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刀語, Katanagatari Episode 7 (2)

Katanagatari Episode 7 (2)

あの 不愉快な 奇 策 士 の 計画 が 乱れる の は 大いに 結構だ けれど

それ で こっち まで 巻き添え を 食う んじゃ たまった もん じゃ ない わ ね

何 この 計算 違い

虚 刀 流 を 表 の 世界 に 引っ張り出した の は いい けど

ついでに とんでもない もの まで 引っ張って きちゃ った と いう わけ か

実際 の ところ どう だった

七 花 君 の 方 に 勝ち目 は 少し で も ある の かしら

あり ませ ん

まったく もって 錆 白 兵 どころ の 話 で は ない な

護 剣 寺 も 今ごろ は 彼女 の 制圧 下 でしょう

あの 奇 策 士 は どう する の か

奇 策 だろう と 本物 の 天才 相手 に は 決して 通用 し ない だろう に

きっ 奇 策 士 は 戦う もの で は あり ませ ん から

でも 何 か いい 手 を 考える かも しれ ませ ん

と いう より 僕たち と して は そう 願う しか ない でしょう

鑢 七 実に 太刀打ち できる 者 は 鳳凰 さま を 含めて も 一 人 も い ない か と

はっきり と 言う で は ない か

しかし お 主 の 言う とおり だ な

真庭 忍 軍 十二 頭領 が 今や 残り 4 人 だ

さすが に これ 以上 危ない 橋 は 渡れ ない

化け物 退治 は 奇 策 士 に 頼る しか ない と いう わけ か

冗談 じゃ ない わ よ ね

ちなみに あんた なら 鑢 七 実 相手 に どう 戦う

戦い ませ ん

なるほど それ でも 戦わ なければ なら ない 状況 に 陥ったら どう する

時間 を 稼ぎ ます ね あなた が 逃げ られる だけ の 時間 を

花 マル

でも もう 鑢 七 実 が 悪 刀 · 鐚 を 所有 して いる 以上 無視 は でき ない の よ ね

ところで 元気だった あの 不愉快な 女

はい 護 剣 寺 まで の 道中 は うるさい ほど でした

偶然 を 装って 何 回 か 地味に 蹴ら れ ました

子供 みたいな ま ね を する わ ね

あの 七 実 さま

お お 食事 は

そういう 気分 じゃ ない わ

構わ ない の 今 の わたし に は 必要 ない こと です もの

「 ふさわしき 天才 が 君臨 する 」 か

戦う こと を 人生 の 目的 と する 剣士 の 聖地 と して は

確かに 今 の ありさま の 方 が 正しく

鑢 七 実の 手 に よって

聖地 は より 聖地 らし さ を 獲得 した もの と いえる が

しかし

どうして 姉ちゃん に 勝てる なんて 思って しまった んだろう

勝てる はず が ない のに

わたし は できれば 兄弟 対決 など 見 たく は ない のだ が な

そ なた の 胸 の 悪 刀 · 鐚

引き渡して くれる 条件 は ない の か

お 優しい んです ね 相変わらず

わたし は 確かに そんな あなた だ から こそ 七 花 を お 任せ した わけです から

恨み 言 を 言う の は 筋違いな のです けれど

けれど まさか あなた が 七 花 を ああ も 人間 扱い して くれる と は

思い ませ ん でした よ

島 に いた とき は もう ちょっと こう 鋭い 刀 だった のに

今 は 何だか さびた 刀 みたい

さび か

いっそ わたし が 折って あげる べきな の かしら

物騒な こと を 言う で ない

何 を 言う のです か

物騒 至極 極まりない 殺し 合い を しよう と して いる のに

真剣 勝負 は 避け られ ぬ か

避ける 理由 が ない のです よ

と っ とがめ さ ん

ち ぇり お ー

あれ から 何 日 たった と 思って おる

いつまで そうして いる つもりだ

は ぁ

そ なた が ここ まで 動揺 する と は な 実に 厄介な やつ だ

俺 も 自分 が こんなふうに なる なんて 意外だ よ

俺 刀 な のに な

来い

再 教育 だ

七 花 あえて 聞く まい と 思って おった が

七 実 の 方 が そな たより 強い と いう こと を どうして 隠して おった

それ は 俺 が とがめ の 刀 に なり たかった から だ よ

とがめ が 初めて 島 に 来た 日

そう 思った んだ

姉ちゃん の 方 が 強い って 分かったら

とがめ は 姉ちゃん を 選んじゃ う かも しれ ない じゃ ない か

た わけ か

あっ 一 度 しか 言わ ん から よく 聞いて おけ

半年 前 なら いざ 知ら ず

今 は わたし の 刀 は そな たしか おら ん と 思って おる わ

こんな こと いちいち 言わ す な 愚か 者

七 花 わたし を 見ろ

わたし が これ まで いったい どれ だけ 負けて きた と 思って おる

自慢 で は ない が 数 百 数 千 回 と 負けて おる わ

それ でも 今 の そ なた の ように

何も せ ず に ただ 落ち込んで おった こと など ない ぞ

そして 最後に は 必ず 勝って きた

みっともない と は 思わ ん の か

姉ちゃん に 負けた こと は 恥ずかしい と 思って る けど さ

立て

そう やって 落ち込んで うじうじ して いる こと こそ が

みっともない と 言って いる のだ

一 度 だけ だ 一 度 しか 聞か ん

そ なた が どのような 答え を 返そう と とがめる つもり は ない

このたび ばかり は 無理強い する つもり は ない

だから 答えよ

そ なた 七 実 と 再戦 する 気 は あるか

ある

そう か ならば わたし が 奇 策 を 授けて やる

まずは そ なた の 最終 奥義 七 花 八 裂 の 弱点 から 話す こと に しよう か

七 花 八 裂 に は 重大な 弱点 が ある

弱点 は ない と 思って いた んだ けど な

こう いって は 何 だ が な

そ なた が 半年 前 に 考えた ばかりの 奥義 であろう

穴 が ない 方 が むしろ 不思議だ と 思わ ん か

そう 言わ れりゃ そう か

今回 は 特別だ 単 刀 直入 に 教えて やろう

うん

七 花 八 裂 は 七 つ の 奥義 を 同時に 放つ 混成 接続 技 だ が

同時 と いう の は 方便 で

実際 は 目 に も 留まら ぬ 速 さ の 連続 技 だ

そんな の あらためて 言わ れる まで も ない よ

しかし この 奥義 正確に は 連続 技 足り 得て い ない

はっ

第 四 の 奥義 柳 緑 花 紅 が 邪魔な のだ よ

じゃ 邪魔

何 だ よ それ

鏡 花 水 月

花鳥 風月

百花 繚乱

柳 緑 花 紅

これ だ

相手 の 防御 力 を 無効に する 鎧 通し の 技

確かに 強力だ が この 「 ため 」 の 動作 に 重大な すき が ある

第 四 の 奥義 柳 緑 花 紅 は 混成 接続 技 と して は 不 適格な のだ

それ を 分かって さえ いれば 破る こと など たやすい

俺 の 最終 奥義 に そんな 弱点 が

何だか んだ いって あの 姉 は 弟 に 甘い

わざわざ 混成 接続 技 を 披露 して 回答 を 示唆 して おった のだ から な

と 実に 簡単な こと な のだ

それゆえに

そな たが 技 を 改良 して くる こと も はっきり と 予想 さ れて おる だろう

そりゃ そう か

結局 姉ちゃん の あの 目 を 封じ ない こと に は

一応 その ため の 策 も 練って いる のだ が な

えっ

そ なた が みっともなく 落ち込んで いる 間 に も

わたし は 一生懸命 考えて おった のだ よ

そ なた を 優しく 慰め ながら な

ん ほれ 何とか 言って みろ

とがめ ありがとう

っ 嫌 み を 言わ れて 喜ぶ な

どんな 特殊な 性癖 だ

七 花 あと は 決着 ある のみ だ

しかし 鑢 七 実 どうして こんな 回りくどい こと を する

散々 甘やかして きた 弟 に なぜ 勝てる はずの ない 勝負 を 強要 する

まさか 本当に 剣士 と 剣士 が 向き合えば

戦う 理由 など 必要 ない と 考えて いる わけで は ある まい

七 花

早く 早く わたし を 殺し に 来 なさい

父さん を 殺した ように

違う つながら ない

七 つ の 奥義 の 順列 組み合わせ は 5040 通り だ が

柳 緑 花 紅 を 最初に 限定 した 場合 は 720 通り に なる

その 中 で 最も すき の ない 組み合わせ

とがめ さ ん

あい 分かり ました いい でしょう

いえ それとも 悪い の かしら

どちら に して も

意外 そうです ね

まあ 受けて くれる なら こちら と して も それ に 越した こと は ない のだ が

断る 理由 が あり ませ ん よ

わたし は 刀 です から

七 花 は 刀 が 刀 を 所有 する など 意味 が 分から ない と 言って おった が な

そう です か

七 花 も 生意気な こと を 言える くらい に は 立ち直れた のです ね

あの 子 死に ます よ

少し お 話 を し ましょう

とがめ さん は

わたし たち の 父 が 島流し に さ れた 理由 に ついて は 知っている のです か

戦乱 が 終わって 体よく 隔離 さ れた のだろう

味方 に して おけば 頼もしい が

そう でき なかった 場合 虚 刀 流 は 危険 過ぎる から な

それ だけ で は あり ませ ん

父 は 母 を 殺した 疑い を かけ られて も いた のです

700 番

母 は 戦国 六 大名 が 一家 徹 尾家 ゆかり の 女 でした

本来 なら 打ち 首 に さ れて も おかしく ない

腐って も 大 乱 の 英雄 と いう こと で

温情 を かけ られた と いう こと でしょう か

殺した の か 鑢 六 枝 は 己 が 妻 を

さあ 真相 は 今 と なって は 闇 の 中 です よ

いえ やぶ の 中 かしら

最後に かかった 医者 も やぶ だった みたいです し

その 冗談 は 笑え ん な

どちら でも いい のです よ

いえ どちら でも 悪い の かしら ね

わたし が なぜ 今 こんな 話 を して いる か とがめ さ ん 分かって い ます か

鑢家 に とって

家族 同士 の 殺し 合い など 日常茶飯事 だ と でも 言い たい の か

その とおり

720 番

では 策 士 殿 の お 手並み 拝見 と いき ましょう か

今 宵 は あなた も 手 を 出す のでしょう

いえ 手 で は なくて

出す の は あくまで 知恵 です か

さて どうか な

無駄です よ

あなた が どのような 策 を 練ろう と も

わたし の 目 に は 通用 し ませ ん

策 は 策 でも わたし が 練る の は 奇 策 だ ぞ

いい でしょう

いえ 悪い の かしら ね

そ なた の お め め が いくら 良かろう と も

必ず わたし は その 目 を かわして みせよう ぞ

まっ どちら でも いい わ どちら でも 悪い わ

では 楽しみに して おり ます よ

道場 に 向かえば よい のです ね

いや 道場 で は ない

そ なた たち の 決戦 は 道場 で は なく 戦場 で こそ 行わ れる べきであろう

きっちり と 決着 を つける ため に も

そ なた たち に は み 仏 の 前 で 戦って もらう こと に する

み 仏

言う まで も ない

旧 将軍 が 出した かつて ない 悪法

刀狩 令 に よって 建立 さ れた 10万 本 の 刀 の 集大成

刀 大仏 の 前 で 決着 を つけよう

別に そうして 眺めて い たい なら

いつまでも そうして くれて いて も いい んだ けど ね 七 花

姉ちゃん もう 一 回 だけ 言わ せて くれ ない か

何度 言わ れて も 答え は 同じ よ

あなた が わたし に 勝た ない かぎり 渡さ ない 渡して あげ ない

あなた が 自分 の 所有 者 の ため に この 刀 を 収集 し たい と いう の なら

わたし を 倒す しか ない の よ

殺す 気 で 来 なさい

わたし も あなた を 殺して あげる わ

少し は 研が れて きた よう ね

けれど まだ ぬるい かしら

熱く も なければ 冷えて も い ない わ ね

これ から 繰り出す の は 姉ちゃん が 初めて 見る こと に なる 七 花 八 裂 だ

1 週間 前 みたいに は かわせ ない

そう かも ね

ねえ 七 花 あなた 父さん を 殺した とき の こと 覚えて る かしら

そりゃ 覚えて る けど

あの とき の お 礼 を まだ 言って なかった わ ね

でも 別に 感謝 して いる わけで は ない の よ

だから 今 も 言う つもり は ない

わたし は あの とき 父さん に 殺さ れて も よかった んだ から

殺さ れて も よかった 生きて いて も しょうがない んだ から

姉ちゃん それ は

だから ちゃんと わたし を 殺して ね

とがめ さ ん

そういう こと です から 早く 合図 を お 願い し ます


Katanagatari Episode 7 (2) Katanagatari Episode 7 (2)

あの 不愉快な 奇 策 士 の 計画 が 乱れる の は 大いに 結構だ けれど |ふゆかいな|き|さく|し||けいかく||みだれる|||おおいに|けっこうだ|

それ で こっち まで 巻き添え を 食う んじゃ たまった もん じゃ ない わ ね ||||まきぞえ||くう|||||||

何   この 計算 違い なん||けいさん|ちがい

虚 刀 流 を 表 の 世界 に 引っ張り出した の は いい けど きょ|かたな|りゅう||ひょう||せかい||ひっぱりだした||||

ついでに とんでもない もの まで 引っ張って きちゃ った と いう わけ か ||||ひっぱって||||||

実際 の ところ どう だった じっさい||||

七 花 君 の 方 に 勝ち目 は 少し で も ある の かしら なな|か|きみ||かた||かちめ||すこし|||||

あり ませ ん

まったく もって   錆 白 兵 どころ の 話 で は ない な ||さび|しろ|つわもの|||はなし||||

護 剣 寺 も 今ごろ は 彼女 の 制圧 下 でしょう まもる|けん|てら||いまごろ||かのじょ||せいあつ|した|

あの 奇 策 士 は どう する の か |き|さく|し|||||

奇 策 だろう と   本物 の 天才 相手 に は 決して 通用 し ない だろう に き|さく|||ほんもの||てんさい|あいて|||けっして|つうよう||||

きっ   奇 策 士 は 戦う もの で は あり ませ ん から |き|さく|し||たたかう|||||||

でも   何 か いい 手 を 考える かも しれ ませ ん |なん|||て||かんがえる||||

と いう より   僕たち と して は そう 願う しか ない でしょう |||ぼくたち|||||ねがう|||

鑢 七 実に 太刀打ち できる 者 は 鳳凰 さま を 含めて も   一 人 も い ない か と やすり|なな|じつに|たちうち||もの||ほうおう|||ふくめて||ひと|じん|||||

はっきり と 言う で は ない か ||いう||||

しかし   お 主 の 言う とおり だ な ||おも||いう|||

真庭 忍 軍 十二 頭領 が 今や 残り 4 人 だ まにわ|おし|ぐん|じゅうに|とうりょう||いまや|のこり|じん|

さすが に これ 以上 危ない 橋 は 渡れ ない |||いじょう|あぶない|きょう||わたれ|

化け物 退治 は 奇 策 士 に 頼る しか ない と いう わけ か ばけもの|たいじ||き|さく|し||たよる||||||

冗談 じゃ ない わ よ ね じょうだん|||||

ちなみに あんた なら 鑢 七 実 相手 に どう 戦う |||やすり|なな|み|あいて|||たたかう

戦い ませ ん たたかい||

なるほど   それ でも 戦わ なければ なら ない 状況 に 陥ったら どう する |||たたかわ||||じょうきょう||おちいったら||

時間 を 稼ぎ ます ね   あなた が 逃げ られる だけ の 時間 を じかん||かせぎ|||||にげ||||じかん|

花 マル か|

でも もう   鑢 七 実 が 悪 刀 · 鐚 を 所有 して いる 以上   無視 は でき ない の よ ね ||やすり|なな|み||あく|かたな|びた||しょゆう|||いじょう|むし||||||

ところで 元気だった   あの 不愉快な 女 |げんきだった||ふゆかいな|おんな

はい   護 剣 寺 まで の 道中 は うるさい ほど でした |まもる|けん|てら|||どうちゅう||||

偶然 を 装って 何 回 か 地味に 蹴ら れ ました ぐうぜん||よそおって|なん|かい||じみに|けら||

子供 みたいな ま ね を する わ ね こども|||||||

あの   七 実 さま |なな|み|

お   お 食事 は ||しょくじ|

そういう 気分 じゃ ない わ |きぶん|||

構わ ない の   今 の わたし に は 必要 ない こと です もの かまわ|||いま|||||ひつよう||||

「 ふさわしき 天才 が 君臨 する 」 か |てんさい||くんりん||

戦う こと を 人生 の 目的 と する 剣士 の 聖地 と して は たたかう|||じんせい||もくてき|||けんし||せいち|||

確かに 今 の ありさま の 方 が 正しく たしかに|いま||||かた||まさしく

鑢 七 実の 手 に よって やすり|なな|じつの|て||

聖地 は より 聖地 らし さ を 獲得 した もの と いえる が せいち|||せいち||||かくとく|||||

しかし

どうして 姉ちゃん に 勝てる なんて 思って しまった んだろう |ねえちゃん||かてる||おもって||

勝てる はず が ない のに かてる||||

わたし は できれば   兄弟 対決 など 見 たく は ない のだ が な |||きょうだい|たいけつ||み||||||

そ なた の 胸 の 悪 刀 · 鐚 |||むね||あく|かたな|びた

引き渡して くれる 条件 は ない の か ひきわたして||じょうけん||||

お 優しい んです ね   相変わらず |やさしい|ん です||あいかわらず

わたし は 確かに そんな あなた だ から こそ   七 花 を お 任せ した わけです から ||たしかに||||||なな|か|||まかせ||わけ です|

恨み 言 を 言う の は 筋違いな のです けれど うらみ|げん||いう|||すじちがいな|の です|

けれど   まさか あなた が 七 花 を ああ も 人間 扱い して くれる と は ||||なな|か||||にんげん|あつかい||||

思い ませ ん でした よ おもい||||

島 に いた とき は もう ちょっと こう 鋭い 刀 だった のに しま||||||||するどい|かたな||

今 は 何だか さびた 刀 みたい いま||なんだか||かたな|

さび か

いっそ わたし が 折って あげる べきな の かしら |||おって||||

物騒な こと を 言う で ない ぶっそうな|||いう||

何 を 言う のです か なん||いう|の です|

物騒 至極 極まりない 殺し 合い を しよう と して いる のに ぶっそう|しごく|きわまりない|ころし|あい||||||

真剣 勝負 は 避け られ ぬ か しんけん|しょうぶ||さけ|||

避ける 理由 が ない のです よ さける|りゆう|||の です|

と っ   とがめ さ ん

ち ぇり お ー |||-

あれ から 何 日 たった と 思って おる ||なん|ひ|||おもって|

いつまで そうして いる つもりだ

は ぁ

そ なた が ここ まで 動揺 する と は な   実に 厄介な やつ だ |||||どうよう|||||じつに|やっかいな||

俺 も 自分 が こんなふうに なる なんて 意外だ よ おれ||じぶん|||||いがいだ|

俺 刀 な のに な おれ|かたな|||

来い こい

再 教育 だ さい|きょういく|

七 花 あえて 聞く まい と 思って おった が なな|か||きく|||おもって||

七 実 の 方 が そな たより   強い と いう こと を どうして 隠して おった なな|み||かた||||つよい||||||かくして|

それ は 俺 が とがめ の 刀 に なり たかった から だ よ ||おれ||||かたな||||||

とがめ が 初めて 島 に 来た 日 ||はじめて|しま||きた|ひ

そう 思った んだ |おもった|

姉ちゃん の 方 が 強い って 分かったら ねえちゃん||かた||つよい||わかったら

とがめ は 姉ちゃん を 選んじゃ う かも しれ ない じゃ ない か ||ねえちゃん||えらんじゃ|||||||

た わけ か

あっ 一 度 しか 言わ ん から   よく 聞いて おけ |ひと|たび||いわ||||きいて|

半年 前 なら いざ 知ら ず はんとし|ぜん|||しら|

今 は わたし の 刀 は そな たしか おら ん と 思って おる わ いま||||かたな|||||||おもって||

こんな こと いちいち 言わ す な   愚か 者 |||いわ|||おろか|もの

七 花   わたし を 見ろ なな|か|||みろ

わたし が これ まで いったい どれ だけ 負けて きた と 思って おる |||||||まけて|||おもって|

自慢 で は ない が   数 百 数 千 回 と 負けて おる わ じまん|||||すう|ひゃく|すう|せん|かい||まけて||

それ でも 今 の そ なた の ように ||いま|||||よう に

何も せ ず に ただ 落ち込んで おった こと など ない ぞ なにも|||||おちこんで|||||

そして 最後に は 必ず 勝って きた |さいごに||かならず|かって|

みっともない と は 思わ ん の か |||おもわ|||

姉ちゃん に 負けた こと は 恥ずかしい と 思って る けど さ ねえちゃん||まけた|||はずかしい||おもって|||

立て たて

そう やって 落ち込んで うじうじ して いる こと こそ が ||おちこんで||||||

みっともない と 言って いる のだ ||いって||

一 度 だけ だ   一 度 しか 聞か ん ひと|たび|||ひと|たび||きか|

そ なた が どのような 答え を 返そう と とがめる つもり は ない ||||こたえ||かえそう|||||

このたび ばかり は 無理強い する つもり は ない |||むりじい||||

だから 答えよ |こたえよ

そ なた   七 実 と 再戦 する 気 は あるか ||なな|み||さいせん||き||

ある

そう か   ならば わたし が 奇 策 を 授けて やる |||||き|さく||さずけて|

まずは そ なた の 最終 奥義   七 花 八 裂 の 弱点 から 話す こと に しよう か ||||さいしゅう|おうぎ|なな|か|やっ|さ||じゃくてん||はなす||||

七 花 八 裂 に は 重大な 弱点 が ある なな|か|やっ|さ|||じゅうだいな|じゃくてん||

弱点 は ない と 思って いた んだ けど な じゃくてん||||おもって||||

こう いって は 何 だ が な |||なん|||

そ なた が 半年 前 に 考えた ばかりの 奥義 であろう |||はんとし|ぜん||かんがえた||おうぎ|

穴 が ない 方 が むしろ 不思議だ と 思わ ん か あな|||かた|||ふしぎだ||おもわ||

そう 言わ れりゃ そう か |いわ|||

今回 は 特別だ   単 刀 直入 に 教えて やろう こんかい||とくべつだ|ひとえ|かたな|なおいり||おしえて|

うん

七 花 八 裂 は 七 つ の 奥義 を 同時に 放つ 混成 接続 技 だ が なな|か|やっ|さ||なな|||おうぎ||どうじに|はなつ|こんせい|せつぞく|わざ||

同時 と いう の は 方便 で どうじ|||||ほうべん|

実際 は 目 に も 留まら ぬ 速 さ の 連続 技 だ じっさい||め|||とどまら||はや|||れんぞく|わざ|

そんな の あらためて 言わ れる まで も ない よ |||いわ|||||

しかし この 奥義 正確に は 連続 技 足り 得て い ない ||おうぎ|せいかくに||れんぞく|わざ|たり|えて||

はっ

第 四 の 奥義   柳 緑 花 紅 が 邪魔な のだ よ だい|よっ||おうぎ|やなぎ|みどり|か|くれない||じゃまな||

じゃ   邪魔 |じゃま

何 だ よ それ なん|||

鏡 花 水 月 きよう|か|すい|つき

花鳥 風月 かちょう|ふうげつ

百花 繚乱 ひゃっか|りょうらん

柳 緑 花 紅 やなぎ|みどり|か|くれない

これ だ

相手 の 防御 力 を 無効に する 鎧 通し の 技 あいて||ぼうぎょ|ちから||むこうに||よろい|とおし||わざ

確かに 強力だ が   この 「 ため 」 の 動作 に 重大な すき が ある たしかに|きょうりょくだ|||||どうさ||じゅうだいな|||

第 四 の 奥義 柳 緑 花 紅 は   混成 接続 技 と して は 不 適格な のだ だい|よっ||おうぎ|やなぎ|みどり|か|くれない||こんせい|せつぞく|わざ||||ふ|てきかくな|

それ を 分かって さえ いれば   破る こと など たやすい ||わかって|||やぶる|||

俺 の 最終 奥義 に そんな 弱点 が おれ||さいしゅう|おうぎ|||じゃくてん|

何だか んだ いって   あの 姉 は 弟 に 甘い なんだか||||あね||おとうと||あまい

わざわざ 混成 接続 技 を 披露 して   回答 を 示唆 して おった のだ から な |こんせい|せつぞく|わざ||ひろう||かいとう||しさ|||||

と   実に 簡単な こと な のだ |じつに|かんたんな|||

それゆえに

そな たが 技 を 改良 して くる こと も はっきり と 予想 さ れて おる だろう ||わざ||かいりょう|||||||よそう||||

そりゃ そう か

結局 姉ちゃん の あの 目 を 封じ ない こと に は けっきょく|ねえちゃん|||め||ほうじ||||

一応 その ため の 策 も 練って いる のだ が な いちおう||||さく||ねって||||

えっ

そ なた が みっともなく 落ち込んで いる 間 に も ||||おちこんで||あいだ||

わたし は 一生懸命 考えて おった のだ よ ||いっしょうけんめい|かんがえて|||

そ なた を 優しく 慰め ながら な |||やさしく|なぐさめ||

ん   ほれ   何とか 言って みろ ||なんとか|いって|

とがめ   ありがとう

っ 嫌 み を 言わ れて 喜ぶ な |いや|||いわ||よろこぶ|

どんな 特殊な 性癖 だ |とくしゅな|せいへき|

七 花   あと は 決着 ある のみ だ なな|か|||けっちゃく|||

しかし 鑢 七 実   どうして こんな 回りくどい こと を する |やすり|なな|み|||まわりくどい|||

散々 甘やかして きた 弟 に   なぜ 勝てる はずの ない 勝負 を 強要 する さんざん|あまやかして||おとうと|||かてる|||しょうぶ||きょうよう|

まさか 本当に   剣士 と 剣士 が 向き合えば |ほんとうに|けんし||けんし||むきあえば

戦う 理由 など 必要 ない と 考えて いる わけで は ある まい たたかう|りゆう||ひつよう|||かんがえて|||||

七 花 なな|か

早く   早く わたし を 殺し に 来 なさい はやく|はやく|||ころし||らい|

父さん を 殺した ように とうさん||ころした|よう に

違う   つながら ない ちがう||

七 つ の 奥義 の 順列 組み合わせ は  5040 通り だ が なな|||おうぎ||じゅんれつ|くみあわせ||とおり||

柳 緑 花 紅 を 最初に 限定 した 場合 は 720 通り に なる やなぎ|みどり|か|くれない||さいしょに|げんてい||ばあい||とおり||

その 中 で   最も すき の ない 組み合わせ |なか||もっとも||||くみあわせ

とがめ さ ん

あい   分かり ました   いい でしょう |わかり|||

いえ   それとも 悪い の かしら ||わるい||

どちら に して も

意外 そうです ね いがい|そう です|

まあ 受けて くれる なら   こちら と して も それ に 越した こと は ない のだ が |うけて|||||||||こした|||||

断る 理由 が あり ませ ん よ ことわる|りゆう|||||

わたし は 刀 です から ||かたな||

七 花 は   刀 が 刀 を 所有 する など 意味 が 分から ない と 言って おった が な なな|か||かたな||かたな||しょゆう|||いみ||わから|||いって|||

そう です か

七 花 も 生意気な こと を 言える くらい に は 立ち直れた のです ね なな|か||なまいきな|||いえる||||たちなおれた|の です|

あの 子   死に ます よ |こ|しに||

少し お 話 を し ましょう すこし||はなし|||

とがめ さん は

わたし たち の 父 が 島流し に さ れた 理由 に ついて は 知っている のです か |||ちち||しまながし||||りゆう||||しっている|の です|

戦乱 が 終わって   体よく 隔離 さ れた のだろう せんらん||おわって|ていよく|かくり|||

味方 に して おけば 頼もしい が みかた||||たのもしい|

そう でき なかった 場合   虚 刀 流 は 危険 過ぎる から な |||ばあい|きょ|かたな|りゅう||きけん|すぎる||

それ だけ で は あり ませ ん

父 は 母 を 殺した 疑い を かけ られて も いた のです ちち||はは||ころした|うたがい||||||の です

700 番 ばん

母 は 戦国 六 大名 が 一家 徹 尾家 ゆかり の 女 でした はは||せんごく|むっ|だいみょう||いっか|てつ|おいえ|||おんな|

本来 なら 打ち 首 に さ れて も おかしく ない ほんらい||うち|くび||||||

腐って も 大 乱 の 英雄 と いう こと で くさって||だい|らん||えいゆう||||

温情 を かけ られた と いう こと でしょう か おんじょう||||||||

殺した の か   鑢 六 枝 は 己 が 妻 を ころした|||やすり|むっ|えだ||おのれ||つま|

さあ   真相 は 今 と なって は 闇 の 中 です よ |しんそう||いま||||やみ||なか||

いえ   やぶ の 中 かしら |||なか|

最後に かかった 医者 も やぶ だった みたいです し さいごに||いしゃ||||みたい です|

その 冗談 は 笑え ん な |じょうだん||わらえ||

どちら でも いい のです よ |||の です|

いえ   どちら でも 悪い の かしら ね |||わるい|||

わたし が なぜ 今 こんな 話 を して いる か   とがめ さ ん 分かって い ます か |||いま||はなし||||||||わかって|||

鑢家 に とって やすりいえ||

家族 同士 の 殺し 合い など   日常茶飯事 だ と でも 言い たい の か かぞく|どうし||ころし|あい||にちじょうさはんじ||||いい|||

その とおり

720 番 ばん

では 策 士 殿 の お 手並み 拝見 と いき ましょう か |さく|し|しんがり|||てなみ|はいけん||||

今 宵 は あなた も 手 を 出す のでしょう いま|よい||||て||だす|

いえ   手 で は なくて |て|||

出す の は あくまで 知恵 です か だす||||ちえ||

さて   どうか な

無駄です よ むだ です|

あなた が どのような 策 を 練ろう と も |||さく||ねろう||

わたし の 目 に は 通用 し ませ ん ||め|||つうよう|||

策 は 策 でも わたし が 練る の は 奇 策 だ ぞ さく||さく||||ねる|||き|さく||

いい でしょう

いえ   悪い の かしら ね |わるい|||

そ なた の お め め が いくら 良かろう と も ||||||||よかろう||

必ず わたし は その 目 を かわして みせよう ぞ かならず||||め||||

まっ   どちら でも いい わ   どちら でも 悪い わ |||||||わるい|

では 楽しみに して おり ます よ |たのしみに||||

道場 に 向かえば よい のです ね どうじょう||むかえば||の です|

いや   道場 で は ない |どうじょう|||

そ なた たち の 決戦 は   道場 で は なく 戦場 で こそ 行わ れる べきであろう ||||けっせん||どうじょう||||せんじょう|||おこなわ||

きっちり と 決着 を つける ため に も ||けっちゃく|||||

そ なた たち に は み 仏 の 前 で 戦って もらう こと に する ||||||ふつ||ぜん||たたかって||||

み 仏 |ふつ

言う まで も ない いう|||

旧 将軍 が 出した かつて ない 悪法 きゅう|しょうぐん||だした|||あくほう

刀狩 令 に よって 建立 さ れた 10万 本 の 刀 の 集大成 かたながり|れい|||こんりゅう|||よろず|ほん||かたな||しゅうたいせい

刀 大仏 の 前 で 決着 を つけよう かたな|だいぶつ||ぜん||けっちゃく||

別に   そうして 眺めて い たい なら べつに||ながめて|||

いつまでも そうして くれて いて も いい んだ けど ね   七 花 |||||||||なな|か

姉ちゃん   もう 一 回 だけ   言わ せて くれ ない か ねえちゃん||ひと|かい||いわ||||

何度 言わ れて も 答え は 同じ よ なんど|いわ|||こたえ||おなじ|

あなた が わたし に 勝た ない かぎり   渡さ ない   渡して あげ ない ||||かた|||わたさ||わたして||

あなた が 自分 の 所有 者 の ため に   この 刀 を 収集 し たい と いう の なら ||じぶん||しょゆう|もの|||||かたな||しゅうしゅう||||||

わたし を 倒す しか ない の よ ||たおす||||

殺す 気 で 来 なさい ころす|き||らい|

わたし も あなた を 殺して あげる わ ||||ころして||

少し は 研が れて きた よう ね すこし||けん が||||

けれど まだ ぬるい かしら

熱く も なければ 冷えて も い ない わ ね あつく|||ひえて|||||

これ から 繰り出す の は   姉ちゃん が 初めて 見る こと に なる 七 花 八 裂 だ ||くりだす|||ねえちゃん||はじめて|みる||||なな|か|やっ|さ|

1 週間 前 みたいに は かわせ ない しゅうかん|ぜん||||

そう かも ね

ねえ   七 花   あなた 父さん を 殺した とき の こと   覚えて る かしら |なな|か||とうさん||ころした||||おぼえて||

そりゃ   覚えて る けど |おぼえて||

あの とき の お 礼 を まだ 言って なかった わ ね ||||れい|||いって|||

でも 別に 感謝 して いる わけで は ない の よ |べつに|かんしゃ|||||||

だから 今 も 言う つもり は ない |いま||いう|||

わたし は あの とき   父さん に 殺さ れて も よかった んだ から ||||とうさん||ころさ|||||

殺さ れて も よかった   生きて いて も しょうがない んだ から ころさ||||いきて|||しょうが ない||

姉ちゃん それ は ねえちゃん||

だから ちゃんと わたし を 殺して ね ||||ころして|

とがめ さ ん

そういう こと です から   早く 合図 を お 願い し ます ||||はやく|あいず|||ねがい||