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1 - Harry Potter, 1.2 生き残った 男の子 – Text to read

1 - Harry Potter, 1.2 生き残った 男の子

중급 1 일본어의 lesson to practice reading

지금 본 레슨 학습 시작

1.2 生き残った 男の子

ダーズリー 氏 が トロトロと 浅い 眠りに 落ちた ころ 、塀 の 上 の 猫 は 眠る 気配 さえ 見せて いなかった 。 銅像 の ように じっと 座った まま 、瞬き も せず プリベット 通り の 奥 の 曲り角 を 見つめて いた 。 隣 の 道路 で 車 の ドア を バタンと 閉める 音 が しても 、二羽 の ふくろう が 頭上 を 飛び交って も 、毛 一本 動かさない 。 真夜中 近くに なって 、初めて 猫は 動いた 。

猫 が 見つめていた あたりの 曲り角 に 、一人の 男 が 現れた 。 あんまり 突然 、あんまり スーッと 現れた ので 、地面 から 湧いて出たか と思える ぐらいだった 。 猫 は 尻尾 を ピクッと させて 、目 を 細めた 。

プリベット 通り で こんな 人 は 絶対 見かける はず が ない 。 ヒョロリ と 背 が 高く 、髪 や ひげ の 白さ から みて 相当 の 年寄り だ 。 髪 も ひげ も あまりに 長い ので 、ベルト に 挟み込んで いる 。 ゆったり と 長い ローブ の 上 に 、地面 を 引きずる ほど の 長い 紫 の マント を はおり 、かかと の 高い 、留め金 飾り の ついた ブーツ を はいている 。 淡い ブルー の 目 が 、半月形 の メガネ の 奥 で キラキラ 輝き 、高い 鼻 が 途中 で 少なくとも 二 回 は 折れた ように 曲っている 。 この 人 の 名 は アルバス ・ダンブルドア 。

名前 も 、ブーツ も 、何 から 何 まで プリベット 通り らしく ない 。 しかし 、ダンブルドア は まったく 気 に して いない ようだった 。 マント の 中 を せわしげに 何か を ガサゴソ 探していた が 、誰かの 視線 に 気づいた らしく 、ふっと 顔 を 上げ 、通り の むこう から こちら の 様子 を じっと うかがっている 猫 を 見つけた 。 そこ に 猫 が いる の が 、なぜ か おもしろい らしく 、クスクス と 笑う と 、

「やっぱり そう か 」と つぶやいた 。

探して いた もの が 内 ポケット から 出てきた 。 銀 の ライター の ようだ 。 ふた を パチン と 開け 、高く かざして 、カチッと 鳴らした 。

一番 近く の 街灯 が 、ポッと 小さな 音 を 立てて 消えた 。

もう 一度 カチッと いわせた 。

次 の 街灯 が ゆらめいて 闇 の 中 に 消えて いった 。 「灯消し ライター 」を 十二 回 カチカチ 鳴らす と 、十二 個 の 街灯 は 次々 と 消え 、残る 灯り は 、遠く の 、針 の 先 で つついた ような 二 つ の 点 だけ に なった 。 猫 の 目 だ 。 まだ こっち を 見つめている 。 いま 誰か が 窓 の 外 を のぞいても 、ビーズ の ように 光る 目 の ダーズリー 夫人 でさえ 、何 が 起こっている のか 、この 暗闇 で は まったく 見えなかった だろう 。 ダンブルドア は 「灯消し ライター 」を マント の 中 に スルリ と しまい 、四番地 の 方 へと 歩いた 。 そして 塀 の 上 の 猫 の 隣 に 腰かけた 。 一息 おくと 、顔 は 向けずに 、猫 に 向かって 話しかけた 。

「マクゴナガル 先生 、こんな ところで 奇遇 じゃのう 」

トラ 猫 の 方 に 顔 を 向け 、ほほえみかける と 、猫 は すでに 消えて いた 。 かわりに 、厳格 そうな 女 の 人 が 、あの 猫 の 目 の 周り に あった 縞模様 と そっくり の 四角い メガネ を かけて 座って いた 。

やはり マント を 、しかも エメラルド 色 の を 着て いる 。 黒い 髪 を ひっつめて 、小さな 髷 に している 。 「どうして 私 だ と おわかりになりました の ? 」女 の 人 は 見破られて 動揺していた 。 「まあまあ 、先生 。 あんなに コチコチ な 座り方 を する 猫 なんて いや しません ぞ 」

「一 日 中 レンガ 塀 の 上 に 座って いれば コチコチ に も なります 」「一 日 中 ? お 祝い して いれば よかった のに 。 ここ に 来る 途中 、お祭り やら パーティ やら 、ずいぶん たくさん 見ました よ 」マクゴナガル 先生 は 怒った ように フン と 鼻 を 鳴らした 。 「ええ 、確かに みんな 浮かれて います ね 」マクゴナガル 先生 は いらいら した 口調 だ 。 「みんな もう 少し 慎重に すべき だ と お思い に なりません か ? まったく ……マグル たち で さえ 、何か あった と 気づきました よ 。 何しろ ニュース に なりました から 」マクゴナガル 先生 は 明かり の 消えた ダーズリー 家 の 窓 を あご で しゃくった 。 「この 耳 で 聞きました よ 。 ふくろう の 大群 ……流星群 ……そうなる と 、マグル の 連中 も まったく の おバカさん じゃ ありません から ね 。 何か 感づかない はず は ありません 。 ケント 州 の 流星群 だ なんて ──ディーダラス ・ディグル の しわざ だ わ 。 あの 人 は いつだって 軽はずみ な んだ から 」

「みんな を 責める わけ には いかん でしょう 」

ダンブルドア は やさしく 言った 。

「この 十一年間 、お祝いごと なんぞ ほとんど なかった のじゃ から 」

「それ は わかっています 」マクゴナガル 先生 は 腹立たしげに 言った 。 「だから といって 、分別 を 失って よい わけ は ありません 。 みんな 、なんて 不注意 なん でしょう 。 真っ昼間 から 街 に 出る なんて 。 しかも マグル の 服 に 着替え も せず に 、あんな 格好 の まま で 噂話 を し合う なんて 」

ダンブルドア が 何か 言って くれる の を 期待している かのように 、マクゴナガル 先生 は チラリと 横目 で ダンブルドア を 見た が 、何も 反応 が ない ので 、話 を 続けた 。

「よりによって 、『例 の あの 人 』が ついに 消え失せた ちょうど その 日 に 、今度 は マグル が 私たち に 気づいてしまったら とんでもない こと です わ 。 ダンブルドア 先生 、『あの 人 』は 本当に 消えて しまった の でしょう ね ? 」「 確かに そう らしい のう 。 我々 は 大いに 感謝しなければ 。 レモン ・キャンディー は いかが かな ? 」「 何で すって ? 」「レモン・キャンディーじやよ。 マグル の 食べる 甘い もの じゃが 、わしゃ 、これ が 好き で な 」

「結構 です 」

レモン ・キャンディー など 食べている 場合 で は ない と ばかり に 、マクゴナガル 先生 は 冷ややかに 答えた 。

「今 申し上げました ように 、たとえ 『例の あの 人 』が 消えた にせよ ……」「まあまあ 、先生 、あなた のように 見識 のおありになる 方 が 、彼 を 名指しで 呼べない わけ は ない でしょう ? 『例の あの 人 』なんて まったくもって ナンセンス 。 この 十一 年間 、ちゃんと 名前 で 呼ぶ よう みんな を 説得し続けてきた のじゃが 。 『ヴォルデモート 』と ね 」

マクゴナガル 先生 は ギクリ と した が 、ダンブルドア は くっついた レモン ・キャンディー を はがす のに 夢中 で 気づかない ようだった 。

「『 例の あの人 』 なんて 呼び 続けたら 、 混乱 する ばかり じ や よ 。 ヴォルデモート の 名前 を 言う の が 恐ろしい なんて 、 理由 が ない じゃ ろう が 」

「そりゃ 、先生 に とって は ない かも しれません が 」マクゴナガル 先生 は 驚き と 尊敬 の 入りまじった 言い方 を した 。 「だって 、先生 は みんな と は 違います 。 『例の あ 』……いい でしょう 、ヴォルデモート が 恐れて いた のは あなた 一人 だけ だった と いう こと は 、みんな 知ってます よ 」「おだてないで おくれ 」ダンブルドア は 静かに 言った 。 「ヴォルデモート に は 、私 に は 決して 持つ こと が できない 力 が あった よ 」

「それ は 、あなた が あまりに ──そう ……気高くて 、そういう 力 を 使おう と なさらなかった から です わ 」

「あたり が 暗くて 幸い じゃ よ 。 こんなに 赤く なった の は マダム ・ ポンフリー が わし の 新しい 耳 あて を 誉めて くれた 時 以来 じゃ 」

マクゴナガル 先生 は 鋭い まなざし で ダンブルドア を 見た 。

「ふくろう が 飛ぶ の は 噂 が 飛ぶ の に 比べたら なんでもありません よ 。 みんな が どんな 噂 を している か 、 ご存知 ですか ? なぜ 彼 が 消えた のだろう とか 、何 が 彼 に とどめを 刺した のだろうか とか 」

マクゴナガル 先生 は いよいよ 核心に 触れた ようだ 。 一日中 冷たい 、固い 塀 の 上で 待っていた 本当 の わけ は これ だ 。 猫 に 変身 して いた 時 に も 、自分 の 姿 に 戻った 時 に も 見せた こと が ない 、射す ような まなざし で 、ダンブルドア を 見すえている 。 他 の 人 が なんと 言おう が 、ダンブルドア の 口 から 聞かない かぎり 、絶対 信じない と いう 目つき だ 。 ダンブルドア は 何も 答えず 、レモン ・キャンディー を もう 一個 取り出そう と していた 。

「みんな が 何 と 噂している か です が ……」

マクゴナガル 先生 は もう 一押し してきた 。

「昨夜 、ヴォルデモート が ゴドリック の 谷 に 現れた 。 ポッター 一家 が ねらい だった 。 噂 では リリー と ジェームズ が ……ポッター 夫妻 が ……あの 二人 が ……死んだ ……とか 」

ダンブルドア は うなだれた 。 マクゴナガル 先生 は 息 を のんだ 。

「リリー と ジェームズ が ……信じられない ……信じたくなかった ……ああ 、アルバス ……」ダンブルドア は 手 を 伸ばして マクゴナガル 先生 の 肩 を そっと 叩いた 。 「わかる ……よーく わかる よ ……」

沈痛な 声 だった 。

マクゴナガル 先生 は 声を 震わせながら 話し続けた 。

「それ だけ じゃ ありません わ 。 噂 で は 、一人 息子 の ハリー を 殺そうとした とか 。 でも ──失敗した 。 その 小さな 男の子 を 殺す こと は できなかった 。 なぜなのか 、どう なった のか は わからない が 、ハリー・ポッター を 殺しそこねた 時 、ヴォルデモート の 力 が 打ち砕かれた ──だから 彼 は 消えた のだ と 、そういう 噂 です 」

ダンブルドア は むっつり と うなずいた 。

「それじゃ ……やはり 本当 なんですか ? 」マクゴナガル 先生 は 口ごもった 。 「あれほど の こと を やっておきながら ……あんなに たくさん 人 を 殺した のに ……小さな 子供 を 殺しそこねた って いう んですか ? 驚異 ですわ ……よりによって 、彼 に とどめを刺した のは 子供 ……それにしても 、一体全体 ハリー は どう やって 生き延びた んでしょう ? 」「想像する しか ない じゃろう 。 本当 の こと は わからずじまい かも しれん 」

マクゴナガル 先生 は レース の ハンカチ を 取り出し 、メガネ の 下 から 眼 に 押し当てた 。 ダンブルドア は 大きく 鼻 を すする と 、ポケット から 金 時計 を 取り出し て 時間 を 見た 。 とても おかしな 時計 だ 。 針 は 十二 本 も ある のに 、 数字 が 書いて いない 。 そのかわり 、小さな 惑星 が いくつ も 時計 の 縁 を 回っていた 。 ダンブルドア に は これ で わかる らしい 。 時計 を ポケット に しまう と 、こう 言った 。

「ハグリッド は 遅い のう 。 ところで 、あの 男 じゃろう ? わし が ここ に 来る と 教えた のは 」

「そう です 。 一体全体 なぜ こんな ところ に おいでになった のか 、たぶん 話して は くださらない のでしょう ね ? 」「ハリー ・ポッター を 、伯母さん 夫婦 の ところ へ 連れて くる ため じゃ よ 。 親戚 は それ しか いない ので な 」「まさか ──間違っても 、ここ に 住んでいる 連中 の こと じゃない でしょう ね 」マクゴナガル 先生 は はじかれた よう に 立ちあがり 、四 番地 を 指さしながら 叫んだ 。 「ダンブルドア 、だめ です よ 。 今日 一日 ここ の 住人 を 見て いました が 、ここ の 夫婦 ほど 私たち と かけ離れた 連中 は またと いません よ 。 それに ここ の 息子 と きたら ──母親 が この 通り を 歩いている 時 、お菓子 が 欲しい と 泣きわめきながら 母親 を 蹴り続けていました よ 。 ハリー ・ポッター が ここ に 住む なんて ! 」「ここ が あの 子 に とって 一 番 いい のじゃ 」 ダンブルドア は きっぱりと 言った 。

「伯父さん と 伯母さん が 、あの 子 が 大きく なったら すべて を 話して くれる じゃ ろう 。 わし が 手紙 を 書いて おいた から 」

「手紙 です って ? 」マクゴナガル 先生 は 力なく そう 繰り返す と 、また 塀 に 座りなおした 。 「ねえ 、ダンブルドア 。 手紙 で 一切 を 説明 できる と お考え ですか ? 連中 は 絶対 あの 子 の こと を 理解 しやしません ! あの 子 は 有名人 です ──伝説 の 人 です ──今日 の この 日 が 、いつか ハリー・ポッター 記念日 に なる かも しれない ──ハリー に 関する 本 が 書かれる でしょう ──私たち の 世界 で ハリー の 名 を 知らない 子供 は 一人 も いなく なる でしょう ! 」「その とおり 」 ダンブルドア は 半月 メガネ の 上 から 真面目な 目つき を のぞかせた 。

「そうなれば どんな 少年 でも 舞い上がって しまう じゃろう 。 歩いたり しゃべったり する 前 から 有名 だ なんて ! 自分 が 覚えて も いない こと の ため に 有名 だ なんて ! あの 子 に 受け入れる 準備 が できる まで 、そうした こと から 一切 離れて 育つ 方 が ずっと いい と いう こと が わからん かね ? 」マクゴナガル 先生 は 口 を 開きかけた が 、思いなおして 、喉 まで 出かかった 言葉 を 飲み込んだ 。 「そう 、そう です ね 。 おっしゃる とおり です わ 。 でも ダンブルドア 、どう やって あの 子 を ここ に 連れてくる んですか ? 」ダンブルドア が ハリー を マント の 下 に 隠して いる と でも 思った の か 、マクゴナガル 先生 は チラリ と マント に 目 を やった 。 「ハグリッド が 連れて くる よ 」

「こんな 大事な こと を ハグリッド に 任せて ──あの ……賢明な こと でしょうか ? 」「わし は 自分 の 命 で さえ ハグリッド に 任せられる よ 」「何も あれ の 心根 が まっすぐ じゃない なんて 申しません が 」マクゴナガル 先生 は しぶしぶ 認めた 。 「でも ご存知 の ように 、うっかり している でしょう 。 どうも あれ と きたら ──おや 、何かしら ? 」低い ゴロゴロ という 音 が あたり の 静けさ を 破った 。 二 人 が 通り の 端 から 端 まで 、車 の ヘッドライト が 見え は しない か と 探している 間 に 、音 は 確実に 大きく なってきた 。 二人 が 同時に 空 を 見上げた 時 に は 、音 は 爆音 に なって いた 。 ──大きな オートバイ が 空 から ドーン と 降って きて 、二人 の 目の前 に 着陸した 。

巨大 な オートバイ だった が 、それ に またがっている 男 に 比べれば ちっぽけ な もの だ 。 男 の 背丈 は 普通 の 二 倍 、横幅 は 五 倍 は ある 。 許しがたい ほど 大きすぎて 、それに なんて 荒々しい ──ボウボウ と した 黒い 髪 と ひげ が 、長く モジャモジャ と 絡まり 、ほとんど 顔中 を 覆って いる 。 手 は ゴミ バケツ の ふた ほど 大きく 、革 ブーツ を はいた 足 は 赤ちゃん イルカ ぐらい ある 。 筋肉 隆々 の 巨大な 腕 に 、何か 毛布 に くるまった もの を 抱えて いた 。

「ハグリッド や 」

ダンブルドア は ほっとした ような 声で 呼びかけた 。

「やっと 来た ね 。 いったい どこから オートバイを 手に入れた ね ? 」「借りた んで さ 。 ダンブルドア 先生 様 」

大男 は ソーツ と 注意 探く 車 から 降りた 。

「ブラック 家 の シリウス っちゅう 若者 に 借りた んで 。 先生 、この 子 を 連れて きました 」「問題 は なかったろう ね ? 」「はい 、先生 。 家は あらかた 壊されっちまってた ですが 、マグルたちが 群れ寄ってくる 前に 、無事に 連れ出しました 。 ブリストル の 上空 を 飛 ん どった 時 に 、 この 子 は 眠っち まいました 」 ダンブルドア と マクゴナガル 先生 は 毛布 の 包み の 中 を のぞき込んだ 。 かすかに 、男の 赤ん坊が 見えた 。 ぐっすり 眠って いる 。 漆黒 の ふさふさ した 前髪 、そして 額 に は 不思議な 形 の 傷 が 見えた 。 稲妻 の ような 形 だ 。

「この 傷 が あの ……」マクゴナガル 先生 が ささやいた 。

「そうじゃ 。 一生 残る じゃろう 」

「ダンブルドア 、なんとか して やれない んですか ? 」「たとえ できた としても 、わしは 何も せん よ 。 傷 は 結構 役に立つ もん じゃ 。 わし に も 一 つ 左 膝 の 上 に ある が ね 、 完全な ロンドン の 地下鉄 地図 に なって おる …… さて と 、 ハグリッド や 、 その 子 を こっち へ ── 早く すませた ほう が よかろう 」

ダンブルドア は ハリー を 腕 に 抱き 、ダーズリー 家 の 方 に 行こう と した 。

「あの ……先生 、お別れの キス を させて もらえ ねえ でしょうか ? 」ハグリッド が 頼んだ 。 大きな 毛むくじゃら の 顔 を ハリー に 近づけ 、ハグリッド は チクチク 痛そうな キス を した 。 そして 突然 、傷ついた 犬 の ような 声 で ワオーン と 泣き出した 。

「シーッ ! マグル たち が 目 を 覚まして しまいます よ 」マクゴナガル 先生 が 注意 した 。 「す 、す 、す まねえ 」

しゃくりあげ ながら ハグリッド は 大きな 水玉模様 の ハンカチ を 取り出し 、その 中 に 顔 を 埋めた 。

「と 、とっても がまん でき ねえ ……リリー と ジェームズ は 死んじまう し 、かわいそうな ちっちゃな ハリー は マグル たち と 暮さ なきゃ なんねえ ……」

「そう よ 、ほんとに 悲しい こと よ 。 でも ハグリッド 、自分 を 抑え なさい 。 さもないと みんな に 見つかって しまいます よ 」マクゴナガル 先生 は 小声 で そう いい ながら 、ハグリッド の 腕 を 優しく ポンポン と 叩いた 。 ダンブルドア は 庭 の 低い 生垣 を またいで 、玄関 へ と 歩いて いった 。 そっと ハリー を 戸口 に 置く と 、 マント から 手紙 を 取り出し 、 ハリー を くるんだ 毛布 に はさみこみ 、 二人 の ところ に 戻って きた 。 三人 は 、まるまる 一 分間 そこ に たたずんで 、小さな 毛布 の 包み を 見つめて いた 。 ハグリッド は 肩 を 震わせ 、 マクゴナガル 先生 は 目 を しばたかせ 、 ダンブルドア の 目 から は いつも の キラキラ した 輝き が 消えて いた 。

「 さて と ……」

ダンブルドア が やっと 口 を 開いた 。

「これ で すんだ 。 もう ここ に いる 必要 は ない 。 帰って お祝い に 参加 しよう か の 」

「へい 」

ハグリッド の 声 は くぐもって いる 。

「シリウス に バイク を 返して きます だ 。 マクゴナガル 先生 、ダンブルドア 先生 様 、おやすみ なせ え 」

ハグリッド は 流れ 落ちる 涙 を 上着 の 袖 で ぬぐい 、オートバイ に さっと またがり 、エンジン を かけた 。 バイク は うなり を 上げて 空 に 舞い上がり 、夜 の 闇 へ と 消えて いった 。

「後 ほど お 会い しましょう ぞ 。 マクゴナガル 先生 」

ダンブルドア は マクゴナガル 先生 の 方 に 向かって うなずいた 。 マクゴナガル 先生 は 答 の かわり に 鼻 を かんだ 。

ダンブルドア は クルリ と 背 を 向け 、通り の むこうに 向かって 歩き 出した 。 曲り角 で 立ち止まり 、また 銀 の 「灯消し ライター 」を 取り出し 、一回 だけ カチッと いわせた 。 十二 個 の 街灯 が いっせいに ともり 、プリベット 通り は 急に オレンジ色 に 照らし出された 。 トラ 猫 が 道 の むこう 側 の 角 を しなやかに 曲がって いく の が 見えた 。 そして 四番地 の 戸口 の ところ に は 毛布 の 包み だけ が ポツンと 見えた 。

「幸運 を 祈る よ 、ハリー 」

ダンブルドア は そう つぶやく と 、靴 の かかと で クルクルッ と 回転 し 、ヒュッ という マント の 音 と ともに 消えた 。

こぎれい に 刈り込まれた プリベット 通り の 生垣 を 、 静か な 風 が 波立たせた 。 墨 を 流した ような 夜空 の 下 で 、通り は どこまでも 静か で 整然 と していた 。 まか 不思議な 出来事 が 、ここ で 起こる とは 誰 も 思っても みなかった こと だろう 。 赤ん坊 は 眠った まま 、毛布 の 中 で 寝返り を 打った 。

片方 の 小さな 手 が 、わき に 置かれた 手紙 を 握った 。 自分 が 特別 だ なんて 知ら ず に 、有名 だ なんて 知ら ず に 、ハリー・ポッター は 眠り 続けて いる 。 数 時間 も すれば 、ダーズリー 夫人 が 戸 を 開け 、ミルク の 空き瓶 を 外 に 出そう と した とたん 、悲鳴 を 上げる だろう 。 その 声 で ハリー は 目が 覚める だろう 。 それ から 数 週間 は 、いとこ の ダドリー に 小突かれ 、つねられ る ことに なる だろう に ……そんな ことは 何も 知らずに 、赤ん坊 は 眠り 続けている ……ハリー には わかる はずも ない が 、こうして 眠っている この 瞬間 に 、国中 の 人が 、あちこちで こっそりと 集まり 、杯を 挙げ 、ヒソヒソ 声で 、こう 言っている のだ 。

「生き残った 男の子 、ハリー ・ポッター に 乾杯 !」

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