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日本の昔話 (初級) // Japanese Folk Tales (beginner level), 竹から生まれた女の子

竹 から 生まれた 女の子

むかし むかし 、ある ところ に 、子ども の いない 、お じいさん と おばあ さん が 住んで いました。

「なあ 、ばあさん。 わし ら に も 子ども が ある と 、どんなに いい だろう ね」

「そう です ね。 でも 、わたし も お じいさん も 年 です から 、もう 無理です ね」

「そう だ な。 寂しい こと だ」

そんな ある 日 の 事 、お じいさん が 山 へ 竹 を 切り に 行く と 、何と 竹 の 切り口 から 小さな 女の子 が 飛び出して 来た のです。

「おおっ、これ は 神さま が 授けて 下さった に 違いない」

お じいさん は 大喜びで 女の子 を 家 に 連れて 帰る と 、それはそれは 大切に 育てました。

女の子 は すくすく 育って 、やがて とても きれいな 娘 に なりました。

ある 日 、娘 が 言いました。

「お じいさん 、おばあ さん 、わたし に 機織り (はたおり )を さ せて 下さい な」

「ああ 、いい と も 、いい と も」

お じいさん は さっそく 町 へ 行って 、機織り 道具 を 買いました。

そして 娘 は 、機織り 道具 を 自分 の 部屋 に 置いて もらう と、

「お 願い です から 、どんな 事 が あって も 、機 を 織る ところ を 見 ないで 下さい な」

と 、頼みました。

それ から 何 日 か して 、娘 は 出来上がった 布 を お じいさん に 渡して 言いました。

「これ を 、町 で 売って 下さい な」

その 布 は 、たちまち 高い お 金 で 売れました。

お じいさん は 布 が 出来る たび に 町 へ 売り に 行き 、たくさん お 金 を もらって 帰って きました。

おかげ で 貧しかった 家 も 、みるみる お 金持ち に なりました。

「それにしても 、何て 不思議な 布 だ。 売った 人 に 聞いた が 、あの 布 で 着物 を 作る と 心 まで 温かく なる そうな」

「ほん に のう。 いったい 、どう やって あんな 布 が 織 れる のでしょう ね」

お じいさん と おばあ さん が 、その わけ を 娘 に 尋ねて も、

「はい 、『お じいさん も お ばあさん も 幸せなれます 様 に 』と 、神さま に お 祈り を して 、一生懸命 織る だけ です わ」

と 、言う ばかりです。

でも ある 日 、とうとう 我慢 出来 なく なった 二 人 は 娘 と の 約束 を 破って 、こっそり 娘 の 部屋 を 覗いた のです。

すると 、どう でしょう。

部屋 の 中 で は 小鳥 が 一 羽 、自分 の 柔らかい 羽 を 抜いて 、それ を 布 に 混ぜ ながら 機 を 織って いた のです。

小鳥 は すっかり やせこけて 、羽 は すっかり ボロボロ です。

「まさか 、あの 娘 が 小鳥 だ なんて」

二 人 は 思わず 、顔 を 見合わせました。

その 途端 、小鳥 は、

「ピィー」

と 、悲し そうに 鳴き 、そのまま 外 へ 飛び出して 山 の 方 へ 飛んで 行きました。

「ああ 、娘 や。 約束 を 破って 悪かった。 謝る から 、帰って 来 ておくれ」

でも 、小鳥 は 二度と 帰って は 来ません でした。

こうして お じいさん と おばあ さん は 、また 子ども の いない さびしい 毎日 を 送る 様 に なりました。

おしまい

竹 から 生まれた 女の子 たけ||うまれた|おんなのこ Aus Bambus geborenes Mädchen A girl born of bamboo Niña nacida del bambú Fille née d'un bambou Meisje geboren uit bamboe menina nascida de bambu Девочка, родившаяся из бамбука Flicka född av bambu 竹子生下的女孩 竹生女

むかし むかし 、ある ところ に 、子ども の いない 、お じいさん と おばあ さん が 住んで いました。 |||||こども|||||||||すんで|い ました Once upon a time, there lived an old man and an old woman with no children. Érase una vez un anciano y una anciana sin hijos. Era uma vez um velho e uma velha que não tinham filhos.

「なあ 、ばあさん。 "Hey, grandmother. Olá, avó. わし ら に も 子ども が ある と 、どんなに いい だろう ね」 ||||こども||||||| How good would it be if we had children too? " ¿Qué tan bueno sería si tuviéramos hijos también?". Como seria bom se tivéssemos filhos também."

「そう です ね。 でも 、わたし も お じいさん も 年 です から 、もう 無理です ね」 ||||||とし||||むりです| But I and my grandfather are old, so it's impossible anymore. " Mas eu e meu avô somos velhos, então não é mais possível."

「そう だ な。 Sim, é isso mesmo. 寂しい こと だ」 さびしい|| It ’s lonely. ” É solitário."

そんな ある 日 の 事 、お じいさん が 山 へ 竹 を 切り に 行く と 、何と 竹 の 切り口 から 小さな 女の子 が 飛び出して 来た のです。 ||ひ||こと||||やま||たけ||きり||いく||なんと|たけ||きりくち||ちいさな|おんなのこ||とびだして|きた| One day, when an old man went to the mountain to cut bamboo, a little girl jumped out of the cut end of the bamboo. Um dia, quando o velho foi para as montanhas cortar bambu, uma garotinha pulou do corte do bambu.

「おおっ、これ は 神さま が 授けて 下さった に 違いない」 おお っ|||かみさま||さずけて|くださった||ちがいない "Oh, this must have been bestowed by God."

お じいさん は 大喜びで 女の子 を 家 に 連れて 帰る と 、それはそれは 大切に 育てました。 |||おおよろこびで|おんなのこ||いえ||つれて|かえる|||たいせつに|そだて ました The old man was overjoyed to take the girl home and it was taken care of. El anciano estaba encantado de llevar a la niña a casa y se encargó de ella.

女の子 は すくすく 育って 、やがて とても きれいな 娘 に なりました。 おんなのこ|||そだって||||むすめ||なり ました The girl grew up quickly and eventually became a very pretty girl.

ある 日 、娘 が 言いました。 |ひ|むすめ||いい ました

「お じいさん 、おばあ さん 、わたし に 機織り (はたおり )を さ せて 下さい な」 ||||||はたおり|||||ください| "Grandfather, grandmother, please give me a weave."

「ああ 、いい と も 、いい と も」 "Oh, good, good"

お じいさん は さっそく 町 へ 行って 、機織り 道具 を 買いました。 ||||まち||おこなって|はたおり|どうぐ||かい ました

そして 娘 は 、機織り 道具 を 自分 の 部屋 に 置いて もらう と、 |むすめ||はたおり|どうぐ||じぶん||へや||おいて|| And when she asked her to put the weaving tools in her room,

「お 願い です から 、どんな 事 が あって も 、機 を 織る ところ を 見 ないで 下さい な」 |ねがい||||こと||||き||おる|||み||ください| "It's a wish, so no matter what happens, don't look at the weaving of the machine."

と 、頼みました。 |たのみ ました

それ から 何 日 か して 、娘 は 出来上がった 布 を お じいさん に 渡して 言いました。 ||なん|ひ|||むすめ||できあがった|ぬの|||||わたして|いい ました A few days later, the daughter handed the finished cloth to her grandfather and said.

「これ を 、町 で 売って 下さい な」 ||まち||うって|ください| "Please sell this in the town."

その 布 は 、たちまち 高い お 金 で 売れました。 |ぬの|||たかい||きむ||うれ ました The cloth quickly sold for a high price.

お じいさん は 布 が 出来る たび に 町 へ 売り に 行き 、たくさん お 金 を もらって 帰って きました。 |||ぬの||できる|||まち||うり||いき|||きむ|||かえって|き ました Every time he made a cloth, he went to the town to sell it, and he got a lot of money and came back.

おかげ で 貧しかった 家 も 、みるみる お 金持ち に なりました。 ||まずしかった|いえ||||かねもち||なり ました Thanks to that, the poor house has become rich.

「それにしても 、何て 不思議な 布 だ。 |なんて|ふしぎな|ぬの| "Anyway, what a mysterious cloth. 売った 人 に 聞いた が 、あの 布 で 着物 を 作る と 心 まで 温かく なる そうな」 うった|じん||きいた|||ぬの||きもの||つくる||こころ||あたたかく||そう な I asked the person who sold it, but it seems that making a kimono with that cloth will warm your heart. " Le pregunté a la persona que lo vendió, pero parece que hacer un kimono con esa tela te calentará el corazón".

「ほん に のう。 "Really. いったい 、どう やって あんな 布 が 織 れる のでしょう ね」 ||||ぬの||お||| How on earth is such a cloth woven? "

お じいさん と おばあ さん が 、その わけ を 娘 に 尋ねて も、 |||||||||むすめ||たずねて| Even if my grandfather and grandfather ask my daughter why,

「はい 、『お じいさん も お ばあさん も 幸せなれます 様 に 』と 、神さま に お 祈り を して 、一生懸命 織る だけ です わ」 |||||||しあわせなれ ます|さま|||かみさま|||いのり|||いっしょうけんめい|おる||| "Yes, I pray to God and weave hard, saying,'May my grandfather and grandmother be happy.'"

と 、言う ばかりです。 |いう| I just say.

でも ある 日 、とうとう 我慢 出来 なく なった 二 人 は 娘 と の 約束 を 破って 、こっそり 娘 の 部屋 を 覗いた のです。 ||ひ||がまん|でき|||ふた|じん||むすめ|||やくそく||やぶって||むすめ||へや||のぞいた| But one day, the two, who couldn't stand it, broke their promise with their daughter and sneaked into her room.

すると 、どう でしょう。 What then?

部屋 の 中 で は 小鳥 が 一 羽 、自分 の 柔らかい 羽 を 抜いて 、それ を 布 に 混ぜ ながら 機 を 織って いた のです。 へや||なか|||ことり||ひと|はね|じぶん||やわらかい|はね||ぬいて|||ぬの||まぜ||き||おって|| In the room, a little bird was weaving the machine, pulling out his soft feathers and mixing them with the cloth.

小鳥 は すっかり やせこけて 、羽 は すっかり ボロボロ です。 ことり||||はね|||ぼろぼろ| The little bird is very thin, and its wings are all ragged.

「まさか 、あの 娘 が 小鳥 だ なんて」 ||むすめ||ことり|| "No way, that girl is a little bird."

二 人 は 思わず 、顔 を 見合わせました。 ふた|じん||おもわず|かお||みあわせ ました The two of them looked at each other involuntarily.

その 途端 、小鳥 は、 |とたん|ことり| At that moment, the little bird

「ピィー」

と 、悲し そうに 鳴き 、そのまま 外 へ 飛び出して 山 の 方 へ 飛んで 行きました。 |かなし|そう に|なき||がい||とびだして|やま||かた||とんで|いき ました He screamed sadly and jumped out and flew toward the mountain.

「ああ 、娘 や。 |むすめ| "Oh my daughter. 約束 を 破って 悪かった。 やくそく||やぶって|わるかった It was bad to break my promise. 謝る から 、帰って 来 ておくれ」 あやまる||かえって|らい| I apologize, so please come back."

でも 、小鳥 は 二度と 帰って は 来ません でした。 |ことり||にどと|かえって||き ませ ん| But the little bird never came back.

こうして お じいさん と おばあ さん は 、また 子ども の いない さびしい 毎日 を 送る 様 に なりました。 ||||||||こども||||まいにち||おくる|さま||なり ました In this way, grandfathers and aunts are now living a lonely life without children.

おしまい end