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ゴシック (Gosick), Gosick Episode 6

Gosick Episode 6

♪ ~

~ ♪

( アブリル ) それ で ね 図書 館 の 植物 園 に は ―

灰色 狼 ( は い いろ おおかみ ) が いる ん です って

( 一弥 ( かず や ) ) えっ 灰色 狼 ?

金色 の 妖精 じゃ なく て ?

その 怪談 は もう 古い の

人間 の 言葉 を しゃべる とても 頭 の いい 狼 らしい わ

何でも キラキラ し た もの が 好き みたい な の

僕 の 知って いる 灰色 狼 は お 菓子 の 方 が 好き な ん だ けど

( アブリル ) さあ 久 城 ( くじょう ) 君 ! ( 一弥 ) わ っ

灰色 狼 を おびき寄せる キラキラ を 探す の よ !

は ぁ …

( 一弥 ) アブリル は 学園 に も この 街 に も すっかり な じん で ―

いつの間にか 僕 より も いっぱい 学園 の 秘密 を 知って ―

僕 より も 全然 友達 を …

でも ヴィクトリカ の こと は 僕 しか 知ら ない ん だ から

あら ? あれ 何かしら ?

( 一弥 ) ん ? ( アブリル ) ほら

( 少年 ) わ あ …

( ロスコー ) ふ っ

ん ~

ん ~

ん ~

はっ !

( 観客 ) おお ~ !

ああ ?

うん ? あっ う っ …

ハハ …

何 だ つま ん ない の 行 こ う

待って アブリル

ん ? あ あっ

ぼ … 僕 の 教科 書 !

わ っ !

ん ?

えっ … えっ ?

あの … わ っ !

( ロスコー ) フッ

すごい

でも 僕 の 教科 書 …

( アブリル ) 久 城 君 ?

あっ ちょ っ ちょっと 待って !

何 ? その 帽子

ちょっと ね

アブリル 後 で 教科 書 写さ せ て もら える ?

えっ ?

( ミルドレッド ) あんた たち ( 2 人 ) ん ?

( ミルドレッド ) 見 て いき な よ

( アブリル ) まあ ( ミルドレッド ) フフン さあ さあ

( アブリル ) わ あ

( 一弥 ) 何だか お 酒 くさい

( アブリル ) わ あ

あっ … ああ !

なんて すてき な お 皿 !

この ドレスデン 皿 は ―

信者 の 奥さん が 持って き た ん だ けど ―

相当 な 歴史 が ある らしい よ

( 一弥 ) ん …

すごく 高 そう だ なあ

なら こいつ は どう だい ?

あっ オルゴール ?

うん

フフッ

( アブリル ) キャッ ! う っ … ( 一弥 ) あっ

ま … また ハト ?

( 人々 の どよめき )

( ミルドレッド ) う わ あっ ! ( アブリル ・ 一弥 ) あっ !

( 一弥 ) ハァ ハァ ハァ …

ヴィクトリ カー

ヴィクトリ カー !

あ あっ !

もう ヴィクトリカ こんなに 散らかし て

( ヴィクトリカ ) ん … ん ?

ああ … だらしない ん だ から

ちゃんと 自分 で 片づけ て よ

これ は 帽子 か ?

へんてこ な 形状 を し て いる

ああ それ は 君 へ の お みや …

あっ !

飽き た

あの ね 君

帽子 は 遊ぶ もの じゃ なく て かぶる もの な ん だ よ

かぶる 前 に 飽き ない で よ

あっ そう だ

この 帽子 を 手 に 入れ た のみ の 市 で ね ―

おかしな 盗難 事件 が 起こった ん だ

盗難 事件 ?

( 一弥 ) それ で ね オルゴール が 破裂 し た と 思ったら ―

ハト が 飛び出し て

今日 は ハト に 縁 が ある 1 日 …

いや そんな こと より 皿 !

騒ぎ の 中 で ドレスデン 皿 が 消え た ん だ よ

( あくび )

なんと 単純 な 欠 片 ( かけら ) だ

こんな もの は 混沌 ( カオス ) など と は 呼 べ ない

ウソ

( ヴィクトリカ ) ああ 退屈 だ 死ぬ かも しれ ない

それ ぐらい ひどく 退屈 だ

じゃあ その 帽子 でも かぶれ ば ?

( ヴィクトリカ ) ふむ

( エレベーター の 作動 音 ) ( 一弥 ) ん ?

( エレベーター の 到着 音 )

( グレ ヴィール ) や あ 子 リス よ !

今日 の 毛並み の 調子 は …

お っ … ん ん ?

う う っ !

くっ … コル デリア ・ ギャロ !

ぐ っ … どう し て 貴 様 が ここ に !

コル デリア ?

違う 私 だ

むっ ! な … 何 だ 紛らわしい

ねえ コル デリア ・ ギャロ って ?

( ヴィクトリカ ) 君 も おおかた 同じ 用件 だ ろ う

グレ ヴィール

( グレ ヴィール ) ふん

皿 を 盗 ん だ 犯人 は シスター 以外 に は あり え ない

久 城 君 の 話 を 聞く かぎり で は ね

( 一弥 ) えっ ? ( ヴィクトリカ ) オルゴール に は ―

手 に 取った とたん 破裂 する 仕掛け が し て あった の だ

更に 人々 の 目 を 引きつける ため ―

スカート から ハト を 出し た

ス … スカート ?

( ヴィクトリカ ) 慎み深い はず の シスター が ―

まるで 男 の よう に 両足 を 広げ て 座って い た

それ は 足 と 足 と の 間 に ハト を 隠し て い た から だ ろ う

人々 が 驚 い て ハト を 見上げ て いる 間 に ―

スカート の 中 に 今度 は 皿 を 隠す

それ から 叫ぶ “ 皿 が なくなった ” と

( グレ ヴィール ) まいった な ( 一弥 ) えっ ?

あっ いや …

おや どこ か で ワライカワセミ が 鳴 い て いる

失礼 する よ

( エレベーター の 作動 音 )

もう … 何 な ん だ よ

あっ そう だ ねえ ヴィクトリカ

さっき の コル デリア って …

もう

( 一弥 ) “ ブロワ 名 警部 脱帽 ”

“ 消え た ドレスデン 皿 行方 分から ず ” か

お っか しい な

いつも なら すぐ に 犯人 を 捕まえ て ―

お 手柄 だ の 何 だの って 書きたて られる のに

ん ? 何 だ ろ この 記事

“ 灰色 狼 の 末 えい に 告 ぐ ”

“ 近く 夏至 祭 我ら は 子孫 を 歓迎 する ”

( 一弥 ) 灰色 狼 の 村 だって

ホロヴィッツ って 町 から 行く らしく て

ほら 簡単 な 地図 も ある よ

狼 の 村 なんて ミステリアス だ ろ ?

狼 の 村 なんて ミステリアス だ ろ ?

( ヴィクトリカ ) は っ …

これ なら 君 いろいろ 想像 も できる し ―

退屈 しのぎ に なる かな って

えっ ? あ …

わ っ !

( ヴィクトリカ ) ぷ ぎ ゅっ !

( 一弥 ) えっ えー と … ヴィクトリカ ?

( ヴィクトリカ ) 痛い

だ よ ね す っ ごい 音 し た もん

痛い ったら 痛い の だ ー ! ( 一弥 ) う わ っ

そう 言わ れ て も …

わ あっ !

もう … お 菓子 を 床 に 直接 置く から

( ヴィクトリカ ) 君 が 責任 を もって 食べ た まえ

え えっ ?

ああ …

う う …

( ヴィクトリカ ) 食べ た まえ ! ( 一弥 ) えっ !

食べ ます

( ヴィクトリカ ) 食べ 終え たら 8 階 の 7 番 目 の 書棚 ―

上 から 3 段 目 右 から 31 冊 目 の 本 を 取って こい

( 一弥 ) 分かり まし た

( ヴィクトリカ ) ソヴュール で は 昔 から ―

山奥 に 入れ ば 入る ほど ―

1 つ の 怪談 が 幅 を 利かせ て いる

それ が この “ 灰色 狼 ” だ

多く は いかに も 作り 物 めい た 伝説 だ が ―

16 世紀 に 書か れ た ―

と ある イギリス 人 旅行 者 の 日記 に よる と ―

( 一弥 ) 大げさ だ なあ

( 一弥 ) 大げさ だ なあ

彼 は 人間 の 言葉 を 語る と いう 狼 と 出会う

彼 は 人間 の 言葉 を 語る と いう 狼 と 出会う

彼 は 人間 の 言葉 を 語る と いう 狼 と 出会う

いつ まで も あんな に さすっちゃ っ て

その 狼 は 聡明 で 慎み深い …

ヴィクトリカ って 痛い の が 苦手 な の か な

しかし 彼ら は 狼 と いう 名 で 呼ば れ て は いる が …

( 一弥 ) ヴィクトリカ ( ヴィクトリカ ) ん ?

あっ

( 一弥 ) え いっ ( ヴィクトリカ ) う っ …

アハハ ハハッ ビックリ し … た ?

( 一弥 ) えっ ? ( ヴィクトリカ ) う う …

う う … う っ …

軽く はじ い た だけ な の に ホント 大げさ だ なあ 君

( ヴィクトリカ ) ん ん っ ! ( 一弥 ) えっ

( ヴィクトリカ ) ん っ ( 一弥 ) あ …

う う っ … う う …

あの ヴィクトリカ ?

( ヴィクトリカ ) 久 城 …

君 が そんな 男 だ と は 思わ なかった

ご … ごめん そんなに 痛かった ? いや ちょっと …

( ヴィクトリカ ) ん っ ( 一弥 ) ああ ごめん

むっ …

君 と は 一生 口 を 利か ない !

絶交 だ !

え えっ 絶交 ! ? そんな ヴィクトリカ

軽く 小突 い た ぐらい で 絶交 だ なんて

むっ …

そう か 僕 より 本 の ほう が 好き な ん だ よ な 君 は !

( ヴィクトリカ ) ん っ …

分かった よ もう 来 ない !

( 息 を 吸う 音 ) ( 一弥 ) ん っ

本当 に もう 絶対 君 の 所 に なんて 来 ない ぞ !

ヴィクトリカ の …

うーん …

ヴィクトリカ の 痛 がり !

ふん っ

( 一弥 ) 絶交 だ なんて 言って も ―

あした お 菓子 を 持って け ば すぐ に 機嫌 は 直る だ ろ う けど さ

あー あ

いつ に なったら 教科 書 写し 終わる ん だ ろ う … ん ?

ん ?

あ … トランク が 動 い てる !

( ヴィクトリカ ) ん っ

( 一弥 ) 君 一体 何 し てる の さ ?

( ヴィクトリカ ) ん … ふん

君 学園 から 勝手 に 出 られ ない ん だ ろ う ?

それ に もう 正門 に は 鍵 が 掛かって る よ

しゃべ れ ない の ?

あっ 虫歯 だ

( ヴィクトリカ ) むっ …

寝 た まま お 菓子 食べ てる から ほっぺた 膨れ てる よ

右 あっ 左 も

あっ どんどん ひどく なる ( ヴィクトリカ ) むっ …

でも 歯 医者 に 行く なら こんな 大 荷物 いら ない よ

わ っ 何 だ よ この 荷物

着替え に 洗面 道具

お茶 セット に お 皿

人形 に 花瓶

何 ?

これ 簡易 ベッド ?

ちょっと 待って て 財布 持って くる よ

抜け道 を 教え て あげる

って 僕 も アブリル から 教え て もらった ん だ けど ね

歯 医者 に ついていって あげる から !

( ヴィクトリカ ) む う ー っ

( 一弥 ) で どう し て 僕 ―

機関 車 に なんて 乗って る ん だ ろ う ?

( 汽笛 )

ねえ ヴィクトリカ

( ヴィクトリカ ) ふん ( 一弥 ) あ …

( 一弥 ) 歯 医者 だ と ばかり 思って い た ヴィクトリカ が ―

示し た 行き先 は …

( ヴィクトリカ ) ホロヴィッツ まで

( 一弥 ) え ?

( 一弥 ) ホロヴィッツ って ―

あの 三 行 広告 に 出 て た 町 の 名前 だ よ な 確か

( ドア が 開く 音 ) ( 一弥 ) ねえ ヴィクトリカ … ん ?

( ミルドレッド ) ご 一緒 し て いい かい ?

どうぞ … あっ

おや あんた …

( ミルドレッド ) 何 だ 行き先 は 一緒 じゃ ない か

私 も ホロヴィッツ だ よ

へえ ホロヴィッツ に ?

あっ えー と …

ミルドレッド だ よ

私 は その …

育った 町 な ん だ よ だ から さ

そう だ あれ から どう なった ん です か ?

盗ま れ た 皿 は

( ミルドレッド ) チッ … さあ ね あれ きり さ

怒ら れ ち まって まいった よ

ああ ほら そろそろ 着く よ

( 汽笛 ) ( 一弥 ) ん ?

( 宿屋 の 主人 ) 今夜 は 荒れる な

こんな 夜 は 狼 が 出る

狼 ?

( 宿屋 の 主人 ) 灰色 狼 だ よ

この 辺り の 山奥 に 灰色 狼 の 村 が ある ん だ

風 の 強い 晩 に は 山 から 下り て き て ―

人 を 手 に かける

う っ あ …

あの 鳥 の 死骸 も ―

灰色 狼 が 入って こ ない よう に つるし てる ん だ

あんた ら も あの 三 行 広告 を 見 て 来 た の かい ?

じゃあ 他 に も ?

( 宿屋 の 主人 ) ああ 自動車 で 山 を 登る って 張り切って い た けど ね

勾配 が 急 すぎ て とても 無理 だ

灰色 狼 の 怒り に 触れ ない よう せいぜい 気 を つける こと だ

あの 村 で 狼 を 飼って る ん です か ?

( 宿屋 の 主人 ) いや ヤツ ら は 人間 さ

えっ ?

( 宿屋 の 主人 ) 波打つ 金色 の 髪 に バラ 色 の 頬 小さな 体

全員 判 で 押し た よう に 同じ よう な 容姿

う っ ああ …

そう こんな …

こんな 様子 な ん だ

恐るべき 静か なる 灰色 狼 たち は

えっ ヴィクトリカ ?

( ミルドレッド ) ねえ 毛布 が もう 1 枚 欲しい ん だ けど

あっ ああ

この 町 は 夜 に なる と ぐっと 冷え込む から な

( ミルドレッド ) そう み たい ね

ねえ 電話 を 貸し て もら え ない ?

ああ

( 一弥 ) あれ ? この 町 の 人 って 言って た のに

知り合い じゃ ない の か な ?

ああ 荷物 なら 持って あげる から

( ヴィクトリカ ) ん ー っ ! ふん

( 一弥 ) あっ ああ …

( ヴィクトリカ ) ん ん っ ん っ ふう …

う ~ ん …

( 風 の 音 )

あ …

う ~ ん …

( 狼 の 遠ぼえ )

( 狼 の 遠ぼえ )

はっ あっ う っ …

狼 ?

( 一弥 ) ん …

( ドア が 開く 音 ) ( 一弥 ) ん ? あっ

ヴィクトリカ

君 も あの 声 を ?

君 帽子 入れ の 中 から リス が 出 て き た よ

えっ どう いう こと ?

( ヴィクトリカ ) リス に 聞い て み れ ば よい の だ

リス 語 で な

寝ぼけ てる ?

いや 僕 と しゃべって くれる よう に なった の は うれしい けど さ

( ヴィクトリカ ) ん …

ん ?

( ヴィクトリカ ) ん ? はっ う っ あ …

あっ

う っ う う …

( 一弥 ) あっ ヴィクトリカ

わ あっ !

ど … あ あっ ! よっ

あ あっ ぐ っ

おわ っ ちょ っ ちょっと

落ち着 い て ヴィクトリカ

1 つ だけ 聞か せ て よ

君 が どう し て ここ に 来 た の か を

はっ …

ん ん っ …

学園 から 出 ちゃ いけ ない ん だ って 自分 で 言って た のに ―

それ を 破って まで ここ に 来 た

何 か ある ん だ よ ね ?

( ヴィクトリカ ) ん …

話し て くれ ない の ? そんなに 僕 の こと 嫌って る ?

君 いつか 僕 に 言った じゃ ない か

自分 の こと を 僕 の 数 少ない 友達 だって

( 雷鳴 )

( 一弥 ) 窓 開けっ放し だ と 濡れ ちゃ う よ

中 に 入る よ

窓 を 閉める だけ だ から

( ヴィクトリカ ) ある 人 の … ( 一弥 ) あっ

( ヴィクトリカ ) ある 人 の 無実 を 晴らし に 来 た の だ

えっ ?

あっ ヴィクトリカ !

( 一弥 ) 何 し … ( ヴィクトリカ ) 待て

ちょ っ ちょっと … ちょ っ

( ヴィクトリカ ) 待て 待て

( ヴィクトリカ ) 待 ー て ! ( 一弥 ) う わ あっ

う っ … 犬 じゃ ない ん だ から さ

( ヴィクトリカ ) ん っ

あっ

これ あの …

君 な の ?

コル デリア ・ ギャロ

私 の 母 だ

えっ ! ?

( ヴィクトリカ ) 母 は 踊り子 だった

ラシャ の 衣装 に 異国 風 の 化粧

そして 灰色 狼 の 村 の 出身 だった

ブロワ 侯爵 は 灰色 狼 の 特殊 な 力 を 一族 の 血 に 入れ たい と 願い ―

そして コル デリア を 自分 の もの に し ―

間もなく 私 が 生まれ た

しかし ―

ブロワ 侯爵 は 母 の 秘密 を 知って しまった

秘密 って ?

母 は 罪人 ( つみ び と ) だった の だ よ

罪人 ?

( ヴィクトリカ ) 母 は ―

灰色 狼 の 村 で メイド と し て 働 い て い た が ―

ある 夜 恐ろしい 罪 を 犯し た と さ れ ―

村 を 追放 さ れ た

その 事実 を 知った ブロワ 侯爵 は ―

呪わ しい 血 を 一族 に 取り入れ た こと を 後悔 し た

母 は 逃げ ―

やがて 始まった 世界 大戦 の 戦火 に 身 を 投じ た

そして 私 は 塔 に 閉じ込め られ て 育った

( 一弥 ) あっ …

全て の 元凶 は 母 が 恐ろしい 罪 を 犯し た と いう 夜 に 戻る

それ さえ なけ れ ば 母 は 村 を 追わ れる こと は なかった

私 と いう 存在 も 生まれる こと は なかった の だ

えっ それ は 困る よ !

な っ あ …

あっ ごめん … つい

でも …

( ヴィクトリカ ) ん ?

フフフ …

な … 何 だ よ !

( ヴィクトリカ ) 君 は 愉快 な 男 だ 久 城

( 一弥 ) 悪かった ね

額 を 出し て みろ

えっ ?

う わ っ た あっ ! くっ … く …

( ヴィクトリカ ) 私 は ―

コル デリア が 罪 を 犯し た と は 考え て い ない

これ は 戦い な の だ

灰色 狼 の 村 と 彼女 の

( 一弥 ) あっ

私 は コル デリア ・ ギャロ が 勝つ まで 帰ら ない

( アラン ) よろしく 俺 は アラン

こっち は ラウール と ―

デリク だ ( デリク ) うん

ど … どう も

( ラウール ) なあ ホント に こんな 山道 の 先 に ―

村 が ある の か ?

( デリク ) これ ぞ 秘境 って こと だ ろ

( アラン たち の 笑い声 )

( 一弥 ) ああ …

( ラウール ・ デリク ) ああ … ( アラン ) こいつ は すげ え や

( 御者 ) 明日 の 晩 に は この 場所 まで 迎え に 来る

それ じゃあ な

( 一弥 ) あっ ちょっと 待って …

( 一弥 ) あっ ( ミルドレッド ) あ …

( 2 人 ) はっ

( ラウール ) お … おい ( アラン ) う う っ

ちょっと 何 だい ? いきなり ご挨拶 じゃ ない か

( 村人 ) コル デリア の 娘 だ

( 村人 ) そっくり だ 見ろ あの 顔 を !

( 村人 ) 不吉 な

( アラン たち ) ああ … ( 一弥 ) ん っ …

( セルジウス ) 待て

( 村人 ) 長老 !

我ら の メッセージ を 読 ん で やって き た 子孫 だ

追い出す こと は ある まい

共に 夏至 祭 を 祝 お う で は ない か

たとえ この 娘 の 母 コル デリア が ―

人殺し で あ ろ う と も な ( ヴィクトリカ ) は っ …

♪ ~

~ ♪

( ヴィクトリカ ) 私 は ―

コル デリア の 無実 を 証明 する ため ここ に 来 た

( 一弥 ) 僕 は ただ ―

流さ れ て ここ に 来 た


Gosick Episode 6 gosick|episode Gosick Episode 6

♪ ~

~ ♪

( アブリル ) それ で ね 図書 館 の 植物 園 に は ― ||||としょ|かん||しょくぶつ|えん|| So, I hear there's a Gray Wolf in the library's botanical garden!

灰色 狼 ( は い いろ おおかみ ) が いる ん です って はいいろ|おおかみ||||||||| He said there are gray wolves.

( 一弥 ( かず や ) ) えっ 灰色 狼 ? かずや||||はいいろ|おおかみ (Kazuya) What, gray wolf?

金色 の 妖精 じゃ なく て ? きんいろ||ようせい||| Not a Golden Fairy?

その 怪談 は もう 古い の |かいだん|||ふるい| That ghost story is old news.

人間 の 言葉 を しゃべる とても 頭 の いい 狼 らしい わ にんげん||ことば||||あたま|||おおかみ|| Apparently, the wolf's really smart and can speak the human language.

何でも キラキラ し た もの が 好き みたい な の なんでも|きらきら|||||すき||| She likes all things sparkly.

僕 の 知って いる 灰色 狼 は お 菓子 の 方 が 好き な ん だ けど ぼく||しって||はいいろ|おおかみ|||かし||かた||すき|||| Well, the Gray Wolf I know has a preference for sweets.

( アブリル ) さあ 久 城 ( くじょう ) 君 ! ( 一弥 ) わ っ ||ひさ|しろ||きみ|かずや|| (Come on, Kujo! (Wow!

灰色 狼 を おびき寄せる キラキラ を 探す の よ ! はいいろ|おおかみ||おびきよせる|きらきら||さがす|| We're going to look for something sparkly to lure the Gray Wolf out!

は ぁ …

( 一弥 ) アブリル は 学園 に も この 街 に も すっかり な じん で ― かずや|||がくえん||||がい|||||| Avril has already gotten completely used to the academy and the town.

いつの間にか 僕 より も いっぱい 学園 の 秘密 を 知って ― いつのまにか|ぼく||||がくえん||ひみつ||しって Somewhere along the line, she's learned more secrets about the academy than I know of.

僕 より も 全然 友達 を … ぼく|||ぜんぜん|ともだち| You have more friends than I do.

でも ヴィクトリカ の こと は 僕 しか 知ら ない ん だ から |||||ぼく||しら|||| Still, I'm the only one who knows about Victorique.

あら ? あれ 何かしら ? ||なにかしら Huh? I wonder what's happening there.

( 一弥 ) ん ? ( アブリル ) ほら かずや|||

( 少年 ) わ あ … しょうねん||

( ロスコー ) ふ っ

ん ~

ん ~

ん ~

はっ !

( 観客 ) おお ~ ! かんきゃく| (Spectators) Oh~!

ああ ?

うん ? あっ う っ … Uh-huh? Uh-oh.

ハハ …

何 だ つま ん ない の 行 こ う なん||||||ぎょう|| Meh, how boring.

待って アブリル まって| Wait, Avril!

ん ? あ あっ

ぼ … 僕 の 教科 書 ! |ぼく||きょうか|しょ M-My textbooks!

わ っ !

ん ?

えっ … えっ ?

あの … わ っ ! Um...

( ロスコー ) フッ

すごい

でも 僕 の 教科 書 … |ぼく||きょうか|しょ But my textbooks...

( アブリル ) 久 城 君 ? |ひさ|しろ|きみ Kujō!

あっ ちょ っ ちょっと 待って ! ||||まって Wait! Wait a minute!

何 ? その 帽子 なん||ぼうし What's with the hat?

ちょっと ね

アブリル 後 で 教科 書 写さ せ て もら える ? |あと||きょうか|しょ|うつさ|||| Avril, can I copy your textbook later?

えっ ?

( ミルドレッド ) あんた たち ( 2 人 ) ん ? |||じん| You two, come over here and have a look!

( ミルドレッド ) 見 て いき な よ |み|||| (Go on, take a look.

( アブリル ) まあ ( ミルドレッド ) フフン さあ さあ (Well... come on, come on.

( アブリル ) わ あ

( 一弥 ) 何だか お 酒 くさい かずや|なんだか||さけ| She smells of liquor.

( アブリル ) わ あ

あっ … ああ !

なんて すてき な お 皿 ! ||||さら What a lovely plate!

この ドレスデン 皿 は ― ||さら| A lady of the faith brought this Dresden Plate here.

信者 の 奥さん が 持って き た ん だ けど ― しんじゃ||おくさん||もって||||| I know the wife of a believer brought it to me, but...

相当 な 歴史 が ある らしい よ そうとう||れきし|||| It apparently has quite a history behind it.

( 一弥 ) ん … かずや| (Hmm...

すごく 高 そう だ なあ |たか||| It looks really expensive.

なら こいつ は どう だい ? Then what about this?

あっ オルゴール ? |おるごーる Oh, a music box?

うん

フフッ

( アブリル ) キャッ ! う っ … ( 一弥 ) あっ ||||かずや|

ま … また ハト ? ||はと Pigeons again?

( 人々 の どよめき ) ひとびと|| (people groaning)

( ミルドレッド ) う わ あっ ! ( アブリル ・ 一弥 ) あっ ! |||||かずや|

( 一弥 ) ハァ ハァ ハァ … かずや|||

ヴィクトリ カー |かー Victorique!

ヴィクトリ カー ! |かー Victorique!

あ あっ !

もう ヴィクトリカ こんなに 散らかし て |||ちらかし| Oh, Victoria, you've made such a mess.

( ヴィクトリカ ) ん … ん ? This place is a mess!

ああ … だらしない ん だ から Yeah... because you're sloppy.

ちゃんと 自分 で 片づけ て よ |じぶん||かたづけ|| You're supposed to clean up after yourself.

これ は 帽子 か ? ||ぼうし| Is that a hat?

へんてこ な 形状 を し て いる ||けいじょう|||| Strange shape

ああ それ は 君 へ の お みや … |||きみ|||| Oh, that's a souvenir for yo—

あっ ! Ah !

飽き た あき| Boring.

あの ね 君 ||きみ Look, hats aren't for playing.

帽子 は 遊ぶ もの じゃ なく て かぶる もの な ん だ よ ぼうし||あそぶ|||||||||| Hats are not for playing with, they are for wearing.

かぶる 前 に 飽き ない で よ |ぜん||あき||| Don't get bored before you get it on.

あっ そう だ

この 帽子 を 手 に 入れ た のみ の 市 で ね ― |ぼうし||て||いれ||||し|| At the market where I got this hat,

おかしな 盗難 事件 が 起こった ん だ |とうなん|じけん||おこった|| a strange theft took place.

盗難 事件 ? とうなん|じけん A theft?

( 一弥 ) それ で ね オルゴール が 破裂 し た と 思ったら ― かずや||||おるごーる||はれつ||||おもったら So then, just when I thought the music box blew up, pigeons flew out of it!

ハト が 飛び出し て はと||とびだし| Pigeons fly out.

今日 は ハト に 縁 が ある 1 日 … きょう||はと||えん|||ひ Today sure was a day for pigeons.

いや そんな こと より 皿 ! ||||さら No, it's not about that. It's about the plate!

騒ぎ の 中 で ドレスデン 皿 が 消え た ん だ よ さわぎ||なか|||さら||きえ|||| Amidst the commotion, the Dresden Plate disappeared!

( あくび )

なんと 単純 な 欠 片 ( かけら ) だ |たんじゅん||けつ|かた|| What a simple piece.

こんな もの は 混沌 ( カオス ) など と は 呼 べ ない |||こんとん|かおす||||よ|| I can't even call this Chaos.

ウソ うそ Really?!

( ヴィクトリカ ) ああ 退屈 だ 死ぬ かも しれ ない ||たいくつ||しぬ||| It's so simple I could die.

それ ぐらい ひどく 退屈 だ |||たいくつ| That's how terribly boring this is.

じゃあ その 帽子 でも かぶれ ば ? ||ぼうし||| Then why don't you at least try on the hat?

( ヴィクトリカ ) ふむ Okay.

( エレベーター の 作動 音 ) ( 一弥 ) ん ? えれべーたー||さどう|おと|かずや| (Huh?

( エレベーター の 到着 音 ) えれべーたー||とうちゃく|おと

( グレ ヴィール ) や あ 子 リス よ ! ||||こ|りす| Hello there, baby squirrel.

今日 の 毛並み の 調子 は … きょう||けなみ||ちょうし| How fine is your fur today?

お っ … ん ん ?

う う っ !

くっ … コル デリア ・ ギャロ ! Damn ... Corderia Gallo!

ぐ っ … どう し て 貴 様 が ここ に ! |||||とうと|さま||| What are you doing here?

コル デリア ? Cordelia?

違う 私 だ ちがう|わたくし| Wrong. It's me.

むっ ! な … 何 だ 紛らわしい ||なん||まぎらわしい What... what... what is it? What... what is this? It's confusing.

ねえ コル デリア ・ ギャロ って ? So who's Cordelia Gallo?

( ヴィクトリカ ) 君 も おおかた 同じ 用件 だ ろ う |きみ|||おなじ|ようけん||| (You probably have the same problem.

グレ ヴィール

( グレ ヴィール ) ふん

皿 を 盗 ん だ 犯人 は シスター 以外 に は あり え ない さら||ぬす|||はんにん|||いがい||||| The plate was stolen by none other than a Sister.

久 城 君 の 話 を 聞く かぎり で は ね ひさ|しろ|きみ||はなし||きく|||| At least, going by what you've told me, Kujō.

( 一弥 ) えっ ? ( ヴィクトリカ ) オルゴール に は ― かずや|||おるごーる||

手 に 取った とたん 破裂 する 仕掛け が し て あった の だ て||とった||はれつ||しかけ|||||| The music box was set up to explode the moment you took it.

更に 人々 の 目 を 引きつける ため ― さらに|ひとびと||め||ひきつける| And to divert people's attention even more, she released pigeons from under her skirt.

スカート から ハト を 出し た すかーと||はと||だし| I pulled a pigeon out of my skirt.

ス … スカート ? |すかーと S-Skirt...?

( ヴィクトリカ ) 慎み深い はず の シスター が ― |つつしみぶかい|||| A proper, modest nun would never sit with her legs spread like a man.

まるで 男 の よう に 両足 を 広げ て 座って い た |おとこ||||りょうあし||ひろげ||すわって|| He was sitting there with his legs spread like a man.

それ は 足 と 足 と の 間 に ハト を 隠し て い た から だ ろ う ||あし||あし|||あいだ||はと||かくし||||||| She must have been hiding the pigeons between her legs.

人々 が 驚 い て ハト を 見上げ て いる 間 に ― ひとびと||おどろ|||はと||みあげ|||あいだ| Then, while people were busy staring at the pigeons,

スカート の 中 に 今度 は 皿 を 隠す すかーと||なか||こんど||さら||かくす she hid the plate underneath her skirt.

それ から 叫ぶ “ 皿 が なくなった ” と ||さけぶ|さら||| Then he exclaims, "The dishes are gone."

( グレ ヴィール ) まいった な ( 一弥 ) えっ ? ||||かずや| (Oh no... What?

あっ いや … Huh?

おや どこ か で ワライカワセミ が 鳴 い て いる ||||||な||| Oh? I hear a kookaburra chirping somewhere.

失礼 する よ しつれい||

( エレベーター の 作動 音 ) えれべーたー||さどう|おと

もう … 何 な ん だ よ |なん|||| What the hell is this?

あっ そう だ ねえ ヴィクトリカ Oh, that's right.

さっき の コル デリア って … That... Cordelia person...

もう Never mind.

( 一弥 ) “ ブロワ 名 警部 脱帽 ” かずや||な|けいぶ|だつぼう "Hats Off to the Celebrated Inspector Blois!"

“ 消え た ドレスデン 皿 行方 分から ず ” か きえ|||さら|ゆくえ|わから|| "Disappeared Dresden dish, never seen again."

お っか しい な

いつも なら すぐ に 犯人 を 捕まえ て ― ||||はんにん||つかまえ| He usually nabs the criminal right away and gets a nice puff piece in the paper, singing his praises.

お 手柄 だ の 何 だの って 書きたて られる のに |てがら|||なん|||かきたて|| They write about our achievements and what not.

ん ? 何 だ ろ この 記事 |なん||||きじ What? What is this article?

“ 灰色 狼 の 末 えい に 告 ぐ ” はいいろ|おおかみ||すえ|||こく| I call upon the gray wolves of Sue-uei.

“ 近く 夏至 祭 我ら は 子孫 を 歓迎 する ” ちかく|げし|さい|われら||しそん||かんげい| Nearby, on the solstice, we welcome our descendants.

( 一弥 ) 灰色 狼 の 村 だって かずや|はいいろ|おおかみ||むら| It says it's at the "Village of the Gray Wolves".

ホロヴィッツ って 町 から 行く らしく て ||まち||いく|| It looks like we're going from a town called Horowitz.

ほら 簡単 な 地図 も ある よ |かんたん||ちず||| Look, there's even a basic map!

狼 の 村 なんて ミステリアス だ ろ ? おおかみ||むら||みすてりあす|| Doesn't "The Village of the Wolves" sound mysterious?

狼 の 村 なんて ミステリアス だ ろ ? おおかみ||むら||みすてりあす||

( ヴィクトリカ ) は っ …

これ なら 君 いろいろ 想像 も できる し ― ||きみ||そうぞう|||

退屈 しのぎ に なる かな って たいくつ||||| as well as help you stave off your boredom...

えっ ? あ … Huh?

わ っ !

( ヴィクトリカ ) ぷ ぎ ゅっ ! (Victorica) Squeeze!

( 一弥 ) えっ えー と … ヴィクトリカ ? かずや||||

( ヴィクトリカ ) 痛い |いたい It hurts.

だ よ ね す っ ごい 音 し た もん ||||||おと||| Yes, it did. It sounded amazing.

痛い ったら 痛い の だ ー ! ( 一弥 ) う わ っ いたい||いたい|||-|かずや|||

そう 言わ れ て も … |いわ||| I understand, but...

わ あっ ! Wow!

もう … お 菓子 を 床 に 直接 置く から ||かし||とこ||ちょくせつ|おく| Geez, it's because you leave sweets lying around on the floor!

( ヴィクトリカ ) 君 が 責任 を もって 食べ た まえ |きみ||せきにん|||たべ|| Take responsibility and eat it!

え えっ ?

ああ …

う う …

( ヴィクトリカ ) 食べ た まえ ! ( 一弥 ) えっ ! |たべ|||かずや|

食べ ます たべ| Fine, I'll eat it.

( ヴィクトリカ ) 食べ 終え たら 8 階 の 7 番 目 の 書棚 ― |たべ|おえ||かい||ばん|め||しょだな (After you finish eating, go to the 7th bookshelf on the 8th floor.

上 から 3 段 目 右 から 31 冊 目 の 本 を 取って こい うえ||だん|め|みぎ||さつ|め||ほん||とって| seventh bookshelf, third rack from the top, 31st volume to the right.

( 一弥 ) 分かり まし た かずや|わかり||

( ヴィクトリカ ) ソヴュール で は 昔 から ― ||||むかし|

山奥 に 入れ ば 入る ほど ― やまおく||いれ||はいる| The deeper you go into the mountains, the more...

1 つ の 怪談 が 幅 を 利かせ て いる ||かいだん||はば||きかせ|| One ghost story dominates

それ が この “ 灰色 狼 ” だ |||はいいろ|おおかみ| That's the Gray Wolf.

多く は いかに も 作り 物 めい た 伝説 だ が ― おおく||||つくり|ぶつ|||でんせつ|| Many of these legends are quite fictitious.

16 世紀 に 書か れ た ― せいき||かか|| Written in the 16th century

と ある イギリス 人 旅行 者 の 日記 に よる と ― ||いぎりす|じん|りょこう|もの||にっき||| According to the diary of an English traveler

( 一弥 ) 大げさ だ なあ かずや|おおげさ|| She's making such a fuss.

( 一弥 ) 大げさ だ なあ かずや|おおげさ||

彼 は 人間 の 言葉 を 語る と いう 狼 と 出会う かれ||にんげん||ことば||かたる|||おおかみ||であう He meets a wolf who says he speaks human language.

彼 は 人間 の 言葉 を 語る と いう 狼 と 出会う かれ||にんげん||ことば||かたる|||おおかみ||であう He meets a wolf who says he speaks human language.

彼 は 人間 の 言葉 を 語る と いう 狼 と 出会う かれ||にんげん||ことば||かたる|||おおかみ||であう

いつ まで も あんな に さすっちゃ っ て I can't keep wandering around like that.

その 狼 は 聡明 で 慎み深い … |おおかみ||そうめい||つつしみぶかい Could Victorique be especially sensitive to pain?

ヴィクトリカ って 痛い の が 苦手 な の か な ||いたい|||にがて|||| I wonder if Victorica doesn't like pain.

しかし 彼ら は 狼 と いう 名 で 呼ば れ て は いる が … |かれら||おおかみ|||な||よば||||| However, while they were referred to as wolves...

( 一弥 ) ヴィクトリカ ( ヴィクトリカ ) ん ? かずや|||

あっ

( 一弥 ) え いっ ( ヴィクトリカ ) う っ … かずや|||||

アハハ ハハッ ビックリ し … た ? ||びっくり|| Hahahahaha, were you surprised...?

( 一弥 ) えっ ? ( ヴィクトリカ ) う う … かずや|||| Huh?

う う … う っ …

軽く はじ い た だけ な の に ホント 大げさ だ なあ 君 かるく||||||||ほんと|おおげさ|||きみ All I did was flick you lightly.

( ヴィクトリカ ) ん ん っ ! ( 一弥 ) えっ ||||かずや|

( ヴィクトリカ ) ん っ ( 一弥 ) あ … |||かずや|

う う っ … う う …

あの ヴィクトリカ ? Um... Victorique?

( ヴィクトリカ ) 久 城 … |ひさ|しろ Kujō... I didn't think you were that kind of man.

君 が そんな 男 だ と は 思わ なかった きみ|||おとこ||||おもわ| I had no idea you were such a man.

ご … ごめん そんなに 痛かった ? いや ちょっと … |||いたかった|| I-I'm sorry.

( ヴィクトリカ ) ん っ ( 一弥 ) ああ ごめん |||かずや|| Wait, I mean...

むっ … Sorry.

君 と は 一生 口 を 利か ない ! きみ|||いっしょう|くち||きか| I will never speak to you again!

絶交 だ ! ぜっこう| No more talks!

え えっ 絶交 ! ? そんな ヴィクトリカ ||ぜっこう|| I'm done with you!

軽く 小突 い た ぐらい で 絶交 だ なんて かるく|こづ|||||ぜっこう|| I can't believe you called it off after just a little poke.

むっ … Much ...

そう か 僕 より 本 の ほう が 好き な ん だ よ な 君 は ! ||ぼく||ほん||||すき||||||きみ| I see that you prefer books to me!

( ヴィクトリカ ) ん っ …

分かった よ もう 来 ない ! わかった|||らい| Fine. I'm not coming back here again.

( 息 を 吸う 音 ) ( 一弥 ) ん っ いき||すう|おと|かずや||

本当 に もう 絶対 君 の 所 に なんて 来 ない ぞ ! ほんとう|||ぜったい|きみ||しょ|||らい|| I swear, I will never come to you again!

ヴィクトリカ の … Victorica's ...

うーん …

ヴィクトリカ の 痛 がり ! ||つう| Victorique, you crybaby!

ふん っ

( 一弥 ) 絶交 だ なんて 言って も ― かずや|ぜっこう|||いって| I know she said she's done with me,

あした お 菓子 を 持って け ば すぐ に 機嫌 は 直る だ ろ う けど さ ||かし||もって|||||きげん||なおる||||| but if I bring her some sweets tomorrow,

あー あ

いつ に なったら 教科 書 写し 終わる ん だ ろ う … ん ? |||きょうか|しょ|うつし|おわる||||| How long is it gonna take me to copy this textbook?

ん ?

あ … トランク が 動 い てる ! |とらんく||どう|| Oh... the trunk is moving!

( ヴィクトリカ ) ん っ (Hmm...

( 一弥 ) 君 一体 何 し てる の さ ? かずや|きみ|いったい|なん|||| (What on earth are you doing?

( ヴィクトリカ ) ん … ふん

君 学園 から 勝手 に 出 られ ない ん だ ろ う ? きみ|がくえん||かって||だ|||||| You're not allowed to leave the academy without permission, right?

それ に もう 正門 に は 鍵 が 掛かって る よ |||せいもん|||かぎ||かかって|| Plus, the gates are locked.

しゃべ れ ない の ? You can't talk?

あっ 虫歯 だ |むしば| Oh, you have a cavity!

( ヴィクトリカ ) むっ …

寝 た まま お 菓子 食べ てる から ほっぺた 膨れ てる よ ね||||かし|たべ||||ふくれ|| It's because you sleep right after eating sweets.

右 あっ 左 も みぎ||ひだり| Right. Oh, and left.

あっ どんどん ひどく なる ( ヴィクトリカ ) むっ … Oh, it's getting worse and worse.

でも 歯 医者 に 行く なら こんな 大 荷物 いら ない よ |は|いしゃ||いく|||だい|にもつ||| But if you're going to the dentist, you don't need all this baggage.

わ っ 何 だ よ この 荷物 ||なん||||にもつ What the hell is this luggage?

着替え に 洗面 道具 きがえ||せんめん|どうぐ Changes of clothes...

お茶 セット に お 皿 おちゃ|せっと|||さら Tea sets and plates

人形 に 花瓶 にんぎょう||かびん A stuffed animal and... a vase?

何 ? なん

これ 簡易 ベッド ? |かんい|べっど Is this... a cot?!

ちょっと 待って て 財布 持って くる よ |まって||さいふ|もって|| Wait here a minute.

抜け道 を 教え て あげる ぬけみち||おしえ|| I'll show you the secret passage out of here.

って 僕 も アブリル から 教え て もらった ん だ けど ね |ぼく||||おしえ|||||| Actually, Avril told me about it.

歯 医者 に ついていって あげる から ! は|いしゃ|||| I'll take you to a dentist!

( ヴィクトリカ ) む う ー っ |||-| (Victorica) Mwah!

( 一弥 ) で どう し て 僕 ― かずや|||||ぼく Wait...

機関 車 に なんて 乗って る ん だ ろ う ? きかん|くるま|||のって||||| What kind of locomotive are you riding in?

( 汽笛 ) きてき (Whistle)

ねえ ヴィクトリカ Say, Victorique...

( ヴィクトリカ ) ふん ( 一弥 ) あ … ||かずや|

( 一弥 ) 歯 医者 だ と ばかり 思って い た ヴィクトリカ が ― かずや|は|いしゃ||||おもって|||| I thought Victorique wanted to go to a dentist.

示し た 行き先 は … しめし||いきさき| But her destination is actually...

( ヴィクトリカ ) ホロヴィッツ まで To Horovitz.

( 一弥 ) え ? かずや| (Huh?

( 一弥 ) ホロヴィッツ って ― かずや|| ...Horovitz.

あの 三 行 広告 に 出 て た 町 の 名前 だ よ な 確か |みっ|ぎょう|こうこく||だ|||まち||なまえ||||たしか That was the name of the town in that three-line classified advertisement.

( ドア が 開く 音 ) ( 一弥 ) ねえ ヴィクトリカ … ん ? どあ||あく|おと|かずや||| Tell me, Victoriq—

( ミルドレッド ) ご 一緒 し て いい かい ? ||いっしょ|||| (Can I come with you?

どうぞ … あっ Here you go ... oh.

おや あんた … Whoa... it's you!

( ミルドレッド ) 何 だ 行き先 は 一緒 じゃ ない か |なん||いきさき||いっしょ||| I see, so we're going to the same place!

私 も ホロヴィッツ だ よ わたくし|||| I'm headed for Horovitz too.

へえ ホロヴィッツ に ?

あっ えー と … Um...

ミルドレッド だ よ I'm Mildred.

私 は その … わたくし|| I was... uh... raised in that town.

育った 町 な ん だ よ だ から さ そだった|まち||||||| I grew up in this town, you know.

そう だ あれ から どう なった ん です か ? Yes, and what has happened since then?

盗ま れ た 皿 は ぬすま|||さら| With the stolen plate...

( ミルドレッド ) チッ … さあ ね あれ きり さ (Well... that's Kirisa.

怒ら れ ち まって まいった よ いから||||| I was yelled at, believe me.

ああ ほら そろそろ 着く よ |||つく| Oh, look.

( 汽笛 ) ( 一弥 ) ん ? きてき|かずや|

( 宿屋 の 主人 ) 今夜 は 荒れる な やどや||あるじ|こんや||あれる| Gonna be a storm tonight.

こんな 夜 は 狼 が 出る |よ||おおかみ||でる The wolves come out on a night like this.

狼 ? おおかみ Wolves?

( 宿屋 の 主人 ) 灰色 狼 だ よ やどや||あるじ|はいいろ|おおかみ|| The Gray Wolves.

この 辺り の 山奥 に 灰色 狼 の 村 が ある ん だ |あたり||やまおく||はいいろ|おおかみ||むら|||| Deep in the mountains in this area is the Village of Gray Wolves.

風 の 強い 晩 に は 山 から 下り て き て ― かぜ||つよい|ばん|||やま||くだり||| On nights where there's a strong wind, they come down from the mountains to hunt people.

人 を 手 に かける じん||て|| I'm going to show you how to get hold of someone.

う っ あ …

あの 鳥 の 死骸 も ― |ちょう||しがい| That dead bird hanging outside is meant to keep the Gray Wolves away.

灰色 狼 が 入って こ ない よう に つるし てる ん だ はいいろ|おおかみ||はいって|||||||| Gray. They're hanging them up to keep the wolves out.

あんた ら も あの 三 行 広告 を 見 て 来 た の かい ? ||||みっ|ぎょう|こうこく||み||らい||| Have you seen those three-line ads?

じゃあ 他 に も ? |た|| Then there are more people?

( 宿屋 の 主人 ) ああ 自動車 で 山 を 登る って 張り切って い た けど ね やどや||あるじ||じどうしゃ||やま||のぼる||はりきって|||| (Yeah, he was all set to take the car up the mountain.

勾配 が 急 すぎ て とても 無理 だ こうばい||きゅう||||むり| But the incline is too steep, makin' it impossible.

灰色 狼 の 怒り に 触れ ない よう せいぜい 気 を つける こと だ はいいろ|おおかみ||いかり||ふれ||||き|||| Be as careful as you can not to incur the fury of the Gray Wolves.

あの 村 で 狼 を 飼って る ん です か ? |むら||おおかみ||かって|||| Um, do people raise wolves in that village?

( 宿屋 の 主人 ) いや ヤツ ら は 人間 さ やどや||あるじ||やつ|||にんげん| No! They're humans.

えっ ? What?

( 宿屋 の 主人 ) 波打つ 金色 の 髪 に バラ 色 の 頬 小さな 体 やどや||あるじ|なみうつ|きんいろ||かみ||ばら|いろ||ほお|ちいさな|からだ With undulating golden hair and rosy cheeks.

全員 判 で 押し た よう に 同じ よう な 容姿 ぜんいん|はん||おし||||おなじ|||ようし They all look exactly the same.

う っ ああ …

そう こんな … Yes, just...

こんな 様子 な ん だ |ようす||| Just like her.

恐るべき 静か なる 灰色 狼 たち は おそるべき|しずか||はいいろ|おおかみ|| The quiet, terrifying Gray Wolves...

えっ ヴィクトリカ ? What, Victorica?

( ミルドレッド ) ねえ 毛布 が もう 1 枚 欲しい ん だ けど ||もうふ|||まい|ほしい||| Excuse me? I'd like another blanket.

あっ ああ Ah, it does get a lot colder when night falls on our town.

この 町 は 夜 に なる と ぐっと 冷え込む から な |まち||よ|||||ひえこむ|| It gets very cold at night in this town.

( ミルドレッド ) そう み たい ね So I've noticed.

ねえ 電話 を 貸し て もら え ない ? |でんわ||かし|||| Can I also borrow your phone?

ああ Sure.

( 一弥 ) あれ ? この 町 の 人 って 言って た のに かずや|||まち||じん||いって|| Huh?

知り合い じゃ ない の か な ? しりあい||||| Shouldn't they know each other?

ああ 荷物 なら 持って あげる から |にもつ||もって|| Oh!

( ヴィクトリカ ) ん ー っ ! ふん ||-||

( 一弥 ) あっ ああ … かずや||

( ヴィクトリカ ) ん ん っ ん っ ふう …

う ~ ん …

( 風 の 音 ) かぜ||おと

あ …

う ~ ん …

( 狼 の 遠ぼえ ) おおかみ||とおぼえ

( 狼 の 遠ぼえ ) おおかみ||とおぼえ

はっ あっ う っ …

狼 ? おおかみ Wolf...?

( 一弥 ) ん … かずや|

( ドア が 開く 音 ) ( 一弥 ) ん ? あっ どあ||あく|おと|かずや||

ヴィクトリカ

君 も あの 声 を ? きみ|||こえ| Did you hear that howling too?

君 帽子 入れ の 中 から リス が 出 て き た よ きみ|ぼうし|いれ||なか||りす||だ|||| Well... A squirrel came out of the hat box.

えっ どう いう こと ? Huh? What are you talking about?

( ヴィクトリカ ) リス に 聞い て み れ ば よい の だ |りす||ききい||||||| Go ask the squirrel.

リス 語 で な りす|ご|| In squirrel language...

寝ぼけ てる ? ねぼけ| Are you still waking up?

いや 僕 と しゃべって くれる よう に なった の は うれしい けど さ |ぼく||||||||||| Though, I'm happy that you're talking to me again...

( ヴィクトリカ ) ん … (Yeah...

ん ?

( ヴィクトリカ ) ん ? はっ う っ あ … (Huh? Ah...

あっ

う っ う う …

( 一弥 ) あっ ヴィクトリカ かずや||

わ あっ ! Victorique!

ど … あ あっ ! よっ

あ あっ ぐ っ

おわ っ ちょ っ ちょっと Oh, no! Wait! Wait a minute!

落ち着 い て ヴィクトリカ おちつ||| Wait!

1 つ だけ 聞か せ て よ ||きか||| Let me ask you one thing!

君 が どう し て ここ に 来 た の か を きみ|||||||らい|||| Why did you come here?!

はっ … Ha ...

ん ん っ …

学園 から 出 ちゃ いけ ない ん だ って 自分 で 言って た のに ― がくえん||だ|||||||じぶん||いって|| You were the one who told me you weren't allowed to leave the academy...

それ を 破って まで ここ に 来 た ||やぶって||||らい| But you broke that rule to come here.

何 か ある ん だ よ ね ? なん|||||| There's a reason, right?

( ヴィクトリカ ) ん …

話し て くれ ない の ? そんなに 僕 の こと 嫌って る ? はなし||||||ぼく|||きらって| You won't talk to me? Do you really hate me that much?

君 いつか 僕 に 言った じゃ ない か きみ||ぼく||いった||| You told me once, don't you remember?

自分 の こと を 僕 の 数 少ない 友達 だって じぶん||||ぼく||すう|すくない|ともだち| He calls himself one of my few friends.

( 雷鳴 ) らいめい (THUNDER RUMBLING)

( 一弥 ) 窓 開けっ放し だ と 濡れ ちゃ う よ かずや|まど|あけっぱなし|||ぬれ||| You'll be soaked if you leave that window open.

中 に 入る よ なか||はいる| I'm coming in.

窓 を 閉める だけ だ から まど||しめる||| Just to close the window.

( ヴィクトリカ ) ある 人 の … ( 一弥 ) あっ ||じん||かずや| I...

( ヴィクトリカ ) ある 人 の 無実 を 晴らし に 来 た の だ ||じん||むじつ||はらし||らい||| I came to prove someone's innocence.

えっ ?

あっ ヴィクトリカ ! Victorique, what are you—

( 一弥 ) 何 し … ( ヴィクトリカ ) 待て かずや|なん|||まて Wait!

ちょ っ ちょっと … ちょ っ H-Hold on, what—

( ヴィクトリカ ) 待て 待て |まて|まて Wait! Wait!

( ヴィクトリカ ) 待 ー て ! ( 一弥 ) う わ あっ |ま|-||かずや||| Wait!

う っ … 犬 じゃ ない ん だ から さ ||いぬ|||||| I'm not a dog!

( ヴィクトリカ ) ん っ

あっ

これ あの … Is that... you?

君 な の ? きみ|| Is that you?

コル デリア ・ ギャロ Cordelia Gallo.

私 の 母 だ わたくし||はは| My mother.

えっ ! ?

( ヴィクトリカ ) 母 は 踊り子 だった |はは||おどりこ| My mother was a dancer.

ラシャ の 衣装 に 異国 風 の 化粧 らしゃ||いしょう||いこく|かぜ||けしょう She wore garments of woolen cloth and exotic makeup.

そして 灰色 狼 の 村 の 出身 だった |はいいろ|おおかみ||むら||しゅっしん| And she came from the Village of Gray Wolves.

ブロワ 侯爵 は 灰色 狼 の 特殊 な 力 を 一族 の 血 に 入れ たい と 願い ― |こうしゃく||はいいろ|おおかみ||とくしゅ||ちから||いちぞく||ち||いれ|||ねがい The Marquis de Blois told her he wished to introduce the unique ability of the Gray Wolves to his bloodline.

そして コル デリア を 自分 の もの に し ― ||||じぶん|||| And so, he made Cordelia his.

間もなく 私 が 生まれ た まもなく|わたくし||うまれ| I was born soon after that.

しかし ― However...

ブロワ 侯爵 は 母 の 秘密 を 知って しまった |こうしゃく||はは||ひみつ||しって| The Marquis de Blois had discovered my mother's secret.

秘密 って ? ひみつ| Secret?

母 は 罪人 ( つみ び と ) だった の だ よ はは||ざいにん||||||| My mother was a criminal.

罪人 ? ざいにん A criminal?!

( ヴィクトリカ ) 母 は ― |はは| (Mother is...

灰色 狼 の 村 で メイド と し て 働 い て い た が ― はいいろ|おおかみ||むら||||||はたら||||| She worked as a maid in a village of gray wolves.

ある 夜 恐ろしい 罪 を 犯し た と さ れ ― |よ|おそろしい|ざい||おかし|||| But one night, she committed a terrible crime and was exiled from the village.

村 を 追放 さ れ た むら||ついほう||| Exiled from the village

その 事実 を 知った ブロワ 侯爵 は ― |じじつ||しった||こうしゃく| When the Marquis de Blois found out the truth,

呪わ しい 血 を 一族 に 取り入れ た こと を 後悔 し た のろわ||ち||いちぞく||とりいれ||||こうかい|| he regretted introducing our accursed blood to his bloodline.

母 は 逃げ ― はは||にげ My mother escaped and soon threw herself into the Great War that had just begun.

やがて 始まった 世界 大戦 の 戦火 に 身 を 投じ た |はじまった|せかい|たいせん||せんか||み||とうじ| The world war that was about to break out.

そして 私 は 塔 に 閉じ込め られ て 育った |わたくし||とう||とじこめ|||そだった And I grew up locked in a tower.

( 一弥 ) あっ … かずや|

全て の 元凶 は 母 が 恐ろしい 罪 を 犯し た と いう 夜 に 戻る すべて||げんきょう||はは||おそろしい|ざい||おかし||||よ||もどる The cause of it all goes back to the night my mother committed the terrible crime.

それ さえ なけ れ ば 母 は 村 を 追わ れる こと は なかった |||||はは||むら||おわ|||| If it hadn't been for that,

私 と いう 存在 も 生まれる こと は なかった の だ わたくし|||そんざい||うまれる||||| And I wouldn't have been born.

えっ それ は 困る よ ! |||こまる| What? That's not good!

な っ あ … Oh, no...

あっ ごめん … つい Oh, sorry, I...

でも … But ...

( ヴィクトリカ ) ん ? (Hmm?

フフフ …

な … 何 だ よ ! |なん|| W-What?!

( ヴィクトリカ ) 君 は 愉快 な 男 だ 久 城 |きみ||ゆかい||おとこ||ひさ|しろ You're an amusing man, Kujō.

( 一弥 ) 悪かった ね かずや|わるかった| Well, I'm glad I amuse you!

額 を 出し て みろ がく||だし|| Let me see your forehead.

えっ ?

う わ っ た あっ ! くっ … く …

( ヴィクトリカ ) 私 は ― |わたくし| I don't believe that Cordelia actually committed a crime.

コル デリア が 罪 を 犯し た と は 考え て い ない |||ざい||おかし||||かんがえ||| We don't think Cordelia committed the crime.

これ は 戦い な の だ ||たたかい||| This is a war...

灰色 狼 の 村 と 彼女 の はいいろ|おおかみ||むら||かのじょ| Between the Village of the Gray Wolves and her.

( 一弥 ) あっ かずや|

私 は コル デリア ・ ギャロ が 勝つ まで 帰ら ない わたくし||||||かつ||かえら| And I'm not going home until Cordelia Gallo wins.

( アラン ) よろしく 俺 は アラン ||おれ|| Nice to meet you. I'm Alan.

こっち は ラウール と ― This is Raoul and over here, Derek.

デリク だ ( デリク ) うん It's Derek. - Yeah.

ど … どう も H-Hello.

( ラウール ) なあ ホント に こんな 山道 の 先 に ― ||ほんと|||やまみち||さき| Hey, you sure there's a village at the end of this mountain trail?

村 が ある の か ? むら|||| Is there a village?

( デリク ) これ ぞ 秘境 って こと だ ろ |||ひきょう|||| This is what they call a road less traveled.

( アラン たち の 笑い声 ) |||わらいごえ

( 一弥 ) ああ … かずや|

( ラウール ・ デリク ) ああ … ( アラン ) こいつ は すげ え や (This guy is amazing.

( 御者 ) 明日 の 晩 に は この 場所 まで 迎え に 来る ぎょしゃ|あした||ばん||||ばしょ||むかえ||くる I'll be back here tomorrow night to pick you guys up.

それ じゃあ な See you.

( 一弥 ) あっ ちょっと 待って … かずや|||まって Ah! Wait a minute!

( 一弥 ) あっ ( ミルドレッド ) あ … かずや|||

( 2 人 ) はっ じん|

( ラウール ) お … おい ( アラン ) う う っ H-Hey...

ちょっと 何 だい ? いきなり ご挨拶 じゃ ない か |なん|||ごあいさつ||| Whoa, what's with this warm welcome?!

( 村人 ) コル デリア の 娘 だ むらびと||||むすめ| Cordelia's daughter.

( 村人 ) そっくり だ 見ろ あの 顔 を ! むらびと|||みろ||かお| The spitting image of her.

( 村人 ) 不吉 な むらびと|ふきつ| This is an ill omen...

( アラン たち ) ああ … ( 一弥 ) ん っ … |||かずや||

( セルジウス ) 待て |まて Wait!

( 村人 ) 長老 ! むらびと|ちょうろう Elder!

我ら の メッセージ を 読 ん で やって き た 子孫 だ われら||めっせーじ||よ||||||しそん| They are the descendants who read our message and came here.

追い出す こと は ある まい おいだす|||| We have no reason to drive her out.

共に 夏至 祭 を 祝 お う で は ない か ともに|げし|さい||いわい|||||| In fact, her arrival is something to celebrate with the summer solstice festival.

たとえ この 娘 の 母 コル デリア が ― ||むすめ||はは||| Even if her mother, Cordelia...

人殺し で あ ろ う と も な ( ヴィクトリカ ) は っ … ひとごろし|||||||||| Even if you are a murderer.

♪ ~

~ ♪

( ヴィクトリカ ) 私 は ― |わたくし| I came here to prove Cordelia's innocence.

コル デリア の 無実 を 証明 する ため ここ に 来 た |||むじつ||しょうめい|||||らい| I came here to prove Cordelia's innocence.

( 一弥 ) 僕 は ただ ― かずや|ぼく|| (I just...

流さ れ て ここ に 来 た ながさ|||||らい| I was swept along with the flow.