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世界の昔話, ほら吹き男爵 キツネを殺さずに、毛皮を手に入れる方法

ほら吹き 男爵 キツネ を 殺さ ず に 、毛皮 を 手 に 入れる 方法

ほら吹き 男爵 キツネ を 殺さ ず に 、 毛皮 を 手 に 入れる 方法

わがはい は 、 ミュンヒハウゼン 男爵 ( だんしゃく )。 みんな から は 、『 ほらふき 男爵 』 と よば れて おる 。 今日 も 、 わがはい の 冒険 話 を 聞か せて やろう 。

ある 時 、 わがはい は ロシア の 大きな 森 で 、 毛並み の 見事な キツネ に 出くわした 事 が ある 。 それ を 見た わがはい は 、 国 に 残して きた 妻 が 、 かねがね キツネ の えり巻き を 欲し がって いた 事 を 思い出した 。 「 よーし 、 こいつ を 仕留めて 、 妻 へ の 土産 に しよう 」 わがはい は 妻 の 喜ぶ 顔 を 考え ながら 、 鉄砲 の 引き金 に 指 を かけた が 、 「 いや 、 待てよ 。 これほど 立派な 毛皮 に 、 鉄砲 の 玉 で 穴 を 開ける の は もったいない な 」 と 、 思い 直した 。 そこ で わがはい は 鉄砲 から 玉 を 抜いて 、 その 代わり に 一 本 の くぎ を 詰めた 。 そして キツネ の 尻尾 を 狙って 、 ズドーン ! と 、 撃ち 放ち 、 キツネ の 尻尾 を 木 の 幹 へ くぎ付け に した のだ 。 そして わがはい は 、 ゆうゆうと キツネ に 近寄って 、 キツネ の 顔 に ナイフ で 十字 型 の 傷 を つけた 。

どうして 、 こんな 事 を する か だって ? まあ 聞き なさい 、 これ から が 、 わがはい の 頭 の 良い ところ だ 。 わがはい は 食料 袋 から 鶏肉 を 取り出す と 、 棒 の 先 に 突き刺して 、 「 さあ 、 キツネ くん 。 遠慮 なく 、 食べた まえ 」 と 、 キツネ の 鼻先 一 メートル ぐらい の ところ に 、 鶏肉 を 差し出した のだ 。 こう する と 、 肉 を 食べ たい けれど 口 が 届か ない 。 その もどかし さ に キツネ は イライラ して いた が 、 その うち に たまら なく なった の か 、 コーン ! と 、 ひと 声 なく と 、 キツネ の 顔 の 傷口 から 毛 の ない 裸 の キツネ が 飛び出して 、 肉 に かぶり ついた のだ 。 もちろん あと に は 、 傷 一 つ ない 美しい 毛皮 だけ が 残った と いう わけだ 。 毛皮 が 無くなり 裸 に なった キツネ に は 、 いずれ 元通りの 毛皮 が 生える であろう 。 こうして わがはい は 、 キツネ を 殺す 事 なく 毛皮 を 手 に 入れた のである 。

『 命 は 、 とても 大切な 物 。 殺さ ず に すむ の なら 、 出来る 限り 殺さ ない 』 これ が 、 今日 の 教訓 だ 。

では 、 また 次の 機会 に 、 別の 話 を して やろう な 。

おしまい


ほら吹き 男爵 キツネ を 殺さ ず に 、毛皮 を 手 に 入れる 方法 ほらふき|だんしゃく|きつね||ころさ|||けがわ||て||いれる|ほうほう Baron Blowhard How to get the fox's pelt without killing it.

ほら吹き 男爵   キツネ を 殺さ ず に 、 毛皮 を 手 に 入れる 方法 ほらふき|だんしゃく|きつね||ころさ|||けがわ||て||いれる|ほうほう Here's how to get the fur without killing the Baron Fox

わがはい は 、 ミュンヒハウゼン 男爵 ( だんしゃく )。 |||だんしゃく| My Yes, Baron Munchausen. みんな から は 、『 ほらふき 男爵 』 と よば れて おる 。 ||||だんしゃく|||| Everyone calls it "Horafuki Baron". 今日 も 、 わがはい の 冒険 話 を 聞か せて やろう 。 きょう||||ぼうけん|はなし||きか|| Let me tell you the story of my adventure today.

ある 時 、 わがはい は ロシア の 大きな 森 で 、 毛並み の 見事な キツネ に 出くわした 事 が ある 。 |じ|||ろしあ||おおきな|しげる||けなみ||みごとな|きつね||でくわした|こと|| それ を 見た わがはい は 、 国 に 残して きた 妻 が 、 かねがね キツネ の えり巻き を 欲し がって いた 事 を 思い出した 。 ||みた|||くに||のこして||つま|||きつね||えりまき||ほし|||こと||おもいだした When I saw it, I remembered that my wife, who had left the country, wanted a scarf of a fox. 「 よーし 、 こいつ を 仕留めて 、 妻 へ の 土産 に しよう 」   わがはい は 妻 の 喜ぶ 顔 を 考え ながら 、 鉄砲 の 引き金 に 指 を かけた が 、 「 いや 、 待てよ 。 よ - し|||しとめて|つま|||みやげ|||||つま||よろこぶ|かお||かんがえ||てっぽう||ひきがね||ゆび|||||まてよ "Okay, let's get rid of this and make it a souvenir for my wife." My yes, thinking of my wife's happy face, I put my finger on the trigger of the gun, but "No, wait. これほど 立派な 毛皮 に 、 鉄砲 の 玉 で 穴 を 開ける の は もったいない な 」 と 、 思い 直した 。 |りっぱな|けがわ||てっぽう||たま||あな||あける||||||おもい|なおした It would be a shame to puncture such a fine fur coat with a bullet." I rethought. そこ で わがはい は 鉄砲 から 玉 を 抜いて 、 その 代わり に 一 本 の くぎ を 詰めた 。 ||||てっぽう||たま||ぬいて||かわり||ひと|ほん||||つめた So our company pulled the ball out of the gun and filled it with a nail in its place. そして キツネ の 尻尾 を 狙って 、   ズドーン ! |きつね||しっぽ||ねらって| と 、 撃ち 放ち 、 キツネ の 尻尾 を 木 の 幹 へ くぎ付け に した のだ 。 |うち|はなち|きつね||しっぽ||き||みき||くぎづけ||| そして わがはい は 、 ゆうゆうと キツネ に 近寄って 、 キツネ の 顔 に ナイフ で 十字 型 の 傷 を つけた 。 ||||きつね||ちかよって|きつね||かお||ないふ||じゅうじ|かた||きず|| My-hai then approached the fox and made a cross-shaped scar on its face with his knife.

どうして 、 こんな 事 を する か だって ? ||こと|||| Why would I do this? まあ 聞き なさい 、 これ から が 、 わがはい の 頭 の 良い ところ だ 。 |きき|||||||あたま||よい|| Now listen, my friend, that's where our brains come in. わがはい は 食料 袋 から 鶏肉 を 取り出す と 、 棒 の 先 に 突き刺して 、 「 さあ 、 キツネ くん 。 ||しょくりょう|ふくろ||けいにく||とりだす||ぼう||さき||つきさして||きつね| He took the chicken out of the bag and stuck it on the end of a stick and said, "Come on, fox-kun. 遠慮 なく 、 食べた まえ 」 と 、 キツネ の 鼻先 一 メートル ぐらい の ところ に 、 鶏肉 を 差し出した のだ 。 えんりょ||たべた|||きつね||はなさき|ひと|めーとる|||||けいにく||さしだした| Feel free to eat." He held out a chicken about a meter from the tip of the fox's nose. こう する と 、 肉 を 食べ たい けれど 口 が 届か ない 。 |||にく||たべ|||くち||とどか| In this way, we want to eat meat, but our mouths can't reach it. その もどかし さ に キツネ は イライラ して いた が 、 その うち に たまら なく なった の か 、   コーン ! ||||きつね||いらいら|||||||||||| The fox was frustrated by this frustration, but eventually it became too much for him, and he decided to take a break from the corn! と 、 ひと 声 なく と 、 キツネ の 顔 の 傷口 から 毛 の ない 裸 の キツネ が 飛び出して 、 肉 に かぶり ついた のだ 。 ||こえ|||きつね||かお||きずぐち||け|||はだか||きつね||とびだして|にく|||| A voice was heard, and a naked, hairless fox sprang out of the wound in the fox's face and bit into the flesh. もちろん あと に は 、 傷 一 つ ない 美しい 毛皮 だけ が 残った と いう わけだ 。 ||||きず|ひと|||うつくしい|けがわ|||のこった||| Of course, all that was left was a beautiful, unblemished pelt. 毛皮 が 無くなり 裸 に なった キツネ に は 、 いずれ 元通りの 毛皮 が 生える であろう 。 けがわ||なくなり|はだか|||きつね||||もとどおりの|けがわ||はえる| The fox, now naked and without fur, will eventually grow back its fur. こうして わがはい は 、 キツネ を 殺す 事 なく 毛皮 を 手 に 入れた のである 。 |||きつね||ころす|こと||けがわ||て||いれた| In this way, our company was able to obtain pelts without having to kill the foxes.

『 命 は 、 とても 大切な 物 。 いのち|||たいせつな|ぶつ Life is a very precious thing. 殺さ ず に すむ の なら 、 出来る 限り 殺さ ない 』   これ が 、 今日 の 教訓 だ 。 ころさ||||||できる|かぎり|ころさ||||きょう||きょうくん|

では 、 また 次の 機会 に 、 別の 話 を して やろう な 。 ||つぎの|きかい||べつの|はなし|||| Well, let's talk about something else another time.

おしまい