イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #15 (1)
( 相原 琴子 ( あいはら ことこ )) 入江 ( いりえ ) 君 お 見合い する って ほんと ?―
相手 は 北英 ( ほくえい ) 社 って 会社 の 会長 の お孫さん
( 松本 裕子 ( まつもと ゆうこ )) “ お 見合い を ぶっ潰す ” ね
( 琴子 ) う おーっ !
( 入江 直樹 ( なおき )) 沙穂子 ( さほこ ) さん ―
見合い の 話 進めたい って さ
( 入江 紀子 ( のりこ )) えっ ?
( 琴子 ) 入江 君 と ―
距離 が 縮まって きて る ような 気 が した んだ よ ね ―
だから … 現実 が 受け入れ られ なくて
( 池沢 金之助 ( いけざわ きんのすけ )) わし に とって 琴子 は 大事 な 人 なん や ―
大事 な 人 の 気持ち 弄ばれて 黙って られる かい !
( 直樹 ) だったら どう す ん だ よ ?
( 金之助 ) お前 から 琴子 を 奪う ―
いや 守る
( 直樹 ) 好き に すれば ?
( 金之助 ) 今度 の 日曜 や ねん けど ―
遊び に 行か ん か ?
いい よ 2 人 で 行こう
( 琴子 ) 私 と 入江 君 は ―
それぞれ 別 の 道 を 歩み 始めよう として いた ―
その先 に は 一体 どんな 未来 が 待って いる の か …
( 入江 裕樹 ( ゆうき )) ん ~
おはよう
( 裕樹 ) ん おはよう
琴子 ちゃん デート です って よ
( 直樹 ) デート ?
こう 随分 と おめかし して 出かけてった よ
( 金之助 ) せや から 邪魔 せん とって くれる か ?
お前 かて 結婚 し たい 女 が できた ん やったら 分かる やろ ?
お前 に とって その 女 が 大事 な ように
わし に とって は 琴子 が 大事 な ん や
あんな つら そう な 琴子 …
見て られ へん
( 直樹 ) ふーん
随分 物好き な 男 が いる もん だ な
お 兄ちゃん ほんとに これ で いい の ?
お 兄ちゃん …
悪い けど
月曜 の 会議 まで に
目 を 通さ なきゃ いけない 書類 が ある から
全く
♪~
( 金之助 ) はあ ~
( 金之助 ) はあ ~
( 琴子 ) あ ~
( 琴子 ) あ ~
あ ~ 面白かった ~
いや あの カーアクション の ズドーン の とこ すごかった な !
ねっ スカッと した !
よっしゃ !
今日 は 日頃 の ストレス を 発散 する 日 や
せや ゲーセン 行か へん ?
行く 行く … 行く !
行く 行く … 行く !
行こう ぜ !
行く 行く … 行く !
あれっ ?
こう なったら ノリ や
ノリ や で 琴子
行き ます
行って 参り ます
あっ 何か いる 何か いる よ !
頑張れ 金 ちゃん !
フレーッ !
( 金之助 ) よっしゃ ここら 辺 やろ !
( 金之助 ) よっしゃ ここら 辺 やろ !
( 琴子 ) 来い
( 金之助 ) よっしゃ ここら 辺 やろ !
あー !
もう 1 回 !
( 琴子 ) 金 ちゃん と 過ごす 時間 は 思いのほか 楽しくて ―
少し の 間 入江 君 の こと を 忘れ させて くれて いた
♪~
( 小森 ( こもり ) じんこ ・ 石川 理美 ( いしかわ さとみ )) 金 ちゃん と デート した !?
( 琴子 ) うん … うん
金 ちゃん と は 高校 の とき から ―
ずっと 仲いい けど …
考えて みたら
2 人 で どこ か 出かけ ん の 初めて な んだ よ ね
それ で ?
それ で どう だった わけ ? デート は
( 琴子 ) うーん
やっぱ 金 ちゃん じゃ 駄目 か
( 琴子 ) ううん いや …
それ が 思った より …
楽しかった んだ よ ね
何か 時間 が あっという間 に 過ぎ てく って いう か …
( じんこ ) それ で !?
今日 は 楽しかった ありがとう
( 金之助 ) わし も 今日 は 久々 に スカーッと した わ
フフッ
フフッ
( 金之助 ) フフ
( 金之助 ) フフ
( 金之助 ) フフ
じゃあ ね
じゃあ ね
琴子
また
わし と デート して くれ へん ?―
わし ―
また 琴子 が 楽しめる ような 場所 探す し
あんまり 重く とら ん と 気分 転換 に 遊び に 行く のに
相手 が 偶然 わし やった くらい の 軽い 気持ち で ええ から
いい よ
また デート しよう 金 ちゃん
うん
( じんこ ) え ?
琴子 ~
琴子
うん 実は …
次 の デート の 約束 した んだ
( じんこ ・ 理美 ) ええっ !?
まさか の 急 展開 ?
ここ に 来て 大 逆転 劇 !?
キャーッ !
そう いう わけ じゃない んだ けど
デート でも 合コン でも 何でも いい よ ―
ほれ ほれ 座って 座って 琴子 ちゃん
琴子 が
あの 薄情 な 入江 の こと を 忘れて
一瞬 でも 楽しく 過ごせる なら
理美
彼氏 なんて 慌てて 作る 必要 ない んだ から
急いで 結論 出す こと ない って
今 は 金 ちゃん でも 誰でも いい から
楽しく 遊んで おけば よし !
うん そう だ ね
琴子 が 元気 に なれる の が 一番 だ よ
でも それ って 金 ちゃん に 悪く ない ?
あの ねえ …
もし そういう こと を 少し でも 思っ ちゃう なら
それ って 金 ちゃん の こと 好き って こと だ よ
そりゃ そう でしょ
自分 の こと より も 相手 の こと を 思いやる だ なんて
好き 以外 の 何物 で も ない よ
( じんこ ) へっ !?―
どう ?―
金 ちゃん の こと 好き ?
( 琴子 ) ハハ ハハ …
それ は … 分かんない んだ けど
うーん
金 ちゃん って …
いい やつ な んだ よ ね
( 理美 ) こら !
そんな こと 今頃 気 が 付か ない の !
フフッ
( 大泉 ( おおいずみ ) 沙穂子 ) すばらしい 演奏 でした ね
( 直樹 ) ええ ―
僕 ストラヴィンスキー は 大好き な んです
( 沙穂子 ) フフッ 直樹 さん らしい わ ―
だって ストラヴィンスキー って ―
作品 に よって 全然 作風 が 違う でしょ ―
“ カメレオン ” って あだ名 されて る くらい ―
直樹 さん も ―
そういう ミステリアス な ところ が ある ように 思い ます ―
そこ が すてき な んです けれど
( 直樹 ) 買いかぶり 過ぎ です よ
( 沙穂子 ) でも 私 頭 に きて しまった わ
ほら 私 たち の 前 に 座って いた 方
演奏 が 始まる と 同時に すぐに 寝て いらした の よ
こっくりこっくり 船 を こいで
( 琴子 の いびき )
( 沙穂子 ) せっかく あんな いい お 席 な のに ―
直樹 さん ? どう なさった の ?
ああ いや 別に …
さあ 行き ましょう ―
今日 行く お 店 は BGM が 全て オペラ な んです ―
オペラ は お 好きです か ?
( 沙穂子 ) もちろん です ―
う~ん ―
“ トリスタン ” が 聴き たい わ
( 直樹 )“ トリスタン ” です か いい です ね
はぁ …
( 直樹 ) ただいま
( 紀子 ) お 兄ちゃん 遅い じゃない の !
今日 は 沙穂子 さん と コンサート に 行く から
遅く なる って 言って あった よ な ?
それ に したって 何 時間 音楽 聴いて ん の よ
その後 食事 する から
夕食 も いら ない って いう こと も 言って あった よ な ?
ねえ お 兄ちゃん あの 沙穂子 さん って 人 に
何か いやらしい こと でも して ない でしょう ね ?
何 だ よ いやらしい こと って 中学生 で も ある まい し
俺 ら は 結婚 を 前提 に つきあって る んだ
後 は 想像 に 任せる よ
あっ でも 私 は まだ 賛成 して ない んです から ね
( 直樹 ) おやじ だって 言って た ろ ?
自分 の 結婚 相手 は 自分 で 決めろ って
あの とき おふくろ も うなずいて た じゃない か
それ は そう だ けど …
でも あれ って 琴子 ちゃん の こと だ と ばっかり …
とにかく
俺 の 結婚 の こと は 遠慮 なく 俺 が 自分 で 決め させて もらう
ん まあ
( 琴子 ) ただいま 戻り ました ~
( 紀子 ) 琴子 ちゃん まで こんな 時間 に …
もしかして 琴子 ちゃん も デート ?
“ も ” って こと は … 入江 君 も ?
コンサート に 行って た んだ
( 琴子 ) ふーん そう
私 は デート なんか じゃ あり ません よ
あっ おば 様
実は 今日 から お 父さん の 店 で お 手伝い する こと に なった んです
店 の お 手伝い って …
琴子 ちゃん 料理人 に なる の ?
フフッ まさか … それ は さすが に 無理 です
( 直樹 ) よかった
無駄 に 腹 を 壊す 人 が 出 なくて 済む
( 琴子 の せき払い )
( 琴子 ) まあ 料理 は ともかく
サービス の 方 だったら なんとか なる か なって
お 勉強 して み たい なって
お 店 に は 金 ちゃん も いる から いろいろ と 教えて もらえる し
( 直樹 ) デート みたいな もん だ な
私 は 誰かさん と 違って
仕事 と 恋愛 を ごっちゃ に し ません から
それ って 人 に よる ん じゃない ?
何 ? それ 金 ちゃん に 謝って よ
ほら やっぱり そう じゃん
そう だ と して も 入江 君 に は 関係ない でしょ ?
( 直樹 ) まあ ね
お前 の 色恋沙汰 なんて 興味 ないし
( 紀子 ) まあまあ 2 人 と も
あら ? これ って もしかして
“ 犬 も 食わ ない 何と やら ” って やつ かしら
( 直樹 ) 違う
( 琴子 ) 違い ます
あら そう
あした も 夕食 いら ない から
また デート な の ?
( 直樹 ) 関係 ない だろ ―
おやすみ
( 紀子 ) はぁ
琴子 ちゃん ?
( 琴子 ) フフッ 私 も あした の 大学 の 準備 が ある ので ―
失礼 し ます
それ と 私 も あした から は
お 店 で 賄い 食べて くる ので 夕飯 は 大丈夫 です ―
おやすみなさい
( 紀子 ) もう 駄目 よ パパ
お 兄ちゃん は 着々 と
沙穂子 さん と の 結婚 の 道 に 進んで る し
琴子 ちゃん は 琴子 ちゃん で
あの 板前 の 金 ちゃん って 男 の 人 と デート して る みたい だ し
しかも お 店 を 手伝う って …
どんどん あの 子 と の 距離 が 縮まって っちゃう
( 入江 重樹 ( しげき )) あの …
昨日 金森 ( かなもり ) から 連絡 が あって
大泉 会長 は 私 が 退院 しだい ―
結納 の 日程 を 決め ましょう って …
え ?
はぁ …
( 医師 ) いい ぞ この 調子 なら 退院 も 夢 じゃない
( 男の子 ) ほんと ?
ああ よく 頑張った な
先生 が 上手 に 手術 して くれた から だ よ ―
ありがとう
( 医師 ) ハハハッ
でも 入江 君 に は
お 医者 さん に なり たい って 夢 が ある ん じゃない の ?
まだ 日 の 浅い 夢 だ から …
諦め ちゃう の ?
♪~
( 直樹 ) 何 だ よ ? 話 って
ああ
この 週末 に 私 が 退院 する こと は お前 も 知って る よ な ?
ああ
父さん の 心臓 実は あんまり よく ない んだ ろ ?
いずれ は 手術 し なくちゃ いけない んだ よ な ?
え ?
フッフ … 隠した って 分かる よ
ママ は あの とおり 何でも 顔 に 出る 人 だ から な
だが …
私 は 手術 する 前 に 一度 会社 に 復帰 する
会社 で の トラブル は
全て 自分 の 力 で 解決 して から 手術 に 臨む つもり だ
だけど 仕事 に 復帰 したら
また ストレス を 心臓 に かける んだ ぞ
だからといって
お前 を 好き で も ない 女性 と 結婚 させ られる か !
好き でも ない って …
勝手に 決めつけ ん な よ
直樹 …
お前 は 父さん の 息子 な んだ ぞ
会社 より 何より
お前 の 幸せ が いちばん 大事 に 決まって る だ ろ
だから …
言われ なくて も 自分 の 人生 は 自分 で 決める
だから おやじ も 余計な こと は 何も 考え ないで
自分 の 体 を 治す こと だけ に 専念 して くれ
♪~
( 相原 重雄 ( しげお )) 琴子 これ 3 番 テーブル お 願い
( 相原 重雄 ( しげお )) 琴子 これ 3 番 テーブル お 願い
( 琴子 ) はい ―
( 相原 重雄 ( しげお )) 琴子 これ 3 番 テーブル お 願い
はい
( 金之助 ) これ わし が 片付けて おく から
琴子 大将 の 方 頼む で
ありがとう 金 ちゃん
( 小田原 ( おだわら )) あの 2 人 何か いい 感じ です ね
みんな パパ が 帰って きた わ よ
ただいま ~
( 裕樹 ) わ ー !
( 重樹 ) ああ 裕樹 ハッハッハ …
パパ 退院 おめでとう
ありがとう
せーの !
( 一同 の 笑い声 )
( 重樹 ) ああっ あっ …!
( 琴子 ) あっ おじ 様 !
( 重雄 ) あっ イリ ちゃん ?
( 重雄 ) あっ イリ ちゃん ?
( 紀子 ) パパ ? パパ !
( 紀子 ) パパ ? パパ !
冗談 冗談 冗談 ! アハハ
このとおり ピンピン して ます よ
完全 復活 です
( 紀子 ) もう パパ ったら からかわ ないで よ
ごめん ごめん
奥さん
イリ ちゃん が すっかり 回復 した 証拠 です よ
さあ 今日 は お 祝い だ ねっ
さあ 今日 は お 祝い だ ねっ
( 重樹 ) ありがとう ~
( 重樹 ) ありがとう ~
はい はい ~ はい “ J ”“ O ”“ B ” みんな で ~
( 重雄 ) はい お 待たせ
( 紀子 たち の 歓声 )
( 紀子 たち の 歓声 )
( 重樹 ) はあ ~ こりゃ また うま そう だ ね ~
( 重樹 ) はあ ~ こりゃ また うま そう だ ね ~
( 重雄 ) もう イリ ちゃん の 好き な もん ばっかり ばい
( 重樹 ) うれし か ~
病院食 は ほんとに 味気 のう て 味気 のう て
まだ 本調子 じゃない んだ から
酒 たばこ 脂っこい もの と 甘い もの は やめとけ よ
そんなあ 私 が どれ だけ 病院 で
味気ない 食事 に 耐えて きた こと か
( 直樹 ) そういう 問題 じゃない
まあまあ
お 兄ちゃん の 言う とおり パパ ほどほど に ね
はい …
じゃあ 退院 の お 祝い を し ましょう よ
みんな グラス 持って
( 重樹 ) はーい
じゃ パパ 一言
あ …
( せき払い )