじつ||きゅうじつ||かんけいない|||

俺 は もう サラリーマン じゃ ない んだ ぞ ― おれ|||さらりーまん||||

好きに 飲んで いい んだ ― すきに|のんで||

何 を 気 に する こと が ある なん||き||||| What do you care about

あの すいません

( 香住 ) どうしても 後ろめた さ が …― かすみ||うしろめた||

水 で いっか …― すい||

38 年 染みついた 勤め人 根性 って の は ― とし|しみついた|つとめにん|こんじょう||| What is the guts of a worker who has been ingrained for 38 years?

38 年 染みついた 勤め人 根性 って の は ― とし|しみついた|つとめにん|こんじょう|||

( 香住 ) は ー っ かすみ||-|

なかなか 抜け ん な …― |ぬけ||

もし 俺 が 野 武士 だったら ― |おれ||の|ぶし|

昼間 っ から 酒 を 飲んで も ― ひるま|||さけ||のんで|

堂々と して い られる だろう に どうどうと|||||

♪~

( 香住 ) あれ は 紛れ も なく 野 武士 !― かすみ|||まぎれ|||の|ぶし

一体 どういう こと だ ? いったい|||

( 野 武士 ) おかみ 酒 じゃ ! ( おかみ ) あい よ の|ぶし||さけ||||

( おかみ ) は ー い ー ||-||-

おう すま ん のう

ああ ー っ |-|

( 武士 1) 昼間 っ から 酒 と は いい気な もん よ ぶし|ひるま|||さけ|||いいきな|| (Drinking alcohol in the middle of the day is a good thing.

( 武士 2) ああ は 落ちぶれ たく ない ぶし|||おちぶれ|| (I don't want to fall.

( 武士 1) なあ ( 武士 2) フッ ぶし||ぶし|

ああ ー っ |-|

フフフフフッ ハッハッハッハッ …

( 武士 1) 何 が おかしい ? ぶし|なん||

昼 に 飲む 酒 ほど うまい もん は ない わ ひる||のむ|さけ||||||

それ が でき ん と は …

雇わ れ 武士 と いう の は つらい の ぉ やとわ||ぶし|||||||

( 酒 を すする 音 ) ( 武士 1) この 無礼 者 !― さけ|||おと|ぶし||ぶれい|もの

われら を 愚 弄する と は 許せ ん ! ||ぐ|ろうする|||ゆるせ|

♪~

( 武士 たち ) おお おお … ぶし|||

すま ん すま ん

( 武士 1) お っ …― ぶし||

おい ! 行け !― |いけ

来い ! こい

うん

おかみ ( おかみ ) はい

よう 漬か っと る ( おかみ ) は ~ い ~ |つか|||||

ああ っ

ああ ~ うまい !! ああ うまい の ~

( おかみ ) はい ヒレ カツ ね ! ||ひれ|かつ|

( 男性 ) はい ( おかみ ) はい どうぞ だんせい||||

( 男性 ) はい ありがとう だんせい||

( 香住 ) 俺 は … 幻 を 見て いた の か ?― かすみ|おれ||まぼろし||みて|||

いや 違う ― |ちがう

あれ こそ が 俺 の あるべき 姿 だ |||おれ|||すがた|

おかみ さん

ビール ! ( おかみ ) は ~ い びーる|||

( 香住 ) 周り に 何と 思わ れよう が 気 に せ ず ― かすみ|まわり||なんと|おもわ|||き|||

流さ れ ず ― ながさ||

自分 の 思う まま に 生きる ― じぶん||おもう|||いきる

これ から の 俺 が 目指す べき は …― |||おれ||めざす|| What I should aim for in the future ...

野 武士 の ような 男 の|ぶし|||おとこ A man like a samurai

( おかみ ) ご ゆっくり どうぞ ( 香住 ) へ へ ||||かすみ||

は ー 来た ー |-|きた|-

( 香住 ) 平日 の 昼 に “ 一 人 ビール ”…― かすみ|へいじつ||ひる||ひと|じん|びーる

これ が して み たかった んだ ~

♪~

あ ~ っ

ん ~ まっ

( 香住 ) 定年 して 初めて ― かすみ|ていねん||はじめて

視界 が 開けた ような 気 が する ― しかい||あけた||き||

こりゃ ー クセ に なり そうだ |-|くせ|||そう だ

♪~

( 主人 ) あい よっ ( おかみ ) は ー い ― あるじ|||||-|

お 待た せ し ました ー |また||||-

なす ピーマン 豚肉 から し みそ 炒め 定食 ― |ぴーまん|ぶたにく||||いため|ていしょく

ごはん 少な め と ぬか 漬け きゅうり です |すくな||||つけ||

はい ( おかみ ) フフ

♪~

( 深呼吸 ) しんこきゅう

いただき ます

く ー っ |-|

♪~

( 香住 ) うまい … かすみ|

あ ~

( 香住 ) 意外に ちょうど いい かも ― かすみ|いがいに|||

これ ぐらい 濃い 味 の ほう が ビール に は 合う な ― ||こい|あじ||||びーる|||あう|

昼 ビール って グイグイ いける ― ひる|びーる||ぐいぐい|

体 が 元気だ から か からだ||げんきだ||

は ぁ ー ||-

( 香住 ) いい あん ばい に 漬かって る かすみ|||||つかって|

あー っ !

あー っ !

あー っ !

( 香住 ) 冒険 して みる もん だ な かすみ|ぼうけん|||||

( 香住 ) 冒険 して みる もん だ な かすみ|ぼうけん|||||

は ぁっ …

は ぁっ …

( 香住 ) これ が 自由 って もの な の か な かすみ|||じゆう||||||

( 香住 ) これ が 自由 って もの な の か な かすみ|||じゆう||||||

すいません もう 1 本 ください ! ||ほん|

( おかみ ) は ー い ||-|

( 香住 ) 俺 は やった ぞ ! やった んだ ― かすみ|おれ|||||

人生 初 の 昼 ビール じんせい|はつ||ひる|びーる

( 香住 ) ハッ かすみ|

ビックリ した ~ ( 静子 ) ど ー こ 行って た の ? びっくり||しずこ||-||おこなって||

ん あ いや … ちょっと そこら 辺 を |||||ほとり|

( 静子 ) ふ ~ ん しずこ||

なんか 顔 赤く ない ~? |かお|あかく|

え ? ( 静子 ) あー やっぱり 赤い |しずこ|||あかい

ん … そう か

いや … 実は きょう 俺 ― |じつは||おれ

初めて … ( 静子 ) 私 赤く ない ? はじめて|しずこ|わたくし|あかく|

え ? ( 静子 ) ウフッ |しずこ|

ランチ ワイン 飲み すぎちゃ った フフフッ ― らんち|わいん|のみ|||

あー っ

あいつ に 先 を 越さ れた … は ~… ||さき||こさ||

ん ? どうした の ?

あ いや 何でもない ||なんでもない

( 香住 ) 香住 武 60 歳 ― かすみ|かすみ|ぶ|さい

肩書き は なく なった が ― かたがき||||

俺 の 人生 まだまだ これ から だ おれ||じんせい||||

♪~

♪ 君 が 壁 を     白く 塗って いる きみ||かべ||しろく|ぬって|

♪ ぼく は 外 を 見て いる ||がい||みて|

♪ 陽 が 沈み かけ てるよ よう||しずみ||

♪ ウィスキー が      飲み たい な … うぃすきー||のみ||

♪ ぼく は 何も     何も 出来 ない よ ||なにも|なにも|でき||

♪ ただ 君 を     見つめて いる だけ |きみ||みつめて||

♪ ぼく は 何も     何も 出来 ない な ||なにも|なにも|でき||

♪ ただ 君 を     見つめて いる だけ |きみ||みつめて||

♪ ぼく は 何も     何も 出来 ない よ ||なにも|なにも|でき||

♪ ただ 君 を 噛み たい        だけ なんだ |きみ||かみ|||

♪ ぼく は 何も     何も 出来 ない な ||なにも|なにも|でき||

♪ ただ 君 を     見つめて いる だけ |きみ||みつめて||