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こばと。, Kobato. Episode 12

( いびき )

( いおり ょぎ ) ムニャ ムニャ … 。

ケーキ うめ ぇ ~ 。

・~

( 銀 生 ) なんて 情けない 姿 だ 。

う ~ ん … 。

・~

五百 祇 … 。

・~ ( オープニング ・ テーマ )

・ 「 どう すれ ば いい ん だ っけ 」

・ 「 あたりまえ の こと って いつも 難しい な 」

・ 「 嬉しい とき 笑って 」

・ 「 好き な とき に 歌い たい だけ な のに 」

・ 「 いつか 願い は 叶う と 」

・ 「 でも いつ かって どれ くらい ? 」

・ 「 待ち きれ ない よ 」

・ 「 123 ! の 合図 で 両手 広げ て 」

・ 「 全身 に ひかり を 集め て 」

・ 「 どこ に ある の 教え て 私 に できる こと 」

・ 「 めいっぱい 傷 つい て せい いっぱい 走って 」

・ 「 何 十 回 転 ん で 泣 い て 」

・ 「 それ でも また あきれる くらい 」

・ 「 明日 を 信じ てる 」

・~

( こば と の 鼻歌 )

( 満里奈 ) こば と ちゃん だ ! ( 俊彦 ) おはよう こば と ちゃん !

( こば と ) おはよう ございます !

こば と ちゃん この 子 に お リボン 結 ん で あげて も いい ?

この 子 ? いおり ょぎ さん です か ?

おい おい 勘弁 し て くれよ 。

はい ! お 願い し ます !

えっ

・~

かわいい ! いおり ょぎ さん も 喜んで ます !

誰 が 喜ぶ か ~ !

おはよう ございます 。 ( 清 花 ) おはよう こば と ちゃん 。

今日 も よろしく ね 。 はい !

行って き ます ね いおり ょぎ さん 。

( ドア の 開閉 音 )

( 藤本 ) なんで あんな もん 持ち歩 い てる の か ?

きっと 大事 な もの な の よ 。

( 玄 琥 ) ・ 「 おいしい おいしい 」

・ 「 バームクーヘン 焼き 焼き 」

・ 「 焼き 焼き ハ ~ 焼き 焼き 」

・ 「 森 の くま さん 焼 い てる 」

はん ? う っと おしい ! さっさと 入れ 銀 生 。

あいつ は ここ に は い ない ぞ 。 知って いる 。

だったら 何 し に 来 た ?

知り たい だけ だ 。 あいつ が 何 を 考え て いる の か 。

なんで オレ に ? ふん ま ぁ いい 。

オレ たち は 今 は こんな ナリ を し ちゃ いる が 異 界 の 住人 だ 。

何 を いまさら … 。 そもそも 発端 は なん だ ? →

天 界 人間 界 地 界 そして 異 界 。 →

それぞれ 違う 世界 が ある 事 を 意識 し て い ない の は 人間 だけ だ 。 →

天 界 に は 神 が 統べる 天使 たち が いる 。 →

地 界 に は 魔 王 が 統べる 悪魔 たち が … 。 →

そして 異 界 に は 異 主 が 統べる オレ たち が いる 。

それぞれ の 世界 は 不可侵 が 原則 。 なのに あの バカ 五百 祇 は … 。

うん ? は いはい 。 ちょっと バカ な 五百 祇 な 。

あいつ が 天 界 に 戦争 なんか 仕掛け や がる から →

こんな 事 に なった ん じゃ ねえ か 。

五百 祇 が 天 界 に 戦争 なんか しかけ た の は →

あそこ に どうしても 欲しい もの が あった から だ 。

だが 手 に は 入ら なかった 。

地 界 の 魔 王 の せがれ み たい に スルッ と 盗 ん じまえ ば よかった のに 。

結局 こっち が 負け て 不可侵 の 禁 を 破った 罪 で あいつ は ぬいぐるみ 。

オレ は くま の バームクーヘン 屋 。

うち の 瑞祥 は 妙 な 鳥 に さ れ ち まった 。 →

さすが の 神 も 堪忍 袋 の 緒 が 切れ た って ところ だ ろ う 。

オレ たち も いい とばっちり だ が 首謀 者 の あいつ が 一 番 面倒 な 事 に 。

どう すれ ば 五百 祇 は 異 界 へ 戻れ る ?

あの 子 の 願い が 叶う まで 五百 祇 は あの 姿 の まま だ し →

異 界 へ も 帰れ ねえ 。

願い ?

人間 の 傷 つい た 心 を 癒 や し て それ が ビン 一 杯 に なった 時 →

あの 子 の 願い が 叶う ん だ 。 その 手助け を する の が アイツ と 神 の 契約 。

アイツ の 考え てる 事 は オレ に は 分から ねえ 。

ま ぁ 一 つ 言え る の は 五百 祇 は 人間 界 に 来 て から …→

いや あの 子 と 一緒 に いる よう に なって から 変わった って 事 だ 。

しばらく ほって おい て やれ 。 これ でも 食って … 。

あん ?

まったく … 。

う め ぇ の に 。

う ~ ! こんな 姿 昔 の 仲間 が 見 たら 泣く ぜ !

あら ?

ウフフ 。

( 鼻歌 )

オニ さん こちら 。

( 堂 元 ) こば と ちゃん おはよう 。

堂 元 さん

どうして 保育 園 に ? 清和 に 用 が あって ね 。

みんな お 昼 だ ! 手洗 って 中 入れ ~ !

( 子供 たち ) は ~ い ! 清和 。

何 し に 来 た ん だ よ 。

今日 の ゼミ は 出 て おい た 方 が いい と 思って 誘い に 来 た 。

行か ない 。 希望 し て 入った のに 。

あの … ゼミ って ? ゼミナール 大学 の 。

大学 の 勉強 です か ? うん 。

前回 も 欠席 し た だ ろ う 。 今日 は 出 て おい た 方 が いい 。

行って 下さい 藤本 さん 。 無理 だ 忙しい 。

藤本 さん ! こば と ちゃん 。

大丈夫 僕 に 考え が ある から 。

え ?

今日 は もう いい わ 。 大事 な ゼミ が ある ん でしょ う ?

清 花 さん 。

僕 も ここ に は 何度 か 手伝い に 来 た 事 が あって ね 。

その 時 気 が つい た ん だ 。

お 昼寝 も ある し こば と ちゃん も 手伝って くれる から 大丈夫 よ 。

でも … 。 藤本 君 。

いつも 本当 に 助かって る わ 。

でも ね ちゃん と 大学 に は 行って ほしい の 。

お 願い よ 。 はい … 。

素直 です 。

あいつ 清 花 先生 の 言う 事 だけ は 素直 に 聞く ん だ 。

う ~ ! こんな メルヘン な もん つけ て られる か っ つ ~ ん だ !

あ ?

じゃあ ね こば と ちゃん 。 また 来る よ 。

はい ! また 来 て 下さい 。 あ … 。

それ じゃあ !

行って らっしゃい です ~ !

こば と 。 藤本 さん の 分 も 頑張り ます !

・~

き ゃ ~ !

・~

すごい です ね ~ !

・~

う ぐ ぐ ぐ … 。

クソッ ! 取れ ねえ だ ろ う が !

ギチギチ に 結び や がって 藤本 の ヤツ !

う … 。

ん ? ( はしゃぐ 声 )

・~

( ため息 )

あ ~ あ … 。

ウフフ … 。

・~

( 清 花 ) 今日 は 本当 に ありがとう 。 こば と ちゃん の おかげ で 助かった 。

い … いえ ! 帰って ゆっくり 休 ん で ね 。

はい !

リボン 似合って る わ ね いおり ょぎ ちゃん に 。

へ ?

いおり ょぎ … ちゃん ?

はい ! じゃあ また 明日 。

まだ 少し 暑い です ね 。

土 の ある 所 は 涼しい ん です ね 。

気持ち いい です 。 ねっ いおり ょぎ さん 。

うん ?

ウグッ 。

い て ぇ よ ! 何 す ん だ !

いおり ょぎ さん の ここ ギュ ~ って なって ます 。

なんで か 分かる か ? おなか が 空 い てる から です か ?

わ ~ !

こば と … 。

季節 は どんどん 過ぎ て ん だ ぞ 。

お前 は 保育 園 を 手伝う ため に ここ に 来 た わけ じゃ ねえ だ ろ う 。

でも 今日 は 藤本 さん が いらっしゃら なかった ので →

その分 私 が 頑張り たかった ん です 。

そういう 事 は よ やる 事 やって から 言え !

早い とこ この ビン を いっぱい に しね え と →

お前 の 願い は 叶わ なく なる ん だ ぞ 。

ん ?

・~

銀 生 … ? お 友達 です か ?

き ゃ ~ !

・~

いおり ょぎ さん !

そい つ だ な 。

こば と !

・~

チッ !

・~

いおり ょぎ さん … 。

・~

・~

( 琥珀 ) あら ? あれ は … 。

( 荒い 息遣い )

て め ぇ それ 割ったら タダ じゃ おか ねぇ から な 。

なぜ だ ? あ ~ ん ?

なぜ そんな 姿 で いつ まで も 人間 界 に いる ?

やる 事 が あん だ よ 。

( 鳥 の 羽ばたき )

( 鼻歌 )

( 瑞祥 ) 玄 琥 様 ~ !

部屋 の 中 で バタバタ やる ん じゃ ねぇ !

生地 に 羽根 が 入る だ ろ う !

そんな 事 言わ れ て も 私 今 鳥 な ん です から 。

分かった 分かった 。 で 何 だ ?

そう で し た ! あの 横暴 で 我 儘 な ぬいぐるみ 的 な もの に なって る →

あの 人 と もともと あの 人 の とこ に い た 乱暴 者 が 一触 即発 な 感じ で !

あ ~ そう か 。 え ? それ だけ ?

じゃあ これ でも 持って け 。 やら れ た 方 に 見舞い が わり だ 。

ほっと い て い い ん です か ? あの 人 たち 絶対 大 暴れ し ます よ 。

あいつ ら の 間 に は 誰 も 入れ ねえ 。 →

もともと あいつ は 五百 祇 に 拾わ れ た 。 →

名前 も 五百 祇 が つけ た 。 目 の 色 が 銀色 だ から →

銀 の 生き物 で 銀 生 。

そりゃ 幾ら なんでも そのまま だ ろ う って 。

オレ は 止め た ん だ ぜ 。 その後 殴り合い に なった けど 。

でしょう ね 。

拾わ れ て 名 を 与え られ て →

だから あいつ は 五百 祇 に こだわり 続ける 。 →

決着 は あいつ ら で つける しか ねぇ ん だ 。

・~

オオッ 。

ウッ ! その ビン 返せ 。

自分 で 取れ ば いい だ ろ う 。 いおり ょぎ さん 。

あ ~ ん 。 このまま 焼 い ち まう か おい !

わ ~ !

ウ … ウッ !

その 姿 で 押さえ 込め て い られる わけな い だ ろ う 。 て め ぇ !

情けない な 。 その ナリ も 名前 も … 。

なに が 「 いおり ょぎ 」 だ 。

回想 い お … り ょ ?

い お ろ ぎ ! いおり ょぎ !

あ ~ ! い お ろ ぎ だ っつ ~ の ! いおり ょぎ 。

違う ! いおり ょぎ ! … あれ ?

はい いおり ょぎ さん !

オレ は 今 の 呼び名 が 気 に 入って ん だ よ 。

いい から ビン 返せ !

異 界 に 戻る と 言え 。

やる 事 が ある と 言った だ ろ う 。 オレ は 戻ら ねえ 見届ける まで な 。

「 願い 」 と いう ヤツ か 。

あの 娘 に 何 が ある ?

あいつ に は … 。

オレ も 散々 ひどい 目 に 遭わ さ れ て き た 。

だったら 消し て しまえ ば いい 。 なに ?

あの 娘 さえ い なけ れ ば 願い も 何も ない 。

お前 も 異 界 に 戻れ る はず だ 。 昔 の お前 なら そうして い た 。

フッ 。 だ ろ う な 。

あいつ は 本当 に ドジ で 常識 知ら ず で … 。

こば と 頑張り ま ~ す !

いつ だって 自分 の 事 は 後回し 。

頼ま れ も し ねえ の に ほか の ヤツ の ため に クタクタ に なる まで 頑張って 。

けど な オレ は あいつ の そういう しょ う も ねえ とこ →

嫌い じゃ ねえ ん だ よ 。

オオ ~ ッ !

聞く に 耐え ん な 。 て め ぇ 中身 出る だ ろ う !

ビン を いっぱい に し ない と 願い は 叶わ なく なる … 。

銀 生 !

ならば これ さえ なけ れ ば … 。

やめろ !

今 の お前 に は 従う 気 に なれ ない 。

銀 生 ! 頼む !

その ビン を 返し て くれ 。

それ が ね え と こば と は … 。

頼む 。

あの 子 と 一緒 に いる よう に なって から 変わった って 事 だ 。

頼む だ と … ?

昔 の お前 なら 決して 言わ なかった 。

フフフ … 。

あ … 。

( 銀 生 ) 早く 目的 を 果たせ 。

銀 生 … 。

いおり ょぎ さ ~ ん !

お … 。 ( 琥珀 ) こば と さ ん ?

琥珀 さん ! どう し た ん です か ?

いおり ょぎ さん が い なく なって しまった ん です 。

いおり ょぎ さん なら さくら 公園 に いらっしゃい まし た けど … 。

ホホホ … ホ ~ ラ 。 つかまえ て ごらん な さ ~ い 。

こいつ ~ !

異 界 の お 仲間 と 楽しく 追いかけ っこ を し て い た ので →

お 声 を かけ ませ ん でし た 。

さくら 公園 です ね 。 ありがとう ござい まし た 。

どう いたし まして 。

( ヒグラシ の 声 )

あ ~ クソッ ! 不便 な ボディー だ ぜ 。

でも ここ まで 来 れ ば … 。

ん ?

( ため息 )

( はたく 音 )

い て ぇ な この ヤロー !

・ いおり ょぎ さ ~ ん !

いおり ょぎ さ ~ ん どこ です か ?

いおり ょぎ さ ~ ん !

おい !

藤本 さん !

これ 。 いおり ょぎ さん

よかった いおり ょぎ さん !

ありがとう ござい ます 。 見つけ て 下さって 。

あ … ああ 。

いおり ょぎ さん 迷子 に なって しまわ れ て 。

迷子 ? 無事 で 本当 に よかった です 。

そんなに 大事 な の か それ ?

はい ! 私 と いおり ょぎ さん は いつも 一緒 です !

・~

・ うめ ぇ !

くま の ヤツ 気 が 利 い て ん な 。 ムシャ ムシャ … 。

は あ ?

とって も お 似合い で ~ す 。

て め ぇ ! いおり ょぎ さん 。

ビン 取り戻し て 下さって ありがとう ござい ます 。

感謝 し て い ます 。

ど ば と ! マイナス 200 点 !

ひ ぇ ~

大事 な ビン を 取ら れる と は 何事 だ ! たる ん でる ぞ !

すみません 。

ふん !

わ ~ ! ファンシー デー か 今日 は !

ど いつ も こいつ も 結び まくり や が って !

回想 「 私 と いおり ょぎ さん は いつも 一緒 です ! 」

あ … 。

へ っ !

いおり ょぎ さん 。 何 だ よ ?

やっぱり リボン 似合って ます ね 。 似あって ねえ よ !

そんな 事 ない です ! もう 一 つ 結ぶ と 更に … 。

やめろ ! 更に もう 一 つ 結ぶ と … 。

おい ! やめろ って ん だ ぞ ゴラァ 。

もう 一 つ 結び ま しょ う ね 。 しゃべれ ねえ … モゴ モゴ … 。

・ 「 人 は み な 飛 ん で み たい の に 」

・ 「 重力 に 騙さ れ てる ん だ 」

・ 「 誰 も ほんと は 飛べ る ん だ よ 」

・ 「 あの コ が あんなに 哀し そう な の は 」

・ 「 自分 の 影 を どこ か に 忘れ てき ちゃ った から かも 」

・ 「 それ なら 」

・ 「 アリガトウ 、 って 君 に 言え たら 」

・ 「 アリガトウ 、 って 君 が 笑え ば 」

・ 「 行ったり 来たり うれしく なる 」

・ 「 君 が シアワセ に なる 」

・ 「 心配 なんて いら ない よ いっしょ に いる から 」

・ 「 うれしく って も 涙 が 出る なんて 不思議 だ 」


( いびき )

( いおり ょぎ ) ムニャ ムニャ … 。

ケーキ うめ ぇ ~ 。

・~

( 銀 生 ) なんて 情けない 姿 だ 。

う ~ ん … 。

・~

五百 祇 … 。

・~ ( オープニング ・ テーマ )

・ 「 どう すれ ば いい ん だ っけ 」

・ 「 あたりまえ の こと って いつも 難しい な 」

・ 「 嬉しい とき 笑って 」

・ 「 好き な とき に 歌い たい だけ な のに 」

・ 「 いつか 願い は 叶う と 」

・ 「 でも いつ かって どれ くらい ? 」

・ 「 待ち きれ ない よ 」

・ 「 123 ! の 合図 で 両手 広げ て 」

・ 「 全身 に ひかり を 集め て 」

・ 「 どこ に ある の 教え て 私 に できる こと 」

・ 「 めいっぱい 傷 つい て せい いっぱい 走って 」

・ 「 何 十 回 転 ん で 泣 い て 」

・ 「 それ でも また あきれる くらい 」

・ 「 明日 を 信じ てる 」

・~

( こば と の 鼻歌 )

( 満里奈 ) こば と ちゃん だ ! ( 俊彦 ) おはよう こば と ちゃん !

( こば と ) おはよう ございます !

こば と ちゃん この 子 に お リボン 結 ん で あげて も いい ?

この 子 ? いおり ょぎ さん です か ?

おい おい 勘弁 し て くれよ 。

はい ! お 願い し ます !

えっ

・~

かわいい ! いおり ょぎ さん も 喜んで ます !

誰 が 喜ぶ か ~ !

おはよう ございます 。 ( 清 花 ) おはよう こば と ちゃん 。

今日 も よろしく ね 。 はい !

行って き ます ね いおり ょぎ さん 。

( ドア の 開閉 音 )

( 藤本 ) なんで あんな もん 持ち歩 い てる の か ?

きっと 大事 な もの な の よ 。

( 玄 琥 ) ・ 「 おいしい おいしい 」

・ 「 バームクーヘン 焼き 焼き 」

・ 「 焼き 焼き ハ ~ 焼き 焼き 」

・ 「 森 の くま さん 焼 い てる 」

はん ? う っと おしい ! さっさと 入れ 銀 生 。

あいつ は ここ に は い ない ぞ 。 知って いる 。

だったら 何 し に 来 た ?

知り たい だけ だ 。 あいつ が 何 を 考え て いる の か 。

なんで オレ に ? ふん ま ぁ いい 。

オレ たち は 今 は こんな ナリ を し ちゃ いる が 異 界 の 住人 だ 。

何 を いまさら … 。 そもそも 発端 は なん だ ? →

天 界 人間 界 地 界 そして 異 界 。 →

それぞれ 違う 世界 が ある 事 を 意識 し て い ない の は 人間 だけ だ 。 →

天 界 に は 神 が 統べる 天使 たち が いる 。 →

地 界 に は 魔 王 が 統べる 悪魔 たち が … 。 →

そして 異 界 に は 異 主 が 統べる オレ たち が いる 。

それぞれ の 世界 は 不可侵 が 原則 。 なのに あの バカ 五百 祇 は … 。

うん ? は いはい 。 ちょっと バカ な 五百 祇 な 。

あいつ が 天 界 に 戦争 なんか 仕掛け や がる から →

こんな 事 に なった ん じゃ ねえ か 。

五百 祇 が 天 界 に 戦争 なんか しかけ た の は →

あそこ に どうしても 欲しい もの が あった から だ 。

だが 手 に は 入ら なかった 。

地 界 の 魔 王 の せがれ み たい に スルッ と 盗 ん じまえ ば よかった のに 。

結局 こっち が 負け て 不可侵 の 禁 を 破った 罪 で あいつ は ぬいぐるみ 。

オレ は くま の バームクーヘン 屋 。

うち の 瑞祥 は 妙 な 鳥 に さ れ ち まった 。 →

さすが の 神 も 堪忍 袋 の 緒 が 切れ た って ところ だ ろ う 。

オレ たち も いい とばっちり だ が 首謀 者 の あいつ が 一 番 面倒 な 事 に 。

どう すれ ば 五百 祇 は 異 界 へ 戻れ る ?

あの 子 の 願い が 叶う まで 五百 祇 は あの 姿 の まま だ し →

異 界 へ も 帰れ ねえ 。

願い ?

人間 の 傷 つい た 心 を 癒 や し て それ が ビン 一 杯 に なった 時 →

あの 子 の 願い が 叶う ん だ 。 その 手助け を する の が アイツ と 神 の 契約 。

アイツ の 考え てる 事 は オレ に は 分から ねえ 。

ま ぁ 一 つ 言え る の は 五百 祇 は 人間 界 に 来 て から …→

いや あの 子 と 一緒 に いる よう に なって から 変わった って 事 だ 。

しばらく ほって おい て やれ 。 これ でも 食って … 。

あん ?

まったく … 。

う め ぇ の に 。

う ~ ! こんな 姿 昔 の 仲間 が 見 たら 泣く ぜ !

あら ?

ウフフ 。

( 鼻歌 )

オニ さん こちら 。

( 堂 元 ) こば と ちゃん おはよう 。

堂 元 さん

どうして 保育 園 に ? 清和 に 用 が あって ね 。

みんな お 昼 だ ! 手洗 って 中 入れ ~ !

( 子供 たち ) は ~ い ! 清和 。

何 し に 来 た ん だ よ 。

今日 の ゼミ は 出 て おい た 方 が いい と 思って 誘い に 来 た 。

行か ない 。 希望 し て 入った のに 。

あの … ゼミ って ? ゼミナール 大学 の 。

大学 の 勉強 です か ? うん 。

前回 も 欠席 し た だ ろ う 。 今日 は 出 て おい た 方 が いい 。

行って 下さい 藤本 さん 。 無理 だ 忙しい 。

藤本 さん ! こば と ちゃん 。

大丈夫 僕 に 考え が ある から 。

え ?

今日 は もう いい わ 。 大事 な ゼミ が ある ん でしょ う ?

清 花 さん 。

僕 も ここ に は 何度 か 手伝い に 来 た 事 が あって ね 。

その 時 気 が つい た ん だ 。

お 昼寝 も ある し こば と ちゃん も 手伝って くれる から 大丈夫 よ 。

でも … 。 藤本 君 。

いつも 本当 に 助かって る わ 。

でも ね ちゃん と 大学 に は 行って ほしい の 。

お 願い よ 。 はい … 。

素直 です 。

あいつ 清 花 先生 の 言う 事 だけ は 素直 に 聞く ん だ 。

う ~ ! こんな メルヘン な もん つけ て られる か っ つ ~ ん だ !

あ ?

じゃあ ね こば と ちゃん 。 また 来る よ 。

はい ! また 来 て 下さい 。 あ … 。

それ じゃあ !

行って らっしゃい です ~ !

こば と 。 藤本 さん の 分 も 頑張り ます !

・~

き ゃ ~ !

・~

すごい です ね ~ !

・~

う ぐ ぐ ぐ … 。

クソッ ! 取れ ねえ だ ろ う が !

ギチギチ に 結び や がって 藤本 の ヤツ !

う … 。

ん ? ( はしゃぐ 声 )

・~

( ため息 )

あ ~ あ … 。

ウフフ … 。

・~

( 清 花 ) 今日 は 本当 に ありがとう 。 こば と ちゃん の おかげ で 助かった 。

い … いえ ! 帰って ゆっくり 休 ん で ね 。

はい !

リボン 似合って る わ ね いおり ょぎ ちゃん に 。

へ ?

いおり ょぎ … ちゃん ?

はい ! じゃあ また 明日 。

まだ 少し 暑い です ね 。

土 の ある 所 は 涼しい ん です ね 。

気持ち いい です 。 ねっ いおり ょぎ さん 。

うん ?

ウグッ 。

い て ぇ よ ! 何 す ん だ !

いおり ょぎ さん の ここ ギュ ~ って なって ます 。

なんで か 分かる か ? おなか が 空 い てる から です か ?

わ ~ !

こば と … 。

季節 は どんどん 過ぎ て ん だ ぞ 。

お前 は 保育 園 を 手伝う ため に ここ に 来 た わけ じゃ ねえ だ ろ う 。

でも 今日 は 藤本 さん が いらっしゃら なかった ので →

その分 私 が 頑張り たかった ん です 。

そういう 事 は よ やる 事 やって から 言え !

早い とこ この ビン を いっぱい に しね え と →

お前 の 願い は 叶わ なく なる ん だ ぞ 。

ん ?

・~

銀 生 … ? お 友達 です か ?

き ゃ ~ !

・~

いおり ょぎ さん !

そい つ だ な 。

こば と !

・~

チッ !

・~

いおり ょぎ さん … 。

・~

・~

( 琥珀 ) あら ? あれ は … 。

( 荒い 息遣い )

て め ぇ それ 割ったら タダ じゃ おか ねぇ から な 。

なぜ だ ? あ ~ ん ?

なぜ そんな 姿 で いつ まで も 人間 界 に いる ?

やる 事 が あん だ よ 。

( 鳥 の 羽ばたき )

( 鼻歌 )

( 瑞祥 ) 玄 琥 様 ~ !

部屋 の 中 で バタバタ やる ん じゃ ねぇ !

生地 に 羽根 が 入る だ ろ う !

そんな 事 言わ れ て も 私 今 鳥 な ん です から 。

分かった 分かった 。 で 何 だ ?

そう で し た ! あの 横暴 で 我 儘 な ぬいぐるみ 的 な もの に なって る →

あの 人 と もともと あの 人 の とこ に い た 乱暴 者 が 一触 即発 な 感じ で !

あ ~ そう か 。 え ? それ だけ ?

じゃあ これ でも 持って け 。 やら れ た 方 に 見舞い が わり だ 。

ほっと い て い い ん です か ? あの 人 たち 絶対 大 暴れ し ます よ 。

あいつ ら の 間 に は 誰 も 入れ ねえ 。 →

もともと あいつ は 五百 祇 に 拾わ れ た 。 →

名前 も 五百 祇 が つけ た 。 目 の 色 が 銀色 だ から →

銀 の 生き物 で 銀 生 。

そりゃ 幾ら なんでも そのまま だ ろ う って 。

オレ は 止め た ん だ ぜ 。 その後 殴り合い に なった けど 。

でしょう ね 。

拾わ れ て 名 を 与え られ て →

だから あいつ は 五百 祇 に こだわり 続ける 。 →

決着 は あいつ ら で つける しか ねぇ ん だ 。

・~

オオッ 。

ウッ ! その ビン 返せ 。

自分 で 取れ ば いい だ ろ う 。 いおり ょぎ さん 。

あ ~ ん 。 このまま 焼 い ち まう か おい !

わ ~ !

ウ … ウッ !

その 姿 で 押さえ 込め て い られる わけな い だ ろ う 。 て め ぇ !

情けない な 。 その ナリ も 名前 も … 。

なに が 「 いおり ょぎ 」 だ 。

回想 い お … り ょ ?

い お ろ ぎ ! いおり ょぎ !

あ ~ ! い お ろ ぎ だ っつ ~ の ! いおり ょぎ 。

違う ! いおり ょぎ ! … あれ ?

はい いおり ょぎ さん !

オレ は 今 の 呼び名 が 気 に 入って ん だ よ 。

いい から ビン 返せ !

異 界 に 戻る と 言え 。

やる 事 が ある と 言った だ ろ う 。 オレ は 戻ら ねえ 見届ける まで な 。

「 願い 」 と いう ヤツ か 。

あの 娘 に 何 が ある ?

あいつ に は … 。

オレ も 散々 ひどい 目 に 遭わ さ れ て き た 。

だったら 消し て しまえ ば いい 。 なに ?

あの 娘 さえ い なけ れ ば 願い も 何も ない 。

お前 も 異 界 に 戻れ る はず だ 。 昔 の お前 なら そうして い た 。

フッ 。 だ ろ う な 。

あいつ は 本当 に ドジ で 常識 知ら ず で … 。

こば と 頑張り ま ~ す !

いつ だって 自分 の 事 は 後回し 。

頼ま れ も し ねえ の に ほか の ヤツ の ため に クタクタ に なる まで 頑張って 。

けど な オレ は あいつ の そういう しょ う も ねえ とこ →

嫌い じゃ ねえ ん だ よ 。

オオ ~ ッ !

聞く に 耐え ん な 。 て め ぇ 中身 出る だ ろ う !

ビン を いっぱい に し ない と 願い は 叶わ なく なる … 。

銀 生 !

ならば これ さえ なけ れ ば … 。

やめろ !

今 の お前 に は 従う 気 に なれ ない 。

銀 生 ! 頼む !

その ビン を 返し て くれ 。

それ が ね え と こば と は … 。

頼む 。

あの 子 と 一緒 に いる よう に なって から 変わった って 事 だ 。

頼む だ と … ?

昔 の お前 なら 決して 言わ なかった 。

フフフ … 。

あ … 。

( 銀 生 ) 早く 目的 を 果たせ 。

銀 生 … 。

いおり ょぎ さ ~ ん !

お … 。 ( 琥珀 ) こば と さ ん ?

琥珀 さん ! どう し た ん です か ?

いおり ょぎ さん が い なく なって しまった ん です 。

いおり ょぎ さん なら さくら 公園 に いらっしゃい まし た けど … 。

ホホホ … ホ ~ ラ 。 つかまえ て ごらん な さ ~ い 。

こいつ ~ !

異 界 の お 仲間 と 楽しく 追いかけ っこ を し て い た ので →

お 声 を かけ ませ ん でし た 。

さくら 公園 です ね 。 ありがとう ござい まし た 。

どう いたし まして 。

( ヒグラシ の 声 )

あ ~ クソッ ! 不便 な ボディー だ ぜ 。

でも ここ まで 来 れ ば … 。

ん ?

( ため息 )

( はたく 音 )

い て ぇ な この ヤロー !

・ いおり ょぎ さ ~ ん !

いおり ょぎ さ ~ ん どこ です か ?

いおり ょぎ さ ~ ん !

おい !

藤本 さん !

これ 。 いおり ょぎ さん

よかった いおり ょぎ さん !

ありがとう ござい ます 。 見つけ て 下さって 。

あ … ああ 。

いおり ょぎ さん 迷子 に なって しまわ れ て 。

迷子 ? 無事 で 本当 に よかった です 。

そんなに 大事 な の か それ ?

はい ! 私 と いおり ょぎ さん は いつも 一緒 です !

・~

・ うめ ぇ !

くま の ヤツ 気 が 利 い て ん な 。 ムシャ ムシャ … 。

は あ ?

とって も お 似合い で ~ す 。

て め ぇ ! いおり ょぎ さん 。

ビン 取り戻し て 下さって ありがとう ござい ます 。

感謝 し て い ます 。

ど ば と ! マイナス 200 点 !

ひ ぇ ~

大事 な ビン を 取ら れる と は 何事 だ ! たる ん でる ぞ !

すみません 。

ふん !

わ ~ ! ファンシー デー か 今日 は !

ど いつ も こいつ も 結び まくり や が って !

回想 「 私 と いおり ょぎ さん は いつも 一緒 です ! 」

あ … 。

へ っ !

いおり ょぎ さん 。 何 だ よ ?

やっぱり リボン 似合って ます ね 。 似あって ねえ よ !

そんな 事 ない です ! もう 一 つ 結ぶ と 更に … 。

やめろ ! 更に もう 一 つ 結ぶ と … 。

おい ! やめろ って ん だ ぞ ゴラァ 。

もう 一 つ 結び ま しょ う ね 。 しゃべれ ねえ … モゴ モゴ … 。

・ 「 人 は み な 飛 ん で み たい の に 」

・ 「 重力 に 騙さ れ てる ん だ 」

・ 「 誰 も ほんと は 飛べ る ん だ よ 」

・ 「 あの コ が あんなに 哀し そう な の は 」

・ 「 自分 の 影 を どこ か に 忘れ てき ちゃ った から かも 」

・ 「 それ なら 」

・ 「 アリガトウ 、 って 君 に 言え たら 」

・ 「 アリガトウ 、 って 君 が 笑え ば 」

・ 「 行ったり 来たり うれしく なる 」

・ 「 君 が シアワセ に なる 」

・ 「 心配 なんて いら ない よ いっしょ に いる から 」

・ 「 うれしく って も 涙 が 出る なんて 不思議 だ 」