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星の王子さま ( The Little Prince ), 22: 第 5 章 砂漠 の 賢者 - page 22 - 21

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第 5 章 砂漠 の 賢者 -page 22 -21

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キツネ は 、そんな 時 に あらわれた 。 「こんにちは 」と キツネ は 王子さま に 声をかけた 。 「 こんにちは 」 と 王子 さま は 返事 を して 振り返った けれど 、 声 の した 方 に は 、 誰 も い なかった 。 「 こっち だ よ 。 リンゴ の 木 の 下 だ よ 」 と キツネ が 王子 さま を 見上げる 。

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王子 さま は 、 キツネ に 「 君 は 、 誰 ? とっても かわいい ね 」「 オイラ 、 キツネ さ 」 と キツネ は 応えた 。 「 ボク 、 今 とても 切ない ん だ 。 こっち に きて 、 一緒に 遊ぼう よ 」 と 王子 さま が 誘う と 、「 オイラ は 、 キミ と は 一緒に 遊べない よ 」 と キツネ は 言った 。 「 そもそも オイラ 、 キミ に 飼い馴らさ れちゃ いない から ね 」「 ごめんなさい 」 と 王子 さま は 申し訳な さ そう 謝った 。 でも 、疑問に思って 、王子さま は キツネ に 質問した 。 「飼い馴らす って 、一体 どういうことだい ? 」「キミ は この あたり の 人間 じゃないね 」と キツネ が 言った 。 「何か 探してる のかい ? 」「人間 を 探してる 」と 王子さま は 言った 。

「 ねぇ 飼い馴らすって 、 どういう こと な の ? 教えて よ 」「 人間 を 探してる だって ! 」 と キツネ は 驚いて 言った 。

「あいつら 、鉄砲 を 持って 、狩りをする んだ ぜ 。 敵味方 も かまわず 。 オイラ に とって は いい 迷惑だ よ ! オイラ に とって人間 は ニワトリ を 飼って いる と いう こと だけ が 取り柄 な ん だ 。 キミ は ニワトリ も 探している かい ? 」「ううん 。 僕 は ニワトリ は 探していない よ 」と 王子さま は 言った 。

「友だち を 探している んだ 。 ねぇ 、飼い馴らす って 、どういう こと ? 」「もう 誰も が 忘れてしまった こと だけど 、絆 を つくる って こと だよ 」と キツネ は 言った 。 「絆 を つくる ? 」「そう だよ 。 絆 を 作る という こと さ 」と キツネ は 言う 。

「オイラ に してみりゃ 、キミ は まだ 他 の 10万 人 の 男の子 と 何 の 変わり も ない 。 キミ でないと ダメ だって 理由 は どこ にも ない 。 キミ だって 、オイラ でないと ダメ だっていう 理由 は 、たぶん まだ ない だろ 。 キミ に して みて も 、 オイラ は 他の キツネ 10万 匹 と 何の 変わり もない から ね 。 でも 、 キミ が オイラ を 懐 ける こと に なったら 、 オイラ たち は お互い 相手 に そば に 居て 欲しいって 思う よう に なる だ ろ 。 キミ は 、 オイラ に とって 、 世界 に たった 一人 だけ の 存在 に なる し 、 オイラ も 、 キミ に とって 、 世界 で 1 匹 だけ の 存在 に なる ん だ 。 素晴らしい こと だ と 思わない かい 」「 ボク 、 少し だけ 、 わかって きた よ 」 と 王子 さま は 言った 。

「ボク の 住んでた とこ に は 、一輪 の バラ の 花 が ある んだけど 、彼女 は 、ボク を 懐けた んだ と 思う 」「そう かも ね 」と キツネ は 言った 。 「地球 じゃ 、どんな こと だって 起こる から ね 」

「えっ ! 地球 で の 話 じゃない よ 」と 王子さま は 応えた 。 キツネ は とっても 不思議がった 。 「違う 星 の 話 な の かい ? 」「うん 」「その 星 に は 、狩人 は いる かい ? 」「いない よ 」「いいねえ 。 じゃ ニワトリ は いる かい ? 」「ニワトリ は 、いない よ 」「そうか 、そう うまく はいかない もんだな 」と キツネ は ため息をついた 。 「オイラ の 毎日 は 、いつも 同じ こと の 繰り返し なんだ 。 オイラ は ニワトリ を 追いかけ 、人間 は オイラ を 追いかける 。 ニワトリ は どれもこれも みんな 同じ に 見える し 、人間 だって 誰もが みんな 同じ に 見える 。 だから 、オイラ ちょっと うんざりしている んだ 」

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「でも 、キミ が オイラ を 懐かせてくれたら 、オイラ の 毎日 は 、光 が 溢れた みたいに キラキラになる 。 オイラ は 、 キミ の 足音 を しっかり 聞き分けられる よう に なる だろう 。 他の 足音 なら 、 オイラ は 巣 穴 の 中 に 隠れる けど 、 キミ の 足音 だったら 、 ウキウキ して 巣 穴 から 跳ねて 出て いく よ 。

それから 、ほら 、あの 向こう の 黄金色 の 小麦畑 が 見える かい ? オイラ は パン を 食べない から 、 小麦って どう でも いい もの な ん だ 。 だから 、小麦畑 を 見ても 、何にも 感じない 。 それ って 、なんか 切ない と 思わない かい ? でも 、キミ の 髪の毛 が 黄金色 でしょ 。 だから 、黄金色 の 小麦畑 は 、オイラ にとって とても 想いのこもった もの に かわるんだ 、キミ が オイラ を 懐かせてくれたら 、黄金色 の 小麦畑 を 見て 、オイラ は キミ の こと を 思い出すよ 。 そうやって 、オイラ は 小麦 に 囲まれて 、風 の 音 に 耳を傾ける ようになる と 思うんだ 」キツネ は 静かに 王子さま を じっと 見つめた 。 「お願い が ある んだ 。 オイラ を 懐か せて おくれよ 」「 うん 、 よろこ ん 。」 と 王子さま は 返事をした 。 「でも 、あんまり 時間 が ない んだ 。 友達 を 見つけて 、 たくさんの こと を 知ら なきゃ いけない ん だ 。 そして 知らせ なきゃ いけない ん だ 」「 自分 の 懐か せた もの しか 、 わからない よ 」 と キツネ は 言った 。 「人 は 、暇 が ない から 、何 にも わからない 。 人間たち は 物売り の ところ で 、出来上がった もの だけ を 買う だけ なんだ 。 でも 、友だち を 売る やつ なんて 、どこにも いない から 、人間 には 、友だち って もの が いない 。 友だち が 欲しい なら 、 オイラ を 懐か せて おくれよ 」「 ボク は 何 を すれば いい の ? 」 と 王子 さま は 言った 。 「時間 を 犠牲にしなきゃいけない 」と キツネ は 答えた 。 「 まず 、 オイラ から ちょっと 離れた 場所 に キミ が 座る 。 例えば 、その 草むら とか に ね 。 オイラ は キミ を 横目 で 見て いる だけ 。 キミ は 何も しゃべらない 。 言葉 は ね 、すれ違い の 原因 なんだ 。 そうすると 、1日、1日、ちょっとずつそばに座ってもいいようになるんだ。 わかる かい ?」

次 の 日 、王子さま は また やってきた 。 「昨日 と 同じ 時間 に 、来た方がよかったのに 」と キツネ は 言った 。

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「 オイラ は キミ が 午後 の 4 時 に 来る なら 、3 時 に は もう ウキウキ して くる 。 それ から 時間 が どんどん 進む と 、 ますます ウキウキ して いる オイラ が いて 、4 時 に なる 頃 に は 、 ただ もう 、 ソワソワ ドキドキ 。 そう やって 、 オイラ は 、 幸せ を 感じる ん だ 。 でも 、 キミ が でたらめな 時間 に 来る なら 、 いつ 心 の 準備 を して いい ん だ か 、 オイラ わ から ないだ ろ 。 だから オイラ たち に は 、 決まり 事 が いる ん だ よ 」「 決まり 事って ? 」と 王子さま は 質問した 。 「これも 今 では 誰も が 忘れちゃった こと さ 」と キツネ は ため息をついた 。 「1日を他の1日と、1時間を他の1時間と、まったく別のものにしてしまうもののことなんだ。 たとえば 、 オイラ を 追いかける 狩人 に も 、 決まり 事 が ある ん だ 。 狩人たち は 、毎週 木曜日 は 村 の 娘たち と ダンスをする んだ 。 だから 、 木曜 は オイラ に とって 、 とても 心地 いい 日 な ん だ 。 オイラ は ブドウ 畑 まで ゆっくり ぶらぶら 歩いて行ける から ね 。 もし 、狩人たち が 曜日 を 決めずに ダンスをしていたら 、どの日 も みんな 同じようになって 、オイラ の 心 が 休まる 日 が なくなってしまう だろ 」こんなふうに 他愛もない 色々な こと を 話したり 、様々な 時間 を 過ごして 、王子さま と キツネ は 懐いていった 。 そして 、王子さま は そろそろ 行かなきゃならなくなった 。 「はあ 、もう 行ってしまう のかい 。 涙 が 出ちゃう ね 」と キツネ は 言った 。 「君 の せい だ よ 」と 王子さま は 言った 。 「ボク 、つらい こと は 大嫌い なんだ 。 でも 、君 は 、ボク に 懐けて 欲しかった んでしょ 」「そう だ よ 」と キツネ は 答えた 。 「でも 、今にも 泣きそうじゃないか 君 は 」「そうだね 」と キツネ は 言った 。 「 じゃあ 、 君 に は 何の いい こと もない じゃない か 、 ただ つらい だけ 」「 いい こと も あった よ 。 黄金色 の 小 麦畑 が 素敵な もの に なった し 」 と キツネ は 言った 。 それから こう 続けた 。 「キミ が 前 に 行った バラ の 庭 に 行ってみなよ 。 今 の キミ には 、キミ の バラ の 花 が 、世界 に たった 一つ だけ の 花 って こと が わかる はず だから 。 その あと 、オイラ の ところ へ 戻ってきたら 、秘密 を ひとつ 教えてあげるよ 。」

王子さま は 、キツネ に 言われた とおり 、バラ の 庭 に 行った 。 「君たち は 、ボク の バラ の 花 と は 、ちっとも 似ていない 。 君たち は 、まだ ボク にとって 何でもない 存在 の バラ なんだ 」と 王子さま は 、たくさん の バラ 達 に 言った 。 「誰 も 君たち を 懐けてない し 、君たち も 誰 も 懐けさせていない 。 君たち は 、出会った 頃 の ボク と キツネ と 同じ で 、他 の 男の子 10万 人 と 他 の キツネ 10万 匹 と 、何 の かわり も ない 」すると たくさん の バラ 達 は 、ばつが悪そうに うつむいていた 。 「君たち は きれい だけど 、空っぽ なんだ 」と 王子さま は 言葉 を 続けた 。 「君たち の ため に 死ぬ こと なんて ボク に は できない 。 もちろん 、ボク の バラ の 花 だって 、通りすがった 人 から 見れば 、君たち と 同じ バラ なんだ と 思う 。 でも 、ボク に とって は 、君たち 全部 よりも 、大切 な バラ の 花 なんだ 。 だって 、ボク が 水 を やった の は 、あの バラ の 花 だけ なんだから 。 だって 、 ボク が ガラス の 覆い を かぶせて 寒 さ から 守って やった の は 、 あの バラ の 花 だけ なんだから 。 だって 、 ボク が ついたて で 冷たい 風 から 守って やった の は 、 あの バラ の 花 だけ なんだから 。 だって 、 僕 が 毛虫 を 追い払って やった の も あの バラ の 花 だけ なんだから 。 (2、3 匹 、 チョウチョ に する ため に 残した けど ) だって 、 僕 が 、 文句 と か 、 自慢 と か 、 たまに 沈黙 だって 、 一緒に 過ごした の は 、 あの バラ の 花 だけ なんだから 。 だって 、 僕 の バラ の 花 な ん だから ……」 王子 さま は 、 泣いて いた 。 それから 、王子さま は 約束通り キツネ の ところ へ 戻った 。 「お別れだね 」と 王子さま が 言う と 「これでお別れさ 」と キツネ が 言った 。

「オイラ の 秘密 だけど 、すっごく 簡単 な こと なんだ 」

「いいかい 、本当に 大切 な こと は 、目 に は 見えない 。 ってことさ 」「本当に 大切 な こと は 、目 に は 見えない 」

「本当に 大切 な こと は 、目 に は 見えない 」

と 王子さま は 、忘れないように 繰り返した 。 「バラ の ため に 失くした キミ の 時間 が 、キミ の バラ を かけがえのない もの にしたんだよ 」「バラ の ため に 失くした ボク の 時間 ……」

「バラ の ため に 失くした ボク の 時間 ……」

と 王子さま は 、忘れないように 繰り返した 。 「いま 人間 は 、本質的 な こと を 、忘れてしまった のさ 」と キツネ は 言った 。

「でも 、キミ は 忘れてはいけない 。 キミ は 、自分 の 懐けた もの に対して 責任がある んだよ 。 何か を 返さなくちゃいけない 責任がある んだ 。 キミ は 、キミ の バラ に 、そ 「ボク は 、ボク の バラ に 責任がある 」

「ボク は 、ボク の バラ に 責任がある 」

と 王子さま は もう一度 、繰り返した 。 その 言葉 の 意味 の 重さ を 忘れないように 。

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