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結婚できない男, 結婚できない男シーズン1-5: 家に人を入れない!

結婚 でき ない 男 シーズン 1-5: 家 に 人 を 入れ ない!

♪~

( 信 介 ( しん すけ )) ンンッ !

♪( 口笛 )

( 笑い声 )

( 指 を 鳴らす 音 ) よし !

あれ ?

吉井 ( よし い ) 邸 の 資料 どこ やった ?

あっ !

多分 この 中 に ある はずだ

あれ ?

あれ ? ああ … おかしい …

あっ ! これ 写真 … 懐かしい な

( みちる ) 近づく んじゃ ない の !

あれ ? おかしい … ウッ !

うん ? あった ! 分別 し と いて 良かった

( 男性 ) 桑野 ( くわ の ) さん に お 願い して 正解 でした

どうも

( 女性 ) 桑野 さん って 独身 で いらっしゃる のに

主婦 の 気持ち が よく お 分かり に なる んです ね

まあ

( 摩耶 ( ま や )) それ が この 人 の 仕事 です から

( 男性 ) いつも 1 人 で 掃除 と か 洗濯 と か

苦労 して らっしゃる から じゃ ないで す か ?

いや 別に

( 女性 ) 失礼 よ やって くださる 女性 が いらっしゃる の よ

( 男性 ) アハハ … そう か

いや そんな 者 は おり ませ ん よ

家 の こと は 全部 1 人 で やって ます が 何の 苦労 も あり ませ ん

( 女性 ) ああ …

( 夏美 ( なつみ )) ハァ … はい これ お 願い ( 真理 ( まり )) はい

ハァ … 家事 って すごい 面倒 なんとか な ん ない か なぁ

なんとか って 言わ れて も …

仕事 して る と さ 洗濯物 と か どんどん たまって く の よね

見 ない フリ して なんとか やり過ごして る けど

( 和美 ) 問題 の 解決 に なって ませ ん よ

男 の 人 は 結婚 すれば お 嫁 さん に やって もらえ ます けど ね

あ ~ あ 私 も 嫁 が 欲しい

あっ …

どうぞ ( 信 介 ) はい

どう さ れ ました ?

ちょっと 頭痛 が し まして ね

ここ ん とこ 仕事 が 立て込んで 疲れて る せい か

お 薬 は のま れ ました か ? ( 信 介 ) いえ

この 前 お 出し した 鎮痛 剤 まだ 残って ます よ ね ?

いつも の 軽い 頭痛 なら

しばらく 様子 を 見る と か 少し 休む と かして

それ でも 治ら ない 場合 に 病院 に 来て いただけ ませ ん ?

あなた みたいな 人 が いる せい で 医者 が 忙し すぎる んです

洗濯物 そんなに たまって んです か ? ( 夏美 ) そういう 話 じゃ なくて

家事 が でき ない こと を 患者 の せい に して いい の か なぁ

少し 訂正 し ます と でき ない って 言って る んじゃ ない んです

忙しくて つい おろそかに なる って 言って る んです

僕 は ね 仕事 が どんなに 忙しくて も 家 の 中 が 散らかって る と

もう どうしても 我慢 でき ない 性質 ( たち ) な んです よ

決め られた 物 は 決め られた 場所 に あって

清潔 かつ 機能 的 そういう 状態 を いつも 保つ ように して い ます

さぞかし きれいな お 部屋 な んでしょう ね

ええ … 残念 ながら お 見せ でき ませ ん

他人 を 家 に 入れ ない 主義 な もん です から

見 たい なんて 誰 も 言って ませ ん

( 体温 計 の 信号 音 ) まあ とにかく

家事 が でき ない なんて 言って る 人 は 結局 は 嫌いな んです ね 家事 が

そう です よ 嫌いです よ 家事 なんて

それ で あなた に 迷惑 かけ ました か ?

家事 が 嫌い か …

フフッ … 結婚 する うえ で ハンデ だろう な

余計 なお 世話です

ああ … なんか 頭 痛く なって きた ( 信 介 ) えっ ? 大丈夫です か ?

( みちる ) ああ こんばん は

( 夏美 ) ああ … 疲れた

大変です ね 毎晩 遅く まで

まあ 自分 で 選んだ 仕事 だ けど さ

保険 の 書類 と か レセプト の チェック と かもし なきゃ いけない し

その 上 … 桑野 さん は 来る し

そんなに よく 来る んです か ?

医者 の 言う こと 聞か ない わりに 来る の よ ! もう なんとか して よ

私 に どう しろ って … ( 夏美 ) ハァ … ごめん 愚痴 った

愚痴 なら 聞き ます から 飲み に 行き ましょう そうだ !

英治 ( えいじ ) 君 も 誘って “ 桑野 さん を こき下ろす 会 ” し ませ ん ?

やろ っか ?

( 英治 ) うわ っ … やりて え ! ( みちる ) じゃ おいで よ

ああ … でも ダメ

沙織 ( さおり ) ちゃん に 怒ら れる から ?

ああ … 今 打ち合せ 中 で さ … 急に 新しい 仕事 の 話 が 入っちゃ って

そう な んだ …

今度 絶対 呼んで よ こき下ろす 会

こけら落とし か ぁ … ( 英治 ) わ っ … いた !

( 信 介 ) 主演 は …

じゃ また ね ( みちる ) うん … じゃ また ね

3 階建て 完全 2 世帯 同居 か 挑戦 し がい は ある な

でも 9 月 頭 に 着工 と なる と 時間 的に は 相当 厳しい です よ

逆算 する と 今週 中 に は 設計 の 大 枠 を ―

固め なきゃ なら な いって わけ か

でも 前田 ( まえ だ ) さん が やる 予定 だった んでしょう ?

なんで でき なく なっちゃ った ん ス か ?

海外 で やって た 仕事 が 長引いちゃ って

当分 日本 に 帰れ なく なった ん だって

おいしい 仕事 を 優先 して

余り を 俺 に 渡そう って 魂胆 か まったく 嫌 みな ヤツ だ よ

まあ どっち に しろ スケジュール 的に は 難しい です よ

今 やって る 仕事 も ちょうど ヤマ場 です し

ムリ なら しょうがない わ ね

“ 桑野 の 手 に は 余る ようです ” って お 断り し と くわ

誰 が ムリ だっ つった ? ( 摩耶 ) えっ ?

やる よ やりゃ いい んだろう ?

え えっ ? 大丈夫です か ? ( 信 介 ) あいつ に は さ ―

絶対 想像 も つか ない ような すごい 物 作って やる から

その 結果 売り上げ アップ で 給料 アップ だ ぞ

やり ます か !

( 摩耶 ) 受け といて 結局 間に合わ ない なんて ことに なったら

かえって 問題 よ

楽勝 だ ね

違う な

この 階段 な んです けど ( 作業 員 ) はい

え ~ これ は …

… で こう 窓 つける と か こう もう 少し 明るく した ほう が

ハァ … 疲れた な

あっ … メシ 食う の 忘れて た

時間 も ない し そうめん で 済ます か

あれ ? ショウガ …

ショウガ なし じゃ そうめん は 食え んだろう チッ …

フン !

あれ ? こんな 時間 あった っけ ?

♪~

~♪

あっ 達 川 ( たつ かわ ) 邸 の 図面 でき ました ? ( 信 介 ) まだ

あした の 朝 まで に お 願い し ます ( 信 介 ) はい

“ はい ” って 何 だ よ ? お前 俺 に 指示 す んな よ

別に 指示 し たくて して んじゃ ない ッス よ

いい です か ? あした に は 桑野 さん が 立 面 と 断面 を 仕上げて

俺 が 模型 作成 の 作業 に 入ら ない と

3 日 後 の 打ち合わせ に 間に合わ ない ん ス よ

ああ そう か ( 英治 ) えっ ?

楽勝 だ よ と か 言って た けど

ちょっと 甘く 見て た んじゃ ない ッス か ?

全然 … あした の 朝 まで だろう ? やる よ

家 ( うち ) で やろう … お前 も 家 で やって いい ぞ

ああ 俺 家 に 仕事 持ち込ま ない 主義 なんで

家 は やっぱり 彼女 と 過ごす 場所 でしょう

俺 は な 他人 を 家 に 持ち込ま ない 主義 なんで な

主義 は いい けど それ じゃ 結婚 どころ か 恋人 も でき ませ ん よ

戸締まり して 帰れよ ( 英治 ) はい

( 店員 ) いらっしゃい ませ

ちょっと 待った

“ タウリン 3600” … 効く かな ?

( 店員 ) いらっしゃい ませ

あっ ! 出て る

そんな 時間 ない か

( 自動 ドア の 開く 音 )

( 足音 )

ハァ … なんだ 桑野 さん

どこ 行く んです か ? ( 夏美 ) みちる ちゃん とこ です

なんで 声 かけ ない んです か ? 怖い じゃ ないで す か

話しかけて 話題 が なかったら フフッ … イヤでしょう ?

ほら

あきれて もの が 言え ない だけ です

女 同士 で 食事 です か ?

“ 最近 仕事 が 忙しくて ロク な 物 食べて ない ” って 言ったら

何 か ごちそう する って 誘って くれた んです

フッ … 男 い ない の か ? あの 子 ( 夏美 ) 女 同士 でも 楽しい んです

食後 に 卒業 アルバム 見たり する んです か ?

いい でしょう ? 見た って

ハァ ~…

よし やる か

♪( ハミング )

( みちる ) さあ 召し上がれ ! ( 夏美 ) いただき ま ~ す

豚肉 と ルッコラ で リゾット 作って みた んです

うん ! おいしい ( みちる ) そうです か ?

ふ ~ ん … 結構 ちゃんと した 物 作れる んだ ?

夏美 さん が 来る と 思って 気合い 入っちゃ い ました

いい なぁ …

家 に 帰って くる と 部屋 が 明るくて 誰 か が 料理 作って くれて て

私 も 想像 しちゃ う

エプロン 着けて お 料理 して たら 旦那 さま が 仕事 から 帰って きて

“ お かえり ! お 風呂 に する ? それとも ごはん ?” なんて

ダメダメ ! また “ 嫁 欲しい モード ” 入って きた

私 も ! 想像 して る 暇 が あったら 男 探さ ない と

みちる ちゃん って 結構 いい 奥さん に なれ そう

… でしょう ? 私 も そう 思う んです

でも なかなか それ を アピール する チャンス が なくて

夏美 さん は 収入 ある んだ し 専業 主夫 やって くれる 男 の 人 と

結婚 した って いい んじゃ ない です か ?

うーん …

そういう 選択肢 も あった か ( みちる ) うん

桑野 さん って 家事 ちゃん と やって そうです よ ね

あっ … そう いえば

“ うち の 部屋 は いつも ピカピカ だ ” みたいな こ と 言って た

へえ ~ どんな 部屋 だろう ?

他人 を 部屋 に 入れ ない 主義 み たいよ

うわ っ ! なんか すごい 秘密 が あったり して

見た くない です か ? ( 夏美 ) 私 は いい

( 携帯 電話 の 着信 音 )

( 着信 音 )

はい ( 英治 ) ああ すいません あの …

吉井 ( よし い ) 邸 の 図面 が 必要な ん ス けど メール で 送って もらえ ませ ん か ?

分かった ( 英治 ) あと 達 川 邸 の 平面 …

あした の 朝 まで に 間に合い そうです か ?

当然だろう … すぐ 送る よ

ああ ちなみに そこ 夜 10 時 過ぎる と 霊 が 出る から 気 を つけろ よ

生意気に …

チッ … うーん … BGM が 欲しい な

♪( クラシック )

チッ … 違う な

ショルティ より バレンボイム な んだ よ な

( 携帯 電話 の 着信 音 )

ハァ … はい 何 か ?

晩 ごはん 食べ ました ? ( 信 介 ) いえ それ が 何 か ?

みちる ちゃん と 食事 して た んです けど

結構 余っちゃ った んです よ ね よかったら 要り ませ ん ?

ハハッ … 残飯 処理 です か

解釈 は お 任せ し ます

まあ … ( おなか の 鳴る 音 )

どうしても と おっしゃる なら もらい に 行き ます

( 夏美 )1 人 じゃ 持て ない んで 私 たち 持っていき ます よ

いえ こちら から 行き ます

どうして そんなに 人 を 家 に 入れ たく ない んです か ?

よく 聞き ました ね

家 の 中 ぐらい 人間 関係 から 解放 さ れ たい から です よ

そんなに 人間 関係 ある んです か ?

人 に は ね それぞれ 聖域 と いう もの が 必要な んです

じゃ いい で すよ 聖域 から 出て こっち まで 来て ください

あっ 思い出した そうだ … 帰り に 寿司 買った んだ 食べ なきゃ

じゃ いい んです ね ?

私 これ から みちる ちゃん の 卒業 アルバム 見せて もらって

今夜 お 泊まり です

あっ そう です か じゃ お やすみ なさい

お やすみ なさい

やっぱり 見る の か

そうめん …

( 夏美 ) へえ ~… ねえ ねえ ねえ

この 中 に 好きな 人 いた の ?

ウフフ … 当てて ください

え えっ … う ~ ん … 誰 だ と 思う ?

あっ ! こって ます ね ここ

あ ~ そこそこ そこそこ

ああ いい ねえ ( みちる ) フフフフ …

( せきばらい )

ああ … 疲れた な

おはよう ( 英治 ) おはよう ございます

おう ( 摩耶 ) 差し入れ

ああ ありがとう ございます ( 信 介 ) サンキュー な

おう これ ( 英治 ) はい

あっ ! すごい ちゃん と でき ました ね

当たり前だ よ 仕事 に かかれ ( 英治 ) はい …

じゃ 桑野 さん は 今日 中 に 立 面 断面 よろしく お 願い し ます ね

次 から 次 へ と な …

大変 そう ね ( 信 介 ) フフッ …

おい ちゃん と 片づけろ って いつも 言って んだろう !

もう これ で 9 回 目 だ ぞ

しょうがない じゃ ないで す か 忙しい んだ から

は いはい 私 が やって あげ ます よ ~

( 英治 ) ああ すいません ホント

よい しょ っと

ねえ 松野 ( まつの ) さん に 聞いた んだ けど スケジュール 空いて る って

松野 ? 何 が ( 摩耶 ) えっ … だ から

もし 今回 の 仕事 が ムリ そう なら ピンチヒッター 頼める って こと

ヤダ よ 今更 何 だ よ ? ( 摩耶 ) だって …

やる っつ ったら やる んだ よ 余計な こと す んな よ !

もう … 心配 して 言って くれて る んじゃ ない です か

そんな 言い 方 ない んじゃ ない ッス か ?

あっ いい の “ やる ” って 言う んだ から 任せる しか ない わ よ ね

じゃ 頑張って ね

すいません ( 摩耶 ) うん

あっ そうだ あと で 銀行 行って さ 家賃 振り込んで きて くれ ない か ?

できる わけない じゃ ないで す か そんな の

えっ なんで ? ( 英治 ) いや そういう 雑用 は

今 まで ボランティア で やって あげて た んです よ

俺 だって 模型 作って 確認 申請 も やら なきゃ いけない し

忙しい んです よ ( 信 介 ) あっ そう …

じゃ あと で 自分 で 行こう ( 英治 ) 当然です

おい 金田 ( かね だ ) 更新 して る ぞ ( 英治 ) ああ そう です か

ほら やっぱり こいつ 全然 仕事 して ない や

親 の 金 食いつぶして 遊んで る だけ だ

そんな の より さ

こう やって 忙しく 仕事 して る ほう が いい だろう ?

そりゃ まあ … ( 信 介 ) 銀行 行って くれ

イヤです

( 物音 )

桑野 さん ! ちょ … 大丈夫です か

アハハ … 大丈夫 大丈夫 銀行 … 銀行 行か なきゃ

いや 銀行 ぐらい 行って あげ ます から

ああ っ ! ちょっと 桑野 さん ! 大丈夫です か ? 桑野 さん !

桑野 さん !

( 中川 ( なか がわ )) そんなに 何 日 も 徹夜 して た んです か ?

ええ ここん とこ ずっと みたいです

( 圭子 ) 最近 家 に 来 ない と 思ったら そういう こと だった の か

( 中川 ) しょうがない な まったく

( ゆみ ) しょうがない なぁ ( 圭子 ) 意地 張って

結局 人 に 迷惑 かけて 昔 から そう な の よ この 人 は

勝手な こと ばっ か 言う な

ああ … 仕事 し ない と いけない ( 圭子 ) ああ っ …

ちょっと こら こら こら こら こら ( 信 介 ) もう 何 だ よ ?

ええ ? 早坂 ( はやさ か ) 先生 の 診断 に よる と 過労 に よる 一過性 の 不整 脈 だ

血圧 も やや 高 めだ し 2~3 日 は 安静 する ように って

もう 十分 寝た し 仕事 再開 し ない と いけない んだ よ

( 中川 ) ダメ だって ( 圭子 ) お 兄ちゃん

もう いい んです よ ( 信 介 ) えっ ? 何 が

沢崎 ( さ わざ き ) さん と 話して

今回 の 仕事 松野 さん に ピンチヒッター お 願い し ました

おい ! お前 ら 何 やって んだ ? 勝手に

しょうがない でしょう この 状態 じゃ

楽し たかった だけ だろう ! ( 中川 ) そんな 言い 方 ない だろう

桑野 さん いつも そう です よ

人 の 気持ち なんか 考え ないで 自分 の 都合 ばっかり

そんなに 俺 が 気 に 食わ ない んだったら な

いる こと ない だろう

出て け !

分かり ました よ 出て いき ます よ

( 圭子 ) えっ … ちょ … いい の ?

あれ ? 今 の って クビ って こと じゃ ない よ な ?

フン ! こんな こと で クビ に する か

ねえ 大丈夫 ? 彼 クビ に さ れた と 思って ない ?

えっ ?

言って こよう か ? “ 誤解 し ない ように ” って

もう いい よ 放っとけ

… たく もう !

あれ ? 今 の って クビ って こと ?

いい や もう 知る か !

( ノック ) ( 戸 の 開く 音 )

面会 謝絶 だ !

それ は 医者 が 決める こと です

徹夜 続き だった んです って ?

食事 も ロク に して なかった んでしょう ?

私 が 行って 料理 と か 掃除 と かして あげよう か ?

結構だ

妹 さん ぐらい いい じゃ ないで す か 部屋 に 入れた って

余計 イヤです ね

あいつ は ね 昔 から 人 の 部屋 を 勝手に いじる 習性 が ある んで

でも こういう とき は さすが の お 兄ちゃん も

やっぱり 結婚 し たい って 思う んじゃ ない の ?

フン ! 全く

家事 と か 料理 して くれる 人 が いれば

仕事 に 集中 できて いい じゃ ないで す か

家事 を さ せる なら 家政 婦 を 雇えば 済む 話 だ

結婚 と 家政 婦 雇う の は 違う でしょう ?

フン ! 生活 を 保障 して 家事 を やら せる 点 で 同じです

愛 が ある か どう か この 違い は 大きい わ よ

愛情 で ごまかして る うち は な

ホント ややこしい ヤツ だ な 桑野 信 介

それでは 桑野 さん を こき下ろす 会 を 始め ま ー す

はい ( みちる ) どうぞ

あの 男 は 大体 自分勝手な んだ よ

だから 何でも 自分 の 都合 が 通る と 思って て さ

それ に 人 を 自分 より 下 に 見る だろう ?

だから 世の中 みんな バカ ばっかり だ と 思って んだ よ

あと 言う べき こと を 全然 言わ ない くせ に

なんか 余計な こと ばっかり 言う んだ よ な あいつ ホントに

あっ … この 人 おかわり ( バーテンダー ) はい

そのくせ 仕事 だけ は ちゃんと して んだ よ

作る 家 は どこ に 出して も 恥ずかしく ない し

お 客 さん に 喜ば れて る し … うん

たまに は 思いやり あったり も する し

時々 かわいかったり する んだ よ な うん

褒め てるよ ( 英治 ) えっ ?

ちゃんと 仲直り したら ? ( 英治 ) いや …

どうぞ ( 英治 ) あっ …

( バーテンダー ) いらっしゃい ませ ( 英治 ) ああ っ ! 金田

( 金田 ) ハァ … いつも の ( バーテンダー ) はい

今日 は お 1 人 です か ? ( 金田 ) うん たまに はね

あっ …

いや あいつ は ダメ やめ といた ほう が いい よ

金持ち そう じゃ ない ( 千鶴 ) 時計 カルティエ だ よ

どうせ 親 の 金 だ よ 全然 仕事 して ないし

親 の 金 だって いい じゃ ん ( 英治 ) え えっ

羨ま し いよ な 美女 2 人 と 酒 が 飲める なんて

いや ぁ …

こんな 時間 に 何 やって る んです か ?

眠れ なくて

だから って ウロウロ し ないで ください

娯楽 室 と か ない の ?

旅館 じゃ ない んです から

まったく … 病院 って 所 は …

まだ 怒って んだ ?

松野 さん ピンチヒッター OK して くれた

今日 は ね クライアント の 達 川 さま に あなた に ―

設計 や って もらえ なく なった こと おわび に 行って きた

特に 奥さま が 残念がって くださって ね

これ まで 家事 を 楽しい と 思って やった こと ない んだ って

だから あなた の 作る キッチン 楽しみに して くださって た の よ

フン ! キッチン に そこ まで 期待 さ れて も な

フフッ … 私 も そう 思った

でも ありがたい 話 じゃ ない

まあ 次の 仕事 頑張る こと ね 私 そろそろ 行か ない と

それ じゃ … 静かに 寝て ん の よ

( 戸 の 開閉 音 )

どういう こと ? ( 信 介 ) 何 が ?

“ 何 が ?” じゃ ない わ よ !

たった今 松野 さん から 電話 が あった の

ああ “ ピンチヒッター は 結構です ” って 電話 した んだ

あなた まさか やる つもりな の ?

入院 し て遅れ が 出て る し 体調 だって よく ない んでしょう ?

俺 は な そうめん ゆで 始めて から ショウガ が ない こと に 気づいたら

どうしても 買い に 行か なきゃ いけない

どう しよう も ない 性質 なんだ しか も な ―

チューブ 入り の ショウガ じゃ ダメな んだ

何の 話 ? ( 信 介 ) まあ そういう こと だ

クライアント に は 俺 が やる って 言 っと いて くれ じゃ …

分から ん …

( 育代 ( いくよ )) ホントに 縛ら れる の が ダメな んです よ あいつ は

これ まで 何 度 か こういう こと が あった んです けど

フフッ … 覚えて ない わ

ウチ でも 前 に あった んです ( 育代 ) そう な んです か

あの 子 も 結婚 すれば

ちょっと は マシ に なる か と は 思って いる んです けど ね

でも あの 人 時々 ちゃんと した こと も 言い ます よ

昨日 も “ 奥さん に 家事 を やって もらう ため に 結婚 する なら ”

“ 家政 婦 雇う の と 同じだ ” って ( 育代 ) 偉 そうな こと を !

まあ 自分 が 結婚 でき ない もん だ から

まあ 悔し紛れに そう 言って る だけ でしょう

ハァ … ホント どうし よう も ない 息子 です よ

やる ぞ … ハァ …

あれ ?

( 携帯 電話 の 着信 音 )

あれ ? ない … ちくしょう

はい ( 夏美 ) もしもし 早坂 です

( 信 介 ) 病院 抜け出した の は 謝り ます

でも 今 あなた と 話して る 場合 じゃ ない んで

忘れ物 した でしょう ? 病院 に ( 信 介 ) えっ ?

( 夏美 )“ 達 川 邸 設計 データ ” って 書いて あり ます

大切な 物 じゃ ない んです か ?

これ まで の データ が 全部 入って る んです

( 信 介 ) 返して もらえ ます か ?

お返し する に は 条件 が あり ます ( 信 介 ) 聞き ましょう

( 夏美 ) これ から 伺い ます から 診察 さ せて ください

は ぁ ?

もう 一 度 心臓 の 聴 診 と 血圧 を 測ら せて ください

( 夏美 ) OK でしたら 仕事 する こと を 認め ます

フフッ … “ 認める ” って 何 さま の つもり だ !

お 医者 さま です

家 に 入る つもりです か ?

病院 まで 来て いただいて も いい んです よ 時間 が あれば

あり ませ ん ! 仕事 が ある んで

じゃ 私 が 行く しか ない でしょう ? ( 信 介 ) ハァ …

… だったら さっさと 来て もらえ ます か ?

その メモリー が ない と 仕事 が でき ない んです

今 … 下 に い ます ( 信 介 ) えっ

どうも ( 信 介 ) どうも

大丈夫です か ? ( 信 介 ) 大丈夫です

いいかげん 観念 したら どう です か ?

メモリー 持ってきて もらえた でしょう ね ?

持って ます よ

ああ ! ( 夏美 ) ああ !

あっ ! ああ っ !

( ドア を たたく 音 ) ちょっと ! 開け なさい よ !

( 夏美 ) 卑怯 者 ! ( 信 介 ) ざ まあ みろ って んだ

桑野 さん ! 開け なさい よ !

ちょっと ! ( ドア を たたく 音 )

ああ ムカ つく ! ( みちる ) とんでもない 人 です ね

このまま で 済ませる もん です か !

( 携帯 電話 の 着信 音 )

はい … うん どうした の ?

桑野 さん が 病院 抜け出して 仕事 して る って 沢崎 さん から 聞いて

手伝おう と 思って 前 まで 来た んだ けど

ふ ~ ん …

桑野 さん に どう 言えば いい かな ?

えっ ? 私 に 聞か れて も …

あっ … まあ とりあえず 家 来る ? 夏美 さん も いる し

( 呼び出し 音 ) うーん … 出 ない なぁ

英治 君 が 来れば さすが に ドア は 開ける でしょう ?

その 隙 を ついて こう … こじあけて !

そんな カッカ して る 夏美 さん 初めて 見 ました

当然でしょう ?

( 物音 ) なに ? 今 の 音

ダメです 完全 無視 ( 夏美 ) ハァ …

まあ これ 飲んで 落ち着いて ください

うん

ハァ …

まさか 倒れて る んじゃ … ( みちる ・ 英治 ) えっ ?

昨日 も 倒れた んです よ ね ?

前 に 私 が 倒れた とき 桑野 さん この 外側 越えて 来た みたいです よ

え えっ … マジ ?

うわ っ ! ムリムリムリ

どう し ます ? ( 夏美 ) ハァ …

( 蹴破る 音 )

( 英治 ) よい しょ

よい しょ … うわ ぁ … わりと 簡単に 侵入 でき んだ な

どうぞ ( 夏美 ・ みちる ) うん

よい しょ …

( 夏美 ) ああ っ ! ( 英治 ) えっ ?

( 夏美 ) 桑野 さん ? ( 英治 ) えっ 桑野 さん !

( 夏美 たち ) 桑野 さん ! 桑野 さん ! 桑野 さん ! 桑野 さん !

( 夏美 ) 桑野 さん ! ( 英治 ) くわ … あっ …

( 窓 を たたく 音 ) ( 夏美 ) 桑野 さん !

何 だ ? ( 窓 を たたく 音 )

何 して んだ !

ああ っ ! ちょっと …

あ ~ あ … 壊して … ( 夏美 ) さあ 診察 さ せて ください

しつこい 人 です ね ( 夏美 ) 仕事 です から

こっち も ね 仕事 中 な んです よ

( みちる ) あっ ! ケン ちゃん ( 信 介 ) あっ … おい ちょっと …

おい 何 して んだ ? お前 人 の 牛乳 勝手に 飲む な

シッ ! ちょっと … シッ ! シッ !

シッ ! おいおい シッ ! シッ ! シッ ! シッ !

ちょ っ … ちょ … ちょっと ちょ ちょ ちょ … ちょ ちょ …

帰れ ( 英治 ) 俺 … 仕事 手伝い ます

今夜 は いい …

あした 事務 所 で パース 起こして くれ

はい ( 信 介 ) ちゃん と 片づけて 帰れよ

ハァ … まったく 油断 も 隙 も あった もん じゃ ない な

え えっ

うん ?

診察 し ます ( 信 介 ) おい !

あなた が プロ の 建築 家 なら 私 は プロ の 医者 です

仕事 さ せて ください

胸 を 出して ください ( 信 介 ) えっ ?

何 か ? ( 信 介 ) 別に

… で どう です か ? ( 夏美 ) 少し 血圧 が 高い ようです ね

ホント は 安静に して もらい たい んです けど

まあ 出した お 薬 を ―

ちゃんと のむ と いう 条件 で OK し ましょう

もう 40 な んです から 昔 みたいに は いか ない んです よ

それ じゃ

あっ …

隣 で 料理 作って あと で 運ぶ んで 食べて ください

どうも ( 夏美 ) それ じゃ

( 英治 ) うまい ね ( 夏美 ) うん うまい うまい

( 英治 ) あの … ちょっと 思った んです けど ニンジン って

こう やって むいて る と 手 が かゆく なって くる もん です か

( 夏美 ) え えっ それ 初耳

( 英治 ) 僕 こういう 感じ で むい てれば い い ん ス かね ?

( 笑い声 )

よし

( 摩耶 ) “ 自然 と 家族 の みんな が 集まる キッチン ” と いう コンセプト で

桑野 が 設計 いたし ました

娘 さん と 並んで 料理 が できる ように 横幅 を かなり 広 めに 取って おり ます

( 達 川 の 妻 ) ありがとう ございます 桑野 さん は ?

今日 は あいにく 久しぶりに お 休み を いただいて い ます

“ よろしく お 伝え して ください ” と の こと です

( 摩耶 ・ 英治 ) ありがとう ございました

( 摩耶 ) ハァ …

( 沙織 ) ただいま 戻り ました ( 摩耶 ) ああ お かえり

( 沙織 ) はい これ お土産 です ( 摩耶 ) ありがとう

サンキュー

浮気 し なかった でしょう ね ? ( 英治 ) あの さ …

浮気 する 暇 なかった と 思う よ ( 沙織 ) どう だ か

ホント だって !

お前 … 俺 が どんな 過酷な 日々 を 過ごして きた か 聞く ?

( 真理 ) 桑野 さん 大丈夫です かね ?

( 和美 ) ちゃん と 安静に して れば いい けど

大丈夫でしょう きちんと 薬 の んで 睡眠 も 取る ように 言 っと いた から

それ に 今ごろ ちゃん と 栄養 も とって る だろう し

ハァ …

( ため息 )

“ 仕事 が 終わったら 食べて ください ”

“ きん ぴら は みちる ちゃん が ”

“ ロール キャベツ は 私 が 作り ました ”

フッ … なに 自己 主張 して んだ

塩味 が きつ すぎる な しか も 煮込み 過ぎ だろう

ハァ … これ じゃ あの 女 フフッ …

結婚 でき ない な ハハハ …


結婚 でき ない 男 シーズン 1-5: 家 に 人 を 入れ ない! けっこん|||おとこ|しーずん|いえ||じん||いれ|

♪~

( 信 介 ( しん すけ )) ンンッ ! しん|かい||| (Shinsuke) Nun!

♪( 口笛 ) くちぶえ

( 笑い声 ) わらいごえ

( 指 を 鳴らす 音 ) よし ! ゆび||ならす|おと|

あれ ?

吉井 ( よし い ) 邸 の 資料 どこ やった ? よしい|||てい||しりょう||

あっ !

多分 この 中 に ある はずだ たぶん||なか|||

あれ ?

あれ ? ああ … おかしい …

あっ ! これ 写真 … 懐かしい な ||しゃしん|なつかしい|

( みちる ) 近づく んじゃ ない の ! |ちかづく|||

あれ ? おかしい … ウッ !

うん ? あった ! 分別 し と いて 良かった ||ぶんべつ||||よかった

( 男性 ) 桑野 ( くわ の ) さん に お 願い して 正解 でした だんせい|くわの||||||ねがい||せいかい|

どうも

( 女性 ) 桑野 さん って 独身 で いらっしゃる のに じょせい|くわの|||どくしん|||

主婦 の 気持ち が よく お 分かり に なる んです ね しゅふ||きもち||||わかり|||ん です|

まあ

( 摩耶 ( ま や )) それ が この 人 の 仕事 です から まや||||||じん||しごと||

( 男性 ) いつも 1 人 で 掃除 と か 洗濯 と か だんせい||じん||そうじ|||せんたく||

苦労 して らっしゃる から じゃ ないで す か ? くろう|||||||

いや 別に |べつに

( 女性 ) 失礼 よ やって くださる 女性 が いらっしゃる の よ じょせい|しつれい||||じょせい||||

( 男性 ) アハハ … そう か だんせい|||

いや そんな 者 は おり ませ ん よ ||もの|||||

家 の こと は 全部 1 人 で やって ます が 何の 苦労 も あり ませ ん いえ||||ぜんぶ|じん|||||なんの|くろう||||

( 女性 ) ああ … じょせい|

( 夏美 ( なつみ )) ハァ … はい これ お 願い ( 真理 ( まり )) はい なつみ||||||ねがい|しんり||

ハァ … 家事 って すごい 面倒 なんとか な ん ない か なぁ |かじ|||めんどう||||||

なんとか って 言わ れて も … ||いわ||

仕事 して る と さ 洗濯物 と か どんどん たまって く の よね しごと|||||せんたくもの|||||||

見 ない フリ して なんとか やり過ごして る けど み|||||やりすごして|| I pretended not to see it and managed to overdo it

( 和美 ) 問題 の 解決 に なって ませ ん よ かずみ|もんだい||かいけつ|||||

男 の 人 は 結婚 すれば お 嫁 さん に やって もらえ ます けど ね おとこ||じん||けっこん|||よめ|||||||

あ ~ あ 私 も 嫁 が 欲しい ||わたくし||よめ||ほしい

あっ …

どうぞ ( 信 介 ) はい |しん|かい|

どう さ れ ました ?

ちょっと 頭痛 が し まして ね |ずつう||||

ここ ん とこ 仕事 が 立て込んで 疲れて る せい か |||しごと||たてこんで|つかれて|||

お 薬 は のま れ ました か ? ( 信 介 ) いえ |くすり||||||しん|かい|

この 前 お 出し した 鎮痛 剤 まだ 残って ます よ ね ? |ぜん||だし||ちんつう|ざい||のこって|||

いつも の 軽い 頭痛 なら ||かるい|ずつう|

しばらく 様子 を 見る と か 少し 休む と かして |ようす||みる|||すこし|やすむ||

それ でも 治ら ない 場合 に 病院 に 来て いただけ ませ ん ? ||なおら||ばあい||びょういん||きて||| If that doesn't help, why don't you come to the hospital?

あなた みたいな 人 が いる せい で 医者 が 忙し すぎる んです ||じん|||||いしゃ||いそがし||ん です

洗濯物 そんなに たまって んです か ? ( 夏美 ) そういう 話 じゃ なくて せんたくもの|||ん です||なつみ||はなし||

家事 が でき ない こと を 患者 の せい に して いい の か なぁ かじ||||||かんじゃ|||||||| Is it okay to blame the patient for not being able to do household chores?

少し 訂正 し ます と でき ない って 言って る んじゃ ない んです すこし|ていせい|||||||いって||||ん です I'm not saying that I can't do it if I make a few corrections.

忙しくて つい おろそかに なる って 言って る んです いそがしくて|||||いって||ん です

僕 は ね 仕事 が どんなに 忙しくて も 家 の 中 が 散らかって る と ぼく|||しごと|||いそがしくて||いえ||なか||ちらかって||

もう どうしても 我慢 でき ない 性質 ( たち ) な んです よ ||がまん|||せいしつ|||ん です|

決め られた 物 は 決め られた 場所 に あって きめ||ぶつ||きめ||ばしょ||

清潔 かつ 機能 的 そういう 状態 を いつも 保つ ように して い ます せいけつ||きのう|てき||じょうたい|||たもつ|よう に|||

さぞかし きれいな お 部屋 な んでしょう ね |||へや|||

ええ … 残念 ながら お 見せ でき ませ ん |ざんねん|||みせ|||

他人 を 家 に 入れ ない 主義 な もん です から たにん||いえ||いれ||しゅぎ||||

見 たい なんて 誰 も 言って ませ ん み|||だれ||いって||

( 体温 計 の 信号 音 ) まあ とにかく たいおん|けい||しんごう|おと||

家事 が でき ない なんて 言って る 人 は 結局 は 嫌いな んです ね 家事 が かじ|||||いって||じん||けっきょく||きらいな|ん です||かじ|

そう です よ 嫌いです よ 家事 なんて |||きらいです||かじ|

それ で あなた に 迷惑 かけ ました か ? ||||めいわく|||

家事 が 嫌い か … かじ||きらい|

フフッ … 結婚 する うえ で ハンデ だろう な |けっこん||||はんで||

余計 なお 世話です よけい||せわです

ああ … なんか 頭 痛く なって きた ( 信 介 ) えっ ? 大丈夫です か ? ||あたま|いたく|||しん|かい||だいじょうぶです|

( みちる ) ああ こんばん は

( 夏美 ) ああ … 疲れた なつみ||つかれた

大変です ね 毎晩 遅く まで たいへん です||まいばん|おそく|

まあ 自分 で 選んだ 仕事 だ けど さ |じぶん||えらんだ|しごと|||

保険 の 書類 と か レセプト の チェック と かもし なきゃ いけない し ほけん||しょるい|||||ちぇっく|||||

その 上 … 桑野 さん は 来る し |うえ|くわの|||くる|

そんなに よく 来る んです か ? ||くる|ん です|

医者 の 言う こと 聞か ない わりに 来る の よ ! もう なんとか して よ いしゃ||いう||きか|||くる||||||

私 に どう しろ って … ( 夏美 ) ハァ … ごめん 愚痴 った わたくし|||||なつみ|||ぐち|

愚痴 なら 聞き ます から 飲み に 行き ましょう そうだ ! ぐち||きき|||のみ||いき||そう だ

英治 ( えいじ ) 君 も 誘って “ 桑野 さん を こき下ろす 会 ” し ませ ん ? えいじ||きみ||さそって|くわの|||こきおろす|かい|||

やろ っか ?

( 英治 ) うわ っ … やりて え ! ( みちる ) じゃ おいで よ えいじ||||||||

ああ … でも ダメ ||だめ

沙織 ( さおり ) ちゃん に 怒ら れる から ? さおり||||いから||

ああ … 今 打ち合せ 中 で さ … 急に 新しい 仕事 の 話 が 入っちゃ って |いま|うちあわせ|なか|||きゅうに|あたらしい|しごと||はなし||はいっちゃ|

そう な んだ …

今度 絶対 呼んで よ こき下ろす 会 こんど|ぜったい|よんで||こきおろす|かい

こけら落とし か ぁ … ( 英治 ) わ っ … いた ! こけらおとし|||えいじ|||

( 信 介 ) 主演 は … しん|かい|しゅえん|

じゃ また ね ( みちる ) うん … じゃ また ね

3 階建て 完全 2 世帯 同居 か 挑戦 し がい は ある な かいだて|かんぜん|せたい|どうきょ||ちょうせん|||||

でも 9 月 頭 に 着工 と なる と 時間 的に は 相当 厳しい です よ |つき|あたま||ちゃっこう||||じかん|てきに||そうとう|きびしい||

逆算 する と 今週 中 に は 設計 の 大 枠 を ― ぎゃくさん|||こんしゅう|なか|||せっけい||だい|わく|

固め なきゃ なら な いって わけ か かため||||||

でも 前田 ( まえ だ ) さん が やる 予定 だった んでしょう ? |まえた||||||よてい||

なんで でき なく なっちゃ った ん ス か ?

海外 で やって た 仕事 が 長引いちゃ って かいがい||||しごと||ながびいちゃ|

当分 日本 に 帰れ なく なった ん だって とうぶん|にっぽん||かえれ||||

おいしい 仕事 を 優先 して |しごと||ゆうせん|

余り を 俺 に 渡そう って 魂胆 か まったく 嫌 みな ヤツ だ よ あまり||おれ||わたそう||こんたん|||いや||やつ|| I don't want to give it to me

まあ どっち に しろ スケジュール 的に は 難しい です よ ||||すけじゅーる|てきに||むずかしい||

今 やって る 仕事 も ちょうど ヤマ場 です し いま|||しごと|||やまば||

ムリ なら しょうがない わ ね むり||||

“ 桑野 の 手 に は 余る ようです ” って お 断り し と くわ くわの||て|||あまる||||ことわり|||

誰 が ムリ だっ つった ? ( 摩耶 ) えっ ? だれ||むり|||まや|

やる よ   やりゃ いい んだろう ?

え えっ ? 大丈夫です か ? ( 信 介 ) あいつ に は さ ― ||だいじょうぶです||しん|かい||||

絶対 想像 も つか ない ような すごい 物 作って やる から ぜったい|そうぞう||||||ぶつ|つくって|| I'm going to make something amazing that I can never imagine

その 結果 売り上げ アップ で 給料 アップ だ ぞ |けっか|うりあげ|あっぷ||きゅうりょう|あっぷ||

やり ます か !

( 摩耶 ) 受け といて 結局 間に合わ ない なんて ことに なったら まや|うけ||けっきょく|まにあわ||||

かえって 問題 よ |もんだい|

楽勝 だ ね らくしょう||

違う な ちがう|

この 階段 な んです けど ( 作業 員 ) はい |かいだん||ん です||さぎょう|いん|

え ~ これ は …

… で こう 窓 つける と か こう もう 少し 明るく した ほう が ||まど||||||すこし|あかるく|||

ハァ … 疲れた な |つかれた|

あっ … メシ 食う の 忘れて た |めし|くう||わすれて|

時間 も ない し そうめん で 済ます か じかん||||||すます|

あれ ? ショウガ … |しょうが

ショウガ なし じゃ そうめん は 食え んだろう チッ … しょうが|||||くえ||

フン ! ふん

あれ ? こんな 時間 あった っけ ? ||じかん||

♪~

~♪

あっ 達 川 ( たつ かわ ) 邸 の 図面 でき ました ? ( 信 介 ) まだ |さとる|かわ|||てい||ずめん|||しん|かい|

あした の 朝 まで に お 願い し ます ( 信 介 ) はい ||あさ||||ねがい|||しん|かい|

“ はい ” って 何 だ よ ? お前 俺 に 指示 す んな よ ||なん|||おまえ|おれ||しじ|||

別に 指示 し たくて して んじゃ ない ッス よ べつに|しじ|||||||

いい です か ? あした に は 桑野 さん が 立 面 と 断面 を 仕上げて ||||||くわの|||た|おもて||だんめん||しあげて

俺 が 模型 作成 の 作業 に 入ら ない と おれ||もけい|さくせい||さぎょう||はいら||

3 日 後 の 打ち合わせ に 間に合わ ない ん ス よ ひ|あと||うちあわせ||まにあわ|||| I can't make it in time for the meeting three days later.

ああ そう か ( 英治 ) えっ ? |||えいじ|

楽勝 だ よ と か 言って た けど らくしょう|||||いって||

ちょっと 甘く 見て た んじゃ ない ッス か ? |あまく|みて|||||

全然 … あした の 朝 まで だろう ? やる よ ぜんぜん|||あさ||||

家 ( うち ) で やろう … お前 も 家 で やって いい ぞ いえ||||おまえ||いえ||||

ああ 俺 家 に 仕事 持ち込ま ない 主義 なんで |おれ|いえ||しごと|もちこま||しゅぎ|

家 は やっぱり 彼女 と 過ごす 場所 でしょう いえ|||かのじょ||すごす|ばしょ|

俺 は な 他人 を 家 に 持ち込ま ない 主義 なんで な おれ|||たにん||いえ||もちこま||しゅぎ||

主義 は いい けど それ じゃ 結婚 どころ か 恋人 も でき ませ ん よ しゅぎ||||||けっこん|||こいびと|||||

戸締まり して 帰れよ ( 英治 ) はい とじまり||かえれよ|えいじ|

( 店員 ) いらっしゃい ませ てんいん||

ちょっと 待った |まった

“ タウリン 3600” … 効く かな ? |きく|

( 店員 ) いらっしゃい ませ てんいん||

あっ ! 出て る |でて|

そんな 時間 ない か |じかん||

( 自動 ドア の 開く 音 ) じどう|どあ||あく|おと

( 足音 ) あしおと

ハァ … なんだ 桑野 さん ||くわの|

どこ 行く んです か ? ( 夏美 ) みちる ちゃん とこ です |いく|ん です||なつみ||||

なんで 声 かけ ない んです か ? 怖い じゃ ないで す か |こえ|||ん です||こわい||||

話しかけて 話題 が なかったら フフッ … イヤでしょう ? はなしかけて|わだい||||いやでしょう

ほら

あきれて もの が 言え ない だけ です |||いえ||| I just can't say what I'm tired of

女 同士 で 食事 です か ? おんな|どうし||しょくじ||

“ 最近 仕事 が 忙しくて ロク な 物 食べて ない ” って 言ったら さいきん|しごと||いそがしくて|||ぶつ|たべて|||いったら

何 か ごちそう する って 誘って くれた んです なん|||||さそって||ん です

フッ … 男 い ない の か ? あの 子 ( 夏美 ) 女 同士 でも 楽しい んです |おとこ||||||こ|なつみ|おんな|どうし||たのしい|ん です

食後 に 卒業 アルバム 見たり する んです か ? しょくご||そつぎょう|あるばむ|みたり||ん です|

いい でしょう ? 見た って ||みた|

ハァ ~…

よし やる か

♪( ハミング ) はみんぐ

( みちる ) さあ 召し上がれ ! ( 夏美 ) いただき ま ~ す ||めしあがれ|なつみ|||

豚肉 と ルッコラ で リゾット 作って みた んです ぶたにく|||||つくって||ん です

うん ! おいしい ( みちる ) そうです か ? |||そう です|

ふ ~ ん … 結構 ちゃんと した 物 作れる んだ ? ||けっこう|||ぶつ|つくれる|

夏美 さん が 来る と 思って 気合い 入っちゃ い ました なつみ|||くる||おもって|きあい|はいっちゃ||

いい なぁ …

家 に 帰って くる と 部屋 が 明るくて 誰 か が 料理 作って くれて て いえ||かえって|||へや||あかるくて|だれ|||りょうり|つくって||

私 も 想像 しちゃ う わたくし||そうぞう||

エプロン 着けて お 料理 して たら 旦那 さま が 仕事 から 帰って きて えぷろん|つけて||りょうり|||だんな|||しごと||かえって|

“ お かえり ! お 風呂 に する ? それとも ごはん ?” なんて |||ふろ|||||

ダメダメ ! また “ 嫁 欲しい モード ” 入って きた ||よめ|ほしい|もーど|はいって|

私 も ! 想像 して る 暇 が あったら 男 探さ ない と わたくし||そうぞう|||いとま|||おとこ|さがさ||

みちる ちゃん って 結構 いい 奥さん に なれ そう |||けっこう||おくさん|||

… でしょう ? 私 も そう 思う んです |わたくし|||おもう|ん です

でも なかなか それ を アピール する チャンス が なくて ||||あぴーる||ちゃんす||

夏美 さん は 収入 ある んだ し 専業 主夫 やって くれる 男 の 人 と なつみ|||しゅうにゅう||||せんぎょう|しゅふ|||おとこ||じん|

結婚 した って いい んじゃ ない です か ? けっこん|||||||

うーん …

そういう 選択肢 も あった か ( みちる ) うん |せんたくし|||||

桑野 さん って 家事 ちゃん と やって そうです よ ね くわの|||かじ||||そう です||

あっ … そう いえば

“ うち の 部屋 は いつも ピカピカ だ ” みたいな こ と 言って た ||へや|||ぴかぴか|||||いって|

へえ ~ どんな 部屋 だろう ? ||へや|

他人 を 部屋 に 入れ ない 主義 み たいよ たにん||へや||いれ||しゅぎ||

うわ っ ! なんか すごい 秘密 が あったり して ||||ひみつ|||

見た くない です か ? ( 夏美 ) 私 は いい みた||||なつみ|わたくし||

( 携帯 電話 の 着信 音 ) けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

( 着信 音 ) ちゃくしん|おと

はい ( 英治 ) ああ すいません あの … |えいじ|||

吉井 ( よし い ) 邸 の 図面 が 必要な ん ス けど メール で 送って もらえ ませ ん か ? よしい|||てい||ずめん||ひつような||||めーる||おくって||||

分かった ( 英治 ) あと 達 川 邸 の 平面 … わかった|えいじ||さとる|かわ|てい||へいめん

あした の 朝 まで に 間に合い そうです か ? ||あさ|||まにあい|そう です|

当然だろう … すぐ 送る よ とうぜんだろう||おくる|

ああ ちなみに そこ 夜 10 時 過ぎる と 霊 が 出る から 気 を つけろ よ |||よ|じ|すぎる||れい||でる||き|||

生意気に … なまいきに

チッ … うーん … BGM が 欲しい な ||bgm||ほしい|

♪( クラシック ) くらしっく

チッ … 違う な |ちがう|

ショルティ より バレンボイム な んだ よ な

( 携帯 電話 の 着信 音 ) けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

ハァ … はい 何 か ? ||なん|

晩 ごはん 食べ ました ? ( 信 介 ) いえ それ が 何 か ? ばん||たべ||しん|かい||||なん|

みちる ちゃん と 食事 して た んです けど |||しょくじ|||ん です|

結構 余っちゃ った んです よ ね よかったら 要り ませ ん ? けっこう|あまっちゃ||ん です||||いり||

ハハッ … 残飯 処理 です か |ざんぱん|しょり||

解釈 は お 任せ し ます かいしゃく|||まかせ||

まあ … ( おなか の 鳴る 音 ) |||なる|おと

どうしても と おっしゃる なら もらい に 行き ます ||||||いき|

( 夏美 )1 人 じゃ 持て ない んで 私 たち 持っていき ます よ なつみ|じん||もて|||わたくし||もっていき||

いえ こちら から 行き ます |||いき|

どうして そんなに 人 を 家 に 入れ たく ない んです か ? ||じん||いえ||いれ|||ん です|

よく 聞き ました ね |きき||

家 の 中 ぐらい 人間 関係 から 解放 さ れ たい から です よ いえ||なか||にんげん|かんけい||かいほう||||||

そんなに 人間 関係 ある んです か ? |にんげん|かんけい||ん です|

人 に は ね それぞれ 聖域 と いう もの が 必要な んです じん|||||せいいき|||||ひつような|ん です

じゃ いい で すよ 聖域 から 出て こっち まで 来て ください ||||せいいき||でて|||きて|

あっ 思い出した そうだ … 帰り に 寿司 買った んだ 食べ なきゃ |おもいだした|そう だ|かえり||すし|かった||たべ|

じゃ いい んです ね ? ||ん です|

私 これ から みちる ちゃん の 卒業 アルバム 見せて もらって わたくし||||||そつぎょう|あるばむ|みせて|

今夜 お 泊まり です こんや||とまり|

あっ そう です か じゃ お やすみ なさい

お やすみ なさい

やっぱり 見る の か |みる||

そうめん …

( 夏美 ) へえ ~… ねえ ねえ ねえ なつみ||||

この 中 に 好きな 人 いた の ? |なか||すきな|じん||

ウフフ … 当てて ください |あてて|

え えっ … う ~ ん … 誰 だ と 思う ? ||||だれ|||おもう

あっ ! こって ます ね ここ

あ ~ そこそこ そこそこ

ああ いい ねえ ( みちる ) フフフフ …

( せきばらい )

ああ … 疲れた な |つかれた|

おはよう ( 英治 ) おはよう ございます |えいじ||

おう ( 摩耶 ) 差し入れ |まや|さしいれ

ああ ありがとう ございます ( 信 介 ) サンキュー な |||しん|かい|さんきゅー|

おう これ ( 英治 ) はい ||えいじ|

あっ ! すごい ちゃん と でき ました ね

当たり前だ よ 仕事 に かかれ ( 英治 ) はい … あたりまえだ||しごと|||えいじ|

じゃ 桑野 さん は 今日 中 に 立 面 断面 よろしく お 願い し ます ね |くわの|||きょう|なか||た|おもて|だんめん|||ねがい|||

次 から 次 へ と な … つぎ||つぎ|||

大変 そう ね ( 信 介 ) フフッ … たいへん|||しん|かい|

おい ちゃん と 片づけろ って いつも 言って んだろう ! |||かたづけろ|||いって|

もう これ で 9 回 目 だ ぞ |||かい|め||

しょうがない じゃ ないで す か 忙しい んだ から |||||いそがしい||

は いはい 私 が やって あげ ます よ ~ ||わたくし|||||

( 英治 ) ああ すいません ホント えいじ|||ほんと

よい しょ っと

ねえ 松野 ( まつの ) さん に 聞いた んだ けど スケジュール 空いて る って |まつの||||きいた|||すけじゅーる|あいて||

松野 ? 何 が ( 摩耶 ) えっ … だ から まつの|なん||まや|||

もし 今回 の 仕事 が ムリ そう なら ピンチヒッター 頼める って こと |こんかい||しごと||むり||||たのめる||

ヤダ よ 今更 何 だ よ ? ( 摩耶 ) だって … ||いまさら|なん|||まや|

やる っつ ったら やる んだ よ 余計な こと す んな よ ! ||||||よけいな||||

もう … 心配 して 言って くれて る んじゃ ない です か |しんぱい||いって||||||

そんな 言い 方 ない んじゃ ない ッス か ? |いい|かた|||||

あっ いい の “ やる ” って 言う んだ から 任せる しか ない わ よ ね |||||いう|||まかせる|||||

じゃ 頑張って ね |がんばって|

すいません ( 摩耶 ) うん |まや|

あっ そうだ あと で 銀行 行って さ 家賃 振り込んで きて くれ ない か ? |そう だ|||ぎんこう|おこなって||やちん|ふりこんで||||

できる わけない じゃ ないで す か そんな の

えっ なんで ? ( 英治 ) いや そういう 雑用 は ||えいじ|||ざつよう|

今 まで ボランティア で やって あげて た んです よ いま||ぼらんてぃあ|||||ん です|

俺 だって 模型 作って 確認 申請 も やら なきゃ いけない し おれ||もけい|つくって|かくにん|しんせい|||||

忙しい んです よ ( 信 介 ) あっ そう … いそがしい|ん です||しん|かい||

じゃ あと で 自分 で 行こう ( 英治 ) 当然です |||じぶん||いこう|えいじ|とうぜん です

おい 金田 ( かね だ ) 更新 して る ぞ ( 英治 ) ああ そう です か |かなだ|||こうしん||||えいじ||||

ほら やっぱり こいつ 全然 仕事 して ない や |||ぜんぜん|しごと|||

親 の 金 食いつぶして 遊んで る だけ だ おや||きむ|くいつぶして|あそんで|||

そんな の より さ

こう やって 忙しく 仕事 して る ほう が いい だろう ? ||いそがしく|しごと||||||

そりゃ まあ … ( 信 介 ) 銀行 行って くれ ||しん|かい|ぎんこう|おこなって|

イヤです いやです

( 物音 ) ものおと

桑野 さん ! ちょ … 大丈夫です か くわの|||だいじょうぶです|

アハハ … 大丈夫 大丈夫 銀行 … 銀行 行か なきゃ |だいじょうぶ|だいじょうぶ|ぎんこう|ぎんこう|いか|

いや 銀行 ぐらい 行って あげ ます から |ぎんこう||おこなって|||

ああ っ ! ちょっと 桑野 さん ! 大丈夫です か ? 桑野 さん ! |||くわの||だいじょうぶです||くわの|

桑野 さん ! くわの|

( 中川 ( なか がわ )) そんなに 何 日 も 徹夜 して た んです か ? なかかわ||||なん|ひ||てつや|||ん です|

ええ ここん とこ ずっと みたいです

( 圭子 ) 最近 家 に 来 ない と 思ったら そういう こと だった の か けいこ|さいきん|いえ||らい|||おもったら|||||

( 中川 ) しょうがない な まったく なかかわ|||

( ゆみ ) しょうがない なぁ ( 圭子 ) 意地 張って |||けいこ|いじ|はって

結局 人 に 迷惑 かけて 昔 から そう な の よ この 人 は けっきょく|じん||めいわく||むかし|||||||じん|

勝手な こと ばっ か 言う な かってな||||いう|

ああ … 仕事 し ない と いけない ( 圭子 ) ああ っ … |しごと|||||けいこ||

ちょっと こら こら こら こら こら ( 信 介 ) もう 何 だ よ ? ||||||しん|かい||なん||

ええ ? 早坂 ( はやさ か ) 先生 の 診断 に よる と 過労 に よる 一過性 の 不整 脈 だ |はやさか|はや さ||せんせい||しんだん||||かろう|||いっかせい||ふせい|みゃく|

血圧 も やや 高 めだ し 2~3 日 は 安静 する ように って けつあつ|||たか|||ひ||あんせい||よう に|

もう 十分 寝た し 仕事 再開 し ない と いけない んだ よ |じゅうぶん|ねた||しごと|さいかい||||||

( 中川 ) ダメ だって ( 圭子 ) お 兄ちゃん なかかわ|だめ||けいこ||にいちゃん

もう いい んです よ ( 信 介 ) えっ ? 何 が ||ん です||しん|かい||なん|

沢崎 ( さ わざ き ) さん と 話して さわさき||||||はなして

今回 の 仕事 松野 さん に ピンチヒッター お 願い し ました こんかい||しごと|まつの|||||ねがい||

おい ! お前 ら 何 やって んだ ? 勝手に |おまえ||なん|||かってに

しょうがない でしょう この 状態 じゃ |||じょうたい|

楽し たかった だけ だろう ! ( 中川 ) そんな 言い 方 ない だろう たのし||||なかかわ||いい|かた||

桑野 さん いつも そう です よ くわの|||||

人 の 気持ち なんか 考え ないで 自分 の 都合 ばっかり じん||きもち||かんがえ||じぶん||つごう|

そんなに 俺 が 気 に 食わ ない んだったら な |おれ||き||くわ|||

いる こと ない だろう

出て け ! でて|

分かり ました よ 出て いき ます よ わかり|||でて|||

( 圭子 ) えっ … ちょ … いい の ? けいこ||||

あれ ? 今 の って クビ って こと じゃ ない よ な ? |いま|||くび||||||

フン ! こんな こと で クビ に する か ふん||||くび|||

ねえ 大丈夫 ? 彼 クビ に さ れた と 思って ない ? |だいじょうぶ|かれ|くび|||||おもって|

えっ ?

言って こよう か ? “ 誤解 し ない ように ” って いって|||ごかい|||よう に|

もう いい よ 放っとけ |||ほっとけ

… たく もう !

あれ ? 今 の って クビ って こと ? |いま|||くび||

いい や もう 知る か ! |||しる|

( ノック ) ( 戸 の 開く 音 ) |と||あく|おと

面会 謝絶 だ ! めんかい|しゃぜつ|

それ は 医者 が 決める こと です ||いしゃ||きめる||

徹夜 続き だった んです って ? てつや|つづき||ん です|

食事 も ロク に して なかった んでしょう ? しょくじ||||||

私 が 行って 料理 と か 掃除 と かして あげよう か ? わたくし||おこなって|りょうり|||そうじ||||

結構だ けっこうだ

妹 さん ぐらい いい じゃ ないで す か 部屋 に 入れた って いもうと||||||||へや||いれた|

余計 イヤです ね よけい|いやです|

あいつ は ね 昔 から 人 の 部屋 を 勝手に いじる 習性 が ある んで |||むかし||じん||へや||かってに||しゅうせい|||

でも こういう とき は さすが の お 兄ちゃん も |||||||にいちゃん|

やっぱり 結婚 し たい って 思う んじゃ ない の ? |けっこん||||おもう|||

フン ! 全く ふん|まったく

家事 と か 料理 して くれる 人 が いれば かじ|||りょうり|||じん||

仕事 に 集中 できて いい じゃ ないで す か しごと||しゅうちゅう||||||

家事 を さ せる なら 家政 婦 を 雇えば 済む 話 だ かじ|||||かせい|ふ||やとえば|すむ|はなし|

結婚 と 家政 婦 雇う の は 違う でしょう ? けっこん||かせい|ふ|やとう|||ちがう|

フン ! 生活 を 保障 して 家事 を やら せる 点 で 同じです ふん|せいかつ||ほしょう||かじ||||てん||おなじです

愛 が ある か どう か この 違い は 大きい わ よ あい|||||||ちがい||おおきい||

愛情 で ごまかして る うち は な あいじょう|||||| I'm cheating with love

ホント ややこしい ヤツ だ な 桑野 信 介 ほんと||やつ|||くわの|しん|かい

それでは 桑野 さん を こき下ろす 会 を 始め ま ー す |くわの|||こきおろす|かい||はじめ||-|

はい ( みちる ) どうぞ

あの 男 は 大体 自分勝手な んだ よ |おとこ||だいたい|じぶんかってな||

だから 何でも 自分 の 都合 が 通る と 思って て さ |なんでも|じぶん||つごう||とおる||おもって||

それ に 人 を 自分 より 下 に 見る だろう ? ||じん||じぶん||した||みる|

だから 世の中 みんな バカ ばっかり だ と 思って んだ よ |よのなか||ばか||||おもって||

あと 言う べき こと を 全然 言わ ない くせ に |いう||||ぜんぜん|いわ|||

なんか 余計な こと ばっかり 言う んだ よ な あいつ ホントに |よけいな|||いう|||||ほんとに

あっ … この 人 おかわり ( バーテンダー ) はい ||じん|||

そのくせ 仕事 だけ は ちゃんと して んだ よ |しごと||||||

作る 家 は どこ に 出して も 恥ずかしく ない し つくる|いえ||||だして||はずかしく||

お 客 さん に 喜ば れて る し … うん |きゃく|||よろこば||||

たまに は 思いやり あったり も する し ||おもいやり||||

時々 かわいかったり する んだ よ な うん ときどき||||||

褒め てるよ ( 英治 ) えっ ? ほめ||えいじ|

ちゃんと 仲直り したら ? ( 英治 ) いや … |なかなおり||えいじ|

どうぞ ( 英治 ) あっ … |えいじ|

( バーテンダー ) いらっしゃい ませ ( 英治 ) ああ っ ! 金田 |||えいじ|||かなだ

( 金田 ) ハァ … いつも の ( バーテンダー ) はい かなだ|||||

今日 は お 1 人 です か ? ( 金田 ) うん たまに はね きょう|||じん|||かなだ|||

あっ …

いや あいつ は ダメ やめ といた ほう が いい よ |||だめ||||||

金持ち そう じゃ ない ( 千鶴 ) 時計 カルティエ だ よ かねもち||||ちず|とけい|||

どうせ 親 の 金 だ よ 全然 仕事 して ないし |おや||きむ|||ぜんぜん|しごと||

親 の 金 だって いい じゃ ん ( 英治 ) え えっ おや||きむ|||||えいじ||

羨ま し いよ な 美女 2 人 と 酒 が 飲める なんて うらやま||||びじょ|じん||さけ||のめる|

いや ぁ …

こんな 時間 に 何 やって る んです か ? |じかん||なん|||ん です|

眠れ なくて ねむれ|

だから って ウロウロ し ないで ください ||うろうろ|||

娯楽 室 と か ない の ? ごらく|しつ||||

旅館 じゃ ない んです から りょかん|||ん です|

まったく … 病院 って 所 は … |びょういん||しょ|

まだ 怒って んだ ? |いかって|

松野 さん ピンチヒッター OK して くれた まつの|||ok||

今日 は ね   クライアント の 達 川 さま に あなた に ― きょう|||||さとる|かわ||||

設計 や って もらえ なく なった こと おわび に 行って きた せっけい|||||||||おこなって|

特に 奥さま が 残念がって くださって ね とくに|おくさま||ざんねんがって||

これ まで 家事 を 楽しい と 思って やった こと ない んだ って ||かじ||たのしい||おもって|||||

だから あなた の 作る キッチン 楽しみに して くださって た の よ |||つくる|きっちん|たのしみに|||||

フン ! キッチン に そこ まで 期待 さ れて も な ふん|きっちん||||きたい||||

フフッ … 私 も そう 思った |わたくし|||おもった

でも ありがたい 話 じゃ ない ||はなし||

まあ 次の 仕事 頑張る こと ね 私 そろそろ 行か ない と |つぎの|しごと|がんばる|||わたくし||いか||

それ じゃ … 静かに 寝て ん の よ ||しずかに|ねて|||

( 戸 の 開閉 音 ) と||かいへい|おと

どういう こと ? ( 信 介 ) 何 が ? ||しん|かい|なん|

“ 何 が ?” じゃ ない わ よ ! なん|||||

たった今 松野 さん から 電話 が あった の たったいま|まつの|||でんわ|||

ああ “ ピンチヒッター は 結構です ” って 電話 した んだ |||けっこうです||でんわ||

あなた まさか やる つもりな の ?

入院 し て遅れ が 出て る し 体調 だって よく ない んでしょう ? にゅういん||ておくれ||でて|||たいちょう||||

俺 は な そうめん ゆで 始めて から ショウガ が ない こと に 気づいたら おれ|||||はじめて||しょうが|||||きづいたら

どうしても 買い に 行か なきゃ いけない |かい||いか||

どう しよう も ない 性質 なんだ しか も な ― ||||せいしつ||||

チューブ 入り の ショウガ じゃ ダメな んだ ちゅーぶ|はいり||しょうが||だめな|

何の 話 ? ( 信 介 ) まあ そういう こと だ なんの|はなし|しん|かい||||

クライアント に は 俺 が やる って 言 っと いて くれ じゃ … |||おれ||||げん||||

分から ん … わから|

( 育代 ( いくよ )) ホントに 縛ら れる の が ダメな んです よ あいつ は いくよ||ほんとに|しばら||||だめな|ん です|||

これ まで 何 度 か こういう こと が あった んです けど ||なん|たび||||||ん です|

フフッ … 覚えて ない わ |おぼえて||

ウチ でも 前 に あった んです ( 育代 ) そう な んです か うち||ぜん|||ん です|いくよ|||ん です|

あの 子 も 結婚 すれば |こ||けっこん|

ちょっと は マシ に なる か と は 思って いる んです けど ね ||||||||おもって||ん です||

でも あの 人 時々 ちゃんと した こと も 言い ます よ ||じん|ときどき|||||いい||

昨日 も “ 奥さん に 家事 を やって もらう ため に 結婚 する なら ” きのう||おくさん||かじ||||||けっこん|| Yesterday, “If you get married to get your wife to do the housework”

“ 家政 婦 雇う の と 同じだ ” って ( 育代 ) 偉 そうな こと を ! かせい|ふ|やとう|||おなじだ||いくよ|えら|そう な||

まあ 自分 が 結婚 でき ない もん だ から |じぶん||けっこん|||||

まあ 悔し紛れに そう 言って る だけ でしょう |くやしまぎれに||いって|||

ハァ … ホント どうし よう も ない 息子 です よ |ほんと|どう し||||むすこ||

やる ぞ … ハァ …

あれ ?

( 携帯 電話 の 着信 音 ) けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

あれ ? ない … ちくしょう

はい ( 夏美 ) もしもし 早坂 です |なつみ||はやさか|

( 信 介 ) 病院 抜け出した の は 謝り ます しん|かい|びょういん|ぬけだした|||あやまり|

でも 今 あなた と 話して る 場合 じゃ ない んで |いま|||はなして||ばあい|||

忘れ物 した でしょう ? 病院 に ( 信 介 ) えっ ? わすれもの|||びょういん||しん|かい|

( 夏美 )“ 達 川 邸 設計 データ ” って 書いて あり ます なつみ|さとる|かわ|てい|せっけい|でーた||かいて||

大切な 物 じゃ ない んです か ? たいせつな|ぶつ|||ん です|

これ まで の データ が 全部 入って る んです |||でーた||ぜんぶ|はいって||ん です

( 信 介 ) 返して もらえ ます か ? しん|かい|かえして|||

お返し する に は 条件 が あり ます ( 信 介 ) 聞き ましょう おかえし||||じょうけん||||しん|かい|きき|

( 夏美 ) これ から 伺い ます から 診察 さ せて ください なつみ|||うかがい|||しんさつ|||

は ぁ ?

もう 一 度 心臓 の 聴 診 と 血圧 を 測ら せて ください |ひと|たび|しんぞう||き|み||けつあつ||はから||

( 夏美 ) OK でしたら 仕事 する こと を 認め ます なつみ|ok||しごと||||みとめ|

フフッ … “ 認める ” って 何 さま の つもり だ ! |みとめる||なん||||

お 医者 さま です |いしゃ||

家 に 入る つもりです か ? いえ||はいる||

病院 まで 来て いただいて も いい んです よ 時間 が あれば びょういん||きて||||ん です||じかん||

あり ませ ん ! 仕事 が ある んで |||しごと|||

じゃ 私 が 行く しか ない でしょう ? ( 信 介 ) ハァ … |わたくし||いく||||しん|かい|

… だったら さっさと 来て もらえ ます か ? ||きて|||

その メモリー が ない と 仕事 が でき ない んです |めもりー||||しごと||||ん です

今 … 下 に い ます ( 信 介 ) えっ いま|した||||しん|かい|

どうも ( 信 介 ) どうも |しん|かい|

大丈夫です か ? ( 信 介 ) 大丈夫です だいじょうぶです||しん|かい|だいじょうぶです

いいかげん 観念 したら どう です か ? |かんねん||||

メモリー 持ってきて もらえた でしょう ね ? めもりー|もってきて|||

持って ます よ もって||

ああ ! ( 夏美 ) ああ ! |なつみ|

あっ ! ああ っ !

( ドア を たたく 音 ) ちょっと ! 開け なさい よ ! どあ|||おと||あけ||

( 夏美 ) 卑怯 者 ! ( 信 介 ) ざ まあ みろ って んだ なつみ|ひきょう|もの|しん|かい|||||

桑野 さん ! 開け なさい よ ! くわの||あけ||

ちょっと ! ( ドア を たたく 音 ) |どあ|||おと

ああ ムカ つく ! ( みちる ) とんでもない 人 です ね |||||じん||

このまま で 済ませる もん です か ! ||すませる|||

( 携帯 電話 の 着信 音 ) けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

はい … うん どうした の ?

桑野 さん が 病院 抜け出して 仕事 して る って 沢崎 さん から 聞いて くわの|||びょういん|ぬけだして|しごと||||さわさき|||きいて

手伝おう と 思って 前 まで 来た んだ けど てつだおう||おもって|ぜん||きた||

ふ ~ ん …

桑野 さん に どう 言えば いい かな ? くわの||||いえば||

えっ ? 私 に 聞か れて も … |わたくし||きか||

あっ … まあ とりあえず 家 来る ? 夏美 さん も いる し |||いえ|くる|なつみ||||

( 呼び出し 音 ) うーん … 出 ない なぁ よびだし|おと||だ||

英治 君 が 来れば さすが に ドア は 開ける でしょう ? えいじ|きみ||くれば|||どあ||あける|

その 隙 を ついて こう … こじあけて ! |すき||||

そんな カッカ して る 夏美 さん 初めて 見 ました |かっか|||なつみ||はじめて|み|

当然でしょう ? とうぜんでしょう

( 物音 ) なに ? 今 の 音 ものおと||いま||おと

ダメです 完全 無視 ( 夏美 ) ハァ … だめです|かんぜん|むし|なつみ|

まあ これ 飲んで 落ち着いて ください ||のんで|おちついて|

うん

ハァ …

まさか 倒れて る んじゃ … ( みちる ・ 英治 ) えっ ? |たおれて||||えいじ|

昨日 も 倒れた んです よ ね ? きのう||たおれた|ん です||

前 に 私 が 倒れた とき 桑野 さん この 外側 越えて 来た みたいです よ ぜん||わたくし||たおれた||くわの|||そとがわ|こえて|きた||

え えっ … マジ ?

うわ っ ! ムリムリムリ

どう し ます ? ( 夏美 ) ハァ … |||なつみ|

( 蹴破る 音 ) けやぶる|おと

( 英治 ) よい しょ えいじ||

よい しょ … うわ ぁ … わりと 簡単に 侵入 でき んだ な |||||かんたんに|しんにゅう|||

どうぞ ( 夏美 ・ みちる ) うん |なつみ||

よい しょ …

( 夏美 ) ああ っ ! ( 英治 ) えっ ? なつみ|||えいじ|

( 夏美 ) 桑野 さん ? ( 英治 ) えっ 桑野 さん ! なつみ|くわの||えいじ||くわの|

( 夏美 たち ) 桑野 さん ! 桑野 さん ! 桑野 さん ! 桑野 さん ! なつみ||くわの||くわの||くわの||くわの|

( 夏美 ) 桑野 さん ! ( 英治 ) くわ … あっ … なつみ|くわの||えいじ||

( 窓 を たたく 音 ) ( 夏美 ) 桑野 さん ! まど|||おと|なつみ|くわの|

何 だ ? ( 窓 を たたく 音 ) なん||まど|||おと

何 して んだ ! なん||

ああ っ ! ちょっと …

あ ~ あ … 壊して … ( 夏美 ) さあ 診察 さ せて ください ||こわして|なつみ||しんさつ|||

しつこい 人 です ね ( 夏美 ) 仕事 です から |じん|||なつみ|しごと||

こっち も ね 仕事 中 な んです よ |||しごと|なか||ん です|

( みちる ) あっ ! ケン ちゃん ( 信 介 ) あっ … おい ちょっと … ||けん||しん|かい|||

おい 何 して んだ ?  お前 人 の 牛乳 勝手に 飲む な |なん|||おまえ|じん||ぎゅうにゅう|かってに|のむ|

シッ ! ちょっと … シッ ! シッ !

シッ ! おいおい シッ ! シッ ! シッ ! シッ !

ちょ っ … ちょ … ちょっと ちょ ちょ ちょ … ちょ ちょ …

帰れ ( 英治 ) 俺 … 仕事 手伝い ます かえれ|えいじ|おれ|しごと|てつだい|

今夜 は いい … こんや||

あした 事務 所 で パース 起こして くれ |じむ|しょ|||おこして|

はい ( 信 介 ) ちゃん と 片づけて 帰れよ |しん|かい|||かたづけて|かえれよ

ハァ … まったく 油断 も 隙 も あった もん じゃ ない な ||ゆだん||すき||||||

え えっ

うん ?

診察 し ます ( 信 介 ) おい ! しんさつ|||しん|かい|

あなた が プロ の 建築 家 なら 私 は プロ の 医者 です ||ぷろ||けんちく|いえ||わたくし||ぷろ||いしゃ|

仕事 さ せて ください しごと|||

胸 を 出して ください ( 信 介 ) えっ ? むね||だして||しん|かい|

何 か ? ( 信 介 ) 別に なん||しん|かい|べつに

… で どう です か ? ( 夏美 ) 少し 血圧 が 高い ようです ね ||||なつみ|すこし|けつあつ||たかい||

ホント は 安静に して もらい たい んです けど ほんと||あんせいに||||ん です|

まあ 出した お 薬 を ― |だした||くすり|

ちゃんと のむ と いう 条件 で OK し ましょう ||||じょうけん||ok||

もう 40 な んです から 昔 みたいに は いか ない んです よ ||ん です||むかし|||||ん です|

それ じゃ

あっ …

隣 で 料理 作って あと で 運ぶ んで 食べて ください となり||りょうり|つくって|||はこぶ||たべて|

どうも ( 夏美 ) それ じゃ |なつみ||

( 英治 ) うまい ね ( 夏美 ) うん うまい うまい えいじ|||なつみ|||

( 英治 ) あの … ちょっと 思った んです けど ニンジン って えいじ|||おもった|ん です||にんじん|

こう やって むいて る と 手 が かゆく なって くる もん です か |||||て|||||||

( 夏美 ) え えっ それ 初耳 なつみ||||はつみみ

( 英治 ) 僕 こういう 感じ で むい てれば い い ん ス かね ? えいじ|ぼく||かんじ||||||||

( 笑い声 ) わらいごえ

よし

( 摩耶 ) “ 自然 と 家族 の みんな が 集まる キッチン ” と いう コンセプト で まや|しぜん||かぞく||||あつまる|きっちん|||こんせぷと|

桑野 が 設計 いたし ました くわの||せっけい||

娘 さん と 並んで 料理 が できる ように 横幅 を かなり 広 めに 取って おり ます むすめ|||ならんで|りょうり|||よう に|よこはば|||ひろ||とって||

( 達 川 の 妻 ) ありがとう ございます 桑野 さん は ? さとる|かわ||つま|||くわの||

今日 は あいにく 久しぶりに お 休み を いただいて い ます きょう|||ひさしぶりに||やすみ||||

“ よろしく お 伝え して ください ” と の こと です ||つたえ||||||

( 摩耶 ・ 英治 ) ありがとう ございました まや|えいじ||

( 摩耶 ) ハァ … まや|

( 沙織 ) ただいま 戻り ました ( 摩耶 ) ああ お かえり さおり||もどり||まや|||

( 沙織 ) はい これ お土産 です ( 摩耶 ) ありがとう さおり|||おみやげ||まや|

サンキュー さんきゅー

浮気 し なかった でしょう ね ? ( 英治 ) あの さ … うわき|||||えいじ||

浮気 する 暇 なかった と 思う よ ( 沙織 ) どう だ か うわき||いとま|||おもう||さおり|||

ホント だって ! ほんと|

お前 … 俺 が どんな 過酷な 日々 を 過ごして きた か 聞く ? おまえ|おれ|||かこくな|ひび||すごして|||きく

( 真理 ) 桑野 さん 大丈夫です かね ? しんり|くわの||だいじょうぶです|

( 和美 ) ちゃん と 安静に して れば いい けど かずみ|||あんせいに||||

大丈夫でしょう きちんと 薬 の んで 睡眠 も 取る ように 言 っと いた から だいじょうぶでしょう||くすり|||すいみん||とる|よう に|げん|||

それ に 今ごろ ちゃん と 栄養 も とって る だろう し ||いまごろ|||えいよう|||||

ハァ …

( ため息 ) ためいき

“ 仕事 が 終わったら 食べて ください ” しごと||おわったら|たべて|

“ きん ぴら は みちる ちゃん が ”

“ ロール キャベツ は 私 が 作り ました ” ろーる|きゃべつ||わたくし||つくり|

フッ … なに 自己 主張 して んだ ||じこ|しゅちょう||

塩味 が きつ すぎる な しか も 煮込み 過ぎ だろう しおあじ|||||||にこみ|すぎ|

ハァ … これ じゃ あの 女 フフッ … ||||おんな|

結婚 でき ない な ハハハ … けっこん||||