イタズラ な Kiss 〜Love in TOKYO#13 (2)
何て 変わり 身 の 早い …
あっ 新人類 かあっ あれ が 新人類 か
何 です か ? それ
え ? じゃあ “ ナウ な ヤング ” なら 分かる ?
“ ナウ な ヤング ” それ の が 分かんない です
そっか …
痛っ ! ああっ
あ ?
( 松本 裕子 ( ゆうこ )) あら ごめんなさい 琴子 さん
ちょっと いい かしら ?
( 松本 ) で どう な の ? 入江 君 の 様子 は
( 琴子 ) あ … 会社 が かなり 忙しい の
家 に 戻って くる の も いつも 深夜 だ し
フフッ まあ
私 は 必ず 起きて 彼 を 待って る けど ね
じゃあ このまま 大学 を 辞めて
会社 を 継ぐ って いう こと も あり うる って こと ね
う … そんな だって 大学 は 休学 だ よ
いつか は 戻って くる …
そう かしら ?
お 父さん の 会社 を 継ぐ なら
このまま 大学 に 戻って くる 必要 も ない かも しれ ない し
でも …
( 直樹 ) おやじ の 心臓 が 回復 したら 俺 も 大学 に 戻る よ ―
やり たい こと やる の は それ から でも 遅く ない
今 社会 を 知って おく の も 悪く ない と 思う し
入江 君 は …
大学 に 戻り たい って 思って る
もし そう だ と して も
現実 が それ を 許さ ない 場合 も ある って こと よ
あっ
ねえ
そろそろ あなた の お 弁当 から 彼 を 解放 して あげたら ?
お 昼 が 地獄 に なっ ちゃう わ
お … 何で 私 が お 弁当 作って る って 分かる の ?
あなた たち の こと は 分かる の
どうせ 何も 進展 して ない ん でしょ ?
おっ いや いや いや ―
いや いや いや いや …
じゃあ ね
♪~
( ドア が 開く 音 )
( 琴子 ) ん ?
( ドア が 閉まる 音 )
( 紀子 ) ただいま !
あー おかえりなさい
( 裕樹 ) ママ !
( 裕樹 ) ママ !
( 紀子 ) ウフフ ―
( 紀子 ) ウフフ ―
やっぱり 自分 の 家 は いい わ ね
病院 は 検査 だの 面会 だの って 1 日 バタバタ して る から
え ? おじ 様 もう 面会 大丈夫 に なった んです か ?
ほんと は ゆっくり した 方 が いい って
先生 も おっしゃって る んだ けど
仕事 関係 の 人 は 無理 して 入れ ちゃう の よ
でも いい ニュース よ
パパ 来月 あたり 自宅 に 戻れ そう な の
本当 です か !?
よかった ー !
精密 検査 の 結果 しだい な んだ けど
今 は 体調 も 安定 して る し
とりあえず 一度 戻り ましょう って
パパ も 病室 に 閉じ込め られて る より
自宅 に 戻った 方 が リラックス できる と 思う し ね
フフ そうです よ ね
琴子 ちゃん に は あと 少し 迷惑 かけ ちゃう けど …
そんな こと
おば 様 も 体 壊さ ない ように 気 を 付けて ください ね
ありがとう
じゃあ 着替え 持って 病院 に 戻る わ
( 琴子 ) はい ―
裕樹 も いい 子 に して る の よ
うん
うん
( 紀子 ) ウフフ
( 紀子 ) ウフフ
( 琴子 ) よかった ―
おじ 様 が 退院 できれば 入江 君 大学 に 戻れる ―
念願 の お 医者 さん に なる ため の 勉強 が できる んだ
おかげ さま で 来月 に は 退院 できる 予定 で
あっ それ は よかった
しかし 直樹 さん は 大した もの です
お父様 の 代理 を 見事 に 務め られて
とても まだ 大学生 と は 思え ません
お 兄 ちゃん 頼もしい わ
お 兄ちゃん ?
( 重樹 たち の 笑い声 )
あら 今日 は 私 たち 以外 に
面会 の 方 は いらっしゃら ない はず な のに …
( 大泉 ( おおいずみ ) と 重樹 の 笑い声 )
( 大泉 ) そうか そうか
( 大泉 ) そうか そうか
( 直樹 ) おやじ !―
休んで なくちゃ 駄目 だろ
休んで なくちゃ 駄目 だろ
アッハッハ
アッハッハ
( 金森 ) 大泉 会長
やあ 近く まで 来た から ちょっと 寄って みた よ
直樹 さん こちら
北英 ( ほくえい ) 社 の 大泉 会長 と 秘書 の 横山 ( よこやま ) 氏 です
ご挨拶 が 遅く なり ました 入江 直樹 です
入江 ?
あっ 会長 失礼 し ました 息子 の 直樹 です
今 うち の 会社 で 修業 中 でして
ほう 頼もし そう な 青年 だ ね
( 重樹 ) ハハッ はい
会長 皆さん おそろい です し 例の 話 を
入江 社長
御社 へ の 出資 に ついて の ご 相談 な んです が …
横山
そんな 病室 で
ああ … 失礼 し ました
息子 さん や 金森 さん に も
聞いて いただいた 方 が よい か と 思い まして
あっ はい そりゃ もう
あっ ママ そこ の 書類 取って くれる かな ?
あっ ママ そこ の 書類 取って くれる かな ?
( 大泉 ) いや …
あっ ママ そこ の 書類 取って くれる かな ?
あっ ママ そこ の 書類 取って くれる かな ?
あっ でも …
あっ でも …
申し訳 あり ません 今日 は お 引き取り 願え ます か ?
直樹
大泉 会長 が わざわざ 来て くださって んだ ぞ
申し訳 あり ません が 父 は 休養 が 必要 で
今 とても 仕事 が できる ような 体調 で は あり ません ので
会長
そのよう な 状況 でしたら
出資 の 方 は 考え 直さ れた 方 が よい か と
会長
出資 の 件 は 父 に 代わって 私 が お 話 を 伺い ます
( 横山 ) 君 失礼 だろ
君 みたいな 若造 が …
今 は 私 が 社長 代理 です
あした に でも 御社 に 伺わ せて いただき ます ので ―
今日 は お 引き取り 願え ません か ?―
父 の 体調 に も 触り ます ので
おい 直樹
( 直樹 ) 入院中 の こと は 俺 に 任せて くれ
ハッハッハ …
お 見舞い の つもり が すっかり 迷惑 を かけて しまった ようだ ね
それ じゃ 失敬 する よ 入江 君
わざわざ 来て いただいた の に ほんとに 失礼 し ました
横山
私 の あした の スケジュール
は ?
私 が 明日 何時 に 空いて る か を 聞いて る
えー 大臣 と の 会食 まで の 間
11 時 から 12 時 まで は 空いて おり ます が
( 大泉 ) そういう こと だ が どう だ ね ?
( 直樹 ) ありがとう ございます 必ず 11 時 に 伺い ます
ハッハッハ …
ハッハッハ …
( ドア の 開閉 音 )
( ドア の 開閉 音 )
あの 大泉 会長 に 時間 を 作ら せる なんて
直樹 さん は 大した もん です
全く だ
なかなか ない こと だ ぞ
( 直樹 ) 以上 の 点 から ―
御社 に も 十分 な 利益 を お 約束 できる こと と 思い ます
( 大泉 ) どう 思う ? 横山
( 横山 ) 大学 の 講義 で しか 経営 を 学んで い ない ―
学生 の プレゼン に して は ―
よく できて る か と
失礼 です が 私 は 大学 で は 理工 学部 に 在籍 して おり ます
経営 に ついて は 独学 です
( 大泉 ) ほう
だが 君 は いずれ パンダイ の 後継者 に なる んだ ろ ?
なぜ 理工 学部 に ?
なるべく 広く
さまざま な 分野 に ついて 学び たかった ので
偏った 知識 しか 持た ない 人間 が
社会 で 通用 する と は 思え ません ので
( 大泉 沙穂子 ( さほこ )) あっ
( 男性 ) すいません
大丈夫 です か ?
はい
お 気 を 付けて
( 紀子 ) あっ お 兄ちゃん ごめんなさい ね ―
会社 が 忙しい の に わざわざ 抜け出して もらっ ちゃって
そんな こと より 何 だ よ ? 大事 な 話 って
裕樹 に は 聞かせ たく なかった もの だ から …
♪~
( 琴子 ) おかえりなさい 今日 も 遅かった ね
すぐに 夕飯 温める から ね
今日 は いい や
え ? 食事 済まして きた の ?
( 直樹 ) 食欲 なくて
♪~
( 琴子 ) 入江 君 ―
はい お 弁当
ああ
( 琴子 ) 何か 疲れて る みたい 大丈夫 ?―
入江 君 ?
( 直樹 ) 考え 事 して た いって き ます
うん
いってらっしゃーい
( ドア が 開く 音 )
( ドア が 閉まる 音 )
お 兄ちゃん 大丈夫 かな …
( 金之助 ) ほい
( 琴子 ) わあ おいし そう !
大将 から や
毎日 料理 で 琴子 も 大変 やろう から って
フフッ ありがとう 助かり ます
礼 や ったら 大将 に 言え や
フフ …
なあ 琴子
最近 お前 大学 行けて へん の ちゃう か ?
うん
それ で ええ ん か ?
大学 に 行く の は 自分 で 決めた こと だ から
卒業 まで ちゃんと 勉強 し たい けど
今 は 入江 家 の 役 に 立ち たい から
( 金之助 ) ふう
“ 入江 家 ” や のう て
“ 入江 ” そ やろ ?
わし 琴子 の こと は 分かる ん や
まっ 分からん 方 が ええ こと も ある けど な
金 ちゃん …
( 金之助 ) まっ 何 が あろう と
わし は 琴子 の 味方 や で
1 人 で しょい 込ま ん と
できる こと が あったら 何でも ゆうて くれえ や
料理 は もちろん
授業 の 代返 でも 何でも して やる さかい
ありがと 金 ちゃん
せや けど な
代わり に レポート は 書か へん で
そんな こと したら な
琴子 落第 して しまう から な アッハッハ …
ハッハッハ … もう
フッ
ねえ 今日 の 夕飯 おいしい でしょ ?
これ 琴子 の お 父さん が 作った んだ ろ ?
ばれた か
ばれ ない と 思う 方 が おかしい レベル が 違い すぎる
あの ねえ 私 だって 一生懸命 頑張って る の
たまに は お礼 くらい 言え ない わけ ?
ありがとう
( 琴子 ) いつも 憎まれ口 ばっかり さ ー
へ ?
お前 も 随分 まし に は なって る よ
ごちそうさま
ん ?
ハハハッ
うん
ふう
んーっ はぁ
入江 君 遅い なあ …
( 携帯 電話 の 着信音 )
( 携帯 電話 の 着信音 )
入江 君 !
( 携帯 電話 の 着信音 )
何 だ 須藤 さん か
もしもし
あっ 相原 ? 大変 な こと に なった
フッ どうした ん です か ?
あっ 俺 今 松本 に 告白 …
えっ ! 告白 !?
ついに 告白 した んです か ?
いや しよう と した んだ よ
あ … 何 だ
いちいち そんな こと で 電話 して こ ないで ください よ
えっ ? ちゃう ちゃう ちゃう そ したら な 松本 が な …
他 に 好き な 男 が いる って
ふん そりゃあ そう でしょう
松本 さん が 入江 君 の こと 好き な の は
須藤 さん だって 千 も 承知 の はず じゃな …
( 須藤 ) 違う 違う 違う !
そんな こと 俺 だって 知って る よ
松本 が 言った んだ 入江 に 告白 する って
フフッ そりゃあ 好き な 人 が いる んだ から 告白 くらい …
えーっ !!―
松本 さん が 入江 君 に 告白 する !?
はっ いつ ? いつ 告白 する の ?
今夜 …
今夜 !?
( 琴子 ) 松本 さん ―
どこ で どう やって 入江 君 に 告白 する つもり な ん だろう ?―
ああっ
あっ
もしかして もう 告白 しちゃった と か ?
あーっ ノー ! ああっ わっ わ わ …
♪~
はあっ
おお ?
よいしょ …
ごめん ね 待ち伏せ し ちゃって
だいぶ 待った ん じゃない ?
用事 が ある なら 家 に 行って て くれれば よかった のに
それじゃ 駄目 な の
入江 君 だけ に 聞いて ほしい の
勝手 な の は 分かって る
入江 君 が こんな 大変 な とき に
でも …
( 直樹 ) 何 ?
私 … 入江 君 の こと が 好き
ほら はっきり 言った わ よ
だから 入江 君 の 気持ち も はっきり 聞か せて ほしい の ―
私 の こと どう 思って る ?
悪い
俺 松本 の こと は …
友達 以上 に 思え ない
( 松本 ) 私 入江 君 の こと 本当に …―
こんな 気持ち 初めて ―
だから …
諦める なんて でき ない わ
おーっ
あ ?
気 が 済んだ ?
悪い けど
お前 と そういう こと し たく ない んだ
何で 私 じゃ 駄目 な の よ ?
じゃあ 誰 と だったら キス する の よ ?
キス … した よ
琴子 と キス した
♪~
( 松本 ) 私 も ばかに された もん ね
プライド が ズタズタ じゃない
お父様 の 体調 早く よく なる こと を 祈って る わ
( 琴子 ) 私 と の キス なんて あんな 1 年 以上 も 前 の こと ―
どうして 今更 …
おい
人 の 色恋沙汰 立ち聞き して ん じゃねえ よ
う … ごめん
帰り が 遅い から 心配 に なって ―
入江 君 ?
おやじ ほんと は よく ない んだ
( 琴子 ) え ?
今日 おふくろ と 一緒に 話 聞き に 行った
表向き は
おやじ 体調 安定 して る ように 見える けど
精密 検査 の 結果 心臓 に 疾患 が 見つかった
準備 が でき しだい 手術 し ない と いけない
難しい 手術 な の ?
心臓 だ から 成功 した と して も
しばらく は 仕事 に 復帰 でき ない と 思う
そう …
おやじ の 病気 は ストレス や 心配 から 来て る と 思う
この 不景気 で
うち の 会社 の 業績 かなり 悪化 して た んだ
だから
俺 に 早く 会社 を 継いで もらい たかった のに …
私 は お前 を
正式 に うち の 会社 の 後継者 と して 考えて る
このまま で は パンダイ は
吸収 合併 されて しまう かも しれ ません
俺 が 会社 を 継げば 全て 解決 する
でも 入江 君 に は
お 医者 さん に なり たい って 夢 が ある ん じゃない の ?
まだ 日 の 浅い 夢 だ から …