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コンビニ人間, 26.

26 .

暑さ と 寝苦しさ に 寝返り を 打ちながら 、私 は 布団 の 中 で 薄く 目 を 開いた 。 ・・

今日 が 何曜日 なのかも 、今 が 何時 なのかも わからない 。 手さぐりで 枕元の 携帯を 探し当て 、時計を 見ると 、2時だった 。 午前 なのか 午後 なのか 、ぼんやりした 頭では 把握できない まま 押入れの 外に 出ると 、カーテン越しに 昼間の 光が 差し込んでいて 、今は 昼間の 2時だと 把握した 。 ・・

日付を 見ると 、コンビニを 辞めてから もう 二週間 近く 経っている ようだった 。 長い 時間が 経った 気も する し 、時が 止まって いる ように も 思える 。 ・・

白羽 さんは 食事 でも 買いに いって いる のか 、部屋には いなかった 。 出しっぱなし の 折り畳み テーブル の 上には 、昨日 食べた カップ ラーメン の 残骸 が 放置 されている 。 ・・

コンビニ を 辞めて から 、私 は 朝 何時 に 起きれば いい のか わから なくなり 、眠く なったら 眠り 、起きたら ご飯 を 食べる 生活 だった 。 白羽 さん に 命じられる まま に 履歴書 を 書く 作業 を する 他 には 、何も して いなかった 。 ・・

何 を 基準 に 自分 の 身体 を 動かして いい の か わから なく なって いた 。 今 まで は 、働いて いない 時間 も 、私 の 身体 は コンビニ の もの だった 。 健康 的に 働く ために 眠り 、体調 を 整え 、栄養 を 摂る 。 それ も 私 の 仕事 の うち だった 。 ・・

白羽 さん は 相変わらず 浴槽 で 眠り 、昼 の 間 は 部屋 で 食事 を したり 求人 広告 を 見たり と 、自分 が 働いて いた とき より よほど 活き活きと 動き回って 生活 して いる ようだった 。 私は 昼夜 間わず 眠くなる ので 、押入れ の 中 に 布団 を 敷きっぱなしに して 、お腹が すくと 外に 出ていく ように なっていた 。 ・・

喉 が 渇いて いる こと に 気 が 付き 、水道 を ひねって コップ に 水 を 汲み 、一気に 飲み干した 。 ふと 、人間 の 身体 の 水 は 二 週間 ほど で 入れ替わる と どこか で 聞いた ことを 思いだす 。 毎朝 コンビニ で 買って いた 水 は もう 身体 から 流れ出て いき 、皮膚 の 湿り気 も 、目玉 の 上 に 膜 を 張っている 水 も 、もう コンビニ の もの で は なくなっている のだろうか 、と 思った 。 ・・

コップ を 持った 手 の 指 に も 、腕 に も 、黒々 と した 毛 が 生えて いる 。 今まで は 、コンビニ の 為 に 身だしなみ を 整えて いた が 、その 必要 が なくなって 、毛 を 剃る 必要性 も 感じ なく なった のだ 。 部屋 に 立てかけた 鏡 を みる と 、うっすら と 髭 が 生えて いた 。 ・・

毎日 通って いた コインシャワー にも 、三 日 に 一度 、 白羽 さんに 言われて 渋々 行く だけ に なって いた 。 ・・

全て を 、コンビニに とって 合理的 かどうか で 判断していた 私 は 、 基準 を 失った 状態 だった 。 この 行動 が 合理的 か 否 か 、何を 目印 に 決めれば いい のか わからなかった 。 店員 に なる 前 だって 、私 は 合理的 か どうか に 従って 判断していた はずなのに 、そのころ の 自分 が 何を 指針 に していた のか 、忘れてしまっていた 。 ・・

不意に 電子音 が 流れ 、振り向く と 畳 の 上 で 白羽 さん の 携帯 が 嗚って いた 。 どうやら 、置いた まま 出かけた らしい 。 そのまま 放置 しよう か と 思った が 、呼び出し 音 は なかなか 鳴りやまなかった 。 ・・

何か 緊急の 用事 だろう か と 画面 を 見る と 、『鬼嫁 』と 表示 されて いた 。 直感 で 「通話 」を タッチ する と 、案の定 、白羽 さん の 弟 の 奥さん の 怒鳴り声 が した 。 ・・

『 お 義兄 さん 、 何 回 電話 させたら 気 が 済む ん です か ! 居場所 は わかってる ん です から ね 、押しかけます よ ! 』・・

「あの 、こんにちは 、古倉 です 」・・

電話 に 出た の が 私 だ と わかる と 、 白羽 さん の 義妹 は 『 あ 、 あなた です か 』 と 即座に 冷静な 声 に なった 。 ・・

「白羽 さん は 、今 たぶん ご飯 を 買い に 行ってる と 思います 。 すぐ 帰って くる とは 思います が 」・・

『ちょうど いい です 、お義兄さん に 伝え といて もらえますか ? 貸した お金 、先週 三千 円 振り込まれて 以来 、音沙汰 ない んです よ 。 何 なんですか 、三千 円 って 。 馬鹿に して る んです か ? 』・・

「は あ 、すみません 」・・

なんとなく 謝る と 、『ほんと 、しっかり して ください よ 。 借用書 も 書いて もらって ある んです から ね 。 出る とこ 出ます よって 、伝え といて もらえますか 、あの 男 に 』と 苛々 と 義妹 が 言った 。 ・・

「はい 、帰ったら 言って おきます 」・・

『絶対 です よ ! あいつ は 金 に 本当に 意地汚い んだ から 、まったく ! 』・・

義妹 の 憤った 声 の 向こう から 、赤ん坊 が 泣く ような 声 が 聞こえた 。 ・・

私 は ふと 、コンビニ という 基準 を 失った 今 、動物 として の 合理性 を 基準 に 判断 する のが 正しい のでは ないか 、と 思いついた 。 私 も 人間 と いう 動物 なのだ から 、可能 なら 子供 を 産んで 種族 繁栄 させる こと が 、私 の 正しい 道 なのかも しれない 。 ・・

「あの 、ちょっと 聞いてみたい んですけど 、子供って 、作ったほうが 人類の ため ですか ? 」・・

『は !? 』・・

電話 の 向こう で 義妹 の 声 が ひっくり返り 、私 は 丁寧に 説明した 。 ・・

「 ほら 、 私 たちって 動物 だ から 、 増えた ほう が いい じゃない です か 。 私 と 白羽 さん も 、 交尾 を どんどん して 、 人類 を 繁栄 させる の に 協力 した ほう が いい と 思います か ? 」・・

しばらく 何の 音も せず 、ひょっとしたら 電話が 切れて しまった のか と 思った が 、ぶわあ 、と 、携帯から 生ぬるい 空気が 吐きだされて きそうな ほど 、大きな 溜息の 音が した 。 ・・

『勘弁 して ください よ …… 。 バイト と 無職で 、子供 作って どうする んですか 。 ほんとに やめて ください 。 あんた ら みたいな 遺伝子 残さ ないで ください 、 それ が 一 番人類 の ため で すんで 』・・

「あ 、そうですか 」・・

『その 腐った 遺伝子 、寿命 まで 一人 で 抱えて 、死ぬ とき 天国 に 持って行って 、この 世界 に は 一欠けら も 残さ ないで ください 、ほんとに 』・・

「なるほど ……」・・

この 義妹 は なかなか 合理的 な 物 の 考え方 が できる 人 だ 、と 感心 して 頷いた 。 ・・

『ほんと 、あなた と 話してる と 頭 が おかしく なりそうで 、時間 の 無駄 なんで 、もう 切って いい ですか ? あ 、お金 の 件 、絶対に 伝え といて ください ね ! 』・・

義妹 は そう 言い残す と 、通話 を 切った 。 ・・

どうやら 私 と 白羽 さん は 、交尾 を しない ほうが 人類 にとって 合理的 らしい 。 やった ことが ない 性交 を する のは 不気味 で 気が 進まなかった ので 少し ほっと した 。 私の 遺伝子 は 、うっかり どこかに 残さない ように 気を付けて 寿命 まで 運んで 、ちゃんと 死ぬ ときに 処分 しよう 。 そう 決意 する 一方で 、途方に 暮れて も いた 。 それ は 解った が 、その とき まで 私 は 何 を して 過ごせば いい のだろう 。 ・・

ドア の 音 が して 、白羽 さん が 帰って きた 。 近く の 100円ショップ の ビニール袋 を 提げている 。 一日 の リズム が ぐちゃぐちゃに なって 、野菜 を 茹でて 餌 を 作る こと を あまり しなくなった 私 の 代わりに 、白羽さん は 100円 ショップ で 冷凍食品 の おかず を 買ってくる ように なっていた 。 ・・

「 ああ 、 起きた ん です か 」・・

この 狭い 部屋 の 中 に 一緒に いる のに 、昼間 の 食事 時 に 顔 を 合わせる の は 久しぶり だった 。 炊飯器 は ずっと 保温 に なって いて 、開ける と ご飯 が あり 、目が 覚める と それを 口の 中に 押し込んで 、また 押入れに 戻って 眠る ような 生活 だった のだ 。 ・・

顔を 合わせた 流れで 、なんとなく 、一緒に 食事を する 運び となった 。 白羽 さん が 解凍した おかず は 、シュウマイ と チキンナゲット だった 。 皿 に 盛った それ を 無言 で 口 に 運ぶ 。 ・・

自分 が 何の ため に 栄養 を とって いる の か も わから なかった 。 咀嚼 して ドロドロ に なった ご飯 と シュウマイ を 私 は いつまでも 飲み込む こと が できなかった 。 ・・

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