イタズラ な Kiss 〜 Love in TOKYO #12 (2)
うん じゃあ また あした
( 琴子 ) また ね バイバイ
( 理美 ) また あした バイバイ
じゃあ ね ー
バイバーイ
バイバーイ …
金 ちゃん
これ 食べて みて くれ へん ?
いい けど 何 ? これ
今度 な わし の 料理
あい原 で 出して もらえる かも しれ へん ねん
そんで …
そんで …
金 ちゃん の お 料理 お 店 で 出す の ?
金 ちゃん の お 料理 お 店 で 出す の ?
すごい !
すごい !
えっ えっ ? まだ 一皿 だけ や
えっ えっ ? まだ 一皿 だけ や
しかも 先付け の 更に 前 に 出す ―
ほんま お 通し みたいな 一皿 や ―
それ も 大将 に 試食 して もらって オーケー が 出たら って いう 話 や し
わし みたいな もん が 1 人 で コース 出せる ように なる の に は
まだまだ 何年 も かかる ん や
ううん でも すごい よ
あっ 褒める ん は 味見 して から に して くれ や
フフフ で は 早速 いただき ます
うーん
はぁ …
うーん
いただきまーす
ん …
( 金之助 ) えっ あかん か ?
わし 味付け しくじって しもた か ?
ううん すっごい おいしい よ !
金 ちゃん 高校 の とき から お 料理 得意 だった けど
そん とき と は 全然 違う 何か プロ の 味 って 感じ !
はっ ほんま か ?―
せや けど その 割に は 浮か ん 顔 し とった で
はぁ …
何か …
みんな すごい なって 思って …
前 から 女性誌 の 編集部 で 働き たい って 思って た んだ よ ね ー
いやあ 雑誌 って 生き物 な んだ ねえ
もう その 場 に いる だけ で すっごい わくわく する の !
ほんっと に やりがい が ある 仕事 な んだ !
私 は レコード 会社 か
音楽 の プロダクション 入り たい んだ よ ね ―
どんどん インディーズ の 音楽 に 興味 出て き ちゃって
世界 で 通用 する ような バンド を
発掘 できる ような 仕事 し たい なあ と 思って
金 ちゃん も じんこ も 理美 も 自分 の やり たい こと 見つけて
将来 の 夢 に 向かって 動き出して る のに
自分 だけ まだ 何にも 見つかって ない なって 思って …
人 に は 人 それぞれ ペース が ある ん や
琴子 は 琴子 の ペース を 見つけたら ええ ねん
ねえ 金 ちゃん が 料理 やろう って 決めた とき
どんな 感じ だった ?
どうして 自分 の やり たい こと は これ だって 思った の ?
えっ ? ど やった か なあ ?
うーん …
いや こんなん 頭 で 考える こと と ちゃう な
人 を 好き に なる の と 同じ や
人 を 好き に なる の と 同じ ?
せや
誰か を 好き に なる とき ―
頭 で 考え ん で 自然 に 分かる やろ ?
ああ 自分 は この 人 の こと 好き な ん や なあ って
それ と 同じ や
難しい こと 考え へん で も ドキドキ して 楽しい て
ずーっと 一緒に おり たい って 思う やろ ?
それ と 同じ で 気い付い たら
やり たい こと やっ とった っちゅう 感じ や な
ほお ー そっかあ
でも …
好き な 人 の そば に い られる 仕事 が やり たい って いう の と
やり たい こと と は 違う よ ね ?
えっ ?
例えば ―
私 の 好き な 人 が 社長 さん だったら
私 は 秘書 に なり たい って 思う
ウフフ
私 の 好き な 人 が パイロット だったら
私 は CA に なり たい って 思う し
♪~
フフッ フフ … ウフフ
テニス プレーヤー だったら ―
スケジュール を 管理 する マネジャー さん
ウフフ …
大学 教授 だったら
( 琴子 ) アシスタント と して 研究 を ―
手伝ったり ー
いや いや …
うん
うん そんなふうに
将来 の 職業 を 想像 して 夢見る こと は ある んだ よ
でも この 夢 に は 難点 が ある の
好き な 人 の 仕事 に よって
私 の やり たい こと が ころっころ 変わっ ちゃう
それ って 本当に やり たい こと と は 違う よ ね
とても 将来 の 夢 と は 言え ない よ …
はぁ …
金 ちゃん ?
えっ ああ
ハハッ
せや ったら 好き な 人 が 板前 さん やったら
琴子 は 店 の おかみ さん や な
あっ …
あっ …
ハハ …
ハハ …
誰か の 夢 を 支える ため に 生きる っちゅう の は ええ こっちゃ
男 は な
そういう 女 を 幸せに して やり たい と 思う もん や
琴子 は ええ おかみ さん に なれる と 思う けど な
フフ もう 金 ちゃん から かわ ないで よ もう
あっ これ もらって いい ?
あっ これ もらって いい ?
おう
おう
おう
うん
うん
お ー プルプル
いただきまーす
♪~
( 琴子 ) おっ ここ だ ―
就職 活動 支援 コーナー
ん …
人 を 好き に なる の と 一緒 で 自然 に 分かる かあ …
と は 言わ れて も 焦る よ なあ
ん ~
あっ …
♪~
( 琴子 ) 入江 君 何の 本 読んで た ん だろう
自分 が やり たい こと を 見つける ため に
自分 の 力 だけ で 生活 して みたい って 思った んだ
( 直樹 ) あの まま ずっと 家 に いて
大学 出て おやじ の 会社 継いで
本当に そのまま で いい の か なあ と 思って
それ じゃあ 親 の 敷いた レール どおり に 生きて る だけ じゃん
はぁ …
何か … 私 だけ 置いて かれて る 気分 …
入江 君
入江 君 が 勉強 して る なんて 珍しい
ああ 第二 外国語 授業 の 予習 ?
これ 医学書 じゃない
どうした の ? どういう 風 の 吹き回し ?
( 重樹 ) 直樹 そして 琴子 ちゃん
大学 2 年生 進級 本当に おめでと ー !
乾杯 !
乾杯 !
( 一同 ) 乾杯 !
( 一同 ) 乾杯 !
ありがとう
本当に ありがとう ございます
こんな すてき な 席 も 設けて いただいて
いや いや いや … 裕樹 も いよいよ 5 年生 だ な
中学 受験 の ため の 勉強 も 本格的 に なる から な
頑張り たまえ よ ー !
僕 お 兄ちゃん と 同じ 斗南 に 行く !
それ で もちろん A 組 に なって
お 兄 ちゃん みたい に 1 番 に なる ん だあ
おっ 頼もしい じゃない かあ なあ イリ ちゃん
おお ! ハッハッハッ
さあ お 食事 し ましょ ほら 食べて 食べて !
さあ お 食事 し ましょ ほら 食べて 食べて !
はい はい いただき ましょ ー !
はい はい いただき ましょ ー !
はい はい いただき ましょ ー !
( 琴子 ) いただきまーす !
( 琴子 ) いただきまーす !
( 琴子 ) いただきまーす !
( 裕樹 ) いただきまーす !
( 裕樹 ) いただきまーす !
すごい ぞ これ ママ の 特製 手まり 寿司
( 紀子 ) どうぞ
( 紀子 ) どうぞ
( 重雄 ) この 大根 は かわいく 切って ます ね ー
( 重雄 ) この 大根 は かわいく 切って ます ね ー
( 紀子 ) あら もう ! プロ の 方 に 褒め られた
恥ずかしい わあ
さっ お 兄ちゃん も 裕樹 も いっぱい 食べて ね !
ほらっ これ も これ も はい さあ どうぞ
絶対 これ おいしい よ
( 紀子 ) これ も 食べて これ ごと ―
これ も 食べ なくちゃ
これ も 食べ なくちゃ
そんなに いっぺんに 食べ られ ない よ
そんなに いっぺんに 食べ られ ない よ
だって もう ―
ビタミン と か カルシウム とか ちゃんと とって る の か 心配で
ほら 食べて 食べて
まあ まあ まあ 直樹 も 子供 じゃ ない んだ から
ほら ママ も シャンパン どうぞ
あら パパ ありがと じゃあ 飲ん じゃお っかなあ
飲み なさい よ ー フッフッ
おば 様 入江 君 が いる から 何か うれし そう だ ね
ウフフ …
( 紀子 たち の 笑い声 )
( 紀子 ) ほら 裕樹 食べて ね ―
ウフフ …
( 琴子 ) ん ~ おなか いっぱーい
琴子 そんなに 食う と 太る ぞ
自分 だって 食べて た くせ に
僕 は いい んだ よ これ から 背 が 伸びる んだ から
お前 は これ から 胸 が 大きく なる わけ じゃない だろ
ん ? 何 ? シュッ
えいっ
うっ かわ された ! うっ
やっぱり 家族 みーんな が そろう の って いい わ ね
やっぱり 家族 みーんな が そろう の って いい わ ね
うん
うん
うん
お うち が 一番 よ ー ウフフ
お うち が 一番 よ ー ウフフ
お うち が 一番 よ ー ウフフ
うん
お うち が 一番 よ ー ウフフ
いや 家族 で も ない のに ご 一緒 させて もらって
申し訳ない です な
申し訳ない です な
何 言って る んです か
何 言って る んです か
何 言って る んです か
えっ ? フフ
えっ ? フフ
えっ ? フフ
相原 さん だって 家族 同然 じゃない です か
相原 さん だって 家族 同然 じゃない です か
相原 さん だって 家族 同然 じゃない です か
そうたい そうたい
そうたい そうたい
まっ 琴子 ちゃん と お 兄ちゃん の こと
私 は まだ 諦めて ません から ね ー !
( 紀子 ) ねえ お 兄 ちゃーん
まだ 1 人 暮らし 続ける つもり ?
もう 十分 満喫 した でしょ ?
そろそろ うち に 戻って らっしゃい よ
( 裕樹 ) そうだ よ お 兄 ちゃーん
ねえ ?
それ で 琴子 ちゃん と お 兄ちゃん が 結婚 して
ほんと の 家族 に ね ー ? アハハ
酔っ払って る の か ? おふくろ 飲み過ぎ だ ぞ
酔って なんか ない わ よ ー ねえ ? 琴子 ちゃん
私 に は まだ 結婚 は 早い です よ
( 紀子 ) あら どうして ?―
パパ と 私 が 結婚 した とき は
琴子 ちゃん と 同じ 19 歳 の とき だった んだ から
早 過ぎる なんて こと は ない わ よ
( 重樹 と 紀子 の 笑い声 )
ごちそうさま
じゃあ 俺 そろそろ 帰る から
( 紀子 ) あらあ
( 琴子 ) そうだ よ ね ―
私 の 存在 って ―
やっぱり 入江 君 に とって は 迷惑 な んだ よ ね
直樹 ちょっと 待ち なさい
今日 は 話し たい こと が ある んだ よ
書斎 まで 来て くれ ない かな ―
頼む
あっ ママ も 一緒に 来て くれる かな ?
ママ に も 聞い といて もらい たい 話 なんだ
( 紀子 ) あら ああ …
( 紀子 ) あら ああ …
ごめん ね
ん ~ ごめんなさい ね
ちょっと 外し ます けど
お茶 とか して ゆっくり されて て ―
ウフフ
ごめん ね すいませーん ―
はい はーい
( 直樹 ) 何 ?
直樹 お前 将来 の こと は どう 考えて る ?
今日 は お前 の 本音 を 教えて ほしい んだ よ
まあ もう 分かって る だろう けど
私 は お前 を
正式 に うち の 会社 の 後継者 と して 考えて る ―
大学 を 卒業 したら ―
そのまま うち に 入社 して ほしい と 思って る んだ よ
うん 私 も それ に 賛成 よ
( 重樹 ) お前 は まだ 大学 2 年生 だ けど ―
仕事 を 覚える の は 早い に 越した こと は ない ―
だから …
うーん 例えば ―
夏 休み と か そういう の の 長期 の 休暇 を 利用 して
そろそろ うち の 仕事 を
覚えて もらったら いい ん じゃない か なって 思って る
うち の 経営 に ついて お前 の 意見 も 聞き たい し な
遅い なあ お 兄ちゃん たち 何 話して んだ ろ ?
ああ 琴子
( 琴子 ) ん ?
3 人 に お茶 でも 持って って やり な
3 人 に お茶 でも 持って って やり な
うん 分かった
よいしょっ
( 鼻歌 )
( 重樹 ) どう 思う ? 直樹
おやじ の 会社 を 継ぐ か どう か は 今 すぐ 結論 は 出せ ない
もう 少し 考える 時間 が 欲しい
おおっ
( 紀子 ) 考える 時間 は 十分 に あった はず よ !―
パパ の 会社 の こと も 琴子 ちゃん の こと も
( 重樹 ) ママ ―
今 は 琴子 ちゃん の こと は …
いいえ これ だって 大事 な お 兄ちゃん の 将来 の 話 よ
私 は ね 誰 で も いい と 思って
お 兄ちゃん に 琴子 ちゃん を 薦めて る わけ じゃない の よ ―
お 兄ちゃん が パパ の 会社 を 継ぐ なら
琴子 ちゃん は 理想 の お 嫁 さん だ と 思う の よ ―
ねえ パパ ?
( 重樹 ) 確かに ―
企業 を 経営 する の は 並大抵 の こと じゃない ―
家族 の 支え が 絶対 に 必要 だ
だから 直樹 の こと を 考えて くれて ―
直樹 を 支えて くれて ―
そして 周り の 人 たち に ―
愛される ような 人 が 一番 だ と 思う ―
結婚 って いう の は ほれた はれた だけ で ―
やって いける ような もん じゃない から な ―
そういう 意味 で は 琴子 ちゃん は 確かに ―
理想的 な お 嫁 さん だ と 私 も 思う
フフッ
だけど いちばん 大事 な の は 直樹 の 気持ち だ ―
お前 の 考え を 聞か せて くれ ―
どう 思う ? 直樹
どう 思う も 何も
おやじ も おふくろ も
自分 たち の 思いどおり に なる ように しむけて る じゃない か
俺 に 選択 させる ふり を して
結局 俺 の 進む 道 は 勝手に 決ま っちまって る
最初 から ね
そんな の 汚い よ !
き 汚い だ なんて …
お 兄ちゃん パパ に 向かって 何て こと 言う の !