×

Мы используем cookie-файлы, чтобы сделать работу LingQ лучше. Находясь на нашем сайте, вы соглашаетесь на наши правила обработки файлов «cookie».


image

三姉妹探偵団 1, 三姉妹探偵団01 chapter 04 (2)

三 姉妹 探偵 団 01 chapter 04 (2)

止まる 。

相手 も 止まる 。 また 歩く 。 相手 も 歩く 。

夕 里子 の 心臓 が 早鐘 の ように 鳴り 出した 。

足 を 早める 。 だが 、 一向に 背後 の 足音 は 、 離れ ない 。 振り向いて 見る 気 は し なかった 。

いつの間にか 、 住宅 密集 地 を 外れて 、 どこ か 工場 の 裏手 らしい 道 へ 出て しまった 。

左側 は 長い のっぺり した 塀 が 続く 。 右手 は 私鉄 の 線路 。

最悪の 場所 じゃ ない の !

全く もう 、 馬鹿 !

救い 難い 馬鹿 !

夕 里子 は 、 線路 へ 目 を やった 。

別に 、 金網 も 何も ない 。 少し 道 から 高く なって いる が 、 線路 へ 入る の は 簡単だった 。

向 う 側 に は アパート など が 立ち 並んで いる 。

── 線路 を 越え て向う へ 渡って しまえば ?

しかし 、 当然 、 尾 け て 来る 方 も 線路 を 渡る の は 容易である 。

電車 の 音 が した 。

少し 先 で 、 カーブ して いる ので 、 姿 は まだ 見え ない 。 警笛 が 何度 か 鳴った 。 見通し が 悪い のである 。

あの 電車 が 来る 直前 に 線路 を 横切ったら ?

尾行 して いる 人間 は 、 ちょっと 面食らう だろう 。

ほんの 二 、 三 秒 でも ためらえば 、 もう 電車 が 二 人 の 間 を 遮って くれる 。 電車 が 通り過ぎる 間 に 、 走って 逃げれば 、 もう 追って は 来 られ まい 。

いささか の 危険 は ある 。

しかし 、 線路 を 駆け抜ける なんて 、 アッという間 だ 。

よし 、 やって やれ 、 と 決心 した 。

電車 が 近付いて 来る 。

夕 里子 は 足 を 止める と 、 編 上 靴 の 紐 を 結び 直そう と する ように 、 かがみ 込んだ 。

電車 が レール を 鳴らす 音 が 腹 の 底 に 響いて 来た 。

今 だ !

夕 里子 は 飛び上る ように 立って 、 線路 へ 向 って 駆け上った 。

手前 の 線路 を 飛び越え 、 向 う の 線路 を ── 次の 瞬間 、 夕 里子 は 見え ない 手 に 足首 を つかまえ られた ように 、 前 のめり に 倒れた 。 いやというほど 額 を 打つ 。 起き上って 、 足 を 見る 。 靴 の かかと が 、 枕木 の 割れ目 に 挟まって いる 。

電車 は この 線路 を やって 来る のだ 。

夕 里子 は 必死で 足 を 引 張った 。 靴 を 脱ぐ に は 、 この ややこしい 紐 を 解か ねば なら ない 。

ゴーッ と いう 轟音 が 、 まるで 大波 の ように のしかかって 来る 。

「 エイッ !

力 を こめて 引 張る が 、 靴 は びくとも し ない 。

このまま じゃ 、 ひき 殺さ れる !

その とき 、 誰 か の 腕 が 、 夕 里子 を かかえ 上げた 。

凄い 力 で 、 バリッ と いう 音 と 共に 、 靴 の かかと が もぎ取ら れた 。 次の 瞬間 に は 、 夕 里子 は 、 反対 側 の 斜面 に 投げ出さ れて いた 。 二 、 三 回転 して 、 やっと 止まった と 思う と 、 何 か が ドサッ と 上 に かぶさって 来る 。

電車 が 頭上 を 通って 行く 。

── 助かった のだ !

電車 が 通り過ぎて しまう まで 、 夕 里子 は 喘ぎ喘ぎ 、 頭 を かかえて いた 。

何だか 電車 が 自分 の 上 に 落 っこ ち て 来 そうな 気 が した のだ 。

轟音 が 、 遠のく 。

やっと 、 夕 里子 は 顔 を 上げる 。

いきなり 、 頰 を ひっぱ たか れた 。

「 何て こと を する んだ !

夕 里子 は 、 面食らって 、

「 あなた は ……」

ひっぱ たかれ た 痛み も 忘れて いた 。

── あの 若い 刑事 、 国友 だった 。 「 当り前でしょ !

夕 里子 は かみつき そうな 声 を 出した 。

「 あなた が 後 を 尾 け て 来る から よ ! 「 しかし ── 君 か どう か 、 はっきり 分 ら なかった んだ 。

一 度 ぐらい 振り向いて くれりゃ よかった のに 」

「 無 茶 言わ ないで よ 。

どんな 悪党 かも しれ ない のに 。 顔合わせ たら 、 終り じゃ ない の 」

夕 里子 は プーッ と ふくれて いた 。

「 まあ …… 早とちり は 悪かった けど 、 君 も あんな 無 茶 を する から ……」

国友 と して は 、 公平に 言って 、 夕 里子 の 命 を 助けて やった のだ から 、 本当 は 感謝 さ れて 然 る べきである が 、 そこ が 女の子 を 間違えて ひっぱ たいた と いう 弱 味 で 、 総 て 帳消し に さ れて しまって いる のである 。

「 それ に この 靴 …… 友だち の 借り物 な の よ 。

どう する の ? と 、 グスン 、 と 鼻 を すすれば 、

「 分 った !

弁償 する 。 新しい の を 買う から 。 泣か ないで くれよ 、 頼む から 」

と 、 靴 まで 買わさ れる は めに なった 。

── 靴 は 新品 、 食堂 で 昼 を 食べ 、 全部 国友 に 払わ せて 、 やっと 夕 里子 は ご機嫌 が 直った 。

「 額 の 傷 は 目立た ない ?

と 、 それ でも あてつけ がま しく 訊 いて やる 。

「 う 、 うん …… 目立た ない よ 」

「 女 は 顔 が 命 だ もの ね 。

傷つけ られたら 、 お 嫁 に も 行け なく なる し ……」

と 、 キズテープ の 上 から さすって 、「 そう なったら 、 国友 さん 、 責任 取って くれる ?

「 君 !

「 冗談 、 冗談 」

と 、 夕 里子 は 笑った 。

「── どうも 、 命 を 助けて いただいて 」

「 いやいや ……」

すっかり 、 国友 の 方 は 申し訳ない 気分 に させ られて いる のである 。

何とも 割 の 合わ ない 話 だ 。

「 じゃ 、 君 は 、 水口 淳子 の 家 を 捜して た の ?

「 ええ 。

国友 さん は どうして あんな 所 を ウロ ついて た の ? 「 うろつく は ひどい なあ 。

僕 も 水口 淳子 の 家 へ 行く 途中 だった んだ よ 」

「 じゃ 、 やっぱり あの 辺 で 良かった の ね 」

「 ちょっと 入り組んで て 、 分 り にくい 所 な んだ 。

連れて 行って あげる よ 。 しかし ……」

「 何 か ?

「 君 の こと を 、 あの 父親 が 歓迎 する と は 思え ない よ 。

やめ といたら ? 「 パパ が 人殺し に さ れて る の よ 。

パパ の 気持 を 考えたら 、 そんな こと 平気 ! と 、 夕 里子 は 強い 口調 で 言い切った 。

国友 は 、 しばらく 夕 里子 を 眺めて いた が 、

「 君 は 強い 子 だ なあ 」

と 、 静かに 言った 。

夕 里子 も ── 多少 ── 恥じ入った 。

「 ごめんなさい 。

あなた に どうこう 言って も 仕方ない のに ね 。 ── そう だ 、 刑事 さん 」

「 急に 優しく なる と 気持 悪い ね 」

「 まあ 、 失礼 ね 」

と 、 夕 里子 は 笑った 。

「 お 願い が ある の 。 筆 蹟 を 調べて もらえ ない かしら ? 「 筆 蹟 ?

誰 の ? 夕 里子 は 、 二 枚 の 伝票 を 取り出して 、 国友 に 事情 を 説明 した 。

「── へえ 、 君 も ずいぶん 頑張って る んだ ねえ 」

「 そう です よ 。

警察 が やって くれ ない んだ もの 」

国友 は 笑い 出した 。

「 分 った 。

それ じゃ 調べて おく よ 。 でも 、 親分 に は 内緒 だ よ 」

「 親分 って ?

「 あ 、 三崎 さん の こと さ 」

もう 一 人 の 年長の 方 の 刑事 だ 。

「 やっぱり 、 パパ が 犯人 って ことに なって る んでしょ ?

「 そう 。

── 姿 を 消し ち まった の が 決定 的だった な 」

国友 は 伝票 を 内 ポケット へ し まい込む と 、

「 ともかく 、 これ は 調べて みる 。

結果 次第 じゃ 、 捜査 方針 も 変って 来る かも しれ ない もの ね 」

国友 の 言葉 は 、 夕 里子 を 多少 元気付けて くれた 。

「 さて 、 出かける か ね 、 豆 探偵 君 」

と 国友 は 立ち上った 。


三 姉妹 探偵 団 01 chapter 04 (2) みっ|しまい|たんてい|だん| Three Sisters Detective Agency 01 chapter 04 (2)

止まる 。 とまる Stop.

相手 も 止まる 。 あいて||とまる The other party also stops. また 歩く 。 |あるく 相手 も 歩く 。 あいて||あるく

夕 里子 の 心臓 が 早鐘 の ように 鳴り 出した 。 ゆう|さとご||しんぞう||はやがね|||なり|だした Yuriko's heart rang like a bell.

足 を 早める 。 あし||はやめる Take your feet fast. だが 、 一向に 背後 の 足音 は 、 離れ ない 。 |いっこうに|はいご||あしおと||はなれ| However, the footsteps in the back do not go away. 振り向いて 見る 気 は し なかった 。 ふりむいて|みる|き||| I did not feel like looking back.

いつの間にか 、 住宅 密集 地 を 外れて 、 どこ か 工場 の 裏手 らしい 道 へ 出て しまった 。 いつのまにか|じゅうたく|みっしゅう|ち||はずれて|||こうじょう||うらて||どう||でて| After some time, I went out of the residential area and went out to a path that seems to be behind the factory.

左側 は 長い のっぺり した 塀 が 続く 。 ひだりがわ||ながい|||へい||つづく On the left side is a long, long-lasting brow. 右手 は 私鉄 の 線路 。 みぎて||してつ||せんろ The right hand is a private railway track.

最悪の 場所 じゃ ない の ! さいあくの|ばしょ||| It 's not the worst place!

全く もう 、 馬鹿 ! まったく||ばか It 's already a fool!

救い 難い 馬鹿 ! すくい|かたい|ばか It 's hard to save, fool!

夕 里子 は 、 線路 へ 目 を やった 。 ゆう|さとご||せんろ||め|| Yuuriko looked at the track.

別に 、 金網 も 何も ない 。 べつに|かなあみ||なにも| Apart from that, there is no wire mesh either. 少し 道 から 高く なって いる が 、 線路 へ 入る の は 簡単だった 。 すこし|どう||たかく||||せんろ||はいる|||かんたんだった It was a bit high from the road, but getting into the track was easy.

向 う 側 に は アパート など が 立ち 並んで いる 。 むかい||がわ|||あぱーと|||たち|ならんで| On the other side there are apartments and so on.

── 線路 を 越え て向う へ 渡って しまえば ? せんろ||こえ|てむかう||わたって| -Do you go beyond the track to the road?

しかし 、 当然 、 尾 け て 来る 方 も 線路 を 渡る の は 容易である 。 |とうぜん|お|||くる|かた||せんろ||わたる|||よういである But, of course, it is easy to cross the track if you come to the tail.

電車 の 音 が した 。 でんしゃ||おと|| I heard the sound of a train.

少し 先 で 、 カーブ して いる ので 、 姿 は まだ 見え ない 。 すこし|さき||かーぶ||||すがた|||みえ| Because I am curving a little further, I can not see her figure yet. 警笛 が 何度 か 鳴った 。 けいてき||なんど||なった The horn rang several times. 見通し が 悪い のである 。 みとおし||わるい| The prospect is bad.

あの 電車 が 来る 直前 に 線路 を 横切ったら ? |でんしゃ||くる|ちょくぜん||せんろ||よこぎったら How about crossing the track just before that train comes?

尾行 して いる 人間 は 、 ちょっと 面食らう だろう 。 びこう|||にんげん|||めんくらう|

ほんの 二 、 三 秒 でも ためらえば 、 もう 電車 が 二 人 の 間 を 遮って くれる 。 |ふた|みっ|びょう||||でんしゃ||ふた|じん||あいだ||さえぎって| The train will shut off between the two for just a few seconds. 電車 が 通り過ぎる 間 に 、 走って 逃げれば 、 もう 追って は 来 られ まい 。 でんしゃ||とおりすぎる|あいだ||はしって|にげれば||おって||らい|| If you run and escape while the train passes, you will not be able to come later.

いささか の 危険 は ある 。 ||きけん|| There is some danger.

しかし 、 線路 を 駆け抜ける なんて 、 アッという間 だ 。 |せんろ||かけぬける||あっというま| However, it is a while to run through the track.

よし 、 やって やれ 、 と 決心 した 。 ||||けっしん| I decided that I could do it.

電車 が 近付いて 来る 。 でんしゃ||ちかづいて|くる The train is approaching.

夕 里子 は 足 を 止める と 、 編 上 靴 の 紐 を 結び 直そう と する ように 、 かがみ 込んだ 。 ゆう|さとご||あし||とどめる||へん|うえ|くつ||ひも||むすび|なおそう|||||こんだ When Yuuriko stops her legs, she bends in a direction so as to try to re-tie the straps of the knitting shoes.

電車 が レール を 鳴らす 音 が 腹 の 底 に 響いて 来た 。 でんしゃ||れーる||ならす|おと||はら||そこ||ひびいて|きた The sound of the train ringing at the bottom of my belly.

今 だ ! いま|

夕 里子 は 飛び上る ように 立って 、 線路 へ 向 って 駆け上った 。 ゆう|さとご||とびあがる||たって|せんろ||むかい||かけあがった Yuuriko stood up to fly up and ran up to the track.

手前 の 線路 を 飛び越え 、 向 う の 線路 を ── 次の 瞬間 、 夕 里子 は 見え ない 手 に 足首 を つかまえ られた ように 、 前 のめり に 倒れた 。 てまえ||せんろ||とびこえ|むかい|||せんろ||つぎの|しゅんかん|ゆう|さとご||みえ||て||あしくび|||||ぜん|||たおれた Jumping over the front of the track, going to the next track-Yutoriko fell to the front, like having grabbed her ankle with an invisible hand. いやというほど 額 を 打つ 。 |がく||うつ I swear my forehead. 起き上って 、 足 を 見る 。 おきあがって|あし||みる Get up and look at your feet. 靴 の かかと が 、 枕木 の 割れ目 に 挟まって いる 。 くつ||||まくらぎ||われめ||はさまって| The heel of the shoe is caught in the split of the sleeper.

電車 は この 線路 を やって 来る のだ 。 でんしゃ|||せんろ|||くる| The train is coming on this track.

夕 里子 は 必死で 足 を 引 張った 。 ゆう|さとご||ひっしで|あし||ひ|はった Yuriko was desperate and pulled out. 靴 を 脱ぐ に は 、 この ややこしい 紐 を 解か ねば なら ない 。 くつ||ぬぐ|||||ひも||とか||| To take off your shoes, you have to untie this confusing string.

ゴーッ と いう 轟音 が 、 まるで 大波 の ように のしかかって 来る 。 |||ごうおん|||おおなみ||||くる The roar of a roar comes as if it were a big wave.

「 エイッ ! "Hi!

力 を こめて 引 張る が 、 靴 は びくとも し ない 。 ちから|||ひ|はる||くつ|||| While pulling with tension, shoes do not bend.

このまま じゃ 、 ひき 殺さ れる ! |||ころさ| If this is done, it will be killed!

その とき 、 誰 か の 腕 が 、 夕 里子 を かかえ 上げた 。 ||だれ|||うで||ゆう|さとご|||あげた At that time, someone's arm held up Yuuriko.

凄い 力 で 、 バリッ と いう 音 と 共に 、 靴 の かかと が もぎ取ら れた 。 すごい|ちから|||||おと||ともに|くつ||||もぎとら| The heels of the shoes were stripped off with a sorrowful force, with a buzz. 次の 瞬間 に は 、 夕 里子 は 、 反対 側 の 斜面 に 投げ出さ れて いた 。 つぎの|しゅんかん|||ゆう|さとご||はんたい|がわ||しゃめん||なげださ|| At the next moment, Yuuriko was thrown out on the other side of the slope. 二 、 三 回転 して 、 やっと 止まった と 思う と 、 何 か が ドサッ と 上 に かぶさって 来る 。 ふた|みっ|かいてん|||とまった||おもう||なん|||||うえ|||くる I think that it stopped for a couple of turns, then something will hang over it.

電車 が 頭上 を 通って 行く 。 でんしゃ||ずじょう||かよって|いく A train goes over the head.

── 助かった のだ ! たすかった| 助 It was saved!

電車 が 通り過ぎて しまう まで 、 夕 里子 は 喘ぎ喘ぎ 、 頭 を かかえて いた 。 でんしゃ||とおりすぎて|||ゆう|さとご||あえぎあえぎ|あたま||| Yuuriko was pantinging and holding her head until the train passed by.

何だか 電車 が 自分 の 上 に 落 っこ ち て 来 そうな 気 が した のだ 。 なんだか|でんしゃ||じぶん||うえ||おと||||らい|そう な|き||| I felt that the train was about to fall on top of me.

轟音 が 、 遠のく 。 ごうおん||とおのく Stuttering is far away.

やっと 、 夕 里子 は 顔 を 上げる 。 |ゆう|さとご||かお||あげる Finally, Yuuriko raises her face.

いきなり 、 頰 を ひっぱ たか れた 。 Suddenly, I was pulled up.

「 何て こと を する んだ ! なんて|||| "What are you doing?

夕 里子 は 、 面食らって 、 ゆう|さとご||めんくらって

「 あなた は ……」

ひっぱ たかれ た 痛み も 忘れて いた 。 |||いたみ||わすれて| I also forgot the tired pain.

── あの 若い 刑事 、 国友 だった 。 |わかい|けいじ|くにとも| That young detective was a good friend. 「 当り前でしょ ! あたりまえでしょ

夕 里子 は かみつき そうな 声 を 出した 。 ゆう|さとご|||そう な|こえ||だした Yuriko made a voice that seemed to bite.

「 あなた が 後 を 尾 け て 来る から よ ! ||あと||お|||くる|| "Because you will come after you! 「 しかし ── 君 か どう か 、 はっきり 分 ら なかった んだ 。 |きみ|||||ぶん||| "But ─ ─ I was not sure if you were you.

一 度 ぐらい 振り向いて くれりゃ よかった のに 」 ひと|たび||ふりむいて||| You should have turned around once, "

「 無 茶 言わ ないで よ 。 む|ちゃ|いわ|| "Don't say in vain.

どんな 悪党 かも しれ ない のに 。 |あくとう|||| Even though there might be any bad party. 顔合わせ たら 、 終り じゃ ない の 」 かおあわせ||おわり||| If we meet, it is not over. "

夕 里子 は プーッ と ふくれて いた 。 ゆう|さとご||||| Yuuriko was popping up.

「 まあ …… 早とちり は 悪かった けど 、 君 も あんな 無 茶 を する から ……」 |はやとちり||わるかった||きみ|||む|ちゃ||| "Well ... Hayato was bad, but you also do such a tease ..."

国友 と して は 、 公平に 言って 、 夕 里子 の 命 を 助けて やった のだ から 、 本当 は 感謝 さ れて 然 る べきである が 、 そこ が 女の子 を 間違えて ひっぱ たいた と いう 弱 味 で 、 総 て 帳消し に さ れて しまって いる のである 。 くにとも||||こうへいに|いって|ゆう|さとご||いのち||たすけて||||ほんとう||かんしゃ|||ぜん||||||おんなのこ||まちがえて|||||じゃく|あじ||そう||ちょうけし|||||| As a good friend, I should say fairly that I should be grateful because I saved Yuuriko 's life, but I really should be grateful, but there is a weak feeling that he misled a girl and took it off And all of them have been written off.

「 それ に この 靴 …… 友だち の 借り物 な の よ 。 |||くつ|ともだち||かりもの||| "And it 's this shoe ... borrowed by my friends.

どう する の ? と 、 グスン 、 と 鼻 を すすれば 、 |||はな|| If you squeeze your nose,

「 分 った ! ぶん|

弁償 する 。 べんしょう| Reimburse. 新しい の を 買う から 。 あたらしい|||かう| Because I buy new ones. 泣か ないで くれよ 、 頼む から 」 なか|||たのむ| Don't cry, I'll ask. "

と 、 靴 まで 買わさ れる は めに なった 。 |くつ||かわさ|||| I got used to buying shoes.

── 靴 は 新品 、 食堂 で 昼 を 食べ 、 全部 国友 に 払わ せて 、 やっと 夕 里子 は ご機嫌 が 直った 。 くつ||しんぴん|しょくどう||ひる||たべ|ぜんぶ|くにとも||はらわ|||ゆう|さとご||ごきげん||なおった 靴 New shoes, I ate lunch in the cafeteria and let all my friends pay, and finally Yuriko was in good shape.

「 額 の 傷 は 目立た ない ? がく||きず||めだた| "Is the wound on the forehead unnoticeable?

と 、 それ でも あてつけ がま しく 訊 いて やる 。 ||||||じん|| And, even then, I will ask him for guilt.

「 う 、 うん …… 目立た ない よ 」 ||めだた|| "Well, yeah ... I don't stand out."

「 女 は 顔 が 命 だ もの ね 。 おんな||かお||いのち||| "Women have a life on their faces.

傷つけ られたら 、 お 嫁 に も 行け なく なる し ……」 きずつけ|||よめ|||いけ||| If I get hurt, I will not be able to go to my bride ... "

と 、 キズテープ の 上 から さすって 、「 そう なったら 、 国友 さん 、 責任 取って くれる ? |||うえ|||||くにとも||せきにん|とって| He said from the top of the scratch tape, "If so, Mr.Kotome, can you take responsibility?

「 君 ! きみ

「 冗談 、 冗談 」 じょうだん|じょうだん

と 、 夕 里子 は 笑った 。 |ゆう|さとご||わらった

「── どうも 、 命 を 助けて いただいて 」 |いのち||たすけて| "── Thank you for your help of life"

「 いやいや ……」

すっかり 、 国友 の 方 は 申し訳ない 気分 に させ られて いる のである 。 |くにとも||かた||もうしわけない|きぶん||さ せ||| I'm totally, the people of Kunito are being sorry.

何とも 割 の 合わ ない 話 だ 。 なんとも|わり||あわ||はなし| It is a story that does not fit well.

「 じゃ 、 君 は 、 水口 淳子 の 家 を 捜して た の ? |きみ||みずぐち|あつこ||いえ||さがして|| "Well then, were you looking for the house of Mizuguchi Reiko?

「 ええ 。

国友 さん は どうして あんな 所 を ウロ ついて た の ? くにとも|||||しょ||||| Why was Mr.Kotome following about that place? 「 うろつく は ひどい なあ 。 "It is awful.

僕 も 水口 淳子 の 家 へ 行く 途中 だった んだ よ 」 ぼく||みずぐち|あつこ||いえ||いく|とちゅう||| I was on my way to the house of Ms. Reiko Mizuguchi.

「 じゃ 、 やっぱり あの 辺 で 良かった の ね 」 |||ほとり||よかった|| "Well, after all I was good on that side"

「 ちょっと 入り組んで て 、 分 り にくい 所 な んだ 。 |いりくんで||ぶん|||しょ|| "It's a bit confusing and hard to find.

連れて 行って あげる よ 。 つれて|おこなって|| I'll take you there. しかし ……」

「 何 か ? なん|

「 君 の こと を 、 あの 父親 が 歓迎 する と は 思え ない よ 。 きみ|||||ちちおや||かんげい||||おもえ|| "I do not think that father welcomes you.

やめ といたら ? What if I stop? 「 パパ が 人殺し に さ れて る の よ 。 ぱぱ||ひとごろし|||||| "Daddy is being killed.

パパ の 気持 を 考えたら 、 そんな こと 平気 ! ぱぱ||きもち||かんがえたら|||へいき If you think about the feeling of dad, that kind of thing! と 、 夕 里子 は 強い 口調 で 言い切った 。 |ゆう|さとご||つよい|くちょう||いいきった And, Yuuriko said in a strong tone.

国友 は 、 しばらく 夕 里子 を 眺めて いた が 、 くにとも|||ゆう|さとご||ながめて|| Kunitomo watched Yuuriko for a while,

「 君 は 強い 子 だ なあ 」 きみ||つよい|こ|| "You are a strong boy"

と 、 静かに 言った 。 |しずかに|いった And said quietly.

夕 里子 も ── 多少 ── 恥じ入った 。 ゆう|さとご||たしょう|はじいった Yuriko also 多少 somewhat 多少 got embarrassed.

「 ごめんなさい 。

あなた に どうこう 言って も 仕方ない のに ね 。 |||いって||しかたない|| Whatever you say to me you can not help it. ── そう だ 、 刑事 さん 」 ||けいじ| そ う Yes, detective.

「 急に 優しく なる と 気持 悪い ね 」 きゅうに|やさしく|||きもち|わるい| "I feel bad when it gets suddenly gentle"

「 まあ 、 失礼 ね 」 |しつれい| "Well, excuse me,"

と 、 夕 里子 は 笑った 。 |ゆう|さとご||わらった

「 お 願い が ある の 。 |ねがい||| "I have a wish. 筆 蹟 を 調べて もらえ ない かしら ? ふで|あと||しらべて||| I wonder if you can check the brushstrokes? 「 筆 蹟 ? ふで|あと "A brush?

誰 の ? だれ| 夕 里子 は 、 二 枚 の 伝票 を 取り出して 、 国友 に 事情 を 説明 した 。 ゆう|さとご||ふた|まい||でんぴょう||とりだして|くにとも||じじょう||せつめい| Yuuriko took out the two slips and explained the circumstances to Kotoumi.

「── へえ 、 君 も ずいぶん 頑張って る んだ ねえ 」 |きみ|||がんばって||| "-Hey, you're doing a very good job too."

「 そう です よ 。

警察 が やって くれ ない んだ もの 」 けいさつ|||||| The police will not do it. "

国友 は 笑い 出した 。 くにとも||わらい|だした His friend came out laughing.

「 分 った 。 ぶん|

それ じゃ 調べて おく よ 。 ||しらべて|| Then I'll check it out. でも 、 親分 に は 内緒 だ よ 」 |おやぶん|||ないしょ|| But it's a secret to my parents.

「 親分 って ? おやぶん| "What about your parents?

「 あ 、 三崎 さん の こと さ 」 |みさき|||| "Oh, Mr.Misaki-san"

もう 一 人 の 年長の 方 の 刑事 だ 。 |ひと|じん||ねんちょうの|かた||けいじ| It is another detective of an older person.

「 やっぱり 、 パパ が 犯人 って ことに なって る んでしょ ? |ぱぱ||はんにん||||| "After all, dad is supposed to be the culprit, right?

「 そう 。

── 姿 を 消し ち まった の が 決定 的だった な 」 すがた||けし|||||けってい|てきだった| ── It was decisive that I disappeared. "

国友 は 伝票 を 内 ポケット へ し まい込む と 、 くにとも||でんぴょう||うち|ぽけっと|||まいこむ| When Kumitomo pulls the slip into the inner pocket,

「 ともかく 、 これ は 調べて みる 。 |||しらべて| "Anyway, I will investigate this.

結果 次第 じゃ 、 捜査 方針 も 変って 来る かも しれ ない もの ね 」 けっか|しだい||そうさ|ほうしん||かわって|くる||||| Depending on the result, the investigation policy may change as well. "

国友 の 言葉 は 、 夕 里子 を 多少 元気付けて くれた 。 くにとも||ことば||ゆう|さとご||たしょう|げんきづけて| His friend's words cheered Yuuriko a little.

「 さて 、 出かける か ね 、 豆 探偵 君 」 |でかける|||まめ|たんてい|きみ "Well, do you go out, bean detective you?"

と 国友 は 立ち上った 。 |くにとも||たちのぼった