フクロウ の 染め物 屋
むかし むかし 、 鳥 の フクロウ が 染め物 屋 の 店 を 始めました 。
「さあ 、いらっしゃい 、いらっしゃい 。
フクロウ の 染め物 屋 は 、何でも 上手に 染めます よ 。
さあ 、さあ 、どなた でも いらっしゃい 」
すると 仲間 の 鳥 たち が 、珍しそう に 集まって 来ました 。
「染め物 屋 さん 、わたし を 黄緑 に 染めて ください な 」
「わたし は 、頭 だけ を 赤く 染めて ね 」
「はい 、はい 、かしこまりました 」
ウグイス は 黄緑 に 、おしゃれな ツル は 頭 の 上 を 赤く 染めて もらって 上機嫌 です 。
そこ へ 、カラス が やって 来て 言いました 。
「よし 、ぼく も 染めて もらおう か な 」
「はい 、カラス さん 。 お 色 は 、何 に いたしましょう ? 」
「そう だ ねえ ・・・」
カラス は 少し 考える と 、いばって 言いました 。
「ぼく は 鳥 の 中 で 一番 頭 が 良い から 、誰 が 見て も 一目 で 分かる 素晴らしい 色 が いい な 」
「誰 が 見て も 、一目 で 分かる 色 です か 。 ・・・はい 、承知 しました 。 さあ 、どうぞ こちら へ 」
フクロウ は 大きな つぼ の 中 へ 、染め粉 を といて 入れました 。
「 さあ 、 この 中 で 行水 を して ください 。 誰 が 見て も 一目 で 分かる 、素晴らしい 色 に なります よ 」
そこ で カラス は 染め 粉 を といた つぼ の 中 に 入る と 、全て の 羽 が 染まる ように 行水 を しました 。
「もう 、染まった かい ? 」
「はい 、見事に 染まりました 。 いや 、これ は 素晴らしい 色 だ 」
フクロウ が ほめる ので 、カラス は わくわく しながら 自分 の 姿 を 小川 に うつして みました 。
すると 、どう で しよう 。
カラス の 体 は 、頭 から 尾 の 先 まで 全て まっ黒 な のです 。
「何 だ 、これ は ! 」
カラス は カンカン に 怒って 、フクロウ に 文句 を 言いました 。
「やい やい 、これ の どこ が 素晴らしい 色 な んだ ! 」
「 えっ? ご 注文 通り 、素晴らしい 色 では ありません か 。 これ なら 誰 が 見て も 、一目 で あなた と わかります よ 」
「確かに 一目 で 分かる けど 、まっ黒 なんて ひどい や ! 何とか しろ ! 」
しかし カラス が いくら 怒って も 、一度 染めた 色 は どうにも なりません 。
こうして カラス の 色 は 、まっ黒 に なった のです 。
そして フクロウ は カラス から 逃げる ように 森 の 中 に 隠れて 、夜 に しか 出て こなく なりました 。
おしまい