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ダーリン・イン・ザ・フランキス, Darling in the FranXX Episode 16

Darling in the FranXX Episode 16

( ヒロ ) それ は まもの の 姫 の 恋 の 話

ある 日 彼女 は 人間 の 王子 さま と 出会い —

彼 と 結ばれる こと を 願い ます

“ 人 と して 生き たい ” “ あの 人 と 結ばれ たい の ”

すると 魔女 は 言い ました

“ いい と も お前 の 翼 と 引き換え だ ”

“ しかし 覚えて おいで ”

“ どんなに 姿 を 偽って も まもの の お前 は —”

“ いずれ 王子 の 命 を 食って しまう だろう ”

背中 の 大きな 翼 を もぎ取る と —

今 まで 感じた こと の ない —

恐ろしい ほど の 痛み が 姫 を 襲い ます

二度と 空 を 飛ぶ こと の でき ない 姿

それ でも 姫 は うれしくて 涙ながらに 笑い ました

“ 人間 人間 !”

“ 私 は あの 人 と 同じに なれた ”

( ヤスリ の 音 )

( ゼロツー ) フフッ …

♪〜

〜♪

( 賢人 A ) 先 の 戦い に よる —

パラサイト の 生存 数 は 全体 の 約 6 割

( 賢人 C ) やはり プランテーション の 爆破 は やり すぎ だった ので は ?

( 副 主席 ) 問題 ない

それ に より グランクレバス は 人類 の 手の内 に 移った

( 副 主席 ) フリングホルニ の 建造 も 最終 段階 に 入って いる

( 主席 ) 時 は 満ちた

例の 場所 に は 既に 2 人 に 向かって もらって いる

これ が 最終 勧告 と なる だろう

鍵 は 2 つ も 必要な い

叫 竜 ( きょりゅう ) の 姫 よ どちら を 選ぶ の か

( フトシ ) あの 日 グランクレバス で の 戦い に よって

僕ら の 都市 は 壊滅 した

けれど 僕ら は いまだに ここ —

ミストルティン で の 生活 を 続けて いる

“ 次の 指令 が 下される まで 待機 を ”

そう 命じ られた 僕ら の 生活 は 既に もう 1 か月 を 経過 して いる

( ゾロメ ) あっ … パパ だ !

あっ …

ンンッ …

( フトシ ) これ まで だって 僕ら コドモ たち だけ の 生活 だった けど

今 は 以前 と は 違う

都市 の 損傷 に より 水 の 循環 システム に は 不 具合 が 出て て

電気 も これ まで の ように 自由に は 使え ない

それ に あの 謎 の お 手伝い さん だって もうい ない

( フトシ ) せ 〜 の …

( ロープ を 引っ張る 音 )

ハァ …

( たたく 音 )

( フライパン を たたく 音 ) ( ココロ ) あっ …

( フライパン を たたく 音 )

( ミク ) もう … 騒々しい わ ね

( ココロ ) 今週 は 連絡 当番 な んだ ?

… みたい

( フライパン を たたく 音 )

( フトシ ) 唯一 僕ら が 知ら さ れた こと は —

1 週間 に 1 回 食料 の 補給 が ある と いう こと だけ

ただ それ だけ …

僕ら は 何も 知ら ず に 毎日 を 過ごして いる

( 水 の 音 )

( ミツル ) この 辺り も もう ダメ か ( ヒロ ) うん

でも 濾過 ( ろか ) さえ すれば 飲み水 と して 使え そうだ

ですが いつまで —

こうして いら れる か なんて 分かり ませ ん よ

( ミツル ) じきに この 辺り も 循環 が 届か なく なる

うん そうだ な

( フライパン を たたく 音 ) (2 人 ) うん ?

( ゼロツー ) 見つけた

2 人 と も ご飯 の 時間 だ よ

( ゼロツー ) ダーリン これ やって ( ヒロ ) うん 分かった

( ゾロメ ) 腹 減った !

… て また この メシ か よ

( イチゴ ) しかたない でしょう 文句 が ある なら 食べ なくて よろしい

( ゾロメ ) ちょ … 食べ ねえ と は 言って ねえ だろう !

( イクノ ) ごめん 手伝う

( イチゴ ) う うん 大丈夫 それ より 熱 は 下がった ?

( イクノ ) 最近 は よく ある こと だ から

ンッ …

( イチゴ たち ) あっ …

(2 人 ) あっ …

( ゼロツー )36 度 7 分

平熱 でも ムリ は ダメだ よ

( イクノ ) う … うん ありがとう

( ヒロ たち ) パパ の 心 に 未来 永 劫 ( みらい えい ごう ) まで 平穏 が 訪れる ように

いただき ます

朝 の 洗濯 OK 支給 品 の 回収 OK

朝食 の 時間 は 30 分

その あと は …

意外 と 律 儀 ね

多少 予定 が ズレ て も 誰 も 怒りゃ し ない わ よ

ダメだ よ みんな で 決めた ルール でしょう

ここ に は ボク ら しか い ない んだ から

もう … すっかり 優等 生 に なっちゃ って

じゃ じゃ 馬 っぷり が どこ へ やら ね

そう だ よ だ から ちゃんと し たい の さ

( ミク ) へえ そう な んだ ? ( ゼロツー ) そう な んだ よ

( ヒロ ) どうかした ? 体調 悪い ?

( フトシ ) うん ? あ 〜 いや

その … そう ダイエット !

( 吐き出す 音 )

( ゾロメ ) フトシ が ダイエット ? 似合わ ねえ よ そういう の

( フトシ )… んだ と ? ( ゾロメ ) あと 時間 の ムダ だ から

( フランクス 博士 ) 接触 は して い ない な ?

( ハチ ) はい ( フランクス 博士 ) なら よい

コドモ たち に 干渉 する こと が あれば この 計画 も 水 の 泡だ

( ナナ ) 博士 私 に は 理解 でき ませ ん

このまま だ と 私 たち の 努力 が ムダ に なり ます

あの 状況 でも 生還 した 彼ら は —

きっと 今後 も パパ たち に とって 大きな 戦力 と なる

テスト を 続ける に して も 最低 限 …

( フランクス 博士 ) 相変わらず 固い の ぅ

お前 も かつて は 通った 道 だろう に …

( ナナ ) えっ ?

( フランクス 博士 ) ハチ 引き続き 頼んだ ぞ

( ナナ ) あっ 博士 !

あっ … まったく 何 な の よ

ウッ !

アア …

( ゴロー ) あれ から 1 か月

( ゴロー ) 俺 たち いつまで こうして 待機 して んだろう な

( ヒロ ) 早く フランクス に 乗り たい ?

( ゴロー ) 俺 たち いつ 死ぬ かも 分から ない 状況 で —

戦って いた のに さ

いざ 乗ら ないで い いって なる と 不安に なる もん だ な

フッ …

でも 意外だ な

フランクス に 乗る こと に いちばん 執着 して いる の は —

お前 だ と 思って たよ

( ココロ )“ 髪 を 切って ほしい ”?

( ココロ ) どうした の ? 突然

あっ う うん 全然 いい の 私 なんか で よければ

( ハサミ の 音 )

僕 は 何 を 期待 して いた のでしょう か ?

えっ ?

( ミツル ) 謝って ほしかった の か …

それとも 許す ため の 理由 が 欲しかった の か

( ハサミ の 音 )

全て が 誤解 だった んだ

あの とき の 約束 も それ を 忘れて いた こと も …

向こう は 何ひとつ 悪く なかった

結局 僕 は ヒロ を 恨む こと で —

自分 の 居場所 を 作って いた の かも しれ ない

そう 思う と 今 の 僕 に は …

( ココロ ) ミツル 君 顔 を 上げて ( ミツル ) あっ …

フフッ …

な … 何 です か ?

あっ … 髪 おかしい です か ?

( ココロ ) う うん カッコ よく なった よ

( ココロ ) それ だけ 分かって いたら

また イチ から やり 直せる よ

誤解 だった と して も 2 人 の 約束 は 本物 だった ん だって …

私 は そう 思う から

ありがとう … ございます

不思議です ね

あなた に そう 言わ れる と でき そうな 気 が して き ます

あっ …

ココロ さん は 優しい で すね

それ に 手先 だって … ウッ …

( ミツル ) ンッ …

あっ ウソ ! あれ …

( ココロ ) ご … ごめんなさい !

( 走り去る 音 )

( ドア の 開く 音 )

( ヒロ ) 先週 は ゴロー も 熱 を 出して いた

多分 “ コドモ 熱 ” だ

あの 戦い で 大きく 変わった よね 環境 と か 生活 と か

ゼロツー ?

( ヒロ ) あ 〜 それ は 桜 の つぼみ だ よ

桜 ? どんな 花 が 咲く の ?

“ どんな ”? そうだ な …

そう … ゼロツー の 髪 みたいな きれいな 色 の 花 だ よ

フフフッ … 楽しみだ な

( ヒロ ) ゼロツー は 今 の 生活 どう ?

( ゼロツー ) ボク は 楽しい よ

( ヒロ ) 不便じゃ ない ? ( ゼロツー ) 全然

むしろ ずっと これ でも いい くらい だ よ

( ヒロ ) フフフッ … 実は 俺 も そう 思って た

不安 は ある けど —

新しい こと へ の 興味 と か ワクワク 感 と か …

あと …

( ゼロツー ) あっ ! ( ヒロ ) あっ …

ボク みんな と 水浴び の 約束 して た んだ

えっ ? ああ …

のぞいちゃ ダメだ よ ダーリン

( ミク ) ねえ 見た ? ミツル の 髪

( ココロ ) あっ …

( ミク ) フフッ … やっぱり ココロ が 切って あげた んだ ?

エヘヘッ …

( イクノ ) 結構 似合って た よ ね

( イチゴ ) うん

( ゼロツー ) 魚 ! ( ミク ) あっ こら 動か ない !

は 〜 い

( ミク ) けど ホント きれいな 髪 ね

さっき ね ダーリン に も きれいな 色 の 髪 って 言わ れた んだ

もう すぐ ボク と 同じ 色 の 花 が 咲く ん だって

( 水 の 音 ) ( ゼロツー ) ウッ …

あんた たち ふだん から —

そんな 恥ずかしい こと 言い合って ん の ね

( ゼロツー ) やった な ! ( ミク ) キャッ !

ウワッ !

( イチゴ ) もう … ( イクノ ) ちょっと …

( ゼロツー ) 今度 は ボク が ミク の 髪 を 洗う よ

( ミク ) 髪 は 自分 で する !

( ゼロツー ) あっ … ( ミク ) あっ …

( ゼロツー ) じゃ 体 に しよう か な !

( ミク ) ちょ … やめ … ハハハッ … くすぐったい !

( イチゴ ) 飲み水 と して 使え そうな の は およそ 5 か所

( ミツル ) その うち 2 か所 は 濾過 を すれば … と いう レベル です

私 たち で 循環 装置 を 修復 する こと は でき ない の か な ?

ミストルティン に は 装置 を 機能 さ せる 機材 は ない んだ

( フトシ ) こっち から の エレベーター の 使用 は —

制限 さ れて いた よ ね ?

( ヒロ ) ああ

じゃあ さ パパ に 手紙 を 出して お 願い すれば いい んじゃ ねえ ?

( ゴロー ) まあ やって も 意味 が ない だろう な

は ぁ ? なんで そう 言い切れ んだ よ ?

( ため息 )

やっぱり お 手伝い さん の 存在 って 大きかった の ね

そう だ ね

温かい ご飯 や 着替え だって いつも 用意 して くれて いた

ご飯 すら 支給 さ れ なく なっちゃ ったら —

ミク たち どう なる んだろう ?

じゃ 自分 たち で 作れば いい んじゃ ない か な

( 一同 ) えっ ?

( イチゴ ) えっ ?

そう だ ね 川 に は まだ 魚 が いた あれ を 調理 できれば …

でも みんな そんな こと やった こと ない じゃ ない

教えて もらった こと ない よ ね

いや 案外 いい 考え だ と 思い ます よ

確か 書庫 に 調理 に 関する 書籍 が あった と 思い ます

( ココロ ) あっ … だったら 私 たち だって できる んじゃ ない か な

( フトシ ) そうだ ね ( イチゴ ) 私 も やって み たい か な

( フトシ たち の 笑い声 ) ( ゾロメ ) ンンッ …

じゃ 決まり !

( フトシ ) おお ! 見ろ よ ゾロメ

お前 ダイエット 中 なんだろう なんで 乗り気な んだ よ ?

でも 楽しく ない ? ほら ほら どんどん 燃える ぞ

( はぜる 音 ) ( フトシ ) ウワッ ! いて て …

マジ だ ! すげ え !

( イチゴ ) お かえり

( ゼロツー ) ただいま

( ゾロメ ) おお 大漁 だ な !

( ゼロツー ) ヘヘッ ! 11 匹 釣った んだ

( ミク ) へえ … ( フトシ ) すごい ね

( ミク ) ゴロー は ?

( ゴロー ) ゼロツー に 2 匹 及ば ず … ( ココロ ) それ でも すごい よ

( ミツル ) ええ ( イチゴ ) ヒロ は ?

ヘヘッ … 1 匹 も 釣れ なかった

( ゾロメ ) ウソ だろう ? ヒロ

あと で たっぷり 釣り の コツ 教えて あげる ね

じゃ 次 は 俺 が 釣り に 行く !

( ミク ) えっ ? ミク も ( ココロ ) 私 に も …

( ゴロー ) どうかした か ? ( イチゴ ) えっ ? ああ …

空気 が 変わった なって

( ゼロツー ) ビクンッ て する から すかさず シュパッ と ね !

( ココロ ) できる かな ?

ヒロ の 言った とおり だった

( イチゴ ) 勝手に ゼロツー は 私 たち と は 違う って 思って た

戦う 目的 も 目指す もの も 違う …

理解 でき ない 存在 だ と 決めつけて —

あの 子 の こと 本当に 見よう と して なかった んだ

( ゴロー ) イチゴ …

( イチゴ )2 人 の 間にあった こと 私 たち に 全部 は 分から ない

でも 今 は 普通の 女の子 だ よ

私 たち と 同じ 13 部隊 の 仲間 の

( ゴロー ) ああ 俺 も そう 思う

( イチゴ ) 私 は 応援 し たい

ゼロツー の こと も …

ヒロ の こと も

( ゾロメ ) す っげ え じゃ ん 俺 ら !

マジ で 作っちゃ った !

あんた 最初 は サボって た でしょう

( フトシ ) ハハハッ …

( ゴロー ) 案外 できちゃ う もん な んだ な

( ヒロ ) ああ ( ゼロツー ) フフッ …

問題 は 味 だ けど …

一応 本 の とおり に は できた はずです が …

さあ 席 に 着いて

( ゾロメ ) 要ら ねえ よ ( イチゴ ) ちょっと !

… んな お 祈り なんて いい よ 俺 たち で 作った んだ から よ

ウ 〜 ン …

( ゾロメ ) 案外 いける ぞ ( ミク ) ホント ?

うん 全然 食べ れる !

やった !

( ゼロツー ) フフッ …

( イクノ ) おいしい ( ゴロー ) ああ

うん !

なあ 俺 たち すげ え こと した んじゃ ない ?

自分 たち で ご飯 作った 部隊 なんて —

ほか に い ない んじゃ ねえ の ? な っ ?

うん ボク も 見た こと ない よ

だろう ? 俺 たち ホント 天才 !

ほ 〜 ら フトシ も 食え 食え ハハハッ …

( イチゴ ) ホント 調子 いい わ ね

( イクノ ) らしい と いえば らしい けど ね

( イチゴ ) ねっ ?

( ゴロー )… に して も ちょっと テンション 高 すぎ じゃ ない か ?

( 皿 の 割れる 音 ) (3 人 ) あっ …

( ミツル ) 大丈夫です か ?

( フトシ ) あ 〜 平気 平気 ごめん 手 が 滑っちゃ った

( ゾロメ ) おい ( フトシ ) うん ?

ムリ す んな よ

あっ …

アハハッ … 大丈夫だ よ これ くらい 自分 で …

知って んだ よ ! お前 が ムリ して メシ 食って 全部 吐いて ん の

あっ …

( フトシ ) ハハッ … そんな わけない じゃ ん

( ゾロメ ) ウソ つく な よ ! ( ゴロー ) おい やめろ よ

( フトシ ) 違う … ( ゾロメ ) 違 くね えよ !

違う ! アアッ …

ンンッ …

あっ …

お前 ちゃん と 食わ ねえ と 生きて いけ ねえ んだ ぞ

( フトシ ) アア … ( ゾロメ ) じゃ ない と …

このまま だ と …

大丈夫 ! 食べ れる よ ! 俺 全部 食べ れる から

アア … ウッ …

( 吐く 音 ) ( せきこみ )

( フトシ ) ハァハァハァ …

( ゾロメ ) なんで だ よ ? なんで …

俺 たち が こんな こと ん なって ん のに —

パパ は 連絡 くれ ない んだ よ ?

迎え に 来て くれ ねえ んだ よ ?

( ミク の 泣き声 )

( ゾロメ ) や っぱ さ パパ に 捨て られた の か な ?

俺 たち …

( フトシ ) どこ か で ひと 事 だ と 思って た んだ

26 部隊 の 人 を 見て て も さ

もしかしたら 俺 に は 関係ない かも って

( ミツル ) フランクス に 乗る 僕ら に は リミット が ある

それ は ずっと 教え られて きた こと です よ

ミク だって ホント は ずっと 不安だった

( ココロ ) うん …

( ミク ) でも 言葉 に する の が 怖かった

( イクノ ) ミク だけ じゃ ない

私 だって ずっと 不安に 思って いた よ

( イチゴ ) うん

( ゴロー ) 俺 さ 今 の 状況 を 知って もらい たくて —

ナナ さん と ハチ さん に 手紙 を 書いて た んだ

でも 一 度 も 受け取って もらえ なかった

( ゾロメ ) なんだ よ もう やって た の か よ

もし 仮に 俺 たち が パパ から 捨て られた の が 本当だった と して も

俺 さ 思った んだ

みんな と 一緒に いる から 不安じゃ ない って いう か —

みんな と 一緒 なら なんとか なる んじゃ ない か って

実際 今日 みんな で ご飯 を 作って すごく 楽しかった

ご飯 を 作る こと も 生活 の ため に みんな で 話し合う こと も —

そういう 時間 って これ まで あまり なかった から

楽しく なかった と は 言って ねえ よ ただ 俺 は …

俺 ら ずっと 戦う こと しか して こ なかった もん な

お … 俺 も 楽しかった よ 全部 食べ れ なかった けど …

また 作れば いい んです よ

うん ミツル の 言う とおり だ と 思う

( ヒロ ) みんな で ご飯 を 作ったり 風呂 に 入ったり 語り合ったり …

そういう こと が 今 は 楽しくて 大切で …

ここ が 俺 たち の 居場所 な んじゃ ない か って —

そう 思う んだ

( イチゴ ) 居場所 …

フランクス に 乗る こと だけ が 俺 たち の 居場所 じゃ ない よ きっと

( ミツル ) フゥ …

( 泣き声 )

( ミツル ) フトシ …

( ゾロメ ) … んだ よ な に 泣いて んだ よ

( フトシ ) ゾロメ こそ ( ゾロメ ) うる せ え !

( おなか の 鳴る 音 )

( フトシ ) 泣いたら お なか 減って きた

ハハハッ … 何 よ ? それ

( 笑い声 ) ( ゾロメ ) 食え 食え !

食べ ない と 力 出 ねえ ぞ

お前 に は デブ が お 似合い な んだ から さ

( フトシ ) もう ! だ から デブ って 言う なって 言って んだろう

( フトシ ) その 日 僕ら は これ まで に ない くらい —

たくさん 泣いて たくさん 笑った

( ヒロ )“ 人間 人間 !”

“ 空 飛ぶ 力強い 羽 も なければ 鋭い 牙 も 爪 も ない ”

“ 弱くて もろくて はかない 生き物 ”

“ でも なんだか とても 温かい ”

“ 人間 って ステキだ わ ”

( ヒロ ) えっ ? これ って あの とき の ?

( ゼロツー ) そう ダーリン と 一緒に 読んだ 絵本 だ よ

全部 覚えて る んだ ? すごい な

でも ちょっと 寂しい お 話 だ よ ね

( ゼロツー ) そう ? ( ヒロ ) えっ ?

ボク に とって は 最初の きれいな もの だった

あっ …

( ゼロツー ) ボク は ダーリン と 出会って —

ダーリン と 一緒に きれいな もの に なり たい と 思った

ダーリン が 外 の 世界 を 教えて くれた から

( ゼロツー ) でも ボク は 人間 に なる って こと を —

少しも 分かって い なかった

見た目 と か 形 と か じゃ ない んだ って 気づか さ れた んだ

ボク は 君 たち が まぶしい

泣いたり 笑ったり 怒ったり みんな で 生きよう と して いる

それ から こんな ボク を その 輪 の 中 に 置いて くれて いる

きっと ボク の 欲しかった 人間 の 姿 って —

こういう こと な んだろう って 思った んだ

ゼロツー …

( ヒロ ) 大丈夫 これ から も ずっと 一緒だ よ

( ゼロツー ) あっ … ハッ …

( 遠く から 聞こえる 鳴き声 )

( 響き渡る 鳴き声 )

♪〜

〜♪


Darling in the FranXX Episode 16

( ヒロ ) それ は まもの の 姫 の 恋 の 話 ひろ|||||ひめ||こい||はなし

ある 日 彼女 は 人間 の 王子 さま と 出会い — |ひ|かのじょ||にんげん||おうじ|||であい

彼 と 結ばれる こと を 願い ます かれ||むすばれる|||ねがい|

“ 人 と して 生き たい ” “ あの 人 と 結ばれ たい の ” じん|||いき|||じん||むすばれ||

すると 魔女 は 言い ました |まじょ||いい|

“ いい と も お前 の 翼 と 引き換え だ ” |||おまえ||つばさ||ひきかえ|

“ しかし 覚えて おいで ” |おぼえて|

“ どんなに 姿 を 偽って も まもの の お前 は —” |すがた||いつわって||||おまえ|

“ いずれ 王子 の 命 を 食って しまう だろう ” |おうじ||いのち||くって||

背中 の 大きな 翼 を もぎ取る と — せなか||おおきな|つばさ||もぎとる|

今 まで 感じた こと の ない — いま||かんじた|||

恐ろしい ほど の 痛み が 姫 を 襲い ます おそろしい|||いたみ||ひめ||おそい|

二度と 空 を 飛ぶ こと の でき ない 姿 にどと|から||とぶ|||||すがた

それ でも 姫 は うれしくて 涙ながらに 笑い ました ||ひめ|||なみだながらに|わらい|

“ 人間   人間 !” にんげん|にんげん

“ 私 は あの 人 と 同じに なれた ” わたくし|||じん||どうじに|

( ヤスリ の 音 ) やすり||おと

( ゼロツー ) フフッ …

♪〜

〜♪

( 賢人 A ) 先 の 戦い に よる — けんじん||さき||たたかい||

パラサイト の 生存 数 は 全体 の 約 6 割 ||せいぞん|すう||ぜんたい||やく|わり

( 賢人 C ) やはり プランテーション の 爆破 は やり すぎ だった ので は ? けんじん|||||ばくは||||||

( 副 主席 ) 問題 ない ふく|しゅせき|もんだい|

それ に より グランクレバス は 人類 の 手の内 に 移った |||||じんるい||てのうち||うつった

( 副 主席 ) フリングホルニ の 建造 も 最終 段階 に 入って いる ふく|しゅせき|||けんぞう||さいしゅう|だんかい||はいって|

( 主席 ) 時 は 満ちた しゅせき|じ||みちた

例の 場所 に は 既に 2 人 に 向かって もらって いる れいの|ばしょ|||すでに|じん||むかって||

これ が 最終 勧告 と なる だろう ||さいしゅう|かんこく|||

鍵 は 2 つ も 必要な い かぎ||||ひつような|

叫 竜 ( きょりゅう ) の 姫 よ どちら を 選ぶ の か さけ|りゅう|||ひめ||||えらぶ||

( フトシ ) あの 日 グランクレバス で の 戦い に よって ||ひ||||たたかい||

僕ら の 都市 は 壊滅 した ぼくら||とし||かいめつ|

けれど 僕ら は いまだに ここ — |ぼくら|||

ミストルティン で の 生活 を 続けて いる |||せいかつ||つづけて|

“ 次の 指令 が 下される まで 待機 を ” つぎの|しれい||くだされる||たいき|

そう 命じ られた 僕ら の 生活 は 既に もう 1 か月 を 経過 して いる |めいじ||ぼくら||せいかつ||すでに||かげつ||けいか||

( ゾロメ ) あっ …  パパ だ ! ||ぱぱ|

あっ …

ンンッ …

( フトシ ) これ まで だって 僕ら コドモ たち だけ の 生活 だった けど ||||ぼくら|||||せいかつ||

今 は 以前 と は 違う いま||いぜん|||ちがう

都市 の 損傷 に より 水 の 循環 システム に は 不 具合 が 出て て とし||そんしょう|||すい||じゅんかん|しすてむ|||ふ|ぐあい||でて|

電気 も これ まで の ように 自由に は 使え ない でんき|||||よう に|じゆうに||つかえ|

それ に あの 謎 の お 手伝い さん だって もうい ない |||なぞ|||てつだい||||

( フトシ ) せ 〜 の …

( ロープ を 引っ張る 音 ) ろーぷ||ひっぱる|おと

ハァ …

( たたく 音 ) |おと

( フライパン を たたく 音 ) ( ココロ ) あっ … ふらいぱん|||おと||

( フライパン を たたく 音 ) ふらいぱん|||おと

( ミク ) もう …  騒々しい わ ね ||そうぞうしい||

( ココロ ) 今週 は 連絡 当番 な んだ ? |こんしゅう||れんらく|とうばん||

… みたい

( フライパン を たたく 音 ) ふらいぱん|||おと

( フトシ ) 唯一 僕ら が 知ら さ れた こと は — |ゆいいつ|ぼくら||しら||||

1 週間 に 1 回 食料 の 補給 が ある と いう こと だけ しゅうかん||かい|しょくりょう||ほきゅう||||||

ただ それ だけ …

僕ら は 何も 知ら ず に 毎日 を 過ごして いる ぼくら||なにも|しら|||まいにち||すごして|

( 水 の 音 ) すい||おと

( ミツル ) この 辺り も もう ダメ か ( ヒロ ) うん みつる||あたり|||だめ||ひろ|

でも 濾過 ( ろか ) さえ すれば 飲み水 と して 使え そうだ |こか||||のみみず|||つかえ|そう だ

ですが いつまで —

こうして いら れる か なんて 分かり ませ ん よ |||||わかり|||

( ミツル ) じきに この 辺り も 循環 が 届か なく なる みつる|||あたり||じゅんかん||とどか||

うん   そうだ な |そう だ|

( フライパン を たたく 音 ) (2 人 ) うん ? ふらいぱん|||おと|じん|

( ゼロツー ) 見つけた |みつけた

2 人 と も ご飯 の 時間 だ よ じん|||ごはん||じかん||

( ゼロツー ) ダーリン これ やって ( ヒロ ) うん 分かった ||||ひろ||わかった

( ゾロメ ) 腹 減った ! |はら|へった

… て また この メシ か よ |||めし||

( イチゴ ) しかたない でしょう 文句 が ある なら 食べ なくて よろしい いちご|||もんく||||たべ||

( ゾロメ ) ちょ … 食べ ねえ と は 言って ねえ だろう ! ||たべ||||いって||

( イクノ ) ごめん   手伝う ||てつだう

( イチゴ ) う うん 大丈夫 それ より 熱 は 下がった ? いちご|||だいじょうぶ|||ねつ||さがった

( イクノ ) 最近 は よく ある こと だ から |さいきん||||||

ンッ …

( イチゴ たち ) あっ … いちご||

(2 人 ) あっ … じん|

( ゼロツー )36 度 7 分 |たび|ぶん

平熱   でも ムリ は ダメだ よ へいねつ||むり||だめだ|

( イクノ ) う … うん   ありがとう

( ヒロ たち ) パパ の 心 に 未来 永 劫 ( みらい えい ごう ) まで 平穏 が 訪れる ように ひろ||ぱぱ||こころ||みらい|なが|ごう|||||へいおん||おとずれる|よう に

いただき ます

朝 の 洗濯 OK   支給 品 の 回収 OK あさ||せんたく||しきゅう|しな||かいしゅう|

朝食 の 時間 は 30 分 ちょうしょく||じかん||ぶん

その あと は …

意外 と 律 儀 ね いがい||りつ|ぎ|

多少 予定 が ズレ て も 誰 も 怒りゃ し ない わ よ たしょう|よてい||ずれ|||だれ||いかりゃ||||

ダメだ よ みんな で 決めた ルール でしょう だめだ||||きめた|るーる|

ここ に は ボク ら しか い ない んだ から |||ぼく||||||

もう … すっかり 優等 生 に なっちゃ って ||ゆうとう|せい|||

じゃ じゃ 馬 っぷり が どこ へ やら ね ||うま||||||

そう だ よ だ から ちゃんと し たい の さ

( ミク ) へえ   そう な んだ ? ( ゼロツー ) そう な んだ よ

( ヒロ ) どうかした ?  体調 悪い ? ひろ||たいちょう|わるい

( フトシ ) うん ?  あ 〜 いや

その …  そう   ダイエット ! ||だいえっと

( 吐き出す 音 ) はきだす|おと

( ゾロメ ) フトシ が ダイエット ? 似合わ ねえ よ そういう の |||だいえっと|にあわ||||

( フトシ )… んだ と ? ( ゾロメ ) あと 時間 の ムダ だ から |||||じかん||むだ||

( フランクス 博士 ) 接触 は して い ない な ? |はかせ|せっしょく|||||

( ハチ ) はい ( フランクス 博士 ) なら よい はち|||はかせ||

コドモ たち に 干渉 する こと が あれば この 計画 も 水 の 泡だ |||かんしょう||||||けいかく||すい||あわだ

( ナナ ) 博士   私 に は 理解 でき ませ ん なな|はかせ|わたくし|||りかい|||

このまま だ と 私 たち の 努力 が ムダ に なり ます |||わたくし|||どりょく||むだ|||

あの 状況 でも 生還 した 彼ら は — |じょうきょう||せいかん||かれら|

きっと 今後 も パパ たち に とって 大きな 戦力 と なる |こんご||ぱぱ||||おおきな|せんりょく||

テスト を 続ける に して も 最低 限 … てすと||つづける||||さいてい|げん

( フランクス 博士 ) 相変わらず 固い の ぅ |はかせ|あいかわらず|かたい||

お前 も かつて は 通った 道 だろう に … おまえ||||かよった|どう||

( ナナ ) えっ ? なな|

( フランクス 博士 ) ハチ   引き続き 頼んだ ぞ |はかせ|はち|ひきつづき|たのんだ|

( ナナ ) あっ 博士 ! なな||はかせ

あっ …  まったく 何 な の よ ||なん|||

ウッ !

アア …

( ゴロー ) あれ から 1 か月 |||かげつ

( ゴロー ) 俺 たち いつまで こうして 待機 して んだろう な |おれ||||たいき|||

( ヒロ ) 早く フランクス に 乗り たい ? ひろ|はやく|||のり|

( ゴロー ) 俺 たち いつ 死ぬ かも 分から ない 状況 で — |おれ|||しぬ||わから||じょうきょう|

戦って いた のに さ たたかって|||

いざ 乗ら ないで い いって なる と 不安に なる もん だ な |のら||||||ふあんに||||

フッ …

でも 意外だ な |いがいだ|

フランクス に 乗る こと に いちばん 執着 して いる の は — ||のる||||しゅうちゃく||||

お前 だ と 思って たよ おまえ|||おもって|

( ココロ )“ 髪 を 切って ほしい ”? |かみ||きって|

( ココロ ) どうした の ?  突然 |||とつぜん

あっ う うん   全然 いい の 私 なんか で よければ |||ぜんぜん|||わたくし|||

( ハサミ の 音 ) はさみ||おと

僕 は 何 を 期待 して いた のでしょう か ? ぼく||なん||きたい||||

えっ ?

( ミツル ) 謝って ほしかった の か … みつる|あやまって|||

それとも 許す ため の 理由 が 欲しかった の か |ゆるす|||りゆう||ほしかった||

( ハサミ の 音 ) はさみ||おと

全て が 誤解 だった んだ すべて||ごかい||

あの とき の 約束 も それ を 忘れて いた こと も … |||やくそく||||わすれて|||

向こう は 何ひとつ 悪く なかった むこう||なにひとつ|わるく|

結局 僕 は ヒロ を 恨む こと で — けっきょく|ぼく||ひろ||うらむ||

自分 の 居場所 を 作って いた の かも しれ ない じぶん||いばしょ||つくって|||||

そう 思う と 今 の 僕 に は … |おもう||いま||ぼく||

( ココロ ) ミツル 君 顔 を 上げて ( ミツル ) あっ … |みつる|きみ|かお||あげて|みつる|

フフッ …

な … 何 です か ? |なん||

あっ …  髪 おかしい です か ? |かみ|||

( ココロ ) う うん   カッコ よく なった よ |||かっこ|||

( ココロ ) それ だけ 分かって いたら |||わかって|

また イチ から やり 直せる よ |いち|||なおせる|

誤解 だった と して も 2 人 の 約束 は 本物 だった ん だって … ごかい|||||じん||やくそく||ほんもの|||

私 は そう 思う から わたくし|||おもう|

ありがとう … ございます

不思議です ね ふしぎ です|

あなた に そう 言わ れる と でき そうな 気 が して き ます |||いわ||||そう な|き||||

あっ …

ココロ さん は 優しい で すね |||やさしい||

それ に 手先 だって …  ウッ … ||てさき||

( ミツル ) ンッ … みつる|

あっ ウソ !  あれ … |うそ|

( ココロ ) ご … ごめんなさい !

( 走り去る 音 ) はしりさる|おと

( ドア の 開く 音 ) どあ||あく|おと

( ヒロ ) 先週 は ゴロー も 熱 を 出して いた ひろ|せんしゅう||||ねつ||だして|

多分 “ コドモ 熱 ” だ たぶん||ねつ|

あの 戦い で 大きく 変わった よね 環境 と か 生活 と か |たたかい||おおきく|かわった||かんきょう|||せいかつ||

ゼロツー ?

( ヒロ ) あ 〜 それ は 桜 の つぼみ だ よ ひろ||||さくら||||

桜 ?  どんな 花 が 咲く の ? さくら||か||さく|

“ どんな ”?  そうだ な … |そう だ|

そう …  ゼロツー の 髪 みたいな きれいな 色 の 花 だ よ |||かみ|||いろ||か||

フフフッ …  楽しみだ な |たのしみだ|

( ヒロ ) ゼロツー は 今 の 生活 どう ? ひろ|||いま||せいかつ|

( ゼロツー ) ボク は 楽しい よ |ぼく||たのしい|

( ヒロ ) 不便じゃ ない ? ( ゼロツー ) 全然 ひろ|ふべんじゃ|||ぜんぜん

むしろ ずっと これ でも いい くらい だ よ

( ヒロ ) フフフッ … 実は 俺 も そう 思って た ひろ||じつは|おれ|||おもって|

不安 は ある けど — ふあん|||

新しい こと へ の 興味 と か ワクワク 感 と か … あたらしい||||きょうみ|||わくわく|かん||

あと …

( ゼロツー ) あっ ! ( ヒロ ) あっ … ||ひろ|

ボク みんな と 水浴び の 約束 して た んだ ぼく|||みずあび||やくそく|||

えっ ?  ああ …

のぞいちゃ ダメだ よ ダーリン |だめだ||

( ミク ) ねえ 見た ?  ミツル の 髪 ||みた|みつる||かみ

( ココロ ) あっ …

( ミク ) フフッ …  やっぱり ココロ が 切って あげた んだ ? |||||きって||

エヘヘッ …

( イクノ ) 結構 似合って た よ ね |けっこう|にあって|||

( イチゴ ) うん いちご|

( ゼロツー ) 魚 ! ( ミク ) あっ こら   動か ない ! |ぎょ||||うごか|

は 〜 い

( ミク ) けど ホント きれいな 髪 ね ||ほんと||かみ|

さっき ね ダーリン に も きれいな 色 の 髪 って 言わ れた んだ ||||||いろ||かみ||いわ||

もう すぐ ボク と 同じ 色 の 花 が 咲く ん だって ||ぼく||おなじ|いろ||か||さく||

( 水 の 音 ) ( ゼロツー ) ウッ … すい||おと||

あんた たち ふだん から —

そんな 恥ずかしい こと 言い合って ん の ね |はずかしい||いいあって|||

( ゼロツー ) やった な ! ( ミク ) キャッ !

ウワッ !

( イチゴ ) もう … ( イクノ ) ちょっと … いちご|||

( ゼロツー ) 今度 は ボク が ミク の 髪 を 洗う よ |こんど||ぼく||||かみ||あらう|

( ミク ) 髪 は 自分 で する ! |かみ||じぶん||

( ゼロツー ) あっ … ( ミク ) あっ …

( ゼロツー ) じゃ 体 に しよう か な ! ||からだ||||

( ミク ) ちょ … やめ … ハハハッ …  くすぐったい !

( イチゴ ) 飲み水 と して 使え そうな の は およそ 5 か所 いちご|のみみず|||つかえ|そう な||||かしょ

( ミツル ) その うち 2 か所 は 濾過 を すれば … と いう レベル です みつる|||かしょ||こか|||||れべる|

私 たち で 循環 装置 を 修復 する こと は でき ない の か な ? わたくし|||じゅんかん|そうち||しゅうふく||||||||

ミストルティン に は 装置 を 機能 さ せる 機材 は ない んだ |||そうち||きのう|||きざい|||

( フトシ ) こっち から の エレベーター の 使用 は — ||||えれべーたー||しよう|

制限 さ れて いた よ ね ? せいげん|||||

( ヒロ ) ああ ひろ|

じゃあ さ パパ に 手紙 を 出して お 願い すれば いい んじゃ ねえ ? ||ぱぱ||てがみ||だして||ねがい||||

( ゴロー ) まあ やって も 意味 が ない だろう な ||||いみ||||

は ぁ ? なんで そう 言い切れ んだ よ ? ||||いいきれ||

( ため息 ) ためいき

やっぱり お 手伝い さん の 存在 って 大きかった の ね ||てつだい|||そんざい||おおきかった||

そう だ ね

温かい ご飯 や 着替え だって いつも 用意 して くれて いた あたたかい|ごはん||きがえ|||ようい|||

ご飯 すら 支給 さ れ なく なっちゃ ったら — ごはん||しきゅう|||||

ミク たち どう なる んだろう ?

じゃ 自分 たち で 作れば いい んじゃ ない か な |じぶん|||つくれば|||||

( 一同 ) えっ ? いちどう|

( イチゴ ) えっ ? いちご|

そう だ ね   川 に は まだ 魚 が いた あれ を 調理 できれば … |||かわ||||ぎょ|||||ちょうり|

でも みんな そんな こと やった こと ない じゃ ない

教えて もらった こと ない よ ね おしえて|||||

いや   案外 いい 考え だ と 思い ます よ |あんがい||かんがえ|||おもい||

確か 書庫 に 調理 に 関する 書籍 が あった と 思い ます たしか|しょこ||ちょうり||かんする|しょせき||||おもい|

( ココロ ) あっ …  だったら 私 たち だって できる んじゃ ない か な |||わたくし|||||||

( フトシ ) そうだ ね ( イチゴ ) 私 も やって み たい か な |そう だ||いちご|わたくし||||||

( フトシ たち の 笑い声 ) ( ゾロメ ) ンンッ … |||わらいごえ||

じゃ 決まり ! |きまり

( フトシ ) おお !  見ろ よ ゾロメ ||みろ||

お前 ダイエット 中 なんだろう なんで 乗り気な んだ よ ? おまえ|だいえっと|なか|||のりきな||

でも 楽しく ない ? ほら ほら   どんどん 燃える ぞ |たのしく|||||もえる|

( はぜる 音 ) ( フトシ ) ウワッ !  いて て … |おと||||

マジ だ !  すげ え !

( イチゴ ) お かえり いちご||

( ゼロツー ) ただいま

( ゾロメ ) おお   大漁 だ な ! ||たいりょう||

( ゼロツー ) ヘヘッ ! 11 匹 釣った んだ ||ひき|つった|

( ミク ) へえ … ( フトシ ) すごい ね

( ミク ) ゴロー は ?

( ゴロー ) ゼロツー に 2 匹 及ば ず … ( ココロ ) それ でも すごい よ |||ひき|およば||||||

( ミツル ) ええ ( イチゴ ) ヒロ は ? みつる||いちご|ひろ|

ヘヘッ … 1 匹 も 釣れ なかった |ひき||つれ|

( ゾロメ ) ウソ だろう ?  ヒロ |うそ||ひろ

あと で たっぷり 釣り の コツ 教えて あげる ね |||つり||こつ|おしえて||

じゃ 次 は 俺 が 釣り に 行く ! |つぎ||おれ||つり||いく

( ミク ) えっ ?  ミク も ( ココロ ) 私 に も … |||||わたくし||

( ゴロー ) どうかした か ? ( イチゴ ) えっ ?  ああ … |||いちご||

空気 が 変わった なって くうき||かわった|

( ゼロツー ) ビクンッ て する から すかさず シュパッ と ね !

( ココロ ) できる かな ?

ヒロ の 言った とおり だった ひろ||いった||

( イチゴ ) 勝手に ゼロツー は 私 たち と は 違う って 思って た いちご|かってに|||わたくし||||ちがう||おもって|

戦う 目的 も 目指す もの も 違う … たたかう|もくてき||めざす|||ちがう

理解 でき ない 存在 だ と 決めつけて — りかい|||そんざい|||きめつけて

あの 子 の こと 本当に 見よう と して なかった んだ |こ|||ほんとうに|みよう||||

( ゴロー ) イチゴ … |いちご

( イチゴ )2 人 の 間にあった こと 私 たち に 全部 は 分から ない いちご|じん||まにあった||わたくし|||ぜんぶ||わから|

でも 今 は 普通の 女の子 だ よ |いま||ふつうの|おんなのこ||

私 たち と 同じ 13 部隊 の 仲間 の わたくし|||おなじ|ぶたい||なかま|

( ゴロー ) ああ   俺 も そう 思う ||おれ|||おもう

( イチゴ ) 私 は 応援 し たい いちご|わたくし||おうえん||

ゼロツー の こと も …

ヒロ の こと も ひろ|||

( ゾロメ ) す っげ え じゃ ん 俺 ら ! ||||||おれ|

マジ で 作っちゃ った ! ||つくっちゃ|

あんた 最初 は サボって た でしょう |さいしょ||さぼって||

( フトシ ) ハハハッ …

( ゴロー ) 案外 できちゃ う もん な んだ な |あんがい||||||

( ヒロ ) ああ ( ゼロツー ) フフッ … ひろ|||

問題 は 味 だ けど … もんだい||あじ||

一応 本 の とおり に は できた はずです が … いちおう|ほん||||||はず です|

さあ 席 に 着いて |せき||ついて

( ゾロメ ) 要ら ねえ よ ( イチゴ ) ちょっと ! |いら|||いちご|

… んな お 祈り なんて いい よ 俺 たち で 作った んだ から よ ||いのり||||おれ|||つくった|||

ウ 〜 ン …

( ゾロメ ) 案外 いける ぞ ( ミク ) ホント ? |あんがい||||ほんと

うん   全然 食べ れる ! |ぜんぜん|たべ|

やった !

( ゼロツー ) フフッ …

( イクノ ) おいしい ( ゴロー ) ああ

うん !

なあ   俺 たち すげ え こと した んじゃ ない ? |おれ|||||||

自分 たち で ご飯 作った 部隊 なんて — じぶん|||ごはん|つくった|ぶたい|

ほか に い ない んじゃ ねえ の ? な っ ?

うん   ボク も 見た こと ない よ |ぼく||みた|||

だろう ?  俺 たち ホント 天才 ! |おれ||ほんと|てんさい

ほ 〜 ら   フトシ も 食え 食え ハハハッ … ||||くえ|くえ|

( イチゴ ) ホント 調子 いい わ ね いちご|ほんと|ちょうし|||

( イクノ ) らしい と いえば らしい けど ね

( イチゴ ) ねっ ? いちご|

( ゴロー )… に して も ちょっと テンション 高 すぎ じゃ ない か ? |||||てんしょん|たか||||

( 皿 の 割れる 音 ) (3 人 ) あっ … さら||われる|おと|じん|

( ミツル ) 大丈夫です か ? みつる|だいじょうぶ です|

( フトシ ) あ 〜 平気 平気 ごめん   手 が 滑っちゃ った ||へいき|へいき||て||すべっちゃ|

( ゾロメ ) おい ( フトシ ) うん ?

ムリ す んな よ むり|||

あっ …

アハハッ …  大丈夫だ よ これ くらい 自分 で … |だいじょうぶだ||||じぶん|

知って んだ よ !  お前 が ムリ して メシ 食って 全部 吐いて ん の しって|||おまえ||むり||めし|くって|ぜんぶ|はいて||

あっ …

( フトシ ) ハハッ …  そんな わけない じゃ ん

( ゾロメ ) ウソ つく な よ ! ( ゴロー ) おい   やめろ よ |うそ|||||||

( フトシ ) 違う … ( ゾロメ ) 違 くね えよ ! |ちがう||ちが||

違う !  アアッ … ちがう|

ンンッ …

あっ …

お前 ちゃん と 食わ ねえ と 生きて いけ ねえ んだ ぞ おまえ|||くわ|||いきて||||

( フトシ ) アア … ( ゾロメ ) じゃ ない と …

このまま だ と …

大丈夫 !  食べ れる よ ! 俺 全部 食べ れる から だいじょうぶ|たべ|||おれ|ぜんぶ|たべ||

アア …  ウッ …

( 吐く 音 ) ( せきこみ ) はく|おと|

( フトシ ) ハァハァハァ …

( ゾロメ ) なんで だ よ ?  なんで …

俺 たち が こんな こと ん なって ん のに — おれ||||||||

パパ は 連絡 くれ ない んだ よ ? ぱぱ||れんらく||||

迎え に 来て くれ ねえ んだ よ ? むかえ||きて||||

( ミク の 泣き声 ) ||なきごえ

( ゾロメ ) や っぱ さ パパ に 捨て られた の か な ? ||||ぱぱ||すて||||

俺 たち … おれ|

( フトシ ) どこ か で ひと 事 だ と 思って た んだ |||||こと|||おもって||

26 部隊 の 人 を 見て て も さ ぶたい||じん||みて|||

もしかしたら 俺 に は 関係ない かも って |おれ|||かんけいない||

( ミツル ) フランクス に 乗る 僕ら に は リミット が ある みつる|||のる|ぼくら|||||

それ は ずっと 教え られて きた こと です よ |||おしえ|||||

ミク だって ホント は ずっと 不安だった ||ほんと|||ふあんだった

( ココロ ) うん …

( ミク ) でも 言葉 に する の が 怖かった ||ことば|||||こわかった

( イクノ ) ミク だけ じゃ ない

私 だって ずっと 不安に 思って いた よ わたくし|||ふあんに|おもって||

( イチゴ ) うん いちご|

( ゴロー ) 俺 さ 今 の 状況 を 知って もらい たくて — |おれ||いま||じょうきょう||しって||

ナナ さん と ハチ さん に 手紙 を 書いて た んだ なな|||はち|||てがみ||かいて||

でも 一 度 も 受け取って もらえ なかった |ひと|たび||うけとって||

( ゾロメ ) なんだ よ   もう やって た の か よ

もし 仮に 俺 たち が パパ から 捨て られた の が 本当だった と して も |かりに|おれ|||ぱぱ||すて||||ほんとうだった|||

俺 さ 思った んだ おれ||おもった|

みんな と 一緒に いる から 不安じゃ ない って いう か — ||いっしょに|||ふあんじゃ||||

みんな と 一緒 なら なんとか なる んじゃ ない か って ||いっしょ|||||||

実際 今日 みんな で ご飯 を 作って すごく 楽しかった じっさい|きょう|||ごはん||つくって||たのしかった

ご飯 を 作る こと も 生活 の ため に みんな で 話し合う こと も — ごはん||つくる|||せいかつ||||||はなしあう||

そういう 時間 って これ まで あまり なかった から |じかん||||||

楽しく なかった と は 言って ねえ よ ただ 俺 は … たのしく||||いって||||おれ|

俺 ら ずっと 戦う こと しか して こ なかった もん な おれ|||たたかう|||||||

お … 俺 も 楽しかった よ 全部 食べ れ なかった けど … |おれ||たのしかった||ぜんぶ|たべ|||

また 作れば いい んです よ |つくれば||ん です|

うん   ミツル の 言う とおり だ と 思う |みつる||いう||||おもう

( ヒロ ) みんな で ご飯 を 作ったり 風呂 に 入ったり 語り合ったり … ひろ|||ごはん||つくったり|ふろ||はいったり|かたりあったり

そういう こと が 今 は 楽しくて 大切で … |||いま||たのしくて|たいせつで

ここ が 俺 たち の 居場所 な んじゃ ない か って — ||おれ|||いばしょ|||||

そう 思う んだ |おもう|

( イチゴ ) 居場所 … いちご|いばしょ

フランクス に 乗る こと だけ が 俺 たち の 居場所 じゃ ない よ きっと ||のる||||おれ|||いばしょ||||

( ミツル ) フゥ … みつる|

( 泣き声 ) なきごえ

( ミツル ) フトシ … みつる|

( ゾロメ ) … んだ よ   な に 泣いて んだ よ |||||ないて||

( フトシ ) ゾロメ こそ ( ゾロメ ) うる せ え !

( おなか の 鳴る 音 ) ||なる|おと

( フトシ ) 泣いたら お なか 減って きた |ないたら|||へって|

ハハハッ …  何 よ ?  それ |なん||

( 笑い声 ) ( ゾロメ ) 食え 食え ! わらいごえ||くえ|くえ

食べ ない と 力 出 ねえ ぞ たべ|||ちから|だ||

お前 に は デブ が お 似合い な んだ から さ おまえ||||||にあい||||

( フトシ ) もう !  だ から デブ って 言う なって 言って んだろう ||||||いう||いって|

( フトシ ) その 日 僕ら は これ まで に ない くらい — ||ひ|ぼくら||||||

たくさん 泣いて たくさん 笑った |ないて||わらった

( ヒロ )“ 人間   人間 !” ひろ|にんげん|にんげん

“ 空 飛ぶ 力強い 羽 も なければ 鋭い 牙 も 爪 も ない ” から|とぶ|ちからづよい|はね|||するどい|きば||つめ||

“ 弱くて もろくて はかない 生き物 ” よわくて||はか ない|いきもの

“ でも なんだか とても 温かい ” |||あたたかい

“ 人間 って ステキだ わ ” にんげん||すてきだ|

( ヒロ ) えっ ?  これ って あの とき の ? ひろ||||||

( ゼロツー ) そう ダーリン と 一緒に 読んだ 絵本 だ よ ||||いっしょに|よんだ|えほん||

全部 覚えて る んだ ?  すごい な ぜんぶ|おぼえて||||

でも ちょっと 寂しい お 話 だ よ ね ||さびしい||はなし|||

( ゼロツー ) そう ? ( ヒロ ) えっ ? ||ひろ|

ボク に とって は 最初の きれいな もの だった ぼく||||さいしょの|||

あっ …

( ゼロツー ) ボク は ダーリン と 出会って — |ぼく||||であって

ダーリン と 一緒に きれいな もの に なり たい と 思った ||いっしょに|||||||おもった

ダーリン が 外 の 世界 を 教えて くれた から ||がい||せかい||おしえて||

( ゼロツー ) でも ボク は 人間 に なる って こと を — ||ぼく||にんげん|||||

少しも 分かって い なかった すこしも|わかって||

見た目 と か 形 と か じゃ ない んだ って 気づか さ れた んだ みため|||かた|||||||きづか|||

ボク は 君 たち が まぶしい ぼく||きみ|||

泣いたり 笑ったり 怒ったり みんな で 生きよう と して いる ないたり|わらったり|いかったり|||いきよう|||

それ から こんな ボク を その 輪 の 中 に 置いて くれて いる |||ぼく|||りん||なか||おいて||

きっと ボク の 欲しかった 人間 の 姿 って — |ぼく||ほしかった|にんげん||すがた|

こういう こと な んだろう って 思った んだ |||||おもった|

ゼロツー …

( ヒロ ) 大丈夫 これ から も ずっと 一緒だ よ ひろ|だいじょうぶ|||||いっしょだ|

( ゼロツー ) あっ …  ハッ …

( 遠く から 聞こえる 鳴き声 ) とおく||きこえる|なきごえ

( 響き渡る 鳴き声 ) ひびきわたる|なきごえ

♪〜

〜♪