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グッドモーニング・コール 2, episode 09「恋する気持ちって変わるもの?」

episode 09「 恋する 気持ちって 変わる もの ?」

( 菜緒 ( なお )) 太田 ( おお た ) ちゃん

この 間 原宿 ( はら じゅく ) の パンケーキ 屋 さん 行き たい って 言って た よ ね

( 太田 ) 言って ない 言って ない よ ( 菜緒 ) 私さ パンケーキ に は ―

ラテ より 紅茶 の ほう が 合う と 思う んだ けど

私 い っつ も うっかり しちゃ って さ

紅茶 じゃ なくて ラテ 頼んじゃ う の

だから さ ラテ の ほう が …

( まり な ) ストップ ストップ ストップ

( 菜緒 ) え ?

( まり な ) 菜緒 ( 菜緒 ) ん ?

上原 ( うえ はら ) 君 と 何 が あった の ?

( 阿部 ( あ べ )) 俺 見ちゃ った んだ よ ね

( 菜緒 ) あ べ っち

あの 夜 吉川 ( よし かわ ) と 上原 が …

( 上原 ) 俺 …

吉川 と 距離 置き たい んだ

( 菜緒 ) 距離 置く って どういう こと ?

お互い の 部屋 行き来 したり

一緒に 飯 食ったり する の は やめよう

上原 君 …

やっぱり 信じて ない んだ 私 の こと

信じ たい から だ よ

え ?

とにかく 今 は お互い

自分 を 見つめ 直す 時間 が 必要だ と 思う

( 太田 ) えっ 菜緒 ちゃん それ 大丈夫な の ?

違う よ

ほら 感情 の 行き違い って やつ ?

ちょっと 冷静に なろう って 話

でも それ って 別れる 前 段階 って こと じゃ ねえ の ?

( スプーン が 落ちる 音 )

ち … 違う … 違う よ

ほら 距離 を 置く った って ほら そもそも お 隣 同士 だ し

じゃあ 太田 ちゃん 先 行って る から 席 取 っと くね

( 太田 ) え ? あっ …

( 菜緒 ) あっ

( 男子 学生 ) すいません

大丈夫です か ? すいません

( 菜緒 ) いえ

( 夏目 ( なつ め )) 何で 菜緒 ちゃん の こと 信じて やれ ねえ んだ よ

好きな んだ ろ

あいつ の こと

ああ

好きだ

で どう する ?

もらっちゃ って いい の ?

何とか 言えよ !

もう お前 に 遠慮 なんて し ない

黙って 見て る の は やめた

( 紗栄 子 ( さえ こ )) 大丈夫 ?

何で 何も 言い返さ ない の ?

紗栄 子 さん

前 に 言い ました よ ね

( 紗栄 子 ) え ?

俺 と 吉川 は

たまたま 同居 して た から 付き合った んじゃ ない か って

それ は 酔っ払って つい

あいつ の 中 に は 確かに そういう 思い が ずっと あった んです

俺 が いくら 違う って 言って も

でも …

最近 思う んです

実は 俺 の ほう が

運 に 助け られて た んじゃ ない か って

あいつ に とって

たまたま そば に いた の が 俺 だった から で

それ が もし …

夏目 君 だった と したら ?

夏目 君 と 上原 君 の 出会い が 逆だったら

どう なって た か 分か ん ない ?

今 の 俺 は

夏目 に 勝てる もん 何も ない んです よ

随分 自信 が ない んだ ね

俺 …

夏目 に 初めて 会った 時

何 か 妙に なれなれしくて

( 上原 ) 変な ヤツ だ なって 思った んです けど

でも 不思議 と 腹 は 立た なかった んです よ

周り の 空気 と か 自分 の こと より も 優先 する し

そういう の

普通に すげ え なって 思って る 自分 が いて

なんで …

吉川 に とって

本当に 俺 で いい の か

距離 を 置いて 見極め たい んです

夏目 と 一緒に いた ほう が

あいつ に とって は 幸せ かも しれ ない じゃ ないで す か

吉川 自身

俺 が そば に いたら 自分 の 気持ち に 気づけ ない だろう し

でも それ で 夏目 君 に 取ら れちゃ って も いい の ?

( 上原 ) だ と したら ―

それ まで の こと なんで

( 紗栄 子 ) 諦めちゃ うんだ

私 だったら 欲しい もの あったら 絶対 諦め ない けど ね

ここ に いたんだ

夏目 君

結局 上原 と こじれちゃ った みたいだ ね

言 っと く けど キス の こと 俺 は もう 謝ら ない よ

こん ぐらい で 揺らぐ あいつ が 悪い し

上原 君 は 悪く ない から

私 が …

それ に

私 上原 君 の こと 信じて る から

菜緒 ちゃん

もう 俺 に しな よ

また そんな こと 言って

俺 は 菜緒 ちゃん が 好きだ よ

いいかげん 気づいて よ マジ で

でも …

分かって る

今 は 可能 性 ゼロ って こと は

けど 人 の 気持ち って 変わる でしょ

それ を 俺 が 証明 する よ

俺 が 菜緒 ちゃん の 気持ち 変えて み せる から

♪~

~♪

通った ?

審査 に 通った ?

( 教授 ) さっき 連絡 が あった よ

君 が 書いた “ IPS 細胞 から の ―”

“ ステロイドホルモン 合成 細胞 の 分化 の 成功 ” に ついて の 論文 が

確かに 受理 さ れた そうだ

ウソ でしょ …

( 上原 ) それ って この 間 雑誌 に 投稿 した 論文 の こと です よ ね

掲載 が 決まった んです か ?

掲載 に は 改定 論文 の 提出 が 条件 だ

改定 論文 ?

論文 に さらに 説得 力 を 持た せて 再 提出 しろ って こと

先方 の オーダー は

ステロイドホルモン 合成 経路 を 証明 する こと

それ さえ 証明 できれば

論文 が 雑誌 に 掲載 さ れる って こと です か ?

ずっと 夢 だった んだ ろ

福島 ( ふく しま ) 教授 と 同じ 雑誌 に 自分 の 書いた 論文 が 載る の

( 紗栄 子 ) え ?

来月 号 メイン は 福島 教授 の 論文 だ

やっと 紗栄 子 君 の 夢 が かなう ね

期限 は 1 週間 絶対 に 実験 を 成功 さ せ ない と

上原 君

私 しばらく 実験 室 に 籠もる から よろしく !

その 実験 手伝わ せて もらえ ませ ん か ?

( 紗栄 子 ) え ?

俺 に 協力 さ せて ください

夏目 君 に 勝てる こと 見つける ため ?

まあ 理由 は 何でも いい や 猫 の 手 でも 借り たい ぐらい だ から

フフフッ

( ドア が 開く 音 )

( 菜緒 ) 夏目 君 あり が と ね

相手 好きな 人 いる から

俺 が 勝ったら …

俺 と 付き合って

( 夏目 ) いいかげん 気づいて よ マジ で

バカだ 私

( 大地 ( だいち )) 待て って 七瀬 ( なな せ )

待て って

( 七 瀬 ) 言った よ ね

私 は もう 友達 と して いる なんて 無理だ から

マネージャー 辞め ない よ な

大 ちゃん

へえ

ハンド 部 辞めちゃ うんだ

何 か あった ?

( 菜緒 ) 大 ちゃん は どう し たい の ?

( 大地 ) 分か ん ない

友達 で いら れ そう も ない や

けど …

あいつ が そば に い ない の は

何 か イヤな んだ

試合 に 勝った 瞬間

一 番 に そう 思った

大 ちゃん

それ って もし かして …

でも

自分 でも どういう 感情 か 全然 分か ん ない んだ

大 ちゃん

七瀬 さん と ちゃんと 話した ほう が いい と 思う

今 離れたら 絶対 ダメだ よ

でも あいつ もう 俺 に 会って くれ ない し さ

大丈夫

私 に 任せて

( 七 瀬 ) もう 大地 と は 会わ ない

そう し なきゃ いけない の

片思い を 終わら せる に は そう する しか ない から

でも それ が チャンス だ と したら ?

チャンス ?

だって 告白 したら 追いかけて きた んでしょ

失い かけて 初めて 大切 さ に 気づいた パターン じゃ ない か な

( 七 瀬 ) 大地 が 私 の こと 好きに なる わけな いよ

だって 子供 の ころ から ずっと 吉川 さん の こと が 好きな んだ よ

人 の 気持ち は 変わる よ

絶対 に

( 携帯 電話 の バイブ 音 )

吉川 さん だ

え ?

( 七 瀬 ) 週 末 大地 の 全国 大会 出場 の お 祝い 会 を 開く から

参加 して ほし いって

何 す ん の ?

( 教授 ) どの ステロイドホルモン 合成 酵素 が 働いた か を 調べる に は ―

抗体 を 使う の が 一 番 なんだ

ただ なあ …

どの 抗体 が 今回 の 実験 に 適して いる か を 調べ ない と

そう

( 教授 ) 抗体 の 数 は むちゃくちゃ 多い から ねえ

( 紗栄 子 ) 何 ?

( 上原 ) えっ

( 紗栄 子 ) 視線 感じる んだ けど

( 上原 ) すいません

( 紗栄 子 ) いや 謝って ほしい わけじゃ なくて 何 ? 帰り たい ?

違い ます ただ …

ただ ?

一生懸命だ なって

は あ ? バカに して ん の ?

いや そういう わけ じゃ なくて

俺 何の 役 に も 立って ない なって

すいません

何 か 謝って ばっ か

自信 つけ たい んでしょ

正直 上原 君 の 自信 回復 なんて どう で も いい んだ けど

一 度 手伝う って 言った からに は 最後 まで 突き通して

( 上原 ) ど っか 行く の か ?

うん

上原 君 は ?

ああ

さっき まで 紗栄 子 さん と いて

着替え だけ し に 帰って きて

ち … 違う ぞ

あっ 今 大事な 実験 手伝って て

それ で 徹夜 で さ

って 何 言い訳 して んだ 俺

じゃあ 私 急いで る から

( 上原 ) おう

あっ

よし

七瀬 さん

何で 夏目 君 が ?

うん まあ … いい じゃ ん いい じゃ ん

この 人 が ついてきた いって 言う から

そんな 気まず そうな 顔 し ない

今日 は 2 人 の ため でしょ

俺 も 凛 ( りん ) ちゃん の 恋 応援 し たい し

菜緒 ちゃん は いったん 俺 の 告白 の こと は 忘れて

( 七 瀬 ) 告白 ?

あっ あっ …

俺 も 菜緒 ちゃん に 告白 した の

凛 ちゃん 見て て ね

俺 絶対 菜緒 ちゃん の 気持ち 変えて み せる から

( 七 瀬 ) ハァ … あきれた

人 の こと 利用 して

( 夏目 ) もちろん 今日 の メイン は 凛 ちゃん の 恋 だ よ

( 七 瀬 ) 言 っと く けど 私 は お 祝い の 準備 を 手伝う だけ

さっさと 買い物 して 吉川 さんち 行き ま しょ

私 は 大地 が 来る 前 に 帰る から

あっ … もう 無理 か と

無理 って 何 が …

ほら 天気 も いい しさ 出かける の も いい か な あって

だました んだ

よう

( 紗栄 子 の 寝息 )

( 紗栄 子 ) 自信 つけ たい んでしょ

( 菜緒 ) フフフフ …

いい ? 夏目 君 2 人 が いい 感じ に なったら

私 たち は フェードアウト する んだ から ね

分かって る って

本当に 分かって ん の ?

( 夏目 ) 分かって る よ ( 店員 ) お 待た せ し ました

( 菜緒 ) あっ …

ああ パンケーキ だ !

おいし そう

菜緒 いちご アイス 食う か ?

好きだ ろ

え ?

えっ いい の ?

フフフッ ありがとう あっ …

凛 ちゃん もらえば ?

( 菜緒 ) あっ うん

食う ?

いら ない

私 甘い も の 苦手だ から

( 大地 ) そ っか

あっ ああ !

あっ あの ね

あの ね 私 見 たい 映画 が あって

ジャーン !

( 上原 ) あっ おはよう ございます

( 紗栄 子 ) おはよう って 今 何 時 ?

えっ 何で 起こして くん ない の ?

( 上原 ) これ 全部 準備 できたら 起こそう と 思って

これ …

購入 でき ない もの は 持って そうな 教授 の とこ 回って

全部 そろえ ました

あと は 実際 やって みる だけ です

紗栄 子 さん ?

これ もらう の 大変だった でしょ

あの 教授 私 の こと 目 の 敵 に して る から

今度 合 コン セッティング する こと に なり ました

ハハハッ 本当 ?

よし やる か !

はい

上原 君 あり が と

( 菜緒 ) いや あ 面白かった なあ

( 大地 ) 菜緒 昔 から そういう ラブ ストーリー 好きだ よ な

( 菜緒 ) もう さ 最後 の シーン なんか キュンキュン だった よ

( 大地 ) あっ あれ 覚えて る ?

あの 小 っちゃ い 時 一緒に 見た クリスマス の ラブ ストーリー

( 菜緒 ) 覚えて る あれ 私 の 中 で ベスト 3 な の

( 大地 ) へえ

( 菜緒 ) ちなみに ベスト 2 は ねえ …

( 夏目 ) 凛 ちゃん は いつも どんな 映画 を 見る の ?

( 菜緒 ) あっ うん

胸 キュンシーン ベスト 1 は ?

ない

私 基本 ミステリー しか 見 ない から

そ っか …

( 紗栄 子 ) 何で よ !

発色 する はずな のに

( 上原 ) 紗栄 子 さん 他 に 候補

間違って た の か な 私 の 論文

( 上原 ) え ? ( 紗栄 子 ) だ と したら

ラッキーだった よ ね

福島 先生 と 同じ 雑誌 に 載る 前 で

紗栄 子 さん

あー よかった 恥 かく 前 で

( 上原 ) 紗栄 子 さん ( 紗栄 子 ) 何 よ !

諦める んです か

言い ました よ ね

“ 私 なら 絶対 諦め ない ” って

( 紗栄 子 ) それ と これ と は …

( 上原 ) 同じです

やっと 認め られ そうな のに

紗栄 子 さん が 積み上げて きた もの が やっと

積み上げて きた と か 関係ない の

いくら 苦労 して も 何 か が ずれた 以上

どうにも な ん ない こと って ある んだ よ

その 時 は

あっという間 に 消えて なく なる の

消えて なく なる なんて 許し ませ ん

積み上げて きた もの

捨てる なんて 許し ませ ん !

上原 君

あっ … すいません

でも 紗栄 子 さん

分かった よ

諦め なきゃ いい んでしょ

そんな 必死な 顔 して 言わ なくて も 分かって る よ

合成 経路 見直す よ

( 上原 ) 紗栄 子 さん ( 紗栄 子 ) ん ?

( 上原 ) これ って 確認 し ました ?

これ なら 反応 する かも

早速 試して み ましょう

( 紗栄 子 ) うん

どうかし ました ?

ダメだ

この 抗体 うち の 研究 室 に ない

他の 研究 室 は ?

同じ 分野 を 研究 して て …

福島 教授 は どう です か ?

( 上原 ) すいません

( 携帯 電話 の 着信 音 )

はい

福島 教授 や っぱ 連絡 取れ ない

とりあえず 教授 の いる 大学 に 向かい ます

連絡 取れたら 電話 ください

上原 君

大丈夫です から

あっ 上原 君

( 大地 ) おお 何 だ よ 上原

何 やって んだ よ こんな とこ で

別に

よかったら 一緒に どう だ ? なあ 菜緒

( 菜緒 ) あっ …

あっ あの ね 私 たち これ から …

悪い 俺 今 話 聞いて る 暇 ない から

何 だ よ それ

( 携帯 電話 の 着信 音 )

はい 紗栄 子 さん

分かり ました すぐ 向かい ます

はい

悪い 俺 今 急いで んだ

何 だ よ それ

( ドア が 開く 音 )

あっ

( 七 瀬 ) うわ あ …

( 大地 ) すげ え な

( 七 瀬 ) うわ ー すごい !

( 大地 ) なあ

大 パノラマ だ ね

キレイ

( 菜緒 ) 七瀬 さん 笑って る

スカイツリー から の 景色 は テッパン

どんな 女子 も 好きだ よ

( 菜緒 ) フフフッ

うわ あ

それにしても 本当 キレイ だ ね

( 夏目 ) 少し は 好きに なった ?

( 菜緒 ) ん ?

( 夏目 ) 何なら ここ で 改めて やり ましょう か

愛 の 告白

( 菜緒 ) いや 何 言って ん の

( 夏目 ) だって こんな 夜景 が キレイ な んだ し

( 上原 ) チーズ

( シャッター 音 )

( 菜緒 ) フフッ ( 上原 ) おい

冗談 だ よ

( 紗栄 子 ) さっき の うれしかった

( 上原 ) え ?

( 紗栄 子 )“ 積み上げて きた もの 捨てる なんて 許さ ない ” って やつ

( 上原 ) ああ …

( 紗栄 子 ) 私 に 向けた 言葉 じゃ なかった と して も

必死に なっちゃ って フフフッ

( 電子 音 )

さあ 今度 こそ 正真正銘 の ラスト チャンス よ

上原 君

ありがとう

上原 君 が いて くれて よかった

( 上原 ) いえ

好きだ よ

私 ね

上原 君 が 好きです

( 男性 ) お 待た せ

これ 欲し そうに して た やつ

( 女性 ) うわ ー ウソ ! ありがとう

( 男性 ) 行 こ ( 女性 ) うん

七瀬

悪い 捜して た ?

( 七 瀬 ) う うん

( 大地 ) 今日 は 七瀬 と 来 れて よかった

最近 七瀬 の 笑って る 顔 ずっと 見 れて なかった から さ

あっ そう いえば 菜緒 たち は ?

どうして そういう こと 言う の ?

え ?

思わせぶりな こと 言わ ないで よ

私 の 気持ち なんて 全然 分かって ない くせ に

七瀬 ?

( 菜緒 ) え ? ( 大地 ) 七瀬 !

( 菜緒 ) ちょ っ ちょ っ …

( 大地 ) え ? ( 菜緒 ) あっ …

( 菜緒 ) あっ あっ あっ ( 大地 ) え ?

あっ ! ああ …

イタタタタ …

イタタタタ …

菜緒 ?

どうした の 菜緒 ちゃん

( 菜緒 ) 痛い 痛い … お腹 が お腹 が 痛い かも

( 夏目 ) あー あ さっき 無理に アイスクリーム 食べる から

菜緒 ちゃん 連れて 帰る から

ほら 早く タクシー 呼んで

( 夏目 ) 早く ( 七 瀬 ) え ?

上原 君

全然 気づいて なかった でしょ 私 の 気持ち

すいません

謝る の は なし

って いう か 返事 も なし

とりあえず 今 は 断ら れる の 目 に 見えて る から

ただ 言い たかった だけ

ハハハ … スッキリ した

本音 吐く の って こんなに スッキリ する もん な んだ ね

ある 意味 デトックス ?

紗栄 子 さん

あっ !

成功 … これ って 成功 だ よ ね ?

です ね

よっ しゃ ー !

やった ー ! うれしい

みんな ありがとう ありがとう ありがとう …

うれしい

夢 じゃ ない

( 夏目 ) 菜緒 ちゃん 2 人 の こと が 心配で 帰る に 帰れ なかった んだ よ

( 大地 ) 菜緒 …

( 夏目 ) 俺 買い物 行って くる から

先輩 たち は 責任 持って 見て て ください ね

( ドア の 開閉 音 )

こいつ 昔 から 心配事 ある と 腹 壊す 癖 が あって さ

そう いや 運動 会 や 水泳 大会 の 前日 も

絶対 腹 壊して た な

とにかく 運動 音痴 で さ

大地 は ずっと 見て きた んだ ね

吉川 さん の こと

( 大地 ) え ?

どんな ささいな こと でも

吉川 さん の 好み とか ちゃん と 覚えて る し

小さい 時 は さ

菜緒 は 大事な 妹 で

こいつ が 求める もの は

何でも して あげ たい って 思って た んだ

それ が いつの間にか 恋愛 感情 に なって

8 年間

ずっと 好きで 好きで

うん

でも いつの間にか

また 大事な 妹 に 戻って た

え ?

気づいた んだ

七瀬 が そば に いて くれて る から

俺 菜緒 の こと 考え なく なって た

俺 …

それ は 恋愛 感情 と は 違う と 思う

大地 は 好き だって 言わ れた から 私 の こと 気 に なって る だけ

それ を 恋 だ と 錯覚 して る んだ よ

私 は 吉川 さん みたいに は なれ ない

あんなふうに

人 の ため に 一生懸命な タイプ じゃ ないし

私 なんて 大地 が 好きに なる わけな いよ

そんな こと ない

( 大地 ) え ?

だって 私 こんな 大 ちゃん 見た こと ない もん

今日 だって 大 ちゃん 七瀬 さん の こと ずっと 見て た んだ よ

七瀬 さん と 一緒に いる 時 の 大 ちゃん 私 の 知ら ない 大 ちゃん だった もん

吉川 さん 体調 は ?

小さい ころ から 知って る から こそ 私 分かる の

大 ちゃん は 七瀬 さん の こと が 好きな の

( 夏目 ) 菜緒 ちゃん

さあ お邪魔 だ から 外 行 こ 外 ねっ

( 菜緒 ) え ? ( 夏目 ) 行 こ

( 菜緒 ) えっ ちょっと …

七瀬 さん あの お 願い 大 ちゃん の こと 信じて あげて

ちょ … ちょっと 離して よ

( 夏目 ) 離さ ない 行く よ ( 菜緒 ) 待って 夏目 君 …

( ドア が 開く 音 )

( 菜緒 ) ちょっと 待って …

( ドア が 閉まる 音 )

必死 すぎ

そのまま で いい よ

七瀬 は そのまま で いい

ブラック コーヒー と ミステリー が 好きで

いつも テンション が 低い 七瀬 の まま で いい

悪かった わ ね テンション 低くて

( 大地 ) ハハハッ だ から それ で いいん だって

ハハッ

これ

( 七 瀬 ) え ?

やる よ

( 大地 ) 七瀬 夜景 見て る 時 は すごい うれし そうだった から

また そういう 顔 見 たい なって 思って

あ …

や っぱ ちょっと 違った ?

ありがとう

うれしい

大地

いい の ? 本当に

教えて よ

これ から

七瀬 の 好きな もの

ゆっくり 覚えて いく から

( 菜緒 ) フフフフ …

うまく いった みたいだ ね

ああ すげ え ホッと した

何 か 夏目 君 変わった よ ね

( 夏目 ) え ?

雑貨 屋 の バイト で サプライズプロポーズ の 時

人 の 幸せ なんて どう で も いい みたいな 顔 して たから さ

菜緒 ちゃん に 会った から だ よ

( 夏目 ) 大地 さん が 凛 ちゃん に 会って 変わった ように

みんな 誰 か と 会って 変わって くんだ よ

菜緒 ちゃん と 上原 も それ に 気づき 始めて る んじゃ ない ?

ずっと 2 人 っきり の 狭い 世界 に いた から こそ

( 夏目 ) 本当 は 2 人 と も 分かって る んだ よ

もっと お互い 外 に 目 を 向ける べきだ って

お互い 他 に ふさわしい 場所 が ある かも しれ ない って

菜緒 ちゃん 俺 待って る から

( 菜緒 ) あの ね

あの ね あの あと ね みんな で スカイツリー 行った の

で 今日 は ね

七瀬 さん と 大 ちゃん の 恋 応援 しよう って 話 に なって

で 夏目 君 も 協力 して もらって

で 今 ね 私 の 部屋 に 七瀬 さん と 大 ちゃん が いる んだ けど

すごく いい 感じ に なっちゃ って て

ごめん

私 距離 近かった よ ね

今 入ったら 邪魔に なんだ ろ

あっ …

そ っか

( 菜緒 ) 小さい ころ から 一緒に いる けど

大 ちゃん の 力 に なった の なんか 初めて で

感動 しちゃ って さ

( 上原 ) 悪かった な

え ?

( 上原 ) 俺 あの 時

話 聞いて る 暇 ねえ みたいな こ と 言って

う うん

でも

吉川 に は 大事な 時間 だった んだ ろ

( 菜緒 ) うん

上原 君 は ? 何で 急いで た の ?

( 上原 ) ああ

えっ と …

実は 紗栄 子 さん の 書いた 論文 が 雑誌 に 掲載 さ れる チャンス で ―

ずっと 実験 に かかりっきり だった んだ

それ で ?

え ?

もっと 聞き たい その 話

別に そんな 面白い 話 じゃ ない けど

う うん

いい の

それ で 実験 は 成功 した の ?

最終 的に は

うまく いく まで が 大変だった けど

紗栄 子 さん も めちゃめちゃ 喜んで て

尊敬 する 教授 と 同じ 雑誌 に 論文 載る の が

ずっと 夢 だった らしくて

その ため に 必死で 頑張って て

それ が やっと かない そうで さ

何 か すげ え なって

その 場 に 立ち 会えた だけ でも 感動 も のって いう か

俺 なんか が 手伝って も

戦力 に も 何にも なら なかった んだ けど

でも …

何 か ちょっと 感動 した

ああ 吉川 は ?

私 ?

いや …

飯 食って ん の か ?

何 それ

私 に は ご飯 しか ない みたいじゃ ん

ごめん そういう わけ じゃ なくて

冗談 って 分かって る

( 上原 ) 吉川 ( 菜緒 ) 上原 君

( 上原 ) 何 ?

( 菜緒 ) あ …

よかった ね 実験 うまく いって

( 上原 ) うん

そっち も よかった な

( 菜緒 ) うん

何 ?

何でもない

( 上原 ) はい

あり が と

久々の 牛乳 プリン だ な

おいしい

( 上原 ) うん

上原 君

( 上原 ) ん ?

別れよ っか

え ?

別れよう 上原 君

♪~

~♪


episode 09「 恋する 気持ちって 変わる もの ?」 |こいする|きもちって|かわる|

( 菜緒 ( なお )) 太田 ( おお た ) ちゃん なお||おおた|||

この 間 原宿 ( はら じゅく ) の パンケーキ 屋 さん 行き たい って 言って た よ ね |あいだ|はらじゅく|||||や||いき|||いって|||

( 太田 ) 言って ない   言って ない よ ( 菜緒 ) 私さ パンケーキ に は ― おおた|いって||いって|||なお|わたくしさ|||

ラテ より 紅茶 の ほう が 合う と 思う んだ けど ||こうちゃ||||あう||おもう||

私 い っつ も うっかり しちゃ って さ わたくし|||||||

紅茶 じゃ なくて ラテ 頼んじゃ う の こうちゃ||||たのんじゃ||

だから さ ラテ の ほう が …

( まり な ) ストップ ストップ ストップ ||すとっぷ|すとっぷ|すとっぷ

( 菜緒 ) え ? なお|

( まり な ) 菜緒 ( 菜緒 ) ん ? ||なお|なお|

上原 ( うえ はら ) 君 と 何 が あった の ? うえはら|||きみ||なん|||

( 阿部 ( あ べ )) 俺 見ちゃ った んだ よ ね あべ|||おれ|みちゃ||||

( 菜緒 ) あ べ っち なお|||

あの 夜 吉川 ( よし かわ ) と 上原 が … |よ|きちかわ||||うえはら|

( 上原 ) 俺 … うえはら|おれ

吉川 と 距離 置き たい んだ きちかわ||きょり|おき||

( 菜緒 ) 距離 置く って どういう こと ? なお|きょり|おく|||

お互い の 部屋 行き来 したり おたがい||へや|ゆきき|

一緒に 飯 食ったり する の は やめよう いっしょに|めし|くったり||||

上原 君 … うえはら|きみ

やっぱり 信じて ない んだ 私 の こと |しんじて|||わたくし||

信じ たい から だ よ しんじ||||

え ?

とにかく 今 は お互い |いま||おたがい

自分 を 見つめ 直す 時間 が 必要だ と 思う じぶん||みつめ|なおす|じかん||ひつようだ||おもう

( 太田 ) えっ 菜緒 ちゃん それ 大丈夫な の ? おおた||なお|||だいじょうぶな|

違う よ ちがう|

ほら 感情 の 行き違い って やつ ? |かんじょう||ゆきちがい||

ちょっと 冷静に なろう って 話 |れいせいに|||はなし

でも それ って 別れる 前 段階 って こと じゃ ねえ の ? |||わかれる|ぜん|だんかい|||||

( スプーン が 落ちる 音 ) すぷーん||おちる|おと

ち … 違う … 違う よ |ちがう|ちがう|

ほら 距離 を 置く った って ほら そもそも お 隣 同士 だ し |きょり||おく||||||となり|どうし||

じゃあ 太田 ちゃん 先 行って る から 席 取 っと くね |おおた||さき|おこなって|||せき|と||

( 太田 ) え ? あっ … おおた||

( 菜緒 ) あっ なお|

( 男子 学生 ) すいません だんし|がくせい|

大丈夫です か ? すいません だいじょうぶ です||

( 菜緒 ) いえ なお|

( 夏目 ( なつ め )) 何で 菜緒 ちゃん の こと 信じて やれ ねえ んだ よ なつめ|||なんで|なお||||しんじて||||

好きな んだ ろ すきな||

あいつ の こと

ああ

好きだ すきだ

で どう する ?

もらっちゃ って いい の ?

何とか 言えよ ! なんとか|いえよ

もう お前 に 遠慮 なんて し ない |おまえ||えんりょ|||

黙って 見て る の は やめた だまって|みて||||

( 紗栄 子 ( さえ こ )) 大丈夫 ? ささかえ|こ|||だいじょうぶ

何で 何も 言い返さ ない の ? なんで|なにも|いいかえさ||

紗栄 子 さん ささかえ|こ|

前 に 言い ました よ ね ぜん||いい|||

( 紗栄 子 ) え ? ささかえ|こ|

俺 と 吉川 は おれ||きちかわ|

たまたま 同居 して た から 付き合った んじゃ ない か って |どうきょ||||つきあった||||

それ は 酔っ払って つい ||よっぱらって|

あいつ の 中 に は 確かに そういう 思い が ずっと あった んです ||なか|||たしかに||おもい||||ん です

俺 が いくら 違う って 言って も おれ|||ちがう||いって|

でも …

最近 思う んです さいきん|おもう|ん です

実は 俺 の ほう が じつは|おれ|||

運 に 助け られて た んじゃ ない か って うん||たすけ||||||

あいつ に とって

たまたま そば に いた の が 俺 だった から で ||||||おれ|||

それ が もし …

夏目 君 だった と したら ? なつめ|きみ|||

夏目 君 と 上原 君 の 出会い が 逆だったら なつめ|きみ||うえはら|きみ||であい||ぎゃくだったら

どう なって た か 分か ん ない ? ||||わか||

今 の 俺 は いま||おれ|

夏目 に 勝てる もん 何も ない んです よ なつめ||かてる||なにも||ん です|

随分 自信 が ない んだ ね ずいぶん|じしん||||

俺 … おれ

夏目 に 初めて 会った 時 なつめ||はじめて|あった|じ

何 か 妙に なれなれしくて なん||みょうに|

( 上原 ) 変な ヤツ だ なって 思った んです けど うえはら|へんな|やつ|||おもった|ん です|

でも 不思議 と 腹 は 立た なかった んです よ |ふしぎ||はら||たた||ん です|

周り の 空気 と か 自分 の こと より も 優先 する し まわり||くうき|||じぶん|||||ゆうせん||

そういう の

普通に すげ え なって 思って る 自分 が いて ふつうに||||おもって||じぶん||

なんで …

吉川 に とって きちかわ||

本当に 俺 で いい の か ほんとうに|おれ||||

距離 を 置いて 見極め たい んです きょり||おいて|みきわめ||ん です

夏目 と 一緒に いた ほう が なつめ||いっしょに|||

あいつ に とって は 幸せ かも しれ ない じゃ ないで す か ||||しあわせ|||||||

吉川 自身 きちかわ|じしん

俺 が そば に いたら 自分 の 気持ち に 気づけ ない だろう し おれ|||||じぶん||きもち||きづけ|||

でも それ で 夏目 君 に 取ら れちゃ って も いい の ? |||なつめ|きみ||とら|||||

( 上原 ) だ と したら ― うえはら|||

それ まで の こと なんで

( 紗栄 子 ) 諦めちゃ うんだ ささかえ|こ|あきらめちゃ|

私 だったら 欲しい もの あったら 絶対 諦め ない けど ね わたくし||ほしい|||ぜったい|あきらめ|||

ここ に いたんだ

夏目 君 なつめ|きみ

結局 上原 と こじれちゃ った みたいだ ね けっきょく|うえはら|||||

言 っと く けど キス の こと 俺 は もう 謝ら ない よ げん||||きす|||おれ|||あやまら||

こん ぐらい で 揺らぐ あいつ が 悪い し |||ゆらぐ|||わるい|

上原 君 は 悪く ない から うえはら|きみ||わるく||

私 が … わたくし|

それ に

私 上原 君 の こと 信じて る から わたくし|うえはら|きみ|||しんじて||

菜緒 ちゃん なお|

もう 俺 に しな よ |おれ|||

また そんな こと 言って |||いって

俺 は 菜緒 ちゃん が 好きだ よ おれ||なお|||すきだ|

いいかげん 気づいて よ マジ で |きづいて|||

でも …

分かって る わかって|

今 は 可能 性 ゼロ って こと は いま||かのう|せい||||

けど 人 の 気持ち って 変わる でしょ |じん||きもち||かわる|

それ を 俺 が 証明 する よ ||おれ||しょうめい||

俺 が 菜緒 ちゃん の 気持ち 変えて み せる から おれ||なお|||きもち|かえて|||

♪~

~♪

通った ? かよった

審査 に 通った ? しんさ||かよった

( 教授 ) さっき 連絡 が あった よ きょうじゅ||れんらく|||

君 が 書いた “ IPS 細胞 から の ―” きみ||かいた||さいぼう||

“ ステロイドホルモン 合成 細胞 の 分化 の 成功 ” に ついて の 論文 が |ごうせい|さいぼう||ぶんか||せいこう||||ろんぶん|

確かに 受理 さ れた そうだ たしかに|じゅり|||そう だ

ウソ でしょ … うそ|

( 上原 ) それ って この 間 雑誌 に 投稿 した 論文 の こと です よ ね うえはら||||あいだ|ざっし||とうこう||ろんぶん|||||

掲載 が 決まった んです か ? けいさい||きまった|ん です|

掲載 に は 改定 論文 の 提出 が 条件 だ けいさい|||かいてい|ろんぶん||ていしゅつ||じょうけん|

改定 論文 ? かいてい|ろんぶん

論文 に さらに 説得 力 を 持た せて 再 提出 しろ って こと ろんぶん|||せっとく|ちから||もた||さい|ていしゅつ|||

先方 の オーダー は せんぽう||おーだー|

ステロイドホルモン 合成 経路 を 証明 する こと |ごうせい|けいろ||しょうめい||

それ さえ 証明 できれば ||しょうめい|

論文 が 雑誌 に 掲載 さ れる って こと です か ? ろんぶん||ざっし||けいさい||||||

ずっと 夢 だった んだ ろ |ゆめ|||

福島 ( ふく しま ) 教授 と 同じ 雑誌 に 自分 の 書いた 論文 が 載る の ふくしま|||きょうじゅ||おなじ|ざっし||じぶん||かいた|ろんぶん||のる|

( 紗栄 子 ) え ? ささかえ|こ|

来月 号 メイン は 福島 教授 の 論文 だ らいげつ|ごう|||ふくしま|きょうじゅ||ろんぶん|

やっと 紗栄 子 君 の 夢 が かなう ね |ささかえ|こ|きみ||ゆめ|||

期限 は 1 週間 絶対 に 実験 を 成功 さ せ ない と きげん||しゅうかん|ぜったい||じっけん||せいこう||||

上原 君 うえはら|きみ

私 しばらく 実験 室 に 籠もる から よろしく ! わたくし||じっけん|しつ||こもる||

その 実験 手伝わ せて もらえ ませ ん か ? |じっけん|てつだわ|||||

( 紗栄 子 ) え ? ささかえ|こ|

俺 に 協力 さ せて ください おれ||きょうりょく|||

夏目 君 に 勝てる こと 見つける ため ? なつめ|きみ||かてる||みつける|

まあ 理由 は 何でも いい や 猫 の 手 でも 借り たい ぐらい だ から |りゆう||なんでも|||ねこ||て||かり||||

フフフッ

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 菜緒 ) 夏目 君 あり が と ね なお|なつめ|きみ||||

相手 好きな 人 いる から あいて|すきな|じん||

俺 が 勝ったら … おれ||かったら

俺 と 付き合って おれ||つきあって

( 夏目 ) いいかげん 気づいて よ マジ で なつめ||きづいて|||

バカだ 私 ばかだ|わたくし

( 大地 ( だいち )) 待て って 七瀬 ( なな せ ) だいち||まて||ななせ||

待て って まて|

( 七 瀬 ) 言った よ ね なな|せ|いった||

私 は もう 友達 と して いる なんて 無理だ から わたくし|||ともだち|||||むりだ|

マネージャー 辞め ない よ な まねーじゃー|やめ|||

大 ちゃん だい|

へえ

ハンド 部 辞めちゃ うんだ |ぶ|やめちゃ|

何 か あった ? なん||

( 菜緒 ) 大 ちゃん は どう し たい の ? なお|だい||||||

( 大地 ) 分か ん ない だいち|わか||

友達 で いら れ そう も ない や ともだち|||||||

けど …

あいつ が そば に い ない の は

何 か イヤな んだ なん||いやな|

試合 に 勝った 瞬間 しあい||かった|しゅんかん

一 番 に そう 思った ひと|ばん|||おもった

大 ちゃん だい|

それ って もし かして …

でも

自分 でも どういう 感情 か 全然 分か ん ない んだ じぶん|||かんじょう||ぜんぜん|わか|||

大 ちゃん だい|

七瀬 さん と ちゃんと 話した ほう が いい と 思う ななせ||||はなした|||||おもう

今 離れたら 絶対 ダメだ よ いま|はなれたら|ぜったい|だめだ|

でも あいつ もう 俺 に 会って くれ ない し さ |||おれ||あって||||

大丈夫 だいじょうぶ

私 に 任せて わたくし||まかせて

( 七 瀬 ) もう 大地 と は 会わ ない なな|せ||だいち|||あわ|

そう し なきゃ いけない の

片思い を 終わら せる に は そう する しか ない から かたおもい||おわら||||||||

でも それ が チャンス だ と したら ? |||ちゃんす|||

チャンス ? ちゃんす

だって 告白 したら 追いかけて きた んでしょ |こくはく||おいかけて||

失い かけて 初めて 大切 さ に 気づいた パターン じゃ ない か な うしない||はじめて|たいせつ|||きづいた|ぱたーん||||

( 七 瀬 ) 大地 が 私 の こと 好きに なる わけな いよ なな|せ|だいち||わたくし|||すきに|||

だって 子供 の ころ から ずっと 吉川 さん の こと が 好きな んだ よ |こども|||||きちかわ|||||すきな||

人 の 気持ち は 変わる よ じん||きもち||かわる|

絶対 に ぜったい|

( 携帯 電話 の バイブ 音 ) けいたい|でんわ|||おと

吉川 さん だ きちかわ||

え ?

( 七 瀬 ) 週 末 大地 の 全国 大会 出場 の お 祝い 会 を 開く から なな|せ|しゅう|すえ|だいち||ぜんこく|たいかい|しゅつじょう|||いわい|かい||あく|

参加 して ほし いって さんか|||

何 す ん の ? なん|||

( 教授 ) どの ステロイドホルモン 合成 酵素 が 働いた か を 調べる に は ― きょうじゅ|||ごうせい|こうそ||はたらいた|||しらべる||

抗体 を 使う の が 一 番 なんだ こうたい||つかう|||ひと|ばん|

ただ なあ …

どの 抗体 が 今回 の 実験 に 適して いる か を 調べ ない と |こうたい||こんかい||じっけん||てきして||||しらべ||

そう

( 教授 ) 抗体 の 数 は むちゃくちゃ 多い から ねえ きょうじゅ|こうたい||すう|||おおい||

( 紗栄 子 ) 何 ? ささかえ|こ|なん

( 上原 ) えっ うえはら|

( 紗栄 子 ) 視線 感じる んだ けど ささかえ|こ|しせん|かんじる||

( 上原 ) すいません うえはら|

( 紗栄 子 ) いや 謝って ほしい わけじゃ なくて 何 ? 帰り たい ? ささかえ|こ||あやまって||||なん|かえり|

違い ます ただ … ちがい||

ただ ?

一生懸命だ なって いっしょうけんめいだ|

は あ ? バカに して ん の ? ||ばかに|||

いや そういう わけ じゃ なくて

俺 何の 役 に も 立って ない なって おれ|なんの|やく|||たって||

すいません

何 か 謝って ばっ か なん||あやまって||

自信 つけ たい んでしょ じしん|||

正直 上原 君 の 自信 回復 なんて どう で も いい んだ けど しょうじき|うえはら|きみ||じしん|かいふく|||||||

一 度 手伝う って 言った からに は 最後 まで 突き通して ひと|たび|てつだう||いった|||さいご||つきとおして

( 上原 ) ど っか 行く の か ? うえはら|||いく||

うん

上原 君 は ? うえはら|きみ|

ああ

さっき まで 紗栄 子 さん と いて ||ささかえ|こ|||

着替え だけ し に 帰って きて きがえ||||かえって|

ち … 違う ぞ |ちがう|

あっ 今 大事な 実験 手伝って て |いま|だいじな|じっけん|てつだって|

それ で 徹夜 で さ ||てつや||

って 何 言い訳 して んだ 俺 |なん|いい わけ|||おれ

じゃあ 私 急いで る から |わたくし|いそいで||

( 上原 ) おう うえはら|

あっ

よし

七瀬 さん ななせ|

何で 夏目 君 が ? なんで|なつめ|きみ|

うん まあ … いい じゃ ん いい じゃ ん

この 人 が ついてきた いって 言う から |じん||||いう|

そんな 気まず そうな 顔 し ない |きまず|そう な|かお||

今日 は 2 人 の ため でしょ きょう||じん|||

俺 も 凛 ( りん ) ちゃん の 恋 応援 し たい し おれ||りん||||こい|おうえん|||

菜緒 ちゃん は いったん 俺 の 告白 の こと は 忘れて なお||||おれ||こくはく||||わすれて

( 七 瀬 ) 告白 ? なな|せ|こくはく

あっ あっ …

俺 も 菜緒 ちゃん に 告白 した の おれ||なお|||こくはく||

凛 ちゃん 見て て ね りん||みて||

俺 絶対 菜緒 ちゃん の 気持ち 変えて み せる から おれ|ぜったい|なお|||きもち|かえて|||

( 七 瀬 ) ハァ … あきれた なな|せ||

人 の こと 利用 して じん|||りよう|

( 夏目 ) もちろん 今日 の メイン は 凛 ちゃん の 恋 だ よ なつめ||きょう||||りん|||こい||

( 七 瀬 ) 言 っと く けど 私 は お 祝い の 準備 を 手伝う だけ なな|せ|げん||||わたくし|||いわい||じゅんび||てつだう|

さっさと 買い物 して 吉川 さんち 行き ま しょ |かいもの||きちかわ||いき||

私 は 大地 が 来る 前 に 帰る から わたくし||だいち||くる|ぜん||かえる|

あっ … もう 無理 か と ||むり||

無理 って 何 が … むり||なん|

ほら 天気 も いい しさ 出かける の も いい か な あって |てんき|||し さ|でかける||||||

だました んだ

よう

( 紗栄 子 の 寝息 ) ささかえ|こ||ねいき

( 紗栄 子 ) 自信 つけ たい んでしょ ささかえ|こ|じしん|||

( 菜緒 ) フフフフ … なお|

いい ? 夏目 君 2 人 が いい 感じ に なったら |なつめ|きみ|じん|||かんじ||

私 たち は フェードアウト する んだ から ね わたくし|||||||

分かって る って わかって||

本当に 分かって ん の ? ほんとうに|わかって||

( 夏目 ) 分かって る よ ( 店員 ) お 待た せ し ました なつめ|わかって|||てんいん||また|||

( 菜緒 ) あっ … なお|

ああ パンケーキ だ !

おいし そう

菜緒 いちご アイス 食う か ? なお||あいす|くう|

好きだ ろ すきだ|

え ?

えっ いい の ?

フフフッ ありがとう あっ …

凛 ちゃん もらえば ? りん||

( 菜緒 ) あっ うん なお||

食う ? くう

いら ない

私 甘い も の 苦手だ から わたくし|あまい|||にがてだ|

( 大地 ) そ っか だいち||

あっ ああ !

あっ あの ね

あの ね 私 見 たい 映画 が あって ||わたくし|み||えいが||

ジャーン !

( 上原 ) あっ おはよう ございます うえはら|||

( 紗栄 子 ) おはよう って 今 何 時 ? ささかえ|こ|||いま|なん|じ

えっ 何で 起こして くん ない の ? |なんで|おこして|||

( 上原 ) これ 全部 準備 できたら 起こそう と 思って うえはら||ぜんぶ|じゅんび||おこそう||おもって

これ …

購入 でき ない もの は 持って そうな 教授 の とこ 回って こうにゅう|||||もって|そう な|きょうじゅ|||まわって

全部 そろえ ました ぜんぶ||

あと は 実際 やって みる だけ です ||じっさい||||

紗栄 子 さん ? ささかえ|こ|

これ もらう の 大変だった でしょ |||たいへんだった|

あの 教授 私 の こと 目 の 敵 に して る から |きょうじゅ|わたくし|||め||てき||||

今度 合 コン セッティング する こと に なり ました こんど|ごう|||||||

ハハハッ 本当 ? |ほんとう

よし やる か !

はい

上原 君 あり が と うえはら|きみ|||

( 菜緒 ) いや あ 面白かった なあ なお|||おもしろかった|

( 大地 ) 菜緒 昔 から そういう ラブ ストーリー 好きだ よ な だいち|なお|むかし|||らぶ|すとーりー|すきだ||

( 菜緒 ) もう さ 最後 の シーン なんか キュンキュン だった よ なお|||さいご||しーん||||

( 大地 ) あっ あれ 覚えて る ? だいち|||おぼえて|

あの 小 っちゃ い 時 一緒に 見た クリスマス の ラブ ストーリー |しょう|||じ|いっしょに|みた|くりすます||らぶ|すとーりー

( 菜緒 ) 覚えて る あれ 私 の 中 で ベスト 3 な の なお|おぼえて|||わたくし||なか||べすと||

( 大地 ) へえ だいち|

( 菜緒 ) ちなみに ベスト 2 は ねえ … なお||べすと||

( 夏目 ) 凛 ちゃん は いつも どんな 映画 を 見る の ? なつめ|りん|||||えいが||みる|

( 菜緒 ) あっ うん なお||

胸 キュンシーン ベスト 1 は ? むね||べすと|

ない

私 基本 ミステリー しか 見 ない から わたくし|きほん|みすてりー||み||

そ っか …

( 紗栄 子 ) 何で よ ! ささかえ|こ|なんで|

発色 する はずな のに はっしょく|||

( 上原 ) 紗栄 子 さん 他 に 候補 うえはら|ささかえ|こ||た||こうほ

間違って た の か な 私 の 論文 まちがって|||||わたくし||ろんぶん

( 上原 ) え ? ( 紗栄 子 ) だ と したら うえはら||ささかえ|こ|||

ラッキーだった よ ね らっきーだった||

福島 先生 と 同じ 雑誌 に 載る 前 で ふくしま|せんせい||おなじ|ざっし||のる|ぜん|

紗栄 子 さん ささかえ|こ|

あー よかった 恥 かく 前 で ||はじ||ぜん|

( 上原 ) 紗栄 子 さん ( 紗栄 子 ) 何 よ ! うえはら|ささかえ|こ||ささかえ|こ|なん|

諦める んです か あきらめる|ん です|

言い ました よ ね いい|||

“ 私 なら 絶対 諦め ない ” って わたくし||ぜったい|あきらめ||

( 紗栄 子 ) それ と これ と は … ささかえ|こ|||||

( 上原 ) 同じです うえはら|おなじ です

やっと 認め られ そうな のに |みとめ||そう な|

紗栄 子 さん が 積み上げて きた もの が やっと ささかえ|こ|||つみあげて||||

積み上げて きた と か 関係ない の つみあげて||||かんけいない|

いくら 苦労 して も 何 か が ずれた 以上 |くろう|||なん||||いじょう

どうにも な ん ない こと って ある んだ よ

その 時 は |じ|

あっという間 に 消えて なく なる の あっというま||きえて|||

消えて なく なる なんて 許し ませ ん きえて||||ゆるし||

積み上げて きた もの つみあげて||

捨てる なんて 許し ませ ん ! すてる||ゆるし||

上原 君 うえはら|きみ

あっ … すいません

でも 紗栄 子 さん |ささかえ|こ|

分かった よ わかった|

諦め なきゃ いい んでしょ あきらめ|||

そんな 必死な 顔 して 言わ なくて も 分かって る よ |ひっしな|かお||いわ|||わかって||

合成 経路 見直す よ ごうせい|けいろ|みなおす|

( 上原 ) 紗栄 子 さん ( 紗栄 子 ) ん ? うえはら|ささかえ|こ||ささかえ|こ|

( 上原 ) これ って 確認 し ました ? うえはら|||かくにん||

これ なら 反応 する かも ||はんのう||

早速 試して み ましょう さっそく|ためして||

( 紗栄 子 ) うん ささかえ|こ|

どうかし ました ?

ダメだ だめだ

この 抗体 うち の 研究 室 に ない |こうたい|||けんきゅう|しつ||

他の 研究 室 は ? たの|けんきゅう|しつ|

同じ 分野 を 研究 して て … おなじ|ぶんや||けんきゅう||

福島 教授 は どう です か ? ふくしま|きょうじゅ||||

( 上原 ) すいません うえはら|

( 携帯 電話 の 着信 音 ) けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

はい

福島 教授 や っぱ 連絡 取れ ない ふくしま|きょうじゅ|||れんらく|とれ|

とりあえず 教授 の いる 大学 に 向かい ます |きょうじゅ|||だいがく||むかい|

連絡 取れたら 電話 ください れんらく|とれたら|でんわ|

上原 君 うえはら|きみ

大丈夫です から だいじょうぶ です|

あっ 上原 君 |うえはら|きみ

( 大地 ) おお 何 だ よ 上原 だいち||なん|||うえはら

何 やって んだ よ こんな とこ で なん||||||

別に べつに

よかったら 一緒に どう だ ? なあ 菜緒 |いっしょに||||なお

( 菜緒 ) あっ … なお|

あっ あの ね 私 たち これ から … |||わたくし|||

悪い 俺 今 話 聞いて る 暇 ない から わるい|おれ|いま|はなし|きいて||いとま||

何 だ よ それ なん|||

( 携帯 電話 の 着信 音 ) けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

はい 紗栄 子 さん |ささかえ|こ|

分かり ました すぐ 向かい ます わかり|||むかい|

はい

悪い 俺 今 急いで んだ わるい|おれ|いま|いそいで|

何 だ よ それ なん|||

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

あっ

( 七 瀬 ) うわ あ … なな|せ||

( 大地 ) すげ え な だいち|||

( 七 瀬 ) うわ ー すごい ! なな|せ||-|

( 大地 ) なあ だいち|

大 パノラマ だ ね だい|ぱのらま||

キレイ

( 菜緒 ) 七瀬 さん 笑って る なお|ななせ||わらって|

スカイツリー から の 景色 は テッパン |||けしき||

どんな 女子 も 好きだ よ |じょし||すきだ|

( 菜緒 ) フフフッ なお|

うわ あ

それにしても 本当 キレイ だ ね |ほんとう|||

( 夏目 ) 少し は 好きに なった ? なつめ|すこし||すきに|

( 菜緒 ) ん ? なお|

( 夏目 ) 何なら ここ で 改めて やり ましょう か なつめ|なんなら|||あらためて|||

愛 の 告白 あい||こくはく

( 菜緒 ) いや 何 言って ん の なお||なん|いって||

( 夏目 ) だって こんな 夜景 が キレイ な んだ し なつめ|||やけい|||||

( 上原 ) チーズ うえはら|ちーず

( シャッター 音 ) しゃったー|おと

( 菜緒 ) フフッ ( 上原 ) おい なお||うえはら|

冗談 だ よ じょうだん||

( 紗栄 子 ) さっき の うれしかった ささかえ|こ|||

( 上原 ) え ? うえはら|

( 紗栄 子 )“ 積み上げて きた もの 捨てる なんて 許さ ない ” って やつ ささかえ|こ|つみあげて|||すてる||ゆるさ|||

( 上原 ) ああ … うえはら|

( 紗栄 子 ) 私 に 向けた 言葉 じゃ なかった と して も ささかえ|こ|わたくし||むけた|ことば|||||

必死に なっちゃ って フフフッ ひっしに|||

( 電子 音 ) でんし|おと

さあ 今度 こそ 正真正銘 の ラスト チャンス よ |こんど||しょうしんしょうめい||らすと|ちゃんす|

上原 君 うえはら|きみ

ありがとう

上原 君 が いて くれて よかった うえはら|きみ||||

( 上原 ) いえ うえはら|

好きだ よ すきだ|

私 ね わたくし|

上原 君 が 好きです うえはら|きみ||すき です

( 男性 ) お 待た せ だんせい||また|

これ 欲し そうに して た やつ |ほし|そう に|||

( 女性 ) うわ ー ウソ ! ありがとう じょせい||-|うそ|

( 男性 ) 行 こ ( 女性 ) うん だんせい|ぎょう||じょせい|

七瀬 ななせ

悪い 捜して た ? わるい|さがして|

( 七 瀬 ) う うん なな|せ||

( 大地 ) 今日 は 七瀬 と 来 れて よかった だいち|きょう||ななせ||らい||

最近 七瀬 の 笑って る 顔 ずっと 見 れて なかった から さ さいきん|ななせ||わらって||かお||み||||

あっ そう いえば 菜緒 たち は ? |||なお||

どうして そういう こと 言う の ? |||いう|

え ?

思わせぶりな こと 言わ ないで よ おもわせぶりな||いわ||

私 の 気持ち なんて 全然 分かって ない くせ に わたくし||きもち||ぜんぜん|わかって|||

七瀬 ? ななせ

( 菜緒 ) え ? ( 大地 ) 七瀬 ! なお||だいち|ななせ

( 菜緒 ) ちょ っ ちょ っ … なお||||

( 大地 ) え ? ( 菜緒 ) あっ … だいち||なお|

( 菜緒 ) あっ あっ あっ ( 大地 ) え ? なお||||だいち|

あっ ! ああ …

イタタタタ …

イタタタタ …

菜緒 ? なお

どうした の 菜緒 ちゃん ||なお|

( 菜緒 ) 痛い 痛い … お腹 が お腹 が 痛い かも なお|いたい|いたい|おなか||おなか||いたい|

( 夏目 ) あー あ さっき 無理に アイスクリーム 食べる から なつめ||||むりに|あいすくりーむ|たべる|

菜緒 ちゃん 連れて 帰る から なお||つれて|かえる|

ほら 早く タクシー 呼んで |はやく|たくしー|よんで

( 夏目 ) 早く ( 七 瀬 ) え ? なつめ|はやく|なな|せ|

上原 君 うえはら|きみ

全然 気づいて なかった でしょ 私 の 気持ち ぜんぜん|きづいて|||わたくし||きもち

すいません

謝る の は なし あやまる|||

って いう か 返事 も なし |||へんじ||

とりあえず 今 は 断ら れる の 目 に 見えて る から |いま||ことわら|||め||みえて||

ただ 言い たかった だけ |いい||

ハハハ … スッキリ した |すっきり|

本音 吐く の って こんなに スッキリ する もん な んだ ね ほんね|はく||||すっきり|||||

ある 意味 デトックス ? |いみ|

紗栄 子 さん ささかえ|こ|

あっ !

成功 … これ って 成功 だ よ ね ? せいこう|||せいこう|||

です ね

よっ しゃ ー ! ||-

やった ー ! うれしい |-|

みんな ありがとう ありがとう ありがとう …

うれしい

夢 じゃ ない ゆめ||

( 夏目 ) 菜緒 ちゃん 2 人 の こと が 心配で 帰る に 帰れ なかった んだ よ なつめ|なお||じん||||しんぱいで|かえる||かえれ|||

( 大地 ) 菜緒 … だいち|なお

( 夏目 ) 俺 買い物 行って くる から なつめ|おれ|かいもの|おこなって||

先輩 たち は 責任 持って 見て て ください ね せんぱい|||せきにん|もって|みて|||

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

こいつ 昔 から 心配事 ある と 腹 壊す 癖 が あって さ |むかし||しんぱいごと|||はら|こわす|くせ|||

そう いや 運動 会 や 水泳 大会 の 前日 も ||うんどう|かい||すいえい|たいかい||ぜんじつ|

絶対 腹 壊して た な ぜったい|はら|こわして||

とにかく 運動 音痴 で さ |うんどう|おんち||

大地 は ずっと 見て きた んだ ね だいち|||みて|||

吉川 さん の こと きちかわ|||

( 大地 ) え ? だいち|

どんな ささいな こと でも

吉川 さん の 好み とか ちゃん と 覚えて る し きちかわ|||よしみ|と か|||おぼえて||

小さい 時 は さ ちいさい|じ||

菜緒 は 大事な 妹 で なお||だいじな|いもうと|

こいつ が 求める もの は ||もとめる||

何でも して あげ たい って 思って た んだ なんでも|||||おもって||

それ が いつの間にか 恋愛 感情 に なって ||いつのまにか|れんあい|かんじょう||

8 年間 ねんかん

ずっと 好きで 好きで |すきで|すきで

うん

でも いつの間にか |いつのまにか

また 大事な 妹 に 戻って た |だいじな|いもうと||もどって|

え ?

気づいた んだ きづいた|

七瀬 が そば に いて くれて る から ななせ|||||||

俺 菜緒 の こと 考え なく なって た おれ|なお|||かんがえ|||

俺 … おれ

それ は 恋愛 感情 と は 違う と 思う ||れんあい|かんじょう|||ちがう||おもう

大地 は 好き だって 言わ れた から 私 の こと 気 に なって る だけ だいち||すき||いわ|||わたくし|||き||||

それ を 恋 だ と 錯覚 して る んだ よ ||こい|||さっかく||||

私 は 吉川 さん みたいに は なれ ない わたくし||きちかわ|||||

あんなふうに

人 の ため に 一生懸命な タイプ じゃ ないし じん||||いっしょうけんめいな|たいぷ||

私 なんて 大地 が 好きに なる わけな いよ わたくし||だいち||すきに|||

そんな こと ない

( 大地 ) え ? だいち|

だって 私 こんな 大 ちゃん 見た こと ない もん |わたくし||だい||みた|||

今日 だって 大 ちゃん 七瀬 さん の こと ずっと 見て た んだ よ きょう||だい||ななせ|||||みて|||

七瀬 さん と 一緒に いる 時 の 大 ちゃん 私 の 知ら ない 大 ちゃん だった もん ななせ|||いっしょに||じ||だい||わたくし||しら||だい|||

吉川 さん 体調 は ? きちかわ||たいちょう|

小さい ころ から 知って る から こそ 私 分かる の ちいさい|||しって||||わたくし|わかる|

大 ちゃん は 七瀬 さん の こと が 好きな の だい|||ななせ|||||すきな|

( 夏目 ) 菜緒 ちゃん なつめ|なお|

さあ お邪魔 だ から 外 行 こ 外 ねっ |おじゃま|||がい|ぎょう||がい|

( 菜緒 ) え ? ( 夏目 ) 行 こ なお||なつめ|ぎょう|

( 菜緒 ) えっ ちょっと … なお||

七瀬 さん あの お 願い 大 ちゃん の こと 信じて あげて ななせ||||ねがい|だい||||しんじて|

ちょ … ちょっと 離して よ ||はなして|

( 夏目 ) 離さ ない 行く よ ( 菜緒 ) 待って 夏目 君 … なつめ|はなさ||いく||なお|まって|なつめ|きみ

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 菜緒 ) ちょっと 待って … なお||まって

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

必死 すぎ ひっし|

そのまま で いい よ

七瀬 は そのまま で いい ななせ||||

ブラック コーヒー と ミステリー が 好きで ぶらっく|こーひー||みすてりー||すきで

いつも テンション が 低い 七瀬 の まま で いい |てんしょん||ひくい|ななせ||||

悪かった わ ね テンション 低くて わるかった|||てんしょん|ひくくて

( 大地 ) ハハハッ だ から それ で いいん だって だいち|||||||

ハハッ

これ

( 七 瀬 ) え ? なな|せ|

やる よ

( 大地 ) 七瀬 夜景 見て る 時 は すごい うれし そうだった から だいち|ななせ|やけい|みて||じ||||そう だった|

また そういう 顔 見 たい なって 思って ||かお|み|||おもって

あ …

や っぱ ちょっと 違った ? |||ちがった

ありがとう

うれしい

大地 だいち

いい の ? 本当に ||ほんとうに

教えて よ おしえて|

これ から

七瀬 の 好きな もの ななせ||すきな|

ゆっくり 覚えて いく から |おぼえて||

( 菜緒 ) フフフフ … なお|

うまく いった みたいだ ね

ああ すげ え ホッと した |||ほっと|

何 か 夏目 君 変わった よ ね なん||なつめ|きみ|かわった||

( 夏目 ) え ? なつめ|

雑貨 屋 の バイト で サプライズプロポーズ の 時 ざっか|や||ばいと||||じ

人 の 幸せ なんて どう で も いい みたいな 顔 して たから さ じん||しあわせ|||||||かお|||

菜緒 ちゃん に 会った から だ よ なお|||あった|||

( 夏目 ) 大地 さん が 凛 ちゃん に 会って 変わった ように なつめ|だいち|||りん|||あって|かわった|よう に

みんな 誰 か と 会って 変わって くんだ よ |だれ|||あって|かわって||

菜緒 ちゃん と 上原 も それ に 気づき 始めて る んじゃ ない ? なお|||うえはら||||きづき|はじめて|||

ずっと 2 人 っきり の 狭い 世界 に いた から こそ |じん|||せまい|せかい||||

( 夏目 ) 本当 は 2 人 と も 分かって る んだ よ なつめ|ほんとう||じん|||わかって|||

もっと お互い 外 に 目 を 向ける べきだ って |おたがい|がい||め||むける||

お互い 他 に ふさわしい 場所 が ある かも しれ ない って おたがい|た|||ばしょ||||||

菜緒 ちゃん 俺 待って る から なお||おれ|まって||

( 菜緒 ) あの ね なお||

あの ね あの あと ね みんな で スカイツリー 行った の ||||||||おこなった|

で 今日 は ね |きょう||

七瀬 さん と 大 ちゃん の 恋 応援 しよう って 話 に なって ななせ|||だい|||こい|おうえん|||はなし||

で 夏目 君 も 協力 して もらって |なつめ|きみ||きょうりょく||

で 今 ね 私 の 部屋 に 七瀬 さん と 大 ちゃん が いる んだ けど |いま||わたくし||へや||ななせ|||だい|||||

すごく いい 感じ に なっちゃ って て ||かんじ||||

ごめん

私 距離 近かった よ ね わたくし|きょり|ちかかった||

今 入ったら 邪魔に なんだ ろ いま|はいったら|じゃまに||

あっ …

そ っか

( 菜緒 ) 小さい ころ から 一緒に いる けど なお|ちいさい|||いっしょに||

大 ちゃん の 力 に なった の なんか 初めて で だい|||ちから|||||はじめて|

感動 しちゃ って さ かんどう|||

( 上原 ) 悪かった な うえはら|わるかった|

え ?

( 上原 ) 俺 あの 時 うえはら|おれ||じ

話 聞いて る 暇 ねえ みたいな こ と 言って はなし|きいて||いとま|||||いって

う うん

でも

吉川 に は 大事な 時間 だった んだ ろ きちかわ|||だいじな|じかん|||

( 菜緒 ) うん なお|

上原 君 は ? 何で 急いで た の ? うえはら|きみ||なんで|いそいで||

( 上原 ) ああ うえはら|

えっ と …

実は 紗栄 子 さん の 書いた 論文 が 雑誌 に 掲載 さ れる チャンス で ― じつは|ささかえ|こ|||かいた|ろんぶん||ざっし||けいさい|||ちゃんす|

ずっと 実験 に かかりっきり だった んだ |じっけん||||

それ で ?

え ?

もっと 聞き たい その 話 |きき|||はなし

別に そんな 面白い 話 じゃ ない けど べつに||おもしろい|はなし|||

う うん

いい の

それ で 実験 は 成功 した の ? ||じっけん||せいこう||

最終 的に は さいしゅう|てきに|

うまく いく まで が 大変だった けど ||||たいへんだった|

紗栄 子 さん も めちゃめちゃ 喜んで て ささかえ|こ||||よろこんで|

尊敬 する 教授 と 同じ 雑誌 に 論文 載る の が そんけい||きょうじゅ||おなじ|ざっし||ろんぶん|のる||

ずっと 夢 だった らしくて |ゆめ||

その ため に 必死で 頑張って て |||ひっしで|がんばって|

それ が やっと かない そうで さ |||か ない|そう で|

何 か すげ え なって なん||||

その 場 に 立ち 会えた だけ でも 感動 も のって いう か |じょう||たち|あえた|||かんどう||||

俺 なんか が 手伝って も おれ|||てつだって|

戦力 に も 何にも なら なかった んだ けど せんりょく|||なんにも||||

でも …

何 か ちょっと 感動 した なん|||かんどう|

ああ 吉川 は ? |きちかわ|

私 ? わたくし

いや …

飯 食って ん の か ? めし|くって|||

何 それ なん|

私 に は ご飯 しか ない みたいじゃ ん わたくし|||ごはん||||

ごめん そういう わけ じゃ なくて

冗談 って 分かって る じょうだん||わかって|

( 上原 ) 吉川 ( 菜緒 ) 上原 君 うえはら|きちかわ|なお|うえはら|きみ

( 上原 ) 何 ? うえはら|なん

( 菜緒 ) あ … なお|

よかった ね 実験 うまく いって ||じっけん||

( 上原 ) うん うえはら|

そっち も よかった な

( 菜緒 ) うん なお|

何 ? なん

何でもない なんでもない

( 上原 ) はい うえはら|

あり が と

久々の 牛乳 プリン だ な ひさびさの|ぎゅうにゅう|ぷりん||

おいしい

( 上原 ) うん うえはら|

上原 君 うえはら|きみ

( 上原 ) ん ? うえはら|

別れよ っか わかれよ|

え ?

別れよう 上原 君 わかれよう|うえはら|きみ

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