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日本の昔話 (初級) // Japanese Folk Tales (beginner level), 黒い つばき の 花

黒い つばき の 花

むかし むかし 、吉四六 さん と 言う 、とても ゆかいな 人 が いました。

さて 、国 の お 殿さま が 吉四六 さん の うわさ を 聞いて 、家来 たち に 言いました。

「いくら とんち の 名人 でも 、わし を だます 事 は 出来 まい。 さっそく 、連れて まいれ」

そこ で 家来 が 、吉四六 さん を 連れて 来ました。

吉四六 さん が 殿さま の 前 に 行く と 、殿さま は 後ろ に ある 刀 を 指差して 言いました。

「お前 は とんち の 名人 だ そうだ が 、わし を うまく だませたら この 刀 を やろう。 だが 失敗 したら 、お前 の 首 を もらう ぞ」

それ を 聞いて 、吉四六 さん は びっくり です。

「と 、とんでもない。 殿さま を だます なんて。 どうか 、お 許し 下さい」

吉四六 さん は 泣き そうな 声 で あやまりました が 、でも 殿さま は 承知 しません。

そこで 吉四六 さん は 、殿さま に 言いました。

「わたし に は 、殿さま を だます 事 は 出来ません。 いさぎよく 首 を 切ら れましょう。 だけど 首 を 切ら れる 前 に 、一 つ だけ お 願い が あります」

「わかった。 言って みろ」

「実は 今朝 、わたし の 家 の 庭 に まっ黒 な つばき の 花 が 咲きました。 わたし が こんな 事 に なった の も 、縁起 の 悪い 花 が 咲いた から です。 せめて この 花 を 叩き 切って から 、首 を 切ら れたい と 思います」

「何? まっ黒 な つばき の 花 だ と。 そんな 花 が 、咲く はず が ない。 わし を だまそう たって 、そう は いか ない ぞ」

「いいえ 、本当です。 うそ だ と おっしゃる なら 、取って きましょう か?

「よし 、すぐに 取って 来い」

そこ で 吉四六 さん は 、急いで 家 に 帰って 行きました。

でも 黒い つばき の 花 なんか 、どこ に も 咲いて いません。

吉四六 さん は 、そのまま 殿さま の ところ へ 戻って、

「すみません。 とても 硬い 木 で 、のこぎり や オノ で は 切れません。 どう か 、その 刀 を 貸して 下さい」

と 、言いました。

すると 殿さま は 、イライラ して、

「よし 、貸して やろう。 その 代わり に すぐ 切り取って 来 ない と 、首 を はねる ぞ!

さて 、刀 を 貸して もらった 吉四六 さん は 大喜びで 帰って 行き 、それっきり 殿さま の 所 へ は 戻って は きません でした。

次の 日 、殿さま が 怒って 家来 を 吉四六 さん の 家 に 行か せる と 、吉四六 さん は すました 顔 で 言いました。

「黒い つばき の 花 なんて 、咲く わけ ない でしょう。 約束 通り 、お 殿さま を だまして 刀 を 頂きました よ」

それ を 聞いた 殿さま は、

「しまった。 見事に やられた わ」

と 、 怒る に も 怒れ ず 、とても くやしがった そうです。

おしまい

黒い つばき の 花 くろい|||か Schwarze Kamelienblüte Black camellia flower Flor de camelia negra Fleur de camélia noir Fiore di camelia nera 검은 동백나무 꽃 Zwarte camelia bloem Flor de camélia preta черный цветок камелии 黑色山茶花 黑色山茶花

むかし むかし 、吉四六 さん と 言う 、とても ゆかいな 人 が いました。 ||きち しろく|||いう|||じん||い ました Once upon a time, there was a very happy person, Mr. Yoshi 46. Жил-был очень приятный человек по имени Ёсишироку.

さて 、国 の お 殿さま が 吉四六 さん の うわさ を 聞いて 、家来 たち に 言いました。 |くに|||とのさま||きち しろく|||||きいて|けらい|||いい ました Now, the lord of the country heard the rumor of Mr. Yoshi 46 and told his servants. Теперь, когда владыка страны услышал слух о Ёсишироку, он рассказал об этом своим вассалам. 現在,當國君聽到義四六的傳聞時,他告訴了他的家臣。

「いくら とんち の 名人 でも 、わし を だます 事 は 出来 まい。 |||めいじん|||||こと||でき| "No matter how much a master of Tonchi, I can't fool me. Peu importe à quel point tu es doué pour tes tours, tu ne peux pas me tromper. «Неважно, насколько ты опытен, тебе меня не одурачить. “无论你的技术有多高超,都骗不了我。” さっそく 、連れて まいれ」 |つれて| Take me now. " Немедленно возьми меня». 赶紧带我去吧。” 馬上,帶上我。”

そこ で 家来 が 、吉四六 さん を 連れて 来ました。 ||けらい||きち しろく|||つれて|き ました There, a servant brought Mr. Yoshi 46. Итак, слуга привел Ёсишироку. 然後一個家臣帶來了吉四六。

吉四六 さん が 殿さま の 前 に 行く と 、殿さま は 後ろ に ある 刀 を 指差して 言いました。 きち しろく|||とのさま||ぜん||いく||とのさま||うしろ|||かたな||ゆびさして|いい ました When Mr. Yoshishiroku went to the front of the lord, the lord pointed to the sword behind him and said. Когда Кичишироку подошел к лорду, лорд указал на меч позади него и сказал: 義四六走到領主面前時,領主指著身後的劍說道:

「お前 は とんち の 名人 だ そうだ が 、わし を うまく だませたら この 刀 を やろう。 おまえ||||めいじん||そう だ|||||||かたな|| "You are a master of Tonchi, but if you do something wrong with me, I'll do this sword. «Я слышал, ты мастер фехтования, но если тебе удастся меня обмануть, я дам тебе этот меч. “聽說你是劍術高手,若能騙過我,這把劍就送給你。 だが 失敗 したら 、お前 の 首 を もらう ぞ」 |しっぱい||おまえ||くび||| But if you fail, I'll get your neck. " Но если ты потерпишь неудачу, я возьму твою голову».

それ を 聞いて 、吉四六 さん は びっくり です。 ||きいて|きち しろく|||| When I heard that, Mr. Yoshi 46 was surprised. Кисироку был удивлен, услышав это. 聽到這話,義四郎吃了一驚。

「と 、とんでもない。 "That's ridiculous. "Я не могу в это поверить. “我簡直不敢相信。 殿さま を だます なんて。 とのさま||| How do you deceive the lord? Как ты посмел обмануть своего господина. 竟敢欺君。 どうか 、お 許し 下さい」 ||ゆるし|ください Please forgive me. " Пожалуйста, пожалуйста, прости меня». 請原諒我。”

吉四六 さん は 泣き そうな 声 で あやまりました が 、でも 殿さま は 承知 しません。 きち しろく|||なき|そう な|こえ||あやまり ました|||とのさま||しょうち|し ませ ん Kichishiroku-san apologized for crying, but the lord didn't agree. Кичишироку-сан извинился за слезы, но лорд не согласился. 吉六先生用快要哭的声音道歉,但领主却听不懂。 吉四六同學哭著道歉,但禦主不同意。

そこで 吉四六 さん は 、殿さま に 言いました。 そこ で|きち しろく|||とのさま||いい ました Then Yoshishiroku said to the lord. Тогда Ёсишироку сказал лорду. 接著義白六對領主說道。

「わたし に は 、殿さま を だます 事 は 出来ません。 |||とのさま|||こと||でき ませ ん "I can't fool you. - Я не могу обмануть вас, мой лорд. “我無法欺騙您,我的主人。 いさぎよく 首 を 切ら れましょう。 |くび||きら|れ ましょう Let's be decapitated. Qu'ils soient décapités en toute impunité. Давайте будем обезглавлены изящно. 讓我們優雅地被斬首吧。 だけど 首 を 切ら れる 前 に 、一 つ だけ お 願い が あります」 |くび||きら||ぜん||ひと||||ねがい||あり ます But before I get decapitated, I have only one wish. " Но прежде чем мне отрубят голову, я хочу попросить вас об одной услуге». 但在我被砍头之前,我想请你帮我一个忙。” 但在我被砍頭之前,我想請你幫我一個忙。”

「わかった。 "all right. “明白了。 言って みろ」 いって| Say it. " Скажи это." 告诉我。”

「実は 今朝 、わたし の 家 の 庭 に まっ黒 な つばき の 花 が 咲きました。 じつは|けさ|||いえ||にわ||まっ くろ||||か||さき ました "Actually, this morning, a black camellia flower bloomed in the garden of my house. «На самом деле, сегодня утром в моем саду расцвел черный как смоль цветок камелии. “其實,今天早上我的花園裡開了一朵漆黑的山茶花。 わたし が こんな 事 に なった の も 、縁起 の 悪い 花 が 咲いた から です。 |||こと|||||えんぎ||わるい|か||さいた|| The reason I ended up in this situation was because an unlucky flower bloomed. Причина, по которой я оказался в таком положении, заключалась в том, что расцвел несчастливый цветок. 之所以会落到这个地步,是因为开了一朵倒霉的花。 我之所以落得如此下場,是因為開了一朵倒霉的花。 せめて この 花 を 叩き 切って から 、首 を 切ら れたい と 思います」 ||か||たたき|きって||くび||きら|れ たい||おもい ます At the very least, I'd like to cut off this flower and then cut off my neck. " Я хотел бы хотя бы срезать этот цветок, а затем отрезать ему головку». 我想至少砍掉這朵花,然後砍掉它的頭。”

「何? なん まっ黒 な つばき の 花 だ と。 まっ くろ||||か|| It's a black camellia flower. Черный как смоль цветок камелии. そんな 花 が 、咲く はず が ない。 |か||さく||| Such a flower cannot bloom. Не может такой цветок расцвести. 这样的花是不可能绽放的。 這樣的花是不可能開的。 わし を だまそう たって 、そう は いか ない ぞ」 If you cheat me, you can't do that. " Попытка обмануть меня не сработает». 想騙我是行不通的。”

「いいえ 、本当です。 |ほんとうです No, really. "Нет, это верно. うそ だ と おっしゃる なら 、取って きましょう か? |||||とって|き ましょう| If you say it's a lie, should I take it? Если ты скажешь, что это ложь, я приму это?

「よし 、すぐに 取って 来い」 ||とって|こい "OK, get it right away." «Хорошо, иди сейчас».

そこ で 吉四六 さん は 、急いで 家 に 帰って 行きました。 ||きち しろく|||いそいで|いえ||かえって|いき ました So Mr. Kishiroku hurried home. Итак, Ёсишироку поспешил домой.

でも 黒い つばき の 花 なんか 、どこ に も 咲いて いません。 |くろい|||か|||||さいて|いま せ ん But the black camellia flowers aren't blooming anywhere. Но цветы черной камелии нигде не цветут.

吉四六 さん は 、そのまま 殿さま の ところ へ 戻って、 きち しろく||||とのさま||||もどって Kishiroku returned to his lord, Ёсишироку вернулся к лорду и сказал:

「すみません。 とても 硬い 木 で 、のこぎり や オノ で は 切れません。 |かたい|き||||おの|||きれ ませ ん It is a very hard wood and cannot be cut with a saw or an ax. Древесина очень твердая, ее нельзя разрезать пилой или топором. どう か 、その 刀 を 貸して 下さい」 |||かたな||かして|ください Please lend me that sword." Пожалуйста, одолжи мне этот меч».

と 、言いました。 |いい ました He said.

すると 殿さま は 、イライラ して、 |とのさま||いらいら| Then the lord was frustrated and Тогда владыка рассердился и сказал: 然后,主人生气了,说: 領主生氣了,說:

「よし 、貸して やろう。 |かして| "Okay, let me borrow it. «Хорошо, давай я позаимствую. その 代わり に すぐ 切り取って 来 ない と 、首 を はねる ぞ! |かわり|||きりとって|らい|||くび||| Instead, if you don't cut it out right away, you'll hit your neck! Если ты не отрежешь его сразу, я тебя обезглавлю! "

さて 、刀 を 貸して もらった 吉四六 さん は 大喜びで 帰って 行き 、それっきり 殿さま の 所 へ は 戻って は きません でした。 |かたな||かして||きち しろく|||おおよろこびで|かえって|いき||とのさま||しょ|||もどって||き ませ ん| By the way, Mr. Yoshishiroku, who lent me a sword, went home with great joy and could not return to the place of the lord. Ёсишироку, позаимствовавший меч, с великой радостью отправился домой и больше никогда не возвращался в дом лорда.

次の 日 、殿さま が 怒って 家来 を 吉四六 さん の 家 に 行か せる と 、吉四六 さん は すました 顔 で 言いました。 つぎの|ひ|とのさま||いかって|けらい||きち しろく|||いえ||いか|||きち しろく||||かお||いい ました The next day, the lord was angry and sent his servant to Mr. Yoshi 46's house, Mr. Yoshi 46 said with a smirk face. На следующий день, когда лорд рассердился и отправил слуг в дом Кичишироку, Кичишироку сказал с каменным лицом. 第二天,当大人生气将仆人送到吉白家时,吉白板着脸说道。

「黒い つばき の 花 なんて 、咲く わけ ない でしょう。 くろい|||か||さく||| "A black camellia flower can't bloom. «Не может быть, чтобы цветок черной камелии расцвел. “黑色的山茶花是不可能開的。 約束 通り 、お 殿さま を だまして 刀 を 頂きました よ」 やくそく|とおり||とのさま|||かたな||いただき ました| As promised, I tricked the lord into getting a sword. " Как и обещал, я обманом заставил лорда отдать мне меч». 我果然如約,騙君上賜我劍。”

それ を 聞いた 殿さま は、 ||きいた|とのさま| The lord who heard it

「しまった。 "Oops. 見事に やられた わ」 みごとに|| I was brilliantly done. " Вы проделали хорошую работу." 你做的非常出色。”

と 、 怒る に も 怒れ ず 、とても くやしがった そうです。 |いかる|||いかれ||||そう です He said that he couldn't get angry even if he got angry, and he was very frustrated. Il était tellement frustré qu'il ne pouvait même pas se mettre en colère. Он сказал, что не может разозлиться, даже если разозлится, и он очень расстроен. 他說自己就是發火也發不上來,心裡很鬱悶。

おしまい