ゆき の 物語 第 十九章
鬼 の 敗北
鬼 は 、 娘 を 攫う と 、 山 の 方 へ 向かって 歩き 出しました 。
若殿 たち は 厩 に 行き 、 馬 に 鞍 を 置いて 乗り 、 鬼 を 追いかけていきました 。
町 を 抜ける と 、 鬼 は くんくん と 臭い を 嗅ぎました 。
「 なんで こんなに 狐 臭い ん だ 」
「 その お嬢さん は 俺 が 守っている 。
貴様 の ような 奴 が 彼女 を 傷つけて は ならん ぞ 」という 声 を 鬼 は 聞きました 。 びっくり した 鬼 は 娘 を 掴んだ 拳 の 方 へ 目 を やりました 。 と 、その 瞬間 、大きな 穴 に 足 が 嵌まり 、ひっくり返って しまいました 。
鬼 が 立ち上がる 前 に 、 ちょうど 追いついた 若殿 が すかさず 跳びつき 、 太刀 で 鬼 の 首 を 切り落としました 。
「ゆき ! どこ だ ! 大丈夫 か ! 」 と 叫びました 。
「心配 は ございませ ん 」という 声 が し ました 。
若殿 は 、 声 の する 方 へ 顔 を 向けました 。 すると 、 そこ には 狐 が 立っていました 。 「 城 へ お帰り ください 。 本物 の お嬢さん は 無事 で 城 に います 」 と 狐 は 言いました 。
「 狐 どの !
驚きました 。 でも 、私 の 目 に は 、ゆき 殿 が 鬼 に 攫われた よう に 映った の です が 」と 若 殿 は 言いました 。
「こんな 風 でした か 」と 狐 は 言って 、ゆき の 姿 に 化けました 。
それ から 、もう 一度 狐 の 姿 に 戻り ました 。
「 これ は なんと 奇怪 な 。
いつも ありがとう ございます 。 今後 は いつでも 私 の 城 へ いらして ください 。 歓迎 いたし ます 」と 若殿 は いって 、馬 で 城 へ 帰り ました 。