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Fairy Tales, 熊ん蜂(くまんばち)の 山賊 退治

熊ん蜂(くまんばち)の 山賊 退治

熊ん蜂 ( くまんばち ) の 山賊 退治

むかし むかし 、 京 の 町 に 、 馬 や 牛車 ( ぎ っ しゃ ) に 品物 を 積んで 、 町 から 町 へ と 売り歩く 、 大 金持 の 旅 商人 が い ました 。 商人 は たくさんの 蔵 を 持ち 、 どの 蔵 に も 商品 が ギッシリ と つまって い ます 。 特に 都 の 水 で 造った お 酒 は 、 その 中でも 特別に 評判 の 良い 商品 でした ので 、 酒蔵 の 数 は 増える 一方 でした 。 ある 日 、 久しぶりに 商人 が 酒蔵 を のぞく と 、 白 壁 に 熊ん蜂 が 巣 を 作って いる で は あり ませ ん か 。 もっと 驚いた こと に は 、 酒樽 から こぼれ落ちた 酒 の まわり に 黒く 群 ら が って 、 さも おいし そうに 酒 を 飲んで いる のです 。 普通 なら 、 あわてて 蜂 を 追い出す ところ です が 、 そこ は きっぷ の いい 旅 商人 、 「 珍しい 蜂 も いる もの だ な 。 今 だ かつて 、 酒 を 飲む 蜂 の 話 など 聞いた こと が ない ぞ 。 よし よし 、 うまい か ? 存分に 飲む が いい 」 と 、 言って 、 地方 へ 商い に 出かけた のです 。 さて 、 いつも の ように 商人 が 、 大変な 荷物 と お 伴 の 者 たち を 連れて 峠 を 越えよう と した 時 の こと です 。 山賊 の 一味 が 、 いきなり 襲い かかって き ました 。 びっくり した 雇い 人 たち は 、 あわてて 逃げて 行き 、 商人 も 素早く 岩 陰に 身 を 隠し ました 。 おかげ で 山賊 は 戦う こと なく 、 品物 を 手に入れる こと が でき ました 。 「 しめ しめ 、 これ は うま そうな 匂い が して やがる 。 酒樽 と は 豪 気 な 宝物 よ 。 それ みんな 、 しっかり 運ぶ んだ ぞ 」 山賊 の 親分 の 言葉 に 、 皆 は いっせいに 勝ちどき を あげる と 、 馬 や 牛車 ごと 盗んで いき ました 。 旅 商人 は 歯ぎしり を し ながら 、 自分 の 荷物 が 運び 去ら れる の を 見送って い ました が 、 相手 が 武器 を 持った 山賊 で は どう する こと も でき ませ ん 。 「 まあ 、 この 身 が 無事だった だけ でも 、 良し と する か 」 と 、 自分 に 言いきかせ ながら 立ちあがろう と して 、 ひょいと 袖 の あたり に 目 を 向ける と 、 一 匹 の 熊ん蜂 が とまって いる のに 気 が 付き ました 。 旅 商人 は 、 熊ん蜂 に 言い ました 。 「 なあ 、 熊ん蜂 よ 、 お前 たち に もし 恩義 を 感じる 心 が ある なら 、 日頃 酒 を ごちそう に なって いる 礼 に 、 あの 山賊 たち を やっつけて きて くれ ない か 」 それ を 聞いた の か 聞か ない の か 、 熊ん蜂 は ブーン と 、 どこ か へ 飛んで いって しまい ました 。 「 さて 、 帰る と する か 」 旅 商人 は 気 を 取り直して 、 逃げた 者 たち を 呼び 集め ました 。 そして 旅 商人 たち が 峠 を 下ろう と して いる と 、 何やら 雨雲 の ような 黒い 固まり が 、 都 の 方 から 飛んで くる の が 見え ました 。 「 おや 、 あれ は 何 だろう ? 」 目 を こらして 見つめて いる と 、 どうやら 蜂 の 一群 である こと が わかり ました 。 「 蜂 か 。 ・・・ あっ ! 」 旅 商人 は 、 はっと し ました 。 もしかしたら 先ほど 話し かけた 蜂 が 、 仲間 の 蜂 を 呼びよせた の かも しれ ませ ん 。 「 みんな 、 あの 熊ん蜂 の 後 を 追う んだ 。 決して 見失う で は ない ぞ 。 必ず あの 蜂 たち が 、 大事な 商品 を 取りもどして くれる はす だ 」 旅 商人 は そう 叫ぶ と 、 皆 の 先頭 を きって 走り 出し ました 。 空 飛ぶ 黒い 固まり は 、 なおも ぐんぐん 山 を 登って いき ます 。 しばらく する と 、 商人 たち も 山賊 の 隠れ家 に たどり着く こと が でき ました 。 「 みんな 、 気 を つけろ よ 」 旅 商人 が 言い ました が 、 でも その 時 に は 勝負 は ついて いる らしく 、 あちらこちら で 、 はれ あがった 手足 を かかえて 泣き叫んで いる 山賊 たち の 姿 が 見 られ ました 。 旅 商人 が やってきて も 、 山賊 たち は 動く こと が 出来 ませ ん 。 する と 、 先ほど の 熊ん蜂 な の か 、 一 匹 の 熊ん蜂 が 旅 商人 の 袖 に 再び とまり ました 。 旅 商人 は 熊ん蜂 に 、 心から の 感謝 を 込めて い い ました 。 「 熊ん蜂 よ 、 よく やって くれた 。 ありがとう 。 これ から も 蔵 の 酒 を たらふく 飲んで くれ 」 旅 商人 は 熊ん蜂 の おかげ で 、 奪わ れた 商品 だけ で なく 、 山 の 様 な 山賊 の 宝 も 手 に 入れた と いう 事 です 。

おしまい


熊ん蜂(くまんばち)の 山賊 退治 くまんばち|||さんぞく|たいじ Extermination of bandits by Kumanbachi

熊ん蜂 ( くまんばち ) の 山賊 退治 くまんばち|||さんぞく|たいじ

むかし むかし 、 京 の 町 に 、 馬 や 牛車 ( ぎ っ しゃ ) に 品物 を 積んで 、 町 から 町 へ と 売り歩く 、 大 金持 の 旅 商人 が い ました 。 ||けい||まち||うま||ぎゅうしゃ|||||しなもの||つんで|まち||まち|||うり あるく|だい|かねもち||たび|しょうにん||| 商人 は たくさんの 蔵 を 持ち 、 どの 蔵 に も 商品 が ギッシリ と つまって い ます 。 しょうにん|||くら||もち||くら|||しょうひん||ぎっしり|||| 特に 都 の 水 で 造った お 酒 は 、 その 中でも 特別に 評判 の 良い 商品 でした ので 、 酒蔵 の 数 は 増える 一方 でした 。 とくに|と||すい||つくった||さけ|||なかでも|とくべつに|ひょうばん||よい|しょうひん|||さかぐら||すう||ふえる|いっぽう| ある 日 、 久しぶりに 商人 が 酒蔵 を のぞく と 、 白 壁 に 熊ん蜂 が 巣 を 作って いる で は あり ませ ん か 。 |ひ|ひさしぶりに|しょうにん||さかぐら||||しろ|かべ||くまんばち||す||つくって||||||| One day, the merchant looked in on the sake brewery for the first time in many years and found a hive of bees nestled in the white wall. もっと 驚いた こと に は 、 酒樽 から こぼれ落ちた 酒 の まわり に 黒く 群 ら が って 、 さも おいし そうに 酒 を 飲んで いる のです 。 |おどろいた||||さかだる||こぼれおちた|さけ||||くろく|ぐん||||||そう に|さけ||のんで|| 普通 なら 、 あわてて 蜂 を 追い出す ところ です が 、 そこ は きっぷ の いい 旅 商人 、 「 珍しい 蜂 も いる もの だ な 。 ふつう|||はち||おいだす|||||||||たび|しょうにん|めずらしい|はち||||| Normally, I would have rushed to get rid of the bees, but the traveling merchant, with his good spirit, said, "There are rare bees out there. 今 だ かつて 、 酒 を 飲む 蜂 の 話 など 聞いた こと が ない ぞ 。 いま|||さけ||のむ|はち||はなし||きいた|||| I have never heard of a bee that drinks alcohol. よし よし 、 うまい か ? 存分に 飲む が いい 」 と 、 言って 、 地方 へ 商い に 出かけた のです 。 ぞんぶんに|のむ||||いって|ちほう||あきない||でかけた| さて 、 いつも の ように 商人 が 、 大変な 荷物 と お 伴 の 者 たち を 連れて 峠 を 越えよう と した 時 の こと です 。 ||||しょうにん||たいへんな|にもつ|||ばん||もの|||つれて|とうげ||こえよう|||じ||| 山賊 の 一味 が 、 いきなり 襲い かかって き ました 。 さんぞく||いちみ|||おそい||| びっくり した 雇い 人 たち は 、 あわてて 逃げて 行き 、 商人 も 素早く 岩 陰に 身 を 隠し ました 。 ||やとい|じん||||にげて|いき|しょうにん||すばやく|いわ|いんに|み||かくし| Startled, the hired hands ran away in haste, and the merchant quickly hid himself behind a rock. おかげ で 山賊 は 戦う こと なく 、 品物 を 手に入れる こと が でき ました 。 ||さんぞく||たたかう|||しなもの||て に いれる|||| Thanks to this, the bandits were able to get their goods without fighting. 「 しめ しめ 、 これ は うま そうな 匂い が して やがる 。 |||||そう な|におい|||や がる "Shime shime, this smells delicious. 酒樽 と は 豪 気 な 宝物 よ 。 さかだる|||たけし|き||たからもの| A cask of sake is a great treasure. それ みんな 、 しっかり 運ぶ んだ ぞ 」   山賊 の 親分 の 言葉 に 、 皆 は いっせいに 勝ちどき を あげる と 、 馬 や 牛車 ごと 盗んで いき ました 。 |||はこぶ|||さんぞく||おやぶん||ことば||みな|||かちどき||||うま||ぎゅうしゃ||ぬすんで|| The bandit's master said, "Make sure you carry them all in!" They all shouted in unison for victory, and stole horses and oxcarts alike. 旅 商人 は 歯ぎしり を し ながら 、 自分 の 荷物 が 運び 去ら れる の を 見送って い ました が 、 相手 が 武器 を 持った 山賊 で は どう する こと も でき ませ ん 。 たび|しょうにん||はぎしり||||じぶん||にもつ||はこび|さら||||みおくって||||あいて||ぶき||もった|さんぞく||||||||| 「 まあ 、 この 身 が 無事だった だけ でも 、 良し と する か 」 と 、 自分 に 言いきかせ ながら 立ちあがろう と して 、 ひょいと 袖 の あたり に 目 を 向ける と 、 一 匹 の 熊ん蜂 が とまって いる のに 気 が 付き ました 。 ||み||ぶじだった|||よし|||||じぶん||いいきかせ||たちあがろう||||そで||||め||むける||ひと|ひき||くまんばち|||||き||つき| As I stood up, I glanced down at my sleeves and noticed a bearbee perched on one of them. 旅 商人 は 、 熊ん蜂 に 言い ました 。 たび|しょうにん||くまんばち||いい| 「 なあ 、 熊ん蜂 よ 、 お前 たち に もし 恩義 を 感じる 心 が ある なら 、 日頃 酒 を ごちそう に なって いる 礼 に 、 あの 山賊 たち を やっつけて きて くれ ない か 」   それ を 聞いた の か 聞か ない の か 、 熊ん蜂 は ブーン と 、 どこ か へ 飛んで いって しまい ました 。 |くまんばち||おまえ||||おんぎ||かんじる|こころ||||ひごろ|さけ||||||れい|||さんぞく||||||||||きいた|||きか||||くまんばち|||||||とんで||| 「 さて 、 帰る と する か 」   旅 商人 は 気 を 取り直して 、 逃げた 者 たち を 呼び 集め ました 。 |かえる||||たび|しょうにん||き||とり なおして|にげた|もの|||よび|あつめ| The traveling merchant regained his composure and called the escapees to him. そして 旅 商人 たち が 峠 を 下ろう と して いる と 、 何やら 雨雲 の ような 黒い 固まり が 、 都 の 方 から 飛んで くる の が 見え ました 。 |たび|しょうにん|||とうげ||くだろう|||||なにやら|あまぐも|||くろい|かたまり||と||かた||とんで||||みえ| 「 おや 、 あれ は 何 だろう ? |||なん| 」   目 を こらして 見つめて いる と 、 どうやら 蜂 の 一群 である こと が わかり ました 。 め|||みつめて||||はち||いちぐん||||| 「 蜂 か 。 はち| ・・・ あっ ! 」   旅 商人 は 、 はっと し ました 。 たび|しょうにん|||| The traveling merchant was startled. もしかしたら 先ほど 話し かけた 蜂 が 、 仲間 の 蜂 を 呼びよせた の かも しれ ませ ん 。 |さきほど|はなし||はち||なかま||はち||よびよせた||||| 「 みんな 、 あの 熊ん蜂 の 後 を 追う んだ 。 ||くまんばち||あと||おう| 決して 見失う で は ない ぞ 。 けっして|みうしなう|||| Never lose sight of this. 必ず あの 蜂 たち が 、 大事な 商品 を 取りもどして くれる はす だ 」   旅 商人 は そう 叫ぶ と 、 皆 の 先頭 を きって 走り 出し ました 。 かならず||はち|||だいじな|しょうひん||とりもどして||||たび|しょうにん|||さけぶ||みな||せんとう|||はしり|だし| 空 飛ぶ 黒い 固まり は 、 なおも ぐんぐん 山 を 登って いき ます 。 から|とぶ|くろい|かたまり||||やま||のぼって|| しばらく する と 、 商人 たち も 山賊 の 隠れ家 に たどり着く こと が でき ました 。 |||しょうにん|||さんぞく||かくれが||たどりつく|||| 「 みんな 、 気 を つけろ よ 」   旅 商人 が 言い ました が 、 でも その 時 に は 勝負 は ついて いる らしく 、 あちらこちら で 、 はれ あがった 手足 を かかえて 泣き叫んで いる 山賊 たち の 姿 が 見 られ ました 。 |き||||たび|しょうにん||いい|||||じ|||しょうぶ|||||||||てあし|||なきさけんで||さんぞく|||すがた||み|| The traveling merchant told them to be careful, but by then the game seemed to have been won, and everywhere they could see the bandits, their flailing limbs heaving and weeping. 旅 商人 が やってきて も 、 山賊 たち は 動く こと が 出来 ませ ん 。 たび|しょうにん||||さんぞく|||うごく|||でき|| する と 、 先ほど の 熊ん蜂 な の か 、 一 匹 の 熊ん蜂 が 旅 商人 の 袖 に 再び とまり ました 。 ||さきほど||くまんばち||||ひと|ひき||くまんばち||たび|しょうにん||そで||ふたたび|| Then, a bear bee, perhaps the same bee that had just flew into the traveling merchant's sleeve, landed on his sleeve again. 旅 商人 は 熊ん蜂 に 、 心から の 感謝 を 込めて い い ました 。 たび|しょうにん||くまんばち||こころから||かんしゃ||こめて||| 「 熊ん蜂 よ 、 よく やって くれた 。 くまんばち|||| ありがとう 。 これ から も 蔵 の 酒 を たらふく 飲んで くれ 」   旅 商人 は 熊ん蜂 の おかげ で 、 奪わ れた 商品 だけ で なく 、 山 の 様 な 山賊 の 宝 も 手 に 入れた と いう 事 です 。 |||くら||さけ|||のんで||たび|しょうにん||くまんばち||||うばわ||しょうひん||||やま||さま||さんぞく||たから||て||いれた|||こと| Thanks to Kumambi, the traveling merchant not only obtained the stolen goods, but also a mountain of bandit treasure.

おしまい