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こばと。, Kobato. Episode 9

( セミ の 声 )

( いおり ょぎ ) いい か こば と !

夏 休み は オレ 達 の ライバル だ !

( こば と ) ライバル … です か 。

そう だ ! 夏 休み の ヤツ は →

海 だ ! 虫 捕り だ ! スイカ 割り だ !

と 心 の 傷 や 痛み から 目 を 背け させる 術 を →

ゴマン と 持って る ん だ から な 。 聞い て ん の か ど ば と !

お 手紙 … 。 手紙 じゃ ねえ チラシ って 言う ん だ !

言わ ん こっちゃ ねえ 。 こりゃ コンペイトウ 集 め も 苦戦 する か も 。

とりわけ 夏 祭り は 強敵 だ 。

笛 や 太鼓 縁日 に 浴衣 さらに 盆踊り まで ついてくる 。

きれい です 。

いい か ! オレ の 言い たい 事 は 分かって る だ ろ う な !

( 風 の 吹く 音 ) あっ !

まだ 話 は 終わって ねえ ぞ !

夏 祭り に 負け ない よう に →

皆さん の 傷 つい た 心 を 癒 やし て 差し上げ ます !

・~ ( オープニング ・ テーマ )

・ 「 どう すれ ば いい ん だ っけ 」

・ 「 あたりまえ の こと って いつも 難しい な 」

・ 「 嬉しい とき 笑って 」

・ 「 好き な とき に 歌い たい だけ な のに 」

・ 「 いつか 願い は 叶う と 」

・ 「 でも いつ かって どれ くらい ? 」

・ 「 待ち きれ ない よ 」

・ 「 123 ! の 合図 で 両手 広げ て 」

・ 「 全身 に ひかり を 集め て 」

・ 「 どこ に ある の 教え て 私 に できる 事 」

・ 「 めいっぱい 傷 つい て せい いっぱい 走って 」

・ 「 何 十 回 転 ん で 泣 い て 」

・ 「 それ でも また あきれる くらい 」

・ 「 明日 を 信じ てる 」

・~

( なつき ) 夏 祭り … 。

( 足音 )

どこ に 飛 ん で いった ん でしょ う ?

これ です か ?

はい それ です !

ありがとう ござい ます 。

ちょっと 待って 。 これ 使って 。 え ?

手 が び しょ ぬれ です よ 。 あっ !

・ ありがとう ござい ます !

( 藤本 ) あん ? 何 やって ん だ あいつ ?

夏 祭り の チラシ な ん です 。

もう 夏 祭り の 時期 な の ね 。 行った 事 ある ん です か ?

子供 の 頃 から 毎年 ね 。 おみこし に 縁日 に 花火 。

花火 … ?

わ ~ !

でも … 今年 は 行け ない か な 。

どうして です か ?

( 子供 達 の 声 )

( 子供 1 ) 絶対 負け ない から !

( 子供 2 ) でも ね 私 ね ちょっと 泳げ る よう に なった !

あっ !

もう 行か なきゃ 。 今日 は 高校 の 登校 日 な の 。

よもぎ 保育 園 は 夏 休み です ! えっ ?

( ゆき の ) あっ ! あ ~ !

イタッ … 。

ゆきの … 。

なっちゃ ん … おはよう 。

あ … 。

また ケータイ 見 ながら 歩 い て た の ね 。 グズグズ し てる と 遅刻 する よ 。

あ … ?

大丈夫 です か ?

は ぁ ?

あっ ! こば と ~ 。

いおり ょぎ さん

体 が 重い … 。

ぐ は は は は は … !

大丈夫 です か ? 大丈夫 じゃ ねえ !

言って る そばから 祭り に 負け てん じゃ ねえ か !

そこ を 動く な ! 今 オレ 様 が 気合い を 入れ て やる 。

ゴホッ ゴホッ ゴホッ 。

干し て くれ 。

あの 制服 は 聖 南 女 学院 だ 。

なっちゃ ん さん の 事 ご存じ で ?

知ら ん 。 女子 大 付属 の 高校 だ 。 清 花 さん と 千歳 さん の 出身 校 だ 。

よく ご存じ です ね 。

お前 に は 縁 の ない お 嬢 様 学校 だ 。

今日 も 意地悪 です 。 保育 園 が 夏 休み の 間 →

ずっと バイト と 勉強 で 煮詰まって ん じゃ ねえ か ?

は あ ? 乾 い た ぞ 。 これ 返し に 行く ん だ ろ ?

そう で し た 。

・~

なっちゃ ん さん 居 ませ ん ね 。 早く し ない と 日 が 暮れる ぞ 。

あっ ! 居 まし た 。

( 担任 教師 ) 水橋 な つき さん が 代表 を 務める ボランティア クラブ の 美化 活動 が 認め られ →

この度 県 から 感謝 状 を 頂く 事 に なり まし た 。

( 拍手 )

なっちゃ ん さん は 水橋 なつき さ ん と いう お 名前 な ん です ね 。

コケ て た ヤツ も 同じ クラス か … 。

( 担任 ) 休み だ から と いって 夜更かし し ない よう に !

あっ … 今朝 の … 。

( 担任 ) 夏 休み は 気 が 緩み がち です 。 →

聖 南 の 生徒 に ふさわしい 節度 … 。 ( シャッター 音 )

森川 さん また あなた ね ! →

いい加減 に し ない と 没収 し ます よ !

す … すみません 。 ( 笑い声 )

( 若菜 ) うまく 撮れ てる ! ( はる な ) やっぱり センス ある よ 。

( ゆき の ) そう かな ? 自信 持ち な よ 。

( 担任 ) … 以上 です 。 ( チャイム )

( 担任 ) プール 掃除 の 当番 は プール サイド に 集合 し て 下さい 。

来る ぞ 。 は いっ 。

( 戸 の 開 音 )

( ざわめき )

あっ … あの !

あなた ここ の 生徒 ?

いいえ 。 私 は 「 よもぎ 保育 園 」 の 花 戸 小 鳩 です 。

保育 園 ? 何 を 言って る の ?

そこ の あなた ! 急 い で 事務 員 さん を 呼 ん で き て 。

めん どく せ ぇ ~ 。 こば と 逃げろ 。

え ? どうして です か ? いい から 逃げろ 。

は いっ やって み ます 。

こら ! 待ち なさい !

とにかく なつき さん を 捜さ ない と 。

( カメラ の シャッター 音 )

レンズ を ちゃんと 持って 。 やっぱり 本物 は いい な !

ゆき の っち だって もう じき 買え る じゃ ない 。

あっ ! あの 子 今朝 なっちゃ ん と … 。

ゆきの さん と おっしゃる ん です か 。 ええ 。

私 は 花 戸 小 鳩 です !

( ゆき の ) なっちゃ ん 。

彼女 なっちゃ ん に 用 が ある みたい な ん だ けど 。

今朝 の … 。

ハンカチ お返し に まいり まし た !

洗って くれ た の ?

はい ! でも アイロン を 持って なく て シワ シワ で すみ ませ ん 。

そんな 事 … 。 どうも ありがとう 。

じゃあ 私 行く ね 。

えっ ! プール 掃除 は ?

ごめん 。 なっちゃ ん に は 言って なかった けど バイト し て て … 。

アルバイト は 校則 で 禁止 さ れ てる でしょ う ?

分かって る けど … 。

( 若菜 はる な ) ゆきの ~ !

遅く なっちゃ っ た ! う うん 。 なっちゃ ん ホント ごめん 。

( なつき ) ゆきの … 。

ゆき の っち 今 カメラ を 買う ため に 頑張って て 。

えっ ! プール 掃除 は 私 達 が 手伝う から →

今日 の ところ は 見逃し て !

知ら なかった … 。

なつき さ ん ! えっ ?

こば と ご 一緒 し ます !

藤本 さん が 言った とおり です 。

さすが 私 と は 縁 の ない 場所 です 。

いきなり 「 ご 一 緒 し ます 」 って あり え ねえ ナンパ だ よ な 。

ナンパ … ? それ あり え ない ん です か ?

( ドア の 開 音 )

お 待た せ 。 いきなり ナンパ し て すみません !

私 も 一 人 で 帰り たく ない 気分 だった から うれしかった わ 。

良かった です 。

あの 写真 … 。

ゆきの さん に 似 て い ます 。

小学生 の 頃 の 夏 祭り … 。

とって も 仲よし です ! 仲よし だった … かな ?

今 は 仲よし じゃ ない ん です か ?

だって ゆきの が 避ける から … 。

回想

なっちゃ ん おはよう 。 おはよう ゆきの ちゃん 。

後ろ シャツ 出 てる よ 。 えっ ! 直し て あげる ね 。

( なつき ) < 昔 は 普通 に 毎朝 一緒 に 学校 に 通って た >

遅れ て ごめん ! 寝ぐせ すごい よ !

うそ ! ちょっと 待って て ! えっ

ゆきの ちゃん 早く 戻って 来 て ね !

< それ が いつ の 頃 から か …>

( ゆき の ) ごめん ね 。 寝坊 し ちゃ った 。 先 に 行って て 。

うん 分かった 。

< 高校 に 入って から は だんだん …>

それ で ね … 。

きれい … 。 ( なつき ) え ?

ごめん なっちゃ ん 。 先 行って て 。

うん … 。

( 若菜 ) ゆきの ちゃん 写真 に 興味 ある なら うち の 部 に 入 ん な よ 。

でも 部活 と か まで は 私 … 。 ( はる な ) 見学 だけ でも … 。

( ゆき の ) あの … 。 ( 若菜 ) いい から いい から 。

< 最近 は もう すっかり 別々 で …>

ゆきの が 何 を 考え て いる の か 分から なく て … 。

・~

・~

なつき さん を お 助け し たい です ! どう やって ?

分かり ませ ん 。

分か ん ねぇ の か よ ~ ! き ゃ ~ !

とりあえず ゆきの さん に お 会い し て み ます 。

( 役員 ) ご苦労さま 。 なんとか 祭り に 間に合い そう だ 。

はい 。 あ … 。

あれ ?

好き な の どうぞ 。 アルバイト の お邪魔 を し て すみません 。

もう 終わり だ から 気 に し ない で 。 そう なん です か 。

お 金 も たまった し 明日 から の 駅 ビル の セール で カメラ 買う ん だ 。

昨日 持って い た の は 違う ん です か ? 昨日 ?

あれ は 友達 の 。 自分 の が どうしても 欲しく て →

ずっと バイト し て た ん だ 。 すごい です ね !

ケータイ の カメラ で 始め た 趣味 な ん だ けど すっかり ハマ っちゃ っ て 。 →

写真 部 の 友達 と も 仲よく なった し すごく 話 が 合う ん だ 。

なつき さん は … ?

なつき さ ん と は お 話 し ない ん です か ?

なっちゃ ん は 昔 から の 友達 で … 。

回想

ウフフ … お そろい だ ね 。 うん 。

ねえ ストラップ 買い に 行 こ う ! お そろい が いい 。

ストラップ まで 同じ だ と 分か ん なく なっちゃ う よ 。

そ っか … エヘヘ ヘヘ 。

私 は これ に する 。 じゃあ 私 は これ 。

なつき だ から スイカ 。 ゆきの は 雪だるま 。

( 2 人 ) かわいい ~ !

取り替え っこ する ? うん 。

大切 に する ね 。 私 も 大切 に する フフフ 。

なつき さ ん と は もう 仲よし じゃ ない ん です か ? えっ ?

嫌い に なっちゃ っ た ん です か ?

なっちゃ ん を 嫌い に なんか なら ない ! →

なっちゃ ん は 私 の あこがれ 。

回想 や だ ~ 恥ずかしい よ 。

ねえ 一緒 に 撮 ろ う 。 うん 。

( 2 人 ) はい チーズ 。

( ゆき の ) 今度 ちゃん と 撮ら せ て !

( なつき ) ゆきの が もっと 上手 に なったら ね 。

( 2 人 の 笑い声 )

なつき さん も ゆきの さん も 本当 は 仲よし で い たい のに →

どうして 仲 よく でき ない ん でしょ う ?

さあ な 本人 達 に も 分から ねえ の に 分かる ハズ が ねえ だ ろ う 。

でも … 何とか し たい です 。

すみません 。 セール 中 の カメラ 屋 さん は どちら で しょうか ?

( 案内 人 ) それ でし たら … 。 は いっ 。

( 若菜 ) 帰ったら 試し 撮り し よ う 。 ( はる な ) いい ね それ 。

あ … 。

なっちゃ ん 。 お 買い物 ? う … うん 。

一 眼 レフ の カメラ 。

そう 。

ゆき の っち 頑張って バイト し て いい カメラ 買った ん だ よ 。

そう そう 。 私 たち 写真 部 も うらやましい ぐらい 。

ゆき の っち 写真 部 入り な よ ! それ い ~ ね !

一 眼 デビュー 記念 って 事 で 。

( はる な ) 念願 の カメラ 買った ん だ し 。 ( 若菜 ) 今度 撮影 会 行 こ う よ ! →

ゆき の っち 才能 ある から 絶対 いい 写真 撮れる って !

( 3 人 で はしゃぐ 声 )

バッカ みたい ! えっ ?

写真 って 広告 の 構図 を マネ る と そこそこ 上手 に 見える から →

勘違い し ちゃ う 人 が 多い の よ ね 。 →

ゆき の 勘違い し てる ん じゃ ない ? →

才能 も ない くせ に プロ 気取り の アマチュア って ホント 最悪 !

・~

ゆきの さん !

なつき さ ん !

ゆきの さん ?

あ … 才能 が あったら いい なって 思う けど →

今 は 写真 が 面白く て カメラ が 好き で ただ それ だけ … 。

あの … 大好き な カメラ 買え て 良かった です ね 。 それ から … 。

ごめん 。

一 人 に し て くれる ?

( すすり泣き )

なんで あんな 事 言っちゃ っ た ん だ ろ う ?

ない ! ストラップ が ない ! どうして ?

・~

ない … 。 あっ !

おい 今度 は どこ 行く ん だ ?

やっぱり さっき の なつき さん は よく あり ませ ん 。

だから ひと言 言って 差し上げ なけ れ ば !

言う って 何 を ? それ は … 。

とにかく このまま で は いけ ませ ん !

・ ( 物音 )

・~

どう なさった ん です か ?

ない の ! ストラップ が ない の !

お 手伝い し ます !

そこ も 全部 何度 も 捜し た けど ない の !

どう しよ う 私 … 。 ゆきの に ひどい 事 言っちゃ って … 。

だから なくなっちゃ っ た ん だ ! ( 泣き声 )

とにかく 捜し ます !

( 泣き声 )

どう しよ う … 。 私 … 私 … 。

・~

なつき さ ん … 。

あっ ?

・~

なつき さ ん … 。

あり まし た !

ありがとう … 。

ありがとう こば と ちゃん 。

( ヒグラシ の 声 )

ゆきの さん と なつき さ ん 本当 は まだ 仲よし な ん です ね 。

私 ゆきの が 怖かった の かも … 。

ゆきの さん の 一生懸命 さ が すてき だった から で は ?

あ … 。

ゆきの は 昔 から 少し 変わって て 時々 遠い 存在 の よう に 感じ て →

私 置 い て いかれ そう で すごく 不安 だった 。

だから 勉強 や 他の 事 で 頑張る しか なかった の 。

先 に ゆき の を 遠ざけ た の は 私 の ほう だった 。

なつき さ ん 。 お 電話 貸し て 頂け ます か ?

( メール 着信 音 )

なっちゃ ん … 。

あっ … 。

なっちゃ ん まだ 持って て くれ た ん だ 。

ゆきの さん 。

さっき は ひどい 事 言って … 。 あの … 。

( ゆき の ) 一緒 だ よ 。 え ?

私 も ずっと 持って る よ 。

ゆきの … 。

( なつき ) 私 も ずっと 持って る よ 。

清 花 先生 と 千歳 さん は ケンカ し た 事 ない の です か ?

( 千歳 清 花 ) え ? 数え きれ ない くらい し た わ よ ね 。

あら そう だった かしら ?

しばらく 口 を 利か ない 事 なんて 何度 も あった わ 。

( 清 花 ) そう ね 。 そんな 事 も あった わ ね 。

でも お 二 人 は 仲よし な ん です ね 。

なっちゃ ん スマイル !

え ~ 恥ずかしい よ 。 ( 打ち上げ 花火 )

わ ~ !

花火 きれい です ね 。

へ っ ! 今日 は 90 点 だ 。 持って け ドロボー !

わ ~ ! 花火 きれい です ね ~ !

て め ぇ が 夏 祭り に 癒 や さ れ て どう する ん だ ?

やっぱり マイナス 200 点 だ ど ば と ~ !

花火 きれい です ね ~ 。

こら ぁ ! 人 の 話 聞け ~ ! きれい です … 。

・ 「 人 は み な 飛 ん で み たい の に 」

・ 「 重力 に 騙さ れ てる ん だ 」

・ 「 誰 も ほんとう は 飛べ る ん だ よ 」

・ 「 あの コ が あんなに 哀し そう な の は 」

・ 「 自分 の 影 を どこ か に 忘れ てき ちゃ った から かも 」

・ 「 それ なら 」

・ 「 アリガトウ 、 って 君 に 言え たら 」

・ 「 アリガトウ 、 って 君 が 笑え ば 」

・ 「 行ったり 来たり うれしく なる 」

・ 「 君 が シアワセ に なる 」

・ 「 心配 なんて いら ない よ いっしょ に いる から 」

・ 「 うれしく って も 涙 が でる なんて 不思議 だ 」


( セミ の 声 )

( いおり ょぎ ) いい か こば と !

夏 休み は オレ 達 の ライバル だ !

( こば と ) ライバル … です か 。

そう だ ! 夏 休み の ヤツ は →

海 だ ! 虫 捕り だ ! スイカ 割り だ !

と 心 の 傷 や 痛み から 目 を 背け させる 術 を →

ゴマン と 持って る ん だ から な 。 聞い て ん の か ど ば と !

お 手紙 … 。 手紙 じゃ ねえ チラシ って 言う ん だ !

言わ ん こっちゃ ねえ 。 こりゃ コンペイトウ 集 め も 苦戦 する か も 。

とりわけ 夏 祭り は 強敵 だ 。

笛 や 太鼓 縁日 に 浴衣 さらに 盆踊り まで ついてくる 。

きれい です 。

いい か ! オレ の 言い たい 事 は 分かって る だ ろ う な !

( 風 の 吹く 音 ) あっ !

まだ 話 は 終わって ねえ ぞ !

夏 祭り に 負け ない よう に →

皆さん の 傷 つい た 心 を 癒 やし て 差し上げ ます !

・~ ( オープニング ・ テーマ )

・ 「 どう すれ ば いい ん だ っけ 」

・ 「 あたりまえ の こと って いつも 難しい な 」

・ 「 嬉しい とき 笑って 」

・ 「 好き な とき に 歌い たい だけ な のに 」

・ 「 いつか 願い は 叶う と 」

・ 「 でも いつ かって どれ くらい ? 」

・ 「 待ち きれ ない よ 」

・ 「 123 ! の 合図 で 両手 広げ て 」

・ 「 全身 に ひかり を 集め て 」

・ 「 どこ に ある の 教え て 私 に できる 事 」

・ 「 めいっぱい 傷 つい て せい いっぱい 走って 」

・ 「 何 十 回 転 ん で 泣 い て 」

・ 「 それ でも また あきれる くらい 」

・ 「 明日 を 信じ てる 」

・~

( なつき ) 夏 祭り … 。

( 足音 )

どこ に 飛 ん で いった ん でしょ う ?

これ です か ?

はい それ です !

ありがとう ござい ます 。

ちょっと 待って 。 これ 使って 。 え ?

手 が び しょ ぬれ です よ 。 あっ !

・ ありがとう ござい ます !

( 藤本 ) あん ? 何 やって ん だ あいつ ?

夏 祭り の チラシ な ん です 。

もう 夏 祭り の 時期 な の ね 。 行った 事 ある ん です か ?

子供 の 頃 から 毎年 ね 。 おみこし に 縁日 に 花火 。

花火 … ?

わ ~ !

でも … 今年 は 行け ない か な 。

どうして です か ?

( 子供 達 の 声 )

( 子供 1 ) 絶対 負け ない から !

( 子供 2 ) でも ね 私 ね ちょっと 泳げ る よう に なった !

あっ !

もう 行か なきゃ 。 今日 は 高校 の 登校 日 な の 。

よもぎ 保育 園 は 夏 休み です ! えっ ?

( ゆき の ) あっ ! あ ~ !

イタッ … 。

ゆきの … 。

なっちゃ ん … おはよう 。

あ … 。

また ケータイ 見 ながら 歩 い て た の ね 。 グズグズ し てる と 遅刻 する よ 。

あ … ?

大丈夫 です か ?

は ぁ ?

あっ ! こば と ~ 。

いおり ょぎ さん

体 が 重い … 。

ぐ は は は は は … !

大丈夫 です か ? 大丈夫 じゃ ねえ !

言って る そばから 祭り に 負け てん じゃ ねえ か !

そこ を 動く な ! 今 オレ 様 が 気合い を 入れ て やる 。

ゴホッ ゴホッ ゴホッ 。

干し て くれ 。

あの 制服 は 聖 南 女 学院 だ 。

なっちゃ ん さん の 事 ご存じ で ?

知ら ん 。 女子 大 付属 の 高校 だ 。 清 花 さん と 千歳 さん の 出身 校 だ 。

よく ご存じ です ね 。

お前 に は 縁 の ない お 嬢 様 学校 だ 。

今日 も 意地悪 です 。 保育 園 が 夏 休み の 間 →

ずっと バイト と 勉強 で 煮詰まって ん じゃ ねえ か ?

は あ ? 乾 い た ぞ 。 これ 返し に 行く ん だ ろ ?

そう で し た 。

・~

なっちゃ ん さん 居 ませ ん ね 。 早く し ない と 日 が 暮れる ぞ 。

あっ ! 居 まし た 。

( 担任 教師 ) 水橋 な つき さん が 代表 を 務める ボランティア クラブ の 美化 活動 が 認め られ →

この度 県 から 感謝 状 を 頂く 事 に なり まし た 。

( 拍手 )

なっちゃ ん さん は 水橋 なつき さ ん と いう お 名前 な ん です ね 。

コケ て た ヤツ も 同じ クラス か … 。

( 担任 ) 休み だ から と いって 夜更かし し ない よう に !

あっ … 今朝 の … 。

( 担任 ) 夏 休み は 気 が 緩み がち です 。 →

聖 南 の 生徒 に ふさわしい 節度 … 。 ( シャッター 音 )

森川 さん また あなた ね ! →

いい加減 に し ない と 没収 し ます よ !

す … すみません 。 ( 笑い声 )

( 若菜 ) うまく 撮れ てる ! ( はる な ) やっぱり センス ある よ 。

( ゆき の ) そう かな ? 自信 持ち な よ 。

( 担任 ) … 以上 です 。 ( チャイム )

( 担任 ) プール 掃除 の 当番 は プール サイド に 集合 し て 下さい 。

来る ぞ 。 は いっ 。

( 戸 の 開 音 )

( ざわめき )

あっ … あの !

あなた ここ の 生徒 ?

いいえ 。 私 は 「 よもぎ 保育 園 」 の 花 戸 小 鳩 です 。

保育 園 ? 何 を 言って る の ?

そこ の あなた ! 急 い で 事務 員 さん を 呼 ん で き て 。

めん どく せ ぇ ~ 。 こば と 逃げろ 。

え ? どうして です か ? いい から 逃げろ 。

は いっ やって み ます 。

こら ! 待ち なさい !

とにかく なつき さん を 捜さ ない と 。

( カメラ の シャッター 音 )

レンズ を ちゃんと 持って 。 やっぱり 本物 は いい な !

ゆき の っち だって もう じき 買え る じゃ ない 。

あっ ! あの 子 今朝 なっちゃ ん と … 。

ゆきの さん と おっしゃる ん です か 。 ええ 。

私 は 花 戸 小 鳩 です !

( ゆき の ) なっちゃ ん 。

彼女 なっちゃ ん に 用 が ある みたい な ん だ けど 。

今朝 の … 。

ハンカチ お返し に まいり まし た !

洗って くれ た の ?

はい ! でも アイロン を 持って なく て シワ シワ で すみ ませ ん 。

そんな 事 … 。 どうも ありがとう 。

じゃあ 私 行く ね 。

えっ ! プール 掃除 は ?

ごめん 。 なっちゃ ん に は 言って なかった けど バイト し て て … 。

アルバイト は 校則 で 禁止 さ れ てる でしょ う ?

分かって る けど … 。

( 若菜 はる な ) ゆきの ~ !

遅く なっちゃ っ た ! う うん 。 なっちゃ ん ホント ごめん 。

( なつき ) ゆきの … 。

ゆき の っち 今 カメラ を 買う ため に 頑張って て 。

えっ ! プール 掃除 は 私 達 が 手伝う から →

今日 の ところ は 見逃し て !

知ら なかった … 。

なつき さ ん ! えっ ?

こば と ご 一緒 し ます !

藤本 さん が 言った とおり です 。

さすが 私 と は 縁 の ない 場所 です 。

いきなり 「 ご 一 緒 し ます 」 って あり え ねえ ナンパ だ よ な 。

ナンパ … ? それ あり え ない ん です か ?

( ドア の 開 音 )

お 待た せ 。 いきなり ナンパ し て すみません !

私 も 一 人 で 帰り たく ない 気分 だった から うれしかった わ 。

良かった です 。

あの 写真 … 。

ゆきの さん に 似 て い ます 。

小学生 の 頃 の 夏 祭り … 。

とって も 仲よし です ! 仲よし だった … かな ?

今 は 仲よし じゃ ない ん です か ?

だって ゆきの が 避ける から … 。

回想

なっちゃ ん おはよう 。 おはよう ゆきの ちゃん 。

後ろ シャツ 出 てる よ 。 えっ ! 直し て あげる ね 。

( なつき ) < 昔 は 普通 に 毎朝 一緒 に 学校 に 通って た >

遅れ て ごめん ! 寝ぐせ すごい よ !

うそ ! ちょっと 待って て ! えっ

ゆきの ちゃん 早く 戻って 来 て ね !

< それ が いつ の 頃 から か …>

( ゆき の ) ごめん ね 。 寝坊 し ちゃ った 。 先 に 行って て 。

うん 分かった 。

< 高校 に 入って から は だんだん …>

それ で ね … 。

きれい … 。 ( なつき ) え ?

ごめん なっちゃ ん 。 先 行って て 。

うん … 。

( 若菜 ) ゆきの ちゃん 写真 に 興味 ある なら うち の 部 に 入 ん な よ 。

でも 部活 と か まで は 私 … 。 ( はる な ) 見学 だけ でも … 。

( ゆき の ) あの … 。 ( 若菜 ) いい から いい から 。

< 最近 は もう すっかり 別々 で …>

ゆきの が 何 を 考え て いる の か 分から なく て … 。

・~

・~

なつき さん を お 助け し たい です ! どう やって ?

分かり ませ ん 。

分か ん ねぇ の か よ ~ ! き ゃ ~ !

とりあえず ゆきの さん に お 会い し て み ます 。

( 役員 ) ご苦労さま 。 なんとか 祭り に 間に合い そう だ 。

はい 。 あ … 。

あれ ?

好き な の どうぞ 。 アルバイト の お邪魔 を し て すみません 。

もう 終わり だ から 気 に し ない で 。 そう なん です か 。

お 金 も たまった し 明日 から の 駅 ビル の セール で カメラ 買う ん だ 。

昨日 持って い た の は 違う ん です か ? 昨日 ?

あれ は 友達 の 。 自分 の が どうしても 欲しく て →

ずっと バイト し て た ん だ 。 すごい です ね !

ケータイ の カメラ で 始め た 趣味 な ん だ けど すっかり ハマ っちゃ っ て 。 →

写真 部 の 友達 と も 仲よく なった し すごく 話 が 合う ん だ 。

なつき さん は … ?

なつき さ ん と は お 話 し ない ん です か ?

なっちゃ ん は 昔 から の 友達 で … 。

回想

ウフフ … お そろい だ ね 。 うん 。

ねえ ストラップ 買い に 行 こ う ! お そろい が いい 。

ストラップ まで 同じ だ と 分か ん なく なっちゃ う よ 。

そ っか … エヘヘ ヘヘ 。

私 は これ に する 。 じゃあ 私 は これ 。

なつき だ から スイカ 。 ゆきの は 雪だるま 。

( 2 人 ) かわいい ~ !

取り替え っこ する ? うん 。

大切 に する ね 。 私 も 大切 に する フフフ 。

なつき さ ん と は もう 仲よし じゃ ない ん です か ? えっ ?

嫌い に なっちゃ っ た ん です か ?

なっちゃ ん を 嫌い に なんか なら ない ! →

なっちゃ ん は 私 の あこがれ 。

回想 や だ ~ 恥ずかしい よ 。

ねえ 一緒 に 撮 ろ う 。 うん 。

( 2 人 ) はい チーズ 。

( ゆき の ) 今度 ちゃん と 撮ら せ て !

( なつき ) ゆきの が もっと 上手 に なったら ね 。

( 2 人 の 笑い声 )

なつき さん も ゆきの さん も 本当 は 仲よし で い たい のに →

どうして 仲 よく でき ない ん でしょ う ?

さあ な 本人 達 に も 分から ねえ の に 分かる ハズ が ねえ だ ろ う 。

でも … 何とか し たい です 。

すみません 。 セール 中 の カメラ 屋 さん は どちら で しょうか ?

( 案内 人 ) それ でし たら … 。 は いっ 。

( 若菜 ) 帰ったら 試し 撮り し よ う 。 ( はる な ) いい ね それ 。

あ … 。

なっちゃ ん 。 お 買い物 ? う … うん 。

一 眼 レフ の カメラ 。

そう 。

ゆき の っち 頑張って バイト し て いい カメラ 買った ん だ よ 。

そう そう 。 私 たち 写真 部 も うらやましい ぐらい 。

ゆき の っち 写真 部 入り な よ ! それ い ~ ね !

一 眼 デビュー 記念 って 事 で 。

( はる な ) 念願 の カメラ 買った ん だ し 。 ( 若菜 ) 今度 撮影 会 行 こ う よ ! →

ゆき の っち 才能 ある から 絶対 いい 写真 撮れる って !

( 3 人 で はしゃぐ 声 )

バッカ みたい ! えっ ?

写真 って 広告 の 構図 を マネ る と そこそこ 上手 に 見える から →

勘違い し ちゃ う 人 が 多い の よ ね 。 →

ゆき の 勘違い し てる ん じゃ ない ? →

才能 も ない くせ に プロ 気取り の アマチュア って ホント 最悪 !

・~

ゆきの さん !

なつき さ ん !

ゆきの さん ?

あ … 才能 が あったら いい なって 思う けど →

今 は 写真 が 面白く て カメラ が 好き で ただ それ だけ … 。

あの … 大好き な カメラ 買え て 良かった です ね 。 それ から … 。

ごめん 。

一 人 に し て くれる ?

( すすり泣き )

なんで あんな 事 言っちゃ っ た ん だ ろ う ?

ない ! ストラップ が ない ! どうして ?

・~

ない … 。 あっ !

おい 今度 は どこ 行く ん だ ?

やっぱり さっき の なつき さん は よく あり ませ ん 。

だから ひと言 言って 差し上げ なけ れ ば !

言う って 何 を ? それ は … 。

とにかく このまま で は いけ ませ ん !

・ ( 物音 )

・~

どう なさった ん です か ?

ない の ! ストラップ が ない の !

お 手伝い し ます !

そこ も 全部 何度 も 捜し た けど ない の !

どう しよ う 私 … 。 ゆきの に ひどい 事 言っちゃ って … 。

だから なくなっちゃ っ た ん だ ! ( 泣き声 )

とにかく 捜し ます !

( 泣き声 )

どう しよ う … 。 私 … 私 … 。

・~

なつき さ ん … 。

あっ ?

・~

なつき さ ん … 。

あり まし た !

ありがとう … 。

ありがとう こば と ちゃん 。

( ヒグラシ の 声 )

ゆきの さん と なつき さ ん 本当 は まだ 仲よし な ん です ね 。

私 ゆきの が 怖かった の かも … 。

ゆきの さん の 一生懸命 さ が すてき だった から で は ?

あ … 。

ゆきの は 昔 から 少し 変わって て 時々 遠い 存在 の よう に 感じ て →

私 置 い て いかれ そう で すごく 不安 だった 。

だから 勉強 や 他の 事 で 頑張る しか なかった の 。

先 に ゆき の を 遠ざけ た の は 私 の ほう だった 。

なつき さ ん 。 お 電話 貸し て 頂け ます か ?

( メール 着信 音 )

なっちゃ ん … 。

あっ … 。

なっちゃ ん まだ 持って て くれ た ん だ 。

ゆきの さん 。

さっき は ひどい 事 言って … 。 あの … 。

( ゆき の ) 一緒 だ よ 。 え ?

私 も ずっと 持って る よ 。

ゆきの … 。

( なつき ) 私 も ずっと 持って る よ 。

清 花 先生 と 千歳 さん は ケンカ し た 事 ない の です か ?

( 千歳 清 花 ) え ? 数え きれ ない くらい し た わ よ ね 。

あら そう だった かしら ?

しばらく 口 を 利か ない 事 なんて 何度 も あった わ 。

( 清 花 ) そう ね 。 そんな 事 も あった わ ね 。

でも お 二 人 は 仲よし な ん です ね 。

なっちゃ ん スマイル !

え ~ 恥ずかしい よ 。 ( 打ち上げ 花火 )

わ ~ !

花火 きれい です ね 。

へ っ ! 今日 は 90 点 だ 。 持って け ドロボー !

わ ~ ! 花火 きれい です ね ~ !

て め ぇ が 夏 祭り に 癒 や さ れ て どう する ん だ ?

やっぱり マイナス 200 点 だ ど ば と ~ !

花火 きれい です ね ~ 。

こら ぁ ! 人 の 話 聞け ~ ! きれい です … 。

・ 「 人 は み な 飛 ん で み たい の に 」

・ 「 重力 に 騙さ れ てる ん だ 」

・ 「 誰 も ほんとう は 飛べ る ん だ よ 」

・ 「 あの コ が あんなに 哀し そう な の は 」

・ 「 自分 の 影 を どこ か に 忘れ てき ちゃ った から かも 」

・ 「 それ なら 」

・ 「 アリガトウ 、 って 君 に 言え たら 」

・ 「 アリガトウ 、 って 君 が 笑え ば 」

・ 「 行ったり 来たり うれしく なる 」

・ 「 君 が シアワセ に なる 」

・ 「 心配 なんて いら ない よ いっしょ に いる から 」

・ 「 うれしく って も 涙 が でる なんて 不思議 だ 」