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江戸小話, おれがいない

おれ が いない

おれ が い ない

むかし 、 一 人 の 役人 が 罪人 の 坊主 を ごそう する ため の 旅 を して おり ました 。 途中 の 宿屋 で 、 この 坊主 が 言い ました 。 「 お 役人 さま 。 もう すぐ 江戸 で ございます 。 お 世話に なった お礼 に 、 これ でも どうぞ 」 坊主 は 自分 の お 金 で 酒 を 注文 する と 、 役人 に たらふく 飲ま せて 役人 を 酔い つぶして しまい ました 。 そして 坊主 は 役人 の 頭 の 毛 を 丸 坊主 に して しまう と 、 その 首 に なわ を かけて 逃げて しまった のです 。 さて 、 しばらく する と 役人 が 目 を 覚まし ました 。 「 ああ 、 良い 気持ち だ 。 うまい 酒 であった 」 そして まわり を 見る と 、 坊主 が おり ませ ん 。 「 しまった 。 逃げ られた か 」 役人 は あわてて 外 に 飛び出そう と して 、 頭 が 涼しい こと に 気づき ました 。 頭 に 手 を やる と 、 自分 が 坊主 頭 で 、 おまけに 首 に はなわ まで かけて あり ます 。 「 おお っ 、 坊主 は おれ であった か 」 役人 は 大声 で 言った あと 、 ふと 首 を 傾げ ました 。 「 さて 、 罪人 の 坊主 は ここ に いる が 、 役人 の おれ は 、 どこ に 行った のだろう ? ♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


おれ が いない

おれ が い ない

むかし 、 一 人 の 役人 が 罪人 の 坊主 を ごそう する ため の 旅 を して おり ました 。 |ひと|じん||やくにん||ざいにん||ぼうず||||||たび|||| 途中 の 宿屋 で 、 この 坊主 が 言い ました 。 とちゅう||やどや|||ぼうず||いい| 「 お 役人 さま 。 |やくにん| もう すぐ 江戸 で ございます 。 ||えど|| お 世話に なった お礼 に 、 これ でも どうぞ 」   坊主 は 自分 の お 金 で 酒 を 注文 する と 、 役人 に たらふく 飲ま せて 役人 を 酔い つぶして しまい ました 。 |せわに||お れい|||||ぼうず||じぶん|||きむ||さけ||ちゅうもん|||やくにん|||のま||やくにん||よい||| そして 坊主 は 役人 の 頭 の 毛 を 丸 坊主 に して しまう と 、 その 首 に なわ を かけて 逃げて しまった のです 。 |ぼうず||やくにん||あたま||け||まる|ぼうず||||||くび|||||にげて||の です さて 、 しばらく する と 役人 が 目 を 覚まし ました 。 ||||やくにん||め||さまし| 「 ああ 、 良い 気持ち だ 。 |よい|きもち| うまい 酒 であった 」   そして まわり を 見る と 、 坊主 が おり ませ ん 。 |さけ|||||みる||ぼうず|||| 「 しまった 。 逃げ られた か 」   役人 は あわてて 外 に 飛び出そう と して 、 頭 が 涼しい こと に 気づき ました 。 にげ|||やくにん|||がい||とびだそう|||あたま||すずしい|||きづき| 頭 に 手 を やる と 、 自分 が 坊主 頭 で 、 おまけに 首 に はなわ まで かけて あり ます 。 あたま||て||||じぶん||ぼうず|あたま|||くび|||||| 「 おお っ 、 坊主 は おれ であった か 」   役人 は 大声 で 言った あと 、 ふと 首 を 傾げ ました 。 ||ぼうず|||||やくにん||おおごえ||いった|||くび||かしげ| 「 さて 、 罪人 の 坊主 は ここ に いる が 、 役人 の おれ は 、 どこ に 行った のだろう ? |ざいにん||ぼうず||||||やくにん||||||おこなった| ♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )