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江戸小話, 近づきのしるし

近づき の しるし

近づき の しるし

医者 が 、 ある 町 に 引っ越して き ました が 、 近づき の しるし に 近所 に 配る 物 が あり ませ ん 。 そこ で 商売 道具 の 薬 を 、 近所 に 配る こと に し ました 。 医者 が 隣 の 家 に 行って あいさつ を し 、 近づき の しるし に 薬 を 差し出し ました 。 する と 隣 の 家 の 主人 が 、 医者 に 言い ました 。 「 お 心づかい を ありがとう ございます 。 ですが わたし ども は みな 病気 知ら ず で 、 今 まで かぜ ひと つ ひいた こと が あり ませ ん 。 ですから 薬 は 、 不用で ございます 」 する と 医者 は 、 自慢げに 言い ました 。 「 どうぞ 、 ご 安心 を 。 わし の 作った 薬 は 、 飲む と たちまち 具合 が 悪く なり ます から 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


近づき の しるし ちかづき||

近づき の しるし ちかづき||

医者 が 、 ある 町 に 引っ越して き ました が 、 近づき の しるし に 近所 に 配る 物 が あり ませ ん 。 いしゃ|||まち||ひっこして||||ちかづき||||きんじょ||くばる|ぶつ|||| そこ で 商売 道具 の 薬 を 、 近所 に 配る こと に し ました 。 ||しょうばい|どうぐ||くすり||きんじょ||くばる|||| 医者 が 隣 の 家 に 行って あいさつ を し 、 近づき の しるし に 薬 を 差し出し ました 。 いしゃ||となり||いえ||おこなって||||ちかづき||||くすり||さしだし| する と 隣 の 家 の 主人 が 、 医者 に 言い ました 。 ||となり||いえ||あるじ||いしゃ||いい| 「 お 心づかい を ありがとう ございます 。 |こころづかい||| ですが わたし ども は みな 病気 知ら ず で 、 今 まで かぜ ひと つ ひいた こと が あり ませ ん 。 |||||びょうき|しら|||いま|||||||||| ですから 薬 は 、 不用で ございます 」   する と 医者 は 、 自慢げに 言い ました 。 |くすり||ふようで||||いしゃ||じまんげに|いい| 「 どうぞ 、 ご 安心 を 。 ||あんしん| わし の 作った 薬 は 、 飲む と たちまち 具合 が 悪く なり ます から 」 ||つくった|くすり||のむ|||ぐあい||わるく|||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )