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シュタインズ・ゲート ゼロ, シュタインズ・ゲート ゼロ (10)

( CD プレーヤー の 音楽 )

( 真 帆 ( ま ほ )) アマデウス と サリエリ

紅 莉栖 ( くり す ) と 私

天 賦 の 才 を 与え られた アマデウス ・ モーツァルト

彼 を 終生 の ライバル だ と 考えて いた ―

アントニオ ・ サリエリ

( 紅 莉栖 ) K ( ケッヘル )311

モーツァルト 「 ピアノ ・ ソナタ 第 11 番 イ 長調 第 1 楽章 」

( 真 帆 ) あなた モーツァルト 好きな の ?

( 紅 莉栖 ) かじった 程度 です けど …

“ 死 と は モーツァルト を 聴け なく なる こと だ ” って 言葉 は 好きです

知ら ない わ そんな 言葉

厳密に アインシュタイン が 言った と いう 記録 は ―

残って ない んです けど …

私 は この 言葉 が ロジカル だ なって 思う んです

( 真 帆 ) ロジカル ?

だって 死んだら モーツァルト は 聴け なく なり ます から

そんな の 当たり前じゃ ない

はい 当たり前です “ 死んだら 聴け なく なる ”

命題 は “ 真 ” です

あ …

( 紅 莉栖 ) ねっ ロジカル でしょ ?

( 真 帆 )2010 年 7 月 28 日 ―

牧 瀬 ( まき せ ) 紅 莉栖 は この世 を 去った

アマデウス と サリエリ

私 に とって 特別な 意味 を 持つ 2 人

( ロッカー を 閉める 音 )

( 真 帆 ) 私 は 紅 莉栖 が 大好きだった

紅 莉栖 を 尊敬 して いた

紅 莉栖 に 憧れて いた

私 は …

♪~

~♪

( 真 帆 ) ん ?

“ 世界 脳 科学 研究 機構 オフィス 準備 室 の レスキネン から ―”

“ 募金 の お 願い ”

“ これ を ご覧 の 方 全員 から 1 ドル もらえれば ―”

“ おでん 缶 が 食べ られ ます ”

相変わらず こういう の が 好き ね 教授 は

( レスキネン ) や あ 真 帆

パワー アップ した 準備 室 へ ようこそ

( 真 帆 ) この テーブル と ソファー が です か ?

( レスキネン ) イエス ! “ シンプルである こと こそ が ―”

“ 真理 へ 近づく 秘訣 ( ひけつ ) である ” と 言う だろう ?

( 真 帆 ) 誰 の 言葉 です ?

私さ ハハハハ …

それ で アマデウス は ?

さっき 最後 の 確認 を し ました

立ち上げて も 問題 ない か と 思い ます

起動 し ます か ? ( レスキネン ) もちろん !

( アマデウス 紅 莉栖 ) お 久しぶりです 先輩

どう ? 問題 は な さ そう ?

( アマデウス 紅 莉栖 ) です ね

私 が 分かる 範ちゅう に おいて は … です けど

分かった 岡部 ( お かべ ) さん に も 連絡 して おく わ ね

( アマデウス 紅 莉栖 ) はい

もっとも 復旧 した と いって も 私 と は 話して くれる か どう か …

そう な の ?

きっと 先輩 と 話して る ほう が 楽しい んです よ

先輩 も 楽し そうです し

( 真 帆 ) ん …

( レスキネン ) フフフ …

まだ そんな こと 言って る の ?

まだ そんな こと 言って る の ?

そんな ん じゃ ない って 言って る でしょう !

( アマデウス 紅 莉栖 ) 冷静な 観察 と 分析 に 基づいた 確度 の 高い 推論 です

( 真 帆 ) どこ が !

頭 の 中 に いつも 渦巻いて いる 色 恋 妄想 でしょ ?

( アマデウス 紅 莉栖 ) あ ?

( 真 帆 ) あ ?

( レスキネン ) ハハハハ … この 雰囲気 懐かしい ね

さあ で は ミーティング を 始めよう か ?

( アマデウス 紅 莉栖 ) はい

( 真 帆 ) はい

( 岡部 ) 何 だ ? これ は …

( ま ゆり ) わ あ …

うわ あ …

( ま ゆり ) すごい 部屋 だ ね

( 真 帆 ) あら 岡部 さん

早かった の ね

( 岡部 ) あ …

あ … ハァ …

何 なんだ この 部屋 は ?

数 日 前 から さらに ひどく なって いる ぞ

( 真 帆 ) 時間 が たてば 物 も 人 も 変わる もの よ

どう ? 機能 的に なった でしょう

( ま ゆり ) 探検 でき そうだ ね

( 真 帆 ) それ より アマデウス が 無事 復旧 した の

そう か

どう する ?

まだ テスト を 続ける なら 再 設定 して も いい けど

ああ 頼む

いい の ? ホントに ?

あれ から いろいろ あって な

思った んだ

“ 受け入れて 進む しか ない んだ ” って

しかし どうして フェイリス は ―

“ まゆ り も 連れて こい ” って 言った んだ ?

エッヘヘ ~

まゆ し ぃ は ひらめいちゃ った のです

フェリス ちゃん は きっと ね この 部屋 を 片づけて ほしい んだ よ

( 岡部 ) まゆ り が いる と 片づく の か ?

たぶん まゆ し ぃ が 来れば ―

あの 人 を 呼んで くれる と 思った んじゃ ない か な ?

あの 人 ?

お 掃除 軍曹 さん です

( 綯 ( なえ )) 私 が 訓練 教官 の 天 王寺 ( てんのう じ ) 専任 軍曹 である

( 岡部 ) ぬ っ …

綯 … だ よ な ?

( 綯 ) フン ! ( 岡部 ) ん っ …

( 綯 ) いい か ? この 部屋 が 片づく まで ―

お前 ら は 尺取り虫 さん だ

葉っぱ の 上 で 伸びたり 縮んだり する しか でき ない ―

地球 で 最 下等 の 生命 体 だ !

分かった か !?

ハァ … 何 だ ? あれ は

綯ちゃ ん はね お 掃除 と なる と ちょっぴり 性格 が 変わる のです

変わり すぎ だ ろ

( ダル ) 掃除 が 終わったら ―

急に 優しく なって イチャイチャ する 展開 キボンヌ

何で お前 まで いる ?

誰 だ 今 気持ち 悪い こと 言った の は !

( ダル ) ひ い っ ! じ … 自分 で あり ます !

何 を ニヤニヤ して いる !

いい か ? 今 から お前 は “ ほほえみ クマ さん ” だ

いい な ? ほほえみ クマ さん !

は はい ! 綯 様 !

よろしい ほほえみ クマ さん

30 秒 以内 に 廊下 の 雑巾がけ 10 往復 だ !

綯 様 は い ! 綯 様 !

ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ …

完全に ご 褒美 に なって る な

( 真 帆 ) 一体 何 が 始まる の ?

終わる まで 比 屋 定 ( ひや じょう ) さん と 桐生 ( きりゅう ) さん は 外 に 出て いた ほう が いい

( 真 帆 ) えー ? ( 萌郁 ( もえ か )) 聞いて ない

家主 から の 依頼 だ 拒否 権 は ない

( 綯 ) ん っ …

まだまだ 足りない ぞ ほほえみ クマ さん !

まだまだ 足りない ぞ ほほえみ クマ さん !

( 真 帆 ) それ で その後 の 状況 は ?

( 岡部 ) 進捗 ( しんちょく ) は ない な

犯人 に ついて も 予測 は ついて いる が 調べ よう が ない

SERN ( セルン ) の とき の ように は いか ない

( 真 帆 ) セルン ?

( 岡部 ) あ いや … 何でもない

( 真 帆 ) でも にわかに は 信じ られ ない わ ね

紅 莉栖 が タイム マシン の 研究 を して いた なんて

( 岡部 ) 事実 だ

( 真 帆 ) ウソ だ と は 言って ない わ

まさか … と 思う 一方 で ―

あの 子 なら やり かね ない って

( 岡部 )“ Salieri ( サリエリ )”?

( 真 帆 ) 私 の 大学 で の ユーザー 名

教えて なかった ?

ああ … 何 か 意味 が ある の か ?

特に

そう か

( 真 帆 ) アントニオ ・ サリエリ

アマデウス ・ モーツァルト に よって 人生 を 狂わさ れた 男

知って る ?

( 岡部 ) 映画 の 話 だ ろ ? 聞いた こと が ある

( 真 帆 ) 音楽 家 と して の 成功 を 約束 さ れて いた サリエリ は ―

モーツァルト の 才能 に 嫉妬 し 絶望 して しまう

そして 結果 的に 彼 を 追い詰め 死に 追いやって しまう の

( 岡部 ) 比 屋 定 さん …

( 真 帆 ) 心配 し ないで

本気で そう 思って いる わけじゃ ない

ただ …

( 岡部 ) ん ?

あっ 岡部 … さん

( 岡部 ) 久しぶりだ な

お 変わり ない ようで

そっち も な

( アマデウス 紅 莉栖 ) 当たり前でしょ AI なんだ から

( アマデウス 紅 莉栖 ) 当たり前でしょ AI なんだ から

( メール の 着信 音 )

( 真 帆 ) 何 か … 落ち着か ない わ ね

あと で 使い やすい ように 整理 し ない と

( 岡部 ) その 言葉 を 聞いたら みんな 怒る ぞ

オカリン お 待た せ

( 岡部 ) 寝て しまった んだ な

うん お 掃除 軍曹 は 体力 を 消耗 する のです

( ダル ) 僕 が お ぶろう か ?

天 王寺 さん の こん身 の 右 ストレート を 食らう こと に なる ぞ

こん身 の 右 ストレート !

ハァハァ ハァハァ ハァハァ ハァハァ …

ハァハァ ハァハァ ハァハァ ハァハァ …

こいつ 完全に 訓練 さ れ きって や がる

( ま ゆり ) じゃあ 場所 が 分から ない もの が あったら ―

連絡 して ね

分かった わ

フェイリス さん と 桐生 さん は ?

( ま ゆり ) もう すぐ 帰って くるって

( フェイリス ) わ あ !

( 岡部 ) ん ? ( フェイリス ) 凶 真 ( きょう ま )!

( 岡部 ) だ から その 名前 で 呼ぶ な ( フェイリス ) ハハハハ …

( 萌郁 ) 帰り ? ( 岡部 ) ああ その 袋 は ?

“ 一緒に 買い に 行こう ” って … ( フェイリス ) エヘッ

残念だ けど 今日 は 男子 禁制 ! 凶 真 は ダメニャン

男子 禁制 ?

そう ニャ ! 今日 行わ れる 作戦 は …

ニャン !

夜更かし シンデレラ たち の 秘密の オフ 会

お ねむ で 思わず ドッキリ 発言 ?

ニャ !

(2 人 ) ん …

2 人 と も どうした ニャ ? テンション 低い ニャ

さあ さあ ケーキ も アイス も ちょっと だけ 高い 物 を 用意 した ニャ

( 真 帆 ) まあ いい けど …

( フェイリス ) それにしても 真 帆 ニャン は ―

お 人形 さん みたいだ から 何でも 似合う ニャン

その 呼び 方 やめて

( 萌郁 ) ウフ …

( フェイリス ) ニャ ? ( 真 帆 ) あっ 桐生 さん ?

モエニャン が 笑った ニャ ハハハハ …

や … やめて

す っ す っ ごい おっぱい ニャ

こ これ は くすぐり がい が ある ニャー ホホ …

こ これ は くすぐり がい が ある ニャー ホホ …

( 萌郁 ) えっ … い 嫌 っ やめて

あっ ちょっと … ダメ ダメ 嫌 っ 嫌 っ

あっ ちょっと … ダメ ダメ 嫌 っ 嫌 っ

何 か 変な 気持ち に なって くる ニャー

あっ ちょっと … ダメ ダメ 嫌 っ 嫌 っ

あっ ちょっと … ダメ ダメ 嫌 っ 嫌 っ

オホホホ よい で は ない か オホ オホ オホホホ …

オホホホ よい で は ない か オホ オホ オホホホ …

オホホホ よい で は ない か オホ オホ オホホホ …

やめ … て

オホホホ よい で は ない か オホ オホ オホホホ …

ジュース 取って くる ニャ

ハァ ハァ …

( 真 帆 ) 何 な の よ

何 を 書いて いる の ?

メモ … 小説 の

小説 … 書いて る の ?

うん 私 は 優秀じゃ ない から

代わり が いくら でも いる 人間 だ から

何 言って る の ! 自分 は 自分 代わり なんて いる わけな いわ

でも …

自分 を 卑下 して “ 代わり が いる ” と か ―

自分 を 誰 か と 比較 して ―

劣等 感 を 抱き 続ける と か ―

そんな の … あっ

ん …

何でもない

( 寝息 )

( フェイリス と 萌郁 の 寝言 )

( 岡部 ) あれ から いろいろ あって な

“ 受け入れて 進む しか ない んだ ” って

何で あなた は …

( 真 帆 ) わ あ !

この 基 板 美術 品 みたいに 美しい パターン を して いる わ

“ IFX 008 イメージ センサー ”?

何で こんな 物 が ここ に !?

( 岡部 ) おお っ … おう

( 真 帆 ) 秋葉原 ( あき は ばら ) に こんな 場所 が あった なんて !

( アマデウス 紅 莉栖 ) 真 帆 先輩 実は こういう 人 な の

( 岡部 ) まさか パーツ に ここ まで 反応 する と は …

組み立てる 物 が 好きな の

子供 の ころ は ―

日本 の プラスチック モデル を よく 作った わ

( アマデウス 紅 莉栖 ) じゃあ ゲルマニウムラジオ なんか も ?

はんだ 付け で よく やけど した もの よ

( アマデウス 紅 莉栖 ) ウフッ みんな 同じな んです ね

ホント ! フフフ …

ホント ! フフフ …

( アマデウス 紅 莉栖 ) フフフ …

( 岡部 ) うん お前たち だけ だ と 思う ぞ

( 真 帆 ) あ ~ あ どうして 私 もっと 早く 来 なかった の かしら

教えて くれれば よかった のに

( 岡部 ) まさか そこ まで 好きだ と は

( 真 帆 ) ほか に は あんな 場所 は ない の ?

( 岡部 ) 昔 は もう 少し あちこち に あった けど な

最近 は …

ああ それ より 話 が ある んじゃ なかった の か ?

あと で !

今日 は 時間 ある んでしょ ? もう 少し つきあって

まあ 構わ ない けど な

( アマデウス 紅 莉栖 ) ウフ …

ん ? ああ っ !

( 岡部 ) ん ?

( 真 帆 ) これ って さ ( 岡部 ) ん ?

( 真 帆 ) これ って さ ( 岡部 ) ん ?

( アマデウス 紅 莉栖 ) ん ?

( 岡部 )@ ちゃん ねる の キャラ か

( 真 帆 )@ ちゃん ねる ?

実は この キャラ ―

紅 莉栖 が ベッドルーム に 置いて いた の よ

( 岡部 ) 紅 莉栖 が ? アメリカ まで 取り寄せて いた の か ?

わ ああ ! 先輩 その 話 は …

さすが 隠れ @ ちゃん ねら ー だ な

( アマデウス 紅 莉栖 ) な … 何の 話 かしら ?

@ ちゃん ねら ー って 何 ?

ぬる ぽ

ガッ … ああ っ

くっ … 岡部 ~!

自業自得 だ

ちょっと 挑戦 して も いい かしら ?

えっ と … この アーム を 操作 して そこ の 穴 に 運べば いい の よ ね ?

よ ー し

ああ っ 何で ! 何で そんな 奇跡 的な 動き 方 する の

( 岡部 ) まあ 向こう も 商売 だ から な

( 真 帆 ) でも 今 の で だいぶ ズレ たわ

次 は もう いける って こと よ ね

両替 して くる

完全に 死亡 フラグ だ な

( アマデウス 紅 莉栖 ) そんな こと 言って る 場合 じゃ ない でしょ ?

え ?

ここ は 男 を 見せる ところ よ 岡部 さん !

お … 俺 か ?

よし これ だけ あれば …

え ?

店員 さん が 来て な 少し 位置 を ズラ して くれた

あげる よ

いい の ?

俺 が 持って て も しょうがない しな

じゃあ 遠慮 なく

そんなに 気 に 入って た の か ?

紅 莉栖 が 亡くなった あと に ね

お 母さん が “ これ は 気 に 入って た から ” って ―

紅 莉栖 の ベッドルーム に 飾る こと に した んだ けど ―

火事 で 燃えちゃ った から

そんな こと が …

だから これ は 紅 莉栖 の お 母さん に プレゼント し たい の

いい かしら ?

もちろん それ が いい

あ …

あっ 中 に 入ら ない ? レース ゲーム も ある し

( 岡部 ) ん ?

フッ …

( 真 帆 ) すっかり 長居 を して しまった わ

( 岡部 ) しか し ―

比 屋 定 さん が あんなに レース ゲーム が 得意だった と は な

( 真 帆 ) ちょっと 熱く なって しまった わ ね

( 岡部 ) 次 は どう する ? 食事 に でも しよう か

いえ もう こんな 時間 に なって しまった しね

どうしても 訪れて おき たい 所 が ある の

アメリカ に 帰る 前 に

( 岡部 ) ここ か

( 真 帆 ) そう 牧 瀬 紅 莉栖 が 命 を 落とした 場所

最期 の 場所

嫌 なら 場所 だけ 教えて

1 人 で 行って くる から

( 岡部 ) いや …

( 真 帆 ) ずいぶん 静かな の ね

( 岡部 ) 建て替え が 決まって から 店舗 が だいぶ 移って る んだ

ここ も あまり 使わ れて い ない

( 岡部 ) こっち だ

( 岡部 ) この 中 だ

( 真 帆 ) そう こんな 場所 で

紅 莉栖 …

私 は 物理 学 者 で は ない から ―

相対 性 理論 の こと を 詳細に 理解 して いる わけで は ない けれど …

時間 と 空間 が 同列 なら ―

なぜ 空間 と 同じ ように ―

時間 も 自分 の 意志 で 移動 でき ない の かしら ね

今 空間 的に は 紅 莉栖 の 死 と 同じ 軸 上 に いる の よ

なのに 時間 軸 が ほんの 少し ズレ て いる せい で ―

手出し する こと すら かなわない

( 岡部 ) 手出し は でき ない ( 真 帆 ) え ?

たとえ 同じ 時間 軸 に 戻れた と して も ―

変える こと は でき ない

どうして そう 言い切れる の ?

( 岡部 ) そう 紅 莉栖 と 話した

そう

( 岡部 ) 紅 莉栖 と …

う っ … う う …

岡部 さん ?

岡部 さん !

あっ …

( 岡部 ) ハァ ハァ …

( 真 帆 ) 岡部 さん …

( 岡部 ) ぐ っ … すまない

( 真 帆 ) ごめんなさい

私 こそ デリカシー の ない こと を したわ

そこ まで 紅 莉栖 の こと を …

( 岡部 ) いや 気 に し ないで くれ

ねえ 本当に セミナー で 知り合った だけ な の ?

とても そう は 思え ない

時々 あなた と 紅 莉栖 の 話 を して いる と 思う の

1 か月 2 か月 …

いえ それ 以上 前 から 知り合い だった ような 話し 方 だって

それ は …

( 真 帆 ) なぜ そこ まで 紅 莉栖 の こと を …

俺 は …

俺 は 紅 莉栖 を …

( 真 帆 ) ん …

すまない

分かった わ

あなた の 中 に 話せ ない 何 か が ある こと は 分かった

それ で 十 分

比 屋 定 さん …

( 真 帆 ) あなた を 見る たび に ずっと 思って いた の

“ どうして いつも 寂し そうな んだろう ” って

紅 莉栖 の 話 を する とき も そう

みんな と 話して いる とき も そう

何 か を ずっと 後悔 して いて ―

何 か に ずっと あらがって いる ようで

まゆ りさん や 私 の こと も ―

懸命に 何 か から 守ろう と して いる ようで

そ したら 実際 に 襲撃 さ れたり して …

そんなふうに 思って いた の か

ええ

全て を 今 話して ほしい と は 思わ ない

ただ あなた の その 気持ち に 力 に なり たい と 思う

だから …

だから ?

誰 に も 言わ ない と 心 に 決めて いた けど 話す わ

私 ね …

実は 持って いる の

紅 莉栖 の … 牧 瀬 紅 莉栖 の 遺産 を

紅 莉栖 の … 遺産 ?

( 真 帆 ) そう

彼女 の ノート パソコン

( 岡部 ) な っ !?

( 真 帆 ) 彼女 の 研究 データ を 記録 し 論文 を 書き ―

プライベートな こと も 記録 して ある 彼女 の パソコン

私 の ホテル に 入った 賊 の 狙い も 恐らく それよ

( 岡部 ) ハッ … どこ に ある ?

パスワード が 分から なくて ね

今 信頼 できる 所 に 解析 に 出して いる わ

ダメだ !

その パソコン は パンドラ の 箱 だ

開けて は いけない

中 に 入って いる データ は 世界 を 滅亡 へ と 導く 災厄 だ !

どういう こと ?

話し ただ ろ ?

タイム マシン の 開発 を 巡って ―

アメリカ と ロシア で 争い に なって いる って !

その パソコン に 収め られて いる であろう データ は ―

両 国 が 最も 欲しがって いる もの だ

第 3 次 世界 大戦 の 引き金 と なる もの な んだ !

第 3 次 … 世界 大戦 ?

♪~

~♪


( CD プレーヤー の 音楽 )

( 真 帆 ( ま ほ )) アマデウス と サリエリ

紅 莉栖 ( くり す ) と 私

天 賦 の 才 を 与え られた アマデウス ・ モーツァルト

彼 を 終生 の ライバル だ と 考えて いた ―

アントニオ ・ サリエリ

( 紅 莉栖 ) K ( ケッヘル )311

モーツァルト 「 ピアノ ・ ソナタ 第 11 番 イ 長調 第 1 楽章 」

( 真 帆 ) あなた モーツァルト 好きな の ?

( 紅 莉栖 ) かじった 程度 です けど …

“ 死 と は モーツァルト を 聴け なく なる こと だ ” って 言葉 は 好きです

知ら ない わ そんな 言葉

厳密に アインシュタイン が 言った と いう 記録 は ―

残って ない んです けど …

私 は この 言葉 が ロジカル だ なって 思う んです

( 真 帆 ) ロジカル ?

だって 死んだら モーツァルト は 聴け なく なり ます から

そんな の 当たり前じゃ ない

はい 当たり前です “ 死んだら 聴け なく なる ”

命題 は “ 真 ” です

あ …

( 紅 莉栖 ) ねっ ロジカル でしょ ?

( 真 帆 )2010 年 7 月 28 日 ―

牧 瀬 ( まき せ ) 紅 莉栖 は この世 を 去った

アマデウス と サリエリ

私 に とって 特別な 意味 を 持つ 2 人

( ロッカー を 閉める 音 )

( 真 帆 ) 私 は 紅 莉栖 が 大好きだった

紅 莉栖 を 尊敬 して いた

紅 莉栖 に 憧れて いた

私 は …

♪~

~♪

( 真 帆 ) ん ?

“ 世界 脳 科学 研究 機構 オフィス 準備 室 の レスキネン から ―”

“ 募金 の お 願い ”

“ これ を ご覧 の 方 全員 から 1 ドル もらえれば ―”

“ おでん 缶 が 食べ られ ます ”

相変わらず こういう の が 好き ね 教授 は

( レスキネン ) や あ 真 帆

パワー アップ した 準備 室 へ ようこそ

( 真 帆 ) この テーブル と ソファー が です か ?

( レスキネン ) イエス ! “ シンプルである こと こそ が ―”

“ 真理 へ 近づく 秘訣 ( ひけつ ) である ” と 言う だろう ?

( 真 帆 ) 誰 の 言葉 です ?

私さ ハハハハ …

それ で アマデウス は ?

さっき 最後 の 確認 を し ました

立ち上げて も 問題 ない か と 思い ます

起動 し ます か ? ( レスキネン ) もちろん !

( アマデウス 紅 莉栖 ) お 久しぶりです 先輩

どう ?  問題 は な さ そう ?

( アマデウス 紅 莉栖 ) です ね

私 が 分かる 範ちゅう に おいて は … です けど

分かった 岡部 ( お かべ ) さん に も 連絡 して おく わ ね

( アマデウス 紅 莉栖 ) はい

もっとも 復旧 した と いって も 私 と は 話して くれる か どう か …

そう な の ?

きっと 先輩 と 話して る ほう が 楽しい んです よ

先輩 も 楽し そうです し

( 真 帆 ) ん …

( レスキネン ) フフフ …

まだ そんな こと 言って る の ?

まだ そんな こと 言って る の ?

そんな ん じゃ ない って 言って る でしょう !

( アマデウス 紅 莉栖 ) 冷静な 観察 と 分析 に 基づいた 確度 の 高い 推論 です

( 真 帆 ) どこ が !

頭 の 中 に いつも 渦巻いて いる 色 恋 妄想 でしょ ?

( アマデウス 紅 莉栖 ) あ ?

( 真 帆 ) あ ?

( レスキネン ) ハハハハ … この 雰囲気 懐かしい ね

さあ で は ミーティング を 始めよう か ?

( アマデウス 紅 莉栖 ) はい

( 真 帆 ) はい

( 岡部 ) 何 だ ?  これ は …

( ま ゆり ) わ あ …

うわ あ …

( ま ゆり ) すごい 部屋 だ ね

( 真 帆 ) あら 岡部 さん

早かった の ね

( 岡部 ) あ …

あ … ハァ …

何 なんだ この 部屋 は ?

数 日 前 から さらに ひどく なって いる ぞ

( 真 帆 ) 時間 が たてば 物 も 人 も 変わる もの よ

どう ?  機能 的に なった でしょう

( ま ゆり ) 探検 でき そうだ ね

( 真 帆 ) それ より アマデウス が 無事 復旧 した の

そう か

どう する ?

まだ テスト を 続ける なら 再 設定 して も いい けど

ああ 頼む

いい の ?  ホントに ?

あれ から いろいろ あって な

思った んだ

“ 受け入れて 進む しか ない んだ ” って

しかし どうして フェイリス は ―

“ まゆ り も 連れて こい ” って 言った んだ ?

エッヘヘ ~

まゆ し ぃ は ひらめいちゃ った のです

フェリス ちゃん は きっと ね この 部屋 を 片づけて ほしい んだ よ

( 岡部 ) まゆ り が いる と 片づく の か ?

たぶん まゆ し ぃ が 来れば ―

あの 人 を 呼んで くれる と 思った んじゃ ない か な ?

あの 人 ?

お 掃除 軍曹 さん です

( 綯 ( なえ )) 私 が 訓練 教官 の 天 王寺 ( てんのう じ ) 専任 軍曹 である

( 岡部 ) ぬ っ …

綯 … だ よ な ?

( 綯 ) フン ! ( 岡部 ) ん っ …

( 綯 ) いい か ? この 部屋 が 片づく まで ―

お前 ら は 尺取り虫 さん だ

葉っぱ の 上 で 伸びたり 縮んだり する しか でき ない ―

地球 で 最 下等 の 生命 体 だ !

分かった か !?

ハァ … 何 だ ?  あれ は

綯ちゃ ん はね お 掃除 と なる と ちょっぴり 性格 が 変わる のです

変わり すぎ だ ろ

( ダル ) 掃除 が 終わったら ―

急に 優しく なって イチャイチャ する 展開 キボンヌ

何で お前 まで いる ?

誰 だ 今 気持ち 悪い こと 言った の は !

( ダル ) ひ い っ ! じ … 自分 で あり ます !

何 を ニヤニヤ して いる !

いい か ?  今 から お前 は “ ほほえみ クマ さん ” だ

いい な ?  ほほえみ クマ さん !

は はい !  綯 様 !

よろしい ほほえみ クマ さん

30 秒 以内 に 廊下 の 雑巾がけ 10 往復 だ !

綯 様 は い !  綯 様 !

ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ …

完全に ご 褒美 に なって る な

( 真 帆 ) 一体 何 が 始まる の ?

終わる まで 比 屋 定 ( ひや じょう ) さん と 桐生 ( きりゅう ) さん は 外 に 出て いた ほう が いい

( 真 帆 ) えー ? ( 萌郁 ( もえ か )) 聞いて ない

家主 から の 依頼 だ 拒否 権 は ない

( 綯 ) ん っ …

まだまだ 足りない ぞ ほほえみ クマ さん !

まだまだ 足りない ぞ ほほえみ クマ さん !

( 真 帆 ) それ で その後 の 状況 は ?

( 岡部 ) 進捗 ( しんちょく ) は ない な

犯人 に ついて も 予測 は ついて いる が 調べ よう が ない

SERN ( セルン ) の とき の ように は いか ない

( 真 帆 ) セルン ?

( 岡部 ) あ いや … 何でもない

( 真 帆 ) でも にわかに は 信じ られ ない わ ね

紅 莉栖 が タイム マシン の 研究 を して いた なんて

( 岡部 ) 事実 だ

( 真 帆 ) ウソ だ と は 言って ない わ

まさか … と 思う 一方 で ―

あの 子 なら やり かね ない って

( 岡部 )“ Salieri ( サリエリ )”?

( 真 帆 ) 私 の 大学 で の ユーザー 名

教えて なかった ?

ああ … 何 か 意味 が ある の か ?

特に

そう か

( 真 帆 ) アントニオ ・ サリエリ

アマデウス ・ モーツァルト に よって 人生 を 狂わさ れた 男

知って る ?

( 岡部 ) 映画 の 話 だ ろ ? 聞いた こと が ある

( 真 帆 ) 音楽 家 と して の 成功 を 約束 さ れて いた サリエリ は ―

モーツァルト の 才能 に 嫉妬 し 絶望 して しまう

そして 結果 的に 彼 を 追い詰め 死に 追いやって しまう の

( 岡部 ) 比 屋 定 さん …

( 真 帆 ) 心配 し ないで

本気で そう 思って いる わけじゃ ない

ただ …

( 岡部 ) ん ?

あっ 岡部 … さん

( 岡部 ) 久しぶりだ な

お 変わり ない ようで

そっち も な

( アマデウス 紅 莉栖 ) 当たり前でしょ AI なんだ から

( アマデウス 紅 莉栖 ) 当たり前でしょ AI なんだ から

( メール の 着信 音 )

( 真 帆 ) 何 か … 落ち着か ない わ ね

あと で 使い やすい ように 整理 し ない と

( 岡部 ) その 言葉 を 聞いたら みんな 怒る ぞ

オカリン お 待た せ

( 岡部 ) 寝て しまった んだ な

うん お 掃除 軍曹 は 体力 を 消耗 する のです

( ダル ) 僕 が お ぶろう か ?

天 王寺 さん の こん身 の 右 ストレート を 食らう こと に なる ぞ

こん身 の 右 ストレート !

ハァハァ ハァハァ ハァハァ ハァハァ …

ハァハァ ハァハァ ハァハァ ハァハァ …

こいつ 完全に 訓練 さ れ きって や がる

( ま ゆり ) じゃあ 場所 が 分から ない もの が あったら ―

連絡 して ね

分かった わ

フェイリス さん と 桐生 さん は ?

( ま ゆり ) もう すぐ 帰って くるって

( フェイリス ) わ あ !

( 岡部 ) ん ? ( フェイリス ) 凶 真 ( きょう ま )!

( 岡部 ) だ から その 名前 で 呼ぶ な ( フェイリス ) ハハハハ …

( 萌郁 ) 帰り ? ( 岡部 ) ああ その 袋 は ?

“ 一緒に 買い に 行こう ” って … ( フェイリス ) エヘッ

残念だ けど 今日 は 男子 禁制 ! 凶 真 は ダメニャン

男子 禁制 ?

そう ニャ ! 今日 行わ れる 作戦 は …

ニャン !

夜更かし シンデレラ たち の 秘密の オフ 会

お ねむ で 思わず ドッキリ 発言 ?

ニャ !

(2 人 ) ん …

2 人 と も どうした ニャ ? テンション 低い ニャ

さあ さあ ケーキ も アイス も ちょっと だけ 高い 物 を 用意 した ニャ

( 真 帆 ) まあ いい けど …

( フェイリス ) それにしても 真 帆 ニャン は ―

お 人形 さん みたいだ から 何でも 似合う ニャン

その 呼び 方 やめて

( 萌郁 ) ウフ …

( フェイリス ) ニャ ? ( 真 帆 ) あっ 桐生 さん ?

モエニャン が 笑った ニャ ハハハハ …

や … やめて

す っ す っ ごい おっぱい ニャ

こ これ は くすぐり がい が ある ニャー ホホ …

こ これ は くすぐり がい が ある ニャー ホホ …

( 萌郁 ) えっ … い 嫌 っ やめて

あっ ちょっと … ダメ ダメ 嫌 っ 嫌 っ

あっ ちょっと … ダメ ダメ 嫌 っ 嫌 っ

何 か 変な 気持ち に なって くる ニャー

あっ ちょっと … ダメ ダメ 嫌 っ 嫌 っ

あっ ちょっと … ダメ ダメ 嫌 っ 嫌 っ

オホホホ よい で は ない か オホ オホ オホホホ …

オホホホ よい で は ない か オホ オホ オホホホ …

オホホホ よい で は ない か オホ オホ オホホホ …

やめ … て

オホホホ よい で は ない か オホ オホ オホホホ …

ジュース 取って くる ニャ

ハァ ハァ …

( 真 帆 ) 何 な の よ

何 を 書いて いる の ?

メモ … 小説 の

小説 … 書いて る の ?

うん 私 は 優秀じゃ ない から

代わり が いくら でも いる 人間 だ から

何 言って る の !  自分 は 自分 代わり なんて いる わけな いわ

でも …

自分 を 卑下 して “ 代わり が いる ” と か ―

自分 を 誰 か と 比較 して ―

劣等 感 を 抱き 続ける と か ―

そんな の … あっ

ん …

何でもない

( 寝息 )

( フェイリス と 萌郁 の 寝言 )

( 岡部 ) あれ から いろいろ あって な

“ 受け入れて 進む しか ない んだ ” って

何で あなた は …

( 真 帆 ) わ あ !

この 基 板 美術 品 みたいに 美しい パターン を して いる わ

“ IFX 008 イメージ センサー ”?

何で こんな 物 が ここ に !?

( 岡部 ) おお っ … おう

( 真 帆 ) 秋葉原 ( あき は ばら ) に こんな 場所 が あった なんて !

( アマデウス 紅 莉栖 ) 真 帆 先輩 実は こういう 人 な の

( 岡部 ) まさか パーツ に ここ まで 反応 する と は …

組み立てる 物 が 好きな の

子供 の ころ は ―

日本 の プラスチック モデル を よく 作った わ

( アマデウス 紅 莉栖 ) じゃあ ゲルマニウムラジオ なんか も ?

はんだ 付け で よく やけど した もの よ

( アマデウス 紅 莉栖 ) ウフッ みんな 同じな んです ね

ホント !  フフフ …

ホント !  フフフ …

( アマデウス 紅 莉栖 ) フフフ …

( 岡部 ) うん お前たち だけ だ と 思う ぞ

( 真 帆 ) あ ~ あ どうして 私 もっと 早く 来 なかった の かしら

教えて くれれば よかった のに

( 岡部 ) まさか そこ まで 好きだ と は

( 真 帆 ) ほか に は あんな 場所 は ない の ?

( 岡部 ) 昔 は もう 少し あちこち に あった けど な

最近 は …

ああ それ より 話 が ある んじゃ なかった の か ?

あと で !

今日 は 時間 ある んでしょ ? もう 少し つきあって

まあ 構わ ない けど な

( アマデウス 紅 莉栖 ) ウフ …

ん ?  ああ っ !

( 岡部 ) ん ?

( 真 帆 ) これ って さ ( 岡部 ) ん ?

( 真 帆 ) これ って さ ( 岡部 ) ん ?

( アマデウス 紅 莉栖 ) ん ?

( 岡部 )@ ちゃん ねる の キャラ か

( 真 帆 )@ ちゃん ねる ?

実は この キャラ ―

紅 莉栖 が ベッドルーム に 置いて いた の よ

( 岡部 ) 紅 莉栖 が ? アメリカ まで 取り寄せて いた の か ?

わ ああ !  先輩 その 話 は …

さすが 隠れ @ ちゃん ねら ー だ な

( アマデウス 紅 莉栖 ) な … 何の 話 かしら ?

@ ちゃん ねら ー って 何 ?

ぬる ぽ

ガッ … ああ っ

くっ … 岡部 ~!

自業自得 だ

ちょっと 挑戦 して も いい かしら ?

えっ と … この アーム を 操作 して そこ の 穴 に 運べば いい の よ ね ?

よ ー し

ああ っ 何で ! 何で そんな 奇跡 的な 動き 方 する の

( 岡部 ) まあ 向こう も 商売 だ から な

( 真 帆 ) でも 今 の で だいぶ ズレ たわ

次 は もう いける って こと よ ね

両替 して くる

完全に 死亡 フラグ だ な

( アマデウス 紅 莉栖 ) そんな こと 言って る 場合 じゃ ない でしょ ?

え ?

ここ は 男 を 見せる ところ よ 岡部 さん !

お … 俺 か ?

よし これ だけ あれば …

え ?

店員 さん が 来て な 少し 位置 を ズラ して くれた

あげる よ

いい の ?

俺 が 持って て も しょうがない しな

じゃあ 遠慮 なく

そんなに 気 に 入って た の か ?

紅 莉栖 が 亡くなった あと に ね

お 母さん が “ これ は 気 に 入って た から ” って ―

紅 莉栖 の ベッドルーム に 飾る こと に した んだ けど ―

火事 で 燃えちゃ った から

そんな こと が …

だから これ は 紅 莉栖 の お 母さん に プレゼント し たい の

いい かしら ?

もちろん それ が いい

あ …

あっ 中 に 入ら ない ? レース ゲーム も ある し

( 岡部 ) ん ?

フッ …

( 真 帆 ) すっかり 長居 を して しまった わ

( 岡部 ) しか し ―

比 屋 定 さん が あんなに レース ゲーム が 得意だった と は な

( 真 帆 ) ちょっと 熱く なって しまった わ ね

( 岡部 ) 次 は どう する ? 食事 に でも しよう か

いえ もう こんな 時間 に なって しまった しね

どうしても 訪れて おき たい 所 が ある の

アメリカ に 帰る 前 に

( 岡部 ) ここ か

( 真 帆 ) そう 牧 瀬 紅 莉栖 が 命 を 落とした 場所

最期 の 場所

嫌 なら 場所 だけ 教えて

1 人 で 行って くる から

( 岡部 ) いや …

( 真 帆 ) ずいぶん 静かな の ね

( 岡部 ) 建て替え が 決まって から 店舗 が だいぶ 移って る んだ

ここ も あまり 使わ れて い ない

( 岡部 ) こっち だ

( 岡部 ) この 中 だ

( 真 帆 ) そう こんな 場所 で

紅 莉栖 …

私 は 物理 学 者 で は ない から ―

相対 性 理論 の こと を 詳細に 理解 して いる わけで は ない けれど …

時間 と 空間 が 同列 なら ―

なぜ 空間 と 同じ ように ―

時間 も 自分 の 意志 で 移動 でき ない の かしら ね

今 空間 的に は 紅 莉栖 の 死 と 同じ 軸 上 に いる の よ

なのに 時間 軸 が ほんの 少し ズレ て いる せい で ―

手出し する こと すら かなわない

( 岡部 ) 手出し は でき ない ( 真 帆 ) え ?

たとえ 同じ 時間 軸 に 戻れた と して も ―

変える こと は でき ない

どうして そう 言い切れる の ?

( 岡部 ) そう 紅 莉栖 と 話した

そう

( 岡部 ) 紅 莉栖 と …

う っ … う う …

岡部 さん ?

岡部 さん !

あっ …

( 岡部 ) ハァ ハァ …

( 真 帆 ) 岡部 さん …

( 岡部 ) ぐ っ … すまない

( 真 帆 ) ごめんなさい

私 こそ デリカシー の ない こと を したわ

そこ まで 紅 莉栖 の こと を …

( 岡部 ) いや 気 に し ないで くれ

ねえ 本当に セミナー で 知り合った だけ な の ?

とても そう は 思え ない

時々 あなた と 紅 莉栖 の 話 を して いる と 思う の

1 か月 2 か月 …

いえ それ 以上 前 から 知り合い だった ような 話し 方 だって

それ は …

( 真 帆 ) なぜ そこ まで 紅 莉栖 の こと を …

俺 は …

俺 は 紅 莉栖 を …

( 真 帆 ) ん …

すまない

分かった わ

あなた の 中 に 話せ ない 何 か が ある こと は 分かった

それ で 十 分

比 屋 定 さん …

( 真 帆 ) あなた を 見る たび に ずっと 思って いた の

“ どうして いつも 寂し そうな んだろう ” って

紅 莉栖 の 話 を する とき も そう

みんな と 話して いる とき も そう

何 か を ずっと 後悔 して いて ―

何 か に ずっと あらがって いる ようで

まゆ りさん や 私 の こと も ―

懸命に 何 か から 守ろう と して いる ようで

そ したら 実際 に 襲撃 さ れたり して …

そんなふうに 思って いた の か

ええ

全て を 今 話して ほしい と は 思わ ない

ただ あなた の その 気持ち に 力 に なり たい と 思う

だから …

だから ?

誰 に も 言わ ない と 心 に 決めて いた けど 話す わ

私 ね …

実は 持って いる の

紅 莉栖 の … 牧 瀬 紅 莉栖 の 遺産 を

紅 莉栖 の … 遺産 ?

( 真 帆 ) そう

彼女 の ノート パソコン

( 岡部 ) な っ !?

( 真 帆 ) 彼女 の 研究 データ を 記録 し 論文 を 書き ―

プライベートな こと も 記録 して ある 彼女 の パソコン

私 の ホテル に 入った 賊 の 狙い も 恐らく それよ

( 岡部 ) ハッ … どこ に ある ?

パスワード が 分から なくて ね

今 信頼 できる 所 に 解析 に 出して いる わ

ダメだ !

その パソコン は パンドラ の 箱 だ

開けて は いけない

中 に 入って いる データ は 世界 を 滅亡 へ と 導く 災厄 だ !

どういう こと ?

話し ただ ろ ?

タイム マシン の 開発 を 巡って ―

アメリカ と ロシア で 争い に なって いる って !

その パソコン に 収め られて いる であろう データ は ―

両 国 が 最も 欲しがって いる もの だ

第 3 次 世界 大戦 の 引き金 と なる もの な んだ !

第 3 次 … 世界 大戦 ?

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