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スガン さん の ヤギ
スガン さん の ヤギ
ヤギ 飼い の スガン さん は 、 ヤギ で いい 思い を した 事 が あり ませ ん 。
これ まで たくさんの ヤギ を 飼って き ました が 、 ヤギ たち は いつも つな を 引きちぎって 、 山 へ 逃げ 出して は オオカミ に 食 ベ ら れて しまう のです 。
でも スガン さん は 、 あきらめ ませ ん でした 。
「 今度 は 、 もっと 家 に なつく ように 、 うんと 若い ヤギ を 飼う 事 に しよう 」 こうして スガン さん の 家 に は 、 まっ 白 な 毛 に 包ま れた ピカピカ に 美しい メス の ヤギ が 来る こと に なり ました 。
ヤギ は おとなしい 性格 で 、 乳 を しぼら れる とき も ジッと して い ます 。
「 やっと 、 おれ の 家 に いい 子 が きて くれた ぞ 」 スガン さん は 、 大喜び し ました 。
けれど それ は 、 とんだ 思い違い でした 。
ヤギ は 毎日 、 山 の 方 を ながめ ながら 考えて い ました 。
「 ああ 、 森 や 林 の 中 を 自由に かけ 回れたら 、 どんなに か 幸せでしょう 」 その うち に ヤギ は やせて きて 、 お 乳 の 出 も 悪く なって き ました 。
「 ねえ 、 スガン さん 。
わたし を 、 山 へ 行か せて ください 」 ある 日 、 ヤギ が 言い ます と 、 「 草 が 、 足り ない の か ?
」 スガン さん は 、 聞き 返し ました 。
「 いいえ 」 「 じゃあ 、 どうして ほしい ?
」 「 山 へ 行き たい んです 。
スガン さん 」 「 だめだ 。
山 に は 、 オオカミ が いる んだ ぞ 」 「 大丈夫 。
ツノ で 、 突いて やり ます 」 「 だめだ 。
だめだったら 、 だめだ !
」 「 お 願い 。
どうしても 、 行き たい のです !
」 あんまり 聞き分け が ない ので スガン さん は 腹 を 立てる と 、 ヤギ を まっ 暗 な 小屋 に 押し 込めて しまい ました 。
けれど スガン さん が 戸 を 閉めた 時 に は 、 すばしこい ヤギ は 窓 から 外 へ 逃げ 出して いた のです 。
ヤギ は いちもくさんに 山 へ かけあがる と 、 色とりどりの 草 を 食べて 、 しげみ の 中 を 転げ 回り ました 。
もう 、 じゃまな つな も 、 くい も なければ 、 毎日 、 あじけない 芝 草 ( しば くさ ) を がまん して 食 ベ る こと も ない のです 。
ヤギ は 岩場 に 横 に なる と 、 はるか 山すそ に 見える スガン さん の 家 を 見下ろし ました 。
「 なんて ちっぽけな 所 に 、 わたし は 閉じ 込め られて いた んだろう 。
でも 、 もう 自由だ わ 。
アハハハハ 」 ヤギ は 、 涙 が 出る ほど 笑い ました 。
ところが 日 が くれ かかり 、 あたり が 暗く なり はじめ ます と 、 「 ワォーーーーン 」 どこ から か 、 オオカミ の 遠ぼえ が 聞こえて き ました 。
谷間 から は 、 スガン さん の ヤギ を 呼ぶ ラッパ の 音 が ひびいて き ます 。
けれど ヤギ は 、 二度と 小屋 へ 戻る つもり は あり ませ ん 。
と 、 その 時 、 すぐ 後ろ に ギラギラ と 光る 2 つ の 目玉 が せまって い ました 。
オオカミ です 。
ヤギ は 夢中で ツノ を 突き 立てる と 、 オオカミ に いどみ ました 。
スガン さん の ヤギ は 、 良く たたかい ました 。
なにしろ 、 夜明け まで がんばった のです から 。
けれど 朝 に は 、 オオカミ の えじき に なって しまった のです 。
おしまい
スガン さん の ヤギ
|||やぎ
Mr. Sugan's goat
スガン さん の ヤギ
|||やぎ
ヤギ 飼い の スガン さん は 、 ヤギ で いい 思い を した 事 が あり ませ ん 。
やぎ|かい|||||やぎ|||おもい|||こと||||
これ まで たくさんの ヤギ を 飼って き ました が 、 ヤギ たち は いつも つな を 引きちぎって 、 山 へ 逃げ 出して は オオカミ に 食 ベ ら れて しまう のです 。
|||やぎ||かって||||やぎ||||||ひきちぎって|やま||にげ|だして||おおかみ||しょく|||||の です
でも スガン さん は 、 あきらめ ませ ん でした 。
「 今度 は 、 もっと 家 に なつく ように 、 うんと 若い ヤギ を 飼う 事 に しよう 」 こうして スガン さん の 家 に は 、 まっ 白 な 毛 に 包ま れた ピカピカ に 美しい メス の ヤギ が 来る こと に なり ました 。
こんど|||いえ|||よう に||わかい|やぎ||かう|こと|||||||いえ||||しろ||け||つつま||ぴかぴか||うつくしい|めす||やぎ||くる||||
ヤギ は おとなしい 性格 で 、 乳 を しぼら れる とき も ジッと して い ます 。
やぎ|||せいかく||ちち||||||じっと|||
「 やっと 、 おれ の 家 に いい 子 が きて くれた ぞ 」 スガン さん は 、 大喜び し ました 。
|||いえ|||こ||||||||おおよろこび||
けれど それ は 、 とんだ 思い違い でした 。
||||おもいちがい|
ヤギ は 毎日 、 山 の 方 を ながめ ながら 考えて い ました 。
やぎ||まいにち|やま||かた||||かんがえて||
「 ああ 、 森 や 林 の 中 を 自由に かけ 回れたら 、 どんなに か 幸せでしょう 」 その うち に ヤギ は やせて きて 、 お 乳 の 出 も 悪く なって き ました 。
|しげる||りん||なか||じゆうに||まわれたら|||しあわせでしょう||||やぎ|||||ちち||だ||わるく|||
「 ねえ 、 スガン さん 。
わたし を 、 山 へ 行か せて ください 」 ある 日 、 ヤギ が 言い ます と 、 「 草 が 、 足り ない の か ?
||やま||いか||||ひ|やぎ||いい|||くさ||たり|||
」 スガン さん は 、 聞き 返し ました 。
|||きき|かえし|
「 いいえ 」 「 じゃあ 、 どうして ほしい ?
」 「 山 へ 行き たい んです 。
やま||いき||ん です
スガン さん 」 「 だめだ 。
山 に は 、 オオカミ が いる んだ ぞ 」 「 大丈夫 。
やま|||おおかみ|||||だいじょうぶ
ツノ で 、 突いて やり ます 」 「 だめだ 。
||ついて|||
だめだったら 、 だめだ !
」 「 お 願い 。
|ねがい
どうしても 、 行き たい のです !
|いき||の です
」 あんまり 聞き分け が ない ので スガン さん は 腹 を 立てる と 、 ヤギ を まっ 暗 な 小屋 に 押し 込めて しまい ました 。
|きき わけ|||||||はら||たてる||やぎ|||あん||こや||おし|こめて||
けれど スガン さん が 戸 を 閉めた 時 に は 、 すばしこい ヤギ は 窓 から 外 へ 逃げ 出して いた のです 。
||||と||しめた|じ||||やぎ||まど||がい||にげ|だして||の です
ヤギ は いちもくさんに 山 へ かけあがる と 、 色とりどりの 草 を 食べて 、 しげみ の 中 を 転げ 回り ました 。
やぎ|||やま||||いろとりどりの|くさ||たべて|||なか||ころげ|まわり|
もう 、 じゃまな つな も 、 くい も なければ 、 毎日 、 あじけない 芝 草 ( しば くさ ) を がまん して 食 ベ る こと も ない のです 。
|||||||まいにち||しば|くさ||||||しょく||||||の です
ヤギ は 岩場 に 横 に なる と 、 はるか 山すそ に 見える スガン さん の 家 を 見下ろし ました 。
やぎ||いわば||よこ|||||やますそ||みえる||||いえ||みおろし|
「 なんて ちっぽけな 所 に 、 わたし は 閉じ 込め られて いた んだろう 。
||しょ||||とじ|こめ|||
でも 、 もう 自由だ わ 。
||じゆうだ|
アハハハハ 」 ヤギ は 、 涙 が 出る ほど 笑い ました 。
|やぎ||なみだ||でる||わらい|
ところが 日 が くれ かかり 、 あたり が 暗く なり はじめ ます と 、 「 ワォーーーーン 」 どこ から か 、 オオカミ の 遠ぼえ が 聞こえて き ました 。
|ひ||||||くらく|||||ワォー---ン||||おおかみ||とおぼえ||きこえて||
谷間 から は 、 スガン さん の ヤギ を 呼ぶ ラッパ の 音 が ひびいて き ます 。
たにま||||||やぎ||よぶ|||おと||||
けれど ヤギ は 、 二度と 小屋 へ 戻る つもり は あり ませ ん 。
|やぎ||にどと|こや||もどる|||||
と 、 その 時 、 すぐ 後ろ に ギラギラ と 光る 2 つ の 目玉 が せまって い ました 。
||じ||うしろ||ぎらぎら||ひかる|||めだま||||
オオカミ です 。
おおかみ|
ヤギ は 夢中で ツノ を 突き 立てる と 、 オオカミ に いどみ ました 。
やぎ||むちゅうで|||つき|たてる||おおかみ|||
スガン さん の ヤギ は 、 良く たたかい ました 。
|||やぎ||よく||
なにしろ 、 夜明け まで がんばった のです から 。
|よあけ|||の です|
けれど 朝 に は 、 オオカミ の えじき に なって しまった のです 。
|あさ|||おおかみ||||||の です
おしまい
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