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コンビニ人間, 6. – Text to read

コンビニ人間, 6.

Semi-gevorderd 2 Japans lesson to practice reading

Begin nu met het leren van deze les

6.

私 は 金曜日 と 日曜日 が 休み な ので 、平日 の 金曜日 、結婚 して 地元 で 暮らしている 友達 に 会いに 行く こと が ある 。 ・・

学生 時代 は 「黙る 」こと に 専念 していた ので ほとんど 友達 はいなかった が 、アルバイト を 始めて から 行われた 同窓会 で 旧友 と 再会 してから は 地元 に 友達 が できた 。 ・・

「えー 、久しぶり 、古倉 さん ! イメージ 全然 違う ー ! 」・・

明るく 声 を かけて きた ミホ と 、持っている バッグ が 色 違い だ という 話 で 盛り上がり 、今度 一緒に 買い物 に 行こう と 、メール アドレス を 交換した 。 それ から 、たまに 集まって ご飯 を 食べたり 、買い物 を したり していた 。 ・・

ミホ は 、今では 結婚 して 地元 に 中古 の 一戸建て を 買って いて 、そこ に 友達 が よく 集まって いる 。 明日 も アルバイト な ので 億劫 に 思う 時 も ある が 、コンビニ 以外 の 世界 と の 唯一 の 接点 であり 、同い年 の 「普通の 三十代 女性 」と 交流 する 貴重な 機会 な ので 、ミホ の 誘い に は なるべく 応じる ように している 。 今日 も 、ミホ と 、まだ 小さい 子供 を 連れた ユカリ 、結婚 している が 子供 は まだ の サツキ と 私 、という メンバー で 、ミホ の 家 に ケーキ を 持ち寄って お茶 を していた 。 ・・

子連れ の ユカリ は 旦那 の 仕事 の 関係 で しばらく 地元 を 離れて いた ので 、会う の は 久しぶり だった 。 駅前 の ショッピング モール で 買った ケーキ を 食べ ながら 、皆 の 顔 を 見て 懐かしい 懐かしい と 連呼 する ユカリ に 皆 が 笑った 。 ・・

「やっぱり 地元 は いい なあ 。 恵子 と 前 に 会った のって 、私 が 結婚 した ばかりの 頃 だった よね 」・・

「うん 、そう そう 。 あの 時 は 、 皆 で お 祝い して 、 もっと 大人数 で バーベキュー した ん だ よ ね ー 。 懐かしい なあ ! 」・・

私 は 泉 さん と 菅原 さん の 喋り方 を 混ぜながら 喋って いた 。 ・・

「なんか 恵子 、変わった ね 」・・

感情 豊か に 喋る 私 を ユカリ が 見つめる 。 ・・

「前 は もっと 、天然っぽい 喋り方 じゃ なかった ? 髪形 の せい か な 、雰囲気 違って 見える 」・・

「えー 、そう ? よく 会って る から かな 、ぜんぜん 変わん ない 気 が する けど 」・・

ミホ は 首 を かしげた が 、それ は そう だ と 私 は 思った 。 だって 、私 の 摂取 する 「世界 」は 入れ替わって いる の だ から 。 前 に 友達 と 会った とき 身体 の 中 に あった 水 が 、今 は もう ほとんど なくなって いて 、違う 水 に 入れ替わって いる ように 、私 を 形成 する もの が 変化 している 。 ・・

数 年 前 に 会った とき は 、アルバイト は のんびり した 大学生 が 多くて 、私 の 喋り方 は 今 とは 全然 違った と 思う 。 ・・

「 そう かな ー 。 変わってる かな ー 」・・

説明 は せずに 、私 は 笑って みせた 。 ・・

「 そう いえば 、 服 の 感じ は ちょっと 変わった かも ね ー ? 前 は もっと ナチュラルっぽかった 気 が する 」・・

「あー 、それ は そう かも ね 。 それ 、表参道 の お店 の スカート じゃ ない ? 私 も 色 違い 、 試着 した よ ー 、 可愛い よ ね 」・・

「うん 、最近 、ここ の 服 ばっかり 着て る 」・・

身 に 付けて いる 洋服 も 、発する 言葉 の リズム も 変わって しまった 私 が 笑っている 。 友達 は 、誰 と 話して いる のだろう 。 それ でも 「懐かしい 」と いう 言葉 を 連発 し ながら 、ユカリ は 私 に 笑い かけ 続ける 。 ・・

ミホ と サツキ は 地元 で 頻繁に 会って いる せい か 、そっくりな 表情 と 喋り方 を している 。 特に お 菓子 の 食べ方 が 似て いて 、二人 とも ネイル を 施した 手 で クッキー を 小さく 割り ながら 口 に 運んでいる 。 前 から そう だったろう か 、と 思いだそう と する が 、記憶 が 曖昧 だ 。 前 に 会った とき の 二人 の 小さな 癖 や 仕草 は 、もう どこ か へ 流れ出て 行って しまった の かも しれない とも 思う 。 ・・

「今度 、もっと 大人数 で 集まろう か 。 せっかく ユカリ も 地元 に 帰ってきた んだ し 、シホ とか に も 声 かけて さー 」・・

「 うん うん 、 いいね 、 やろう よ ー 」・・

ミホ の 提案 に 皆 が 身 を 乗り出す 。 ・・

「 それぞれ の 旦那 と 子供 も 連れて さ ー 、 バーベキュー やろう よ 、 また 」・・

「 わ あ 、 やりたい ー 。 友達 の 子供 同士 が 仲良く なる のって いい よ ね 」・・

「ああ 、いい よ ねえ 、そういう の 」・・

うらやまし そうな 声 を あげた サツキ に 、ユカリ が 訊ねる 。 ・・

「サツキ の とこ は 、子供 作る 予定 とか ない の ? 」・・

「 うーん 、 欲しい ん だ けど ね ー 。 自然 に 任せて る けど 、そろそろ 妊活 しよう か なって 。 ね 」・・

「 うん 、 うん 、 いい タイミング だ よ ー 絶対 」・・

ミホ が 頷く 。 ぐっすり と 眠る ミホ の 子供 を 見つめる サツキ を 見ている と 、二人 の 子宮 も 共鳴 し あっている ような 気持ち に なる 。 ・・

頷いて いた ユカリ が 、ふと 私 の ほう に 視線 を 寄越した 。 ・・

「恵子 は 、まだ 結婚 とか して ない の ? 」・・

「うん 、して ない よ 」・・

「え 、じゃあ まさか 、今 も バイト ? 」・・

私 は 少し 考えた 。 この 年齢 の 人間 が きちんと した 就職 も 結婚 も していない のは おかしな こと だ と いう こと は 、私 も 妹 に 説明 されて 知っている 。 それ でも 事実 を 知っている ミホ たち の 前 で 誤魔化す の も 憚られて 、私 は 頷いた 。 ・・

「うん 、実は そう な んだ 」・・

私 の 返答 に 、ユカリ は 戸惑った 表情 を 浮かべた 。 急いで 、言葉 を 付け加える 。 ・・

「あんまり 身体 が 強く ない から 、今 も バイト なんだ ー ! 」・・

私 は 地元 の 友達 と 会う とき に は 、少し 持病 が あって 身体 が 弱い から アルバイト を している こと に なっている 。 アルバイト 先 で は 、親 が 病気がち で 介護 が ある から だ と いう こと にしていた 。 二 種類 の 言い訳 は 妹 が 考えて くれた 。 ・・

二十 代 前半 の ころ は 、フリーター など 珍しい もの で はなかった ので 特に 言い訳 は 必要 が なかった が 、就職 か 結婚 という 形 で ほとんど が 、社会 と 接続して いき 、今では 両方 とも していない のは 私 しか いない 。 ・・

身体 が 弱い など と 言い ながら 、毎日 立ち 仕事 を 長 時間 やって いる のだ から 、おかしい と 皆 、心 の 中 で は 思って いる ようだ 。 ・・

「変な こと 聞いて いい ? あの さあ 、恵子 って 恋愛 って した こと ある ? 」・・

冗談 めかし ながら サツキ が 言う 。 ・・

「 恋愛 ? 」・・

「付き合った こと とか ……恵子 から そういう 話 、そう いえば 聞いた こと ない なって 」・・

「ああ 、ない よ 」・・

反射 的に 正直に 答えて しまい 、皆 が 黙り 込んだ 。 困惑 した 表情 を 浮かべ ながら 、目配せ を している 。 ああ そう だ 、こういう とき は 、「うーん 、いい 感じ に なった こと は ある けど 、私 って 見る 目 が ない ん だよね ー 」と 曖昧に 答えて 、付き合った 経験 は ない ものの 、不倫 かなにか の 事情 が ある 恋愛 経験 は あって 、肉体 関係 を 持った こと も ちゃんと ありそうな 雰囲気 で 返事 を した ほうが いい と 、以前 妹 が 教えて くれていた のだった 。 「プライベート な 質問 は 、ぼやかして 答えれば 、向こう が 勝手に 解釈 して くれる から 」と言われていた のに 、失敗した な 、と 思う 。 ・・

「あの さ 、私 けっこう 同性 愛 の 友達 とか も いる し さあ 、理解 ある ほう だ から 。 今 は アセクシャル ? と か いう の も ある ん だ よ ね ー 」・・

場 を とりなす ように ミホ が 言う 。 ・・

「そうそう 、増えて る って いう よ ね 。 若い 人 とか 、そういう の に 興味 が ない んだ よね 」・・

「カミングアウト する の も 難しい って テレビ で 見た 、それ 」・・

性 経験 は ない ものの 、自分 の セクシャリティ を 特に 意識 した こと も ない 私 は 、性 に 無頓着 な だけ で 、特に 悩んだ こと は なかった が 、皆 、私 が 苦しんでいる という こと を 前提 に 話 を どんどん 進めている 。 たとえ 本当に そう だ と しても 、皆 が 言う ような わかりやすい 形 の 苦悩 とは 限らない のに 、誰 も そこまで 考えよう とは しない 。 その ほう が 自分 たち に とって わかりやすい から そういう こと に したい 、と 言われている 気 が した 。 ・・

子供 の 頃 スコップ で 男子 生徒 を 殴った とき も 、「きっと 家 に 問題 が ある んだ 」と 根拠 の ない 憶測 で 家族 を 責める 大人 ばかり だった 。 私 が 虐待 児 だ と したら 理由 が 理解 できて 安心 する から 、そう に 違いない 、さっさと それ を 認めろ 、と 言わんばかり だった 。 ・・

迷惑 だ なあ 、何で そんなに 安心 したい んだろう と 思い ながら 、・・

「うーん 、とにかく ね 、私 は 身体 が 弱い から ! 」・・

と 、妹 が 、困った とき は とりあえず こう 言え と 言っていた 言い訳 を リピート した 。 ・・

「そっか 、うん うん 、そうそう 、持病 と が ある と ね 、いろいろ 難しい よ ね 」・・

「けっこう ずっと 前 から だ よね 、大丈夫 ー ? 」・・

早く コンビニ に 行きたい な 、と 思った 。 コンビニ で は 、働く メンバー の 一員 である こと が 何よりも 大切に されていて 、こんなに 複雑で は ない 。 性別 も 年齢 も 国籍 も 関係なく 、同じ 制服 を 身 に 付ければ 全員 が 「店員 」と いう 均等な 存在 だ 。 ・・

時計 を 見る と 午後 の 3 時 だった 。 そろそろ 、レジ の 精算 が 終わって 銀行 の 両替 も 完了 し 、トラック に 乗った パン と お弁当 が 届いて 並べ 始めて いる ころ だ 。 ・・

離れて いて も 、コンビニ と 私 は 繋がって いる 。 遠く 離れた 、光 に 満ちた スマイル マート 日色町 駅前 店 の 光景 と 、そこ を 満たしている ざわめき を 鮮明に 思い浮かべ ながら 、私 は レジ を 打った めに 爪 が 切りそろえられた 手 を 、膝 の 上 で 静かに 撫でた 。 ・・

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