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シュタインズ・ゲート ゼロ, シュタインズ・ゲート ゼロ (01)

シュタインズ ・ ゲート ゼロ (01)

( 鈴 羽 ( すず は )) まゆ 姉さん こんな 所 に いたんだ

( ま ゆり ) 鈴 ( すず ) ちゃん

( 鈴 羽 ) 父さん たち が 捜して た

もう すぐ 作戦 開始 の 時間 だって

まゆ 姉さん ?

( ま ゆり ) もし …

( ま ゆり ) もしも あの とき ―

この 手 を 伸ばして いたら ―

この 未来 は 変わった の か な

( ま ゆり ) あの 日 私 の 彦星 ( ひこぼし ) が 復活 して いれば ―

全て は 変わって いた かも しれ ない

もしも あの とき ―

この 手 を 伸ばして いたら …

( 医師 ) あなた は 過去 へ 降りて ゆき ます

どんどん どんどん 降りて ゆく と 光 が 見え ます

光 は 何 色 です か ?

( 岡部 ( お かべ )) 赤 …

( 医師 ) その 光 の 中 に あなた の 大切な 人 が 立って い ます

あなた の 家族 です か ?

いや …

( 医師 ) で は 友人 ? 恋人 です か ?

( 岡部 ) 友人 で すら ない

俺 と あいつ は …

( ま ゆり ) あっ オカリン !

( 岡部 ) 何 だ 外 で 待って なくて も いい って 言った だ ろ ?

( ま ゆり ) エヘヘ どう だった ?

ああ うん

まあ 催眠 療法 って いって も 大した こと は なかった な

特に 問題 ない って さ

本当 ?

ああ しばらく カウンセリング は 必要 みたいだ けど

ま ゆり が 言う とおり 受診 して みて よかった よ

( ま ゆり ) よかった

何 か オカリン 最近 ずっと つら そうだった から

心配 かけた な

( ま ゆり ) う うん

飯 食べて いく か ? おごる ぞ

それ なら アキバ まで 行って いい かな ?

さっき ライン で る か 君 と フェリス ちゃん に 誘わ れた んだ

秋葉原 ( あき は ばら ) か

嫌 ?

( 岡部 ) いい よ 行こう

わ あっ

よかった じゃあ みんな に も 連絡 する ね

フェリス ちゃん ? あの ね あの ね …

( 岡部 ) もう 12 月 か …

あの 夏 から …

早い な

( ドア ベル の 音 )

えっ と ここ で 待って る って 言って た んだ けど … あ !

る か 君 フェリス ちゃん

トゥットゥルー !

( る か ) こんにちは まゆ り ちゃん

( フェイリス ) おお 凶 真 ( きょう ま )!

( 岡部 ) しばらく ぶり だ な ルカ 子 ( こ ) フェイリス

( る か ) 岡部 さん

( フェイリス ) 凶 真 会い たかった ニャ !

( 岡部 ) おい こら よせよ

( フェイリス ) いい じゃ ない か ニャ

凶 真 と フェイリス の 仲 だ ニャン ( ま ゆり ) アハハ …

( 岡部 ) それ から その “ 凶 真 ” って の も やめて くれ

ニャン で ?

黒 歴史 だ から だ

それ は つまり 中世 魔術 師 同盟 が ひた隠し に する 暗黒 歴史

違う

何 か すごく 懐かしい です

僕 時々 ラボ に 顔 を 出す んです けど 岡部 さん に は 会え なかった から

( 岡部 ) いろいろ 忙しくて な

まさか ! 青 の 組織 に よる あの プロジェクト が …

いや 大学 の ゼミ が 忙しくて な

ニャ ~

それ に サークル と か

ニャニャ !

岡部 さん が サークル …

UFO ( ユーフォー ) と か UMA ( ユーマ ) の 研究 を して る と か ?

いや … テニス サークル だ

( る か ・ フェイリス ) ええ ー っ ! ( ま ゆり ) アハハ …

( 岡部 ) 大学 の ゼミ の 准 教授 が テニス サークル の 顧問 で な

( フェイリス ) それ で 凶 真 が テニス …

( ま ゆり ) 目指せ ウィンブルドン だ ね

( る か ) じゃあ その 練習 も あって 忙しかった んです ね

( 岡部 ) あっ い … いや 練習 は そんなに は …

じゃあ 何 して る ニャ ?

( 岡部 ) 何 って ご … 合 コン と か

( フェイリス ) 合 … ( る か ) コン ?

(2 人 ) ええ ー っ !

岡部 さん が 合 コン !?

ニャン と いう か 痛い と いう か 痛々しい と いう か

それ を 通り越して キモイ !

そう キモイニャ ! ( る か ) どういう こと です か !?

ひどい こと 言う な よ 俺 だって 普通の 大学生 な んだ ぞ

( フェイリス ) 堕落 ニャ 堕落 ニャ 凶 真 一体 どういう こと ニャ !?

( る か ) ひどい です 岡部 さん !

( ま ゆり ) あっ 由季 ( ゆき ) さん だ

( フェイリス ) 何 か 事件 か ニャ ?

う うん アキバ に 来て る なら ―

ちょっと 見せ たい もの が ある から 会え ない か って

( ま ゆり ) ラボ で ( 岡部 ) あっ …

( ま ゆり ) あ …

( フェイリス ) あ …

( る か ) あ …

( 岡部 ) あ …

大丈夫だ 行こう

( ダル ) ぐ ぬ ぬ ぬ …

( ダル ) こんなん 戦争 だ ろ

炎上 必至だ ろ !

リア 充 滅 せ P は ぼ っち の 味方 じゃ なかった の か よ !

ぱる て の ん 氏 と 夫婦 だった って 何 な ん !?

( 鈴 羽 ) 父さん ( ダル ) う お っ !

既に @ ちゃん ねる も つい ポ も 炎上 中 ? しまった !

僕 と した こと が 乗り遅れた お この ビッグウェーブ に !

ひ っ !?

( 鈴 羽 ) 話 を 聞き なさい

( ダル ) ひ ぃ ー っ !

す … 鈴 羽 やめて くれ ない と 父さん 怒っちゃ う ぞ

( 鈴 羽 ) 怒ら れて る の は 父さん の ほう

( ダル ) はい すいません

( 鈴 羽 ) まったく …

1 日 中 ゴロゴロ して 食べる か ネット か ゲーム ばかり

( ダル ) でも タイム マシン の 研究 って 大変な んだ よ

しかも 目の前 に 本物 が ある のに “ 触っちゃ ダメ ” と か 言う し

( 鈴 羽 ) 父さん が 未来 で 開発 する もの だ から ね

今 の 父さん が 見たら ―

タイムパラドックス が 起きる 可能 性 が ある んだ よ

( ダル ) 未来 の 僕 が 発明 する なら いい じゃ ん

明日 から 頑張る ! キリッ !

( 鈴 羽 ) その ため に は 今 から 頑張ら なきゃ いけない の

( ダル ) あう …

未来 の 父さん も いつも そんな こと 言って

母さん に 怒ら れて た

( ダル ) 叱ら れる と いう 名 の ご 褒美 ハァ ハァ …

父さん !

( ダル ) はい 何でもない で ご ざる

( 鈴 羽 ) 未来 の 父さん は いつも 言って いた んだ よ

ここ は 最低 最悪の 世界 線 だ けど ―

私 が 誕生 した こと だけ は 最高 だって

私 は オカリン おじさん を 説得 して ―

そんな 未来 を 変える ため に ここ に 来た んだ

なのに あの 日 以来 ―

オカリン おじ さん ここ に も 来 なく なって …

ん ?

誰 か 来る !

( 足音 )

( ダル ) えっ まさか オカリン ? ( 鈴 羽 ) 違う

ブーツ の 音 … 母さん だ !

えー っ !? あっ えっ …

隠れろ 鈴 羽 !

オーキードーキー !

( ノック ) ( ダル ) あ はい どうぞ

( ドア の 開閉 音 )

( 由季 ) こんにちは

( ダル ) あっ … 阿 万 音 ( あま ね ) 氏 どうした ん ? 急に

( 由季 ) あれ ? まゆ り ちゃん は ?

まゆ 氏 ? 今日 は まだ だ けど

少し 早かった かな ?

ここ で 待ち合わせ しよう って さっき

( ダル ) そうなん ?

( 由季 ) 待た せて もらって いい です か ?

( ダル ) あっ ああ まあ …

( 由季 ) ありがとう ございます

あの … 今日 は 妹 さん は お 留守 です か ?

えっ 妹 ? 誰 の ?

誰 って 橋田 ( は し だ ) さん の …

僕 ? 僕 に 2 次元 以外 の 妹 なんて いな …

あっ ! す … 鈴 羽 の こと で ご ざる か ?

( 由季 ) ほか に いる んです か ?

あー いや … いない ?

( ドア の 開く 音 )

( ま ゆり ) トゥットゥルー

( ダル ) あっ … ( 由季 ) まゆ り ちゃん

トゥットゥルー 由季 さん

( フェイリス ) ニャンニャン

フェイリス さん も る かさん も

( ダル ) フェイリス た ~ ん

えっ ? あっ …

( 岡部 ) ここ は 変わって ない な

( ダル ) オカリン …

入って も ?

( アナウンサー ) 幻覚 や 記憶 障害 と いった もの が ―

確認 さ れて おり …

じ … 自分 の ラボ で 遠慮 と かね ー よ

それ も そう か

( ま ゆり ) あ ~ 由季 さん その 服 かわいい !

( 由季 ) まゆ り ちゃん に そう 言って ほしくて 着て きた んだ よ

( フェイリス ) うわ ~ フェイリス に も 見せて ニャ

( ダル ) 飲み物 は ドクペ で … あ ちょ っ オカリン !

ど どこ へ ?

( 岡部 ) どこ って … いや ちょっと トイレ へ

( ダル ) いや … ( 鈴 羽 ) あっ …

ん ん …

だ … だ だ …

( 岡部 ) あ … ん ?

( ダル ) あう …

( 岡部 ) フゥ …

( きしむ 音 )

な っ …

ど わ あっ

( 倒れる 音 )

( フェイリス ) オカリン !? ( る か ) 岡部 さん !

( 鈴 羽 ) あ たた たた …

ああ っ

鈴 さん

ど どうも ( 岡部 の うめき声 )

(2 人 ) ジャーン !

( る か ) かわいい !

( フェイリス ) いい ニャ いい ニャ ~

( ダル ) 大 好物 です ありがとう ございます !

( 由季 ) エッヘヘ ~

( ま ゆり ) あれ ? オカリン は ?

鈴 羽 さん と 屋上 行った よ

何 か 話し たい こと が ある って

そ っか あ

( 岡部 ) わざわざ 隠れ なく と も よかった んじゃ ない か ?

ダル の 妹 と いう こと に して る んだ から

逆に 怪しま れる だろう ?

( 鈴 羽 ) そう な んだ けど …

母さん 思った 以上 に 私 と 仲よく し た がる んだ

( 岡部 ) 由季 さん と ダル が 初めて 顔 を 合わせた の は …

( 鈴 羽 ) 夏 の コミマ

まゆ 姉さん の コスプレ 仲間 で ここ に 出入り する ように なって …

( 由季 ) キャッ ( ダル ) うわ っ

( ぶつかる 音 )

あいた たた … え ?

( 鈴 羽 ) 顔 合わせちゃ った

えっ !?

( 岡部 ) いずれ 自分 が 産む こと に なる ―

未来 の 娘 …

何 か 感じる もの が あった の かも な

( 鈴 羽 ) 父さん は “ いずれ 説明 する ” って 言って くれて る けど …

しかし 本当に ダル が 彼女 と ?

私 が ここ に いる って こと は ―

少なくとも その 未来 は 変わって ない

( 飛行機 の エンジン 音 ) ( 鈴 羽 ) あっ

( 鈴 羽 ) 平和だ ね

私 が 物心 ついた とき に は ―

もう こんな 光景 は 写真 と か 映像 の 中 に しか 存在 し なかった

( 岡部 ) 第 3 次 … 世界 大戦

( 鈴 羽 ) うん 父さん たち は タイム マシン 開発 の こと で ―

反 政府 組織 と 見なさ れて た

( 岡部 ) ダル と 由季 さん と 3 人 で 逃げて いた の か ?

( 鈴 羽 ) う うん 母さん は 軍 の 無人 機 から 私 を 守ろう と して ―

機銃 掃 射 で 死んだ から …

この 目 で ズタズタ に さ れて く 母さん を 見た

全身 で 母さん の 血 を 浴びた

オカリン おじさん

この 世界 線 の 行き着く 先 は 地獄 しか ない んだ

タイム マシン 争奪 戦 に よって 国 と 国 が 争い 人 が たくさん 死ぬ

恐怖 と 絶望 しか ない 世界 な んだ

57億 の 人 の 命 が かかって る んだ

未来 を

お 願い だ よ

オカリン おじさん

( 岡部 ) 無理だ ( 鈴 羽 ) おじさん !

( 岡部 ) 俺 は 何度 と なく 世界 線 を 漂流 して きた

ここ と は 違う 世界 線 で ―

タイム マシン に 運命 を 翻弄 さ れる 人 たち を …

お前 の 結末 の 1 つ さえ 見て きた

何度 も 何度 も 繰り返した んだ

そして 人 に できる こと に は 限り が ある と 知った

何 を して も 無力な んだ

“ 既に 世界 線 を 変えた こと が ある ”

そう 言って いた よね おじさん

だったら …

( 岡部 ) ダメだ !

過去 改変 を して 世界 線 を 移動 する の は ―

この 宇宙 の 仕組み から 逸脱 する こと な んだ

人間 が 手 を 出して いい 領域 じゃ ない 神 の 領域 な んだ

触れれば 必ず 罰 を 受ける こと に なる

残酷な … 目 を 覆い たく なる ような 罰 を !

それ が 答え な の ?

まだ 時間 は ある

考え 直して ほしい

私 は …

( ドア の 開く 音 )

( 鈴 羽 ) 諦め ない から

( ドア の 閉まる 音 )

( ま ゆり ) 鈴 さん 結局 戻って こ なかった ね

( 岡部 ) ああ

ケンカ した わけじゃ ない んだ よ ね ?

( 岡部 ) そういう わけ じゃ ない

( ま ゆり ) そ っか

う う … 一 段 と 寒く なって きた ねえ

( ま ゆり ) 今日 は 久しぶりに ラボ が にぎやかで 楽しかった な

( 岡部 ) そう か ( ま ゆり ) うん

何 か 最近 は ラボ に 行く と とても 寂しい 気持ち に なって た んだ

( 岡部 ) ダル が いる だ ろ ?

( ま ゆり ) うん それ に 昔 は まゆ し ぃ ―

毎日 1 人 で オカリン の こと ラボ で 待って たから ―

全然 寂しい はず ない んだ けど

でも 何で か 分から ない けど ―

泣き たく なる くらい 寂しく なる んだ

前 は もっと にぎやかだった のに な あって

( 岡部 ) 錯覚 だ ( ま ゆり ) え ?

( 岡部 ) 錯覚 だ よ

あの ラボ に 出入り して いた の は ―

俺 と お前 と ダル くらい の もの だったろう ?

( ま ゆり ) うん そう だ よ ね

( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( ま ゆり ) ん ?

どうした の ?

( 岡部 ) ああ あした アキバ で ―

ヴィクトル ・ コンドリア 大学 の セミナー が あって

その 前 に ゼミ の 教授 と 話して おき たかった んだ が

みんな で 集まって 飲んで る みたいな んだ

( ま ゆり ) そ っか あ

すっかり リア 充 さん だ ねえ

まゆ し ぃ は 1 人 でも 大丈夫だ よ

( 岡部 ) そう か じゃあ 悪い けど

( 学生 たち ) 乾杯 !

( 岡部 ) 人工 知能 革命 …

ヴィクトル ・ コンドリア 大学 アレクシス ・ レスキネン 教授 か

あいつ の いた 大学 …

( 岡部 ) う う っ …

( 紅 莉栖 ( くり す )) 私 … 死ぬ の か な

死に たく … ない よ

( 岡部 ) ひ っ … ひ っ …

う っ … う っ …

ひ っ …

あっ う ああ あ …

( 岡部 ) う う っ … くっ …

ハァ ハァ ハァ …

( 真 帆 ( ま ほ )) ちょっと あなた

ん ? えっ …

( 真 帆 ) そこ の 君 ( 岡部 ) あっ …

ん ?

( 真 帆 ) スタッフルーム って どこ かしら ?

( 岡部 ) あ …

( 岡部 ) ああ … ( 真 帆 ) ん ?

あっ ここ 大学 の セミナー 会場 だ けど

そんな の 分かって る わ よ !

もう 何度 も 何度 も …

( 岡部 ) 何度 も ?

この 場所 に 来て から それ 言わ れる の ―

あなた で 4 回 目 な の

“ ヴィクトル ・ コンドリア 大学 脳 科学 研究 所 ”

ああ 分かった

拾って くれた ん … ( 真 帆 ) それ も 4 回 目 !

ん っ

( 岡部 ) ヴィクトル ・ コンドリア 大学 の …

中学生 ?

寝ぼける の は 夜 に して !

大学 に 中学生 が いる わけない でしょ

( 岡部 )21 歳 …

( 真 帆 ) つまり 立派な 成人 女性 よ

中学生 でも 小学生 でも 幼稚 園児 でも なく !

何 か ?

しかし … いや …

悪かった

謝る

フン … まあい いわ

どこ の 国 に 行って も 同 じこ と 言わ れる から

( 岡部 ) だろう な …

何 か 言った ?

( 岡部 ) い … いや 別に

ハァ …

( 岡部 ) あ そっち じゃ ない

スタッフ ルーム だ ろ ? 一 度 出て そこ の 通路 の 扉 の 奥 だ

ありがとう

( 岡部 )21 歳 か …

ダル が 見たら ―

“ 合法 ロリ キタコレ !” と か 叫び そうだ な

ハッ !

( 岡部 ) 桐生 ( きりゅう )… 萌郁 ( もえ か )!?

どうして ―

萌郁 が ここ に !?

まさか また …

落ち着け ここ は ベータ 世界 線 だ

あの 世界 線 と は 違う !

違う んだ

( 拍手 )

( 拍手 )

( 岡部 ) ん ? あ …

( 拍手 )

( 拍手 )

あれ は … さっき の

あれ は … さっき の

( レスキネン ) ハイ エブリワン

( 真 帆 ) 皆さん こんにち は

( レスキネン の 英語 )

( レスキネン の 英語 )

本日 は 私 の セミナー に 集まって くださって 感謝 し ます

ヴィクトル ・ コンドリア 大学 脳 科学 研究 所 の ―

アレクシス ・ レスキネン です

通訳 と アシスタント は 私 比 屋 定 ( ひや じょう ) 真 帆 が 務め ます

( 拍手 )

( レスキネン の 英語 )

本日 の テーマ は “ 人工 知能 革命 ” と し ました が ―

その 話 に 入る 前 に 1 つ の 論文 を 紹介 し たい と 思い ます

( レスキネン の 英語 )

( 真 帆 ) この 論文 は 我が 研究 所 の 女性 研究 員 が 発表 した もの です

人 の 記憶 は 大脳 皮質 ―

とりわけ 側 頭 葉 に 記憶 さ れる ―

フラッシュ メモリー の ような もの と して 捉える こと が でき ます

脳 は ニューロン と 呼ば れる 細胞 の 間 を ―

電気 信号 が 伝わる こと で 働き ます

極論 すれば 記憶 は 電気 信号 の パターン に よって 蓄積 し ―

作ら れて いる と いえ ます

この 理論 を 提唱 した 彼女 は ―

残念 ながら 17 歳 に して 故人 と なり ました が ―

私 たち は その 理論 を 基 に ある システム の 構築 に 成功 し ました

それ が 人間 の 記憶 を データ 化 して 保存 する システム です

( 岡部 ) ああ …

( 真 帆 ) これ まで の ような プログラム に よる ―

疑似 人格 を 作り上げる ので は なく

データ 化 した 人 の 記憶 を ベース に 人工 知能 を 作り上げる

人間 同様 の 感情 と 記憶 ―

心 を 持つ 人工 知能

天才 牧 瀬 ( まき せ ) 紅 莉栖 の 基礎 理論 を 基 に 構築 さ れた システム

それ が これ から デモンストレーション する 人工 知能

( レスキネン ・ 真 帆 ) アマデウス

♪~

~♪


シュタインズ ・ ゲート ゼロ (01) |げーと| steins gate zero (01)

( 鈴 羽 ( すず は )) まゆ 姉さん こんな 所 に いたんだ すず|はね||||ねえさん||しょ||

( ま ゆり ) 鈴 ( すず ) ちゃん ||すず|| (Mayuri) Suzu-chan

( 鈴 羽 ) 父さん たち が 捜して た すず|はね|とうさん|||さがして|

もう すぐ 作戦 開始 の 時間 だって ||さくせん|かいし||じかん|

まゆ 姉さん ? |ねえさん

( ま ゆり ) もし …

( ま ゆり ) もしも あの とき ―

この 手 を 伸ばして いたら ― |て||のばして|

この 未来 は 変わった の か な |みらい||かわった|||

( ま ゆり ) あの 日 私 の 彦星 ( ひこぼし ) が 復活 して いれば ― |||ひ|わたくし||ひこぼし|||ふっかつ||

全て は 変わって いた かも しれ ない すべて||かわって||||

もしも あの とき ―

この 手 を 伸ばして いたら … |て||のばして|

( 医師 ) あなた は 過去 へ 降りて ゆき ます いし|||かこ||おりて||

どんどん どんどん 降りて ゆく と 光 が 見え ます ||おりて|||ひかり||みえ|

光 は 何 色 です か ? ひかり||なん|いろ||

( 岡部 ( お かべ )) 赤 … おかべ|||あか

( 医師 ) その 光 の 中 に あなた の 大切な 人 が 立って い ます いし||ひかり||なか||||たいせつな|じん||たって||

あなた の 家族 です か ? ||かぞく||

いや …

( 医師 ) で は 友人 ?  恋人 です か ? いし|||ゆうじん|こいびと||

( 岡部 ) 友人 で すら ない おかべ|ゆうじん|||

俺 と あいつ は … おれ|||

( ま ゆり ) あっ オカリン !

( 岡部 ) 何 だ 外 で 待って なくて も いい って 言った だ ろ ? おかべ|なん||がい||まって|||||いった||

( ま ゆり ) エヘヘ どう だった ?

ああ うん

まあ 催眠 療法 って いって も 大した こと は なかった な |さいみん|りょうほう||||たいした||||

特に 問題 ない って さ とくに|もんだい|||

本当 ? ほんとう

ああ しばらく カウンセリング は 必要 みたいだ けど ||かうんせりんぐ||ひつよう||

ま ゆり が 言う とおり 受診 して みて よかった よ |||いう||じゅしん||||

( ま ゆり ) よかった

何 か オカリン 最近 ずっと つら そうだった から なん|||さいきん|||そう だった|

心配 かけた な しんぱい||

( ま ゆり ) う うん

飯 食べて いく か ?  おごる ぞ めし|たべて||||

それ なら アキバ まで 行って いい かな ? ||||おこなって||

さっき ライン で る か 君 と フェリス ちゃん に 誘わ れた んだ |らいん||||きみ|||||さそわ||

秋葉原 ( あき は ばら ) か あきはばら||||

嫌 ? いや

( 岡部 ) いい よ 行こう おかべ|||いこう

わ あっ

よかった じゃあ みんな に も 連絡 する ね |||||れんらく||

フェリス ちゃん ? あの ね あの ね …

( 岡部 ) もう 12 月 か … おかべ||つき|

あの 夏 から … |なつ|

早い な はやい|

( ドア ベル の 音 ) どあ|べる||おと

えっ と ここ で 待って る って 言って た んだ けど … あ ! ||||まって|||いって||||

る か 君 フェリス ちゃん ||きみ||

トゥットゥルー !

( る か ) こんにちは まゆ り ちゃん

( フェイリス ) おお 凶 真 ( きょう ま )! ||きょう|まこと||

( 岡部 ) しばらく ぶり だ な ルカ 子 ( こ ) フェイリス おかべ||||||こ||

( る か ) 岡部 さん ||おかべ|

( フェイリス ) 凶 真 会い たかった ニャ ! |きょう|まこと|あい||

( 岡部 ) おい こら よせよ おかべ|||

( フェイリス ) いい じゃ ない か ニャ

凶 真 と フェイリス の 仲 だ ニャン ( ま ゆり ) アハハ … きょう|まこと||||なか|||||

( 岡部 ) それ から その “ 凶 真 ” って の も やめて くれ おかべ||||きょう|まこと|||||

ニャン で ?

黒 歴史 だ から だ くろ|れきし|||

それ は つまり 中世 魔術 師 同盟 が ひた隠し に する 暗黒 歴史 |||ちゅうせい|まじゅつ|し|どうめい||ひたかくし|||あんこく|れきし

違う ちがう

何 か すごく 懐かしい です なん|||なつかしい|

僕 時々 ラボ に 顔 を 出す んです けど 岡部 さん に は 会え なかった から ぼく|ときどき|||かお||だす|ん です||おかべ||||あえ||

( 岡部 ) いろいろ 忙しくて な おかべ||いそがしくて|

まさか !  青 の 組織 に よる あの プロジェクト が … |あお||そしき||||ぷろじぇくと|

いや 大学 の ゼミ が 忙しくて な |だいがく||ぜみ||いそがしくて|

ニャ ~

それ に サークル と か ||さーくる||

ニャニャ !

岡部 さん が サークル … おかべ|||さーくる

UFO ( ユーフォー ) と か UMA ( ユーマ ) の 研究 を して る と か ? |||||||けんきゅう|||||

いや … テニス サークル だ |てにす|さーくる|

( る か ・ フェイリス ) ええ ー っ ! ( ま ゆり ) アハハ … ||||-||||

( 岡部 ) 大学 の ゼミ の 准 教授 が テニス サークル の 顧問 で な おかべ|だいがく||ぜみ||じゅん|きょうじゅ||てにす|さーくる||こもん||

( フェイリス ) それ で 凶 真 が テニス … |||きょう|まこと||てにす

( ま ゆり ) 目指せ ウィンブルドン だ ね ||めざせ|うぃんぶるどん||

( る か ) じゃあ その 練習 も あって 忙しかった んです ね ||||れんしゅう|||いそがしかった|ん です|

( 岡部 ) あっ い … いや 練習 は そんなに は … おかべ||||れんしゅう|||

じゃあ 何 して る ニャ ? |なん|||

( 岡部 ) 何 って ご … 合 コン と か おかべ|なん|||ごう|||

( フェイリス ) 合 … ( る か ) コン ? |ごう|||

(2 人 ) ええ ー っ ! じん||-|

岡部 さん が 合 コン !? おかべ|||ごう|

ニャン と いう か 痛い と いう か 痛々しい と いう か ||||いたい||||いたいたしい|||

それ を 通り越して キモイ ! ||とおりこして|

そう キモイニャ ! ( る か ) どういう こと です か !?

ひどい こと 言う な よ 俺 だって 普通の 大学生 な んだ ぞ ||いう|||おれ||ふつうの|だいがくせい|||

( フェイリス ) 堕落 ニャ 堕落 ニャ 凶 真 一体 どういう こと ニャ !? |だらく||だらく||きょう|まこと|いったい|||

( る か ) ひどい です 岡部 さん ! ||||おかべ|

( ま ゆり ) あっ 由季 ( ゆき ) さん だ |||ゆき|||

( フェイリス ) 何 か 事件 か ニャ ? |なん||じけん||

う うん アキバ に 来て る なら ― ||||きて||

ちょっと 見せ たい もの が ある から 会え ない か って |みせ||||||あえ|||

( ま ゆり ) ラボ で ( 岡部 ) あっ … ||||おかべ|

( ま ゆり ) あ …

( フェイリス ) あ …

( る か ) あ …

( 岡部 ) あ … おかべ|

大丈夫だ 行こう だいじょうぶだ|いこう

( ダル ) ぐ ぬ ぬ ぬ … だる||||

( ダル ) こんなん 戦争 だ ろ だる||せんそう||

炎上 必至だ ろ ! えんじょう|ひっしだ|

リア 充 滅 せ P は ぼ っち の 味方 じゃ なかった の か よ ! りあ|まこと|めつ|||||||みかた|||||

ぱる て の ん 氏 と 夫婦 だった って 何 な ん !? ||||うじ||ふうふ|||なん||

( 鈴 羽 ) 父さん ( ダル ) う お っ ! すず|はね|とうさん|だる|||

既に @ ちゃん ねる も つい ポ も 炎上 中 ?  しまった ! すでに|||||||えんじょう|なか|

僕 と した こと が 乗り遅れた お この ビッグウェーブ に ! ぼく|||||のりおくれた||||

ひ っ !?

( 鈴 羽 ) 話 を 聞き なさい すず|はね|はなし||きき|

( ダル ) ひ ぃ ー っ ! だる|||-|

す … 鈴 羽 やめて くれ ない と 父さん 怒っちゃ う ぞ |すず|はね|||||とうさん|いかっちゃ||

( 鈴 羽 ) 怒ら れて る の は 父さん の ほう すず|はね|いから|||||とうさん||

( ダル ) はい すいません だる||

( 鈴 羽 ) まったく … すず|はね|

1 日 中 ゴロゴロ して 食べる か ネット か ゲーム ばかり ひ|なか|ごろごろ||たべる||ねっと||げーむ|

( ダル ) でも タイム マシン の 研究 って 大変な んだ よ だる||たいむ|ましん||けんきゅう||たいへんな||

しかも 目の前 に 本物 が ある のに “ 触っちゃ ダメ ” と か 言う し |めのまえ||ほんもの||||さわっちゃ|だめ|||いう|

( 鈴 羽 ) 父さん が 未来 で 開発 する もの だ から ね すず|はね|とうさん||みらい||かいはつ|||||

今 の 父さん が 見たら ― いま||とうさん||みたら

タイムパラドックス が 起きる 可能 性 が ある んだ よ ||おきる|かのう|せい||||

( ダル ) 未来 の 僕 が 発明 する なら いい じゃ ん だる|みらい||ぼく||はつめい|||||

明日 から 頑張る !  キリッ ! あした||がんばる|

( 鈴 羽 ) その ため に は 今 から 頑張ら なきゃ いけない の すず|はね|||||いま||がんばら|||

( ダル ) あう … だる|

未来 の 父さん も いつも そんな こと 言って みらい||とうさん|||||いって

母さん に 怒ら れて た かあさん||いから||

( ダル ) 叱ら れる と いう 名 の ご 褒美 ハァ ハァ … だる|しから||||な|||ほうび||

父さん ! とうさん

( ダル ) はい 何でもない で ご ざる だる||なんでもない|||

( 鈴 羽 ) 未来 の 父さん は いつも 言って いた んだ よ すず|はね|みらい||とうさん|||いって|||

ここ は 最低 最悪の 世界 線 だ けど ― ||さいてい|さいあくの|せかい|せん||

私 が 誕生 した こと だけ は 最高 だって わたくし||たんじょう|||||さいこう|

私 は オカリン おじさん を 説得 して ― わたくし|||||せっとく|

そんな 未来 を 変える ため に ここ に 来た んだ |みらい||かえる|||||きた|

なのに あの 日 以来 ― ||ひ|いらい

オカリン おじ さん ここ に も 来 なく なって … ||||||らい||

ん ?

誰 か 来る ! だれ||くる

( 足音 ) あしおと

( ダル ) えっ まさか オカリン ? ( 鈴 羽 ) 違う だる||||すず|はね|ちがう

ブーツ の 音 … 母さん だ ! ぶーつ||おと|かあさん|

えー っ !?  あっ えっ …

隠れろ 鈴 羽 ! かくれろ|すず|はね

オーキードーキー !

( ノック ) ( ダル ) あ はい どうぞ |だる|||

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

( 由季 ) こんにちは ゆき|

( ダル ) あっ … 阿 万 音 ( あま ね ) 氏 どうした ん ?  急に だる||おもね|よろず|おと|||うじ|||きゅうに

( 由季 ) あれ ?  まゆ り ちゃん は ? ゆき|||||

まゆ 氏 ?  今日 は まだ だ けど |うじ|きょう||||

少し 早かった かな ? すこし|はやかった|

ここ で 待ち合わせ しよう って さっき ||まちあわせ|||

( ダル ) そうなん ? だる|そう な ん

( 由季 ) 待た せて もらって いい です か ? ゆき|また|||||

( ダル ) あっ ああ まあ … だる|||

( 由季 ) ありがとう ございます ゆき||

あの … 今日 は 妹 さん は お 留守 です か ? |きょう||いもうと||||るす||

えっ 妹 ?  誰 の ? |いもうと|だれ|

誰 って 橋田 ( は し だ ) さん の … だれ||はしだ|||||

僕 ? 僕 に 2 次元 以外 の 妹 なんて いな … ぼく|ぼく||じげん|いがい||いもうと||

あっ ! す … 鈴 羽 の こと で ご ざる か ? ||すず|はね||||||

( 由季 ) ほか に いる んです か ? ゆき||||ん です|

あー いや … いない ?

( ドア の 開く 音 ) どあ||あく|おと

( ま ゆり ) トゥットゥルー

( ダル ) あっ … ( 由季 ) まゆ り ちゃん だる||ゆき|||

トゥットゥルー 由季 さん |ゆき|

( フェイリス ) ニャンニャン

フェイリス さん も る かさん も

( ダル ) フェイリス た ~ ん だる|||

えっ ?  あっ …

( 岡部 ) ここ は 変わって ない な おかべ|||かわって||

( ダル ) オカリン … だる|

入って も ? はいって|

( アナウンサー ) 幻覚 や 記憶 障害 と いった もの が ― あなうんさー|げんかく||きおく|しょうがい||||

確認 さ れて おり … かくにん|||

じ … 自分 の ラボ で 遠慮 と かね ー よ |じぶん||||えんりょ|||-|

それ も そう か

( ま ゆり ) あ ~ 由季 さん その 服 かわいい ! |||ゆき|||ふく|

( 由季 ) まゆ り ちゃん に そう 言って ほしくて 着て きた んだ よ ゆき||||||いって||きて|||

( フェイリス ) うわ ~ フェイリス に も 見せて ニャ |||||みせて|

( ダル ) 飲み物 は ドクペ で … あ ちょ っ オカリン ! だる|のみもの|||||||

ど どこ へ ?

( 岡部 ) どこ って … いや ちょっと トイレ へ おかべ|||||といれ|

( ダル ) いや … ( 鈴 羽 ) あっ … だる||すず|はね|

ん ん …

だ … だ だ …

( 岡部 ) あ … ん ? おかべ||

( ダル ) あう … だる|

( 岡部 ) フゥ … おかべ|

( きしむ 音 ) |おと

な っ …

ど わ あっ

( 倒れる 音 ) たおれる|おと

( フェイリス ) オカリン !? ( る か ) 岡部 さん ! ||||おかべ|

( 鈴 羽 ) あ たた たた … すず|はね|||

ああ っ

鈴 さん すず|

ど どうも ( 岡部 の うめき声 ) ||おかべ||うめきごえ

(2 人 ) ジャーン ! じん|

( る か ) かわいい !

( フェイリス ) いい ニャ いい ニャ ~

( ダル ) 大 好物 です ありがとう ございます ! だる|だい|こうぶつ|||

( 由季 ) エッヘヘ ~ ゆき|

( ま ゆり ) あれ ?  オカリン は ?

鈴 羽 さん と 屋上 行った よ すず|はね|||おくじょう|おこなった|

何 か 話し たい こと が ある って なん||はなし|||||

そ っか あ

( 岡部 ) わざわざ 隠れ なく と も よかった んじゃ ない か ? おかべ||かくれ|||||||

ダル の 妹 と いう こと に して る んだ から だる||いもうと||||||||

逆に 怪しま れる だろう ? ぎゃくに|あやしま||

( 鈴 羽 ) そう な んだ けど … すず|はね||||

母さん 思った 以上 に 私 と 仲よく し た がる んだ かあさん|おもった|いじょう||わたくし||なかよく||||

( 岡部 ) 由季 さん と ダル が 初めて 顔 を 合わせた の は … おかべ|ゆき|||だる||はじめて|かお||あわせた||

( 鈴 羽 ) 夏 の コミマ すず|はね|なつ||

まゆ 姉さん の コスプレ 仲間 で ここ に 出入り する ように なって … |ねえさん|||なかま||||でいり||よう に|

( 由季 ) キャッ ( ダル ) うわ っ ゆき||だる||

( ぶつかる 音 ) |おと

あいた たた … え ?

( 鈴 羽 ) 顔 合わせちゃ った すず|はね|かお|あわせちゃ|

えっ !?

( 岡部 ) いずれ 自分 が 産む こと に なる ― おかべ||じぶん||うむ|||

未来 の 娘 … みらい||むすめ

何 か 感じる もの が あった の かも な なん||かんじる||||||

( 鈴 羽 ) 父さん は “ いずれ 説明 する ” って 言って くれて る けど … すず|はね|とうさん|||せつめい|||いって|||

しかし 本当に ダル が 彼女 と ? |ほんとうに|だる||かのじょ|

私 が ここ に いる って こと は ― わたくし|||||||

少なくとも その 未来 は 変わって ない すくなくとも||みらい||かわって|

( 飛行機 の エンジン 音 ) ( 鈴 羽 ) あっ ひこうき||えんじん|おと|すず|はね|

( 鈴 羽 ) 平和だ ね すず|はね|へいわだ|

私 が 物心 ついた とき に は ― わたくし||ぶっしん||||

もう こんな 光景 は 写真 と か 映像 の 中 に しか 存在 し なかった ||こうけい||しゃしん|||えいぞう||なか|||そんざい||

( 岡部 ) 第 3 次 … 世界 大戦 おかべ|だい|つぎ|せかい|たいせん

( 鈴 羽 ) うん 父さん たち は タイム マシン 開発 の こと で ― すず|はね||とうさん|||たいむ|ましん|かいはつ|||

反 政府 組織 と 見なさ れて た はん|せいふ|そしき||みなさ||

( 岡部 ) ダル と 由季 さん と 3 人 で 逃げて いた の か ? おかべ|だる||ゆき|||じん||にげて|||

( 鈴 羽 ) う うん 母さん は 軍 の 無人 機 から 私 を 守ろう と して ― すず|はね|||かあさん||ぐん||むじん|き||わたくし||まもろう||

機銃 掃 射 で 死んだ から … きじゅう|は|い||しんだ|

この 目 で ズタズタ に さ れて く 母さん を 見た |め||ずたずた|||||かあさん||みた

全身 で 母さん の 血 を 浴びた ぜんしん||かあさん||ち||あびた

オカリン おじさん

この 世界 線 の 行き着く 先 は 地獄 しか ない んだ |せかい|せん||ゆきつく|さき||じごく|||

タイム マシン 争奪 戦 に よって 国 と 国 が 争い 人 が たくさん 死ぬ たいむ|ましん|そうだつ|いくさ|||くに||くに||あらそい|じん|||しぬ

恐怖 と 絶望 しか ない 世界 な んだ きょうふ||ぜつぼう|||せかい||

57億 の 人 の 命 が かかって る んだ おく||じん||いのち||||

未来 を みらい|

お 願い だ よ |ねがい||

オカリン おじさん

( 岡部 ) 無理だ ( 鈴 羽 ) おじさん ! おかべ|むりだ|すず|はね|

( 岡部 ) 俺 は 何度 と なく 世界 線 を 漂流 して きた おかべ|おれ||なんど|||せかい|せん||ひょうりゅう||

ここ と は 違う 世界 線 で ― |||ちがう|せかい|せん|

タイム マシン に 運命 を 翻弄 さ れる 人 たち を … たいむ|ましん||うんめい||ほんろう|||じん||

お前 の 結末 の 1 つ さえ 見て きた おまえ||けつまつ||||みて|

何度 も 何度 も 繰り返した んだ なんど||なんど||くりかえした|

そして 人 に できる こと に は 限り が ある と 知った |じん||||||かぎり||||しった

何 を して も 無力な んだ なん||||むりょくな|

“ 既に 世界 線 を 変えた こと が ある ” すでに|せかい|せん||かえた|||

そう 言って いた よね おじさん |いって|||

だったら …

( 岡部 ) ダメだ ! おかべ|だめだ

過去 改変 を して 世界 線 を 移動 する の は ― かこ|かいへん|||せかい|せん||いどう|||

この 宇宙 の 仕組み から 逸脱 する こと な んだ |うちゅう||しくみ||いつだつ||||

人間 が 手 を 出して いい 領域 じゃ ない 神 の 領域 な んだ にんげん||て||だして||りょういき|||かみ||りょういき||

触れれば 必ず 罰 を 受ける こと に なる ふれれば|かならず|ばち||うける|||

残酷な … 目 を 覆い たく なる ような 罰 を ! ざんこくな|め||おおい||||ばち|

それ が 答え な の ? ||こたえ||

まだ 時間 は ある |じかん||

考え 直して ほしい かんがえ|なおして|

私 は … わたくし|

( ドア の 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 鈴 羽 ) 諦め ない から すず|はね|あきらめ||

( ドア の 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( ま ゆり ) 鈴 さん 結局 戻って こ なかった ね ||すず||けっきょく|もどって|||

( 岡部 ) ああ おかべ|

ケンカ した わけじゃ ない んだ よ ね ? けんか||||||

( 岡部 ) そういう わけ じゃ ない おかべ||||

( ま ゆり ) そ っか

う う … 一 段 と 寒く なって きた ねえ ||ひと|だん||さむく|||

( ま ゆり ) 今日 は 久しぶりに ラボ が にぎやかで 楽しかった な ||きょう||ひさしぶりに||||たのしかった|

( 岡部 ) そう か ( ま ゆり ) うん おかべ|||||

何 か 最近 は ラボ に 行く と とても 寂しい 気持ち に なって た んだ なん||さいきん||||いく|||さびしい|きもち||||

( 岡部 ) ダル が いる だ ろ ? おかべ|だる||||

( ま ゆり ) うん それ に 昔 は まゆ し ぃ ― |||||むかし||||

毎日 1 人 で オカリン の こと ラボ で 待って たから ― まいにち|じん|||||||まって|

全然 寂しい はず ない んだ けど ぜんぜん|さびしい||||

でも 何で か 分から ない けど ― |なんで||わから||

泣き たく なる くらい 寂しく なる んだ なき||||さびしく||

前 は もっと にぎやかだった のに な あって ぜん||||||

( 岡部 ) 錯覚 だ ( ま ゆり ) え ? おかべ|さっかく||||

( 岡部 ) 錯覚 だ よ おかべ|さっかく||

あの ラボ に 出入り して いた の は ― |||でいり||||

俺 と お前 と ダル くらい の もの だったろう ? おれ||おまえ||だる||||

( ま ゆり ) うん そう だ よ ね

( 携帯 電話 の 振動 音 ) ( ま ゆり ) ん ? けいたい|でんわ||しんどう|おと|||

どうした の ?

( 岡部 ) ああ あした アキバ で ― おかべ||||

ヴィクトル ・ コンドリア 大学 の セミナー が あって ||だいがく||せみなー||

その 前 に ゼミ の 教授 と 話して おき たかった んだ が |ぜん||ぜみ||きょうじゅ||はなして||||

みんな で 集まって 飲んで る みたいな んだ ||あつまって|のんで|||

( ま ゆり ) そ っか あ

すっかり リア 充 さん だ ねえ |りあ|まこと|||

まゆ し ぃ は 1 人 でも 大丈夫だ よ ||||じん||だいじょうぶだ|

( 岡部 ) そう か じゃあ 悪い けど おかべ||||わるい|

( 学生 たち ) 乾杯 ! がくせい||かんぱい

( 岡部 ) 人工 知能 革命 … おかべ|じんこう|ちのう|かくめい

ヴィクトル ・ コンドリア 大学 アレクシス ・ レスキネン 教授 か ||だいがく|||きょうじゅ|

あいつ の いた 大学 … |||だいがく

( 岡部 ) う う っ … おかべ|||

( 紅 莉栖 ( くり す )) 私 … 死ぬ の か な くれない|りせい|||わたくし|しぬ|||

死に たく … ない よ しに|||

( 岡部 ) ひ っ … ひ っ … おかべ||||

う っ … う っ …

ひ っ …

あっ う ああ あ …

( 岡部 ) う う っ … くっ … おかべ||||

ハァ ハァ ハァ …

( 真 帆 ( ま ほ )) ちょっと あなた まこと|ほ||||

ん ?  えっ …

( 真 帆 ) そこ の 君 ( 岡部 ) あっ … まこと|ほ|||きみ|おかべ|

ん ?

( 真 帆 ) スタッフルーム って どこ かしら ? まこと|ほ||||

( 岡部 ) あ … おかべ|

( 岡部 ) ああ … ( 真 帆 ) ん ? おかべ||まこと|ほ|

あっ ここ 大学 の セミナー 会場 だ けど ||だいがく||せみなー|かいじょう||

そんな の 分かって る わ よ ! ||わかって|||

もう 何度 も 何度 も … |なんど||なんど|

( 岡部 ) 何度 も ? おかべ|なんど|

この 場所 に 来て から それ 言わ れる の ― |ばしょ||きて|||いわ||

あなた で 4 回 目 な の ||かい|め||

“ ヴィクトル ・ コンドリア 大学 脳 科学 研究 所 ” ||だいがく|のう|かがく|けんきゅう|しょ

ああ 分かった |わかった

拾って くれた ん … ( 真 帆 ) それ も 4 回 目 ! ひろって|||まこと|ほ|||かい|め

ん っ

( 岡部 ) ヴィクトル ・ コンドリア 大学 の … おかべ|||だいがく|

中学生 ? ちゅうがくせい

寝ぼける の は 夜 に して ! ねぼける|||よ||

大学 に 中学生 が いる わけない でしょ だいがく||ちゅうがくせい||||

( 岡部 )21 歳 … おかべ|さい

( 真 帆 ) つまり 立派な 成人 女性 よ まこと|ほ||りっぱな|せいじん|じょせい|

中学生 でも 小学生 でも 幼稚 園児 でも なく ! ちゅうがくせい||しょうがくせい||ようち|えんじ||

何 か ? なん|

しかし … いや …

悪かった わるかった

謝る あやまる

フン … まあい いわ ふん||

どこ の 国 に 行って も 同 じこ と 言わ れる から ||くに||おこなって||どう|||いわ||

( 岡部 ) だろう な … おかべ||

何 か 言った ? なん||いった

( 岡部 ) い … いや 別に おかべ|||べつに

ハァ …

( 岡部 ) あ そっち じゃ ない おかべ||||

スタッフ ルーム だ ろ ? 一 度 出て そこ の 通路 の 扉 の 奥 だ すたっふ|るーむ|||ひと|たび|でて|||つうろ||とびら||おく|

ありがとう

( 岡部 )21 歳 か … おかべ|さい|

ダル が 見たら ― だる||みたら

“ 合法 ロリ キタコレ !” と か 叫び そうだ な ごうほう|||||さけび|そう だ|

ハッ !

( 岡部 ) 桐生 ( きりゅう )… 萌郁 ( もえ か )!? おかべ|きりゅう||ほういく||

どうして ―

萌郁 が ここ に !? ほういく|||

まさか また …

落ち着け ここ は ベータ 世界 線 だ おちつけ||||せかい|せん|

あの 世界 線 と は 違う ! |せかい|せん|||ちがう

違う んだ ちがう|

( 拍手 ) はくしゅ

( 拍手 ) はくしゅ

( 岡部 ) ん ?  あ … おかべ||

( 拍手 ) はくしゅ

( 拍手 ) はくしゅ

あれ は … さっき の

あれ は … さっき の

( レスキネン ) ハイ エブリワン |はい|

( 真 帆 ) 皆さん こんにち は まこと|ほ|みなさん||

( レスキネン の 英語 ) ||えいご

( レスキネン の 英語 ) ||えいご

本日 は 私 の セミナー に 集まって くださって 感謝 し ます ほんじつ||わたくし||せみなー||あつまって||かんしゃ||

ヴィクトル ・ コンドリア 大学 脳 科学 研究 所 の ― ||だいがく|のう|かがく|けんきゅう|しょ|

アレクシス ・ レスキネン です

通訳 と アシスタント は 私 比 屋 定 ( ひや じょう ) 真 帆 が 務め ます つうやく||||わたくし|ひ|や|てい|||まこと|ほ||つとめ|

( 拍手 ) はくしゅ

( レスキネン の 英語 ) ||えいご

本日 の テーマ は “ 人工 知能 革命 ” と し ました が ― ほんじつ||てーま||じんこう|ちのう|かくめい||||

その 話 に 入る 前 に 1 つ の 論文 を 紹介 し たい と 思い ます |はなし||はいる|ぜん||||ろんぶん||しょうかい||||おもい|

( レスキネン の 英語 ) ||えいご

( 真 帆 ) この 論文 は 我が 研究 所 の 女性 研究 員 が 発表 した もの です まこと|ほ||ろんぶん||わが|けんきゅう|しょ||じょせい|けんきゅう|いん||はっぴょう|||

人 の 記憶 は 大脳 皮質 ― じん||きおく||だいのう|ひしつ

とりわけ 側 頭 葉 に 記憶 さ れる ― とり わけ|がわ|あたま|は||きおく||

フラッシュ メモリー の ような もの と して 捉える こと が でき ます ふらっしゅ|めもりー||||||とらえる||||

脳 は ニューロン と 呼ば れる 細胞 の 間 を ― のう||||よば||さいぼう||あいだ|

電気 信号 が 伝わる こと で 働き ます でんき|しんごう||つたわる|||はたらき|

極論 すれば 記憶 は 電気 信号 の パターン に よって 蓄積 し ― きょくろん||きおく||でんき|しんごう||ぱたーん|||ちくせき|

作ら れて いる と いえ ます つくら|||||

この 理論 を 提唱 した 彼女 は ― |りろん||ていしょう||かのじょ|

残念 ながら 17 歳 に して 故人 と なり ました が ― ざんねん||さい|||こじん||||

私 たち は その 理論 を 基 に ある システム の 構築 に 成功 し ました わたくし||||りろん||もと|||しすてむ||こうちく||せいこう||

それ が 人間 の 記憶 を データ 化 して 保存 する システム です ||にんげん||きおく||でーた|か||ほぞん||しすてむ|

( 岡部 ) ああ … おかべ|

( 真 帆 ) これ まで の ような プログラム に よる ― まこと|ほ|||||ぷろぐらむ||

疑似 人格 を 作り上げる ので は なく ぎじ|じんかく||つくりあげる|||

データ 化 した 人 の 記憶 を ベース に 人工 知能 を 作り上げる でーた|か||じん||きおく||べーす||じんこう|ちのう||つくりあげる

人間 同様 の 感情 と 記憶 ― にんげん|どうよう||かんじょう||きおく

心 を 持つ 人工 知能 こころ||もつ|じんこう|ちのう

天才 牧 瀬 ( まき せ ) 紅 莉栖 の 基礎 理論 を 基 に 構築 さ れた システム てんさい|まき|せ|||くれない|りせい||きそ|りろん||もと||こうちく|||しすてむ

それ が これ から デモンストレーション する 人工 知能 ||||||じんこう|ちのう

( レスキネン ・ 真 帆 ) アマデウス |まこと|ほ|

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