Hyouka Episode 17
( 吉野 康 邦 ( よし の やすく に ) ) 千 反 田 ( ち た ん だ ) さん
ずばり 怪 盗 十文字 を 撃退 でき ます か ?
( 千 反 田 える ) もちろん その つもり です
みなさん の …
みなさん の お 力添え が あれ ば …
必ず 十文字 さん を 捕らえ られる と 思い ます
おお っ 強気 です ねえ
では 次に お 聞き し たい の は 十文字 の 狙う 物 です
( える ) それ なら 用意 し て あり ます
古典 部 の アイテム は 校 了 原稿 です
( 吉野 ) ほほ う 校 了 原稿 ?
( える ) はい 古典 部 の 文集 「 氷 菓 」 の 校 了 原稿 です
( 伊原 摩耶 花 ( いばら ま や か ) ) あれ ?
減って る ?
( える ) この 文集 も
十文字 事件 に 負け ず 劣ら ず 興味深い 内容 な の です が
もし よろし けれ ば ご 一読 ください
みなさん に も 楽し ん で いただける と 思い ます
おお っ それ は 気 に なり ます ね
( える ) ええ
みなさん 古典 部 の 文集 「 氷 菓 」 を よろしく お 願い し ます
きっと 気 に 入って もらえ る と 思い ます
ところで 十文字 さん を お迎え する に 当たって ―
古典 部 から みなさん に お 願い が あり ます
( 吉野 ) ほう お 願い です か ?
( える ) はい な に しろ 部員 は 4 名 だけ です ので
監視 の 目 が 足り ませ ん
ですから ぜひ みなさん に 古典 部 に 来 て ほしい ん です
みなさん が 頼り です
( 吉野 ) なるほど 人海 戦術 です ね
はい みなさん の お 力添え に 期待 し て ます
あ あっ そう 頼ま れる と 弱い です ねえ
あっ それ と …
でき たら 文集 の ほう も …
買って ください ねっ
さあ 最後 の 標的 古典 部 は 迎撃 準備 万端 です
千 反 田 さん ご 健闘 を
( える ) ありがとう ござい ます みなさん 応援 し て ください
( 吉野 ) 千 反 田 える さん で し た
( 放送 部 員 ) はい オーケー です
ハア
いや あ なかなか よかった よ
( える ) ありがとう ござい ます
( 吉野 ) どう した ん だい ?
いえ
本当 に これ で よかった の か な … と
( 男子 生徒 A ) 下さい
( 折 木 奉 太郎 ( おれ き ほう たろう ) ) 200 円 です
( 女子 生徒 A ) 下さい ( 奉 太郎 ) 200 円 です
( 男子 生徒 B ) 下さい
( 奉 太郎 ) おお っ 売れる 売れる ぞ
もう すぐ だ もう すぐ 完売 する
( 男子 生徒 C ) 本当 に 来る の か ?
( 女子 生徒 B ) こんな 囲ま れ て ちゃ 手出し なんて でき ない よ ね
( 女子 生徒 C ) ホント ホント もう 無理 じゃ ない ?
( 男子 生徒 D ) いつまで 待た せ ん だ よ った く
( 女子 生徒 D ) 十文字 って ホント に いる の ?
( 男子 生徒 E ) 実は 自作 自演 と か ( 女子 生徒 E ) それ あり 得る
( 男子 生徒 F ) いいかげん 出 て こい よ な
( 携帯 の 着信 音 ) ( 一同 ) あっ
ああ ごめん それ 僕 の 携帯
( 魔 耶 花 ) もう
出 なく て も ?
ああ 警備 が 終わった …
( 破裂 音 ) ( 一同 ) う わ あ
( 男子 生徒 G ) おい 燃え てる
燃え てる ぞ
( 男子 生徒 H ) 消せ
( 里志 ) え いっ う っ う っ
あっ
( える ) 水 ?
( 里志 ) やら れ た
( ざわめき 声 )
( 魔 耶 花 ) うん ?
ちょっと これ
( 里志 ) 十文字 の 犯行 声明 だ
( 一同 ) え えっ
( ざわめき 声 )
ハア
( 入 須 冬 実 ( いり す ふゆ み ) ) 完売 だ
えっ ?
定価 で 売って やり たかった が な
いえ そんな 十 分 です
本当 に … 本当 に ありがとう ござい まし た
( 入 須 ) やめろ
( 入 須 ) それ から だ な ( える ) はい ?
やはり 言って おく べき か
何 でしょう か ?
( 入 須 ) 校 内 放送 聞い た ぞ
( える ) ええ 入 須 さん の アドバイス の おかげ で
( 入 須 ) それ な ん だ が
私 も 考え が 浅かった
はっきり 言って おこ う
お前 に は ああいう の は 向か ない
お前 が ああ やって 期待 を 操 ろ う と する と ―
どうにも 甘え て いる よう に 聞こえる
( える ) 甘え て いる …
そんな ふう に 聞こえ まし た か ?
( 入 須 ) 小指 の 先ほど だ が な
しかし ふり で 続け て い た こと が ―
いつしか 本心 に すり 代わる なんて よく ある こと だ
はい
私 の 話 を 真に 受け て ―
ヘタ に 画策 する の だけ は やめ た ほう が いい
単 刀 直入 な 言い 方 しか でき ない の は お前 の 弱点 だ が
ほか で は 得難い 武器 で も ある
その … 分かる か ?
ええ 私 も 思って い まし た
こういう こと は まるで 私 向き じゃ あり ませ ん
ええ と つまり です ね
もう こりごり です
フッ
( 谷 惟之 ( た に これ ゆき ) ) いや あ お前 でも 十文字 は 捕まえ られ なかった か
期待 し て た ん だ が なあ
まあ ね
どうも ご 期待 に 添え なかった よう で
いや まあ なかなか 楽しい 文化 祭 だった よ
料理 の 借り は また いつか 返す ぞ それ じゃ
誰 ?
谷 君
国語 の 苦手 な 人 … かな
何 それ ?
どうも 彼 は ね
期待 って 言葉 を 軽々しく 使い すぎる
別に いい じゃ ない
自分 に 自信 が ある とき は ―
期待 なんて 言葉 を 出し ちゃ いけ ない
あっ
期待 って いう の は あきらめ から 出る 言葉 な ん だ よ
そう せ ざる を 得 ない
どう しよう も な さ が ない と 空々しい よ
福 ちゃん …
期待 って いう の は
例えば …
奉 太郎 たしか こっち の ほう に …
い た
単 刀 直入 に いき ま しょ う あなた が 十文字 です ね
田 名 辺 ( た な べ ) 先輩
( 田 名 辺 治 朗 ( じ ろう ) ) うん
ふう ん 当てずっぽう か な ?
( 奉 太郎 ) いいえ ( 里志 ) 田 名 辺 先輩 が ?
まず この カード
なぜ “ 盗ま れ た ” で は なく ―
“ 失わ れ た ” な の か
さあ ?
次 の 問題 は “ く ” です
“ く ” は 飛ばさ れ た
これ だけ で 十文字 の 法則 は 崩壊 です
だが 俺 ら の 知ら ない ところ で ―
“ く ” に まつわる 何 か が あった と し たら ?
( 田 名 辺 ) … と 言う と ?
十文字 事件 と は
それ 自体 が 暗号 だった ん じゃ ない です か ?
“ く ” で 始まる 相手 に “ く ” で 始まる もの が ―
すでに 失わ れ て いる と いう メッセージ を 伝える ため の
ずいぶん 難しい 暗号 だ ねえ
( 奉 太郎 ) 普通 は 解け ませ ん
ところが もし その 相手 が 解読 法 を 知って い た と し たら
言って しまい ます と ね
俺 は それ こそ が ―
「 クドリャフカ の 順番 」 の 筋 立て だった と 思って る ん です よ
なぜ その 題名 を 知って いる と ―
思って いる ん でしょ ?
「 クドリャフカ の 順番 」 は クリスティ の 超 有名 作 ―
「 ABC 殺人 事件 」 を ひねった もの です
そして 十文字 事件 も
犯人 の ネタ 本 は 「 クドリャフカ の 順番 」 です
そして 暗号 を 受け取る 側 “ く ” の 付く 相手 と は ―
陸 山 宗 芳 ( く が やま むね よし ) 生徒 会 会長
「 夕べ に は 骸 ( むくろ ) に 」 の 作画 担当
違い ます か ?
( 田 名 辺 ) うーん
ほか は みんな 部活 な のに
“ く ” だけ 人名 と いう の は いただけ ない な
十文字 は ―
何も 部活 だけ を 襲う と は 書 い て い ない
( 田 名 辺 ) 苦しい ね ( 奉 太郎 ) 苦しく は ない です よ
あなた は ちゃんと ターゲット は ―
この 中 から 選ぶ と いう リスト を 提示 し て い まし た
ABC 時刻 表 の まね を し た なんて こと じゃ ない
これ こそ が 被害 者 リスト だった ん です
被害 者 は すべて この ページ から 選ば れ て いる
アカペラ 部 囲碁 部 占い 研
園芸 部 お 料理 研 壁 新聞 部 奇術 部
そして ―
陸 山 宗 芳
これ が 分かれ ば ―
あなた に たどり着く の は そう 難しく ない
この ページ に たまたま 被害 者 が 固まった と いう の は ―
でき すぎ でしょ う
そして ページ を 操作 できる の は 総務 委員 会 の 誰 か だ
だが 総務 委員 は 20 人 いる
ええ そこ で この 漫画 「 夕べ に は 骸 に 」 です
これ の 原作 者 安城 春 菜 ( あん じょう はる な ) と 組 ん で い た 陸 山 会 長 は ―
「 クドリャフカ の 順番 」 の こと も 知って い た はず
つまり 十文字 事件 の 暗号 を ―
陸 山 会 長 は 解く こと が できる わけ です
これ は 1 つ の 仮定 だ が
陸 山 会 長 は 「 クドリャフカ の 順番 」 の 原作 を ―
紛失 し て しまった の で は ?
その 批判 と して ―
十文字 は この 事件 を 起こし た の で は ない か ?
つまり 犯人 から の メッセージ は こう です
陸 山 から 「 クドリャフカ の 順番 」 は すでに 失わ れ た
そして この あとがき
背景 を 手伝った 人間 が 書 い た もの だ
安城 春 菜 陸 山 会 長 それ 以外 で ―
「 クドリャフカ の 順番 」 の 原作 を 知って いる 唯一 の 人間
この 人 だけ が 十文字 たり える
そして これ です
安心院 鐸 玻 ( あじ む たく は ) 妙 な ペンネーム です
これ は この 作品 を 描 い た 3 人 の 名前 の 頭文字 を ―
並べ 替え た もの です ね ?
( 田 名 辺 ) … と 言う と ?
( 奉 太郎 ) 安城 春 菜 “ ア ” と “ ハ ”
陸 山 宗 芳 “ ク ” と “ ム ”
これ を 安心院 鐸 玻 から 引 い て みる と ―
残る 2 文字 は “ ジ ” と “ タ ” に なり ます
去年 も 文化 祭 に 参加 でき た 2 年生 以上 で 総務 委員
名字 と 名前 に “ た ” と “ じ ” が 付く 人物
加え て 陸 山 会 長 と 親しく
彼 が 漫画 を 描け る と 知って いる 者
そんな 人間 は 一 人 しか い ない
あなた です よ
田 名 辺 治 朗 先輩
見事 だ
まさか 宗 と 安城 さん 以外 に ―
読み 解ける やつ が いる なんて 思い も し なかった
まったく
期待 以上 だ よ
奉 太郎
( 奉 太郎 ) どうして こんな 回りくどい 暗号 を 使った ん です ?
( 田 名 辺 ) うすうす 分かっちゃ いる ん だ ろ ?
転校 し て いった 安城 春 菜 へ の 思い って ところ です か ?
ハハハハ それ も あった
それ と せっかく の 文化 祭 だ から
いたずら を 仕掛け たかった って いう 気持ち も ね
けど
口 で 言え なかった から
… が 一 番 大きい かな
さて そこ で もの は 相談 です
田 名 辺 先輩 に し て ほしい こと が ある ん です よ
… と 言う と ?
これ を 買って いただき たい
文集 「 氷 菓 」 しめて 30 部
あっ
正体 を バラ さ ない 代わり に それ を 買え と
( 奉 太郎 ) ええ
ただし 買う の は 総務 委員 会 です
( 田 名 辺 ) バカ な
( 奉 太郎 ) バカ な こと じゃ あり ませ ん
神山 高校 の サイト
文化 祭 で 出品 さ れ た 物 を 通販 し てる じゃ ない です か
総務 委員 会 が いったん 買い上げ
それ を サイト で 売る 形 に し て もらえ れ ば いい ん です
理由 も なく 買い上げる こと は でき ない
せめて 何 か の 話題 に なって なけ れ ば
ご もっとも
しかし 話題 に なる ん です よ この 「 氷 菓 」 は
どういう こと かな ?
( 奉 太郎 ) もちろん 十文字 事件 です よ
古典 部 を 最後 の 標的 に する ん です
俺 と …
それ から 福部 里志 に でも 頼 ん で 犯行 を サポート し ます
ターゲット に 内通 者 が できる ん です こんな 簡単 な 話 は あり ませ ん
十文字 の 最後 の ターゲット 古典 部 に は 野次馬 が 押しかける
文集 も 数 は 出る でしょ う
… と なれ ば 通販 で 引き受ける 理由 に も なる
そして 先輩 は ―
事件 を きっちり 終わら せる って 寸法 です
どう です か ?
( 田 名 辺 ) 確かに
悪い 話 じゃ ない な
十文字 事件 の 完結 通販 商品 の 充実
利害 は 一致 し て いる な
ハア よかった です
( 田 名 辺 ) … で どう 十文字 を サポート し て くれる の か な
( 奉 太郎 ) 標的 と して 校 了 原稿 を 用意 し ます
そこ に 誰 も 近づけ ない よう に 見張り を 立て ます
( 田 名 辺 ) ほう それ で ?
この しおり に よれ ば ―
科 学部 が ナトリウム に 水 を かけ た とき の 反応 を ―
実演 し て いる そう です
前 に 何 か の 動画 で 見 た ん です が 結構 派手 に 燃え て くれ ます
あっ まさか その ナトリウム を ?
( 奉 太郎 ) ええ なんとか し て 入手 し て ください
それ から 製菓 研 で ―
拳銃 型 の 水鉄砲 を 持って る 連中 が い ます
これ も 交渉 し て 手 に 入れ て ください
フッ 危ない こと を 考える な
お祭り です 最後 は 派手 に いき ま しょ う
やれやれ
( 奉 太郎 ) 俺 が なんとか し て ―
校 了 原稿 の ページ の あいだ に ナトリウム を 挟 ん で おき ます
本 が 十分 売れ たら
こんな 感じ の 合図 を する んで 水鉄砲 で 原稿 を 撃って ください
だが みんな の 目 が 原稿 に 集まって いる はず だ ろ う ?
そう です ねえ
… で は 部屋 の 入口 近く に 里志 の スマホ を 置 い て おき ます
水 を かける 前 に 電話 を し て ください
観客 の 注意 は そちら に 向く でしょ う
( 田 名 辺 ) 分かった 犯行 声明 は どう する ?
現場 は 混乱 する でしょ う から
「 氷 菓 」 に 挟 ん で 床 に でも 落とし て ください
いい だ ろ う
じゃ それ 用 の 「 氷 菓 」 を 買って もらい ます
1 冊 200 円
ちゃっかり し てる な
心底 困って る ん です よ 俺 たち
( 田 名 辺 ) フッ
君 名前 は 何 だった かな ?
( 軽い せき払い )
1 年 B 組 折 木 奉 太郎 です
( 里志 ) ハア …
期待 って いう の は ―
福 ちゃん が 折 木 に 思って いる よう な こと ?
お 見事 どうして 分かった ?
( 摩耶 花 ) 見 て れ ば 分かる わ よ
福 ちゃん の こと くらい
福 ちゃん は 折 木 に 勝ち たかった の ?
( 里志 ) フウッ …
勝ち たい わけ じゃ なかった けど 見上げ て ばかり じゃ ね
まっ これ ばっかり は 摩耶 花 に も 分から ない だ ろ う ね
( 摩耶 花 ) そんな こと ない
( 里志 ) あ あっ 僕 も うっかり し て た よ
こいつ を 忘れ ちゃ いけ なかった
データベース は 結論 を 出せ ない ん だ
うん ?
( 陸 山 宗 芳 ) ええ 今年 の カンヤ 祭 も ―
つつがなく 終える こと が でき まし た
いや なんか 変な 事 件 も あった みたい だ けど
( 生徒 たち の 笑い声 )
お 疲れ フフッ
ええ とにかく お 疲れ
ここ に 第 54 回
神山 高校 文化 祭 の 閉幕 を 宣言 し ます
( 歓声 )
( 摩耶 花 ) 遅く なり まし た けど 持って き まし た
私 が いつか 名作 を 描け る と 信じ て いる 人 の 漫画 を
( 河内 亜也子 ( こうち あやこ ) ) ハア ホント に 持って いた ん だ ね
はい これ は 借り物 です けど
先輩 は この 漫画 の こと 知って た ん です ね
( 河内 ) 湯浅 ( ゆ あ さ ) か あいつ
( 摩耶 花 ) 河内 先輩 と ―
この 漫画 の 原作 の 人 は 友達 だった って
( 河内 ) 友達 そう ねえ
春 菜 元気 で やって る かな
長い こと 声 も 聞い て ない けど
この 漫画 読 ん だ ん です か ?
私 …
河内 先輩 の 言う こと も 少し 分かり ます
面白い か どう か は 結局 主観 の 問題 だって いう こと
でも やっぱり それ が 正しい と は 思え ませ ん
だって それ って あまり に も むなしい じゃ ない です か
だから 「 夕べ に は 骸 に 」 なん だ ね
でも それ シリアス でしょ ?
もし 私 が ギャグ 専門 だったら 読み も し ない
そういう こと じゃ ない ?
読め ば 分かる 絶対 に
そういう 力 を 持った 作品 だって ある ん です
違い の 分かる 人 に は でしょ ?
河内 先輩
( 河内 ) 冗談 よ ( 摩耶 花 ) えっ ?
冗談
そんな こと 本気 で 言って る わけない じゃ ない
冗談 が 通じ ない ね 伊原 って さ
( 摩耶 花 ) あっ
( 湯浅 尚子 ( しょうこ ) ) 亜也子 は ね 本気 じゃ ない の よ
( 河内 ) 逃げ 切れ ない もん だ ね
私 それ 読 ん で ない ん だ 途中 で やめ た
なんで か 分かる ?
( 摩耶 花 ) いえ
( 河内 ) あんた 読め ば 分かる そう 言った よ ね ?
そう 分かる よ 分かっちゃ う ん だ
でも ほら そういう の って 認め たく ない でしょ ?
あんた なら どう よ
あんまり 漫画 読ま ない ね って 思って た 友達 が さ
初めて の 原作 で さ
それ を 書 い た と し たら さ
ねえ ?
しゃれ に なら ない と 思う でしょ ?
だから それ は 押入れ の 奥
一 番 奥 の 箱 の 中
見 ない こと に し て ついでに 名作 なんて ―
どこ に も ない こと に し て た のに ね
つくづく 巡り合わ せ だ ね
せっかく 手 に 入れた の に 悪い けど
私 それ 読ま ない から
( 摩耶 花 ) あっ
( 河内 ) だって さ
ほら 読 ん じゃ ったら 電話 し ちゃ う じゃ ない
でも 電話 し て さ
“ 読 ん だ よ あんた すごい じゃ ない ”
“ 次 の も 期待 し てる ね ” と か 言え ない じゃ ない
ね ?
あっ
( 摩耶 花 ) これ 「 ボディ トーク 」 の
あっ あ あっ
名作 は 最初 から 名作 と して 生まれて くる ん です
( 摩耶 花 ) 「 ボディ トーク 」 やっぱり これ も いい
私 の は 100 枚 落ちる
う っ
( 摩耶 花 の 泣き声 )
( える ) 残り は これ だけ です か ? ( 奉 太郎 ) ああ
( 里志 ) おお っ おお っ ここ まで …
ここ まで くる と は !
( える ) すごい です
あの 文集 の 山 が 期待 以上 の 大 戦果 です
期待 … 期待 ね
( える ) うん ? ( 奉 太郎 ) ああ
( 奉 太郎 ) いや
恐喝 し て 押し売り し た なんて 千 反 田 に は 言え ん な
( 田 名 辺 ) 折 木 君 君 は ―
陸 山 が 「 クドリャフカ の 順番 」 の 原作 を 紛失 し た から ―
僕 が こういう 事件 を 起こし た と 言った ね
あくまで 仮定 です
先輩 の 動機 まで は 知り よう が あり ませ ん から
まあ 無理 も ない
僕 の 気持ち が 分かる の は 多分 安城 さん だけ だ
陸 山 会 長 に は 分から ない と ?
ああ
陸 山 会 長 に 宛て た 暗号 な ん です よ ね ?
( 田 名 辺 ) そうだ よ
( 奉 太郎 ) だったら なぜ ?
( 田 名 辺 ) 宗 は … 陸 山 は …
「 夕べ に は 骸 に 」 を 仕上げ て 以来 ―
一 度 も ペン を 握って ない ん だ
安城 さん も 天才 的 だ けど
宗 が あれほど 描け る と は 知ら なかった
ヘタクソ な 僕 と は 比べ物 に なら ない
原作 は ちゃんと ある ん だ 無くし て な ん か ない
あいつ が その 気 に なり さえ すれ ば ―
「 夕べ に は 骸 に 」 を 超える ―
話 に だって なる はず な ん だ
けど 宗 に とって 漫画 描き は ―
あの とき かぎり の 遊び だった ん だ
( 奉 太郎 ) あれ が 遊び
もったいない だ ろ ? 惜しい と 思う だ ろ ?
なのに 宗 は 描 こ う と し ない
あいつ が 一言 やる ぞ と 言え ば 僕 は 何でも する つもり で い た
宗 に 聞く の が 怖かった
メッセージ に 気付か ない なんて 信じ たく なかった
絶望 的 な 差 から は 期待 が 生まれる
僕 は ずっと 期待 し て い た
( 奉 太郎 ) なら
あなた が 本当 に 伝え たかった こと は こう です か ?
陸 山
お前 は 「 クドリャフカ の 順番 」 を 読 ん だ の か ?
本当 に 見事 だ
( 奉 太郎 ) そして 答え は
( 田 名 辺 ) ああ そう だ
宗 は ―
安城 さん こん身 の 原作 を 開 い て も なかった
暗号 は 解か れ なかった
メッセージ は 伝わら なかった よ
( 摩耶 花 ) 折 木
これ ありがとう
お 姉さん に も お 礼 言 っと い て
ああ
うん ? 何 よ
いや 伝え て おく よ
( える ) じゃあ この 残った 4 部 は ―
どう し ま しょ う か ?
残って も しかたない し
全員 で もう 1 部 づつ 買う って こと で
( える ) ああ ( 摩耶 花 ) おお
わ あっ
これ で …
完売 です
( 里志 ) い やった あ
あと は 十文字 事件 の 真相 です ね
これ で 心おきなく …
気 に する こと が でき ます
( 奉 太郎 ) あっ いや …
ああ それ なら 奉 太郎 が ―
ちょっと 分かった こと が ある みたい だ よ
本当 です か ? 折 木 さん
いや それ は …
そのへん の 話 も 含め て どう かな
完売 祝い に 打ち上げ と いか ない かい ?
( 摩耶 花 ・ える ) おお っ
里志
これ くらい は 許し て もらわ ない と ね
は あ ?
( 摩耶 花 ) 打ち上げ 賛成
古典 部 に は ほとんど 出 られ なかった し
いろいろ 話 を 聞か せ て よ
( える ) で は 私 の 家 に いらっしゃい ませ ん か ?
( 里志 ) よし 決まり ( 奉 太郎 ) 決まった の か ?
( 摩耶 花 ) よし 憂さ晴らし だ 今日 は 飲む わ よ
( 奉 太郎 ) 飲む の か ( 摩耶 花 ) 主に ウーロン 茶
( 奉 太郎 ) なん だ その フォロー は
( チャイム )
( える ) 次回 「 連峰 は 晴れて いる か 」