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氷菓, Hyouka Episode 2

Hyouka Episode 2

( 鳥 の 鳴き声 )

( アラーム 音 )

( 折 木 奉 太郎 ( おれ き ほう たろう ) ) うん う うん ああ …

( 折 木 供 恵 ( ともえ ) ) “ 折 木 奉 太郎 殿 ”

“ 前略 私 は 今 ベナレス に い ます ”

“ ちょっと 遅れ た けど 合格 おめでとう ”

“ 結局 神山 ( かみ やま ) 高校 だって ね ”

“ 無事 高校 生 に なった あんた に ― ”

“ 姉 と して 一 つ アドバイス し て あげる ”

“ 古典 部 に 入り なさい ”

“ 伝統 ある 部活 よ ”

“ そして 私 が 所属 し て い た 部 で も ある ”

“ 聞い た 話 だ と 我が 古典 部 の 部員 は 現在 ゼロ ”

“ 今年 入部 者 が い なけ れ ば 消滅 する そう な の ”

“ 古典 部 OG と して それ は あまりに 忍びない わ ”

“ 奉 太郎 ”

“ 姉 の 青春 の 場 古典 部 を 守り なさい ”

“ 名前 を 置 い て おく だけ で いい から ”

“ どうせ やり たい こと な ん か ない ん でしょ ? ”

“ かしこ 折 木 供 恵 ”

♪~

~♪

( 奉 太郎 ) 古典 部 が 復活 し て から 1 か月

ここ 地学 準備 室 は 俺 の 中 で ―

思った より 来 やすい 場所 と なって い た

放課後 に 退屈 を 感じ れ ば そこ を 訪れる

( 千 反 田 ( ち た ん だ ) える ) どうぞ

家 の 頂き物 です

好き に つま ん で ください

サンキュー

( 奉 太郎 ) 一緒 に い て 疲れ ない の で あれ ば

俺 は もともと 人 嫌い と いう わけ で は ない

ああ …

不毛 です

1 年 に 2 回 植える やつ か ?

それ は 二毛作 です

ひょっとして ダジャレ です か ?

聞く な

いいえ そう じゃ なく て です ね

不毛 な の か ?

そう です 不毛 です

何 が ?

( える ) この 放課後 が です

目的 なき 日々 は 生産 的 じゃ あり ませ ん

( 奉 太郎 ) お 説 ご もっとも

… で お前 は 何 か この 古典 部 に 求める もの が ある と でも ?

( える ) あり ます ( 奉 太郎 ) ほお

でも それ は 一身 上 の 都合 です

( 奉 太郎 ) 前 に も 聞い た ぞ

今 は 古典 部 の こと を 言って る ん です

部活 動 です から 活動 し なけ れ ば いけ ませ ん

目的 が ない

いえ あり ます 10 月 の 文化 祭 に 文集 を 出し ます

( 奉 太郎 ) 文集 ? ( える ) はい

やめよ う 手間 が かかり すぎる

いいえ 文集 で ない と ダメ な ん です

文化 祭 に 一 枚 か み たい なら ―

ほか に も 方法 が ある だ ろ う 模擬 店 と か

神 高 文化 祭 は 伝統 的 に 模擬 店 禁止 だ そう です

それ に 文集 の ため の 予算 が 出 て ます し ―

顧問 の 先生 から も 頼ま れ て い ます

また !

文集 は 40 年 以上 の 伝統 が ある ので 途絶え させ たく ない そう です

そういう 事情 が ある なら 先 に 言え 分かった やる よ

はい !

それ で その 文 集って の は どんな 内容 な ん だ

分かり ませ ん

おい おい

すみません

これ から 調べ れ ば いい と 思って まし た

とにかく バック ナンバー が あれ ば 取っかかり は つかめる と 思い ます

探し て み ま しょ う

ええ …

あっ

ない なあ

( える ) じゃあ 図書 室 でしょう か ?

行って み ま しょ う

何 し てる ん です か ? 折 木 さん も 行く ん です

ほら

( 奉 太郎 ) 気 が 進ま ん

今日 は 金曜 だ から 図書 当番 は 多分 …

( 伊原 摩耶 花 ( いばら ま や か ) ) あれ 折 木 じゃ ない 久しぶり ね 会い たく なかった わ

よう 伊原 会い に き て やった ぜ

( 摩耶 花 ) ここ は 教養 の 聖域 よ あんた に は 似合わ ない ん じゃ ない ?

なら 自分 に は お 似合い だって の か ?

ご 立派 な こと で

相変わらず 最低 ね 冷やかし に 来 た ん なら 帰り なさい よ

ええ と …

( 福部 里志 ( ふく べ さとし ) ) や あ 奉 太郎 奇 遇 だ ねえ

相変わらず 仲 が いい じゃ ない か さすが は 鏑矢 中 ( かぶら や ちゅう ) ベスト カップル

ふざけ ん な

こんな 陰気 な 男 ナメクジ の ほう が まだ マシ よ

( 摩耶 花 ) フン ! ( 奉 太郎 ) ナメクジ …

だいたい 福 ちゃん

私 の 気持ち を 知って て よく そんな 冗談 が 言え る わ ね

ああ ごめん ね 摩耶 花 傷 つい ちゃ った ?

また そう やって 冗談 めかし て ごまかす ん だ から

ホント いいかげん に し て よ ね

どういう ご 関係 な ん です か ?

中学 の ころ から 里志 に ホレ てる ん だ

まっ !

( 里志 ) コホン !

千 反 田 さん こちら は 伊原 摩耶 花 僕ら と 同じ 鏑矢 中 出身 だ

よろしく

( 里志 ) 摩耶 花 こちら は 千 反 田 える さん

僕 が こない だ 入部 し た 古典 部 の 部長 だ よ

こちら こそ よろしく お 願い し ます

それ より 二 人 そろって 何 の 用 だい ?

あっ そう で し た

あの 伊原 さん お 聞き し たい こと が ある ん です が

( 摩耶 花 ) はい …

ここ に 部活 の 文集 って 置 い て あり ます か ?

古典 部 の な ん です けど

古典 部 …

なかった と 思う けど 表 に ない なら 書庫 かしら ?

そう です か …

なんで 文集 を ?

文化 祭 で 文集 を 作る こと に なった ので ―

一 度 以前 の 文集 を 見 て おこ う と 思い まし て

へえ カンヤ 祭 に 出品 する ん だ 奉 太郎 が よく 承知 し た ね

ほとんど 事後 承諾 だった けど な

カンヤ 祭 ?

聞い た こ と ない ? 神 高 文化 祭 の 俗 称 だ よ

また お前 の 考え た 俗 称 じゃ ない だ ろ う な

本当 さ !

手芸 部 の 先輩 は みんな カンヤ 祭って 呼 ん でる よ

摩耶 花 は ?

漫研 でも カンヤ 祭って 言って る わ

カンヤ …

どういう 字 を 書く ん です か ?

分から ない ん だ 聞い て 回ったり は し た ん だ けど ね

まあ 多分 神山 高校 文化 祭 が 神山 祭 に なって ―

カン ヤマ 祭 カンヤ 祭 って ところ か と 思って る ん だ けど

( 摩耶 花 ) それ で 千 反 田 さん

文集 は 書庫 を 探せ ば ある かも しれ ない けど

ちょっと 司書 の 先生 が 会議 で 席 を はずし てる から ―

今 入れ ない の よ

あと 30 分 も すれ ば 戻って くる と 思う けど …

待つ ?

( える ) どう し ます ? ( 奉 太郎 ) 待つ か

( 摩耶 花 ) あんた は 帰って も いい のに

( 奉 太郎 ) へ ー い へい

( える ) あ … N ( 里志 ) あっ 待って 奉 太郎 !

摩耶 花 さっき の 話

二 人 に も 聞い て もらったら どう だい ?

( 摩耶 花 ) えっ

うん …

フン そう ね

折 木 たま に は 頭 を 働かせ て みる 気 は ない ?

( 奉 太郎 ) ない ! ( える ) どういう お 話 です か ?

( 里志 ) 愛 なき 愛読 書 の 話 さ

( える ) 愛 なき 愛読 書 ?

( 里志 ) なんとも 奇妙 な 話 で ね

どう 考え て も つじつま が 合わ なく て

摩耶 花 と 首 を ひねって い た ところ な ん だ

( 奉 太郎 ) おお … おお ! ( える ) ぜひ 聞か せ て ください

( 摩耶 花 ) 私 が 当番 で 金曜 放課後 ここ に 来る と ね

毎週 同じ 本 が 返却 さ れ てる の よ

今日 で 5 週 連続 これ だけ でも 変 な 話 でしょ ?

これ が その 本

( える ) わ あ キレイ な 本

( 奉 太郎 ) デカ い

( える ) ちょっと 中 を 見 て も いい です か ?

( 摩耶 花 ) どうぞ

( 奉 太郎 ) ん ?

折 木 さん も ほら

普通 の 学校 史 です ね

う うん …

これ を 読む の は かなり 大変 そう です ね

これ を 毎週 借りる や つが い て も おかしく は ない な

あんた ここ で 本 借り た こ と ない でしょ

うち の 図書 室 の 貸し出し 期間 は 2 週間 な の

だから 毎週 借りる 必要 は ない の よ

なのに この 本 は 毎週 返却 さ れる ん だって さ

( える ) 誰 が 借り た か は 分かる ん です か ?

もちろん

裏 に 貸し出し リスト が ある から 見 て み て

( える ) あら ? 折 木 さん 見 て ください

毎週 違う 人 が 借り て ます

しかも 全員 その 日 の うち に 返し て ます

( 摩耶 花 ) そう な の よ

貸し出し と 返却 が 同じ 日 で 5 週 連続

時間 も 分かって て

5 人 と も 昼 休み に 借り て 放課後 に 返し てる の

( 里志 ) どう だい ? 気 に なる だ ろ

ええ

私 気 に なり ます !

う っ

うん ? ああ …

ちょっと 考え て み ま しょ う よ 折 木 さん

( 奉 太郎 ) おのれ 里志

こう なる こと を 見越し て 呼び止め た な

折 木 さん は 鍵 の こと と か 秘密 倶楽部 と か ―

あんなに 見事 に 解 い て くれ た じゃ ない です か

何 ? それ

奉 太郎 の 興味深い 一面 に まつわる 話 さ

やめろ 人 聞き の 悪い

とにかく 気 に なる ん です

( 奉 太郎 ) うん … なら ん

なる ん です !

なら ん !

( 摩耶 花 ) 折 木 ( 奉 太郎 ・ える ) ん ?

静か に 千 反 田 さん も

( える ) はい … N ( 奉 太郎 ) ああ …

( 奉 太郎 ) うかつ だった

これ 以上 の 拒絶 や 言い逃れ は むしろ エネルギー 効率 が 悪い

ならば …

うーん そうだ な 少し 考え て みる か

はい !

ハア …

福 ちゃん 折 木 って 頭 よかった っけ ?

あんまり

でも こういう 役 に 立た ない こと だ と ―

時々 役 に 立つ ん だ

お前 ら 言い たい 放題 だ な

( 奉 太郎 ) 5 週間 連続 で 別 の 人間 が この 本 を 借り

その 日 の うち に 返す

これ を 偶然 だ と 言い張る の は 簡単 だ が ―

千 反 田 は 納得 し ない だ ろ う

大事 な の は 真実 で は ない 千 反 田 が 納得 する こと な の だ

さて …

昼 休み に 借り て 放課後 に 返し て い て は ―

とても これ を 読む 暇 など なか ろ う し

家 に 持ち帰ら ない なら 借り ず に 図書 室 で 読め ば いい

結論

この 本 は 図書 の 本分 を 果たす ため に 使用 さ れ て いる の で は ない

… と する と

本 を 読む 以外 に 使う と し たら どう 使う ?

何 冊 か 積め ば 枕 に いい かも

腕 に 着け れ ば 盾 に なる ね

もっと 真面目 に 考え て くれ

そう です よ

こういう 本 ならでは の 使い道 が ある はず です

( 里志 ) じゃあ 千 反 田 さん は どう 思う ?

そう です ね

重ね れ ば 浅 漬け が 漬かり ます

( 奉 太郎 ) お前 ら に は もう 聞か ない

えっ ?

( 奉 太郎 ) 千 反 田 って ホント に 成績 優秀 な の か ?

ただ の 天然 に しか 思え ん の だ が

視点 を 変えよ う

毎週 別 の 人間 が 借り て いる の は どういう わけ か

名前 から 見 て 全員 女 だ な

考え られる の は 2 つ

彼女 ら に 共通 点 は ない が ―

この 本 を 金曜日 の 午後 に 使う こと が ―

はやって いる 場合

そして 彼女 ら は ―

グループ で この 本 を 使用 し ―

当番 制 で 順番 に 借り て 使って いる 場合 だ

はやり ねえ

占い と か

あっ こんな 感じ ?

“ 今週 の あなた の ラッキー アイテム は 学校 史 ”

“ 金曜日 の 午後 に 借り て その 日 の うち に 返す と ― ”

“ 彼 氏 と ウマ く いく かも ” なんて

バカバカしい それ に 5 週 連続 だ ぞ

言って み た だけ だ よ

( 奉 太郎 ) 共通 点 は 全員 が 女 それ と 2 年生 クラス は 違う

( 摩耶 花 ) みんな 女 な の は 何 か 理由 が ある の かしら ?

なんとも 言え ん な

全校 から 無作為 に 5 人 選 ん で ―

それ が 全員 女 で ある 可能 性 は 十分 ある

( 里志 ) それ と 同性 で 群れる の も 珍しい こと じゃ な いよ ね

何 か の 合図 って の は どう だ ?

例えば 本 を 表 に し て 返し て あったら 可

裏 なら 不可 と か

( 摩耶 花 ) うん …

表裏 ( おもて うら ) で 合図 って の は ない と 思う わ よ

ほら

( 里志 ) なるほど これ じゃ 表 も 裏 も 分から ない ね

( 奉 太郎 ) う うん …

まあ 折 木 が いくら 知恵 を 絞って も そんな ところ よ

私 と 福 ちゃん だって 散々 考え た ん だ か … ら ?

( える ) クン クン ( 摩耶 花 ) う っ 何 ?

( える ) クン クン 何 か に おい が し ます

えっ そう ?

( 摩耶 花 ) クン クン 何も におわ ない けど ?

( える ) いいえ 確かに

何 か の 刺激 臭 です シンナー の よう な …

間違い あり ませ ん

( 奉 太郎 ) 犬

まあ でも

千 反 田 さん が こう まで 断言 する なら ―

勘違い じゃ な さ そう だ ね

( 奉 太郎 ) … と すれ ば

奉 太郎 その 顔 は 何 か 分かった ね

( 摩耶 花 ) ホント に ?

まあ な 確定 は でき ん が

千 反 田 運動 する 気 は ない か ? 行って ほしい 所 が ある ん だ が

分かり まし た

( 奉 太郎 ) えっ ? いや 俺 は 行か ず に お前 だけ で

( える ) 私 だけ ? どうして です か ?

それ は … う うん

その とおり だ よ 千 反 田 さん

奉 太郎 に 使わ れる なんて あっちゃ いけ ない

奉 太郎 は 使って こそ 役 に 立つ ん だ から

ずいぶん な 言いぐさ だ な

( える ) いえ 私 は どこ か に 行く なら 一緒 か と 思った だけ です

ああ なる ほど ね

では 行き ま しょ う か 折 木 さん

ああ …

いらっしゃい ませ よう こそ 当店 へ

2 つ の コース 料理 を ご 用意 し て おり ます

どちら に 致し ます か ?

ハア …

( 女性 の 笑い声 )

ああ …

( 笑い声 )

( 奉 太郎 ) あっ あ あっ

お 勧め は ―

こちら です よ

( 笑い声 )

折 木 さん ?

ハア 分かった よ

今日 は 雨 で 体育 が 潰れ た から な

可 処分 エネルギー は まだ 残って る

はい !

どん だけ 限ら れ た エネルギー な の よ あんた は

ほっとけ

( 奉 太郎 ) じゃあ 行く か ( える ) はい

待って

私 も 行く ちょっと 気 に なる し

福 ちゃん ちょっと お 留守番 お 願い ね

あっ ?

( 摩耶 花 ) だって 図書 当番 放り出し て おけ ない でしょ ?

( 奉 太郎 ) じゃ あな 里志

留守番 よろしく

( える ) それ で 折 木 さん どこ へ 行く ん です か ?

( 奉 太郎 ) 美術 室 だ

( 摩耶 花 ) 向こう の 校舎 ね

( 奉 太郎 ) そ っ 遠い だ から 行き たく なかった ん だ

( 摩耶 花 ) あんた ホント に ものぐさ ね

( える ) そこ に 何 が ?

( 奉 太郎 ) その 前 に 整理 だ

あの 本 の 使い道 だ が ―

休み 時間 に あんな デカ い 物 を 使う 女子 は まずい ない だ ろ う

… と なれ ば 考え られる の は 授業 だ

学年 が 同じ で ―

クラス が 別 の 生徒 が 関係 する 授業 と いえ ば 何 だ ?

体育 か 芸術 科 目 です ね

( 奉 太郎 ) そう

あの 5 人 は 毎週 授業 の 前 に 当番 を 決め て 借り に 来 て たん だ

毎週 って の が 分から ない わ ね

貸し出し 期間 は 2 週間 だ から

( 奉 太郎 ) あんな デカ い 本

持って おく より 毎週 返し て おく ほう が 楽 だ ろ ?

( 摩耶 花 ) ああ そう ね

( える ) ハッ !

( 摩耶 花 ) うん ? どう し た の ?

( える ) 本 と 同じ に おい が し ます

ホント に ?

中 を 見 れ ば 分かる

( える ・ 摩耶 花 ) あっ !

( 奉 太郎 ) 本 の 使い道 は あれ だ

2 年 D ・ E ・ F 組 の 合同 授業

芸術 科 目 美術 科 で 制作 さ れ た 絵

あの 装丁 なら 絵 の モチーフ に ピッタリ だ

絵の具 の におい だった ん です ね

どうして 分かった の ?

どうして って …

ただ の ひらめき ただ の 運 だ ろ

( える ・ 摩耶 花 ) は あ …

( 里志 ) いや あ 見事 見事

さすが に 絵 の モチーフ に 使った なんて ―

想像 も つか なかった よ

なんで あんな の が 分かる の ?

折 木 変

何 を 言う 俺 ほど 平均 的 な 人間 は い ない

さて どう だ ろ う ね

でも 本当 に 折 木 さん に は 驚か さ れ まし た

折 木 さん の 頭 の 中 に は 私 も 興味 あり ます

( 里志 ) 興味 が ? ( える ) ええ

一 度 切り開 い て 中 を 見 て み たい くらい です

大した 脳みそ じゃ ない ぞ

学業 優秀 な お前 が 見 て も 得る もの は ない

( 摩耶 花 ) へえ 学業 優秀 な の

そう そう 中間 テスト は まだ だ けど

きっと 学年 でも トップ クラス の 成績 を 取る よ

いえ

いくら 成績 が 取れ て も それ は パーツ の 集合 体 に すぎ ませ ん

私 は そういう パーツ で は なく ―

思考 を 生みだす システム が 知り たい ん です

は あ …

( 奉 太郎 ) … と いう か

こいつ の 嗅覚 の ほう が 俺 に は よほど 謎 な ん だ が

折 木 さん なら もしかしたら …

( 奉 太郎 ) うん ? ( える ) あっ

( える ) いえ … なんでも

まあ とにかく

なかなか 面白い 時間 を 過ごさ せ て もらった よ

千 反 田 さん は ?

( える ) もちろん 楽しかった です 時間 を 短く 感じ まし た

私 は 何 時間 かかって も 分から なかった のに …

悔しい

( 里志 ) だ から 言った じゃ ない か “ 時々 役立つ ” って

でも 折 木 に 負ける の は 納得 いか ない !

やっぱり 悔しい !

( 里志 ) まあまあ

( 奉 太郎 ) 違う

ここ が 違う こんな ふう に 俺 は なら ない

何 が 違う 何 が …

( 里志 ) そう な ん だ よ ねえ

ごく まれ に ひらめく 一瞬 の 輝き か はたまた …

( える ) 折 木 さん 帰っちゃ ダメ です

なんで ? ああ 文集

そう です 先生 を 待た ない と

奉 太郎 って 時々 抜け てる ん だ よ ね

時々 ? 過大 評価 じゃ ない ?

( 奉 太郎 ) う うん ( 糸魚川 養子 ( いとい がわ よう こ ) ) 伊原 さん

( 糸魚川 ) ご苦労さま もう 帰って いい わ よ

( 摩耶 花 ) あっ はい 戻って た ん です か 糸魚川 先生

先生 古典 部 の 福部 里志 です

文集 を 作る ため に ―

バック ナンバー を 探し て いる ん です が

書庫 を 調べ て も いい です か ?

古典 部 … 文集 ?

あなた たち 古典 部 な の ?

そう 残念 だ けど ―

文集 の バック ナンバー は 書庫 に は ない わ

( 里志 ) 見落とし と いう こと は ?

あったら さすが に 覚え てる わ じゃ 失礼 する わ ね

( 里志 ) は あ … すいません で し た

だ そう だ よ 千 反 田 さん

これ は 困り まし た

その うち 見つかる さ

は あ …

( 摩耶 花 ) 折 木 どう ?

問題 解 い て 気分 は スッキリ って とこ かしら ?

( 奉 太郎 ) 別に ( 摩耶 花 ) あっ そ

( える ) 仕方 あり ませ ん 帰り ま しょ

今日 は 収穫 も あり まし た し

何 だ ? それ

いえ 一身 上 の 都合 です

また それ か

そう

折 木 さん なら もしかしたら

( 電話 の 着信 音 )

はい … 折 木 です

( える ) もしもし ? 千 反 田 です

あ … 千 反 田 ?

( える ) あの … すみません も しか して お 休み で し た か ?

( 奉 太郎 ) まあ な 姉 貴 の 電話 か と 思った

( 奉 太郎 の あくび )

( 奉 太郎 ) … で 日曜 なんか に どう し た ?

( える ) すみません

でき れ ば 今日 お 会い し たい ん です けど …

( 奉 太郎 ) うん ?

( える ) 折 木 さん に 折り入って お 話し し たい こと が ある ん です

( 奉 太郎 ) 遅い

ああ …

( ドア が 開く 音 ) ( 奉 太郎 ) あっ

( える の 荒い 息遣い )

お … N お呼び 立て し て すみません

( 奉 太郎 ) ああ …

それ で 何 か 用 だった か ?

はい ?

何の ため に ―

この 店 まで 呼び出し た の か って 聞い てる ん だ

この お 店 を 指定 し た の は 折 木 さん です

( 奉 太郎 ) 帰る ( える ) えっ ?

( える ) ま … 待って ください

( 奉 太郎 ) 貴重 な 日曜日 だ ぞ

お前 と 漫才 する ため に 浪費 など でき ん

す … すみません

私 緊張 し てる ん です

緊張 ねえ

俺 に 告白 でも する つもり か ?

( える ) ハッ

うん ?

告白 と いえ ば そう かも しれ ませ ん

えっ ?

ああ …

♪~

~♪

( える ) 次回 「 事情 ある 古典 部 の 末 裔 ( まつ えい ) 」


Hyouka Episode 2 hyouka|episode Hyouka Episode 2 Hyouka Эпизод 2

( 鳥 の 鳴き声 ) ちょう||なきごえ (BIRD SOUNDS)

( アラーム 音 ) |おと (Alarm sound)

( 折 木 奉 太郎 ( おれ き ほう たろう ) ) うん う うん ああ … お|き|たてまつ|たろう|||||||| (I'm not sure if it's a good idea or not.

( 折 木 供 恵 ( ともえ ) ) “ 折 木 奉 太郎 殿 ” お|き|とも|けい||お|き|たてまつ|たろう|しんがり Dear Oreki Houtarou,

“ 前略 私 は 今 ベナレス に い ます ” ぜんりゃく|わたくし||いま|||| Greetings. I am currently in Benaras.

“ ちょっと 遅れ た けど 合格 おめでとう ” |おくれ|||ごうかく| Belated congratulations on making it into high school.

“ 結局 神山 ( かみ やま ) 高校 だって ね ” けっきょく|かみやま|||こうこう|| I heard you chose Kamiyama High School.

“ 無事 高校 生 に なった あんた に ― ” ぶじ|こうこう|せい|||| Now that you're in high school, maybe you can take some advice from your big sister.

“ 姉 と して 一 つ アドバイス し て あげる ” あね|||ひと||あどばいす||| As your sister, I have one piece of advice for you.

“ 古典 部 に 入り なさい ” こてん|ぶ||はいり| Join the Classics Club.

“ 伝統 ある 部活 よ ” でんとう||ぶかつ| It's a club with a long history, and I was part of it when I was a student.

“ そして 私 が 所属 し て い た 部 で も ある ” |わたくし||しょぞく|||||ぶ||| And that's the club I belonged to.

“ 聞い た 話 だ と 我が 古典 部 の 部員 は 現在 ゼロ ” ききい||はなし|||わが|こてん|ぶ||ぶいん||げんざい| From what I've heard, the Classics Club now has zero members.

“ 今年 入部 者 が い なけ れ ば 消滅 する そう な の ” ことし|にゅうぶ|もの||||||しょうめつ|||| If no one joins this year, the club will be terminated.

“ 古典 部 OG と して それ は あまりに 忍びない わ ” こてん|ぶ|og||||||しのびない| As a former member, I can't bear to see that happen.

“ 奉 太郎 ” たてまつ|たろう Houtarou,

“ 姉 の 青春 の 場 古典 部 を 守り なさい ” あね||せいしゅん||じょう|こてん|ぶ||まもり| protect the Classics Club, the place of my youth!

“ 名前 を 置 い て おく だけ で いい から ” なまえ||お||||||| You just need to put your name on the register.

“ どうせ やり たい こと な ん か ない ん でしょ ? ” You don't have anything better to do anyway, right?

“ かしこ 折 木 供 恵 ” |お|き|とも|けい Sincerely yours,

♪~

~♪ ~♪

( 奉 太郎 ) 古典 部 が 復活 し て から 1 か月 たてまつ|たろう|こてん|ぶ||ふっかつ||||かげつ The Activities of the Classics Club and Its Honor

ここ 地学 準備 室 は 俺 の 中 で ― |ちがく|じゅんび|しつ||おれ||なか| I've grown more accustomed to the Geography Prep Room than I thought I would.

思った より 来 やすい 場所 と なって い た おもった||らい||ばしょ|||| Hey.

放課後 に 退屈 を 感じ れ ば そこ を 訪れる ほうかご||たいくつ||かんじ|||||おとずれる I drop in whenever I feel bored after school.

( 千 反 田 ( ち た ん だ ) える ) どうぞ せん|はん|た||||||

家 の 頂き物 です いえ||いただきもの| I brought these from home.

好き に つま ん で ください すき||||| Have as many as you'd like.

サンキュー さんきゅー thank you

( 奉 太郎 ) 一緒 に い て 疲れ ない の で あれ ば たてまつ|たろう|いっしょ||||つかれ||||| I'm not against socializing, so long as it's not tiring.

俺 は もともと 人 嫌い と いう わけ で は ない おれ|||じん|きらい|||||| I'm not a misanthrope by nature.

ああ …

不毛 です ふもう| It's barren.

1 年 に 2 回 植える やつ か ? とし||かい|うえる|| The guy who plants twice a year?

それ は 二毛作 です ||にもうさく| You're thinking of double-cropping.

ひょっとして ダジャレ です か ? Wait, was that a joke?

聞く な きく| I know. Lame.

いいえ そう じゃ なく て です ね I didn't mean it like that...

不毛 な の か ? ふもう||| Barren, huh?

そう です 不毛 です ||ふもう| Yes, it's barren.

何 が ? なん| What is?

( える ) この 放課後 が です ||ほうかご|| Our time after school is!

目的 なき 日々 は 生産 的 じゃ あり ませ ん もくてき||ひび||せいさん|てき|||| A life without goals bears no fruit!

( 奉 太郎 ) お 説 ご もっとも たてまつ|たろう||せつ|| (I'm sure you'll understand.

… で お前 は 何 か この 古典 部 に 求める もの が ある と でも ? |おまえ||なん|||こてん|ぶ||もとめる||||| So, is there something you want from the Classics Club?

( える ) あり ます ( 奉 太郎 ) ほお |||たてまつ|たろう| There is.

でも それ は 一身 上 の 都合 です |||いっしん|うえ||つごう| But that's a personal matter.

( 奉 太郎 ) 前 に も 聞い た ぞ たてまつ|たろう|ぜん|||ききい|| I've heard that before.

今 は 古典 部 の こと を 言って る ん です いま||こてん|ぶ||||いって||| I'm talking about the Classics Club.

部活 動 です から 活動 し なけ れ ば いけ ませ ん ぶかつ|どう|||かつどう||||||| It's a club activity, so we have to be active.

目的 が ない もくてき|| We don't have an objective.

いえ あり ます 10 月 の 文化 祭 に 文集 を 出し ます |||つき||ぶんか|さい||ぶんしゅう||だし| Yes, we will publish the book at the festival in October.

( 奉 太郎 ) 文集 ? ( える ) はい たてまつ|たろう|ぶんしゅう|| An anthology?

やめよ う 手間 が かかり すぎる ||てま||| I don't want to do this. It's too much work.

いいえ 文集 で ない と ダメ な ん です |ぶんしゅう||||だめ||| No, we have to make an anthology!

文化 祭 に 一 枚 か み たい なら ― ぶんか|さい||ひと|まい|||| If you want to get a piece for the festival...

ほか に も 方法 が ある だ ろ う 模擬 店 と か |||ほうほう||||||もぎ|てん|| There must be other ways to do it, like a bake sale.

神 高 文化 祭 は 伝統 的 に 模擬 店 禁止 だ そう です かみ|たか|ぶんか|さい||でんとう|てき||もぎ|てん|きんし||| Refreshment booths are traditionally banned at the Kamiyama High Cultural Festival.

それ に 文集 の ため の 予算 が 出 て ます し ― ||ぶんしゅう||||よさん||だ||| And we have funds in our budget for an anthology, and our supervisor asked us to, as well.

顧問 の 先生 から も 頼ま れ て い ます こもん||せんせい|||たのま|||| My advisor is also asking me to do this.

また ! And! The anthology has more than 40 years of history, and he doesn't want that to end.

文集 は 40 年 以上 の 伝統 が ある ので 途絶え させ たく ない そう です ぶんしゅう||とし|いじょう||でんとう||||とだえ|さ せ|||| The collection has been in existence for more than 40 years, and he does not want to see it die out.

そういう 事情 が ある なら 先 に 言え 分かった やる よ |じじょう||||さき||いえ|わかった|| You could have told me that first!

はい ! Yes!

それ で その 文 集って の は どんな 内容 な ん だ |||ぶん|つどって||||ないよう||| So what sort of content are we writing?

分かり ませ ん わかり|| I don't know!

おい おい Hey...

すみません Sorry, I thought we could start looking into it now.

これ から 調べ れ ば いい と 思って まし た ||しらべ|||||おもって|| I thought I'd start looking into it.

とにかく バック ナンバー が あれ ば 取っかかり は つかめる と 思い ます |ばっく|なんばー||||とっかかり||||おもい| But I think we'll get a good idea of how to start if we can find a back issue first.

探し て み ま しょ う さがし||||| Let's look for one!

ええ …

あっ Ah!

ない なあ Not in here.

( える ) じゃあ 図書 室 でしょう か ? ||としょ|しつ|| Maybe they're in the library.

行って み ま しょ う おこなって|||| Let's go and see.

何 し てる ん です か ? 折 木 さん も 行く ん です なん||||||お|き|||いく|| What are you doing?

ほら Come on.

( 奉 太郎 ) 気 が 進ま ん たてまつ|たろう|き||すすま| I'm not a fan of this.

今日 は 金曜 だ から 図書 当番 は 多分 … きょう||きんよう|||としょ|とうばん||たぶん It's Friday, so the volunteer librarian is probably...

( 伊原 摩耶 花 ( いばら ま や か ) ) あれ 折 木 じゃ ない 久しぶり ね 会い たく なかった わ いはら|まや|か||||||お|き|||ひさしぶり||あい||| Oh, if it isn't Oreki.

よう 伊原 会い に き て やった ぜ |いはら|あい||||| Hey Ibara, I came just to see you.

( 摩耶 花 ) ここ は 教養 の 聖域 よ あんた に は 似合わ ない ん じゃ ない ? まや|か|||きょうよう||せいいき|||||にあわ|||| (This is a sanctuary of culture. It's not for you, is it?

なら 自分 に は お 似合い だって の か ? |じぶん||||にあい||| So you're saying it's a place for you?

ご 立派 な こと で |りっぱ||| That's marvelous.

相変わらず 最低 ね 冷やかし に 来 た ん なら 帰り なさい よ あいかわらず|さいてい||ひやかし||らい||||かえり|| As annoying as ever, I see.

ええ と … Um...

( 福部 里志 ( ふく べ さとし ) ) や あ 奉 太郎 奇 遇 だ ねえ ふくべ|さとし||||||たてまつ|たろう|き|ぐう|| Hey Houtarou, what a coincidence!

相変わらず 仲 が いい じゃ ない か さすが は 鏑矢 中 ( かぶら や ちゅう ) ベスト カップル あいかわらず|なか||||||||かぶらや|なか||||べすと|かっぷる You guys are getting along great, as usual.

ふざけ ん な You've got to be kidding me.

こんな 陰気 な 男 ナメクジ の ほう が まだ マシ よ |いんき||おとこ||||||| I'd rather date a slug than this sulky bum.

( 摩耶 花 ) フン ! ( 奉 太郎 ) ナメクジ … まや|か|ふん|たてまつ|たろう| A slug...

だいたい 福 ちゃん |ふく|

私 の 気持ち を 知って て よく そんな 冗談 が 言え る わ ね わたくし||きもち||しって||||じょうだん||いえ|||

ああ ごめん ね 摩耶 花 傷 つい ちゃ った ? |||まや|か|きず||| Sorry Mayaka, did that hurt you?

また そう やって 冗談 めかし て ごまかす ん だ から |||じょうだん|||||| And you always brush me aside with a joke.

ホント いいかげん に し て よ ね ほんと||||||

どういう ご 関係 な ん です か ? ||かんけい||||

中学 の ころ から 里志 に ホレ てる ん だ ちゅうがく||||さとし||||| She's had feelings for Satoshi since middle school.

まっ !

( 里志 ) コホン ! さとし|

千 反 田 さん こちら は 伊原 摩耶 花 僕ら と 同じ 鏑矢 中 出身 だ せん|はん|た||||いはら|まや|か|ぼくら||おなじ|かぶらや|なか|しゅっしん| Chitanda-san, this is Ibara Mayaka.

よろしく Nice to meet you.

( 里志 ) 摩耶 花 こちら は 千 反 田 える さん さとし|まや|か|||せん|はん|た||

僕 が こない だ 入部 し た 古典 部 の 部長 だ よ ぼく||||にゅうぶ|||こてん|ぶ||ぶちょう|| She's the president of the Classics Club that I joined last month.

こちら こそ よろしく お 願い し ます ||||ねがい|| Nice to meet you too.

それ より 二 人 そろって 何 の 用 だい ? ||ふた|じん||なん||よう|

あっ そう で し た Oh, right!

あの 伊原 さん お 聞き し たい こと が ある ん です が |いはら|||きき|||||||| Ibara-san, there's something I'd like to ask you.

( 摩耶 花 ) はい … まや|か|

ここ に 部活 の 文集 って 置 い て あり ます か ? ||ぶかつ||ぶんしゅう||お||||| Do you keep anthologies written by clubs here?

古典 部 の な ん です けど こてん|ぶ||||| Specifically, by the Classics Club.

古典 部 … こてん|ぶ The Classics Club...

なかった と 思う けど 表 に ない なら 書庫 かしら ? ||おもう||ひょう||||しょこ| I don't think so.

そう です か … I see.

なんで 文集 を ? |ぶんしゅう|

文化 祭 で 文集 を 作る こと に なった ので ― ぶんか|さい||ぶんしゅう||つくる|||| We're going to write an anthology for the cultural festival, so I wanted to take a look at past issues.

一 度 以前 の 文集 を 見 て おこ う と 思い まし て ひと|たび|いぜん||ぶんしゅう||み|||||おもい||

へえ カンヤ 祭 に 出品 する ん だ 奉 太郎 が よく 承知 し た ね ||さい||しゅっぴん||||たてまつ|たろう|||しょうち|||

ほとんど 事後 承諾 だった けど な |じご|しょうだく|||

カンヤ 祭 ? |さい Kanya Festival?

聞い た こ と ない ? 神 高 文化 祭 の 俗 称 だ よ ききい|||||かみ|たか|ぶんか|さい||ぞく|そや|| Never heard it before?

また お前 の 考え た 俗 称 じゃ ない だ ろ う な |おまえ||かんがえ||ぞく|そや||||||

本当 さ ! ほんとう|

手芸 部 の 先輩 は みんな カンヤ 祭って 呼 ん でる よ しゅげい|ぶ||せんぱい||||まつって|よ||| Everyone at the Sewing Club calls it that.

摩耶 花 は ? まや|か| How about you, Mayaka?

漫研 でも カンヤ 祭って 言って る わ まんけん|||まつって|いって|| Everyone at the Manga Society call it that, too.

カンヤ … Kanya?

どういう 字 を 書く ん です か ? |あざ||かく||| How do you write that?

分から ない ん だ 聞い て 回ったり は し た ん だ けど ね わから||||ききい||まわったり||||||| No idea. I've even asked around about it.

まあ 多分 神山 高校 文化 祭 が 神山 祭 に なって ― |たぶん|かみやま|こうこう|ぶんか|さい||かみやま|さい|| I'm guessing "Kamiyama High School Cultural Festival" turned into "Kamiyama Festival",

カン ヤマ 祭 カンヤ 祭 って ところ か と 思って る ん だ けど かん|やま|さい||さい|||||おもって||||

( 摩耶 花 ) それ で 千 反 田 さん まや|か|||せん|はん|た| Anyway, Chitanda-san, you might find the anthologies in our archive,

文集 は 書庫 を 探せ ば ある かも しれ ない けど ぶんしゅう||しょこ||さがせ||||||

ちょっと 司書 の 先生 が 会議 で 席 を はずし てる から ― |ししょ||せんせい||かいぎ||せき|||| but the librarian is at a meeting right now, so we can't get in.

今 入れ ない の よ いま|いれ|||

あと 30 分 も すれ ば 戻って くる と 思う けど … |ぶん||||もどって|||おもう| I think she'll be back in half an hour.

待つ ? まつ Do you want to wait?

( える ) どう し ます ? ( 奉 太郎 ) 待つ か ||||たてまつ|たろう|まつ| What should we do?

( 摩耶 花 ) あんた は 帰って も いい のに まや|か|||かえって|||

( 奉 太郎 ) へ ー い へい たてまつ|たろう||-|| Sounds good.

( える ) あ …\ N ( 里志 ) あっ 待って 奉 太郎 ! ||n|さとし||まって|たてまつ|たろう

摩耶 花 さっき の 話 まや|か|||はなし Mayaka, why don't you tell them about what you told me earlier?

二 人 に も 聞い て もらったら どう だい ? ふた|じん|||ききい||||

( 摩耶 花 ) えっ まや|か|

うん …

フン そう ね ふん||

折 木 たま に は 頭 を 働かせ て みる 気 は ない ? お|き||||あたま||はたらかせ|||き|| Oreki, feel like using your head for once?

( 奉 太郎 ) ない ! ( える ) どういう お 話 です か ? たてまつ|たろう|||||はなし|| What might this be about?

( 里志 ) 愛 なき 愛読 書 の 話 さ さとし|あい||あいどく|しょ||はなし| It's about a loved book given no love.

( える ) 愛 なき 愛読 書 ? |あい||あいどく|しょ A loved book given no love.

( 里志 ) なんとも 奇妙 な 話 で ね さとし||きみょう||はなし|| It's a strange story.

どう 考え て も つじつま が 合わ なく て |かんがえ|||||あわ|| I was pondering it over with Mayaka since it doesn't make much sense.

摩耶 花 と 首 を ひねって い た ところ な ん だ まや|か||くび||||||||

( 奉 太郎 ) おお … おお ! ( える ) ぜひ 聞か せ て ください たてまつ|たろう|||||きか|||

( 摩耶 花 ) 私 が 当番 で 金曜 放課後 ここ に 来る と ね まや|か|わたくし||とうばん||きんよう|ほうかご|||くる|| Every Friday I come in for duty, the same book is always being returned.

毎週 同じ 本 が 返却 さ れ てる の よ まいしゅう|おなじ|ほん||へんきゃく|||||

今日 で 5 週 連続 これ だけ でも 変 な 話 でしょ ? きょう||しゅう|れんぞく||||へん||はなし| This is the fifth week in a row.

これ が その 本 |||ほん This is the book.

( える ) わ あ キレイ な 本 |||||ほん What a pretty book!

( 奉 太郎 ) デカ い たてまつ|たろう|| Kamiyama High School Fifty Years of History

( える ) ちょっと 中 を 見 て も いい です か ? ||なか||み|||||

( 摩耶 花 ) どうぞ まや|か| Go ahead.

( 奉 太郎 ) ん ? たてまつ|たろう|

折 木 さん も ほら お|き|||

普通 の 学校 史 です ね ふつう||がっこう|し|| It looks like a normal school history to me.

う うん …

これ を 読む の は かなり 大変 そう です ね ||よむ||||たいへん|||

これ を 毎週 借りる や つが い て も おかしく は ない な ||まいしゅう|かりる||||||||| It doesn't seem strange to me that someone might borrow this every week.

あんた ここ で 本 借り た こ と ない でしょ |||ほん|かり||||| You've never borrowed a book from here before, have you?

うち の 図書 室 の 貸し出し 期間 は 2 週間 な の ||としょ|しつ||かしだし|きかん||しゅうかん|| Our loan period is two weeks.

だから 毎週 借りる 必要 は ない の よ |まいしゅう|かりる|ひつよう|||| So there's no reason to borrow it weekly.

なのに この 本 は 毎週 返却 さ れる ん だって さ ||ほん||まいしゅう|へんきゃく||||| But regardless, this book gets returned every week.

( える ) 誰 が 借り た か は 分かる ん です か ? |だれ||かり||||わかる||| Do you know who borrowed it?

もちろん

裏 に 貸し出し リスト が ある から 見 て み て うら||かしだし|りすと||||み||| There's a list of borrowers at the back.

( える ) あら ? 折 木 さん 見 て ください ||お|き||み|| Oreki-san, look at this.

毎週 違う 人 が 借り て ます まいしゅう|ちがう|じん||かり|| It's a different person every time!

しかも 全員 その 日 の うち に 返し て ます |ぜんいん||ひ||||かえし|| And they all returned the book on the same day they took it out!

( 摩耶 花 ) そう な の よ まや|か|||| Exactly.

貸し出し と 返却 が 同じ 日 で 5 週 連続 かしだし||へんきゃく||おなじ|ひ||しゅう|れんぞく For five weeks now, it's been checked out and returned on the same day.

時間 も 分かって て じかん||わかって| I also know that they all borrowed it during lunch break and returned it after school.

5 人 と も 昼 休み に 借り て 放課後 に 返し てる の じん|||ひる|やすみ||かり||ほうかご||かえし||

( 里志 ) どう だい ? 気 に なる だ ろ さとし|||き||||

ええ Yes...

私 気 に なり ます ! わたくし|き||| I'm curious!

う っ

うん ? ああ …

ちょっと 考え て み ま しょ う よ 折 木 さん |かんがえ|||||||お|き| Let's think about this, Oreki-san!

( 奉 太郎 ) おのれ 里志 たてまつ|たろう||さとし Damn you, Satoshi...

こう なる こと を 見越し て 呼び止め た な ||||みこし||よびとめ||

折 木 さん は 鍵 の こと と か 秘密 倶楽部 と か ― お|き|||かぎ|||||ひみつ|くらぶ|| You solved the mystery of that lock and that secret club so easily!

あんなに 見事 に 解 い て くれ た じゃ ない です か |みごと||かい||||||||

何 ? それ なん| What?

奉 太郎 の 興味深い 一面 に まつわる 話 さ たてまつ|たろう||きょうみぶかい|いちめん|||はなし| Just the more interesting facets of Houtarou's life.

やめろ 人 聞き の 悪い |じん|きき||わるい Don't talk about people like that.

とにかく 気 に なる ん です |き|||| Anyway, I'm curious!

( 奉 太郎 ) うん … なら ん たてまつ|たろう||| I'm not.

なる ん です ! I am!

なら ん ! I'm not!

( 摩耶 花 ) 折 木 ( 奉 太郎 ・ える ) ん ? まや|か|お|き|たてまつ|たろう||

静か に 千 反 田 さん も しずか||せん|はん|た|| Keep it down.

( える ) はい …\ N ( 奉 太郎 ) ああ … ||n|たてまつ|たろう| Yes...

( 奉 太郎 ) うかつ だった たてまつ|たろう|| That was careless of me.

これ 以上 の 拒絶 や 言い逃れ は むしろ エネルギー 効率 が 悪い |いじょう||きょぜつ||いいのがれ|||えねるぎー|こうりつ||わるい Any further refusal or excuses would just be a waste of energy.

ならば … In which case...

うーん そうだ な 少し 考え て みる か |そう だ||すこし|かんがえ||| Fine, I guess I'll think about it.

はい ! Okay!

ハア …

福 ちゃん 折 木 って 頭 よかった っけ ? ふく||お|き||あたま|| Fuku-chan, was Oreki actually smart?

あんまり Not really.

でも こういう 役 に 立た ない こと だ と ― ||やく||たた|||| But he's pretty useful when it comes to useless things.

時々 役 に 立つ ん だ ときどき|やく||たつ||

お前 ら 言い たい 放題 だ な おまえ||いい||ほうだい|| You guys can sure run your mouths.

( 奉 太郎 ) 5 週間 連続 で 別 の 人間 が この 本 を 借り たてまつ|たろう|しゅうかん|れんぞく||べつ||にんげん|||ほん||かり Five different people borrow this book each week for five weeks,

その 日 の うち に 返す |ひ||||かえす and then return it on the same day.

これ を 偶然 だ と 言い張る の は 簡単 だ が ― ||ぐうぜん|||いいはる|||かんたん|| It would be easy to claim that it's just a coincidence, but Chitanda wouldn't accept that.

千 反 田 は 納得 し ない だ ろ う せん|はん|た||なっとく|||||

大事 な の は 真実 で は ない 千 反 田 が 納得 する こと な の だ だいじ||||しんじつ||||せん|はん|た||なっとく||||| What's important isn't the truth, but whether or not I can appease Chitanda's curiosity.

さて … Let's see...

昼 休み に 借り て 放課後 に 返し て い て は ― ひる|やすみ||かり||ほうかご||かえし|||| If you borrowed this book at lunch and returned it after school, there'd be no time to read it.

とても これ を 読む 暇 など なか ろ う し |||よむ|いとま|||||

家 に 持ち帰ら ない なら 借り ず に 図書 室 で 読め ば いい いえ||もちかえら|||かり|||としょ|しつ||よめ|| And if you aren't going to take it home, you could just read it in the library.

結論 けつろん Kamiyama High School Fifty Years of History

この 本 は 図書 の 本分 を 果たす ため に 使用 さ れ て いる の で は ない |ほん||としょ||ほんぶん||はたす|||しよう||||||||

… と する と Which means...

本 を 読む 以外 に 使う と し たら どう 使う ? ほん||よむ|いがい||つかう|||||つかう How would you use a book besides reading it?

何 冊 か 積め ば 枕 に いい かも なん|さつ||つめ||まくら|||

腕 に 着け れ ば 盾 に なる ね うで||つけ|||たて|||

もっと 真面目 に 考え て くれ |まじめ||かんがえ|| Can we try being serious here?

そう です よ That's right, there must be some use that only this book can fulfill.

こういう 本 ならでは の 使い道 が ある はず です |ほん|||つかいみち||||

( 里志 ) じゃあ 千 反 田 さん は どう 思う ? さとし||せん|はん|た||||おもう Do you have any ideas then?

そう です ね Let's see...

重ね れ ば 浅 漬け が 漬かり ます かさね|||あさ|つけ||つかり|

( 奉 太郎 ) お前 ら に は もう 聞か ない たてまつ|たろう|おまえ|||||きか| I'm not even going to ask you guys any more.

えっ ?

( 奉 太郎 ) 千 反 田 って ホント に 成績 優秀 な の か ? たてまつ|たろう|せん|はん|た||ほんと||せいせき|ゆうしゅう||| Is Chitanda seriously a top student?

ただ の 天然 に しか 思え ん の だ が ||てんねん|||おもえ|||| She seems like a complete airhead to me.

視点 を 変えよ う してん||かえよ| Let's try a different angle.

毎週 別 の 人間 が 借り て いる の は どういう わけ か まいしゅう|べつ||にんげん||かり||||||| Suzuki Yoshie

名前 から 見 て 全員 女 だ な なまえ||み||ぜんいん|おんな|| If you look at the names, they're all girls.

考え られる の は 2 つ かんがえ||||

彼女 ら に 共通 点 は ない が ― かのじょ|||きょうつう|てん||| These girls are unrelated to each other, and checking out this book on Fridays is a fad for some reason.

この 本 を 金曜日 の 午後 に 使う こと が ― |ほん||きんようび||ごご||つかう||

はやって いる 場合 ||ばあい

そして 彼女 ら は ― |かのじょ|| Two

グループ で この 本 を 使用 し ― ぐるーぷ|||ほん||しよう|

当番 制 で 順番 に 借り て 使って いる 場合 だ とうばん|せい||じゅんばん||かり||つかって||ばあい|

はやり ねえ A fad, huh...

占い と か うらない|| Maybe for fortune-telling?

あっ こんな 感じ ? ||かんじ

“ 今週 の あなた の ラッキー アイテム は 学校 史 ” こんしゅう||||らっきー|あいてむ||がっこう|し "Your lucky item this week is the school history!"

“ 金曜日 の 午後 に 借り て その 日 の うち に 返す と ― ” きんようび||ごご||かり|||ひ||||かえす| "If you borrow it on Friday afternoon and then return it on the same day, things will go well with your boyfriend!"

“ 彼 氏 と ウマ く いく かも ” なんて かれ|うじ||||||

バカバカしい それ に 5 週 連続 だ ぞ ばかばかしい|||しゅう|れんぞく|| That's just dumb.

言って み た だけ だ よ いって||||| Just throwing out ideas.

( 奉 太郎 ) 共通 点 は 全員 が 女 それ と 2 年生 クラス は 違う たてまつ|たろう|きょうつう|てん||ぜんいん||おんな|||ねんせい|くらす||ちがう The common link is that they're all girls, and all in second year, but different classes.

( 摩耶 花 ) みんな 女 な の は 何 か 理由 が ある の かしら ? まや|か||おんな||||なん||りゆう|||| Could there be some reason why they're all girls?

なんとも 言え ん な |いえ|| I can't think of one.

全校 から 無作為 に 5 人 選 ん で ― ぜんこう||むさくい||じん|せん|| It's entirely within the realm of probability to get only girls if you were to randomly pick five students from the entire school.

それ が 全員 女 で ある 可能 性 は 十分 ある ||ぜんいん|おんな|||かのう|せい||じゅうぶん|

( 里志 ) それ と 同性 で 群れる の も 珍しい こと じゃ な いよ ね さとし|||どうせい||むれる|||めずらしい|||||

何 か の 合図 って の は どう だ ? なん|||あいず||||| Maybe it's some kind of message?

例えば 本 を 表 に し て 返し て あったら 可 たとえば|ほん||ひょう||||かえし|||か For example, "yes" if it's returned facing up,

裏 なら 不可 と か うら||ふか|| and "no" if it's face down?

( 摩耶 花 ) うん … まや|か|

表裏 ( おもて うら ) で 合図 って の は ない と 思う わ よ ひょうり||||あいず||||||おもう|| I don't think you could use it that way.

ほら Look.

( 里志 ) なるほど これ じゃ 表 も 裏 も 分から ない ね さとし||||ひょう||うら||わから|| Returns Corner

( 奉 太郎 ) う うん … たてまつ|たろう||

まあ 折 木 が いくら 知恵 を 絞って も そんな ところ よ |お|き|||ちえ||しぼって|||| Well, wringing Oreki's brain isn't going to get us very far.

私 と 福 ちゃん だって 散々 考え た ん だ か … ら ? わたくし||ふく|||さんざん|かんがえ||||| Fuku-chan and I already spent ages thinking this—

( える ) クン クン ( 摩耶 花 ) う っ 何 ? |||まや|か|||なん

( える ) クン クン 何 か に おい が し ます |||なん||||||

えっ そう ? Really?

( 摩耶 花 ) クン クン 何も におわ ない けど ? まや|か|||なにも|||

( える ) いいえ 確かに ||たしかに No, it's definitely there.

何 か の 刺激 臭 です シンナー の よう な … なん|||しげき|くさ||しんなー||| Something quite pungent, like paint thinner...

間違い あり ませ ん まちがい||| There's no mistaking it.

( 奉 太郎 ) 犬 たてまつ|たろう|いぬ Dog.

まあ でも

千 反 田 さん が こう まで 断言 する なら ― せん|はん|た|||||だんげん||

勘違い じゃ な さ そう だ ね かんちがい||||||

( 奉 太郎 ) … と すれ ば たてまつ|たろう||| Which would mean...

奉 太郎 その 顔 は 何 か 分かった ね たてまつ|たろう||かお||なん||わかった| Houtarou...

( 摩耶 花 ) ホント に ? まや|か|ほんと| Really?

まあ な 確定 は でき ん が ||かくてい|||| Maybe.

千 反 田 運動 する 気 は ない か ? 行って ほしい 所 が ある ん だ が せん|はん|た|うんどう||き||||おこなって||しょ||||| Chitanda, feel like taking a walk?

分かり まし た わかり|| Alright!

( 奉 太郎 ) えっ ? いや 俺 は 行か ず に お前 だけ で たてまつ|たろう|||おれ||いか|||おまえ||

( える ) 私 だけ ? どうして です か ? |わたくし|||| Just me?

それ は … う うん Well, because...

その とおり だ よ 千 反 田 さん ||||せん|はん|た| That's right, Chitanda-san!

奉 太郎 に 使わ れる なんて あっちゃ いけ ない たてまつ|たろう||つかわ||||| Don't let Houtarou use you!

奉 太郎 は 使って こそ 役 に 立つ ん だ から たてまつ|たろう||つかって||やく||たつ||| He's more useful the more you use him!

ずいぶん な 言いぐさ だ な ||いいぐさ||

( える ) いえ 私 は どこ か に 行く なら 一緒 か と 思った だけ です ||わたくし|||||いく||いっしょ|||おもった|| Oh, I just thought that if we're going somewhere, we should go together.

ああ なる ほど ね Oh, well that's fine.

では 行き ま しょ う か 折 木 さん |いき|||||お|き| Let's go then, Oreki-san!

ああ …

いらっしゃい ませ よう こそ 当店 へ ||||とうてん| It's a pleasure to have you here.

2 つ の コース 料理 を ご 用意 し て おり ます ||こーす|りょうり|||ようい|||| There are two courses available.

どちら に 致し ます か ? ||いたし|| Which would you prefer?

ハア …

( 女性 の 笑い声 ) じょせい||わらいごえ

ああ …

( 笑い声 ) わらいごえ

( 奉 太郎 ) あっ あ あっ たてまつ|たろう|||

お 勧め は ― |すすめ| We recommend this one.

こちら です よ

( 笑い声 ) わらいごえ

折 木 さん ? お|き| Oreki-san?

ハア 分かった よ |わかった|

今日 は 雨 で 体育 が 潰れ た から な きょう||あめ||たいいく||つぶれ|||

可 処分 エネルギー は まだ 残って る か|しょぶん|えねるぎー|||のこって| I've still got a bit of disposable energy left.

はい ! Okay!

どん だけ 限ら れ た エネルギー な の よ あんた は ||かぎら|||えねるぎー||||| Just how limited are your energy supplies?

ほっとけ Oh, shut up.

( 奉 太郎 ) じゃあ 行く か ( える ) はい たてまつ|たろう||いく||| Let's go then.

待って まって Wait.

私 も 行く ちょっと 気 に なる し わたくし||いく||き||| I'll come too.

福 ちゃん ちょっと お 留守番 お 願い ね ふく||||るすばん||ねがい|

あっ ?

( 摩耶 花 ) だって 図書 当番 放り出し て おけ ない でしょ ? まや|か||としょ|とうばん|ほうりだし|||| I can't just abandon my library duties.

( 奉 太郎 ) じゃ あな 里志 たてまつ|たろう|||さとし Later, Satoshi.

留守番 よろしく るすばん|

( える ) それ で 折 木 さん どこ へ 行く ん です か ? |||お|き||||いく||| So where are we going, Oreki-san?

( 奉 太郎 ) 美術 室 だ たてまつ|たろう|びじゅつ|しつ| The Art Room.

( 摩耶 花 ) 向こう の 校舎 ね まや|か|むこう||こうしゃ| That's in the other building.

( 奉 太郎 ) そ っ 遠い だ から 行き たく なかった ん だ たてまつ|たろう|||とおい|||いき|||| Right. It's far, which is why I didn't want to go.

( 摩耶 花 ) あんた ホント に ものぐさ ね まや|か||ほんと||| You are seriously lazy.

( える ) そこ に 何 が ? |||なん| What will we find there?

( 奉 太郎 ) その 前 に 整理 だ たてまつ|たろう||ぜん||せいり| Let's put together what we know first.

あの 本 の 使い道 だ が ― |ほん||つかいみち|| If you consider how big that book is, there's probably no girl who'd find time to use it during break.

休み 時間 に あんな デカ い 物 を 使う 女子 は まずい ない だ ろ う やすみ|じかん|||||ぶつ||つかう|じょし||||||

… と なれ ば 考え られる の は 授業 だ |||かんがえ||||じゅぎょう| Which means they must be using it during class.

学年 が 同じ で ― がくねん||おなじ| Class

クラス が 別 の 生徒 が 関係 する 授業 と いえ ば 何 だ ? くらす||べつ||せいと||かんけい||じゅぎょう||||なん| Class

体育 か 芸術 科 目 です ね たいいく||げいじゅつ|か|め||

( 奉 太郎 ) そう たてまつ|たろう| Right.

あの 5 人 は 毎週 授業 の 前 に 当番 を 決め て 借り に 来 て たん だ |じん||まいしゅう|じゅぎょう||ぜん||とうばん||きめ||かり||らい||| Those girls decided to take turns borrowing the book every week before class.

毎週 って の が 分から ない わ ね まいしゅう||||わから||| I don't get why they do it every week.

貸し出し 期間 は 2 週間 だ から かしだし|きかん||しゅうかん|| The loan period is two weeks.

( 奉 太郎 ) あんな デカ い 本 たてまつ|たろう||||ほん It's easier to return something that big than take it home every week.

持って おく より 毎週 返し て おく ほう が 楽 だ ろ ? もって|||まいしゅう|かえし|||||がく||

( 摩耶 花 ) ああ そう ね まや|か|||

( える ) ハッ !

( 摩耶 花 ) うん ? どう し た の ? まや|か|||||

( える ) 本 と 同じ に おい が し ます |ほん||おなじ||||| It's the same smell as the book!

ホント に ? ほんと| Really?

中 を 見 れ ば 分かる なか||み|||わかる You'll understand when you look inside.

( える ・ 摩耶 花 ) あっ ! |まや|か|

( 奉 太郎 ) 本 の 使い道 は あれ だ たてまつ|たろう|ほん||つかいみち||| That's what the book's being used for.

2 年 D ・ E ・ F 組 の 合同 授業 とし|d|e|f|くみ||ごうどう|じゅぎょう

芸術 科 目 美術 科 で 制作 さ れ た 絵 げいじゅつ|か|め|びじゅつ|か||せいさく||||え Paintings for an arts elective class.

あの 装丁 なら 絵 の モチーフ に ピッタリ だ |そうてい||え||もちーふ||ぴったり| The book's cover is perfect for a motif in a painting.

絵の具 の におい だった ん です ね えのぐ|||||| So it was the smell of paint!

どうして 分かった の ? |わかった| How did you figure that out?

どうして って … "How?"

ただ の ひらめき ただ の 運 だ ろ |||||うん|| It just came to me.

( える ・ 摩耶 花 ) は あ … |まや|か||

( 里志 ) いや あ 見事 見事 さとし|||みごと|みごと Brilliantly done!

さすが に 絵 の モチーフ に 使った なんて ― ||え||もちーふ||つかった| It didn't even occur to me that it might have been used as a motif for paintings.

想像 も つか なかった よ そうぞう||||

なんで あんな の が 分かる の ? ||||わかる| How did you even figure that out?

折 木 変 お|き|へん You're weird, Oreki.

何 を 言う 俺 ほど 平均 的 な 人間 は い ない なん||いう|おれ||へいきん|てき||にんげん||| What are you talking about?

さて どう だ ろ う ね Well, I wonder about that...

でも 本当 に 折 木 さん に は 驚か さ れ まし た |ほんとう||お|き||||おどろか|||| You really surprised me though...

折 木 さん の 頭 の 中 に は 私 も 興味 あり ます お|き|||あたま||なか|||わたくし||きょうみ|| I'm curious about what's in your head.

( 里志 ) 興味 が ? ( える ) ええ さとし|きょうみ||| Curious?

一 度 切り開 い て 中 を 見 て み たい くらい です ひと|たび|きりひら|||なか||み||||| I feel like I want to open it up and take a peek inside.

大した 脳みそ じゃ ない ぞ たいした|のうみそ||| There's nothing special about my brain.

学業 優秀 な お前 が 見 て も 得る もの は ない がくぎょう|ゆうしゅう||おまえ||み|||える||| It's nothing compared to the school's top student.

( 摩耶 花 ) へえ 学業 優秀 な の まや|か||がくぎょう|ゆうしゅう||

そう そう 中間 テスト は まだ だ けど ||ちゅうかん|てすと|||| That's right!

きっと 学年 でも トップ クラス の 成績 を 取る よ |がくねん||とっぷ|くらす||せいせき||とる|

いえ No...

いくら 成績 が 取れ て も それ は パーツ の 集合 体 に すぎ ませ ん |せいせき||とれ|||||||しゅうごう|からだ||||

私 は そういう パーツ で は なく ― わたくし|||||| But I'm not interested in the parts.

思考 を 生みだす システム が 知り たい ん です しこう||うみだす|しすてむ||しり||| I want to know how it all works as a system.

は あ … I see...

( 奉 太郎 ) … と いう か たてまつ|たろう||| Nevermind that, I find her sense of smell far more mysterious.

こいつ の 嗅覚 の ほう が 俺 に は よほど 謎 な ん だ が ||きゅうかく||||おれ||||なぞ||||

折 木 さん なら もしかしたら … お|き||| Oreki-san might even be able to...

( 奉 太郎 ) うん ? ( える ) あっ たてまつ|たろう|||

( える ) いえ … なんでも

まあ とにかく Well, regardless, that was quite a fun way to pass the time.

なかなか 面白い 時間 を 過ごさ せ て もらった よ |おもしろい|じかん||すごさ||||

千 反 田 さん は ? せん|はん|た|| What do you think, Chitanda-san?

( える ) もちろん 楽しかった です 時間 を 短く 感じ まし た ||たのしかった||じかん||みじかく|かんじ|| It was fun, of course!

私 は 何 時間 かかって も 分から なかった のに … わたくし||なん|じかん|||わから|| I spent all that time and still couldn't figure it out...

悔しい くやしい That bothers me!

( 里志 ) だ から 言った じゃ ない か “ 時々 役立つ ” って さとし|||いった||||ときどき|やくだつ| I told you before, right?

でも 折 木 に 負ける の は 納得 いか ない ! |お|き||まける|||なっとく|| I can't stand losing to Oreki, though!

やっぱり 悔しい ! |くやしい It bothers me!

( 里志 ) まあまあ さとし| Now, now...

( 奉 太郎 ) 違う たてまつ|たろう|ちがう Different...

ここ が 違う こんな ふう に 俺 は なら ない ||ちがう||||おれ|||

何 が 違う 何 が … なん||ちがう|なん| Something's different.

( 里志 ) そう な ん だ よ ねえ さとし|||||| That's right.

ごく まれ に ひらめく 一瞬 の 輝き か はたまた … ||||いっしゅん||かがやき|| Was it just a rare moment of genius? Or perhaps...

( える ) 折 木 さん 帰っちゃ ダメ です |お|き||かえっちゃ|だめ| You can't leave yet, Oreki-san!

なんで ? ああ 文集 ||ぶんしゅう Why not?

そう です 先生 を 待た ない と ||せんせい||また|| We have to wait for the librarian.

奉 太郎 って 時々 抜け てる ん だ よ ね たてまつ|たろう||ときどき|ぬけ||||| You sure can be careless sometimes, Houtarou.

時々 ? 過大 評価 じゃ ない ? ときどき|かだい|ひょうか|| Sometimes?

( 奉 太郎 ) う うん ( 糸魚川 養子 ( いとい がわ よう こ ) ) 伊原 さん たてまつ|たろう|||いといがわ|ようし|||||いはら|

( 糸魚川 ) ご苦労さま もう 帰って いい わ よ いといがわ|ごくろうさま||かえって||| Good work. You can go home now.

( 摩耶 花 ) あっ はい 戻って た ん です か 糸魚川 先生 まや|か|||もどって|||||いといがわ|せんせい Oh, you're back, Itoigawa-sensei.

先生 古典 部 の 福部 里志 です せんせい|こてん|ぶ||ふくべ|さとし| I'm Fukube Satoshi from the Classics Club.

文集 を 作る ため に ― ぶんしゅう||つくる|| We're looking for a back issue for the anthology we're making.

バック ナンバー を 探し て いる ん です が ばっく|なんばー||さがし|||||

書庫 を 調べ て も いい です か ? しょこ||しらべ||||| Would you mind if we took a look in the archives?

古典 部 … 文集 ? こてん|ぶ|ぶんしゅう The Classics Club?

あなた たち 古典 部 な の ? ||こてん|ぶ|| You're in the Classics Club?

そう 残念 だ けど ― |ざんねん|| I see. I'm afraid that there aren't any back issues of the anthology in the archives.

文集 の バック ナンバー は 書庫 に は ない わ ぶんしゅう||ばっく|なんばー||しょこ||||

( 里志 ) 見落とし と いう こと は ? さとし|みおとし|||| Are you sure you didn't see them?

あったら さすが に 覚え てる わ じゃ 失礼 する わ ね |||おぼえ||||しつれい||| I'd remember if they were there.

( 里志 ) は あ … すいません で し た さとし||||||

だ そう だ よ 千 反 田 さん ||||せん|はん|た| So she says, Chitanda-san.

これ は 困り まし た ||こまり|| That's a problem...

その うち 見つかる さ ||みつかる| I'm sure we'll find them at some point.

は あ …

( 摩耶 花 ) 折 木 どう ? まや|か|お|き| Well, Oreki?

問題 解 い て 気分 は スッキリ って とこ かしら ? もんだい|かい|||きぶん||すっきり||| Do you feel better having solved the mystery?

( 奉 太郎 ) 別に ( 摩耶 花 ) あっ そ たてまつ|たろう|べつに|まや|か|| Not really.

( える ) 仕方 あり ませ ん 帰り ま しょ |しかた||||かえり|| I guess we should just go home then.

今日 は 収穫 も あり まし た し きょう||しゅうかく||||| And I did learn something today...

何 だ ? それ なん|| What do you mean?

いえ 一身 上 の 都合 です |いっしん|うえ||つごう| Nothing. Just a personal matter.

また それ か That again?

そう Yes...

折 木 さん なら もしかしたら お|き||| Oreki-san might even be able to...

( 電話 の 着信 音 ) でんわ||ちゃくしん|おと

はい … 折 木 です |お|き|

( える ) もしもし ? 千 反 田 です ||せん|はん|た| Hello?

あ … 千 反 田 ? |せん|はん|た

( える ) あの … すみません も しか して お 休み で し た か ? |||||||やすみ||||

( 奉 太郎 ) まあ な 姉 貴 の 電話 か と 思った たてまつ|たろう|||あね|とうと||でんわ|||おもった Kind of. I thought it was maybe my sister.

( 奉 太郎 の あくび ) たてまつ|たろう||

( 奉 太郎 ) … で 日曜 なんか に どう し た ? たてまつ|たろう||にちよう||||| So why are you calling on a Sunday?

( える ) すみません If it's possible, I'd like to meet with you today.

でき れ ば 今日 お 会い し たい ん です けど … |||きょう||あい|||||

( 奉 太郎 ) うん ? たてまつ|たろう|

( える ) 折 木 さん に 折り入って お 話し し たい こと が ある ん です |お|き|||おりいって||はなし||||||| I have something important to talk to you about.

( 奉 太郎 ) 遅い たてまつ|たろう|おそい She's late.

ああ …

( ドア が 開く 音 ) ( 奉 太郎 ) あっ どあ||あく|おと|たてまつ|たろう|

( える の 荒い 息遣い ) ||あらい|いきづかい

お …\ N お呼び 立て し て すみません |n|および|たて|||

( 奉 太郎 ) ああ … たてまつ|たろう|

それ で 何 か 用 だった か ? ||なん||よう|| So, what did you want?

はい ? Pardon?

何の ため に ― なんの|| Why did you call me out to this cafe?

この 店 まで 呼び出し た の か って 聞い てる ん だ |てん||よびだし|||||ききい|||

この お 店 を 指定 し た の は 折 木 さん です ||てん||してい|||||お|き|| But you picked out the cafe.

( 奉 太郎 ) 帰る ( える ) えっ ? たてまつ|たろう|かえる|| I'm going home.

( える ) ま … 待って ください ||まって|

( 奉 太郎 ) 貴重 な 日曜日 だ ぞ たてまつ|たろう|きちょう||にちようび|| This is my precious day off.

お前 と 漫才 する ため に 浪費 など でき ん おまえ||まんざい||||ろうひ||| I can't afford to waste it playing the fool with you.

す … すみません I'm sorry!

私 緊張 し てる ん です わたくし|きんちょう|||| I'm just nervous...

緊張 ねえ きんちょう| Nervous, huh?

俺 に 告白 でも する つもり か ? おれ||こくはく|||| Are you going to confess to me or something?

( える ) ハッ

うん ?

告白 と いえ ば そう かも しれ ませ ん こくはく|||||||| Perhaps you could call it a confession...

えっ ?

ああ …

♪~ konya koi ni kawaru

~♪ madoromi no yakusoku

( える ) 次回 「 事情 ある 古典 部 の 末 裔 ( まつ えい ) 」 |じかい|じじょう||こてん|ぶ||すえ|えい|| Next time: A Descendant of the Classics Club and Her Reasons