瘤 取り じいさん
昔 、 昔 ある ところ に 頬っぺた に 大きな 瘤 を 持つ お じいさん が 住んで いました 。
ある 日 お じいさん は 山 へ しばかり に 行きました 。
突然 雨 が 降って きた ので 、 お じいさん は 小さな お 堂 の 中 に 逃げ込みました 。
やがて お じいさん は 眠って しまいました 。
お 堂 の 外 の 賑やかな 音 で お じいさん は 目 を 覚ます と たくさんの 鬼 たち が 音楽 に 合わせて 踊ったり 、 お 酒 を 飲んだり して いました 。
お じいさん も 踊り たく なって お 堂 から 出る と 鬼 たち の 穴 の 中 に 入って しまいました 。
お じいさん の 踊り の うまさ に 鬼 たち も 大喜び です 。
夜 が 明ける 頃 、 鬼 の かしら が お じいさん に 言いました 。
「 実に 踊り が 上手じゃ 。
また 明日 の 夜 来 なさい 。
それ まで お前 さん の 瘤 を 預かって おく 。」
と 言って 瘤 を 取って しまいました 。
邪魔な 瘤 が 亡くなって 大喜び の お じいさん は 家 に 帰る と おばあ さん に その こと を 話しました 。
ところが その 話 を 隣り の いじわる じいさん が 聞いて いました 。
実は 、 いじわる じいさん に も 頬っぺた に 大きな こぶ が あって 、 いつも 邪魔 に 思って いた の です 。
次の 夜 、 いじわる じいさん は お 堂 に 隠れる と 鬼 が 来る の を 待ちました 。
しばらく する と 鬼 たち が あらわれ 、 踊り 始めました 。
いじわる じいさん は 鬼 が 恐くて しかたなかった です が 、 こぶ を 取って もらいたい ので 鬼 の 輪 の 中 に 入って 踊り 始めました 。
でも 踊り も 歌 も とても 下手 です 。
「 へー 、 下手くそ 。
こんな もの を 返して ある 。
二 度 と 来る な 。」
鬼 たち は とても 怒って 、 いじわる じいさん に も も 一つ こぶ を つけて しまいました 。
おしまい 。