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涼宮ハルヒの憂鬱, Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 03

Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 03

( キョン ) 宇宙 人 ?

( 長門 ( な が と )) 私 の 仕事 は 涼 宮 ( すずみ や ) ハルヒ を 観察 して

入手 した 情報 を 統合 思 念 体 に 報告 する こと

( キョン ) えっ ? ( 長門 ) 生み出さ れて から 3 年間

私 は ずっと そう やって 過ごして きた

この 3 年間 は 特別な 不確定 要素 が なく 至って 平穏

でも 最近 に なって 無視 でき ない イレギュラー 因子 が

涼 宮 ハルヒ の 周囲 に 現れた

それ が … あなた

♪~

~♪

( 長門 ) 情報 統合 思 念 体 に とって

銀河 の 辺境 に 位置 する この 星 系 の 第 3 惑星 に

特別な 価値 など なかった

でも 現有 生命 体 が 地球 と 呼称 する この 惑星 で 進化 した 二 足 歩行 動物 に

知性 と 呼ぶ べき 思索 能力 が 芽生えた こと に より

その 重要 度 は 増大 した

もしかしたら 自分 たち が 陥って いる 自律 進化 の 閉塞 ( へいそく ) 状態 を

打開 する 可能 性 が ある かも しれ なかった から

宇宙 に 偏在 する 有機 生命 体 に

意識 が 生じる の は あり ふれた 現象 だった が

高次 の 知性 を 持つ まで に 進化 した 例 は

地球 人類 が 唯一 だった

統合 思 念 体 は 注意深く かつ 綿密に 観測 を 続けた

そして 3 年 前

惑星 表面 で 他 で は 類 を 見 ない 異常な 情報 フレア を 観測 した

弓 状 列島 の いち 地域 から 噴出 した 情報 爆発 は

瞬く間に 惑星 全土 を 覆い 惑星 外 空間 に 拡散 した

その 中心 に いた の が …

以後 3 年間 あらゆる 角度 から 涼 宮 ハルヒ と いう 個体 に 対し

調査 が なされた

しかし いまだ その 正体 は 不明

それ でも 統合 思 念 体 の 一部 は

彼女 こそ 人類 の ひいては 情報 生命 体 である 自分 たち に

自律 進化 の きっかけ を 与える 存在 と して

涼 宮 ハルヒ の 解析 を 行って いる

情報 生命 体 である 彼ら は

有機 生命 体 と 直接 的に コミュニケート でき ない

言語 を 持た ない から

人間 は 言葉 を 抜き に して 概念 を 伝達 する すべ を 持た ない

だから 私 の ような 人間 用 の インターフェース を 作った

情報 統合 思 念 体 は 私 を 通して 人間 と コンタクト できる

ああ …

涼 宮 ハルヒ は 自律 進化 の 可能 性 を 秘めて いる

恐らく 彼女 に は 自分 の 都合 の いい ように ―

周囲 の 環境 情報 を 操作 する 力 が ある

それ が 私 が ここ に いる 理由 あなた が ここ に いる 理由

( キョン ) 待って くれ ! 正直 言おう さっぱり 分から ない

信じて

そもそも なんで 俺 な んだ ?

いや 百 歩 譲って お前 の その …

情報 なんとか 体 うんぬん って いう の を 信用 した と して

なぜ 俺 に 正体 を 明かす んだ ?

あなた は 涼 宮 ハルヒ に 選ば れた

涼 宮 ハルヒ は 意識 的に しろ 無意識 的に しろ

自分 の 意思 を 絶対 的な 情報 と して 環境 に 影響 を 及ぼす

あなた が 選ば れた の に は 必ず 理由 が ある

( キョン ) ねえ よ ( 長門 ) ある

あなた と 涼 宮 ハルヒ が 全て の 可能 性 を 握って いる

マジ で 言って る の か ?

もちろん

( キョン ) 度 を 超えた 無口な ヤツ が

やっと しゃべる ように なった か と 思ったら

延々 電波 の こと を 言 いやがった

こんな トンデモ 少女 だった と は さすが に 想像 外 だ ぜ

あの な そんな 話 なら

直 で ハルヒ に 言った ほう が 喜ば れる と 思う ぞ

ハッキリ 言う が

俺 は その 手 の 話題 に は ついて いけ ない んだ 悪い が な

情報 統合 思 念 体 の 意識 の 大部分 は

涼 宮 ハルヒ が 自分 の 存在 価値 と 能力 を 自覚 して しまう と

予測 でき ない 危険 を 生む 可能 性 が ある と 認識 して いる

今 は まだ 様子 を 見る べき

俺 が 今 聞いた こと を ハルヒ に 伝える かも しれ ない じゃ ない か

( 長門 ) 彼女 は あなた が もたらした 情報 を 重視 したり し ない

( キョン ) 確かに ( 長門 ) 情報 統合 思 念 体 が

地球 に 置いて いる インターフェース は

私 一 つ で は ない

情報 統合 思 念 体 の 意識 の 一部 は

積極 的な 動き を 起こして 情報 の 変動 を 観測 しよう と して いる

あなた は 涼 宮 ハルヒ に とって の 鍵

危機 が 迫る と したら まず あなた

( キョン ) ああ … つきあい きれ ん

( キョン ) ヒューマノイド ・ インター … なんだ っけ ? 宇宙 人 ?

部屋 に 1 人 っきり で こんな もの ばっかり 読んで る から

妙な 妄想 癖 が つく んだ

きっと 教室 でも 誰 と も 話さ ず

自分 の 殻 に 閉じこもって いる に 違いない

ハルヒ も あいつ も 普通に 学園 生活 を 楽しめば いい のに

( ハルヒ ) 来た わ よ 待望 の 転校 生 !

すごい と 思わ ない ? 謎 の 転校 生 よ 間違い ない !

会って も い ない のに 謎 だ と 分かる の か ?

前 に も 言った でしょ

こんな 中途半端な 時期 に 転校 して くる 生徒 は

もう 高 確率 で 謎 の 転校 生 な の よ !

その 統計 は いつ 誰 が どう やって とった んだ ?

そんな 高 確率 で 謎 的 存在 が いる んだ と したら

今頃 日本 全国 に …

( ハルヒ ) 見 に 行って くる !

ああ ~ やっぱり 聞いて ねえ

( キョン ) 放課後 部室 に 行く と けなげに も 朝比奈 ( あさひ な ) さん が 1 日 で 復活 して いた

( キョン ) よく また 部室 に 来る 気 に なり ました ね

( み くる ) うん … ちょっと 悩んだ けど でも やっぱり 気 に なる から

( キョン ) 前 に も 似た ような こと を 聞いた 気 が する が …

( キョン ) 何 が 気 に なる んです ?

( み くる ) ああ … なんでもない

( み くる ) あっ ( キョン ) あ …

代わろう か ? 長門

長門 オセロ した こと ある ?

ああ …

うん ?

ヘイ お 待ち !

1 年 9 組 に 本日 やって 来た 即戦力 の 転校 生 その 名 も !

古泉 ( こい ずみ ) 一樹 ( いつき ) です よろしく

ここ SOS 団 あたし が 団長 の 涼 宮 ハルヒ

そこ の 3 人 は 団員 その 1 と 2 と 3

ちなみに あなた は 4 番 目

みんな 仲よく やり ま しょ !

入る の は 別に いい んです が 何 を する クラブ な んです か ?

教える わ SOS 団 の 活動 内容

それ は !

宇宙 人 や 未来 人 や 超 能力 者 を 探し出して 一緒に 遊ぶ こと よ !

( キョン ) 全 世界 が 停止 した か と 思わ れた

… て いう の は ウソ ぴょ んで

俺 は 入学 式 の ハルヒ の 第一声 を 思い出して いた んだ が な

ああ なる ほど

さすが は 涼 宮 さん です ね

( キョン ) 今 何 を 納得 した んだ ?

いい でしょう 入り ます 今後 と も どうぞ よろしく

( キョン ) おい あんな 説明 で いい の か ? 本当に 聞いて たか ?

古泉 です

転校 して きた ばかりで 至らぬ 点 も あり ましょう が

よろしく ご 教示 願い ます

( キョン ) ああ 俺 は … ( ハルヒ ) そい つ は キョン

あっ ち の かわいい の が み くる ちゃん で

そっち の 眼鏡 っ子 が 有希 ( ゆき )

あっ

うわ ~!

( キョン ) ああ … ( 古泉 ) 大丈夫です か ?

そう いう わけで 5 人 そろった こと だ し

これ で クラブ の 体裁 は 整った わ ね

あっ 大丈夫です

イエ ~ イ ! SOS 団 いよいよ ベール を 脱ぐ 時 が 来た わ よ

みんな 一丸 と なって 頑張って いき まっ しょ ~ い !

( キョン ) 何 が ベール だ

… てい うか 長門 勝手に メンバー に 入れ られ ち まっ てる けど

いい の か お前 ?

( キョン ) 早速 だ が 翌日 の 放課後 ついてこい

( み くる ) イヤ ~ ( ハルヒ ) さあ 早く 脱いで って ば

( み くる ) イヤ ~ ン ( ハルヒ ) アハハ !

( み くる ) あっ ( キョン ) ああ …

ああ …

( み くる ) キャ ~! ( キョン ) うわ ~ ごめん

( ハルヒ ) やっぱり 萌 ( も ) え と いったら メイド でしょう

学園 ストーリー に は 1 人 は いる もの よ

どんな 学園 ストーリー だ よ

さて 記念 に 写真 でも

えっ な っ … 撮ら ないで

( ハルヒ ) ちょ い アゴ 引いて エプロン 握りしめて

ほら もっと 笑って

キョン カメラマン 代わって

み くる ちゃん ちょっと 色っぽく して みよう か

( み くる ) うわ っ

( み くる ) えっ あっ 何 する … ( ハルヒ ) いい から いい から

( キョン ) 何 が いい もの か

… って 撮って る 俺 が 言う の も なんだ が

( ハルヒ ) 有希 眼鏡 貸して

とりゃ ~

( キョン ) はい 眼鏡 オン

しかし この 写真 何 に 使う んだ

( ハルヒ ) う ~ ん 完璧 !

ロリ で 美 乳 で メイド で しか も 眼鏡 っ子

( ハルヒ ) すばらしい わ ! ( み くる ) イヤ ~ ン

( ハルヒ ) み くるちゃ ん これ から 部室 に いる 時 は

この 服 着る ように し なさい

( み くる ) そんな …

うわ っ な んです か これ ?

( ハルヒ ) ああ ~ いい とこ に 来た わ ね

みんな で み くる ちゃん に イタズラ し ま しょ

みんな で み くる ちゃん に イタズラ し ま しょ

( キョン ) いいかげんに しろ

遠慮 して おき ましょう 後 が 怖 そうだ

お 気 に なさら ず どうぞ 続き を

( キョン ) … てい うか 止めろ よ !

もう いい だろう

これ 以上 は いろんな 法律 に 引っかかる

なんの 法律 よ ! あっ …

まあ いい わ 写真 も いっぱい 撮れた し

では これ より SOS 団 第 1 回 ミーティング を 開始 し ます

今 まで あたし たち は いろいろ やってき ました

ビラ も 配った し ホームページ も 作った

校 内 に おける SOS 団 の 知名度 は ウナギ の 滝 登り

第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう

第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう

( キョン ) 朝比奈 さん の 心 に 傷 を 負わせ と いて

第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう

第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう

何 が 大 成功 だ

しかしながら 我が 団 の メール アドレス に は

不思議な 出来事 を 訴える メール が 一 通 も 来 ず

また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん

また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん

( キョン ) 何 を する 部活 動 な の か

また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん

また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん

いまいち 分から ない ところ だ から な

いまいち 分から ない ところ だ から な

俺 たち で さえ 昨日 ようやく 分かった し

“ 果報 は 寝て 待て ” 昔 の 人 は 言い ました

でも もう そんな 時代 じゃ ない のです

地面 を 掘り起こして でも 果報 は 探し出す もの な のです

だから 探し に 行き ましょう !

( キョン ) 何 を ? ( ハルヒ ) この世 の 不思議 を よ !

( キョン ) と いう わけで 謎 の ような 現象 を 求めて 市 内 探索 ツアー を 敢行 する

次の 土曜日 北口 駅前 に 9 時 集合

来 なきゃ 死刑

死刑 って …

休日 の ムダ 使い は し たく ない んだ が な ~

遅い ! 罰金 !

( キョン ) ハルヒ の 提案 は こう だった

二手 に 分かれて 市 内 を 探索

不思議な 現象 を 発見 したら 携帯 で 連絡 を 取り合う 以上

この 組み合わせ ね

( キョン ) 今日 は 意外 と ラッキー かも しれ ない な

朝比奈 さん と デート できる なら

この 店 が 俺 の おごり に なった の も 安い 代償 って もんだ

( ハルヒ ) キョン 分かって る ?

デート じゃ ない の よ ! 真面目に やる の よ いい ?

( キョン ) 分かって る よ

マジ デート じゃ ない の よ 遊んで たら 殺す わ よ ! フンッ

( キョン ) と 言い残して ハルヒチーム は 駅 の 東側 の 探索 に 出発 した

俺 と 朝比奈 さん は 西側 を 探索 しろ と 言う のだ が

どう し ましょう …

( キョン ) ねえ ~

( み くる ) あたし こんなふうに 出歩く の 初めて な んです

“ こんなふうに ” と は ?

( み くる ) 男 の 人 と 2 人 で …

あっ

甚だしく 意外です ね

今 まで 誰 か と つきあった こと は ない んです か ?

( み くる ) ない んです

アハッ でも 朝比奈 さん なら

つきあって くれ と か しょっちゅう 言わ れる でしょう

うん … でも ダメな んです

あたし 誰 と も つきあう わけに は いか ない の

少なくとも この …

キョン 君 お 話し し たい こと が あり ます

( キョン ) なかなか 話 を 切り出せ ず に いた 朝比奈 さん は

やがて 言葉 を 区切る ように して こう 言った

( み くる ) 信じて もらえ ない かも しれ ない けど

あたし は この 時代 の 人間 で は あり ませ ん

もっと 未来 から 来 ました

いつ どの 時間 平面 から ここ に 来た の か は 言え ませ ん

過去 の 人 に 未来 の こと を 伝える の は …

過去 の 人 に 未来 の こと を 伝える の は …

( み くる ) 時間 と いう もの は ―

( み くる ) 時間 と いう もの は ―

連続 性 の ある 流れ の ような もの で なく

その 時間 ごと に 区切ら れた …

その 時間 ごと に 区切ら れた …

アニメーション を 想像 して みて

アニメーション を 想像 して みて

あれ って まるで 動いて いる ように 見える けど 本体 は …

あれ って まるで 動いて いる ように 見える けど 本体 は …

( み くる ) 時間 と 時間 と の 間 に は 断絶 が ある の

( み くる ) 時間 と 時間 と の 間 に は 断絶 が ある の

それ は 限りなく ゼロ に 近い 断絶 だ けど …

( み くる ) 時間 移動 は 積み重なった 時間 平面 を

3 次元 方向 に 移動 する こと

未来 から 来た あたし は この 時代 の 時間 平面 上 で は

パラパラ マンガ の 途中 に 描か れた 余計な 絵 みたいな もの

( キョン ) 今度 は なんだ ?

3 年 前 大きな 時間 振動 が 検出 さ れた の

あっ うん 今 の 時間 から 数えて 3 年 前 ね

調査 する ため に 過去 に 来た 我々 は 驚いた

どう やって も それ 以上 の 過去 に さかのぼる こと が でき なかった から

大きな 時間 の 断層 が

時間 平面 同士 の 間 に ある んだろう って の が 結論

原因 らしい もの も 分かった の が つい 最近

ん … これ は あたし の いた 未来 で の 最近 の こと だ けど

その 原因 って ?

涼 宮 さん

( キョン ) また それ か

時間 の ゆがみ の 真ん中 に 彼女 が いた の

それ 以上 は 禁 則 事項 な ので 説明 でき ない んだ けど

でも 過去 へ の 道 を 閉ざした の が 涼 宮 さん な の は 確か

( キョン ) ハルヒ に そんな こと が できる と は 思え ない んです が …

我々 に も 謎 な の

涼 宮 さん も 自分 が 時間 振動 の 源 だ なんて 自覚 して ない

あたし は 涼 宮 さん の 近く で

新しい 時間 の 変異 が 起き ない か どう か を

監視 する ため に 送ら れた …

えっ と 監視 係 みたいな もの

信じて もら ない でしょう ね こんな こと

いや … でも なんで 俺 に こんな こと 言う んです ?

あなた が 涼 宮 さん に 選ば れた 人 だ から

詳しく は 禁 則 に 係る から 言え ない

多分 だ けど … あなた は 涼 宮 さん に とって 重要な 人

彼女 の 一挙手一投足 に は 全て 理由 が ある

なら 長門 や 古泉 は ?

( み くる ) あの 人 たち は あたし と 極めて 近い 存在 です

まさか 涼 宮 さん が

これ だけ 的確に 私 たち を 集めて しまう と は 思わ なかった けど

朝比奈 さん は あいつ ら が 何者 か 知っている んです か ?

( み くる ) 禁 則 事項 です ( キョン ) あっ …

これ から ハルヒ は どう なる んです ?

禁 則 事項 です

未来 から 来た なら 分かり そうな もん です けど

禁 則 事項 です

てい うか … ハルヒ に 直接 言ったら どう な んです

禁 則 事項 です

ああ …

ごめんなさい 今 の あたし に は 言う 権限 が ない の

信じ なくて も いい

ただ 知って おいて ほしかった んです あなた に は

( キョン ) 似た ような セリフ を 先日 誰 か から 聞いた な

ごめん ね 急に こんな こと 言って

それ は 別に いい んです が …

( キョン ) 宇宙 人 の 次 は 未来 人 の 登場 です か

どう なって る んだ ?

この 時点 で 聞いた こと を “ は いはい ” と

信じ られる ヤツ が いたら ぜひ ご 連絡 を いただき たい

代わって やる から

( キョン ) 朝比奈 さん ( み くる ) はい

全部 保留 で いい です か ?

信じる と か 信じ ない と か は 全部 脇 に 置 い と いて 保留 って こと で

( み くる ) はい ! ( キョン ) ただ ―

一 個 だけ 聞いて いい です か ?

なん でしょう ?

あなた の 本当の 年 を 教えて ください

禁 則 事項 です

( キョン ) その後 突然 ハルヒ が 携帯 に 電話 を かけて きて

12 時 に 一旦 集合 と なった

( ハルヒ ) 収穫 は ? ( キョン ) 何も

本当に 探して た ?

フラフラ して た んじゃ ない でしょう ね み くるちゃ ん !

そっち こそ 何 か 見つけた の か よ

( キョン ) 昼食 を 食って る 最中 に ハルヒ は また 班 分け しよう と 言いだした

また 無印 です ね

ああ …

う う … う ~ ん

( ハルヒ ) 4 時 に 駅前 で 落ち合い ましょう

今度 こそ 何 か を 見つけて きて よ ね !

( キョン ) … と 言い残して 今度 は 北 と 南 に 分かれる こと に なった

俺 たち は 南 担当

この 前 の 話 だ が な …

何 ?

なんとなく 少し は 信じて も いい ような 気分 に なって きた よ

そう

( キョン ) 長門 と 暇つぶし する なら

ここ くらい しか ない だろう

( キョン ) やれやれ

( いびき )

( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( キョン ) うわ っ !

( ハルヒ ) 今 何 時 だ と 思って ん の よ この バカ !

( キョン ) すま ん 今 起きた と こ なんだ

( ハルヒ ) は あ ? この アホンダラゲ !

4 時 集合 だった っけ ?

( ハルヒ ) とっとと 戻り なさい よ ! 30 秒 以内 !

( キョン ) そこ から が ひと 苦労 本 を 読んだ まま

床 に 根 を 生やした ように 動か ない 長門 の ため に

貸し出し カード を 作って その 本 を 借りて やり

その 間 かかり まくる ハルヒ から の 電話 を 全て 無視 した

遅刻 ! 罰金 !

( キョン ) 結局 成果 も へったくれ も なく

いたずらに 時間 と カネ を ムダ に した だけ で ―

この 日 の 野外 活動 は 終わった

ただ 別れ際 に 朝比奈 さん が …

今日 は 話 を 聞いて くれて ありがとう

( キョン ) … と 耳元 で ささやいて くれた の は 悪い 気 が し なかった が な

あんた 今日 一体 何 を して た の ?

そういう お前 は どう な んだ よ

何 か 面白い もん でも 発見 できた の か ?

まあ 1 日 や そこら で 発見 できる ほど

相手 も 無防備じゃ ないだ ろ

あさって 学校 で 反省 会 だ から ね

( キョン ) … と 言い残し 去って いった

は あ ~

( キョン ) 夢 だ ろ !

( キョン ) 週明け

そろそろ 梅雨 を 感じ させる 湿気 に 朝 から 汗ばんで いる と

珍しく 始業 の 鐘 ギリギリ に ハルヒ が 入って きた

あたし も あおいで よ

自分 で やれ

あの さ 涼 宮

お前 “ しあわせ の 青い 鳥 ” って 話 知って る か ?

それ が 何 ?

いや まあ なんでもない けど な

じゃあ 聞いて くん な

( キョン ) この 日 一 日 中

ハルヒ の ダウナー な 不機嫌 オーラ を 背後 から 浴び 続けた 俺 は

山 火事 を いち早く 察知 した 野 ネズミ の ように 部室 棟 へ 避難 した

話 を して おき たい 相手 も いたし な

古泉 お前 も 俺 に 涼 宮 の こと で 話 が ある んじゃ ない の か ?

( 古泉 ) “ お前 も ” と 言う からに は

すでに お 二 方 から アプローチ を 受けて いる ようです ね

( キョン ) ああ ( 古泉 ) どこ まで ご存じ です か ?

( キョン ) 涼 宮 が ただ 者 で は ない って とこ くらい か

( 古泉 ) それ なら 話 は 簡単です その とおり な ので ね

まず お前 の 正体 から 聞こう か

お 察し の とおり 超 能力 者 です

そう 呼んだ ほう が いい でしょう

本当 は こんな 急に 転校 して くる つもり は なかった んです が

状況 が 変わり まして ね

よもや あの 2 人 が こう も 簡単に

涼 宮 ハルヒ と 結託 する と は 予定 外 でした

詳しい こと は また いずれ お 話し する 機会 も ある でしょう

百聞 は 一見 に しか ず

ぜひ お 見せ し たい もの も あり ます し

今 は かいつまんで ご 説明 し ましょう

僕 が 所属 する 機関 に は 他 に も 超 能力 者 が い ます

実は この 学校 に も 何 人 も の エージェント が 潜入 済み です

そして 我々 は 3 年 前 の 発足 から 涼 宮 さん を 監視 して いる

事 の 発端 は その 3 年 前 その 時 何 か が あった

僕 の 身 に 超 能力 と しか 思え ない 力 が 芽生えた の も その 時 です

3 年 前 と ハルヒ が どう 関係 ある んだ ?

( 古泉 ) 実は この 世界 は

ある 存在 が 見て いる 夢 の ような もの な ので は ない か

… と いう の が 機関 の お 偉 方 の 考え です

そして それ は なにぶん 夢 です から

その 存在 に とって 我々 が 現実 と 呼ぶ この 世界 を

創造 し 改変 する こと は 児 戯 に 等しい

そんな こと の できる 存在 を 我々 は 知ってい ます

それ が ハルヒ か ?

人間 は そのような 存在 の こと を “ 神 ” と 定義 して い ます

( キョン ) とうとう 神様 に まで さ れ ち まった ぞ ハルヒ

考えて も みて ください 我々 の ような 超 能力 者 や

朝比奈 み くる 長門 有希 の ような 存在 が

都合 よく 一堂 に 会する か の よう に 登場 する でしょう か ?

涼 宮 さん が そう 願った から です よ

恐らく 3 年 前 に

3 年 前 に ハルヒ が 世界 を 作り替えた って いう の か ?

作り替えた と いう より も 3 年 前 に 世界 は 始まった

… と でも 言う べきでしょう か まあ あくまで 我々 の 仮説 です が

まあ いい

で … お前 ら は ハルヒ を どう する つもりだ ?

( 古泉 ) この 世界 が 神 の 不 興 を 買って あっさり 破壊 さ れ

作り 直さ れる の を 防ごう と いう わけです

僕 は この 世界 に それなり の 愛着 を 抱いて いる ので ね

( キョン ) ハルヒ に 直接 頼んで みたら どう だ ?

そう 主張 する 者 も 確かに 機関 に は 存在 し ます

それ 以上 の 刺激 を 与えよう と する 強硬 派 も ね

ですが 大勢 は 軽々しく 手 を 出す べきで は ない と いう ―

意見 で 占め られて い ます

彼女 は まだ 自分 の 本来 の 能力 に 気付いて い ない

ならば そのまま 気付か ぬ よう

生涯 を 平穏に 送って もらう の が ベターだ と 考えて いる わけです

“ 触ら ぬ 神 に 祟 ( たた ) り なし ” か …

その とおり です

( キョン ) 夢 を 見 続けて いる の は お前 ら の ほう じゃ ない の か ?

ええ その 可能 性 も なく は ない

しかし 我々 は 今 最も 危惧 す べき 可能 性 を 前提 に

行動 して いる だけ です

なら 試しに … 超 能力 者 と か 言った な

何 か 力 を 使って 見せて くれよ

そう したら お前 の 言う こと を 信じて やる

例えば この コーヒー を 元 の 熱 さ に 戻す と か

そういう 分かり やすい 能力 と は ちょっと 違う んです

それ に ふだん の 僕 に は なんの 力 も あり ませ ん

いく つ か の 条件 が 重なって 初めて 力 が 使える んです

最初 申し上げた とおり

いずれ お 見せ する 機会 も ある でしょう

長々 と 話したり して すみません

今日 は これ で 失礼 さ せて いただき ます

( キョン ) は あ ~ ( 古泉 ) そう そう

一 番 の 謎 は あなた です

失礼 ながら あなた に ついて

いろいろ 調べ させて もらい ました が 保証 し ます

あなた は 普通の 人間 です

( み くる ) へ っ ? ( キョン ) はっ

ああ

ひえ ~ 失礼 し ました !

( キョン ) アハッ ( み くる ) エヘヘッ

( キョン ) そんな 愚直に ハルヒ の 命令 を 守ら なくて も …

( キョン ) 結局 その 日 ハルヒ は 部室 に 姿 を 現さ なかった

♪~

~♪


Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 03 suzumiya|haruhi||yuuutsu Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 03 Suzumiya Haruhi no Yuuutsu - 03

( キョン ) 宇宙 人 ? |うちゅう|じん

( 長門 ( な が と )) 私 の 仕事 は 涼 宮 ( すずみ や ) ハルヒ を 観察 して ながと||||わたくし||しごと||りょう|みや|||||かんさつ|

入手 した 情報 を 統合 思 念 体 に 報告 する こと にゅうしゅ||じょうほう||とうごう|おも|ねん|からだ||ほうこく||

( キョン ) えっ ? ( 長門 ) 生み出さ れて から 3 年間 ||ながと|うみださ|||ねんかん

私 は ずっと そう やって 過ごして きた わたくし|||||すごして|

この 3 年間 は 特別な 不確定 要素 が なく 至って 平穏 |ねんかん||とくべつな|ふかくてい|ようそ|||いたって|へいおん There are no special uncertainties in the last three years and it is very peaceful

でも 最近 に なって 無視 でき ない イレギュラー 因子 が |さいきん|||むし||||いんし|

涼 宮 ハルヒ の 周囲 に 現れた りょう|みや|||しゅうい||あらわれた

それ が … あなた

♪~

~♪

( 長門 ) 情報 統合 思 念 体 に とって ながと|じょうほう|とうごう|おも|ねん|からだ||

銀河 の 辺境 に 位置 する この 星 系 の 第 3 惑星 に ぎんが||へんきょう||いち|||ほし|けい||だい|わくせい|

特別な 価値 など なかった とくべつな|かち||

でも 現有 生命 体 が 地球 と 呼称 する この 惑星 で 進化 した 二 足 歩行 動物 に |げんゆう|せいめい|からだ||ちきゅう||こしょう|||わくせい||しんか||ふた|あし|ほこう|どうぶつ|

知性 と 呼ぶ べき 思索 能力 が 芽生えた こと に より ちせい||よぶ||しさく|のうりょく||めばえた|||

その 重要 度 は 増大 した |じゅうよう|たび||ぞうだい|

もしかしたら 自分 たち が 陥って いる 自律 進化 の 閉塞 ( へいそく ) 状態 を |じぶん|||おちいって||じりつ|しんか||へいそく||じょうたい|

打開 する 可能 性 が ある かも しれ なかった から だかい||かのう|せい||||||

宇宙 に 偏在 する 有機 生命 体 に うちゅう||へんざい||ゆうき|せいめい|からだ|

意識 が 生じる の は あり ふれた 現象 だった が いしき||しょうじる|||||げんしょう||

高次 の 知性 を 持つ まで に 進化 した 例 は こうじ||ちせい||もつ|||しんか||れい|

地球 人類 が 唯一 だった ちきゅう|じんるい||ゆいいつ|

統合 思 念 体 は 注意深く かつ 綿密に 観測 を 続けた とうごう|おも|ねん|からだ||ちゅういぶかく||めんみつに|かんそく||つづけた

そして 3 年 前 |とし|ぜん

惑星 表面 で 他 で は 類 を 見 ない 異常な 情報 フレア を 観測 した わくせい|ひょうめん||た|||るい||み||いじょうな|じょうほう|||かんそく|

弓 状 列島 の いち 地域 から 噴出 した 情報 爆発 は ゆみ|じょう|れっとう|||ちいき||ふんしゅつ||じょうほう|ばくはつ|

瞬く間に 惑星 全土 を 覆い 惑星 外 空間 に 拡散 した またたくまに|わくせい|ぜんど||おおい|わくせい|がい|くうかん||かくさん|

その 中心 に いた の が … |ちゅうしん||||

以後 3 年間 あらゆる 角度 から 涼 宮 ハルヒ と いう 個体 に 対し いご|ねんかん||かくど||りょう|みや||||こたい||たいし

調査 が なされた ちょうさ||

しかし いまだ その 正体 は 不明 |||しょうたい||ふめい

それ でも 統合 思 念 体 の 一部 は ||とうごう|おも|ねん|からだ||いちぶ|

彼女 こそ 人類 の ひいては 情報 生命 体 である 自分 たち に かのじょ||じんるい|||じょうほう|せいめい|からだ||じぶん||

自律 進化 の きっかけ を 与える 存在 と して じりつ|しんか||||あたえる|そんざい||

涼 宮 ハルヒ の 解析 を 行って いる りょう|みや|||かいせき||おこなって|

情報 生命 体 である 彼ら は じょうほう|せいめい|からだ||かれら|

有機 生命 体 と 直接 的に コミュニケート でき ない ゆうき|せいめい|からだ||ちょくせつ|てきに|||

言語 を 持た ない から げんご||もた||

人間 は 言葉 を 抜き に して 概念 を 伝達 する すべ を 持た ない にんげん||ことば||ぬき|||がいねん||でんたつ||||もた|

だから 私 の ような 人間 用 の インターフェース を 作った |わたくし|||にんげん|よう||||つくった

情報 統合 思 念 体 は 私 を 通して 人間 と コンタクト できる じょうほう|とうごう|おも|ねん|からだ||わたくし||とおして|にんげん||こんたくと|

ああ …

涼 宮 ハルヒ は 自律 進化 の 可能 性 を 秘めて いる りょう|みや|||じりつ|しんか||かのう|せい||ひめて|

恐らく 彼女 に は 自分 の 都合 の いい ように ― おそらく|かのじょ|||じぶん||つごう|||

周囲 の 環境 情報 を 操作 する 力 が ある しゅうい||かんきょう|じょうほう||そうさ||ちから||

それ が 私 が ここ に いる 理由 あなた が ここ に いる 理由 ||わたくし|||||りゆう||||||りゆう

( キョン ) 待って くれ !  正直 言おう さっぱり 分から ない |まって||しょうじき|いおう||わから|

信じて しんじて

そもそも なんで 俺 な んだ ? ||おれ||

いや 百 歩 譲って お前 の その … |ひゃく|ふ|ゆずって|おまえ||

情報 なんとか 体 うんぬん って いう の を 信用 した と して じょうほう||からだ||||||しんよう|||

なぜ 俺 に 正体 を 明かす んだ ? |おれ||しょうたい||あかす|

あなた は 涼 宮 ハルヒ に 選ば れた ||りょう|みや|||えらば|

涼 宮 ハルヒ は 意識 的に しろ 無意識 的に しろ りょう|みや|||いしき|てきに||むいしき|てきに|

自分 の 意思 を 絶対 的な 情報 と して 環境 に 影響 を 及ぼす じぶん||いし||ぜったい|てきな|じょうほう|||かんきょう||えいきょう||およぼす

あなた が 選ば れた の に は 必ず 理由 が ある ||えらば|||||かならず|りゆう||

( キョン ) ねえ よ ( 長門 ) ある |||ながと|

あなた と 涼 宮 ハルヒ が 全て の 可能 性 を 握って いる ||りょう|みや|||すべて||かのう|せい||にぎって|

マジ で 言って る の か ? ||いって|||

もちろん

( キョン ) 度 を 超えた 無口な ヤツ が |たび||こえた|むくちな|やつ|

やっと しゃべる ように なった か と 思ったら ||||||おもったら

延々 電波 の こと を 言 いやがった えんえん|でんぱ||||げん|

こんな トンデモ 少女 だった と は さすが に 想像 外 だ ぜ ||しょうじょ||||||そうぞう|がい||

あの な そんな 話 なら |||はなし|

直 で ハルヒ に 言った ほう が 喜ば れる と 思う ぞ なお||||いった|||よろこば|||おもう|

ハッキリ 言う が はっきり|いう|

俺 は その 手 の 話題 に は ついて いけ ない んだ 悪い が な おれ|||て||わだい|||||||わるい||

情報 統合 思 念 体 の 意識 の 大部分 は じょうほう|とうごう|おも|ねん|からだ||いしき||だいぶぶん|

涼 宮 ハルヒ が 自分 の 存在 価値 と 能力 を 自覚 して しまう と りょう|みや|||じぶん||そんざい|かち||のうりょく||じかく|||

予測 でき ない 危険 を 生む 可能 性 が ある と 認識 して いる よそく|||きけん||うむ|かのう|せい||||にんしき||

今 は まだ 様子 を 見る べき いま|||ようす||みる|

俺 が 今 聞いた こと を ハルヒ に 伝える かも しれ ない じゃ ない か おれ||いま|きいた|||||つたえる||||||

( 長門 ) 彼女 は あなた が もたらした 情報 を 重視 したり し ない ながと|かのじょ|||||じょうほう||じゅうし|||

( キョン ) 確かに ( 長門 ) 情報 統合 思 念 体 が |たしかに|ながと|じょうほう|とうごう|おも|ねん|からだ|

地球 に 置いて いる インターフェース は ちきゅう||おいて|||

私 一 つ で は ない わたくし|ひと||||

情報 統合 思 念 体 の 意識 の 一部 は じょうほう|とうごう|おも|ねん|からだ||いしき||いちぶ|

積極 的な 動き を 起こして 情報 の 変動 を 観測 しよう と して いる せっきょく|てきな|うごき||おこして|じょうほう||へんどう||かんそく||||

あなた は 涼 宮 ハルヒ に とって の 鍵 ||りょう|みや|||||かぎ

危機 が 迫る と したら まず あなた きき||せまる||||

( キョン ) ああ … つきあい きれ ん

( キョン ) ヒューマノイド ・ インター … なんだ っけ ?  宇宙 人 ? ||いんたー|||うちゅう|じん

部屋 に 1 人 っきり で こんな もの ばっかり 読んで る から へや||じん||||||よんで||

妙な 妄想 癖 が つく んだ みょうな|もうそう|くせ|||

きっと 教室 でも 誰 と も 話さ ず |きょうしつ||だれ|||はなさ|

自分 の 殻 に 閉じこもって いる に 違いない じぶん||から||とじこもって|||ちがいない

ハルヒ も あいつ も 普通に 学園 生活 を 楽しめば いい のに ||||ふつうに|がくえん|せいかつ||たのしめば||

( ハルヒ ) 来た わ よ 待望 の 転校 生 ! |きた|||たいぼう||てんこう|せい

すごい と 思わ ない ?  謎 の 転校 生 よ 間違い ない ! ||おもわ||なぞ||てんこう|せい||まちがい|

会って も い ない のに 謎 だ と 分かる の か ? あって|||||なぞ|||わかる||

前 に も 言った でしょ ぜん|||いった|

こんな 中途半端な 時期 に 転校 して くる 生徒 は |ちゅうとはんぱな|じき||てんこう|||せいと|

もう 高 確率 で 謎 の 転校 生 な の よ ! |たか|かくりつ||なぞ||てんこう|せい|||

その 統計 は いつ 誰 が どう やって とった んだ ? |とうけい|||だれ|||||

そんな 高 確率 で 謎 的 存在 が いる んだ と したら |たか|かくりつ||なぞ|てき|そんざい|||||

今頃 日本 全国 に … いまごろ|にっぽん|ぜんこく|

( ハルヒ ) 見 に 行って くる ! |み||おこなって|

ああ ~ やっぱり 聞いて ねえ ||きいて|

( キョン ) 放課後 部室 に 行く と けなげに も 朝比奈 ( あさひ な ) さん が 1 日 で 復活 して いた |ほうかご|ぶしつ||いく||||あさひな|||||ひ||ふっかつ||

( キョン ) よく また 部室 に 来る 気 に なり ました ね |||ぶしつ||くる|き||||

( み くる ) うん … ちょっと 悩んだ けど でも やっぱり 気 に なる から ||||なやんだ||||き|||

( キョン ) 前 に も 似た ような こと を 聞いた 気 が する が … |ぜん|||にた||||きいた|き|||

( キョン ) 何 が 気 に なる んです ? |なん||き|||

( み くる ) ああ … なんでもない

( み くる ) あっ ( キョン ) あ …

代わろう か ?  長門 かわろう||ながと

長門 オセロ した こと ある ? ながと||||

ああ …

うん ?

ヘイ お 待ち ! ||まち

1 年 9 組 に 本日 やって 来た 即戦力 の 転校 生 その 名 も ! とし|くみ||ほんじつ||きた|そくせんりょく||てんこう|せい||な|

古泉 ( こい ずみ ) 一樹 ( いつき ) です よろしく こいずみ|||かずき|||

ここ SOS 団 あたし が 団長 の 涼 宮 ハルヒ |sos|だん|||だんちょう||りょう|みや|

そこ の 3 人 は 団員 その 1 と 2 と 3 ||じん||だんいん|||

ちなみに あなた は 4 番 目 |||ばん|め

みんな 仲よく やり ま しょ ! |なかよく|||

入る の は 別に いい んです が 何 を する クラブ な んです か ? はいる|||べつに||||なん|||くらぶ|||

教える わ SOS 団 の 活動 内容 おしえる||sos|だん||かつどう|ないよう

それ は !

宇宙 人 や 未来 人 や 超 能力 者 を 探し出して 一緒に 遊ぶ こと よ ! うちゅう|じん||みらい|じん||ちょう|のうりょく|もの||さがしだして|いっしょに|あそぶ||

( キョン ) 全 世界 が 停止 した か と 思わ れた |ぜん|せかい||ていし||||おもわ|

… て いう の は ウソ ぴょ んで ||||うそ||

俺 は 入学 式 の ハルヒ の 第一声 を 思い出して いた んだ が な おれ||にゅうがく|しき||||だいいっせい||おもいだして||||

ああ なる ほど

さすが は 涼 宮 さん です ね ||りょう|みや|||

( キョン ) 今 何 を 納得 した んだ ? |いま|なん||なっとく||

いい でしょう 入り ます 今後 と も どうぞ よろしく ||はいり||こんご||||

( キョン ) おい あんな 説明 で いい の か ? 本当に 聞いて たか ? |||せつめい|||||ほんとうに|きいて|

古泉 です こいずみ|

転校 して きた ばかりで 至らぬ 点 も あり ましょう が てんこう||||いたらぬ|てん||||

よろしく ご 教示 願い ます ||きょうじ|ねがい|

( キョン ) ああ 俺 は … ( ハルヒ ) そい つ は キョン ||おれ||||||

あっ ち の かわいい の が み くる ちゃん で

そっち の 眼鏡 っ子 が 有希 ( ゆき ) ||めがね|っこ||ゆうき|

あっ

うわ ~!

( キョン ) ああ … ( 古泉 ) 大丈夫です か ? ||こいずみ|だいじょうぶです|

そう いう わけで 5 人 そろった こと だ し |||じん||||

これ で クラブ の 体裁 は 整った わ ね ||くらぶ||ていさい||ととのった||

あっ 大丈夫です |だいじょうぶです

イエ ~ イ !  SOS 団 いよいよ ベール を 脱ぐ 時 が 来た わ よ ||sos|だん||べーる||ぬぐ|じ||きた||

みんな 一丸 と なって 頑張って いき まっ しょ ~ い ! |いちがん|||がんばって||||

( キョン ) 何 が ベール だ |なん||べーる|

… てい うか 長門 勝手に メンバー に 入れ られ ち まっ てる けど ||ながと|かってに|めんばー||いれ|||||

いい の か お前 ? |||おまえ

( キョン ) 早速 だ が 翌日 の 放課後 ついてこい |さっそく|||よくじつ||ほうかご|

( み くる ) イヤ ~ ( ハルヒ ) さあ 早く 脱いで って ば ||いや|||はやく|ぬいで||

( み くる ) イヤ ~ ン ( ハルヒ ) アハハ ! ||いや|||

( み くる ) あっ ( キョン ) ああ …

ああ …

( み くる ) キャ ~! ( キョン ) うわ ~ ごめん

( ハルヒ ) やっぱり 萌 ( も ) え と いったら メイド でしょう ||ほう||||||

学園 ストーリー に は 1 人 は いる もの よ がくえん|すとーりー|||じん||||

どんな 学園 ストーリー だ よ |がくえん|すとーりー||

さて 記念 に 写真 でも |きねん||しゃしん|

えっ な っ … 撮ら ないで |||とら|

( ハルヒ ) ちょ い アゴ 引いて エプロン 握りしめて |||あご|ひいて|えぷろん|にぎりしめて

ほら もっと 笑って ||わらって

キョン カメラマン 代わって |かめらまん|かわって

み くる ちゃん ちょっと 色っぽく して みよう か ||||いろっぽく|||

( み くる ) うわ っ

( み くる ) えっ あっ 何 する … ( ハルヒ ) いい から いい から ||||なん||||||

( キョン ) 何 が いい もの か |なん||||

… って 撮って る 俺 が 言う の も なんだ が |とって||おれ||いう||||

( ハルヒ ) 有希 眼鏡 貸して |ゆうき|めがね|かして

とりゃ ~

( キョン ) はい 眼鏡 オン ||めがね|おん

しかし この 写真 何 に 使う んだ ||しゃしん|なん||つかう|

( ハルヒ ) う ~ ん 完璧 ! |||かんぺき

ロリ で 美 乳 で メイド で しか も 眼鏡 っ子 ||び|ちち||||||めがね|っこ Lolita, beautiful breasts, a maid, and a bespectacled girl.

( ハルヒ ) すばらしい わ ! ( み くる ) イヤ ~ ン |||||いや|

( ハルヒ ) み くるちゃ ん これ から 部室 に いる 時 は ||||||ぶしつ|||じ|

この 服 着る ように し なさい |ふく|きる|||

( み くる ) そんな …

うわ っ な んです か これ ?

( ハルヒ ) ああ ~ いい とこ に 来た わ ね |||||きた||

みんな で み くる ちゃん に イタズラ し ま しょ ||||||いたずら|||

みんな で み くる ちゃん に イタズラ し ま しょ ||||||いたずら|||

( キョン ) いいかげんに しろ

遠慮 して おき ましょう 後 が 怖 そうだ えんりょ||||あと||こわ|そう だ

お 気 に なさら ず どうぞ 続き を |き|||||つづき|

( キョン ) … てい うか 止めろ よ ! |||とどめろ|

もう いい だろう

これ 以上 は いろんな 法律 に 引っかかる |いじょう|||ほうりつ||ひっかかる

なんの 法律 よ !  あっ … |ほうりつ||

まあ いい わ 写真 も いっぱい 撮れた し |||しゃしん|||とれた|

では これ より SOS 団 第 1 回 ミーティング を 開始 し ます |||sos|だん|だい|かい|みーてぃんぐ||かいし||

今 まで あたし たち は いろいろ やってき ました いま|||||||

ビラ も 配った し ホームページ も 作った びら||くばった||ほーむぺーじ||つくった

校 内 に おける SOS 団 の 知名度 は ウナギ の 滝 登り こう|うち|||sos|だん||ちめいど||うなぎ||たき|のぼり

第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう だい|だんかい||だい|せいこう|||いえる|

第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう だい|だんかい||だい|せいこう|||いえる|

( キョン ) 朝比奈 さん の 心 に 傷 を 負わせ と いて |あさひな|||こころ||きず||おわせ||

第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう だい|だんかい||だい|せいこう|||いえる|

第 1 段階 は 大 成功 だった と 言える でしょう だい|だんかい||だい|せいこう|||いえる|

何 が 大 成功 だ なん||だい|せいこう|

しかしながら 我が 団 の メール アドレス に は |わが|だん||めーる|あどれす||

不思議な 出来事 を 訴える メール が 一 通 も 来 ず ふしぎな|できごと||うったえる|めーる||ひと|つう||らい|

また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん ||へや||きかいな|なやみ||そうだん|||くる|せいと||||

また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん ||へや||きかいな|なやみ||そうだん|||くる|せいと||||

( キョン ) 何 を する 部活 動 な の か |なん|||ぶかつ|どう|||

また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん ||へや||きかいな|なやみ||そうだん|||くる|せいと||||

また この 部屋 に 奇怪な 悩み を 相談 し に 来る 生徒 も いま せ ん ||へや||きかいな|なやみ||そうだん|||くる|せいと||||

いまいち 分から ない ところ だ から な |わから|||||

いまいち 分から ない ところ だ から な |わから|||||

俺 たち で さえ 昨日 ようやく 分かった し おれ||||きのう||わかった|

“ 果報 は 寝て 待て ” 昔 の 人 は 言い ました かほう||ねて|まて|むかし||じん||いい|

でも もう そんな 時代 じゃ ない のです |||じだい|||

地面 を 掘り起こして でも 果報 は 探し出す もの な のです じめん||ほりおこして||かほう||さがしだす|||

だから 探し に 行き ましょう ! |さがし||いき|

( キョン ) 何 を ? ( ハルヒ ) この世 の 不思議 を よ ! |なん|||このよ||ふしぎ||

( キョン ) と いう わけで 謎 の ような 現象 を 求めて 市 内 探索 ツアー を 敢行 する ||||なぞ|||げんしょう||もとめて|し|うち|たんさく|つあー||かんこう|

次の 土曜日 北口 駅前 に 9 時 集合 つぎの|どようび|きたぐち|えきまえ||じ|しゅうごう

来 なきゃ 死刑 らい||しけい

死刑 って … しけい|

休日 の ムダ 使い は し たく ない んだ が な ~ きゅうじつ||むだ|つかい|||||||

遅い !  罰金 ! おそい|ばっきん

( キョン ) ハルヒ の 提案 は こう だった |||ていあん|||

二手 に 分かれて 市 内 を 探索 ふたて||わかれて|し|うち||たんさく

不思議な 現象 を 発見 したら 携帯 で 連絡 を 取り合う   以上 ふしぎな|げんしょう||はっけん||けいたい||れんらく||とりあう|いじょう

この 組み合わせ ね |くみあわせ|

( キョン ) 今日 は 意外 と ラッキー かも しれ ない な |きょう||いがい||らっきー||||

朝比奈 さん と デート できる なら あさひな|||でーと||

この 店 が 俺 の おごり に なった の も 安い 代償 って もんだ |てん||おれ|||||||やすい|だいしょう||

( ハルヒ ) キョン 分かって る ? ||わかって|

デート じゃ ない の よ ! 真面目に やる の よ いい ? でーと|||||まじめに||||

( キョン ) 分かって る よ |わかって||

マジ デート じゃ ない の よ 遊んで たら 殺す わ よ !  フンッ |でーと|||||あそんで||ころす|||

( キョン ) と 言い残して ハルヒチーム は 駅 の 東側 の 探索 に 出発 した ||いいのこして|||えき||ひがしがわ||たんさく||しゅっぱつ|

俺 と 朝比奈 さん は 西側 を 探索 しろ と 言う のだ が おれ||あさひな|||にしがわ||たんさく|||いう||

どう し ましょう …

( キョン ) ねえ ~

( み くる ) あたし こんなふうに 出歩く の 初めて な んです ||||であるく||はじめて||

“ こんなふうに ” と は ?

( み くる ) 男 の 人 と 2 人 で … ||おとこ||じん||じん|

あっ

甚だしく 意外です ね はなはだしく|いがいです|

今 まで 誰 か と つきあった こと は ない んです か ? いま||だれ||||||||

( み くる ) ない んです

アハッ   でも 朝比奈 さん なら ||あさひな||

つきあって くれ と か しょっちゅう 言わ れる でしょう |||||いわ||

うん … でも ダメな んです ||だめな|

あたし 誰 と も つきあう わけに は いか ない の |だれ||||||||

少なくとも この … すくなくとも|

キョン 君 お 話し し たい こと が あり ます |きみ||はなし||||||

( キョン ) なかなか 話 を 切り出せ ず に いた 朝比奈 さん は ||はなし||きりだせ||||あさひな||

やがて 言葉 を 区切る ように して こう 言った |ことば||くぎる||||いった

( み くる ) 信じて もらえ ない かも しれ ない けど ||しんじて||||||

あたし は この 時代 の 人間 で は あり ませ ん |||じだい||にんげん|||||

もっと 未来 から 来 ました |みらい||らい|

いつ どの 時間 平面 から ここ に 来た の か は 言え ませ ん ||じかん|へいめん||||きた||||いえ||

過去 の 人 に 未来 の こと を 伝える の は … かこ||じん||みらい||||つたえる||

過去 の 人 に 未来 の こと を 伝える の は … かこ||じん||みらい||||つたえる||

( み くる ) 時間 と いう もの は ― ||じかん||||

( み くる ) 時間 と いう もの は ― ||じかん||||

連続 性 の ある 流れ の ような もの で なく れんぞく|せい|||ながれ|||||

その 時間 ごと に 区切ら れた … |じかん|||くぎら|

その 時間 ごと に 区切ら れた … |じかん|||くぎら|

アニメーション を 想像 して みて あにめーしょん||そうぞう||

アニメーション を 想像 して みて あにめーしょん||そうぞう||

あれ って まるで 動いて いる ように 見える けど 本体 は … |||うごいて|||みえる||ほんたい|

あれ って まるで 動いて いる ように 見える けど 本体 は … |||うごいて|||みえる||ほんたい|

( み くる ) 時間 と 時間 と の 間 に は 断絶 が ある の ||じかん||じかん|||あいだ|||だんぜつ|||

( み くる ) 時間 と 時間 と の 間 に は 断絶 が ある の ||じかん||じかん|||あいだ|||だんぜつ|||

それ は 限りなく ゼロ に 近い 断絶 だ けど … ||かぎりなく|||ちかい|だんぜつ||

( み くる ) 時間 移動 は 積み重なった 時間 平面 を ||じかん|いどう||つみかさなった|じかん|へいめん|

3 次元 方向 に 移動 する こと じげん|ほうこう||いどう||

未来 から 来た あたし は この 時代 の 時間 平面 上 で は みらい||きた||||じだい||じかん|へいめん|うえ||

パラパラ マンガ の 途中 に 描か れた 余計な 絵 みたいな もの ぱらぱら|まんが||とちゅう||えがか||よけいな|え||

( キョン ) 今度 は なんだ ? |こんど||

3 年 前 大きな 時間 振動 が 検出 さ れた の とし|ぜん|おおきな|じかん|しんどう||けんしゅつ|||

あっ うん 今 の 時間 から 数えて 3 年 前 ね ||いま||じかん||かぞえて|とし|ぜん|

調査 する ため に 過去 に 来た 我々 は 驚いた ちょうさ||||かこ||きた|われわれ||おどろいた

どう やって も それ 以上 の 過去 に さかのぼる こと が でき なかった から ||||いじょう||かこ|||||||

大きな 時間 の 断層 が おおきな|じかん||だんそう|

時間 平面 同士 の 間 に ある んだろう って の が 結論 じかん|へいめん|どうし||あいだ|||||||けつろん

原因 らしい もの も 分かった の が つい 最近 げんいん||||わかった||||さいきん

ん … これ は あたし の いた 未来 で の 最近 の こと だ けど ||||||みらい|||さいきん||||

その 原因 って ? |げんいん|

涼 宮 さん りょう|みや|

( キョン ) また それ か

時間 の ゆがみ の 真ん中 に 彼女 が いた の じかん||||まんなか||かのじょ|||

それ 以上 は 禁 則 事項 な ので 説明 でき ない んだ けど |いじょう||きん|そく|じこう|||せつめい||||

でも 過去 へ の 道 を 閉ざした の が 涼 宮 さん な の は 確か |かこ|||どう||とざした|||りょう|みや|||||たしか

( キョン ) ハルヒ に そんな こと が できる と は 思え ない んです が … |||||||||おもえ|||

我々 に も 謎 な の われわれ|||なぞ||

涼 宮 さん も 自分 が 時間 振動 の 源 だ なんて 自覚 して ない りょう|みや|||じぶん||じかん|しんどう||げん|||じかく||

あたし は 涼 宮 さん の 近く で ||りょう|みや|||ちかく|

新しい 時間 の 変異 が 起き ない か どう か を あたらしい|じかん||へんい||おき|||||

監視 する ため に 送ら れた … かんし||||おくら|

えっ と 監視 係 みたいな もの ||かんし|かかり||

信じて もら ない でしょう ね こんな こと しんじて||||||

いや … でも なんで 俺 に こんな こと 言う んです ? |||おれ||||いう|

あなた が 涼 宮 さん に 選ば れた 人 だ から ||りょう|みや|||えらば||じん||

詳しく は 禁 則 に 係る から 言え ない くわしく||きん|そく||かかる||いえ|

多分 だ けど … あなた は 涼 宮 さん に とって 重要な 人 たぶん|||||りょう|みや||||じゅうような|じん

彼女 の 一挙手一投足 に は 全て 理由 が ある かのじょ||いっきょしゅいっとうそく|||すべて|りゆう||

なら 長門 や 古泉 は ? |ながと||こいずみ|

( み くる ) あの 人 たち は あたし と 極めて 近い 存在 です |||じん|||||きわめて|ちかい|そんざい|

まさか 涼 宮 さん が |りょう|みや||

これ だけ 的確に 私 たち を 集めて しまう と は 思わ なかった けど ||てきかくに|わたくし|||あつめて||||おもわ||

朝比奈 さん は あいつ ら が 何者 か 知っている んです か ? あさひな||||||なにもの||しっている||

( み くる ) 禁 則 事項 です ( キョン ) あっ … ||きん|そく|じこう|||

これ から ハルヒ は どう なる んです ?

禁 則 事項 です きん|そく|じこう|

未来 から 来た なら 分かり そうな もん です けど みらい||きた||わかり|そう な|||

禁 則 事項 です きん|そく|じこう|

てい うか … ハルヒ に 直接 言ったら どう な んです ||||ちょくせつ|いったら|||

禁 則 事項 です きん|そく|じこう|

ああ …

ごめんなさい 今 の あたし に は 言う 権限 が ない の |いま|||||いう|けんげん|||

信じ なくて も いい しんじ|||

ただ 知って おいて ほしかった んです あなた に は |しって||||||

( キョン ) 似た ような セリフ を 先日 誰 か から 聞いた な |にた||せりふ||せんじつ|だれ|||きいた|

ごめん ね 急に こんな こと 言って ||きゅうに|||いって

それ は 別に いい んです が … ||べつに|||

( キョン ) 宇宙 人 の 次 は 未来 人 の 登場 です か |うちゅう|じん||つぎ||みらい|じん||とうじょう||

どう なって る んだ ?

この 時点 で 聞いた こと を “ は いはい ” と |じてん||きいた|||||

信じ られる ヤツ が いたら ぜひ ご 連絡 を いただき たい しんじ||やつ|||||れんらく|||

代わって やる から かわって||

( キョン ) 朝比奈 さん ( み くる ) はい |あさひな||||

全部 保留 で いい です か ? ぜんぶ|ほりゅう||||

信じる と か 信じ ない と か は 全部 脇 に 置 い と いて 保留 って こと で しんじる|||しんじ|||||ぜんぶ|わき||お||||ほりゅう|||

( み くる ) はい ! ( キョン ) ただ ―

一 個 だけ 聞いて いい です か ? ひと|こ||きいて|||

なん でしょう ?

あなた の 本当の 年 を 教えて ください ||ほんとうの|とし||おしえて|

禁 則 事項 です きん|そく|じこう|

( キョン ) その後 突然 ハルヒ が 携帯 に 電話 を かけて きて |そのご|とつぜん|||けいたい||でんわ|||

12 時 に 一旦 集合 と なった じ||いったん|しゅうごう||

( ハルヒ ) 収穫 は ? ( キョン ) 何も |しゅうかく|||なにも

本当に 探して た ? ほんとうに|さがして|

フラフラ して た んじゃ ない でしょう ね み くるちゃ ん ! ふらふら|||||||||

そっち こそ 何 か 見つけた の か よ ||なん||みつけた|||

( キョン ) 昼食 を 食って る 最中 に ハルヒ は また 班 分け しよう と 言いだした |ちゅうしょく||くって||さい なか|||||はん|わけ|||いいだした

また 無印 です ね |むじるし||

ああ …

う う … う ~ ん

( ハルヒ ) 4 時 に 駅前 で 落ち合い ましょう |じ||えきまえ||おちあい|

今度 こそ 何 か を 見つけて きて よ ね ! こんど||なん|||みつけて|||

( キョン ) … と 言い残して 今度 は 北 と 南 に 分かれる こと に なった ||いいのこして|こんど||きた||みなみ||わかれる|||

俺 たち は 南 担当 おれ|||みなみ|たんとう

この 前 の 話 だ が な … |ぜん||はなし|||

何 ? なん

なんとなく 少し は 信じて も いい ような 気分 に なって きた よ |すこし||しんじて||||きぶん||||

そう

( キョン ) 長門 と 暇つぶし する なら |ながと||ひまつぶし||

ここ くらい しか ない だろう

( キョン ) やれやれ

( いびき )

( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( キョン ) うわ っ ! けいたい|でんわ||しんどう|おと|||

( ハルヒ ) 今 何 時 だ と 思って ん の よ この バカ ! |いま|なん|じ|||おもって|||||ばか

( キョン ) すま ん 今 起きた と こ なんだ |||いま|おきた|||

( ハルヒ ) は あ ?  この アホンダラゲ !

4 時 集合 だった っけ ? じ|しゅうごう||

( ハルヒ ) とっとと 戻り なさい よ ! 30 秒 以内 ! ||もどり|||びょう|いない

( キョン ) そこ から が ひと 苦労 本 を 読んだ まま |||||くろう|ほん||よんだ|

床 に 根 を 生やした ように 動か ない 長門 の ため に とこ||ね||はやした||うごか||ながと|||

貸し出し カード を 作って その 本 を 借りて やり かしだし|かーど||つくって||ほん||かりて|

その 間 かかり まくる ハルヒ から の 電話 を 全て 無視 した |あいだ||||||でんわ||すべて|むし|

遅刻 !  罰金 ! ちこく|ばっきん

( キョン ) 結局 成果 も へったくれ も なく |けっきょく|せいか||||

いたずらに 時間 と カネ を ムダ に した だけ で ― |じかん||かね||むだ||||

この 日 の 野外 活動 は 終わった |ひ||やがい|かつどう||おわった

ただ 別れ際 に 朝比奈 さん が … |わかれぎわ||あさひな||

今日 は 話 を 聞いて くれて ありがとう きょう||はなし||きいて||

( キョン ) … と 耳元 で ささやいて くれた の は 悪い 気 が し なかった が な ||みみもと||||||わるい|き|||||

あんた 今日 一体 何 を して た の ? |きょう|いったい|なん||||

そういう お前 は どう な んだ よ |おまえ|||||

何 か 面白い もん でも 発見 できた の か ? なん||おもしろい|||はっけん|||

まあ 1 日 や そこら で 発見 できる ほど |ひ||||はっけん||

相手 も 無防備じゃ ないだ ろ あいて||むぼうびじゃ||

あさって 学校 で 反省 会 だ から ね |がっこう||はんせい|かい|||

( キョン ) … と 言い残し 去って いった ||いいのこし|さって|

は あ ~

( キョン ) 夢 だ ろ ! |ゆめ||

( キョン ) 週明け |しゅうあけ

そろそろ 梅雨 を 感じ させる 湿気 に 朝 から 汗ばんで いる と |つゆ||かんじ|さ せる|しっけ||あさ||あせばんで||

珍しく 始業 の 鐘 ギリギリ に ハルヒ が 入って きた めずらしく|しぎょう||かね|ぎりぎり||||はいって|

あたし も あおいで よ

自分 で やれ じぶん||

あの さ 涼 宮 ||りょう|みや

お前 “ しあわせ の 青い 鳥 ” って 話 知って る か ? おまえ|||あおい|ちょう||はなし|しって||

それ が 何 ? ||なん

いや まあ なんでもない けど な

じゃあ 聞いて くん な |きいて||

( キョン ) この 日 一 日 中 ||ひ|ひと|ひ|なか

ハルヒ の ダウナー な 不機嫌 オーラ を 背後 から 浴び 続けた 俺 は ||||ふきげん|||はいご||あび|つづけた|おれ|

山 火事 を いち早く 察知 した 野 ネズミ の ように 部室 棟 へ 避難 した やま|かじ||いちはやく|さっち||の|ねずみ|||ぶしつ|むね||ひなん|

話 を して おき たい 相手 も いたし な はなし|||||あいて|||

古泉 お前 も 俺 に 涼 宮 の こと で 話 が ある んじゃ ない の か ? こいずみ|おまえ||おれ||りょう|みや||||はなし||||||

( 古泉 ) “ お前 も ” と 言う からに は こいずみ|おまえ|||いう||

すでに お 二 方 から アプローチ を 受けて いる ようです ね ||ふた|かた||あぷろーち||うけて|||

( キョン ) ああ ( 古泉 ) どこ まで ご存じ です か ? ||こいずみ|||ごぞんじ||

( キョン ) 涼 宮 が ただ 者 で は ない って とこ くらい か |りょう|みや|||もの|||||||

( 古泉 ) それ なら 話 は 簡単です その とおり な ので ね こいずみ|||はなし||かんたんです|||||

まず お前 の 正体 から 聞こう か |おまえ||しょうたい||きこう|

お 察し の とおり 超 能力 者 です |さっし|||ちょう|のうりょく|もの|

そう 呼んだ ほう が いい でしょう |よんだ||||

本当 は こんな 急に 転校 して くる つもり は なかった んです が ほんとう|||きゅうに|てんこう|||||||

状況 が 変わり まして ね じょうきょう||かわり||

よもや あの 2 人 が こう も 簡単に ||じん||||かんたんに

涼 宮 ハルヒ と 結託 する と は 予定 外 でした りょう|みや|||けったく||||よてい|がい|

詳しい こと は また いずれ お 話し する 機会 も ある でしょう くわしい||||||はなし||きかい|||

百聞 は 一見 に しか ず ひゃくぶん||いっけん|||

ぜひ お 見せ し たい もの も あり ます し ||みせ|||||||

今 は かいつまんで ご 説明 し ましょう いま||||せつめい||

僕 が 所属 する 機関 に は 他 に も 超 能力 者 が い ます ぼく||しょぞく||きかん|||た|||ちょう|のうりょく|もの|||

実は この 学校 に も 何 人 も の エージェント が 潜入 済み です じつは||がっこう|||なん|じん|||||せんにゅう|すみ|

そして 我々 は 3 年 前 の 発足 から 涼 宮 さん を 監視 して いる |われわれ||とし|ぜん||ほっそく||りょう|みや|||かんし||

事 の 発端 は その 3 年 前 その 時 何 か が あった こと||ほったん|||とし|ぜん||じ|なん|||

僕 の 身 に 超 能力 と しか 思え ない 力 が 芽生えた の も その 時 です ぼく||み||ちょう|のうりょく|||おもえ||ちから||めばえた||||じ|

3 年 前 と ハルヒ が どう 関係 ある んだ ? とし|ぜん|||||かんけい||

( 古泉 ) 実は この 世界 は こいずみ|じつは||せかい|

ある 存在 が 見て いる 夢 の ような もの な ので は ない か |そんざい||みて||ゆめ||||||||

… と いう の が 機関 の お 偉 方 の 考え です ||||きかん|||えら|かた||かんがえ|

そして それ は なにぶん 夢 です から ||||ゆめ||

その 存在 に とって 我々 が 現実 と 呼ぶ この 世界 を |そんざい|||われわれ||げんじつ||よぶ||せかい|

創造 し 改変 する こと は 児 戯 に 等しい そうぞう||かいへん||||じ|ぎ||ひとしい

そんな こと の できる 存在 を 我々 は 知ってい ます ||||そんざい||われわれ||しってい|

それ が ハルヒ か ?

人間 は そのような 存在 の こと を “ 神 ” と 定義 して い ます にんげん|||そんざい||||かみ||ていぎ|||

( キョン ) とうとう 神様 に まで さ れ ち まった ぞ ハルヒ ||かみさま||||||||

考えて も みて ください 我々 の ような 超 能力 者 や かんがえて||||われわれ|||ちょう|のうりょく|もの|

朝比奈 み くる 長門 有希 の ような 存在 が あさひな|||ながと|ゆうき|||そんざい|

都合 よく 一堂 に 会する か の よう に 登場 する でしょう か ? つごう||いちどう||かいする|||||とうじょう|||

涼 宮 さん が そう 願った から です よ りょう|みや||||ねがった|||

恐らく 3 年 前 に おそらく|とし|ぜん|

3 年 前 に ハルヒ が 世界 を 作り替えた って いう の か ? とし|ぜん||||せかい||つくりかえた||||

作り替えた と いう より も 3 年 前 に 世界 は 始まった つくりかえた|||||とし|ぜん||せかい||はじまった

… と でも 言う べきでしょう か まあ あくまで 我々 の 仮説 です が ||いう|||||われわれ||かせつ||

まあ いい

で … お前 ら は ハルヒ を どう する つもりだ ? |おまえ|||||||

( 古泉 ) この 世界 が 神 の 不 興 を 買って あっさり 破壊 さ れ こいずみ||せかい||かみ||ふ|きょう||かって||はかい||

作り 直さ れる の を 防ごう と いう わけです つくり|なおさ||||ふせごう|||

僕 は この 世界 に それなり の 愛着 を 抱いて いる ので ね ぼく|||せかい||||あいちゃく||いだいて|||

( キョン ) ハルヒ に 直接 頼んで みたら どう だ ? |||ちょくせつ|たのんで|||

そう 主張 する 者 も 確かに 機関 に は 存在 し ます |しゅちょう||もの||たしかに|きかん|||そんざい||

それ 以上 の 刺激 を 与えよう と する 強硬 派 も ね |いじょう||しげき||あたえよう|||きょうこう|は||

ですが 大勢 は 軽々しく 手 を 出す べきで は ない と いう ― |おおぜい||かるがるしく|て||だす|||||

意見 で 占め られて い ます いけん||しめ|||

彼女 は まだ 自分 の 本来 の 能力 に 気付いて い ない かのじょ|||じぶん||ほんらい||のうりょく||きづいて||

ならば そのまま 気付か ぬ よう ||きづか||

生涯 を 平穏に 送って もらう の が ベターだ と 考えて いる わけです しょうがい||へいおんに|おくって||||べたーだ||かんがえて||

“ 触ら ぬ 神 に 祟 ( たた ) り なし ” か … さわら||かみ||たたり||||

その とおり です

( キョン ) 夢 を 見 続けて いる の は お前 ら の ほう じゃ ない の か ? |ゆめ||み|つづけて||||おまえ|||||||

ええ その 可能 性 も なく は ない ||かのう|せい||||

しかし 我々 は 今 最も 危惧 す べき 可能 性 を 前提 に |われわれ||いま|もっとも|きぐ|||かのう|せい||ぜんてい|

行動 して いる だけ です こうどう||||

なら 試しに … 超 能力 者 と か 言った な |ためしに|ちょう|のうりょく|もの|||いった|

何 か 力 を 使って 見せて くれよ なん||ちから||つかって|みせて|

そう したら お前 の 言う こと を 信じて やる ||おまえ||いう|||しんじて|

例えば この コーヒー を 元 の 熱 さ に 戻す と か たとえば||こーひー||もと||ねつ|||もどす||

そういう 分かり やすい 能力 と は ちょっと 違う んです |わかり||のうりょく||||ちがう|

それ に ふだん の 僕 に は なんの 力 も あり ませ ん ||||ぼく||||ちから||||

いく つ か の 条件 が 重なって 初めて 力 が 使える んです ||||じょうけん||かさなって|はじめて|ちから||つかえる|

最初 申し上げた とおり さいしょ|もうしあげた|

いずれ お 見せ する 機会 も ある でしょう ||みせ||きかい|||

長々 と 話したり して すみません ながなが||はなしたり||

今日 は これ で 失礼 さ せて いただき ます きょう||||しつれい||||

( キョン ) は あ ~ ( 古泉 ) そう そう |||こいずみ||

一 番 の 謎 は あなた です ひと|ばん||なぞ|||

失礼 ながら あなた に ついて しつれい||||

いろいろ 調べ させて もらい ました が 保証 し ます |しらべ|さ せて||||ほしょう||

あなた は 普通の 人間 です ||ふつうの|にんげん|

( み くる ) へ っ ? ( キョン ) はっ

ああ

ひえ ~ 失礼 し ました ! |しつれい||

( キョン ) アハッ ( み くる ) エヘヘッ

( キョン ) そんな 愚直に ハルヒ の 命令 を 守ら なくて も … ||ぐちょくに|||めいれい||まもら||

( キョン ) 結局 その 日 ハルヒ は 部室 に 姿 を 現さ なかった |けっきょく||ひ|||ぶしつ||すがた||あらわさ|

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